(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ポータブルデバイスドッキングステーション充電機構
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220114BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20220114BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20220114BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/40
H02J50/12
(21)【出願番号】P 2018558720
(86)(22)【出願日】2017-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2017064976
(87)【国際公開番号】W WO2017216388
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-17
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンスキー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マックファダイエン ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクスラー ウォルター ユリウス
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-502610(JP,A)
【文献】特開2015-139257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導充電器であって、
放出一次誘導コイルを有する内部ハウジングと、
受信二次誘導コイルを有する外部ハウジングと、
第1の構成において一次充電可能デバイスと係合するように構成された一次ドックであって、前記第1の構成において前記一次充電可能デバイスの受信誘導コイルが前記放出一次誘導コイルからエネルギーを受ける前記一次ドックと、
前記受信二次誘導コイルと
電気的に接続されるとともに前記受信二次誘導コイルからエネルギーを受けるように構成された二次デバイスドックであって、前記受信二次誘導コイルが、前記受信誘導コイルと干渉することなく前記放出一次誘導コイルから過剰エネルギーを受けるように構成される、前記二次デバイスドックと、
を有する、誘導充電器。
【請求項2】
前記二次デバイスドックが、二次充電可能デバイスを有する、請求項1記載の誘導充電器。
【請求項3】
前記二次充電可能デバイスが、前記誘導充電器から取り外し可能である、請求項2記載の誘導充電器。
【請求項4】
並列又は直列の1又は複数の容量性素子を更に有し、前記1又は複数の容量性素子が、前記放出一次誘導コイルから前記受信二次誘導コイルによって利用されるエネルギー量を増大させるように構成される、請求項1記載の誘導充電器。
【請求項5】
誘導充電システムであって、
放出一次誘導コイル、受信二次誘導コイル、及び、一次充電可能デバイスのための一次ドックを有する、誘導充電ステーションと、
前記一次ドックと可逆的に係合するように構成されるとともに受信誘導コイルを有する一次充電可能デバイスと、
前記受信二次誘導コイルと
電気的に接続されるとともに前記受信二次誘導コイルからエネルギーを受けるように構成される二次デバイスと、
を有し、
前記受信二次誘導コイルは、前記受信誘導コイルと干渉することなく前記放出一次誘導コイルからの過剰エネルギーを受けるように構成される、誘導充電システム。
【請求項6】
前記二次デバイスが、前記誘導充電システムから取り外し可能である、請求項5記載の誘導充電システム。
【請求項7】
前記誘導充電ステーションが、前記二次デバイスのための二次ドックを有する、請求項6記載の誘導充電システム。
【請求項8】
前記誘導充電ステーションが、前記放出一次誘導コイルを有する内部ハウジングと、前記受信二次誘導コイルを有する外部ハウジングと、を有する、請求項5記載の誘導充電システム。
【請求項9】
前記内部ハウジングが、少なくとも部分的に前記外部ハウジングの内側に配置される、請求項8記載の誘導充電システム。
【請求項10】
誘導充電器を改良するための方法であって、
ハウジング、放出一次誘導コイル、及び、一次充電可能デバイスと可逆的に係合するように構成される一次ドックを有する、誘導充電器を供給するステップと、
受信二次誘導コイル、及び、前記受信二次誘導コイルと
電気的に接続される二次デバイスを有する、外部ハウジングを供給するステップと、
前記誘導充電器と前記外部ハウジングとを係合させるステップと、
を有し、
前記誘導充電器と前記外部ハウジングとが係合された場合に、前記受信二次誘導コイルが、前記一次充電可能デバイスの受信誘導コイルと干渉することなく前記放出一次誘導コイルから過剰エネルギーを受けるように構成される、方法。
【請求項11】
