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特許7004663インライナを備えたプラスチックインナタンク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】インライナを備えたプラスチックインナタンク
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/04 20060101AFI20220114BHJP
   B65D 90/12 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
B65D90/04 G
B65D90/12 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018549855
(86)(22)【出願日】2017-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2017000360
(87)【国際公開番号】W WO2017162335
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】102016003496.3
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591112326
【氏名又は名称】マウザー-ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Mauser-Werke GmbH
【住所又は居所原語表記】Schildgesstrasse 71-163, D-50321 Bruehl, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ヴァイラオホ
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-190791(JP,A)
【文献】特開2001-163358(JP,A)
【文献】米国特許第05111937(US,A)
【文献】特開平02-191171(JP,A)
【文献】特表2019-509225(JP,A)
【文献】米国特許第05680955(US,A)
【文献】特開2006-312493(JP,A)
【文献】独国実用新案第202014007695(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/10
B65D 25/14
B65D 77/04-77/06
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状または流動性の充填物を保管しかつ搬送するためのパレットコンテナ(10)または類似の大容量の外装容器用の、薄壁で剛性のプラスチックインナタンク(12)であって、2つの比較的長い側壁と、比較的短い後壁と、比較的短い前壁と、閉鎖可能な充填管片(30)を備えた上底部と、タンク底部とを有しており、タンク底部側において前記前壁の中央には、閉鎖可能な取出し部品(24)を保護するように後方にずらして配置するために、当該プラスチックインナタンク(12)の内部に向けられた保護ハウジング形の加工成形部(26)を備えた下側の取出し領域が設けられており、当該剛性のプラスチックインナタンク(12)内には、薄壁のプラスチックフィルムまたは複合フィルムから成るフレキシブルなインライナ(28)が挿入されており、該インライナ(28)は、上側では前記充填管片(30)に接続されており、または/かつ下側では当該剛性のプラスチックインナタンク(12)の取出し部品(24)を備えた取出し管片(32)に接続されている、プラスチックインナタンク(12)において、
立方体形のフレキシブルな前記インライナ(28)は、前記下側の取出し領域に、内側に向けられて、当該剛性のプラスチックインナタンク(12)の前記保護ハウジング形の加工成形部(26)に相応するように形状適合された、2つの側壁部分(36)、上壁部分(38)およびフレキシブルな前記取出し管片(42)が一体成形された後壁部分(40)を備える壁湾入部(34)を有しており、該壁湾入部(34)は、当該剛性のプラスチックインナタンク(12)の内部に保護ハウジングを形成するように突入している前記加工成形部(26)の内側表面に正確に適合して当て付けられるように形成されており、 当該プラスチックインナタンク(12)の上底部に、気密かつ液密に閉鎖可能な別のタンク開口(64)が設けられていることを特徴とする、プラスチックインナタンク(12)。
【請求項2】
前記立方体形のフレキシブルなインライナ(28)は、3つの裁断部分が互いに溶接されて成っており、中央のフレキシブルな充填管片(44)を備えた上側の水平方向のふた部分(46)と、前記壁湾入部(34)の底部形状に対応する切欠き(50)を備えた下側の水平方向の底部分(48)と、前記インライナ(28)の前記壁湾入部(34)の前記2つの側壁部分(36)、前記上壁部分(38)および前記後壁部分(40)用の表面部分を備えた、鉛直方向の環状の側壁裁断部分(52)とを有している、請求項1記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項3】
