(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】パレットコンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 90/12 20060101AFI20220114BHJP
B65D 88/12 20060101ALI20220114BHJP
B65D 19/10 20060101ALI20220114BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
B65D90/12 C
B65D88/12 U
B65D19/10
B65D77/04 A
(21)【出願番号】P 2019513767
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2017001074
(87)【国際公開番号】W WO2018046131
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-07-14
(31)【優先権主張番号】202016005519.5
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591112326
【氏名又は名称】マウザー-ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Mauser-Werke GmbH
【住所又は居所原語表記】Schildgesstrasse 71-163, D-50321 Bruehl, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ヴァイラオホ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン アドルフス
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102007044279(DE,A1)
【文献】国際公開第2012/085940(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0257230(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009036487(DE,A1)
【文献】英国特許出願公告第1541141(GB,A)
【文献】特表2001-500460(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19838309(DE,A1)
【文献】実開昭56-12089(JP,U)
【文献】特開2002-211875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00-19/44
B65D 88/00-90/66
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状または流動性の充填物の保管および搬送用のパレットコンテナ(10)であって、
熱可塑性プラスチックから製造された、薄壁で剛体の内容器(12)と、
前記プラスチック内容器(12)を支持周壁として密に囲繞する、相互に溶接された水平の管棒(18)と鉛直の管棒(20)とから成る管格子フレーム(14)と、
矩形の底部パレット(16)であって、該底部パレット(16)上に前記プラスチック内容器(12)が載置されており、前記底部パレット(16)に前記管格子フレーム(14)が固く結合されている、底部パレット(16)と、
を備え、
立体的な前記プラスチック内容器(12)は、2つの長い方の側壁と、1つの短い方の後壁と、1つの短い方の前壁と、1つの容器下底と、中心に配置された、スクリューキャップ(28)を用いて閉鎖可能な充填管片(30)を具備する上底(26)とを有し、
前記管格子フレーム(14)の上部において、前記プラスチック内容器(12)の前記充填管片(30)の横隣に、2つの管棒状の横桁(32)が延在し、該横桁(32)は、前記管格子フレーム(14)の両方の長い方の側壁に取り付けられており、前記横桁(32)は、中央で、前記上底(26)上に配置された、前記プラスチック内容器(12)のプラスチック材料から形成された2つの保持装置(34)により上から把持されている、パレットコンテナにおいて、
前記保持装置(34)は、
前記上底(26)との間に自由空間を形成する自由端部(42)と
、上底(26)に接合された接合領域(44)と
、を有する、片側で開いた中実の支持ピンとし
て形成され
、
前記自由端部(42)の長さよりも、前記接合領域(44)の接合長さの方が長いことを特徴とする、パレットコンテナ。
