(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システム
(51)【国際特許分類】
F01N 5/02 20060101AFI20220114BHJP
B63H 21/32 20060101ALI20220114BHJP
H01L 35/30 20060101ALI20220114BHJP
H01L 35/32 20060101ALI20220114BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
F01N5/02 J
B63H21/32 Z
F01N5/02 B
H01L35/30
H01L35/32 A
H02N11/00 A
(21)【出願番号】P 2020052461
(22)【出願日】2020-03-24
(62)【分割の表示】P 2018506168の分割
【原出願日】2015-08-06
【審査請求日】2020-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】514250621
【氏名又は名称】サムスン ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェグァン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンキュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドンキル
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホキ
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195011(JP,A)
【文献】特開2011-148399(JP,A)
【文献】特開2013-193503(JP,A)
【文献】国際公開第2007/026432(WO,A1)
【文献】特開2005-051934(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1310312(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 5/02
B63H 21/32
H01L 35/30~35/32
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの熱を用いて電力を生成し、並列的に連結された複数個の熱電発電部を含む複数個の熱電発電モジュールと、
前記複数個の熱電発電モジュールと直列的に連結される第1トランスフォーマーと、
前記電力を変換し、前記第1トランスフォーマーと並列に連結される第2トランスフォーマーと、を含み、
前記エンジンは、海洋構造物に推力を提供する第1エンジンと、電力を生成し且つ該電力を変換するように連結された第2エンジン
、第3エンジン、及び第4エンジンとを含み、
前記複数個の熱電発電モジュールは、前記第1エンジン
、前記第2エンジン
、前記第3エンジン、及び前記第4エンジンのそれぞれ設置された第1熱電発電モジュール
、第2熱電発電モジュール
、第3熱電発電モジュール、及び第4熱電発電モジュールを含み、
前記第1トランスフォーマーは、前記第1熱電発電モジュール
、前記第2熱電発電モジュール
、及び前記第3熱電発電モジュールに連結され、
前記第2トランスフォーマーは、前記第2熱電発電モジュール
、前記第3熱電発電モジュール、及び前記第4熱電発電モジュールに連結される、
廃熱回収システム。
【請求項2】
前記エンジンから発生される排気ガスが一時的に貯蔵されるガスレシーバーと、
前記ガスレシーバーの内部に設置されるガスレシーバー熱電発電モジュールとをさらに含む、請求項1に記載の廃熱回収システム。
【請求項3】
前記ガスレシーバー熱電発電モジュールは、
冷却水が流れる第1流路部と、
前記排気ガスが流れる第2流路部と、
前記第1流路部と、前記第2流路部との間に配置されて、前記冷却水と排気ガスとの温度差により電力を生産する熱電素子部と、を含み、
前記第1流路部および前記第2流路部は、
前記第1流路部を流れる前記冷却水の流れ方向と、前記第2流路部を流れる排気ガスの流れ方向とが互いに垂直になるように配置されることにより、前記冷却水と排気ガスとが混合されることが防止される、請求項2に記載の廃熱回収システム。
【請求項4】
前記第2エンジンと前記第3エンジンが第1ロードで稼動中に前記第2エンジンまたは前記第3エンジンの稼動が中止する場合、前記第4エンジンを稼動させて前記第4エンジンおよび前記第4熱電発電モジュールで電力を生産する、請求項1に記載の廃熱回収システム。
【請求項5】
前記第2エンジン、前記第3エンジンと前記第4エンジンが第2ロードで稼動中に前記第2エンジン、前記第3エンジンまたは前記第4エンジンのうちいずれか一つの稼動が中止する場合、前記第2エンジン、前記第3エンジンまたは前記第4エンジンのうち稼動中のエンジンが第3ロードで稼動する、請求項4に記載の廃熱回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に熱エネルギーから電気エネルギーを生産する発電システムでは、熱エネルギーをピストンやタービンを動かす力学的エネルギーに変換した後、これを利用して電気エネルギーを生産する方式を使用してきた。このような方式によると、複雑な機械的手段が発電機内に構成されなければならないため、製造単価が高く運搬が難しい。そこで、熱エネルギーを電気エネルギーに変化させる熱電発電技術が考案された。
【0003】
熱電発電技術に用いられる熱電素子は、熱と電気の相互作用を示す各種効果を利用した素子の総称であって、熱電効果はゼーベック(seeback)効果とペルティエ(peltier)効果に大別され得る。
【0004】
ゼーベック効果は、二つの金属または半導体間に温度差が発生すると、二つの金属または半導体を連結する閉回路に電流が流れるようになる熱電現象を示し、ペルティエ効果はこれとは反対に、二つの金属または半導体に電流を流すと、電流方向によって一方の端子は吸熱し、他側の端子は発熱する現象である。
【0005】
このような熱電発電技術を適用して、二つの構成要素間の温度差または廃熱などのような熱エネルギーから電気エネルギーを効果的に生成する多様な装置またはシステムに対する研究が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、構成要素間の温度差または廃熱を利用して電気エネルギーを生産し、これを通じてエネルギーを効率的に利用できる熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システムを提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、流体が流れる第1配管、前記流体の熱を放熱させるように、前記流体よりも低い温度の冷却媒体が流れる第2配管、前記流体の熱を放熱させるように、前記流体よりも低い温度の空気と接触する一側と前記第2配管と接触する他側とを有する複数の第1放熱フィンおよび前記第1配管と前記第2配管の間に位置して前記第1配管および前記第2配管の間の温度差を通じて発電可能な熱電発電モジュールを含む、熱電発電装置を提供することができる。
【0008】
前記第2配管は、前記冷却媒体が流れる方向に沿って前記第2配管を区画する一つ以上の熱伝導板をさらに含む、熱電発電装置を提供することができる。
【0009】
前記熱伝導板と接触し、前記第1放熱フィンの突出方向と同一に突出した第2放熱フィンをさらに含む、熱電発電装置を提供することができる。
【0010】
前記第2配管は、単層構造および複層構造のうち一つを有する、熱電発電装置を提供することができる。
【0011】
前記複層構造を有する前記第2配管は、前記熱電発電モジュールと接触する第1層部と、前記第1層部と前記第1放熱フィンの間に位置する第2層部と、を含み、前記第1層部から流出した前記冷却媒体は前記第2層部に流入する、熱電発電装置を提供することができる。
【0012】
前記熱電発電モジュールは、複数の熱電発電部を含み、前記熱電発電部のうち隣接する二つの熱電発電部は、直列または並列に連結され得る、熱電発電装置を提供することができる。
【0013】
前記第1配管は前記熱電発電部に対応する複数の第1単位配管を含み、前記第2配管は前記熱電発電部に対応する複数の第2単位配管を含み、前記第1単位配管は互いに連結されており、前記第2単位配管は互いに連結されている、熱電発電装置を提供することができる。
【0014】
第1配管を流れる流体よりも低い温度の冷却媒体が流れる第2配管の側壁に連結された第1放熱フィン、前記冷却媒体が流れる方向に沿って前記第2配管を区画する一つ以上の熱伝導板に連結された第2放熱フィンおよび前記冷却媒体と前記流体との温度差を通じて発電する熱電発電モジュールを含む、熱電発電装置を提供することができる。
【0015】
前記第2配管に前記冷却媒体が流れない時、前記第1放熱フィンおよび前記第2放熱フィンは前記流体の熱を空気中に放出し、前記熱電発電モジュールは前記空気と前記流体との間の温度差を通じて発電する、熱電発電装置を提供することができる。
【0016】
燃料が貯蔵される貯蔵部、前記貯蔵部から燃料の供給を受けて回転力を提供するエンジン、前記エンジンで発生した熱を利用して電力を生成する熱電発電モジュールおよび前記貯蔵部に設置され、前記熱電発電モジュールの電力の供給を受けて前記燃料の温度を増加させる発熱部を含む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0017】
前記貯蔵部は、外部から燃料が供給されて貯蔵される第1貯蔵タンクおよび前記第1貯蔵タンクと前記エンジンとの間に備えられる第2貯蔵タンクを含む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0018】
前記貯蔵部は、前記第1貯蔵タンクから前記第2貯蔵タンクに前記燃料を移送する連結管をさらに含み、前記発熱部は前記連結管を外側から包み込む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0019】
前記熱電発電モジュールは、流体が流れる第1流路部、前記エンジンから排出された排気ガスが流れる第2流路部、前記第1流路部と前記第2流路部の間に備えられ、前記流体と前記排気ガスとの温度差によって電力を生産する熱電素子部を含む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0020】
前記熱電発電モジュールに連結され、前記第1流路部を経由した流体が供給されるスチーム発生部をさらに含む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0021】
前記発熱部は、前記貯蔵部の下部に設置され、前記貯蔵部を包み込む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0022】
前記発熱部は、第1シート、前記第1シート上に積層され、互いに離隔して配置された複数個の発熱体、前記第1シート上に積層され、前記複数個の発熱体と交差して連結される第1金属膜、前記第1シート上に積層され、前記第1金属膜と電気的に連結される第2金属膜および前記第1シート上に積層され、前記複数個の発熱体、第1金属膜、第2金属膜を覆う第2シートを含む、燃料貯蔵タンクの発熱装置を提供することができる。
【0023】
エンジンの熱を利用して電力を生成し、並列的に連結された複数個の熱電発電部を含む複数個の熱電発電モジュールおよび前記複数個の熱電発電モジュールと並列的に連結される第1トランスフォーマーを含む、廃熱回収システムを提供することができる。
【0024】
前記エンジンは、海上構造物の推力を提供する第1エンジンおよび電力を生産し、前記電力を変換する第2トランスフォーマーと連結された第2エンジンを含み、前記第1トランスフォーマーと前記第2トランスフォーマーは並列的に連結される、廃熱回収システムを提供することができる。
【0025】
前記エンジンは、電力を生産し、互いに並列的に連結される第3エンジンおよび第4エンジンを含み、前記複数個の熱電発電モジュールは前記第3エンジンと前記第4エンジンのそれぞれに設置された第3熱電発電モジュールと第4熱電発電モジュールとを含み、前記第2エンジンと前記第3エンジンが第1ロードで稼動中に前記第2エンジンまたは前記第3エンジンの稼動が中止する場合、前記第4エンジンを稼動させて前記第4エンジンおよび前記第4熱電発電モジュールで電力を生産する、廃熱回収システムを提供することができる。
【0026】
前記第2エンジン、前記第3エンジンと前記第4エンジンが第2ロードで稼動中に前記第2エンジン、前記第3エンジンまたは前記第4エンジンのうちいずれか一つの稼動が中止する場合、前記第2エンジン、前記第3エンジンまたは前記第4エンジンのうち稼動中のエンジンが前記第3ロードで稼動する、廃熱回収システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例に係る熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システムは、構成要素間の温度差によって電気エネルギーを、容易かつ効果的に生産するため、エネルギー効率が向上する効果を有する。
【0028】
本発明の実施例に係る熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システムは、構成要素間の温度差または廃熱を利用して電気エネルギーを生産するため、効率的な設備運用が可能となる効果を有する。
【0029】
本発明の実施例に係る熱電発電装置と燃料貯蔵タンクの発熱装置および廃熱回収システムは、熱電発電技術を利用して各種設備に安定して電力を供給する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係る熱電発電装置を示す斜視図。
【
図2】熱電素子の一例と本発明の一実施例に係る熱電発電装置の熱電発電部を示す斜視図。
【
図3】熱電素子の一例と本発明の一実施例に係る熱電発電装置の熱電発電部を示す斜視図。