前記3つの裁断部分は、前記上側のふた部分(46)の外縁と前記下側の底部分(48)の外縁とにおいてそれぞれ周方向に延在する上下の水平方向の溶接シーム(54,56)でもって、かつ前記側壁裁断部分(52)を閉じるために前記前壁の中央と前記壁湾入部(34)の中央とを通り鉛直に上から下に延在する溶接シーム(58)でもって互いに溶接されている、請求項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項4】
前記3つの裁断部分は、前記上側のふた部分(46)の外縁と前記下側の底部分(48)の外縁とにおいてそれぞれ周方向に延在する上下の水平方向の溶接シーム(54,56)でもって、かつ前記側壁裁断部分(52)を閉じるために前記後壁の中央において鉛直に上から下に延在する溶接シームでもって互いに溶接されており、前記前壁の中央には鉛直に上から下へ、前記壁湾入部(34)まで延びる切除部(60)が設けられている、請求項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項5】
上側の前記水平方向の溶接シーム(54)の長さは、下側の前記水平方向の溶接シーム(56)の長さよりも短くなっており、もしくは前記上側のふた部分(46)の上側の溶接シーム周囲は、前記下側の底部分(48)の下側の溶接シーム周囲よりも短くなっており、かつ前記側壁裁断部分(52)の前側の鉛直方向の前記溶接シーム(58)は、インライナの立方体の高さよりも長くなっている、請求項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項6】
1000lの充填物用容積を有するインライナ(28)の場合、前記上側の水平方向の溶接シーム(54)の長さ、すなわち前記上側の溶接シーム周囲(SNUo)は4100~4150mmであり、前記下側の水平方向の溶接シーム(56)の長さ、すなわち前記下側の溶接シーム周囲(SNUu)は約4265~4310mmであり、側の鉛直方向の前記溶接シーム(58)は約1050~1100mmの長さとなっている、請求項3または5記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項7】
前記フレキシブルなインライナ(28)は、約1000lの充填物体積用に、1150~1190mmの長さ(LI)、950~1050mmの幅(BI)および950~1050mmの高さ(HI)を備える立方体形の形状を有しており、かつその壁は、3つの裁断部分が互いに溶接されて成る、請求項から6までのいずれか1項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項8】
前記フレキシブルなインライナ(28)は、約145mmまたは約225mmの直径および290~310mmの長さを備えた上側の前記充填管片(44)と、約2インチまたは3インチの直径および少なくとも100mmの長さを備えた下側のフレキシブルな取出し管片(42)とを有している、請求項から7までのいずれか1項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項9】
前記別の閉鎖可能なタンク開口(64)は、2インチ栓により気密かつ液密に閉鎖可能な2インチ開口として形成されており、圧縮空気/真空ポンプの接続用に設けられている、請求項から8までのいずれか1項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項10】
前記フレキシブルなインライナ(28)は、その前記上側の充填管片(44)でもって、当該剛性のプラスチックインナタンク(12)の前記上側の充填管片(30)内に材料接続的に気密かつ液密に溶接されていると共に、その下側のフレキシブルな前記取出し管片(42)でもって、当該剛性のプラスチックインナタンク(12)の下側の取出し管片(32)内に材料接続的に気密かつ液密に溶接されている一方で、挿入された前記インライナ(28)の全外側表面は、当該プラスチックインナタンク(12)の全内側表面と作用接触していると共に、摩擦接続的に結合されている、請求項から9までのいずれか1項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【請求項11】
前記フレキシブルなインライナ(28)の前記上側のフレキシブルな充填管片(44)と前記下側のフレキシブルな取出し管片(42)とは、前記フレキシブルなインライナ(28)の多層複合フィルム材料と同じ多層複合フィルム材料から成るチューブフィルムとして、同じバリア特性を備えて製造されている、請求項から10までのいずれか1項記載のプラスチックインナタンク(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状または流動性の充填物を保管しかつ搬送するためのパレットコンテナまたは類似の大容量の外装容器用の、インライナを備えた薄壁で剛性のプラスチックインナタンクであって、2つの比較的長い側壁と、比較的短い後壁と、比較的短い前壁と、閉鎖可能な充填管片を備えた上底部と、タンク底部とを有しており、底部側において前壁の中央には、閉鎖可能な取出し部品を保護するように後方にずらして配置するために、プラスチックインナタンクの内部に向けられた保護ハウジング形の加工成形部を備えた下側の取出し領域が設けられており、剛性のプラスチックインナタンク内には、薄壁のプラスチックフィルムまたは複合フィルムから成るフレキシブルなインライナが挿入されており、インライナは、上側では充填管片に接続されており、または/かつ下側では剛性のプラスチックインナタンクの取出し部品を備えた取出し管片に接続されている、プラスチックインナタンクに関する。
