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▶ ヒュッテネス−アルベルトゥス ヒェーミッシェ ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7004681フィーダー組成物のための充填剤として使用するためのコア-シェル粒子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】フィーダー組成物のための充填剤として使用するためのコア-シェル粒子
(51)【国際特許分類】
   B22C 1/00 20060101AFI20220128BHJP
   B22C 9/08 20060101ALI20220128BHJP
   B22C 1/16 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B22C1/00 J
B22C9/08 H
B22C1/16
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018568411
(86)(22)【出願日】2017-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2017065812
(87)【国際公開番号】W WO2018002027
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】102016211948.6
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591194322
【氏名又は名称】ヒュッテネス-アルベルトゥス ヒェーミッシェ ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【住所又は居所原語表記】Wiesenstrasse 23,D-40549 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】レーマン サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】リーマン クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ツィマー ニルス
(72)【発明者】
【氏名】リーバー ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューバート ユルゲン
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-521316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0036528(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0078682(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01728571(EP,A1)
【文献】国際公開第02/072671(WO,A2)
【文献】国際公開第2006/058347(WO,A2)
【文献】国際公開第2013/150159(WO,A2)
【文献】独国特許出願公開第102012200967(DE,A1)
【文献】中国特許出願公開第101657281(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 1/00-9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のものを含む、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するためのコア-シェル粒子
(a)1つ以上の空洞を有するコアとこれらの空洞を囲む壁、
前記コア(a)は0.15~0.45mmの範囲のd50を有する、
(b)前記コアを封入し、下記のものからなるかまたは下記のものを含むシェル
(b1)焼成カオリンを含むかまたは焼成カオリンからなる粒子、
前記粒子(b1)は0.15μm以上のd10および10μm以下のd90を有する、および
(b2)前記粒子(b1)を互いに結合させかつ前記コア(a)にも結合させるバインダー。
【請求項2】
前記コア(a)が、ガラス、より具体的にはエキスパンデッドガラスまたはフォームドガラスを含むかまたはそれからなる、請求項1に記載のコア-シェル粒子。
【請求項3】
下記のものである、請求項1に記載のコア-シェル粒子
- 前記コア(a)が、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとを含み、
- 前記粒子(b1)において、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの質量比が、1:1~1:1.6の範囲である。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の複数のコア-シェル粒子を含むかまたはそれからなる、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するための注入可能な充填材料。