【
図4】本発明の一実施例に係る熱電発電装置の第2配管を示す斜視図。
【
図5】本発明の一実施例に係る熱電発電装置の正面図および側面図。
【
図6】本発明の一実施例に係る熱電発電装置の正面図および側面図。
【
図7】本発明の一実施例に係る熱電発電装置の複層構造を有する第2配管を示す斜視図。
【
図8】本発明の他の実施例に係る熱電発電装置を示す斜視図。
【
図9】本発明の他の実施例に係る熱電発電装置の比較例を示す斜視図。
【
図10】本発明の一実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置を概略的に示す図面。
【
図11】
図10の熱電発電モジュールをより具体的に示す斜視図。
【
図12】
図10の燃料貯蔵タンクの発熱装置が作動する過程を示す図面。
【
図13】本発明の他の実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置の発熱部を示す図面。
【
図15】本発明の一実施例に係る廃熱回収システムを示す概略図。
【
図16】
図15に図示された第1エンジンに設置される熱電発電部をより詳しく示す概略図。
【
図17】
図15に図示されたガスレシーバーに設置される熱電発電部をより詳しく示す斜視図。
【
図18】必要電力量とエンジンの稼動中止によってエンジンを運営するアルゴリズム。
【
図19】本発明の第1実施例に係る排出管背圧減少装置の構成および動作を示す図面。
【
図20】本発明の第2実施例に係る排出管背圧減少装置の構成および動作を示す図面。
【
図21】本発明の第3実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを本管に流動させる様子を示す図面。
【
図22】本発明の第3実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを分枝管に流動させてスクラバー部を通過させる様子を示す図面。
【
図23】本発明の第4実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを分枝管に流動させてスクラバー部を通過させる場合、電気エネルギーの供給様態を示す図面。
【
図24】本発明の第5実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを分枝管に流動させてスクラバー部を通過させる時、熱電発電モジュールおよび電力供給部に電気エネルギーを同時に供給する形態の様態を示す図面。
【
図26】本発明の第1実施例による外気流入部製氷装置の各構成および動作を示す図面。
【
図27】本発明の第2実施例による外気流入部製氷装置において、エンジンの回転数が基準値以下の場合の動作を示す図面。
【
図28】本発明の第2実施例による外気流入部製氷装置において、エンジンの回転数が基準値より大きい場合の動作を示す図面。
【
図29】本発明の第3実施例による外気流入部製氷装置の各構成および動作を示す図面。
【
図30】本発明の一実施例による船底抵抗減少装置を示す図面。
【
図31】本発明の一実施例による船底抵抗減少装置の熱電発電部を詳しく示す図面。
【
図32】本発明の一実施例による船底抵抗減少装置の熱電発電部を詳しく示す図面。
【
図33】本発明の一実施例による船底抵抗減少装置の熱電発電部を詳しく示す図面。
【
図34】本発明の他の実施例による船底抵抗減少装置を示す図面。
【
図35】本発明の他の実施例による船底抵抗減少装置の冷却水熱電発電部を示す図面。
【
図36】本発明の一実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステムを示す図面。
【
図37】
図36に図示された海上構造物のターボチャージャーシステムが作動する方法を示す図面。
【
図38】本発明の他の実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステムを示す図面。
【
図39】
図38に図示された海上構造物のターボチャージャーシステムが作動する方法を示す図面。
【
図40】船舶のエンジンおよび排気ガス排出経路を示した図面。
【
図41】本発明の第1実施例による推力補助装置の各構成および動作を示した図面。
【
図42】本発明の第2実施例による推力補助装置において、モーターの回転数が基準値以上の場合の動作を示した図面。
【
図43】本発明の第2実施例による推力補助装置において、モーターの回転数が基準値以上の場合、さらに他の形態の動作を示した図面。
【
図44】本発明の第3実施例による推力補助装置の各構成および動作を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。ただし、添付された図面は、本発明の内容をより容易に開示するために説明されるものに過ぎず、本発明の範囲が添付された図面の範囲に限定されないことは、この技術分野の通常の知識を有する者であれば容易に理解されるはずである。
【0032】
本出願で用いられた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0033】
図1は本発明の一実施例に係る熱電発電装置を示す斜視図である。
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る熱電発電装置は、第1配管1100、第2配管1110、第1放熱フィン1120および熱電発電モジュール1130を含む。
【0034】
第1配管1100は流体が流れることができ、第2配管1110は流体の熱を放熱させるように流体よりも低い温度の冷却媒体が流れることができる。
【0035】
複数の第1放熱フィン1120の一側は、流体の熱を放熱させるように流体よりも低い温度の空気と接触し、複数の第1放熱フィン1120の他側は第2配管1110と接触することができる。
【0036】
熱電発電モジュール1130は第1配管1100と第2配管1110との間に位置し、第1配管1100および第2配管1110の間の温度差を通じて発電することができる。
【0037】
すなわち、本発明の一実施例に係る熱電発電装置は、冷却媒体および空気のうち少なくとも一つと流体との間の温度差を通じて発電することができる。
【0038】
また、本発明の一実施例に係る熱電発電装置に含まれる熱電発電モジュール1130は複数の熱電発電部1135を含み、熱電発電部1135のうち隣接する二つの熱電発電部1135は直列または並列に連結され得る。
【0039】
図1に図示された熱伝導板1140および第2放熱フィン1150については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0040】
図2および
図3は熱電素子の一例と本発明の一実施例に係る熱電発電装置の熱電発電部を示す斜視図である。
図2に図示された通り、熱電素子1136は、N型素子とP型素子からなる半導体であって、温度車のある第1媒体と第2媒体の熱が熱電素子1136の一側面および他側面と接触する時、熱電素子1136はゼーベック効果を通じて電力を生産することができる。
【0041】
図3に図示された通り、熱電発電部1135は複数の熱電素子1136で構成され、複数の熱電素子1136は互いに直列に連結されるか並列に連結され得る。
【0042】
したがって、本発明の一実施例に係る熱電発電装置は、熱電発電モジュール1130に含まれる複数の熱電発電部1135が直列または並列に連結されて生産される電力の量を調節することができる。
【0043】
図4は、本発明の一実施例に係る熱電発電装置の第2配管を示す斜視図である。
図4に図示された通り、本発明の一実施例に係る熱電発電装置は一つ以上の熱伝導板1140および複数の第2放熱フィン1150をさらに含むことができる。
【0044】
この時、
図6に図示された通り、熱伝導板1140は、冷却媒体が流れる方向に沿って第2配管1110を区画させることができ、第2放熱フィン1150は熱伝導板1140と接触し、第1放熱フィン1120の突出方向と同一に突出され得る。
【0045】
第2放熱フィン1150と熱伝導板1140を通じて空気の熱が第2配管1110に伝えられ、第2配管1110を通じて空気の熱が熱電発電モジュール1130に伝えられ得る。
【0046】
すなわち、第2配管1110と接触する熱電発電モジュール1130の一側の温度は、冷却媒体および空気のうち少なくとも一つによって決定され得る。例えば、冷却媒体が流れない場合、熱電発電モジュール1130の一側の温度は空気によって決定され得る。
【0047】
また、冷却媒体が流れる場合、空気と冷却媒体がすべて熱の伝達に関与するため、熱電発電モジュール1130の一側の温度は、冷却媒体と空気によって決定され得る。第1配管1100と接触する熱電発電モジュール1130の他側の温度は流体によって決定され得る。
【0048】
図5および
図6は、本発明の一実施例に係る熱電発電装置を示す正面図および側面図である。
図5および
図6に図示された通り、第1放熱フィン1120は、第1配管1100を流れる流体よりも低い温度の冷却媒体が流れる第2配管の側壁1160に連結され得、第2放熱フィン1150は冷却媒体が流れる方向に沿って第2配管1110を区画する一つ以上の熱伝導板1140に連結され得る。
【0049】
この時、熱電発電モジュール1130は冷却媒体と流体の温度差を通じて発電することができる。
【0050】
一方、冷却媒体がシステムエラーによって流れない場合、第1放熱フィン1120および第2放熱フィン1150は、流体の熱を空気中に放出することができる。
【0051】
すなわち、流体の熱は、第2配管の側壁1160を通じて第1放熱フィン1120に伝えられ、また、熱伝導板1140によって第2放熱フィン1150に伝えられて、空気中に放出され得る。
【0052】
したがって、本発明の一実施例に係る熱電発電装置は、第1放熱フィン1120と第2放熱フィン1150がそれぞれ第2配管の側面1160と熱伝導板1140に連結されているので、システムエラーなどによって冷却媒体が流れなくても熱電発電モジュール1130は、空気と流体の間の温度差を通じて発電しつつ、第1配管1100に流れる流体の熱を空気中に放出することができる。
【0053】
本発明の一実施例に係る熱電発電装置の第2配管1110は、単層構造および複層構造のうち一つを有し得る。
【0054】
図7は、本発明の一実施例に係る熱電発電装置の複層構造を有する第2配管を示す斜視図である。
図7に図示された通り、複層構造を有する第2配管1110は、熱電発電モジュール1130と接触する第1層部1200と、第1層部1200と第1放熱フィン1120の間に位置する第2層部1210を含むことができる。
【0055】
複層構造を有する第2配管1110を流れる冷却媒体は、第1層部1200から流出して第2層部1210に流入するか、第2層部1210から流出して第1層部1200に流入することができる。
【0056】
すなわち、複層構造を有する第2配管1110を流れる冷却媒体の量が単層構造を有する第2配管1110を流れる冷却媒体の量よりも多いので、複層構造を有する第2配管1110を含む熱電発電装置がより多くの電力を生産することができる。
【0057】
図8は、本発明の他の実施例に係る熱電発電装置を示している。
図8に図示された通り、第1配管1100は熱電発電部1135に対応する複数の第1単位配管1300を含むことができ、第2配管1110は熱電発電部1135に対応する複数の第2単位配管1310を含むことができる。
【0058】
この時、第1単位配管1300は互いに連結されており、第2単位配管1310も互いに連結されている。第1単位配管1300の連結は、溶接やボルト締結などの多様な方法によって行われ得る。第2単位配管1310の連結も溶接やボルト締結などの多様な方法によって行われ得る。
【0059】
したがって、流体は一つの第1単位配管1300から流出して隣接する他の一つの第1単位配管1300に流入することができ、冷却媒体は一つの第2単位配管1310から流出して隣接する他の一つの第2単位配管1310に流入することができる。
【0060】
本発明の他の実施例に係る熱電発電装置は、熱電発電部1135が第1単位配管1300および第2単位配管1310の間の温度差を通じて発電することができ、隣接する熱電発電部1135は直列または並列に連結され得る。
【0061】
一方、熱電発電部1135は温度勾配に影響され得る。温度勾配は、冷却媒体または流体が引き入れられる地点と引き出される地点との温度差であって、温度勾配が小さいほど熱電発電部1135から生産される電気の品質が良好となり得る。
【0062】
図8に図示された本発明の他の実施例に係る熱電発電装置および
図9に図示された熱電発電装置の比較例を見ると、
図8に図示された、t1およびt2の間の温度勾配は
図9に図示されたT1およびT2の間の温度勾配に比べて小さくてもよい。
【0063】
すなわち、第1単位配管1300または第2単位配管1310のそれぞれの引き入れ地点および引き出し地点の間の温度勾配は、一つのボディーを有するホットサイド(hot side)配管1100’およびクールサイド(cool side)配管1110’のそれぞれの引き入れ地点および引き出し地点の間の温度勾配に比べて小さくてもよい。
【0064】
したがって、第1単位配管1300および第2単位配管1310の間の温度差を通じて発電する複数の熱電発電部1135は、ホットサイド配管1100’およびクールサイド配管1110’の温度差を通じて発電する熱電発電部1135’に比べて品質が良好な電気を生産することができる。
【0065】
複数の熱電発電部1135が直列または並列に連結されると良好な品質の電気を生産することができ、直列または並列に連結される方式によって生産される電力の量を調節することができるため、必要な電力の量だけ生産することができる。
【0066】
本発明の実施例に係る熱電発電装置は、熱電発電装置に含まれる第1単位配管1300、第2単位配管1310および熱電発電部1135の数量によって熱電発電装置の長さを調節することができるため、環境に合わせて設置することができる。例えば、設置空間の大きさに応じて、設置される第1単位配管1300と第2単位配管1310および熱電発電部1135の個数が変更され得る。