【0002】
問題点:
パレットコンテナ(一般的な商品名:「中型容量コンテナ」(”Intermediate Bulk Container”)‐以下、「IBC」とも言う)は、とりわけ化学工業において‐特に危険な‐液状または流動性の充填物の保管および搬送用に広範に使用される。そこでIBCは、主に液状の化学物質の搬送用に用いられる。これらの化学製品は、濃縮された形態では人間や動物にとって健康を損なうと共に環境を脅かすため、大部分が危険な液状の充填物として等級付けされている。IBCでの保管および搬送に際して、化学物質は、プラスチックインナタンクのHDPE材料に例えば変色、汚染、脆化または損傷等の負荷をかけることがあり、その結果、使用済みのインナタンクを簡単に洗浄することはできないので再使用は不可能である。一般に、使用済みのIBCを複数回使用する場合には、損傷されたプラスチックインナタンクを新しいインナタンクと交換するしかない。しかしながらこのことは、プラスチックインナタンクは必要条件に応じて約14kg~18kgの重さを有していてよいということを考慮すると、プラスチック材料の少なからぬ浪費を伴う高価な解決手段である。より廉価な解決手段は、プラスチックインナタンクを各充填物による汚染から、挿入された薄いインライナもしくはフィルムバッグを用いて保護し、これによりインナタンクを複数回、引き続きもしくは再び使用することを可能にする、という点にある。この場合には、汚染されたインライナだけを廃棄処分して、IBCを再利用するために新しいインライナを挿入すればよい。フィルム厚さに応じて、1000リットルIBC用のインライナは単に約0.7~1.3kgのプラスチック材料の重量を有するに過ぎない。
【0003】
薄壁のフィルムバッグもしくはインライナを、例えば大型の剛性の段ボール箱または厚紙箱等の剛性の箱形のアウタタンク内に挿入すること(バッグインボックス)は、数年来汎用の手段である。しかしながら、正方形または矩形のアウタタンク用には常に、「一重に編成された」円筒形、立方体またはクッション状のインライナしかない。これらのインライナは、外部に設けられた取出しシステムを有する容器には問題無く使用され得る。後方にずらされ外部の影響から保護される取出し部品のために、インナタンクの内側に向かって加工成形された保護ハウジングを備える、ブロー成形された剛性のもしくは硬いプラスチックインナタンクを備えたIBCまたはインナタンクを備えた類似の大容量の(すなわち典型的には約500l以上の収容能力を備え、1250lまでのIBC容器として使用される)容器には、前記一重のインライナを良好に使用することはできない。なぜならば、一重のインライナは、取付け、充填、取出しおよび剛性のインナタンクからの取外しを伴う取扱いにおいて常に問題を生ぜしめ、特にこの場合は必然的に、下側の取出し管片の周囲の領域に皺が形成されるからである。
【0004】
背景技術:
欧州特許出願公開第2090528号明細書(EP 2 090 528 A1)から、汎用のパレットコンテナの取出し部品用の保護ハウジングが加工成形された剛性のプラスチックインナタンク内で、薄いフィルム状のインライナを使用することが公知である。この場合はとりわけ、ねじ嵌め式の取り出し部品を用いた、プラスチックインナタンクの剛性の取出し管片における薄壁のインライナ取出し管片の確実な固定が問題となっている。この場合、薄いフィルムチューブの前縁は、シールフランジとシールリップとを備えた取出し部品のハウジング‐ねじ式ナットの環状ショルダにより端面側で、ボトル‐取出し管片に溶接された(雄ねじ山を有する)ねじ山付きスリーブに挟み込まれる。しかしながら、ハウジング‐ねじ式ナットをねじ嵌めるために装着すると、薄いフィルムチューブの折り返された縁部はもはやしっかりとは保持されず、見えなくなると同時に、外れやすくなるか、またはそれどころか皺ができることもある。このことを防ぐために、フィルム縁部に形成された小さな突起と、ねじ山付きスリーブ端面壁に形成された、対応する凹部とが支援することが望ましい。インライナ取出し管片の固定および回動防止はいずれにしろ、ハウジング‐ねじ式ナットのねじ山を完全に締め付けて挟むことによってしか行われない。同時に、取出し部品の開放レバーが正確に鉛直方向に位置していることが保証されねばならない。
【0005】