【請求項5】
下記を含むかまたはそれからなるフィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するための注入可能な充填材料
-請求項1~3のいずれか1項に記載の複数のコア-シェル粒子、および
-コージライトからなるか又はそれを含む粒子
であって、コージライトからなるか又はそれを含む粒子は、コア-シェル粒子の粒子(b1)ではない、前記充填材料。
【請求項6】
下記の工程による、請求項1~のいずれか1項に記載のコア-シェル粒子または請求項4もしくは5に記載の注入可能な充填材料のコア-シェル粒子の製造方法:
- 各々が1つ以上の空洞を有するコア(a)とこれらの空洞を囲む壁を準備する工程、
前記コア(a)は0.15~0.45mmの範囲のd50を有する、
- 焼成カオリンを含むかまたは焼成カオリンからなる粒子(b1)を準備する工程、
前記粒子(b1)は0.15μm以上のd10および10μm以下のd90、及び1~5μmの範囲のd50を有する、
- 前記コア(a)を粒子(b1)とバインダー(b2)の存在下に接触させて、粒子(b1)をコア(a)に結合させかつ粒子(b1)を互いにも結合させ、個々のまたは全てのコア(a)が包囲される工程、
- 前記バインダーを硬化および/または乾燥させる工程。
【請求項7】
下記のものからなる又はそれらを含むフィーダー製造用の成形可能な組成物:
- 請求項1~のいずれか1項に記載のコア-シェル粒子または請求項4もしくは5に記載の注入可能な充填材料、および
- 前記コア-シェル粒子または前記注入可能な充填剤材料を結合するためのバインダー。
【請求項8】
バインダーによって結合される、請求項1~のいずれか1項に記載のコア-シェル粒子を含むフィーダー。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載のコア-シェル粒子またはフィーダーを製造するための絶縁性充填材料として請求項4または5に記載の注入可能な充填材料もしくはフィーダーを製造するための成形可能な組成物の使用。
【請求項10】
鉄鋼鋳造物のための請求項8に記載のフィーダーの使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するためのコア-シェル粒子、本発明の多数のコア-シェル粒子を含む対応する注入可能な充填材料、本発明のコア-シェル粒子または本発明の注入可能な充填材料の製造方法、対応するフィーダー組成物および対応するフィーダー、ならびに対応する使用に関する。本発明のさらなる主題は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかである。
【0002】
本明細書の文脈において「フィーダー」という用語は、フィーダーサラウンド、フィーダースリーブおよびフィーダーキャップ、ならびに加熱パッドを包含する。
鋳造工業における金属成形部品の製造では、液体金属を鋳型に流し込み、そこで凝固させる。凝固プロセスは金属の体積の減少を引き起こし、それ故、一般的には、フィーダー-すなわち、上記鋳型の中または上の開放または閉鎖空間-が鋳造物の凝固に対する体積不足を補い、そのようにして鋳造物中に空洞が形成することを防ぐために使用される。フィーダーは、危険性のある鋳造物または鋳造物の領域に接続されており、通常、成形用空洞の上方および/または側方に配置されている。
フィーダー製造用のフィーダー組成物においておよびこれらの組成物から製造されるフィーダー自体において、今日、軽量充填剤が通常使用される場合があり、高温安定性を有する効果的な断熱をもたらすはずである。
【0003】
DE 10 2005 025 771 B3号は、セラミック中空球およびガラス中空球を含む絶縁フィーダーを開示している。
EP 0 888 199 B1号は、絶縁耐火材料として中空ケイ酸アルミニウムミクロスフェアを含むフィーダーを記載している。
EP 0 913 215 B1号は、38質量%未満の酸化アルミニウム含有量を有する中空ケイ酸アルミニウムミクロスフェアを含むフィーダー組成物を開示している。
WO 9423865 A1号は、少なくとも40質量%の酸化アルミニウム割合を有する中空酸化アルミニウム含有ミクロスフェアを含むフィーダー組成物を開示している。
WO 2006/058347 A2号は、充填剤としてポリスチレンのコアを有するコア-シェルミクロスフェアを含むフィーダー組成物を開示している。しかしながら、ポリスチレンの使用は鋳造作業において望ましくない放出をもたらす。
DE 10 2007 012 660 A1号は、キャリアコアと上記コアを取り囲むシェルとを有するコア-シェル粒子を開示しており、上記コアシェル粒子は少なくとも1450℃の温度まで安定である。シェル材料としては、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ホウ化チタン、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムが提案されている。