前記二次デバイスが、取り外し可能である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記外部ハウジングが、前記二次デバイスのための二次ドックを有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記外部ハウジングが、並列又は直列の1又は複数の容量性素子を更に有し、前記1又は複数の容量性素子が、前記放出一次誘導コイルから前記受信二次誘導コイルによって利用されるエネルギー量を増大させるように構成される、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記誘導充電器が、前記誘導充電器と前記外部ハウジングとが係合される場合に、前記外部ハウジングの内側に完全に配置される、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、誘導充電器から過剰充電エネルギーを利用するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
誘導型又は無線式充電は、電磁場を利用して、充電ステーションから無線又はポータブルデバイスにエネルギーを伝達する。充電ステーションと無線装置とが互いに近接している場合、誘導結合が存在し、充電ステーションによって生成されたエネルギーを使用してバッテリを充電し、又は、ポータブルデバイスを動作させる。誘導充電ステーションは誘導コイルを使用して交番電磁場を生成する。ポータブルデバイスは、電磁場と相互作用し、エネルギーを電流に変換して電流に変換してバッテリを充電し、又は、デバイスを動作させる二次誘導コイルを備える。本質的に、充電ステーションの誘導コイルとポータブルデバイスの誘導コイルとは変圧器を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
残念なことに、ポータブルデバイスは、これまでにない限り、電磁場で利用可能なエネルギーの全てを利用することはめったにない。従って、充電ステーションは、システムが必要とするエネルギーよりも多くのエネルギーを生成して送信しており、エネルギー効率が大幅に低下する可能性があり、非効率的かつ経済的に無駄である。
【0004】
従って、効率を高め、損失を低減するために、誘導充電器からの過剰な充電エネルギーを利用するための機構が、当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、誘導充電器からの過剰な電磁エネルギーを利用するための本発明の方法及びシステムに関する。本明細書の様々な実施形態及び実施例は、一次誘導コイルが電磁場を作り、二次誘導コイルが電磁場からのエネルギーをポータブルデバイスを充電するための電流に変換する、ポータブルデバイス誘導コイルの機能と干渉することなく電磁場からのエネルギーを二次デバイスを充電するための電流に変換するような、一次誘導コイルと二次誘導コイルとの両方を含むドッキングステーションなどの誘導充電器に関する。従って、ドッキングステーションは、システムに追加のエネルギー入力を必要とすることなく、2つのデバイスに電力を供給することができる。
【0006】
一般に、一態様では、誘導充電器が提供される。誘導充電器は、放射一次誘導コイルと受信二次誘導コイルとを有するハウジングと、第1の構成において一次充電可能デバイスと可逆的に係合するように構成される一次ドックであって、第1の構成において一次充電可能デバイスの受信誘導コイルが一次誘導コイルからエネルギーを受ける前記一次ドックと、二次誘導コイルと通信するとともに二次誘導コイルからエネルギーを受けるように構成される二次デバイスと、を含み、二次誘導コイルは、受信誘導コイルと干渉することなく一次誘導コイルから過剰エネルギーを受けるように構成される。
【0007】
一実施形態によれば、二次デバイスは、誘導充電器から取り外し可能である。
【0008】
一実施形態によれば、誘導充電ステーションは、二次充電可能デバイスのための二次ドックを有する。
【0009】
一実施形態によれば、誘導充電器は、放出一次誘導コイルを有する内部ハウジングと、受信二次誘導コイルを有する外部ハウジングと、を有する。一実施形態によれば、内部ハウジングは、外部ハウジングの内側に少なくとも部分的に配置される。
【0010】
一実施形態によれば、誘導充電器は、並列又は直列の1又は複数の容量性素子を含む。1又は複数の容量性素子は、放出一次誘導コイルから受信二次誘導コイルによって利用されるエネルギー量を増大させるように構成される。
【0011】
一態様によれば、誘導充電システムが提供される。誘導充電システムは、(i)放出一次誘導コイル、受信二次誘導コイル、及び、一次充電可能デバイスのための一次ドックを具備する誘導充電ステーションと、(ii)一次ドックと可逆的に係合するように構成されるとともに受信誘導コイルを有する一次充電可能デバイスと、(iii)二次誘導コイルと通信するとともに二次誘導コイルからエネルギーを受けるように構成される二次デバイスと、を含み、二次誘導コイルは、受信誘導コイルと干渉することなく一次誘導コイルから過剰エネルギーを受けるように構成される。