米国特許第655657号明細書(US 6,55,657 B1)から公知の別の大型容器の場合には、プラスチックインナタンク内の取出し部品用の保護ハウジングの領域における、望ましくない皺形成が欠点であると認識され、これに相応する適切な対策として、インライナの薄壁の取出し管片が、インライナ前壁の底部側に近い領域にではなく、むしろ立方体形のインライナの下底部の前側縁部に密接して位置決めされている。この場合、IBCの剛性のインナタンクにインライナを挿入すると、下底部の前側縁部が直角に上方に向かって折り畳まれ、インライナの薄壁の取出し管片が、インナタンクの剛性の取出し管片を通って案内されると共に、固定される。しかしこれにより、インライナをインナタンクの前壁に全面的に当て付けることができず、インライナの下側では、インナタンクの保護ハウジングに隣接する側方に、自由空間もしくは中空空間が残留することになる。IBCの充填量が増えると、インライナは液状の充填物により、保護ハウジングと、その横に隣接する、剛性のインナタンクの底部とに向かって押圧される。このときインライナは、この場合も必然的に剛性のインナタンクの側方のコーナー領域から引き出され、この場合も、恐らくより一層両サイドに向かい、もはや取出し管片の流出開口の直前には位置しなくなると、薄壁のインライナに皺が形成されることは不可避である。つまり、ここでも皺形成の問題は、完全には解決されていない。
【0006】
全ての周知のIBCにおいて、薄壁のインライナは、その下側のフレキシブルな取出し管片でもってプラスチックインナタンクの下側の剛性の取出し管片に固定されていると共に、上側ではそのフレキシブルな充填管片でもってプラスチックインナタンクの上側の剛性の充填管片に固定されており、その他は上から下に、自由に懸吊されている。パレットコンテナの充填に際して‐上からかまたはいわゆる「底部充填」時の下からかは重要でない‐液状の充填物は大抵、未だ高められたプロセス温度で加圧されて、もしくは強力な噴射により、インライナ内へ充填される。このときしばしば、フィルム材料の激しい振動が生じる。インライナ底部がタンクコーナーから引き出されることは極めて頻繁にあり、皺が形成され、この皺は、後で充填物を取り出す際に、底部側の取出し開口をふさぐ恐れがある。充填度に応じて、インライナはその液状の内容物と共に、外部から作用する搬送の揺れに基づきプラスチックインナタンクの上部領域もしくは空隙空間内で往復揺動するので、常時変動する引張荷重がインライナの上側の充填管片に作用して、フィルム材料が裂断する、または上側のインライナ壁に設けられたインライナ管片のフランジ溶接シームが裂断する恐れがある。この現象を防止するためには、インライナの製造用に高価な耐ストレス性のフィルム材料を使用する必要がある。生憎、高度なバリア特性を備えた複合フィルムは、極めて劣悪なストレス耐久性しか有しておらず、多くの用途に使用することができない。
【0007】
課題:
本発明の根底を成す課題は、従来技術の欠点を最早有さず、特に、組立時、液状の充填物の加圧充填時および充填物の排出時に、剛性のインナタンクの内部のインライナに皺が形成されることが高い確実性をもって回避される、特に危険な液状または流動性の充填物を保管しかつ搬送するためのパレットコンテナ(IBC)または別の大容量の外装容器用の、インライナが統合されたプラスチックインナタンクを提供することにある。大容量の液体容器のユーザ(充填者および排出者)にとって、インライナを備えたタンクの使用もしくは取扱いが、その特別な構造上の構成に基づき、インライナ無しのタンクの取扱いと異なることは全くない。
【0008】
解決手段:
この課題は、特許請求項1記載の特徴により解決される。後続の従属請求項記載の特徴は、本発明によるプラスチックインナタンクの別の有利な構成を表すものである。
【0009】
提案する技術的な教示は、パレットコンテナまたは別の大容量の容器システムの外側の格子ケージまたは別の外装容器内の取出し部品を後方にずらして保護する配置のために、インナタンクの内側に向かって加工成形された保護ハウジングを備え、IBCおよびブロー成形されたプラスチックインナタンクを備える別の大容量の容器において使用するために形状適合されたインライナが装備されたIBCおよび別の大容量の容器システムの、改良された取扱い安全性を開く。例えば剛性のプラスチックインナタンクの取出し管片を内側から詰まらせるインライナの底部側の皺形成に基づき、インライナの不密性または/および充填物取出し時の障害が生じると、顧客はそれを許容せず、IBC内での薄壁のインライナの引き続く使用を拒否することが判った。
【0010】
本発明による構造的な手段によりさらに、高価値で、複数回使用可能なプラスチックインナタンクの価値の保全が、廉価なインライナもしくはフィルムバッグの障害の無い使用により保証され、これにより、ブロー成形された高価な品であるプラスチックインナタンクに関して不必要な材料浪費が行われることは、もはやなくなる。
【0011】