【0067】
図10は本発明の一実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置を概略的に示す図面であり、
図11は
図10の熱電発電モジュールをより具体的に示す斜視図である。
図10および
図11を参照すると、本発明の一実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置2100は、貯蔵部2110、エンジン2200、熱電発電モジュール2310、2320、2330および発熱部2400を含むことができる。
【0068】
貯蔵部2110は、燃料が貯蔵される空間を提供することができる。前記燃料はバンカーC重油であり得る。ただし、前記燃料はバンカーC重油に限定されず、石油のうち高い粘度を有する石油であり得る。そして、前記貯蔵部2110は、第1貯蔵タンク2111および第2貯蔵タンク2112を含むことができる。
【0069】
前記第1貯蔵タンク2111には外部から前記燃料が供給されて貯蔵され得る。前記貯蔵部2110は、前記第1貯蔵タンク2111から前記第2貯蔵タンク2112に前記燃料を移送する連結管2113をさらに含むことができる。これにより、前記第2貯蔵タンク2112は前記第1貯蔵タンク2111と連結され、前記第1貯蔵タンク2111に貯蔵された燃料の供給を受けることができる。
【0070】
前記第2貯蔵タンク2112は前記第1貯蔵タンク2111より小さな大きさを有し、このため、前記第1貯蔵タンク2111より前記燃料の温度の制御が容易であり得る。
【0071】
エンジン2200は、前記貯蔵部2110から燃料の供給を受けて回転力を提供することができる。前記エンジン2200は、第1エンジン2210および第2エンジン2220を含むことができる。前記第1エンジン2210は、前記回転力船舶などの海上構造物の推力を提供し、前記第2エンジン2220は海上構造物に必要な電力を提供することができる。前記第1エンジン2210と前記第2貯蔵タンク2112の間には、第1供給管2121が設置され得る。前記第2貯蔵タンク2112に貯蔵された燃料は、前記第1供給管2121を経由して前記第1エンジン2210に供給され得る。そして、前記第1供給管2121から分枝して前記第2エンジン2220に連結される第2供給管2122が設置され得る。ただし、前記第2供給管2122は、図示とは異なり、前記第1供給管2121から分枝せず、前記第2貯蔵タンク2112と前記第2エンジン2220の間に直接連結され得る。
【0072】
熱電発電モジュール2310、2320、2330は、前記エンジン2200で発生した熱を利用して電力を生成することができる。前記熱電発電モジュール2310、2320、2330は、前記エンジン2200自体で発生した熱だけでなく、前記エンジン2200の駆動によって発生した排気ガスの熱を利用することができる。前記熱電発電モジュール2310、2320、2330は、前記エンジン2200または前記エンジン2200から排出された排気ガスが移動する経路に設置され得る。そして、前記熱電発電モジュール2310、2320、2330は、第1熱電発電モジュール2310、第2熱電発電モジュール2320および第3熱電発電モジュール2330を含むことができる。
【0073】
前記第1熱電発電モジュール2210は前記第1エンジン2210に設置され、第1高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および第1半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第1高温部は前記エンジン2200で発生した熱と接触し、前記第1低温部は前記エンジン2200に供給される冷却水と接触し、前記第1半導体素子部(図示せず)は前記第1高温部と前記第1低温部との間に備えられて電力を生産することができる。前記第1半導体素子部は、一般的に熱を利用して電力を生産する熱電素子であり得る。そして、前記第1熱電発電モジュール2210は、前記エンジン2200と前記冷却水の温度差により電力を生産することができる。ただし、第1熱電発電モジュール2210はこれに限定されず、前記エンジン2200の熱を利用して電力が生産できるように多様に構成され得る。
【0074】
前記第2熱電発電モジュール2220は前記第2エンジン2220に設置され、第2高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および第2半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第2熱電発電モジュール2220は、前記第1熱電発電モジュール2210と類似しているため、詳しい説明を省略する。
【0075】
一方、前記第1エンジン2210で発生した排気ガスは第1排気管2211に沿って移送される。そして、前記第2エンジン2220で発生した排気ガスは第2排気管2221に沿って移送され、前記第2排気管2221は前記第1排気管2212と連結され得る。また、前記第1排気管2211と連通するガスレシーバー2230が設置され得る。
【0076】
前記ガスレシーバー2230は、前記第1排気管2211または前記第2排気管2221に沿って移送される排気ガスを一時的に貯蔵することができ、前記第1排気管2211または前記第2排気管2221に沿って移送される排気ガスの圧力が増加してから減少して発生する振動を低減させることができる。
【0077】
そして、前記第3熱電発電モジュール2330は前記ガスレシーバー2230に設置され得、第3高温部(図示せず)、第3低温部(図示せず)および熱電素子部2333を含むことができる。前記熱電素子部2333は前記第3高温部と前記第3低温部との間に備えられる。
【0078】
また、前記第3熱電発電モジュール2330は、前記第3熱電発電モジュール2330に流体を供給する流体供給部2260をさらに含むことができる。前記流体は、海水(Sea Water)または海水から変換された真水(Fresh Water)であり得る。また、前記流体は、前記エンジン2200を冷却させる冷却水であり得る。
【0079】
前記第3高温部は前記ガスレシーバー2230に沿って流れる排気ガスの熱と接触し、前記第3低温部は前記流体と接触し得る。このため、前記熱電素子部2333は前記第2高温部と前記第3低温部との間に備えられて電力を生産することができる。すなわち、前記第3熱電発電モジュール2330は、前記排気ガスと前記流体の温度差により電力を生産することができる。
【0080】
図11を参照して前記第3熱電発電モジュール2330を詳察すると、次の通りである。前記第3熱電発電モジュール2330は、第1流路部2331、第2流路部2332および熱電素子部2333を含むことができる。
【0081】
前記第1流路部2331は前記流体が流れることができる。前記第1流路部2331は前記流体供給部2260から前記流体の供給を受けることができる。そして、前記第1流路部2331は、前記流体供給部2260から供給された前記流体が流体供給ライン2261を経由して前記第1流路部2331に供給され得る。また、前記第1流路部2331は前記流体供給ライン2261と連通され得る。
【0082】
前記第2流路部2332は前記エンジン2200から排出された排気ガスが流れることができる。前記第2流路部2332は、第1排気管2211または第2排気管2221と連通され得る。前記第1流路部2331と前記第2流路部2332は、前記ガスレシーバー2230内に交互に配置され得る。
【0083】
一方、前記第1流路部2331を流れる流体(L)の流れ方向は、前記第2流路部2332を流れる排気ガス(G)の流れ方向と実質的に垂直な方向であり得る。そして、前記第1流路部2331は前記排気ガスが流れる経路において閉塞していてもよい。すなわち、前記第1流路部2331は、前記排気ガスの流入を遮断することができる。同様に、前記第2流路部2332は前記流体が流れる経路において閉塞していてもよい。すなわち、前記第2流路部2332は前記流体の流入を遮断することができる。
【0084】
前記熱電素子部2333は前記第1流路部2331と前記第2流路部2332との間に備えられ、前記流体と前記排気ガスとの温度差によって電力を生産することができる。
【0085】
一方、本実施例に係る燃料貯蔵タンク2100はスチーム発生部2270をさらに含むことができる。前記スチーム発生部2270は前記熱電発電モジュール2230に連結され、前記第1流路部2331を経由した流体が供給され得る。前記スチーム発生部2270は前記第1流路部2331を経由した流体の供給を受けてスチームを生産することによって、前記スチームの生産に必要なエネルギーを節減することができる。
【0086】
発熱部2400は前記貯蔵部2110に設置され、前記熱電発電モジュール2310、2320、2330の電力の供給を受けて前記燃料の温度を増加させることができる。前記第1熱電発電モジュール2310で生産された電力は前記第1導線2312に沿って発熱部2400に供給され、前記第2熱電発電モジュール2320で生産された電力は前記第2導線2322に沿って発熱部2400に供給され、前記第3熱電発電モジュール2330で生産された電力は前記第3導線2332に沿って発熱部2400に供給され得る。また、前記発熱部2400は前記第1熱電発電モジュール2310、前記第2熱電発電モジュール2320および前記第3熱電発電モジュール2330と並列的に連結されているが、図示とは異なり、直列的に連結されてもよい。
【0087】
前記発熱部2400は熱線2410を含むことができる。前記熱線2410は前記熱電発電モジュール2310、320、330から供給された電力によって熱を発散することができる。
【0088】
このように、本実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置2100は、前記エンジン2200の駆動によって発生した熱を利用して電力を生産し、生産した電力を利用して前記貯蔵部2110の燃料を加熱することによって、前記エンジン2200に供給される燃料の流動性を増加させることができる。
【0089】
また、前記エンジン2200の廃熱を利用して電力を生産することによって、前記発熱部2400を稼動させるためのエネルギーを節減することができる。
【0090】
そして、本実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置2100が海上構造物に適用される場合、既存のスチームを利用した構成が不要となるため、海上構造物自体の重さを減らし、かつ海上構造物内の空間の活用を高めることができる。
【0091】
図12は、
図10の燃料貯蔵タンクの発熱装置が作動する過程を示す図面である。
【0092】
まず、第1熱電発電モジュール2310は第1エンジン2210の熱を利用して電力を生産する。前記第1熱電発電モジュール2310の電力は第1導線2312に沿って発熱部2400に供給される。-(1)
【0093】
そして、第2熱電発電モジュール2320は第2エンジン2220の熱を利用して電力を生産する。前記第2熱電発電モジュール2320の電力は第2導線2322に沿って発熱部2400に供給される。-(2)
【0094】
前記第1エンジン2210の排気ガスは第1排気管2211に沿ってガスレシーバー2230に供給される。一方、前記ガスレシーバー2230に貯蔵された排気ガスは熱電発電に利用された後、外部に排出される。-(3)
【0095】
前記第2エンジン2220の排気ガスは第2排気管2221に沿ってガスレシーバー2230に供給される。-(4)
【0096】
前記ガスレシーバー2230に供給された排気ガスは第3熱電発電モジュール2330の電力生産に利用される。すなわち、前記第3熱電発電モジュール2330は、流体供給部2260から流体の供給を受けて前記排気ガスと前記流体の温度差によって電力を生産することができる。
【0097】
前記第3熱電発電モジュール2330の電力は第3導線2332に沿って前記発熱部2400に供給される。-(5)
【0098】
このように、本実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置2100は、前記エンジン2200により駆動された熱を利用して電力を生産し、このような電力を利用して発熱部2400を作動させるため、発熱部2400に使用されるエネルギーを節減することができる。
【0099】
一方、前記発熱部2400は第1貯蔵タンク2111に貯蔵された燃料の温度を増加させる。そして、第1貯蔵タンク2111に貯蔵された燃料は、連結管2113に沿って第2貯蔵タンク2112に移送される。-(6)
【0100】
そして、前記第2貯蔵タンク2112に貯蔵された燃料は前記発熱部2400により予熱される。特に、前記燃料がバンカーC重油である場合、前記バンカーC重油が前記エンジン2200まで移送されるために、第2貯蔵タンク2112で前記バンカーC重油の温度が概略45~50度となるように、前記発熱部2400が作動する。ただし、このような温度に限定されず、前記バンカーC重油が流動性が確保できる温度であり得る。
【0101】
前記第2貯蔵タンク2112で予熱された燃料は、第1供給管2121に沿って第1エンジン2210に供給される。-(7)
【0102】
また、前記第2貯蔵タンク2112の燃料は、第2供給管2122に沿って第2エンジン2220に供給される。-(8)
【0103】
このように、本実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置2100は、前記エンジン2200の廃熱を電力に活用して燃料を予熱するため、既存のスチームを利用するための構成が不要となる利点がある。
【0104】
また、前記エンジン2200の廃熱を利用して電力を生産するため、電力自体を生産するためのエネルギーを節減することができる。
【0105】
一方、前記第3熱電発電モジュール2330を経由した流体は、スチーム供給ライン2271を経由してスチーム発生部2270に供給され得る。このため、スチーム発生部2270で必要なエネルギーを節減することができる。-(9)
【0106】