【0004】
US 2006/0078682 A1号は、有機基材および有機シェル材料を含む「プロッパント」を記載しており、上記有機シェル材料は無機充填剤を含む。無機充填剤として、酸化物、炭化物、窒化物およびホウ化物が提案されている。「プロッパント」の適用分野は、砂利盛土における使用または割れ目支持材として記載されている。フィーダー組成物における記載されたコア-シェル粒子の使用は記載されていない。
DE 10 2012 200 967 A1号には、ポリウレタンコールドボックス法に従う鋳造工業用のフィーダーおよび/またはフィーダー成分の製造のための成形可能な組成物中の成形材料成分としての焼成珪藻土の使用が記載されている。焼成珪藻土と他の成形材料成分、例えば、カオリン、砂、ケイ砂、耐火粘土砂およびコークスチップとの混合物の使用も記載されている。焼成カオリンまたはコージライトの使用は記載されていない。
DE 10 2007 051 850 A1号は、金属加工用の鋳型の製造のための成形混合物、鋳型の製造方法、上記方法によって得られる鋳型およびその使用を記載している。上記鋳型は、耐火性成形基材と水ガラスベースのバインダーを使用して製造される。上記耐火性成形基材は、例えば、ムライト、コランダム、β-クリストバライト、TiO2またはFeO3を含むことができる。焼成カオリンまたはコージライトの使用は記載されていない。
WO 2013/150159 A2号には、鋳造工業用の発熱フィーダー、および鋳造物の密度の高い供給のためのその使用、ならびに発熱フィーダー製造用の成形可能な組成物が記載されている。適切であるとして記載されている充填剤には、コージライト、アンダルサイト、シリマナイト、カヤナイト(ジステン)、ムライト、霞石または長石がある。しかしながら、これらの材料はコア-シェル粒子のための成分として開示されていない。
【0005】
フィーダー製造の工業的実施においては、石炭火力発電所のフライアッシュから生じる中空球が今日一般に使用されている。しかしながら、フィーダーに使用するのに適したこれらの中空球は、必要な品質の制限なしには入手できない。合成中空ビーズの使用も可能である。しかしながら、該ビーズは完成したフィーダーにおいて効果的な断熱特性を達成するために必要な特性をしばしば有していない。従って、本発明の目的は、現在好まれている中空球の代わりとして使用することができる軽量充填剤を指定することであった。
指定された軽量充填剤は、下記の主な要件を満たすべきある:
- 鋳鉄(1400℃以上)および鋳鋼(1600℃以上)の熱安定性;
- 高温、例えば、1400℃でも充分な機械的安定性;
- ほこりの付着がほとんどまたは全くない;
- 嵩密度が低い;
- フィーダーに軽量充填剤を使用したときの高い断熱効果。
【0006】
上述の目的は、本発明によれば、下記のものを含む、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するためのコア-シェル粒子によって達成される
(a)1つ以上の空洞を有するコアとこれらの空洞を囲む壁、
前記コア(a)は0.15~0.45mmの範囲の平均直径を有する、
(b)前記コアを封入し、下記のものからなるかまたは下記のものを含むシェル
(b1)焼成カオリンまたはコージライトからなる群からの材料を含むかまたはそれからなる粒子
前記粒子(b1)は少なくとも0.05μmのd10および最大45μmのd90を有する、および
(b2)前記粒子(b1)を互いに結合させかつ前記コア(a)にも結合させるバインダー。
我々自身の調査では、驚くべきことに、1つ以上の空洞を有するコアとこれらの空洞を囲む壁と、焼成カオリン又はコージライト(好ましくは焼成カオリン)の粒子を含むシェルとの組合せが、これまで知られているコア-シェル粒子では達成することができなかった優れた断熱効果を有する非常に良好な熱的機械的安定性を合せることがわかった。
【0007】
本発明の1つの実施態様においては、コア(a)が0.15mm~0.25mmの範囲のd50を有することが好ましい。コア(a)が0.05mm~0.15mmの範囲のd10および0.25~0.35mmの範囲のd90および/または0.15mm~0.25mmの平均粒径d50、好ましくは0.17mm~0.22mmの平均粒径d50、より好ましくは0.19mm~0.21mmの平均粒径d50を有することがさらに好ましい。
本発明の代わりの実施態様においては、コア(a)が0.3mm~0.48mmの範囲のd50を有することが好ましい。コア(a)が0.2mm~0.3mmの範囲のd10および0.4mm~0.6mmの範囲のd90および/または0.30mm~0.48mmの平均粒径d50、好ましくは0.33mm~0.45mmの平均粒径d50、より好ましくは0.37mm~0.43mmの平均粒径d50を有することがさらに好ましい。
本発明によれば、粒子(b1)が下記を有することが好ましい。
i) 0.07μm以上のd10、好ましくは0.1μmのd10、より好ましくは0.15μmのd10および/または
ii) 40μm以下のd90、好ましくは20μm以下のd90、より好ましくは10μm以下のd90。