このことは構造的に、立方体形のフレキシブルなインライナも、下側の取出し領域に、内側に向けられて、剛性のプラスチックインナタンクの保護ハウジング形の加工成形部(以下、同義の「取出し部品保護ハウジング」とも言う)に相応するように形状適合された、2つの側壁部分、上壁部分およびフレキシブルな取出し管片が一体成形された後壁部分を備える壁湾入部を有しており、かつ剛性のプラスチックタンクの内部に突入している、取出し部品保護ハウジングの加工成形部の内側表面に正確に適合して当て付けられるように形成されていることにより、生ぜしめられる。これにより、プラスチックインナタンク内にインライナが挿入された状態で、まだ空のインライナ底部の下またはインライナ底部に隣接する側方に中空空間は一切存在していない。この中空空間が、周知のIBCに液状の充填物が継続的に充填された場合と同様に常にふさがれることにより、必然的に汎用のインライナのゆがみや皺形成を招く。
【0012】
この場合、本発明の構造的な構成では有利には、立方体形のフレキシブルなインライナは3つの裁断部分が互いに溶接されて成っており、そのため中央の充填管片を備えた上側の水平方向のふた部分と、壁湾入部の底部形状に対応する切欠きを備えた下側の水平方向の底部分と、インライナの壁湾入部の2つの側壁部分、上壁部分および後壁部分用の面部分を備えた、鉛直方向の環状の側壁裁断部分とを有していることが想定されている。
【0013】
本発明の1つの製造技術的な構成では、3つの裁断部分は、上側のふた部分の外縁と下側の底部分の外縁とにおいてそれぞれ周方向に延在する水平方向の溶接シームでもって、かつ側壁裁断部分を閉じるためには前壁の中央と壁湾入部の中央とを通り鉛直に上から下に延在する溶接シームでもって互いに溶接されていることが想定されている。
【0014】
本発明の1つの別の好適な製造技術的な構成では、3つの裁断部分は、上側のふた部分の外縁と下側の底部分の外縁とにおいてそれぞれ周方向に延在する水平方向の溶接シームでもって、かつ側壁裁断部分を閉じるためには後壁の中央を通り鉛直に上から下に延在する溶接シームでもって互いに溶接されていることが想定されており、この場合、前壁の中央には鉛直に上から下へ、壁湾入部まで延びる、壁湾入部の上側の余分なフィルム部分を除去するための切除部が設けられている。切除部を備えたインライナ製造において、切除部の溶接シームは、有利には、インライナの壁湾入部の上壁部分および後壁部分を通らずに延在している。またこの場合、フレキシブルなインライナ取出し管片の溶接される円盤形のフランジ縁部の位置に、連続する鉛直方向の溶接シームはない。
【0015】
意外にも、本発明によるインライナでは、上側の水平方向の溶接シームの長さは、下側の水平方向の溶接シームの長さよりも短く形成されている、もしくは上側のふた部分の上側の溶接シーム周は、下側の底部分の下側の溶接シーム周よりも短く形成されており、かつ側壁裁断部分の前側の鉛直方向の溶接シームは、インライナ立方体の高さよりも長く形成されている。このことは、インライナの壁湾入部の2つの側壁部分用の面部分と、上壁部分と、後壁部分とを、鉛直方向の環状の側壁裁断部分に統合することにより可能である。このことは確かに、やや多くのフィルム材料の裁断片と、壁湾入部の上壁部分および後壁部分において湾曲された溶接シームとを必要とするが、壁湾入部の4つの個別の小さな壁部分の手間のかかる溶接を行わずに済む。
【0016】
本発明の1つの特に好適な方法技術的な構成では、インライナは、挿入されかつプラスチックインナタンクの剛性の充填管片と取出し管片とに溶接された後で圧縮空気により膨らまされ、真空ポンプにより、インライナの外側表面とプラスチックインナタンクの内側表面との間の中間室から、インライナとプラスチックインナタンクとの間にもはや空気および中間室が存在しなくなるまで、余分な空気が残らず除去され、その結果、安定した真空が生ぜしめられ、この真空は、余分な中間空気が排気されたタンク開口を気密に閉鎖した後、パレットコンテナを規定通りに使用する間は総じて、使用済みインライナを次に交換するまで永続的に存続することが想定されている。本発明に基づくパレットコンテナの際立った取り扱いやすさは、フレキシブルなインライナが、その上側の充填管片でもって、剛性のプラスチックインナタンクの上側の充填管片に材料接続的に気密かつ液密に溶接されていると共に、その下側の薄壁の取出し管片でもって、剛性のプラスチックインナタンクの下側の取出し管片に材料接続的に気密かつ液密に溶接されている一方で、挿入されたインライナの全外側表面は、プラスチックインナタンクの全内側表面と作用接触していると共に、摩擦接続的に結合されていることにより達成される。これにより最高の安全性でもって、依然として下側の取出し管片の前でインライナに皺が形成される恐れがある、ということが排除される。インライナは、プラスチックインナタンク内で、いわゆる第2の外被のように着座している。真空ポンプを可能にするために、上底部における任意の適当な箇所に、追加的なタンク開口が配置されていてよい。好適には、このタンク開口は2インチ栓‐好適には取り付けられた逆止弁‐により気密かつ液密に閉鎖可能な2インチ開口として形成されている。タンク開口には、必要な場合には真空ポンプ/圧縮空気ポンプが接続される。
【0017】
以下に、図面に略示した1つの実施例に基づき、本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による剛性のプラスチックインナタンクと、その内部に挿入された薄壁のインライナとを備えたパレットコンテナの正面図である。
図2】剛性のプラスチックインナタンクの側面図である。