図13は、本発明の他の実施例に係る燃料貯蔵タンクの発熱装置の発熱部を示す図面である。本実施例に適用される構成要素は、前述した実施例の構成要素と類似しているため、発熱部を中心に説明する。
【0107】
発熱部2401は、第1貯蔵タンク2111または第2貯蔵タンク2112の下部に設置され得る。前記発熱部2401は、前記第1貯蔵タンク2111の下部または前記第2貯蔵タンク2112の下部を包み込むことができる。前記発熱部2401は前述した実施例とは異なり、板状に形成され得る。このため、前記発熱部2401は、既存に設置された燃料貯蔵タンクを取り替えるかまたは構造を変更することなく、追加して設置しやすい利点がある。
【0108】
また、前記発熱部2401は前記連結管2113を外側から包み込むことができる。このため、前記燃料が前記第1貯蔵タンク2111から前記第2貯蔵タンク2112に移送される過程において、再び粘性が高くなることを防止することができる。
【0109】
図14は、
図13の発熱部をより具体的に示す分解斜視図である。
図14を参照すると、前記発熱部2401は、第1シート2421、複数個の発熱体2422、第1金属膜2423、第2金属膜2424および第2シート2425を含むことができる。
【0110】
前記第1シート2421は、樹脂で構成され得る。前記第1シート2421は合成樹脂または天然樹脂で構成され得る。また、前記第1シート2421は、樹脂のうち熱伝導性が優れている樹脂であり得る。
【0111】
そして、前記複数個の発熱体2422は、前記第1シート2421上に積層され得る。前記複数個の発熱体2422は互いに離隔して配置され得る。前記発熱体2422は前述した実施例とは異なり、カーボン(Carbon)で構成され得る。前記複数個の発熱体2422は前記第1シート2421に接着され、カーボンからなるペーストを利用して接着され得る。
【0112】
前記第1金属膜2423は前記第1シート2421上に積層され、前記複数個の発熱体と交差して連結され得る。前記第1金属膜2423は、前記複数個の発熱体2422の両終端で交差され得る。前記第1金属膜2423の長さは、前記複数個の発熱体2422の幅と前記複数個の発熱体2422の間に離隔した距離の合計と対応し得る。前記第1金属膜2423の材質はシルバー(Silver)であり得る。また、前記第1金属膜2423は、シルバー材質の薄膜で形成されて前記第1シート2421に付着するか、シルバーからなるペーストで前記第1シート2421上に接着され得る。ただし、前記第1金属膜2423の材質はシルバーに限定されず、金属のうち熱伝導性が良好な導電性金属であり得る。
【0113】
前記第2金属膜2424は前記第1金属膜2423と接触し、前記発熱体2422と離隔する。前記第2金属膜2424は前記第1金属膜2423上に積層され得る。そして、前記第2金属膜2424は前記第1金属膜2423の長さに対応することができ、前記第2金属膜2424の幅は前記第1金属膜2423の幅より小さくてもよい。前記第2金属膜2424の材質は銅であり得る。ただし、第2金属膜2424の材質は銅に限定されず、電気伝導性が良好な金属であり得る。前記第2金属膜2424は、前記熱電発電モジュール2310、2320、2330から供給された電力を前記第1金属膜2423を通じて前記発熱体2422に伝達することができる。
【0114】
前記第2シート2425は前記第1シート2421上に積層され、前記複数個の発熱体2422、前記第1金属膜2423、前記第2金属膜2424を覆うことができる。すなわち、前記第2シート2425は、前記第1シート2421と共に前記複数個の発熱体2422、前記第1金属膜2423および前記第2金属膜2424を外部から保護することができる。
【0115】
図15は本発明の一実施例に係る廃熱回収システムを示す概略図であり、
図16は
図15に図示された第1エンジンに設置される熱電発電部をより詳しく示す概略図である。
図15および
図16を参照すると、本発明の一実施例に係る廃熱回収システムは、エンジン3100の熱を利用して電力を生成する複数個の熱電発電モジュール3200;および前記複数個の熱電発電モジュール3200と並列的に連結される第1トランスフォーマー3310を含むことができる。ここで、前記エンジン3100は、第1エンジン3110、第2エンジン3120および第3エンジン3130を含むことができる。前記第1エンジン3110は船舶などの海上構造物に推力を提供し、前記第2エンジン3120および前記第3エンジン3130は海上構造物に必要な電力を提供することができる。また、前記第3エンジン3130は前記第2エンジン3120が停止する場合に作動し得る。
【0116】
複数個の熱電発電モジュール3200は、前記エンジン3100で発生した熱を利用して電力を生成することができる。前記複数個の熱電発電モジュール3200は、前記エンジン3100自体で発生した熱だけでなく、前記エンジン3100の駆動によって発生した排気ガスの熱を利用することができる。前記複数個の熱電発電モジュール3200は、前記エンジン3100または前記エンジン3100から排出された排気ガスが移動する経路に設置され得る。そして、前記熱電発電モジュール3200は、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第3熱電発電モジュール3230および第4熱電発電モジュール3240を含むことができる。
【0117】
前記第1熱電発電モジュール3210は前記第1エンジン3110に設置され、第1高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および第1半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第1高温部は前記第1エンジン3110で発生した熱と接触し、前記第1低温部は前記第1エンジン3110に供給される冷却水と接触し、前記第1半導体素子部(図示せず)は前記第1高温部と前記第1低温部との間に備えられて電力を生産することができる。前記第1半導体素子部は一般的に熱を利用して電力を生産する熱電素子であり得る。そして、前記第1熱電発電モジュール3210は前記第1エンジン3110と前記冷却水の温度差により電力を生産することができる。ただし、第1熱電発電モジュール3210はこれに限定されず、前記第1エンジン3110の熱を利用して電力が生産できるように多様に構成され得る。
【0118】
前記第2熱電発電モジュール3220は前記第2エンジン3120に設置され、第2高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および第2半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第2熱電発電モジュール3220は前記第1熱電発電モジュール3210と類似しているため、詳しい説明を省略する。そして、前記第3熱電発電モジュール3230は前記第3エンジン3130に設置され、前記第2熱電発電モジュール3220と同一であるため、詳しい説明を省略する。
【0119】
一方、前記第1エンジン3110で発生した排気ガスは第1排気管3111に沿って移送される。そして、前記第2エンジン3120で発生した排気ガスは第2排気管3121に沿って移送され、前記第2排気管3121は前記第1排気管3111と連結され得る。そして、前記第3エンジン3130で発生した排気ガスは第3排気管3131に沿って移送され、前記第3排気管3131は前記第1排気管3111と連結され得る。また、前記第1排気管3111と連通するガスレシーバー3150が設置され得る。
【0120】
前記ガスレシーバー3150は、前記第1排気管3111、前記第2排気管3121または前記第3排気管3131に沿って移送される排気ガスを一時的に貯蔵することができ、前記移送される排気ガスの圧力が増加してから減少して発生する振動を低減することができる。
【0121】
そして、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250は前記ガスレシーバー3150に設置され得、高温部(図示せず)、低温部(図示せず)および熱電素子部(
図17、3253)を含むことができる。前記熱電素子部3253は前記高温部と前記低温部との間に備えられる。
【0122】
また、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250は、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250に流体を供給する流体供給部(図示せず)をさらに含むことができる。前記流体は、海水(Sea Water)または海水から変換された真水(Fresh Water)であり得る。また、前記流体は前記エンジン3100を冷却させる冷却水であり得る。
【0123】
前記高温部は前記ガスレシーバー3150に沿って流れる排気ガスの熱と接触し、前記低温部は前記流体と接触することができる。このため、前記熱電素子部3243は、前記高温部と前記低温部との間に備えられて電力を生産することができる。すなわち、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250は、前記排気ガスと前記流体の温度差により電力を生産することができる。
【0124】
また、前記熱電発電モジュール3200は、図示してはいないが、前記第1排気管3111に設置されたサイレンサー(Silencer)または有機ランキンサイクル(ORC;Organic Rankine Cycle)等の廃熱が発生する装置に設置され得る。
【0125】
第1トランスフォーマー3310は、前記複数個の熱電発電モジュール3200と並列的に連結され得る。前記第1熱電発電モジュール3210の電力は第1導線3211に沿って前記第1トランスフォーマー3310に移送され、前記第2熱電発電モジュール3220の電力は第2導線3221に沿って前記第1トランスフォーマー3310に移送され、前記第3熱電発電モジュール3230の電力は第3導線3231に沿って前記第1トランスフォーマー3310に移送され、前記熱電発電モジュール3250の電力は第4導線3241に沿って前記第1トランスフォーマー3310に移送され得る。
【0126】
前記第1トランスフォーマー3310は、前記複数個の熱電発電モジュール3200から供給された電力の電圧を変換することができる。例えば、前記第1トランスフォーマー3310は、前記複数個の熱電発電モジュール3200から供給された電力の電圧を440Vに昇圧することができる。また、前記第1トランスフォーマー3310は、前記複数個の熱電発電モジュール3200の直流電圧を交流電圧に変換することができる。
【0127】
このように、本発明の一実施例に係る廃熱回収システムは、前記エンジン3100の駆動によって発生した熱を利用して電力を生成することができる。
【0128】
また、前記複数個の熱電発電モジュール3200が前記第1トランスフォーマー3310に並列的に連結されるため、前記複数個の熱電発電モジュール3200のうちいずれか一つが停止しても、海上構造物内の電力が急激に落ちることを防止することができる。すなわち、本実施例に係る廃熱回収システムは、前記複数個の熱電発電モジュール3200の急激な電力低下による海上構造物内の電力全体がシャットダウンすることを防止することができる。
【0129】
そして、本実施例に係る廃熱回収システムは、第2トランスフォーマー3320をさらに含むことができる。前記第2トランスフォーマー3320は前記第2エンジン3120または前記第3エンジン3130と並列的に連結され得る。
【0130】
また、前記第1トランスフォーマー3310と前記第2トランスフォーマー3320は並列的に連結され得る。このため、前記第1トランスフォーマー3310を通じて供給される電力が急激に落ちる場合、前記第2トランスフォーマー3320を通じて供給される電力を増加させて前記海上構造物内の電力がシャットダウンすることを防止することができる。
【0131】
一方、
図16を参照すると、本実施例に係る廃熱回収システムに適用される熱電発電モジュール3210は、並列的に連結された複数個の熱電発電部3213、3214、3215を含むことができる。このため、前記第1熱電発電モジュール3210は、並列的に連結された複数個の熱電発電部3213、3214、3215を含むため、前記複数個の熱電発電部3213、3214、3215のうちいずれか一つが故障しても、一定の電圧を維持することができる。そして、前記第2熱電発電部3220、前記第3熱電発電部3230または前記第4熱電発電部3240も前記第1熱電発電部3210と同様に、複数個の熱電発電部を含むことができる。
【0132】
また、前記複数個の熱電発電部3213、3214、3215のそれぞれは、直列に連結された複数個の熱電素子(図示せず)を含むことができる。このため、前記熱電発電部3213、3214、3215は、海上構造物内で必要とする電圧、例えば440Vの電圧を生産することができる。
【0133】
図17は、
図15に図示されたガスレシーバーに設置される熱電発電部をより詳しく示す斜視図である。前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250は、第1流路部3251、第2流路部3252および熱電素子部3253を含むことができる。
【0134】
前記第1流路部3251は流体が流れることができる。ここで、前記流体は、海水(Sea Water)または海水から変換された真水(Fresh Water)であり得る。また、前記流体は、前記エンジン3100を冷却させる冷却水であり得る。
【0135】
前記第2流路部3252は、前記エンジン3100から排出された排気ガスが流れることができる。前記第2流路部3252は、第1排気管3111、第2排気管3121または第3排気管3131と連通され得る。前記第1流路部3251と前記第2流路部3252は、前記ガスレシーバー3150内に交互に配置され得る。
【0136】
一方、前記第1流路部3251を流れる流体(L)の流れ方向は、前記第2流路部3252を流れる排気ガス(G)の流れ方向と実質的に垂直な方向であり得る。そして、前記第1流路部3251は、前記排気ガスが流れる経路において閉塞していてもよい。すなわち、前記第1流路部3251は、前記排気ガスの流入を遮断することができる。同様に、前記第2流路部3252は前記流体が流れる経路において閉塞していてもよい。すなわち、前記第2流路部3252は、前記流体の流入を遮断することができる。