【0012】
一態様によれば、誘導充電器を改良するための方法が提供される。当該方法は、(i)ハウジング、放出一次誘導コイル、及び、一次充電可能デバイスと可逆的に係合するように構成される一次ドックを有する、誘導充電器を供給するステップと、(ii)受信二次誘導コイル、及び、二次誘導コイルと通信する二次デバイスを有する、外部ハウジングを供給するステップと、(iii)誘導充電器と外部ハウジングとを係合させるステップと、を含み、誘導充電器と外部ハウジングとが係合された場合に、二次誘導コイルは、一次充電可能デバイスの受信誘導コイルと干渉することなく一次誘導コイルから過剰エネルギーを受けるように構成される。
【0013】
一実施形態によれば、誘導充電器は、誘導充電器と外部ハウジングとが係合された場合に、外部ハウジングの内側に完全に配置される。
【0014】
前述の概念及び以下でより詳細に論じられる追加の概念(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件とする)の全ての組み合わせが、本明細書に開示された発明要旨の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる主張される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられる。
【0015】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される1又は複数の実施形態を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図中、同様の参照符号は、一般的に、異なる図面を通じて同じ部分を表す。また、図面は、原寸通りではなく、代わりに、本発明の原理を図示するにあたって強調されている。
【
図1】
図1は、一実施形態に係る誘導充電ステーションの破断側面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る誘導充電ステーションの上面斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る誘導充電ステーションの上面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る誘導充電ステーションの側面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るポータブル再充電可能デバイスを具備する誘導充電ステーションの破断側面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るポータブル再充電可能デバイス及び二次デバイスを具備する誘導充電ステーションの破断側面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る誘導充電ステーションからの部分回路図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る誘導充電ステーションを改良するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、誘導充電システムの様々な実施形態を記載する。より一般的には、出願人は、充電ステーションの二次誘導コイルを使用して充電ステーションから過剰な充電を利用する方法及びシステムを提供することが有益であることを発見し、認識している。このシステムは、電磁場を生成する一次誘導コイルと、電磁場をエネルギーに変換してバッテリを充電するか又は一次デバイスを動作させるデバイス誘導コイルと、電磁場をエネルギーに変換してバッテリを充電するか又は二次デバイスを動作させる二次誘導コイルと、を含む。従って、ドッキングステーションは、システムに追加のエネルギー入力を必要とすることなく、2つのデバイスに電力を供給することができる。
【0018】
本明細書で開示され説明される誘導充電ステーションシステムは、例えば、任意のパーソナルケアデバイス又は他のポータブルデバイス又は無線デバイスと共に使用され得る。誘導充電ステーションが使用できるパーソナルケアデバイスの一例は、Koninklijke Philips Electronics N.V.(登録商標)から入手可能なAirfloss(登録商標)デバイスである。
【0019】
上記を考慮して、様々な実施形態及び実施例が、誘導コイルから過剰なエネルギーを利用するように構成された誘導充電ステーションを対象とする。
図1によれば、一実施形態では、誘導充電器又は誘導充電ステーション10の破断側面図が示されている。誘導充電ステーション10は、放射一次誘導コイル14を含む。一次誘導コイル14は、電源及び回路(
図1には図示せず)に接続され、これにより、一次誘導コイルによって電磁場が作成される。この構成では、一次誘導コイルは、一次誘導コイルを含むとともに、一次誘導コイル14によって電磁場を生成するのに必要な電源及び回路の一部又は全てを収容可能な内部ハウジング12内に収容されている。他の構成では、電源及び回路は、外部ハウジング16に配置される、あるいは、システム又はデバイスの別個の配置又はコンポーネント内に配置される。誘導充電ステーション10は、また、一次ドック又はバッテリ又はポータブルデバイス係合機構20を含む。一次ドック20は、