図3】挿入されるインライナの斜視図である。
図4】プラスチックインナタンクの上部充填開口の領域の周囲を部分的に切り取って示す斜視図である。
図5】プラスチックインナタンクの下部取出し開口の領域の周囲を部分的に切り取って示す斜視図である。
【0019】
図1には符号10で、特に危険な液状または流動性の充填物の保管および搬送用の、本発明によるプラスチックインナタンク12を備えたパレットコンテナが示されている。危険な液状の充填物の使用もしくは利用に関して、パレットコンテナ10は特殊な試験基準を満たしていると共に、相応する公的なBAM認可(Bundesamt fuer Materialpruefung:ドイツ連邦材料試験研究所)を有している。約1000lの充填物容積を備える構成において、パレットコンテナ10は、約1200mmの長さ、約1000mmの幅、および約1150mmの高さを備える規格化された寸法を有している。しかしまた、別の寸法および800l~1300lのより小さなまたはより大きな充填容積を備えるIBCも使用されている。
【0020】
図示のパレットコンテナ10の主要要素は、ブロー成形法で熱可塑性プラスチックから製造された、薄壁で剛性のインナタンク12と、立方体形のプラスチックインナタンク12を支持周壁として密に包囲する管格子フレーム14と、底部パレット16とから成り、底部パレット16にはプラスチックインナタンク12が載置されており、かつ管格子フレーム14が固く結合されている。外側の管格子フレーム14は、互いに溶接された水平方向の管棒18と、鉛直方向の管棒20とから成る。外側容器として閉じられた格子ケージを得るために、環状に周方向に延在する水平方向の管棒18は、各結合箇所において互いに固く結合されている。底部パレット16は、図示の態様では複合材パレットとして、上側の鋼板支持プレートと、その下に配置された鋼管支持フレームと、プラスチックコーナー・中間脚部とを備えて形成されている。管格子フレーム14の正面側には、薄い鋼板から成るラベル貼付板22が、各液状充填物の識別表示用に取り付けられている。プラスチックインナタンク12の底部の中央には、液状充填物を取り出すために、取出し部品24が接続されている。
【0021】
パレットコンテナ10の寸法に相応して、立方体形のプラスチックインナタンク12は2つの比較的長い側壁と、比較的短い後壁と、比較的短い前壁と、閉鎖可能な充填管片30を備えた上底部と、タンク底部とを有しており、この場合、タンク底部側において前壁の中央には、プラスチックインナタンク12の内側に向けられた保護ハウジング形の加工成形部26を備える下部取出し領域が、閉鎖可能な取出し部品24を保護するように後方にずらして配置するために設けられている。剛性のプラスチックインナタンク12を充填された充填物による汚染から保護し、かつ高価格のインナタンクを複数回再利用することを可能にするために、パレットコンテナ10の新規充填の前にその都度、薄壁で、やはり立方体形のフレキシブルなインライナ28(フィルムバッグとも言う)が、剛性のプラスチックインナタンク12に挿入され、インライナ28は上側を、剛性のプラスチックインナタンク12の充填管片30に接続され、かつ下側を、剛性のプラスチックインナタンク12の取出し管片32に接続される。
【0022】
この立方体形のフレキシブルなインライナ28自体は、図3に概略的に‐包囲しているプラスチックインナタンク12無しで‐示されている。取扱い時に如何なる場合でも常に形状安定性を保つ剛性のプラスチックインナタンク12とは異なり、インライナ28はその薄壁に基づき、それ自体は形状安定的ではなく、極めてフレキシブルで可撓性であり、かつ適合性を有している。一般に多層のインライナ複合シートの壁厚さは、約100~150μmであり、約100~150g/mの単位面積当たりの重量を有している。1000l用インライナバッグの材料の重さは約0.7~1.3kgになる。挿入されたインライナは通常、多層のプラスチック複合シートから製造されている。この場合、ごく薄い複合層は、例えばHDPEまたはLDPE/EVOH/PET/PA/接着剤/SiOx等の、種々様々な材料から成っていてよく、かつ/またはグラスファイバ強化手段または織布強化手段を備えていてよい。用途に応じて、複合シートには炭化水素拡散、酸素拡散または水蒸気拡散に対するバリア層または無菌の殺菌コーティングまたは銀を含む蒸着金属シートまたはアルミニウムを含む蒸着金属シートが装備されている。ただしいずれにしろ、溶接される各インライナ管片、すなわち取出し管片42と充填管片44とは、インライナ28のその他のフィルム壁と同一の、フレキシブルで多層のフィルム材料から製造されている。
【0023】
本発明に基づき、立方体形のフレキシブルなインライナ28は、前方下側の取出し領域に、内側に向けられて、剛性のプラスチックインナタンク12の保護ハウジング形の加工成形部26に対応するように適合された、2つの側壁部分36と、上壁部分38と、フレキシブルな取出し管片42が一体成形された後壁部分40とを備える壁湾入部34を有している。壁湾入部34は、剛性のプラスチックインナタンク12の内部に保護ハウジング形に突入している加工成形部26の内側表面に正確に適合して完全に当て付けられるように形成されている、という点において優れている。この場合、インライナ28のこの壁湾入部34は、より見やすくするために極めて箱形に図示されている。壁および壁移行部は当然、凹状に、大幅に丸み付けられて、平らにされてかつ/または互いに移行し合って、ただしいずれにしろ剛性のプラスチックインナタンク12の保護ハウジング形の加工成形部26にそれぞれ適合するように、形成されていてもよい。