【請求項2】
前記保持装置(34)は、その前記自由端部(42)でもって、互いに向き合うように形成されていることを特徴とする、請求項1記載のパレットコンテナ。
【請求項3】
前記保持装置(34)の比較的長い前記接合領域(44)は、短い前記自由端部(42)
の2倍の長さに形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の
パレットコンテナ。
【請求項4】
前記保持装置(34)は、全体として矩形の横断面を有し、高さは
、35mm~45m
mであり、長さは
、65mm~80m
mであり、厚さは
、5mm~8m
mであることを特徴とする、請求項1または2記載のパレットコンテナ。
【請求項5】
短い前記自由端部(42)は
、18mm~25m
mの長さと
、15mm~20m
mの、前記内容器(12)の前記上底(26)に対す
る間隔とを有することを特徴とする、請求項1、2、3または4記載のパレットコンテナ。
【請求項6】
前記保持装置(34)の前記接合領域(44)は、前記内容器上底(26)の、斜めに延在する移行領域(40)のみに形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5記載のパレットコンテナ。
【請求項7】
前記保持装置(34)は、その前記自由端部(42)に、小さな下向きの突起(46)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のパレットコンテナ。
【請求項8】
前記保持装置(34)の両方の側方の外縁が、連続的な縁隆起部(48)を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のパレットコンテナ。
【請求項9】
前記縁隆起部(48)は
、3mmの幅
と1mmの高さとを有することを特徴とする、請求項8記載の
パレットコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に危険な液状または流動性の充填物の保管および搬送用のパレットコンテナ(以下略して「IBC」と称される)であって、熱可塑性プラスチックから製造された、薄壁で剛体の内容器と、プラスチック内容器を支持周壁として密に囲繞する、相互に溶接された水平の管棒と鉛直の管棒とから成る管格子フレームと、矩形の底部パレットであって、底部パレット上にプラスチック内容器が載置されており、底部パレットと管格子フレームが固く結合されている、底部パレットと、を備え、立体的なプラスチック内容器は、2つの長い方の側壁と、1つの短い方の後壁と、1つの短い方の前壁と、1つの容器下底と、中心に配置された、スクリューキャップを用いて閉鎖可能な充填管片を具備する上底とを有し、管格子フレームの上部において、プラスチック内容器の充填管片の横隣に、2つの管棒状の横桁が延在し、横桁は、管格子フレームの両方の長い方の側壁に取り付けられており、横桁は、中央で、上底上に配置された、プラスチック内容器のプラスチック材料から形成された2つの保持装置により上から把持される、パレットコンテナに関する。
【0002】
問題点:
化学工業において、パレットコンテナもしくはIBCは、広範囲で主に液状の化学物質の搬送用に使用される。これらの化学製品は、その大部分が危険な液状の充填物を成し、その保管および搬送には、構造検査された相応の容器だけが認可されている。連邦材料研究試験所(BAM)により実施される構造検査では、様々な強度基準および漏れ基準を満たさなければならない。とりわけIBCにおいて、継続的な搬送の揺れに関するシミュレーションとして、振動台上でいわゆる「振動試験」が実施されなければならない。振動台は、極めて短時間で、極めて高い動的な振動負荷を、充填物が満たされたパレットコンテナにかける。相応して駆動される振動台は、25mm±5%の二重振幅を有する短い鉛直の往復運動を行い、その際、往復運動の周波数は、パレットコンテナが、その底部パレットでもって、ちょうど振動台の載置プレートから持ち上がるように選択されるべきである。検査期間は、1時間である。その後で、検査済みのパレットコンテナには、漏れ、割れおよび構造上の装備の破損/故障があってはならない。
【0003】
機能的に、振動台が急激に上昇するたびに、内容器内に位置する液柱に強い流体動力学的な衝撃波が作用し、これにより液体は、幅方向に逃げようとする。これにより、囲繞している格子ケージの側壁は、弾性的に外方へ(4方向で)押圧される。同時に、中心の充填開口上にスクリューキャップを有する上底が、強く下方へ沈み込む。これに続いて振動台が急に降下すると、格子ケージの、外方へ押圧された側壁が弾性的に戻り、そこで液体は、上方へ逃げ(1方向のみ)、その際、スクリューキャップを有する上底は、激しく上方へ振れる。この運動経過の急激な周期的な繰り返しにより、液体または容器システム全体が、共振するおそれがあり、これにより回避運動の大きさがさらに増加し、早期に、溶接された管棒接合部における溶接結合部の管棒の破断および破裂が生じ得る臨界値を超える。