粒子(b1)が0.07μm以上のd10および40μm以上のd90、好ましくは0.1μm以上のd10および20μm以下のd90、より好ましくは0.15μm以上のd10および10μm以下のd90を有することが特に好ましい。
本発明によれば、粒子(b1)が0.5~12μmの範囲のd50、好ましくは1~8μmの範囲、より好ましくは1~5μmの範囲のd50を有することもまた好ましい。
【0008】
我々自身の調査では、上記で指定したサイズを有するコア(a)および粒子(b1)は、フィーダー組成物にまたはフィーダー組成物用の注入可能な充填材料に使用するのに特に良好な性質を有することがわかった。
本発明のコア-シェル粒子の他の実施態様においては、コア(a)は、二峰性または多峰性の粒度分布、好ましくは0.1mm~0.3mmの範囲の第1の最大直径および0.25mm~0.5mmの範囲の第2の最大直径を有する。本発明によれば、二峰性粒度分布が好ましい。
二峰性または多峰性の粒度分布を有するコア-シェル粒子を使用によって、コア-シェル粒子のより高い充填密度を達成することが可能である。我々自身の調査では、コア-シェル粒子をフィーダー用の充填剤として使用すると、これによってフィーダーの強度が向上することがわかった。
本発明によれば、コア(a)がガラス、より具体的にはエキスパンデッドガラス(expanded glass)またはフォームドガラス(foamed glass)を含むかまたはこれからなるコア-シェル粒子が好ましい。
驚くべきことに、我々自身の調査は、ガラスを含むか又はガラスからなる(より具体的にはエキスパンデッドガラスまたはフォームドガラスからなる)コアを有するコア-シェル粒子が、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用されるときに非常に良好な絶縁性を有することを示した。特に、鋼鉄または鋳鉄用のフィーダーの製造に使用する状況では、当業者は、ガラスを含むかまたはガラスからなる粒子を使用しないであろう。それらが鋳造に必要な温度で溶融するからである。
【0009】
下記の本発明のコア-シェル粒子もまた好ましい
- コア(a)が二酸化ケイ素と酸化アルミニウムを含み、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの質量比が、好ましくは27:1以上、好ましくは30:1以上、より好ましくは45:1以上である、
- 粒子(b1)において、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの質量比が、1:1~1:1.6の範囲である。
本発明の1つの実施態様において、コア-シェル粒子は0.1mm~0.2mmの範囲のd10および0.30mm~0.40mmの範囲のd90を有することが好ましい。コア-シェル粒子が0.2mm~0.3mmの平均粒径d50、好ましくは0.22mm~0.27mmの平均粒径d50、より好ましくは0.24mm~0.26mmの平均粒径d50を有することが特に好ましい。
本発明の他の実施態様において、コア-シェル粒子が0.30mm~0.40mmの範囲のd10および0.50mm~0.60mmの範囲のd90を有することが好ましい。コア-シェル粒子が0.4mm~0.5mmの平均粒径d50、好ましくは0.42mm~0.47mmの平均粒径d50、より好ましくは0.44mm~0.46mmの平均粒径d50を有することが特に好ましい。
本発明のコア-シェル粒子の他の実施態様において、コア-シェル粒子は、0.15mm~0.35mmの範囲の第1の最大直径および0.35mm~0.55mmの範囲の第2の最大直径を有することが好ましい二峰性または多峰性粒度分布を有する。本発明によれば、二峰性粒度分布が好ましい。粒子の二峰性粒度分布を有するコア-シェル粒子は、例えば、2つの異なるサイズを有する上記コア-シェル粒子を一緒に混合することによって得ることができる。
【0010】
本発明の1つの好ましい実施態様において、二峰性コア-シェル粒子は、(I)を(II)と混合することによって得られることが好ましい
(I) 0.1mm~0.2mmの範囲のd10および0.30mm~0.40mmの範囲のd90有するコア-シェル粒子、上記コア-シェル粒子は0.2mm~0.3mmの平均粒径d50、好ましく0.22mm~0.27mmの平均粒径d50、より好ましくは0.24mm~0.26mmの平均粒径d50を有することが特に好ましい
(II) 0.30mm~0.40mmの範囲のd10および0.50mm~0.60mmの範囲のd90有するコア-シェル粒子、上記コア-シェル粒子は0.4mm~0.5mmの平均粒径d50、好ましく0.42mm~0.47mmの平均粒径d50、より好ましくは0.44mm~0.46mmの平均粒径d50を有することが特に好ましい。
上記コアおよび上記コア-シェル粒子の粒径(例えば、d10、d50、およびd90)は、DIN 66165-2、FおよびDIN ISO 3310-1に従って決定される。
粒子(b1)の粒径はレーザー回折により測定される。
【0011】