【0024】
フレキシブルなインライナ28は、汎用の1000l用パレットコンテナ用に、約1150~1190mmの長さLI、約950~990mmの幅BIおよび約950~1050mmの高さHIを備える立方体形の形状を有している。長さ寸法は、2mmのプラス/マイナス許容誤差(+/-)に正確に保たれていることが望ましい。製造技術的に、立方体形のフレキシブルなインライナ28は、溶接された3つの裁断部分から成る。これらの3つの裁断部分は、‐図3において判るように‐中心のフレキシブルな充填管片44を備えた上側の水平方向のふた部分46と、壁湾入部34の底部形状に対応する切欠き50を備えた下側の水平方向の底部分48と、インライナ28の壁湾入部34の2つの側壁部分36ならびに上壁部分38および後壁部分40の表面部分を有する、鉛直方向の環状の側壁裁断部分52とから成る。3つの裁断部分は、上側のふた部分46の外縁と下側の底部分48の外縁とにおいて水平に周方向に延在する2つの溶接シーム54,56でもって、かつ側壁裁断部分52を閉鎖するために前壁の中央と壁湾入部34の中央とを通り鉛直方向において上から下に延在する溶接シーム58でもって、互いに溶接されている。
【0025】
3つの裁断部分からインライナ28が仕上がると、約1000lの充填物体積用のインライナの上側の水平方向の溶接シーム54の長さ、すなわち上側の溶接シーム周囲は約4100~4150mm、下側の水平方向の溶接シーム56の長さ、すなわち下側の溶接シーム周囲は約4265~4310mm、および前側の鉛直方向の溶接シーム58は約1050~1100mmになる。インライナ28はもちろん別の形式で、互いに溶接された複数の裁断部分から成っていてもよい。
【0026】
インライナ28を剛性のプラスチックインナタンク12内に挿入する前の状態において、フレキシブルなインライナの上側の充填管片44は、約145mmまたは225mmの直径および約300mmの長さを有しており、かつ下側のフレキシブルな取出し管片42は、約2インチ(2”)、3インチ(3”)または150mmの直径および少なくとも100mmの長さを有していることが望ましい。インライナ28を剛性のプラスチックインナタンク12内に挿入した後で、フレキシブルなインライナ28の充填管片44と取出し管片42とはそれぞれ、剛性のプラスチックインナタンク12の充填管片30と取出し管片32を包囲するように折り返されて被せられ、引っ張り力および張力がかからないように内側で剛性の充填管片30と取出し管片32とに溶接されてから、適当な長さに裁断される。
【0027】
図4では、一体成形された充填管片30と、この充填管片30に溶接された、フレキシブルなインライナ28の充填管片44とを備えた剛性のプラスチックインナタンク12の上部充填領域の、部分的に切り取られた図が看取される。フレキシブルな充填管片44は、一方ではインライナ28の上面に設けられた狭幅のフランジ縁部68上で上方に向かって外側にきつく引っ張られ、看取されない「円」マークにしたがって正しい位置に合わせられており、その後、剛性の充填管片30を覆うように折り返され、より大きな環状溶接シーム72を介して固く回動不能に、剛性の充填管片30の端面の直ぐ下の内側で気密かつ液密に溶接され、その後フレキシブルなインライナの充填管片44の余分なチューブ片は面一になるように切断されている。インライナ28を膨らませる際にインライナ28とプラスチックインナタンク12との間の中間室から余分な空気を漏出させかつ/またはこの中間室からの真空排気を可能にするために、剛性のプラスチックインナタンク12の上底部の任意の適当な箇所に追加的なタンク開口64が設けられている。好適には、タンク開口64は2インチ栓、好適には取り付けられた逆止弁により気密かつ液密に閉鎖可能な2インチ開口として形成されている。タンク開口64には、必要な場合には真空/圧縮空気ポンプが接続される。
【0028】
最後に図5では、一体成形された剛性の取出し管片32と、その内部に半径方向に溶接されたフレキシブルなインライナ28の取出し管片42とを備えるプラスチックインナタンク12の下部取出し領域の、部分的に切り取られた図が看取される。
【0029】
ここではより良い理解のために、剛性のプラスチックインナタンクの壁から四角形領域が切り取られており、この場合、切断線はプラスチックインナタンク12の取出し管片32と、加工成形された保護ハウジング26と、前壁の小区画とを通って延在しており、切り取られた四角形内には、‐多数の鉛直方向線で表された‐湾曲した壁湾入部34を備えた、当て付けられたインライナ28が看取される。さらに破線により、壁湾入部34の隠れた左後方部分が示唆されている。
【0030】