【0004】
薄壁のプラスチック内容器と囲繞している管格子フレームとを有する、本構造形式のパレットコンテナ(いわゆる複合材IBC)は、通常は、管棒状の2つの横桁を有し、横桁は、充填管片の横隣で、プラスチック内容器の上底にわたって延在し、管格子フレームの、最も上側の水平に周方向に延在する管棒に取り付けられている。これは、一方では上側の格子フレーム領域を補強するのに役立ち、他方では管格子フレーム内でプラスチック内容器を固定するのに用いられる。この場合、とりわけ、たとえばパレットコンテナが横転して、充填物が満たされたプラスチック内容器が格子ケージから滑り落ちて、もはや取り扱い不能となるようなことは阻止されるべきである。
【0005】
背景技術:
刊行物である欧州特許出願公開第0881161号明細書(EP 0 881 161 A1)において、金属またはプラスチックから成る、取出し可能な保護蓋を有する同様のパレット容器が公知であり、このパレット容器では、外力または内力の作用により、プラスチック内容器の充填管片を有する上底が陥没することが回避されるべきである。そこでは、特に充填物が冷めるときに負圧の発生により上底が沈み込まないようにするのが望ましく、これにより、スクリューキャップは引き続き市販のレンチを用いて開放することが可能である。撹拌工具を充填管片に装着したときでも沈み込みが回避されるべきである。そのために、プラスチック内容器の上底は、その上に配置された保護蓋に取り付けられている。上底には、2つの固定アイが一体に成形されており、固定アイは、保護蓋に設けられたスリットを通して差し込まれていて、上向きに突出している。保護蓋に上底を固定するために、相応のピンが、保護蓋から突出している固定アイを通して差し込まれている。
【0006】
今日では市場に認められる、冒頭で述べた様々な製造業者のパレットコンテナは、ほぼ全て、保持装置として上底に一体に成形された閉じた固定アイを有し、固定アイは、上側の格子ケージにおける両方の横桁を上から把持する。
【0007】
しかし、この公知の固定アイは、比較的薄く、大きな貫通開口を有して形成されている。というのも、横桁を組み付けるときに、横桁を、その角度付けられた固定端部でもって、固定アイの開口を通して差し込まなければならないからである。したがって、これは、危険物に対する認可検査において、特に振動試験において内容器の安定した懸架を成していない。
【0008】
課題:
本発明の根底を成す課題は、振動負荷の外部影響に対抗するパレットコンテナの安定性を簡単にある程度高めて、ひいては総じてパレットコンテナの耐用期間を延長することである。
【0009】
解決手段:
この課題は、特許請求項1の特徴部に記載の構成により解決される。従属請求項記載の特徴は、本発明に係るパレットコンテナの別の好適な構成を表している。提案された技術的教示は、驚くほど簡単に、充填物が満たされたパレットコンテナの継続的な搬送の揺れに対抗する、改善された抵抗能力を示している。本発明の構造的な特徴により、動的な継続負荷に際してまず上側の境界範囲に作用する、パレット容器システム全体の性能向上が得られる。
【0010】
本発明は、構造的に、保持装置が、短い自由端部と比較的長い接合領域とを有する、片側で開いた中実な支持ピンとして形成されていることを特徴としている。この場合、支持ピン状の保持装置の比較的長い接合領域は、短い自由端部の約2倍の長さに形成されている。これにより、複数の利点が同時に得られる。
【0011】
一方では、極めて大きな製造技術的な利点が得られる。横桁は、もはや手動で、その比較的大きな角度付けられた固定端部でもって、閉じた固定アイを通して差し込まなくてよく、簡単に、側方から、支持ピンの短い自由端部の下に摺動させることが可能である。このプロセスは、容易に自動化することが可能である。他方では、パレットコンテナは、認可検査に関して、内容器上底上に長い接合領域を有する支持ピンにより、かつ支持ピンの自由端部の中実で短い構成により、高められた剛性を有する。自由な支持ピン端部の中実な構成と相俟って、上底に対する端部の下側の自由空間は、ちょうど横桁が正確にその下で嵌合するまたは存在する自由空間を満たすような大きさであるので、余剰の自由空間が残らず、これまでの通常の、大きなアイ開口内での横桁の自由運動(衝突)はもはや発生し得ない。むしろ、横桁の自由運動および衝突なく内容器上底が上下運動するたびに、支持ピン状の保持装置と横桁との間の継続的な接触固定が存在する。