【0137】
前記熱電素子部3253は、前記第1流路部3251と前記第2流路部3252の間に備えられ、前記流体と前記排気ガスとの温度差によって電力を生産することができる。
【0138】
図18は、海上構造物の必要電力量とエンジンの稼動中止によってエンジンを運営するアルゴリズムである。
【0139】
前記エンジン3100は、第4エンジン3140をさらに含むことができる。前記第4エンジン3140は、前記第2エンジン3120または前記第3エンジン3130と同様に、海上構造物に必要な電力を提供することができる。前記第4エンジン3140は、前記第2エンジン3120と前記第3エンジン3130のそれぞれに並列的に連結され得る。そして、前記第4エンジン3140は前記第2トランスフォーマー3320に連結され得る。
【0140】
前記複数個の熱電発電モジュール3200は、第4熱電発電モジュール3240を含むことができる。前記第4熱電発電モジュール3240は、前記第4エンジン3140に設置されて前記第4エンジン3140の熱を利用して電力を生産することができる。前記第4熱電発電モジュール3240は、前記第2熱電発電モジュール3220または前記第3熱電発電モジュール3230と類似しているため、詳しい説明を省略する。
【0141】
そして、前記海上構造物で必要とする電力量は、前記第2エンジン3120、第3エンジン3130、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第3熱電発電モジュール3230、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力量の和(3X)で構成され得る。
【0142】
この時、前記海上構造物で必要とする電力量が前記電力量の和(3X)で充足する場合、前記第2エンジン3120と前記第3エンジン3130は第1ロード、例えば80%のロードで稼動することができる。
【0143】
そして、
図18に図示された通り、前記第2エンジン3120の稼動が中止する場合、前記第4エンジン3140を稼動させることができる。前記第4エンジン3140の稼動により、前記第4エンジン3140は電力を生産し、前記第4エンジン3134に設置された第4熱電発電モジュール3240も電力を生産することができる。
【0144】
すなわち、海上構造物では、前記第3エンジン3130、第4エンジン3140、第1熱電発電モジュール3210、第3熱電発電モジュール3230、第4熱電発電モジュール3230、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が供給され得る。
【0145】
同様に、前記第3エンジン3130の稼動が中止する場合、前記第4エンジン3140を稼動させることができる。前記第4エンジン3140の稼動により前記第4エンジン3140は電力を生産し、前記第4エンジン3134に設置された第4熱電発電モジュール3240も電力を生産することができる。
【0146】
すなわち、海上構造物では、前記第2エンジン3120、第4エンジン3140、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第4熱電発電モジュール3230、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が供給され得る。
【0147】
このように、本実施例に係る廃熱回収システムは、前記第2エンジン3120または前記第3エンジン3130の稼動が中止する場合、前記第4エンジン3140を稼動させて、前記第2エンジン3120または前記第3エンジン3130で生産された電力量と前記第2熱電発電モジュール3220または前記第3熱電発電モジュール3230で生産された電力量を、前記第4エンジン3140と前記第4熱電発電モジュール3240の電力量に代替することができる。また、前記第2熱電発電モジュール3220または前記第3熱電発電モジュール3230で生産された電力量が急激に落ちるようになって、前記海上構造物全体の電力供給に支障が発生することを防止することができる。
【0148】
一方、前記海上構造物で必要とする電力量が前記電力量の和(3X)よりも大きい場合、前記第2エンジン3120、第3エンジン3130、第4エンジン3140、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第3熱電発電モジュール3230、第4熱電発電モジュール3240、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が海上構造物に供給され得る。
【0149】
この時、前記第2エンジン3120、前記第3エンジン3130および前記第4エンジン3140は第2ロード、例えば60%のロードで稼動することができる。
【0150】
そして、前記第2エンジン3120、前記第3エンジン3130または前記第4エンジン3140のうちいずれか一つのエンジンの稼動が中止する場合、稼動中のエンジンは第3ロード、例えば100%のロードで稼動することができる。
【0151】
前記第2エンジン3120の稼動が中止する場合、海上構造物では前記第3エンジン3120、第4エンジン3140、第1熱電発電モジュール3210、第3熱電発電モジュール3230、第4熱電発電モジュール3240、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が供給され得る。
【0152】
前記第3エンジン3130の稼動が中止する場合、海上構造物では、前記第2エンジン3120、第4エンジン3140、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第4熱電発電モジュール3240、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が供給され得る。
【0153】
前記第4エンジン3140の稼動が中止する場合、海上構造物では前記第2エンジン3120、第3エンジン3130、第1熱電発電モジュール3210、第2熱電発電モジュール3220、第3熱電発電モジュール3230、前記ガスレシーバー熱電発電モジュール3250で生産された電力が供給され得る。
【0154】
このように、本実施例に係る海上構造物の廃熱回収システムは、前記第2エンジン3120、第3エンジン3130と第4エンジン3140のロードを調節することによって、複数個の熱電発電モジュールを利用して電力を生産する過程において、前記第2エンジン3120、前記第3エンジン3130、または前記第4エンジン3140の稼動中止によって前記複数個の熱電発電モジュールで電力生産が中止する場合、海上構造物内の電力供給が急激に落ちることを防止することができる。
【0155】
図19は、本発明の第1実施例に係る排出管背圧減少装置の構成および動作を示した図面である。
【0156】
図19に図示された通り、船舶のエンジン410で発生した排気ガスは、スクラバー部440が備えられた排出管420を通じて外部に排出され、このようにエンジン410から排気ガス排出経路の間には多様な廃熱発生源が備えられ得る。
【0157】
本発明の場合、前記廃熱発生源には一つ以上の熱電素子が備えられた熱電発電モジュール4100が備えられ、これを通じて廃熱を電気エネルギーに変換させる。
【0158】
図19では、前記熱電発電モジュール4100は排気ガス排出管420に備えられて廃熱を回収するものとしたが、これに制限されず、前記廃熱発生源は排気ガス排出管420の他にも節炭部(図示せず)、エンジン410等の多様な構成要素のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0159】
一方、本実施例の場合、前記排出管420に回転可能に備えられ、前記排出管の背圧を減少させる送風ファン430が備えられる。前記送風ファン430は、前述した熱電発電モジュール4100で生成した電気エネルギーを選択的に供給を受けることができる。
【0160】
すなわち、本発明は船舶の廃熱を利用して電気エネルギーを生成することができるため、エネルギーの消費を最小化すると共に、状況に応じて送風ファン430を回転させて排出管420の背圧を減少させることができる。
【0161】
以下では、本発明の他の実施例について順に説明する。
【0162】
図20は、本発明の第2実施例に係る排出管背圧減少装置の構成および動作を示した図面である。
【0163】
図20に図示された本発明の第2実施例の場合、全体としては前述した第1実施例と同一に形成されるものの、前記廃熱発生源が複数個備えられ、前記熱電発電モジュール4100a、4100b、4100cが前記複数個の廃熱発生源にそれぞれ備えられる点が異なる。
【0164】
具体的には、本実施例では、エンジンと、排出管420および節炭部450が備えられ、これらのすべてにそれぞれ熱電発電モジュール4100a、4100b、4100cが備えられる。そして、各熱電発電モジュール4100a、4100b、4100cは生成した電気エネルギーを送風ファン430側に供給する。
【0165】
このように、本発明は、複数の廃熱発生源に熱電発電モジュール4100a、4100b、4100cが備えられた形態で提供されてもよい。
【0166】
図21は、本発明の第3実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを本管に流動させる様子を示した図面である。
【0167】
図21に図示された本発明の第3実施例の場合、熱電発電モジュール4100は排出管420に備えられる。そして、前記排出管420は、本管420aと、前記本管420aから分枝し、一側および他側が前記本管420aと連通した分枝管420bを含み、スクラバー部440は前記分枝管420bに備えられる。この時、前記排出管420には前記本管420aおよび前記分枝管420bを選択的に開閉する開閉バルブ424が備えられ得る。
【0168】
もちろん、本発明はこれに限定されず、前記スクラバー部440は前記分枝管420bに備えられてもよく、または本管420aに備えられてもよい。このように排出管420が分枝管420bおよびスクラバー部440を有する理由は、船舶の運航地域の環境規制に対応して排気ガスを排出させるためである。
【0169】
すなわち、TierIIの基準を採択している地域を航海する場合、スクラバー部440を使わずに排気ガスを排出させることもできる。したがって、このような場合、開閉バルブ424を操作して分枝管420bを閉鎖させ、本管420aを通じてのみ排気ガスを排出させるようにすることができる。すなわち、排気ガスがスクラバー部440を通過しなくなるので、スクラバー部440を稼動するためのエネルギーの消耗を減らすことができ、排出管420内の背圧をより一層減少させることができる。
【0170】
一方、本実施例においても、熱電発電モジュール4100で生成した電気エネルギーは送風ファン430の駆動に使用され得る。
【0171】
図22は、本発明の第3実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを分枝管420bに流動させてスクラバー部440を通過させる様子を示した図面である。
【0172】
図22の場合、船舶がTierIIIの基準を採択している地域を航海する場合であって、開閉バルブ424を操作して本管420aの一部を閉鎖させ、分枝管420aを経由して排気ガスを排出させるようにすることができる。すなわち、このような場合には、排気ガスがスクラバー部440を通過するようになるので、排気ガスに含まれた有害物質を低減させて環境基準に合うように排出させることができる。
【0173】
この時、スクラバー部440は、真水供給部442と連結されて有害物質の低減のために真水の供給を受けることができる。
【0174】
図23は、本発明の第4実施例に係る排出管背圧減少装置において、排気ガスを分枝管420bに流動させてスクラバー部440を通過させる場合、電気エネルギーを供給する様子を示した図面である。
【0175】
図23に図示された第4実施例の場合、前述した
図22に図示された第3実施例の場合と同様に、排気ガスを分枝管420bに流動させてスクラバー部440を通過させる点は同一であるものの、熱電発電モジュール4100を通じて生成した電気エネルギーを真水供給部442側に供給する点が異なる。
【0176】
そして、本実施例では、船内の電源を利用する電力供給部460がさらに備えられ、送風ファン430は前記電力供給部460を通じて電気エネルギーの供給を受けるようになる。
【0177】
図面に図示してはいないが、前記熱電発電モジュール4100で生成した電気エネルギーの量をチェックし、生成した電気エネルギーおよび前記電力供給部460から電気エネルギーを送風ファン430または真水供給部442側に分配して供給する制御部(図示せず)がさらに備えられ得る。
【0178】
このように、前記熱電発電モジュール4100は発生した電気エネルギーを前記送風ファン430または前記スクラバー部440の真水供給部442のうちいずれか一つに供給することができ、この場合、前記電力供給部460は電気エネルギーを前記送風ファン430または前記スクラバー部440の真水供給部442のうち他の一つに供給することができる。
【0179】
すなわち、本実施例では、熱電発電モジュール4100が真水供給部442に電気エネルギーを供給し、電力供給部460が送風ファン430に電気エネルギーを供給する形態であるが、これとは反対に、熱電発電モジュール4100が送風ファン430に電気エネルギーを供給し、電力供給部460が真水供給部442に電気エネルギーを供給してもよいことは言うまでもない。
【0180】
図24は、本発明の第5実施例を図示した図面である。本実施例に係る排出管背圧減少装置は、前述した
図23に図示された第4実施例の場合と同様に、排気ガスを分枝管420bに流動させてスクラバー部440を通過させる点は同一であるものの、熱電発電モジュール4100を通じて生成した電気エネルギーを送風ファン430および真水供給部442に同時に供給することができる。