四角形切取り部では、フレキシブルな取出し管片42が内側もしくは裏側において、狭幅の溶接フランジ縁部66を介して、インライナ28の壁湾入部34の後壁部分40に溶接されており、かつ外面において、より小さな半径方向環状溶接シーム70を介して、剛性の取出し管片32に気密かつ液密に溶接されていることが、明確に認められる。この場合に重要なのは、‐図5において認められるように‐インライナ28がその形状を適合された壁湾入部34でもって、第2の外被のように全面的に、剛性のインナタンク12の加工成形部26の内側表面に載着されている点であり、これによりその間に、汎用のインライナを備えた従来周知のIBCの場合のように、中間室もしくは中空室が残留することはない。
【0031】
第2外被としてのインライナの主要な利点は、フィルムバッグは搬送移動における液状の充填物の充填時または往復打寄せ時の振動に対する高い引裂強さを全く必要としない、という点にある。それというのもこの場合、インライナフィルム材料は、プラスチックインナタンク12の内面に固定されて永続的に真空引きされかついわゆる接着と同様に当て付けられているため、インライナフィルム材料の運動は全く行われないからである。これにより、亀裂に弱い、高いバリア特性を有する廉価なフィルム材料を使用することもできる。
【0032】
目的に合わせて、フレキシブルなインライナ28の上側のフレキシブルな充填管片44と下側のフレキシブルな取出し管片42とは、フレキシブルなインライナ28のフィルム材料と同じバリア特性を有する、同じフィルム材料から製造されている。周知のインライナにはしばしば、射出成形法でLDPE等の熱可塑性プラスチックから予め製造された充填管片と取出し管片とが、インライナの多層の複合フィルム材料との溶接用に一体に射出成形されたフランジ縁部と共に備えられている。またこれらの充填管片および取出し管片は大抵、やや太めおよび硬めに形成されている。ただしそれ自体はバリア特性を有さない。射出成形法で製造された充填管片/取出し管片を備えるこのようなインライナは、例えば香水製造用の香料または食品製造用の添加物等の、酸素に敏感な液体には適さない。これに対して本発明によるインライナ28の場合には、充填管片44/取出し管片42がインライナ28自体と同じバリア特性を備えており、プラスチック材料に浸透する不都合な拡散過程が排除されている。
【0033】
閉鎖可能な取出し部品24を保護するように後方にずらして配置するために、プラスチックインナタンク12の内部に向けられた保護ハウジング形の加工成形部26は、図面に実施例として示したように著しく箱形に形成されている必要はなく、当然丸み付けられた軟らかなハウジング側壁を備えて凹状に加工成形されていてもよい。これに相応して形状適合された加工成形部が、薄壁のインライナにも形成されている。
【0034】
インライナが挿入される剛性のプラスチックインナタンクは、外側の保護格子管フレームおよび底部パレットを備えるパレットコンテナに代えて、パレット状の下部構造体を備える別の大容量の包囲型外部容器においても使用され得る。これは例えば安定したフルプラスチック容器または木製パレットを備えた剛性のボール箱であってよい。
【0035】
結論:
プラスチックインナタンクの内側表面に形状適合されたインライナを備えた本発明によるプラスチックインナタンクを使用すると、パレットコンテナまたは類似の大容量の容器システムの使用後の再調整のためには、1000リットルのIBC用のフィルム厚さに応じて、充填物で汚染されていない状態で単に約0.7~1.3kgのプラスチック材料の重量しか有さない、汚染されたインライナのみを廃棄処分して、容器を再利用するためには形状適合された、新しいインライナを挿入すればよい。‐約14kgの重量を有するIBCの場合‐剛性のインナタンクを交換する場合には、それだけで既に材料費に基づき比較的高額の製造費が発生するのに対し、インライナの交換は、約10%の大幅に低いコストのみを生ぜしめるに過ぎない。本発明は、より少ない材料消費量に基づき、使用済みパレットコンテナおよび類似の大容量の容器を再使用するための、廉価で環境に優しい解決手段を提供する。
【符号の説明】
【0036】
10 パレットコンテナ
12 プラスチックインナタンク
14 管格子フレーム
16 底部パレット
18 水平方向の管棒(12)
20 鉛直方向の管棒(12)
22 ラベル貼付板
24 取出し部品
26 加工成形部(12)
28 インライナ(フィルムバッグ)
30 充填管片(12)剛性
32 取出し管片 剛性(12)
34 壁湾入部(28)
36 側壁部分(34,28)
38 上壁部分(34,28)
40 後壁部分(34,28)
42 フレキシブルな取出し管片(28)
44 フレキシブルな充填管片(28)
46 上側の水平方向のふた部分(28)
48 下側の水平方向の底部分(28)
50 切欠き(48)
52 側壁裁断部分(28)
54 上側の水平方向の溶接シーム(46,52)
56 下側の水平方向の溶接シーム(48,52)
58 前側の鉛直方向の溶接シーム(52)
64 上側の2インチタンク開口 真空
66 溶接フランジ縁部(42,40)小
68 溶接フランジ縁部(44,28)大
70 環状溶接シーム(24,42)小
72 環状溶接シーム(30,44)大
図1
図2
図3
図4
図5