【0012】
本発明の構成では、好適には、支持ピン状の両方の保持装置が、その自由端部でもって、互いに向き合うように形成されていることが想定されている。これにより、共鳴範囲において極端に大きな振動負荷が生じても、横桁は、簡単に支持ピンの自由端部の下から跳ね出ることはないことが達成される。
【0013】
構造的な構成では、支持ピン状の保持装置は、全体として矩形の横断面を有し、高さは、約35mm~45mm、好適には38mmであり、長さは、約65mm~80mm、好適には72mmであり、厚さは、約5mm~8mm、好適には6mmである。これにより、支持ピン状の保持装置は、高さの約2倍の長さに形成されていて、公知の薄い固定アイと比べて改善された剛性を有する。これは、短い自由端部が、「たった」約18mm~25mm、好適には22mmの長さと、約15mm~20mm、好適には17mmの、内容器の上底に対する自由な高さまたはわずかな間隔とを有することによってももたらされる。
【0014】
別の構造的な構成では、支持ピン状の保持装置の接合領域が、内容器の、斜めに延在する移行領域だけに形成されていることが想定されている。(充填ねじ蓋を保護するように配置するために)両方の高い位置の外側部分から低い位置の中央部分への内容器の斜めに延在する移行領域に中実な支持ピンの長い接合領域を配置することにより、内容器上底の上下運動のピーク値が低減され、これは、最終的に振動負荷が長く継続するときに抵抗性能が知覚可能に向上することにつながる。
【0015】
以下に、図面に略示した1つの実施の形態に基づいて、本発明を詳説し、記述する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】支持ピン状の保持装置において
図2の一部を詳しく示す。
【0017】
図1には、符号10で、本発明に係る、特に危険な液状または流動性の充填物の保管および搬送用のパレットコンテナ(=IBC)が示されている。危険な充填物の使用もしくは利用に関して、パレットコンテナ10は、特殊な試験基準を満たしているとともに、相応する公的な危険物認可を有する。約1000lの充填体積用の構成では、パレットコンテナ10は、約1200mmの長さと約1000mmの幅と約1151mmの高さとを有する規格化された寸法を有する。パレットコンテナ10の主要要素は、ブロー成形法で熱可塑性プラスチックから製造された、薄壁で剛体の内容器12と、プラスチック内容器12を、支持周壁として密に囲繞する管格子フレーム14と、底部パレット16とから成り、底部パレット16にはプラスチック内容器12が載置されていて、底部パレット16と管格子フレーム14が固く結合されている。外側の管格子フレーム14は、互いに溶接された水平の管棒18と、鉛直の管棒20とから成る。外側容器として閉じた格子ケージを得るために、環状に周方向に延在する水平の管棒18は、それぞれ結合箇所において互いに固く結合されている。底部パレット16は、図示の形態では複合材パレットとして、上側の鋼板支持プレートと、その下に配置された鋼管支持フレームと、プラスチックコーナ中間脚部とを有して形成されている。管格子フレーム14の正面側には、それぞれ液状の充填物の識別表示用に薄い鋼板から成るラベル貼付板22が取り付けられている。プラスチック内容器12の底部の中央には、液状の充填物を取り出すために、取出し部品を接続するための取出し管片24が形成されている。
【0018】
パレットコンテナ10の寸法に相応して、プラスチック内容器12は、2つの長い方の側壁と、1つの短い方の後壁と、1つの短い方の前壁と、1つの容器下底と、中心に配置された、スクリューキャップ28を用いて閉鎖可能な充填管片30を具備する上底26とを有し、この場合、管格子フレーム14の上側において、プラスチック内容器12の充填管片30の横隣に、2つの管棒状の横桁32が延在し、横桁32は、管格子フレーム14の両方の長い方の側壁に取り付けられており、横桁32は、中央で、上底26上に配置された、プラスチック内容器12のプラスチック材料から一体に形成された中実で支持ピン状の2つの保持装置34により上から把持される。
【0019】
立体的なプラスチック内容器12は、
図2において、単独で(つまり管格子フレーム14なしに)側面図で示されている。底側の取出し管片24は、短い方の、ここでは視認されない側壁に配置されている。上側の中心に配置された充填管片30は、より高い位置の2つの外側部分38の間で、内容器12のより低い位置の中央部分36に位置決めされている。より低い位置の中央部分36からより高い位置の両方の外側部分38への、斜めに形成された各移行領域40に、2つの中実な、片側で開いた支持ピン状の保持装置34が配置されている。