【0181】
そして、本実施例では船内の電源を利用する電力供給部460がさらに備えられ、前記熱電発電モジュールで生成した電気エネルギーの量が、送風ファン430と真水供給部442を共に駆動するのに足りない場合、前記電力供給部460を通じて前記送風ファン430と真水供給部442のうち少なくともいずれか一つに、電力が足りない側に足りない量だけ電気を供給することができる。
【0182】
【0183】
図25に図示された通り、船舶51には外気を流入させる外気流入部530が備えられる。前記外気流入部530は、船舶51が極地などの低温環境で航海する場合、氷結が発生する。
【0184】
そして、船舶51のエンジン510で発生した排気ガスは、排出管520を通じて外部に排出され、このようにエンジン510から排気ガス排出経路の間には多様な廃熱発生源が備えられ得る。
【0185】
本発明の場合、前記廃熱発生源には一つ以上の熱電素子が備えられた熱電発電モジュール5100が備えられ、これを通じて廃熱を電気エネルギーに変換させる。この時、熱電発電モジュール5100は廃熱と外気流入部530を通じて流入した外気の温度差を通じて発電することができる。
【0186】
すなわち、熱電発電モジュール5100は、船舶のエンジン510から排気ガス排出経路の間に存在する廃熱発生源に備えられて電気エネルギーを発生させる。
【0187】
図25には、前記熱電発電モジュール5100は排気ガス排出管520に備えられて廃熱を回収するものとしたが、これに制限されず、前記廃熱発生源はエンジン510、排気ガス排出管520、図示されていないが、節炭器などの多様な構成要素のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0188】
そして、以下で説明する本実施例では、排気ガス排出管520に熱電発電モジュール5100が備えられたものとして説明する。
【0189】
一方、本発明の外気流入部製氷装置は、前記熱電発電モジュール5100で発生した電気エネルギーを利用して船舶の外気流入部530に発生した結氷を解消する製氷モジュールを含む。前記製氷モジュールは多様な形態で具現され得る。以下ではこれについての具体的な実施例について説明する。
【0190】
図26は、本発明の第1実施例に係る外気流入部製氷装置の各構成および動作を示した図面である。
【0191】
図26に図示された通り、本発明の第1実施例に係る外気流入部製氷装置の製氷モジュールは、前記外気流入部530に備えられたヒーティングコイル532と、前記熱電発電モジュール5100で発生した電気エネルギーを利用して空気を加熱するヒーティング部5120を含む。
【0192】
この時、ヒーティングコイル532は、熱電発電モジュール5100で発生した電気エネルギーを利用して船舶510の外気流入部530に発生した結氷を解消するように、外気流入部530に備えられる。
【0193】
ヒーティング部5120は、前記加熱した空気を前記外気流入部530に送風する送風部5130を含む。送風部5130は、熱電発電モジュール5100で発生した電気エネルギーを利用して空気を加熱し、加熱した空気を外気流入部530に送風する。
【0194】
そして、外気を圧縮させて前記ヒーティング部5120に供給するコンプレッサー部5110をさらに含むことができる。
【0195】
このように、本実施例ではヒーティングコイル532および送風部5130に備えられた送風ファン5132を利用して外気流入部530の結氷を除去することができる。この時、熱電発電モジュール5100は排出管520の廃熱を利用して電気エネルギーを生成し、これを製氷モジュールの各構成要素側に供給することができる。
【0196】
すなわち、本発明は船舶の廃熱を利用して電気エネルギーを生成することができるため、エネルギーの消費を最小化できる長所がある。
【0197】
図27は、本発明の第2実施例に係る外気流入部製氷装置において、エンジン510の回転数が基準値以下の場合の動作を示した図面である。
【0198】
図27に図示された本発明の第2実施例の場合、前述した第1実施例とすべての構成要素が同一に形成されるものの、制御部5200がさらに備えられる点と、前記廃熱発生源はエンジン510を含む点が異なる。
【0199】
前記制御部5200は船舶のエンジン510の回転数を感知し、前記エンジン510の回転数によって前記製氷モジュールを制御するようにすることができる。
【0200】
制御部は、船舶のエンジン510の回転数を感知して、エンジン510の回転数が基準値より大きい場合、ヒーティング部5120とヒーティングコイル532に電気エネルギーを供給するようにし、エンジン510の回転数が基準値以下の場合、ヒーティングコイル532に電気エネルギーを供給するようにする。
【0201】
図27の場合、前記エンジン510の回転数が基準値以下の場合を示したものである。具体的には、前記制御部5200はエンジン510の回転数を感知して基準値と比較し、エンジン510の回転数が基準値以下の場合には廃熱発生量が十分でないと判断して、送風部5130、ヒーティング部5120、コンプレッサー部5110に電気エネルギーを供給せず、前記ヒーティングコイル532のみを駆動させるようにすることができる。
【0202】
すなわち、本実施例では、制御部5200によって廃熱量による電気エネルギーの発生量を予測して適合するように供給することができるようになる。
【0203】
ただし、これは一つの実施例であって、これとは異なり、ヒーティングコイル532の代わりに製氷装置の他の一部の構成要素を作動させることも可能であることは言うまでもない。
【0204】
図28は、本発明の第2実施例に係る外気流入部製氷装置において、エンジン510の回転数が基準値より大きい場合の動作を示した図面である。
【0205】
図28に図示された通り、前記制御部5200がエンジン510の回転数を感知して基準値と比較し、エンジン510の回転数が基準値より大きい場合には廃熱発生量が十分であると判断して、ヒーティングコイル532だけでなく、送風部5130、ヒーティング部5120、コンプレッサー部5110に電気エネルギーをすべて供給するようにすることができる。
【0206】
図29は、本発明の第3実施例に係る外気流入部製氷装置の各構成および動作を示した図面である。
【0207】
図29に図示された本発明の第3実施例の場合、前記熱電発電モジュール5100で発生した電気エネルギーを整流する電流調整部5300をさらに含む。
【0208】
このような場合には、電流調整部5300を通じて電流が一定に流れるように調整し、これを製氷装置の各構成要素に供給するようにすることができる。すなわち、本実施例の場合、電流調整部5300が備えられることによって、安定した電源を維持することができるという長所がある。
【0209】
図30は、本発明の一実施例に係る船底抵抗減少装置を示している。
図30に図示された通り、本発明の船底抵抗減少装置は、熱電発電部6200、第1圧縮機6210、エアータンク6230、噴射機6240および制御部6650を含む。
【0210】
熱電発電部6200は機関で発生する廃熱を利用して電力を生成することができる。
【0211】
前記機関がエンジン6100の場合、熱電発電部6200はエンジン6100から排出される排気ガスの変動量に応じて電力の生成量を変動させることができる。
【0212】
すなわち、エンジン6100に空気および燃料が多く供給されるほど、エンジン6100の負荷量が増える。したがって、エンジン6100から排出される排気ガスの量が増加して廃熱が高くなるため、熱電発電部6200で発電される電力量が増加し得る。
【0213】
これに比べ、エンジン6100の負荷量が減少すると、エンジン6100から排出される排気ガスの量が減少して廃熱が低くなるため、熱電発電部6200で発電される電力量が減少し得る。
【0214】
また、排気ガスの廃熱と第1冷却媒体の間の温度差が大きいほど、熱電発電部6200で発電される電力量が増加するようになる。
【0215】
図30に図示された通り、第1冷媒ライン6500には第1冷却媒体が流れ、第1冷媒ポンプ6510は第1冷媒ライン6500を流れる第1冷却媒体を移動させることができ、第1冷媒ポンプ6510はモーター6311により駆動され得る。
【0216】
第1冷却媒体は海水または真水であり得る。もちろん、必ずしもこれに限定されず、大気でもよくまたは別途に製作された冷却油でもよい。
【0217】
第1圧縮機6210は、熱電発電部6200で生成する電力を利用して空気を圧縮するため、別途の電力消耗が発生しない。
【0218】
第1圧縮機6210はモーター6310により駆動され得る。
【0219】
一方、変換部6300は、熱電発電部6200で発電される電気によって、第1圧縮機6210のモーター6310に供給される電気の周波数を変換させることができる。
【0220】
変換部6300は、熱電発電部6200と第1圧縮機6210の間に位置して、熱電発電部6200で発電される電気の供給を受けて第1圧縮機6210のモーター6310に供給することができる。
【0221】
例えば、変換部6300は、熱電発電部6200の発電量が多くなると、第1圧縮機6210のモーター6310に供給される電気の周波数を高くすることができる。したがって、モーター6310の回転数も供給される電気の周波数によって高くなり、第1圧縮機6210で圧縮される空気の量が多くなり得る。
【0222】
エアータンク6230は、第1圧縮機6210で圧縮された空気を貯蔵することができる。
【0223】
噴射機6240は、第1圧縮機6210で生成した圧縮空気およびエアータンク6230に貯蔵された圧縮空気のうち少なくともいずれか一つの供給を受けて、船体と海水との摩擦抵抗を減らすために船底に向かって圧縮空気を噴射することができる。
【0224】
このように、第1圧縮機6210で圧縮された空気は、エアータンク6230または噴射機6240のうち少なくとも一つに供給され得るが、制御部6650は熱電発電部6200で生成する電力量によって第1圧縮機6210で圧縮された空気の移送経路を決定することができる。
【0225】
また、本発明の船底抵抗減少装置は、第2圧縮機6220をさらに含むことができる。
【0226】
第2圧縮機6220は、外部の電力の供給を受けて空気を圧縮させることができる。例えば、船舶に備えられた発電機またはバッテリーから電気の供給を受けることができ、または主エンジン6100とは別途に備えられたエンジン6100等によって供給される回転力によって空気を圧縮させることができる。
【0227】
すなわち、第2圧縮機6220で圧縮される空気の量は、エンジン6100から排出される排気ガスの変動量に比例せず、外部の動力により一定となり得る。
【0228】
第2圧縮機6220で圧縮された空気は、第1圧縮機6210で圧縮された空気と共にエアータンク6230に貯蔵され得る。
【0229】
一方、本発明の船底抵抗減少装置は、第1圧縮機6210で圧縮された空気をエアータンク6230または噴射機6240に移送するために、圧縮空気パイプ6410、第1パイプ6420、第2パイプ6430および方向調節バルブ6440をさらに含むことができる。
【0230】
圧縮空気パイプ6410は、第1圧縮機6210で圧縮された空気が移送される通路を提供し、第1パイプ6420は圧縮空気パイプ6410から分枝して前記噴射機6240と連結され、第2パイプ6430は圧縮空気パイプ6410から分枝して前記エアータンク6230と連結され得る。
【0231】
方向調節バルブ6440は、圧縮空気パイプ6410が第1パイプ6420と第2パイプ6430とに分枝する地点に設置され、圧縮空気が第1パイプ6420または第2パイプ6430のうちいずれか一つを通過するように、圧縮空気の経路を調節することができる。
【0232】
この時、制御部6650は方向調節バルブ6440の開閉方向を制御することができる。
【0233】
例えば、エンジン6100から排出される排気ガスの量が減少する時、熱電発電部6200で発電される電気量が少ないため、第1圧縮機6210で圧縮する空気の量が少なくてもよい。
【0234】
この時、制御部6650を通じて方向調節バルブ6440の開閉を調節して、第1圧縮機6210で圧縮された空気をエアータンク6230に移送させることができる。第2圧縮機6220で圧縮された空気と第1圧縮機6210で圧縮された空気はエアータンク6230に貯蔵され、噴射機6240はエアータンク6230から供給された圧縮空気を船底に向かって噴射させることができる。
【0235】
これとは反対に、エンジン6100から排出される排気ガス量が増加する時、熱電発電部6200で発電される電気量が多いため、エンジン6100から排出される排気ガス量が少ないときと比べて第1圧縮機6210で圧縮する空気の量が多くてもよい。
【0236】
この時、制御部6650を通じて方向調節バルブ6440の開閉を調節して、第1圧縮機6210で圧縮された空気を噴射機6240に移送させることができる。噴射機6240は第1圧縮機6210で供給された圧縮空気とエアータンク6230で供給された圧縮空気を船底に向かって噴射させることができる。
【0237】
したがって、本発明の一実施例に係る船底抵抗減少装置は、噴射機6240で生成する気泡の量がエンジン6100から排出される排気ガスの変動量に比例し得る。
【0238】
図31に図示された通り、熱電発電部6200は排気ガスが流れる排気経路6530のうち排気レシーバー6630に備えられ得る。
【0239】
一般に、エンジン6100から排出される排気ガスは排気バルブを通じて排出されるが、排気バルブから排出される排気ガスは排気レシーバー6630に集合してから排出される。したがって、熱電発電部6200を排気ガスが集合している排気レシーバー6630に具備させることができる。
【0240】
図32に図示された通り、第1冷媒ライン6500が排気経路6530を包み込むと、熱電発電部6200の一面は排気経路6530と接触し、他面は第1冷媒ライン6500を流れる第1冷却媒体と接触することができる。
【0241】
または
図33に図示された通り、排気経路6530が第1冷媒ライン6500を包み込むように備えられ、熱電発電部6200の一面は排気経路6530を流れる排気ガスと接触し、他面は第1冷媒ライン6500と接触することができる。