図3に示されるように、充電誘導コイル26を有するポータブル再充電可能デバイス24を受けるように構成されている。
【0020】
誘導充電ステーション10は、また、受信二次誘導コイル18を含む外部ハウジング16を含む。二次誘導コイルは、電磁場からの余剰エネルギーを利用するためにデバイス又はシステム10内に配置される。二次誘導コイル18は、利用されるエネルギーを利用して導くために必要な回路(
図1には図示せず)に接続されている。内部ハウジング12及び外部ハウジング16は、
図1では別個の構成要素として示されているが、誘導充電ステーション10は、一次誘導コイル14及び二次誘導コイル18を備えた単一のハウジングを備えることができる。
【0021】
誘導充電ステーション10は、また、二次誘導コイル18から利用されるエネルギーを受ける二次充電ドック又はバッテリ22を含む。二次充電ドック又はバッテリは、二次ポータブルデバイスを充電するために二次ポータブルデバイスと係合することができ、又は、固定の二次デバイスのコンポーネントであり得る。
【0022】
図2によれば、一実施形態における誘導充電ステーション10の斜視図が示されている。この実施形態によれば、誘導充電ステーション10は、一次誘導コイル(図示省略)を具備する内部ハウジング12、一次ドック20、及び、二次誘導コイル18を具備する外部ハウジング16を有する。二次誘導コイルは、有線接続28によって、二次充電ドック又はバッテリ22に接続されている。
【0023】
図3によれば、一実施形態における誘導充電ステーション10の上面図が示されている。誘導充電ステーションは、単一のハウジングコンポーネントであってもよく、又は、内部及び外部ハウジングであってもよい、ハウジング16を有する。ハウジング16は、ポータブル充電デバイスのための一次ドック20を有する。誘導充電ステーションは、また、一次誘導コイル14及び二次誘導コイル18を有する。一次誘導コイル及び二次誘導コイルは
図3では重ならないように図示されているが、一次誘導コイル及び二次誘導コイルの任意の構成が各コイルが実質的に干渉しない限り可能であり、これにより、第1及び第2のデバイスを充電可能としている。
【0024】
図4によれば、一実施形態における、外部ハウジング16を具備しない誘導充電ステーション10の側面図が示されている。この図では外部ハウジング16なしで示されているが、典型的には二次誘導コイル18は保護ハウジング内に配置され、これは、二次誘導コイルを一次誘導コイルに対して適所に位置決めする。誘導充電ステーション10は、ポータブル充電デバイス用の一次ドック20、二次誘導コイル18、二次充電ドック又はバッテリ22(
図4には図示せず)につながる有線接続28、及び、内部ハウジング12の内側に配置された一次誘導コイル14(
図4には図示せず)を有する。
【0025】
図5によれば、一実施形態における、一次誘導コイル14を具備する内部ハウジング12、及び、二次誘導コイル18を具備する外部ハウジング16を有する誘導充電ステーション10の破断側面図が示されている。二次誘導コイルは、有線接続28を介して二次充電ドック又はバッテリ22に接続されている。誘導充電ステーション10は、また、一次ドック又はバッテリ又はポータブルデバイス係合機構20を含む。一次ドック20は、充電誘導コイル26を有するポータブル充電可能デバイス24を受けるように構成される。この例では、ポータブル充電可能デバイス24は、ステーションの一次ドック20と可逆的に嵌合するように構成されたレセプタクル30を有し、それによってデバイスを所定の位置に固定する。充電可能デバイス24は、限定するものではないが、電動歯ブラシ及び電気シェーバのようなパーソナルケアデバイスを含む任意のポータブル充電可能デバイスであり得る。多くの他のポータブル充電可能デバイスが可能である。ポータブル充電可能デバイス24の充電誘導コイル26は、誘導充電ステーション10の一次誘導コイル14によって生成された電磁場と相互作用して、デバイス24を充電する。従って、ポータブル充電可能デバイス24は、利用されるエネルギーを格納するように構成される回路及びバッテリを有する。
【0026】
図6によれば、一実施形態における誘導充電システム10の破断側面図が示されている。誘導充電システム10は、例えば、電動歯ブラシなどのポータブルパーソナルケアデバイス24用のドッキングステーションを有する。また、誘導充電システムは、二次デバイス又はドック22を有する。一実施形態によれば、内部ハウジング12は、一次誘導コイル14を有し、外部ハウジング16は、二次誘導コイル18を有する。二次誘導コイル18は、一次誘導コイル14からの過剰エネルギーを利用し、当該利用エネルギーを使用して、取り外し可能なデバイス又は固定のコンポーネントであり得る、二次デバイス又はドック22に給電する。例えば、一実施形態によれば、ポータブルパーソナルケアデバイス24は、電動ウォーターフロスデバイスであってもよく、二次デバイス22は、例えば、電動ウォーターフロスデバイスのための動力リザーバ又は他のアクセサリであってもよい。ポータブルパーソナルケアデバイス24がドッキングステーションにマウントされ充電機構上に配置されると、ポータブルデバイスは、標準の誘導充電機構が電気コンセントに差し込まれた場合に、充電され得る。さらに、標準的な誘導充電機構は、所有者が移動しており、ドッキングステーション全体ではなく充電器のみを持ちたい場合など、ポータブルデバイスがドッキングステーションに取り付けられていないときに充電するために使用することもできる。