バインダー(b2)は、好ましくは、有機もしくは無機のバインダーまたは有機もしくは無機のバインダーの混合物であり、上記バインダーは、好ましくは、ポリマーベースのバインダー、水ガラスベースのバインダー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、コールドボックス法によって硬化可能なポリウレタンバインダー、溶剤としてテトラエチルシリケート(TEOS)および/または植物油エステル(好ましくはメチルエステルまたはブチルエステル)を有するポリウレタンバインダー、遊離ヒドロキシル基(OH基)を含有するポリオール成分(好ましくはフェノール樹脂)および共反応体としてのポリイソシアネートを含む二成分系、多糖類およびデンプンからなる群から選択される。
上記の二成分系の場合、遊離ヒドロキシル基は、そのヒドロキシル基がエーテル化されていないことを意味する。ポリオール成分として使用することができる好ましいフェノール樹脂は、例えば、EP 1 057 554 B1号に記載されているようなオルト縮合フェノールレゾール(ベンジルエーテル樹脂とも呼ばれる)である。通常の専門家の理解によれば、用語「オルト縮合フェノールレゾール」またはベンジルエーテル樹脂は、また、教科書「Phenolic Resins: A Century of progress」(編集者: L.Pilato, 出版社: Springer, 発行年: 2010) 477頁, 図18.22に従う構造を有する化合物、および「Urethane Cold Box Process」(1998年2月)についてVDG [German Automakers Association] R 305データシートに従って「ベンジルエーテル樹脂(オルトフェノールレジール)」と同定されかつ/または段落2.2に指定されるベンジルエーテルポリオールについての式によって網羅されている化合物を包含する。
【0012】
遊離ヒドロキシル基(OH基)を含有するポリオール成分(好ましくはフェノール樹脂)および共反応体としてのポリイソシアネートを含む二成分系の中では、コールドボックスバインダーが好ましい。コールドボックスバインダーは、ミストまたは蒸気の形態で供給される三級アミンによって硬化されるバインダーである(「ガス処理」)。
本発明によれば、コールドボックスバインダーが有機アミンでガス処理することによって硬化される有機バインダー、好ましくはコールドボックスバインダーが好ましい。
本発明のさらなる態様は、本発明の複数のコア-シェル粒子を含むかまたはそれからなる、フィーダー製造用のフィーダー組成物のための充填剤として使用するための注入可能な充填材料に関する。
本発明のコア-シェル粒子とコージライトからなるか又はそれを含む粒子との混合物を含むか又はそれらからなる本発明の注入可能な充填材料が好ましく、コージライトからなるかまたはそれを含む上記粒子はコア-シェル粒子の粒子(b1)ではない。コージライトからなるかまたはそれを含む粒子は、0.045mmを超えるd10を有することが好ましい。コージライトからなるかまたはそれを含む粒子は、注入可能な充填材料においてバインダーによって本発明のコア-シェル粒子またはコア-シェル粒子のコア(a)に結合されない粒子である。
【0013】
我々自身の調査は、本発明の注入可能な充填材料が本発明のコア-シェル粒子とコージライトからなるかまたはそれを含む粒子との混合物を含む場合、フィーダーが特に良好な絶縁性、それ故に空洞の形成に正の影響を有し、かつ非常に良好な温度安定性を有することを示した。
ここで、本発明の注入可能な充填材料は、本発明のコア-シェル粒子およびコージライトからなるかまたはそれを含む粒子の総質量に基づいて、コージライトからなるかまたはそれを含む粒子の割合が10~60%、好ましくは20~50%、より好ましくは25~40%であることが好ましい。
コージライトからなるかまたはコージライトを含む粒子のこれらの割合を有する本発明の注入可能な充填材料が特に良好な特性を有することがわかった。
コージライトからなるかまたはそれを含む粒子が、DIN 66165-2、FおよびDIN ISO 3310-1によって測定された、0.1~0.4mmの範囲の平均粒径を有する本発明の注入可能な充填材料が好ましい。
1つの好ましい実施態様において、コージライトからなるかまたはそれを含む粒子は、下記を有する
a) 0.05mm以上のd10および0.60mm以下のd90および/または
b) 0.13mm~0.4mm、好ましくは0.18mm~0.32mmのd50。
嵩密度が0.8g/cm3未満、好ましくは嵩密度が0.7g/cm3未満、より好ましくは嵩密度が0.6g/cm3未満の本発明の注入可能な充填材料が好ましい。
【0014】
本発明のさらなる態様は、下記の工程を有する、本発明のコア-シェル粒子または本発明の注入可能な充填材料の製造方法に関する:
- 各々が1つ以上の空洞を有するコア(a)とこれらのキャビティを囲む壁を準備する工程、
上記コア(a)は0.15~0.45mmの範囲のd50を有する、
- 焼成カオリンまたはコージライトからなる群からの材料を含むかまたはそれからなる粒子(b1)を準備する工程、
上記粒子(b1)は少なくとも0.05μmのd10および最大45μmのd90を有する、
- 前記コア(a)を粒子(b1)とバインダー(b2)の存在下に接触させて、粒子(b1)がコア(a)におよび互いに結合し、個々のまたは全てのコア(a)が包囲される工程、