【0242】
すなわち、熱電発電部6200は、一面と他面に接触する排気ガスの廃熱および第1冷却媒体の間の温度差を通じて発電することができる。
【0243】
熱電発電部6200を排気レシーバー6630に配置するのは一例に過ぎず、これに限定されず、熱電発電部6200は排気経路6530のうち異なる位置に備えられ得る。
【0244】
本発明の一実施例に係る船底抵抗減少装置は、別途のコントローラーを具備せず、エンジン6100の廃熱が多くなると熱電発電部6200で生成する発電量が多くなり、これに伴い、第1圧縮機6210で圧縮される空気の量が多くなるため、船底に噴射する気泡の量が多くなる。
【0245】
気泡の量が多くなると船底に対する摩擦抵抗を減らすことができるため、船舶の推進効率を増加させることができる。
【0246】
図34は、本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置を示している。
図34に図示された通り、本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置は、熱電発電部6200、冷却水熱電発電部6600、第1圧縮機6210、第2圧縮機6220、エアータンク6230、噴射機6240および制御部6650を含むことができる。
【0247】
熱電発電部6200、第1圧縮機6210、第2圧縮機6220、エアータンク6230、噴射機6240および制御部6650は、前述した一実施例と同一または実質的に類似するため、詳しい説明は省略する。
【0248】
冷却水熱電発電部6600は
図35を参照して詳細に説明する。
【0249】
本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置は、第1冷却媒体が流れる第1冷媒ライン6500上に備えられ、第1冷却媒体を移動させる第1冷媒ポンプ6510と、第2冷却媒体が流れる第2冷媒ライン6610上に備えられ、第2冷却媒体を移動させる第2冷媒ポンプ6620をさらに含むことができる。
【0250】
第1冷媒ライン6500および第1冷媒ポンプ6510は、前述した一実施例と同一または実質的に類似し、第2冷却媒体も前述した第1冷却媒体と同一または実質的に類似するため、詳しい説明は省略する。
【0251】
図35は、本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置の冷却水熱電発電部を示している。
図35に図示された通り、冷却水熱電発電部6600は、ある一面は前記冷却水が流れる冷却水ライン6630と熱交換するように備えられ、他面は前記第2冷媒ライン6610と熱交換するように備えられ得る。
【0252】
すなわち、冷却水熱電発電部6600はエンジン6100を冷却させる冷却水と第2冷却媒体の間の温度差を通じて発電することができる。
【0253】
本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置の熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600で発電される電気は、エンジン6100から排出される排気ガスの変動量によって変動され得る。
【0254】
前述した一実施例に説明された通り、エンジン6100の負荷量はエンジン6100に供給される空気および燃料であって、エンジン6100の負荷量が増加すると、エンジン6100から排出される排気ガスの量が増加し、したがって、廃熱が増加する。
【0255】
熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600はエンジン6100の廃熱を利用して発電するため、エンジン6100から排出される排気ガスの量が増加すると、発電される電気量が多くなり得る。
【0256】
これに比べ、エンジン6100から排出される秘記ガスの量が減少すると熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600で発電される電気量が減少するようになる。
【0257】
図34に図示された通り、本発明の他の実施例に係る船底抵抗減少装置の変換部6640は、熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600で発電される電気の供給を受け、モーター6310、311、312により駆動する第1冷媒ポンプ6510、第2冷媒ポンプ6620および第1圧縮機6210のうち少なくとも一つのモーター6310、6311、6312に供給される電気の周波数を変換させることができる。
【0258】
変換部6640は、熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600の発電量が多くなると、第1冷媒ポンプ6510、第2冷媒ポンプ6620および第1圧縮機6210のうち少なくとも一つのモーター6310、6311、6312に供給される電気の周波数を高くすることができる。
【0259】
すなわち、供給される電気の周波数が高いと、第1冷媒ポンプ6510を駆動させるモーター6311および第2冷媒ポンプ6620を駆動させるモーター6312の回転数が速くなり、これに伴い、第1冷却媒体および第2冷却媒体の移動速度が速くなり、第1圧縮機6210を駆動させるモーター6310の回転数が速くなると第1圧縮機6210で圧縮される空気の量が多くなり得る。
【0260】
これに比べ、熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600の発電量が少なくなると、第1冷媒ポンプ6510を駆動させるモーター6311、第2冷媒ポンプ6620を駆動させるモーター6312および第1圧縮機6210を駆動させるモーター6310に供給される電気の周波数を低くすることができる。
【0261】
すなわち、供給される電気の周波数が低いと第1冷媒ポンプ6510および第2冷媒ポンプ6620により移送される第1冷却媒体および第2冷却媒体の移動速度が遅くなり、第1圧縮機6210で圧縮される空気の量も少なくなり得る。
【0262】
したがって、本発明の他の実施例に係る船底抵抗装置は、熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600で発電される電気を第1冷媒ポンプ6510、第2冷媒ポンプ6620および第1圧縮機6210のうち少なくとも一つに供給するため、第1冷媒ポンプ6510、第2冷媒ポンプ6620および第1圧縮機6210を駆動するための別途の電力消耗が発生しない。
【0263】
また、熱電発電部6200および冷却水熱電発電部6600で第1圧縮機6210のモーター6310に供給する電力量が廃熱に比例するため、第1圧縮機6210で圧縮される空気の量が廃熱に比例するようになる。
【0264】
したがって、噴射機6240で噴射させる気泡の量がエンジン6100の廃熱に比例して、廃熱が増加すると気泡の量が増加し、廃熱が減少すると気泡の量も減少し得る。
【0265】
図36は、本発明の一実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステムを示す図面である。
図36を参照すると、本発明の一実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7100は、タービン7310、圧縮機7320、熱電発電部7210、7220および駆動部7350を含むことができる。
【0266】
タービン7310は、エンジン720から排出された排気ガスが流れる排気管730と連結され得る。前記タービン7310は、前記排気管730を流れる排気ガスによって回転することができる。すなわち、前記タービン7310は前記エンジン720の排気ガスを利用して第1動力を提供することができる。
【0267】
圧縮機7320は、前記タービン7310の前記第1動力によって圧縮された空気をエンジン720に供給することができる。また、前記圧縮機7320に外部の空気を供給する空気供給部750が設置され得る。前記空気供給部750と前記圧縮機7320の間には空気ライン7360が設置され、前記空気供給部750から供給された空気は前記空気ライン7360に沿って前記圧縮機7320に移送され得る。
【0268】
このようなタービン7310と圧縮機7320の動作により、前記エンジン720に圧縮空気が供給されることによって、前記エンジン720の出力を高めることができる。
【0269】
熱電発電部7210、7220は、前記エンジン720の駆動によって発生した熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。前記熱電発電部7210、7220は前記第1熱電発電部7210および第2熱電発電部7220を含むことができる。
【0270】
前記第1熱電発電部7210は前記エンジン720に設置され、第1高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第1高温部は前記エンジン720で発生した熱と接触し、前記第1低温部は前記エンジン720に供給される冷却水と接触し、前記第1半導体素子部は前記第1高温部と前記第1低温部との間に備えられて電力を生産することができる。すなわち、前記第1熱電発電部7210は、前記エンジン720と前記冷却水の温度差により電力を生産することができる。ただし、前記第1熱電発電部7210はこれに限定されず、前記エンジン720の熱を利用して電力が生産できるように多様に構成され得る。
【0271】
前記第2熱電発電部7220は前記排気管730に設置され、第2高温部(図示せず)、第2低温部(図示せず)および第2半導体素子部(図示せず)を含むことができる。前記第2高温部は前記排気管730に沿って流れる排気ガスの熱と接触し、前記第2低温部は前記エンジン720に供給される冷却水と連結されて前記冷却水と接触し、前記第2半導体素子部は前記第2高温部と前記第2低温部との間に備えられて電力を生産することができる。すなわち、前記第2熱電発電部7230は、前記排気ガスと前記冷却水の温度差により電力を生産することができる。ただし、前記第2熱電発電部7220はこれに限定されず、前記排気ガスの熱を利用して電力が生産できるように多様に構成され得る。
【0272】
また、前記第2熱電発電部7220は前記排気管730に設置されたガスレシーバー7400に設置され得る。前記ガスレシーバー7400は前記排気管730に沿って排出される排気ガスを一時的に貯蔵することができ、前記排気管730の圧力の増減幅を低減させることができる。前記第2熱電発電部7220は前記排気ガスが前記ガスレシーバー7400に貯蔵されるため、増加した熱を電力に変換することができる。
【0273】
駆動部7350は前記熱電発電部7210、7220の電力によって駆動され得る。前記駆動部7350は前記熱電発電部7210、7220により生成した電力を利用して第2動力を提供することができる。前記駆動部7350は、前記タービン7310の回転軸に延びた駆動部回転軸7355を含むことができる。このため、前記駆動部7350の回転によって前記圧縮機7320を作動させることができる。
【0274】
前記駆動部7350と前記第1熱電発電部7210および前記駆動部7350と前記第2熱電発電部7220の間には、電流が流れる第1導線7212および第2導線7222が設置され得る。このため、前記駆動部7350は前記熱電発電部7210、7220で生産された電力の供給を受けることができる。
【0275】
前記駆動部7350は電流調節部(図示せず)および直流モーター(DC Motor)を含むことができる。前記電流調節部は前記熱電発電部7210、7220から供給された電流を、より一定の値に維持させて前記直流モーターに電流を供給することができる。
【0276】
また、前記駆動部7350は、インバーター部(図示せず)および交流モーター(AC Motor)を含むことができる。前記インバーター部は、前記熱電発電部7210、7220から供給された直流電流を交流電流に変換して前記交流モーターに交流電流を供給することができる。
【0277】
このため、前記圧縮機7320は前記第1動力または第2動力を利用して空気を圧縮することができる。すなわち、前記圧縮機7320は、前記タービン7310の回転力の伝達を受けると共に前記駆動部7350の回転力の伝達を受けるため、圧縮ライン7370を経由して前記エンジン720に圧縮された空気を供給することができる。
【0278】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7100は、前記タービン7310の回転力に前記駆動部7350の回転力を追加することによって、前記エンジン720に圧縮された空気量を増加させることができる。
【0279】
また、前記駆動部7350を作動させるためのエネルギーを、前記エンジン720の駆動によって発生した熱または排気ガスを利用することによって、海上構造物内のエネルギー効率を向上させることができる。
【0280】
一方、前記駆動部7350は前記熱電発電部7210、7220で生産された電力量により回転することができる。前記熱電発電部7210、7220は前記エンジン720の負荷量によって、発生した電力が異なり得る。すなわち、前記エンジン720の負荷量が高い場合、前記第1熱電発電部7210では前記エンジン720で発生する熱が増加して電力生産が増加され得、前記第2熱電発電部7220では前記エンジン720で発生する排気ガス量が増加して電力生産が増加され得る。また、前記エンジン720の負荷量によって前記エンジン720に供給される圧縮された空気の量が決定され得る。すなわち、前記エンジン720の負荷量が高い場合、前記エンジン720で必要な圧縮された空気量が増加する。これに伴い、前記エンジン720に供給される圧縮された空気は、前記熱電発電部7210、7220で増加した電力によって前記駆動部7350の作動が増加するようになる。したがって、前記駆動部7350の増加した回転力によって、前記圧縮機7320は圧縮された空気の量を増加させて前記エンジン720に供給することができる。
【0281】
図37は、