【0027】
前述のように、又は、ここで想定されるように、誘導充電ステーション10内の二次誘導コイル18は、充電器からの余剰電力を抽出することを可能にする。これは、一次デバイス24がそれ自身で抽出することができない電力である。一実施形態によれば、二次誘導コイル18は、充電器が容量を有し、従って、主電源から引き出される電力に最小限の影響を及ぼすので、一次デバイスに供給される充電電流に最小の影響しか及ぼさない。さらに、一実施形態によれば、一次誘導コイル14からの過剰な充電の利用を最適化するために、誘導充電ステーション10内で、コイル量、位置、及び、サイズなどの二次誘導コイル18の要素を最適化することができる。例えば、受信コイルの共振を調整することによって、ピックアップされた充電電流を調整することができる。これにより、送信されたエネルギーのいくらが二次誘導コイルに到達するかの調整が可能になる。例えば、誘導ステーション10の充電電流を変化させることにより、送信されたエネルギーのうちのどれだけが二次誘導コイル18に到達するかを調整することができる。さらに、一実施形態によれば、システムは、受信回路の共振を変更し、一次誘導コイル14からの過剰充電の利用を最適化するために、直列及び/又は並列の1又は複数の容量及び/又は容量性要素を含むことができる。
図7によれば、一実施形態における、一次誘導コイルからの過剰充電の利用を最適化するために、一連のキャパシタを有する誘導充電器のための回路設計の一例が示されている。
【0028】
一実施形態によれば、標準的な誘導充電器は、二次誘導コイル18を有する外部シェル又はデバイスにより改良され得る。改良された誘導充電器は、ポータブルデバイスの誘導コイルと著しく干渉することなく一次誘導コイルから過剰エネルギーを利用するように構成される。
【0029】
図8によれば、一実施形態における、誘導充電器を改装するための方法800が示されている。この方法のステップ810において、誘導充電器が供給される。誘導充電器は、典型的には、ハウジング12と一次誘導コイル14とを備える。例えば、
図1及び
図2では、誘導充電器は、残りの構成要素なしに、要素12,14,20である。一実施形態によれば、誘導充電器は、また、電源、コントローラ、回路、及び、任意の他の必要な構成要素を含むポータブルデバイスの誘導充電に必要な残りの要素を備える。
【0030】
この方法のステップ820において、二次誘導コイル18が供給される。一実施形態によれば、二次誘導コイル18は、外部ハウジング16内に配置される。外部ハウジング16は、一次誘導コイルを有する誘導充電器ハウジング12の全て又は一部が、可逆的又は永久的に外部ハウジング内に存在するように構成される。さらに、外部ハウジングは、ハウジング12が外部ハウジング16内に適切に配置されたときに、二次誘導コイルが一次誘導コイルに対して適切な位置に配置され、それによって一次充電式デバイスの充電に対する干渉を防止するとともに、二次誘導コイルが一次誘導コイルから過剰エネルギーを利用できることを確実にするように構成される。一実施形態によれば、外側ハウジング16は、例えば、
図2,
図4及び
図6に示されるように、二次誘導コイル18がほぼ位置決めされるように構成されているが、他の構成も可能である。
【0031】
一実施形態によれば、外部ハウジングは、また、二次充電ドック又はバッテリ22と係合するように構成されている。二次充電ドック又はバッテリ22は、二次誘導コイル18から利用されるエネルギーを受ける。二次充電ドック又はバッテリは、そのデバイスを充電するために二次ポータブルデバイスと係合可能である、あるいは、固定された二次デバイスのコンポーネントであり得る。
【0032】
この方法のステップ830において、一次誘導コイルを有する誘導充電器と、二次誘導コイルを有する外部ハウジング16とが、可逆的又は永続的に互いに噛み合わされる。例えば、
図2に示されるように、一次誘導コイル14を有する誘導充電器12は、誘導充電器12を部分的に包囲するだけの、二次誘導コイル18を具備する外部ハウジング16内に摺動又はスナップインすることができる。別の実施形態によれば、外部ハウジング16は、誘導充電器12を完全に取り囲むことができる。一次誘導コイルを具備する誘導充電器と二次誘導コイルを具備する外部ハウジング16とが可逆的又は永続的に係合される場合、ポータブルデバイスの誘導コイルは、干渉なしに一次誘導コイルから利用されるエネルギーを用いてデバイスを充電することができ、二次誘導コイルは、同時に、一次誘導コイルから過剰エネルギーを利用することができる。