【0020】
保持装置34は、ブロー成形プロセスの間に、ブロー成形用型を型締めするときにピンチオフ(継ぎ目)の領域でそのために成形された凹部内において、押し潰されたパリソン端部から形成される。これまで一般的な閉じた固定アイでは、その都度のブロー成形プロセス後にプラスチック材料をアイ開口において別個に切り抜かなければならなかった。この追加的な作業ステップは、好適には、本発明による片側で開いた支持ピン状の、つまり片持ちレバー状の保持装置34では省略される。
【0021】
図3において拡大された描画から、保持装置34が、短い自由端部42と比較的長い接合領域44とを有する、片側で開いた中実な支持ピンとして形成されていることが明確である。先行する
図1および
図2の描画において、保持装置34が、その自由端部42でもって、互いに向き合って形成されていることが看取可能である。
【0022】
構造的な構成によれば、支持ピン状の保持装置34の比較的長い接合領域44は、短い自由端部42の約2倍の長さに形成されている。この場合、保持装置34は、全体として矩形の横断面を有し、この場合、高さは、約35mm~45mm、好適には38mmであり、長さは、約65mm~80mm、好適には72mmであり、厚さは、約5mm~8mm、好適には6mmである。これにより、支持ピン状の保持装置34は、高さの約2倍の長さを有する。横桁の、接触により拘束された挟み込み(閉じた貫通アイ内での自由空間に相当するものは存在しない)は、短い自由端部42が約18mm~25mm、好適には22mmの長さと、約15mm~20mm、好適には17mmの、内容器の上底26に対する自由な高さまたは間隔とを有することにより得られる。
【0023】
図3においてさらに明確に看取されるように、支持ピン状の保持装置34の接合領域44は、内容器上底26の、斜めに延在する移行領域40だけに形成されている。保持装置34の下側から横桁32が外れることを完全に排除するために、両方の保持装置34は、その自由端部42でもって、小さな下向きの突起46を有する。
【0024】
さらに
図4における斜視図は、支持ピン状の保持装置34の両方の側方の外縁が連続的な縁隆起部48を有することを明確に示している。
【0025】
縁隆起部48は、約3mmの幅と約1mmの高さとを有する。これは、保持装置34の剛性を高め、この場合、ある程度必要な弾性は維持され、これにより振動試験中に上底26が上下に揺れるときに方向転換に基づく衝撃を緩和することが可能であり、衝撃は、低減された程度しか横桁32に伝達されない。
【0026】
ビデオ記録による振動試験の比較実験では、大きな貫通開口を有する既知の閉じたアイを有する標準的なIBCにおいて、薄いアイを有する上底が、上底が上方移動するときに薄いアイが横桁ロッドから持ち上がり、下方移動するときに横桁に衝撃的に当たるので、総じてより高い振動振幅で、これにより、より大きな勢いで横桁に衝突する。これに対して、開いた保持装置は、依然として上底の上側の変向点でも横桁ロッド上に載置して、持ち上がらないことが確認された。これにより、上底の、より高く位置決めされた両方の外側の側方領域または外側部分における鉛直の「脈動」が知覚可能に低減され、格子ケージまたはパレットコンテナ10の、それぞれ反対に位置する両方の長い方の側壁の領域における水平の「脈動」の振動振幅が低減される。ゆえに、動荷重における格子ケージの、互いに反対の側に位置する長い方の側壁の最大の弾性変位の測定により、片側で開いた中実な支持ピン状の保持装置34を用いて、内容器上底26が、接触により拘束された形状接続に基づいて懸架されるとき、横桁32において約20%より小さな格子変位が得られることが判明した。これにより、格子ケージにおける溶接された管接合部の敏感な溶接点にかかる臨界的な交番曲げ応力および不都合な引張り応力のピーク値の大幅な低下が得られる。これは、本発明に係るパレットコンテナのより長い耐用期間および利用性の要因となる。
【0027】
結論:
したがって本発明は、比較的小さな構成手段をもって、使用済みのIBCのより長い再利用による価値向上に関して有益なステップを提供する。
【符号の説明】
【0028】
10 パレットコンテナ
12 プラスチック内容器
14 管格子フレーム
16 底部パレット
18 水平の管棒(12)
20 鉛直の管棒(12)
22 ラベル貼付板
24 下側の取出し管片
26 上底(12)
28 スクリューキャップ(30)
30 上側の充填管片(26)
32 横桁(14)
34 支持ピン状の保持装置(26)
36 中央部分(26,12)
38 外側部分(26,12)
40 移行領域(36-38)
42 自由端部(34)
44 接合領域(34)
46 小さな突起(42)
48 縁隆起部(34)