- 前記バインダーを硬化および/または乾燥させる工程。
本発明の方法の1つの好ましい実施態様において、最初にコア(a)をバインダー(b2)で湿らせ、次いで粒子(b1)をバインダー(b2)で湿らせたコア(a)に加えて、粒子(b1)をコア(a)に結合させかつ粒子(b1)を互いに結合させ、個々のまたは全てのコア(a)を包囲する。
下記の工程をさらに含む、本発明の注入可能な充填材料の製造方法もまた好ましい:
- 製造されたコア-シェル粒子を、コージライトからなるかまたはそれを含む粒子と混合する工程、コージライトからなるかまたはそれを含む上記粒子は、コア-シェル粒子の粒子(b1)ではない。
【0015】
本発明に関連してさらなる態様は、下記のものからなるかまたはそれらを含む、フィーダーを製造するための成形可能な組成物に関する:
- 本発明のコア-シェル粒子または本発明の注入可能な充填材料および
- 上記コア-シェル粒子または注入可能な充填材料を結合するためのバインダー。
本発明によれば、バインダーが有機もしくは無機のバインダーまたは有機もしくは無機のバインダーの混合物であり、バインダーが好ましくはポリマーベースのバインダー、水ガラスベースのバインダー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、コールドボックス法により硬化可能なポリウレタンバインダー、溶剤としてテトラエチルシリケート(TEOS)および/または植物油エステル(好ましくはメチルエステルおよびブチルエステル)を有するポリウレタンバインダー、遊離ヒドロキシル基(OH基)を含有するポリオール成分(好ましくはフェノール樹脂)および共反応体としてポリイソシアネートを含む二成分系、多糖類およびデンプンからなる群から選択される成形可能な組成物が好ましい。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、本発明の成形可能な組成物は、成形可能な組成物中の本発明のコア-シェル粒子とコージライトとの合計質量に基づいて、5~25%、好ましくは7~20%、より好ましくは9~17%のバインダーの割合を有する。
本発明に関連してさらなる態様は、硬化および/または乾燥バインダーによって結合された本発明のコア-シェル粒子を含むフィーダーに関する。
バインダーは有機もしくは無機のバインダーまたは有機もしくは無機のバインダーの混合物であることが好ましく、バインダーは好ましくはポリマーベースのバインダー、水ガラスベースのバインダー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、コールドボックス法により硬化可能なポリウレタンバインダー、溶剤としてテトラエチルシリケート(TEOS)および/または植物油エステル(好ましくはメチルエステルおよびブチルエステル)を有するポリウレタンバインダー、遊離ヒドロキシル基(OH基)を含有するポリオール成分(好ましくはフェノール樹脂)および共反応体としてポリイソシアネートを含む二成分系、多糖類およびデンプンからなる群から選択されることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、硬化させかつ/または乾燥させたバインダーによって結合された、本発明のコア-シェル粒子とコージライトからなるかまたはそれを含む粒子との混合物を含むフィーダーが好ましい。
コージライトからなるかまたはそれを含む粒子の割合が、本発明のコア-シェル粒子およびコージライトからなるかまたはそれを含む粒子の総質量に基づいて、10~60%、好ましくは20~50%、より好ましくは25~40%である本発明のフィーダーが特に好ましい。
本発明によれば、1.0g/cm3未満、好ましくは0.8g/cm3未満、より好ましくは0.7g/cm3未満の密度を有するフィーダーもまた好ましい。
本発明の文脈において特に好ましいフィーダーは、絶縁性フィーダーである。
フィーダーが絶縁性フィーダーである本発明の1つの好ましい実施態様において、容易に酸化可能な金属および酸化剤の最大割合は、本発明のフィーダーの総質量に基づいて最大で5質量%、好ましくは最大で2.5質量%である。まさに特に好ましくは、本発明の絶縁性フィーダーは酸化しやすい金属および酸化剤を含有しないことが好ましい。本発明の文脈において酸化しやすい金属は、アルミニウム、マグネシウムもしくはケイ素または対応する金属合金であると解釈される。酸化剤は、酸素を除いて、酸化しやすい金属を酸化することができる薬剤と理解される。
【0018】
本発明の文脈において特に好ましいフィーダーは、鋳鋼および/または鋳鉄用のフィーダーである。
本発明に関連してさらなる態様は、本発明のコア-シェル粒子またはフィーダー製造用の絶縁性充填材料として本発明の注入可能な充填材料もしくはフィーダー製造用の成形可能な組成物の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、鋳鉄または鋳鋼のための本発明のフィーダーの使用に関する。