【0033】
本明細書で定義され使用されている全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれた文献の定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0034】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される単数形は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0035】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される語句"及び/又は"は、そのように結合された複数の要素の"いずれか又は両方"、即ち、或る幾つかの場合には接続的に存在し、他の場合には分離的に存在する複数の要素を意味すると理解されるべきである。"及び/又は"と共に記載されている複数の要素は、同じ様式で、即ち、そのように結合された複数の要素のうちの"一つ又はそれ以上"と解釈されるべきである。他の複数の要素は、任意的に、「及び/又は」節によって具体的に特定された複数の要素以外に存在してもよく、それら具体的に特定された複数の要素と関連していても関連していなくてもよい。
【0036】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される"又は"は、上述の"及び/又は"と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、あるリスト内の複数の項目を分離させた場合に、"又は"又は"及び/又は"は包括的である、即ち、1又は複数の要素のリストのうちの少なくとも一つ(ただし一つよりも多くも含む)を含み、そして任意的に、追加的なリストにない複数の項目を含むものと解釈されるものとする。明確に反対の指示をする用語、例えば"一つのみ"又は"厳密に一つの"又は特許請求の範囲において使用される場合の"から成る"のみが、数又は複数の要素のリストのうちの厳密に1の要素を含むことを参照することができる。概して、本明細書において使用される"又は"は、例えば"~のいずれか"、"~のうちの一方"、"~の一つのみ"、又は、"厳密に一つの"を伴う場合にのみ、排他的な代替手段(即ち、"一方又は他方であり、両方ではない")を示すと解釈されるものとする。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。
【0038】
また、反対の意味で明確に示されなければ、2以上のステップ又は動作を含む請求項中の任意の方法において、方法のステップ又は動作の順序は、記載の方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されない。
【0039】
明細書と同様に、請求項中、「有する」、「含む」、「運ぶ」、「持つ」、「包含する」、「取り込む」、「保持する」、「構成される」などの移行句は、オープンエンドである、即ち、含むが、これらに限定されないものとして理解されるべきである。「~からなる」及び「実質的に~からなる」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又はセミクローズド移行句であるべきである。
【0040】
本明細書では多様な実施形態が記載及び図示されたが、当業者は、本明細書に説明される機能を実行するための、並びに/又は、本明細書に説明される結果、及び/若しくは、1つ以上の利点を得るための他の多様な手段及び/若しくは構造を容易に想像し、かかる変形例及び/又は改変例は、本明細書で説明される発明の実施形態の範囲内に含まれると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び、構成の全ては例であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は、構成は、本発明の教示が使用される具体的な用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験より多くを要することなく、本明細書に説明される本発明の具体的な実施形態の多数の均等物を認識又は確認することができるであろう。よって、上記の実施形態はあくまで例として提示され、本発明の実施形態は、特許請求の範囲及び均等物の範囲内において、具体的に説明及び請求されたものとは異なる態様又は方法で実施することができる。本開示の発明の実施形態は、本明細書に説明される個々の特徴、システム、物品、材料、キット(道具)、及び/又は、方法に向けられる。また、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は、方法が互いに矛盾しない場合、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は、方法のうちの2つ以上の任意の組み合わせは本開示の発明の範囲内に含まれる。