本発明の文脈において、全く同時に実現されることが好ましいように上記で確認された態様の2つ以上が好ましい;そのような態様と添付の特許請求の範囲から生じる対応する特徴との組合せが特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】エキスパンデッドガラスのコアおよび焼成カオリンのシェルを有する本発明のコア-シェル粒子の研摩片の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図2図1の走査型電子顕微鏡写真のアルミニウム元素マッピング画像を示す。明るく示される部分はアルミニウムを含有している。ここでアルミニウム含有シェル粒子(b1)がコア(a)の周囲に配置されていることが明らかに見られる。
図3図1の走査型電子顕微鏡写真のケイ素元素マッピング画像を示す。明るく示される部分はケイ素を含有する。エキスパンデッドガラス(SiO2)のコア粒子とシェル粒子の両方がケイ素を含有することが明らかに見られる。
図4】実施例においてより詳細に記載されるキューブテストで残りのフィーダーを有する切り開いたキューブ鋳造物の写真を示す。実施例9に従って製造したフィーダーを使用して鋳造物を鋳造した。空洞の最深点は鋳造物において3mmである。これにより、空洞の深さは-3mmになる。
図5】実施例においてより詳細に記載されるキューブテストで残りのフィーダーを有する切り開いたキューブ鋳造物の写真を示す。実施例10に従って製造したフィーダーを使用して鋳造物を鋳造した。空洞の最深点は、残りのフィーダーにおける鋳造物の上の18mmである。これにより、空洞の深さは+18mmになる。
図6】実施例においてより詳細に記載されるキューブテストで残りのフィーダーを有する切り開いたキューブ鋳造物の写真を示す。比較例3に従って製造したフィーダーを使用して鋳造物を鋳造した。空洞の最深点は、鋳造物において8mmである。これにより、空洞深さは-8mmになる。
図7】実施例においてより詳細に記載されるキューブテストで残りのフィーダーを有する切り開いたキューブ鋳造物の写真を示す。比較例4に従って製造したフィーダーを使用して鋳造物を鋳造した。空洞の最深点は鋳造物において26mmである。これにより、空洞深さは約-26mmになる。
図8】実施例においてより詳細に記載されるキューブテストので残りフィーダーを有する切り開いたキューブ鋳造物の写真を示す。比較例5に従って製造したフィーダーを使用して鋳造物を鋳造した。空洞の最深点は鋳造物において7mmである。これにより、空洞深さは-7mmになる。
【0020】
下記に実施例および図面を使用して本発明をより詳細に説明する:
A 本発明のコア-シェル粒子の製造(バルク生成物):
実施例1
BOSCH Profi 67ミキサーに664gのLiaverエキスパンデッドガラス(標準粒径0.1~0.3mm;Liaver GmbH und Co. KG)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を72gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。136gの焼成カオリン(d50 = 1.4μm、d10 = 0.4μm、d90 = 7μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0021】
実施例2
BOSCH Profi 67ミキサーに640gのLiaverエキスパンデッドガラス(標準粒径0.25~0.5mm;Liaver GmbH und Co. KG)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を72gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。160gの焼成カオリン(d50 = 1.4μm、d10 = 0.4μm、d90 = 7μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0022】
実施例3
BOSCH Profi 67ミキサーに664gのPoraverフォームドガラス(標準粒径0.1~0.3;Dennert Poraver GmbH)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を72gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。136gの焼成カオリン(d50 = 1.4μm、d10 = 0.4μm、d90 = 7μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0023】
実施例4
BOSCH Profi 67ミキサーに640gのPoraverフォームドガラス(標準粒径0.25~0.5;Dennert Poraver GmbH)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を72gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。160gの焼成カオリン(d50 = 1.4μm、d10 = 0.4μm、d90 = 7μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0024】
B 比較のコア-シェル粒子の製造(本発明によらない):
比較例1(本発明によらない)
BOSCH Profi 67ミキサーに700gのPoraver(標準粒径0.1~0.3;Dennert Poraver GmbH)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を120gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。300gの炭化ケイ素粉末(粒径のd50:<5μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0025】
比較例2(本発明によらない)
キャリアコアには、適切なBOSCH Profi 67ミキサーに560gのPoraver(標準粒径0.1~0.3;Dennert Poraver GmbH)をキャリア材料として充填し、この最初の充填物を72gのコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)で一様に湿らせる。240gの酸化アルミニウム粉末(粒径のd50:約12μm)を添加し、これらの成分を均一に混合する。最後に、約0.5mLのジメチルプロピルアミンを加えて上記バインダーを硬化させる。数秒後、形成されたコア-シェル粒子はさらなる使用のためのバルク生成物の形態になる。
【0026】
C フィーダー組成物ならびにフィーダーキャップおよび他の異形要素の製造
実施例5
実施例1に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0027】
実施例6
実施例2に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0028】
実施例7
実施例3に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0029】
実施例8
実施例4に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0030】
実施例9
実施例1および2に従って製造したコア-シェル粒子を4:3の質量比で均一に混合する。得られた混合物をコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0031】
実施例10
実施例1および2に従って製造したコア-シェル粒子を4:3の質量比で均一に混合する。得られた混合物を、コージライト(標準粒径<5mm、Ceske lupkove zavody, a.s.)からなる粒子と均一に混合し、7:3のコア-シェル粒子とコージライト粒子との質量比を得る。この混合物をコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0032】
比較例3(本発明によらない)
比較例1に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0033】
比較例4(本発明によらない)
比較例2に従って製造したコア-シェル粒子を、コールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0034】
比較例5(本発明によらない)
比較例2に従って製造した445gのコア-シェル粒子を250gのアルミニウム(<0.2mmの粒度を有するスプレー霧状Al)、60gの酸化鉄、220gの硝酸カリウム(流動性、市販品;2mm未満の粒度)および25gの点火剤、さらにコールドボックスバインダー(Huettenes-Albertusから:アクチベータ6324:ガス樹脂7241の比が1:1のアクチベータ6324/ガス樹脂7241をベースとするベンジルエーテル樹脂)と均一に混合する。得られた混合物から、フィーダーキャップおよび他の異形成形品を(a)打ち抜き加工し、(b)コアシューティングマシン(例えば、Roeper、Laempe)を使用して射出する。いずれの場合も、硬化はジメチルプロピルアミンでガス処理することによって行われる。
【0035】
D キューブテスト:
C項からの実施例および比較例に従うフィーダーキャップについて、実際的有用性をいわゆるキューブテストによって検査した。これらのテストにおいて、モジュール的に適切なフィーダーキャップを使用した場合、キューブの形の鋳造物は空洞がないことが必要である。
比較的信頼できる密度の高い供給がすべての実施態様に示された。それぞれの残りのフィーダー(キューブの上)において、見られた空洞挙動は、いずれの場合も、比較例よりも実施例で良好であった。測定した空洞深さを下記表に再現させる。空洞深さが負の場合には、空洞が少なくとも部分的に鋳造物中にあることを意味するが、空洞深さに対する正の値は、空洞がそれぞれの残りのフィーダーにおいて形成されることを意味する。残りフィーダーを有する対応するキューブ鋳造物を図4図8に示す。
【0036】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8