図36に図示された海上構造物のターボチャージャーシステムが作動する方法を示す図面である。
【0282】
まず、エンジン720で発生した排気ガスは排気管730を通じて外部に排出される。-(1)
【0283】
この時、前記排気管730にはタービン7310が連結される。前記タービン7310は、前記排気管730を通じて移送される排気ガスの流れによって回転する。これによって、前記タービン7310の回転力は圧縮機7320に伝えられ、前記圧縮機7320は空気を圧縮することができる。
【0284】
そして、前記タービン7310を通過した排気ガスはガスレシーバー7400に一時的に貯蔵される。
【0285】
一方、前記エンジン720または前記ガスレシーバー7400に設置された熱電発電部7210、7220は、前記エンジン720の熱または前記排気ガスの熱を利用して電力を生産する。そして、生産された電力は第1導線7212または第2導線7222に沿って駆動部7350に移送される。
【0286】
次いで、空気供給部750は空気ライン7360を通じて圧縮機7320に空気を供給する。-(2)
【0287】
前記圧縮機7320は、前記タービン7310の回転力と前記駆動部7350の回転力とが出されて空気を圧縮することができる。前記圧縮された空気は圧縮ライン7370に沿って前記エンジン720に移送される。-(3)
【0288】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7100は、前記エンジン720の熱または排気ガスを通じて生産された電力を利用して圧縮空気量を増加させることによって、前記エンジン720の効率を向上させることができる。
【0289】
図38は、本発明の他の実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステムを示す図面である。本実施例で説明されていない他の構成要素は、前述した実施例と実質的に類似するため、説明を省略する。
図38を参照すると、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、複数個のタービン7311、7312、7313、複数個の圧縮機7321、7322、7323および複数個の駆動部7351、7352、7353を含むことができる。
【0290】
複数個のタービン7311、7312、7313は、前記排気ガスが排出される経路に沿って第1タービン7311第2タービン7312および第3タービン7313を含むことができる。
【0291】
前記第1タービン7311は、前記排気管730と連通する第1連結管731を通じて前記排気ガスが流入する。前記第2タービン7312は、前記排気管730と連通する第2連結管732を通じて前記排気ガスが流入する。前記第3タービン7313は、前記排気管730と連通する第3連結管733を通じて前記排気ガスが流入する。
【0292】
前記第2連結管732は、前記第2タービン7312を経由した排気ガスが前記第1タービン7311に流入するように、前記第1連結管731と連通する。前記第3連結管733は、前記第3タービン7313を経由した排気ガスが前記第2タービン7312に流入するように、前記第2連結管732と連通する。
【0293】
前記第1タービン7311と前記第2タービン7312の間には、前記第1タービン7311と前記第2タービン7312の間の排気ガスの移送を制御する第1バルブ7510が設置され得る。前記第1バルブ7510は、前記第1連結管731と前記第2連結管732が連結される連結点に設置され得る。前記第1バルブ7510は、三方バルブ(3-way valve)であり得る。前記第1バルブ7510は、前記第2タービン7312を経由した排気ガスが前記第1タービン7311に流入するか遮断されるように制御することができる。
【0294】
前記第2タービン7312と前記第3タービン7313の間には、前記第2タービン7312と前記第3タービン7313の間の排気ガスの移送を制御する第2バルブ7520が設置され得る。前記第2バルブ7520は、前記第2連結管732と前記第3連結管733が連結される連結点に設置され得る。前記第2バルブ7520は前記第1バルブと同様に、三方バルブ(3-way valve)であり得る。前記第2バルブ7520は、前記第3タービン7313を経由した排気ガスが前記第2タービン7312に流入するか遮断されるように制御することができる。
【0295】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1タービン7311、前記第2タービン7312および前記第3タービン7313を選択的に作動させることができる。前記エンジン720の負荷量が第1臨界値未満の場合、前記第1バルブ7510および前記第2バルブ7520を作動させることによって、前記排気ガスが前記第1タービン7311にのみ流入され得る。この時、前記第1臨界値は30%であり得る。このため、前記エンジン720の負荷量が小さいため前記排気ガスの排出量が少ない場合、前記第2タービン7312および前記第3タービン7313が排気ガスの排出に抵抗となることを防止することができる。
【0296】
また、前記エンジン720の負荷量が第2臨界値未満の場合、前記第1バルブ7510は開放し、前記第2バルブ7520は閉鎖することによって、前記排気ガスが前記第1タービン7311と前記第2タービン7312に流入され得る。この時、前記第2臨界値は60%であり得る。このため、前記第3タービン7313が前記排気ガスの排出に抵抗となることを防止することができる。
【0297】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記第1バルブ7510および前記第2バルブ7520を開閉することによって、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1タービン7311、前記第2タービン7312および前記第3タービン7313を選択的に作動させることができる。
【0298】
複数個の圧縮機7321、7322、7323は、前記第1タービン7311、前記第2タービン7312、前記第3タービン7313のそれぞれに対応するように、第1圧縮機7321、第2圧縮機7322および第3圧縮機7323を含むことができる。
【0299】
前記第1圧縮機7321は、前記空気供給部750と連通した空気ライン7360に沿って外部の空気の供給を受けることができる。前記第1圧縮機7321は前記第1タービン7311の回転力によって空気を圧縮することができる。前記第1圧縮機7321で圧縮された空気は、前記エンジン720に供給されるか前記第2圧縮機7322に移送され得る。
【0300】
前記第2圧縮機7322は、前記第1圧縮機7321で前記圧縮された空気の供給を受けることができる。前記第2圧縮機7322は前記第2タービン7312の回転力によって圧縮された空気をさらに圧縮することができる。前記第2圧縮機7322で圧縮された空気は、前記エンジン720に供給されるか前記第3圧縮機7323に移送され得る。
【0301】
前記第3圧縮機7323は、前記第2圧縮機7322で前記圧縮された空気の供給を受けることができる。前記第3圧縮機7323は前記第3タービン7313の回転力によって圧縮された空気をさらに圧縮することができる。前記第3圧縮機7323で圧縮された空気は前記エンジン720に供給され得る。
【0302】
一方、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記圧縮された空気が前記エンジン720に供給される経路に設置される熱交換器7381、382、383をさらに含むことができる。
【0303】
前記熱交換器7381、7382、7383は、前記第1圧縮機7321、前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323のそれぞれを経由した圧縮された空気が流入する第1熱交換器7381、第2熱交換器7382および第3熱交換器7383を含むことができる。
【0304】
前記第1熱交換器7381、前記第2熱交換器7382および前記第3熱交換器7383は、前記圧縮された空気の温度を下げることができ、図示してはいないが、前記エンジン720に供給される冷却水と連結され得る。前記第1熱交換器7381、前記第2熱交換器7382および前記第3熱交換器7383は、前記圧縮された空気と前記冷却水を熱交換させることによって、前記圧縮された空気の温度を下げることができる。
【0305】
前記第1熱交換器7381は、前記第1圧縮機7321と連結された第1圧縮空気ライン7361に沿って圧縮された空気の供給を受けることができる。前記第2熱交換器7382は、前記第2圧縮機7322と連結された第2圧縮空気ライン7362に沿って圧縮された空気の供給を受けることができる。前記第3熱交換器7383は、前記第3圧縮機7323と連結された第3圧縮空気ライン7363に沿って圧縮された空気の供給を受けることができる。
【0306】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記第1熱交換器7381、前記第2熱交換器7382および前記第3熱交換器7383を含むことによって、前記エンジン720に供給される圧縮された空気の温度を下げて前記エンジン720の効率を向上させることができる。
【0307】
また、前記第1圧縮機7321と前記第2圧縮機7322との間の空気の移送を制御する第3バルブ7530が設置され得る。前記第3バルブ7530は、前記第1圧縮機7321と前記第1熱交換器7381を経由した圧縮された空気を前記エンジン720または前記第2圧縮機7322に選択的に供給することができる。
【0308】
また、前記第2圧縮機7322と前記第3圧縮機7323との間の空気の移送を制御する第4バルブ7540が設置され得る。前記第4バルブ7540は、前記第2圧縮機7322と前記第2熱交換器7382を経由した圧縮された空気を前記エンジン720または前記第3圧縮機7323に選択的に供給することができる。
【0309】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1圧縮機7321、前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323を選択的に作動させることができる。すなわち、前記エンジン720の負荷量が前記第1臨界値未満の場合、前記第3バルブ7530および前記第3バルブ7540を作動させることによって、前記第1圧縮機7321を経由して圧縮された空気が前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323を経由せずに前記エンジン720に供給され得る。すなわち、前記第1タービン7311のみが作動する場合、前記第1タービン7311に対応する前記第1圧縮機7321のみを作動させることができる。
【0310】
また、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値未満の場合、前記第3バルブ7530は開放し、前記第4バルブ7540は閉鎖することによって、前記第1圧縮機7321を経由して圧縮された空気が前記第3圧縮機7323を経由せずに前記第2圧縮機7322を経由して前記エンジン720に供給され得る。すなわち、前記第2タービン7312に対応する前記第2圧縮機7322を作動させることができる。
【0311】
また、前記第1バルブ7510と前記第3バルブ7530は同一に開閉され、前記第2バルブ7530と前記第4バルブ7540は同一に開閉され得る。
【0312】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記第3バルブ7530および前記第4バルブ7540を開閉させることによって、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1圧縮機7321、前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323を選択的に作動させることができる。
【0313】
一方、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101に適用される駆動部は、前記第1圧縮機7321、前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323に対応するように、第1駆動部7351、第2駆動部7352および第3駆動部7353を含むことができる。
【0314】
前記熱電発電部7210、7220は、前記エンジン720の負荷量によって、発生した電力が異なり得る。すなわち、前記エンジン720の負荷量が高い場合、前記第1熱電発電部7210では前記エンジン720で発生する熱が増加して電力生産が増加され得、前記第2熱電発電部7220では前記エンジン720で発生する排気ガス量が増加して電力生産が増加され得る。
【0315】
また、前記熱電発電部7210、7220は、前記エンジン720の負荷量によって、発生した電力を前記第1駆動部7351、前記第2駆動部7352または前記第3駆動部7353のそれぞれに供給することができる。
【0316】
前記第1駆動部7351と前記第1熱電発電部7210および前記第1駆動部7351と前記第2熱電発電部7220の間には、電流が流れる第1導線7212および第2導線7222が設置され得る。前記第1導線7212と前記第2導線7222から前記第2駆動部7352に連結される第3導線7224が設置され得る。そして、前記第3導線7224から前記第3駆動部7353に連結される第4導線7226が設置され得る。
【0317】
そして、前記第3導線7224には第1スイッチ部7231が設置され得る。前記第1スイッチ部7231は前記エンジン720の負荷量が前記第1臨界値未満の場合、前記第3導線7224を閉鎖することができる。また、前記第4導線7226には第2スイッチ部7232が設置され得る。前記第2スイッチ部7232は前記エンジン720の負荷量が前記第1臨界値未満の場合、前記第4導線7226を閉鎖することができる。すなわち、前記第1スイッチ部7231は前記第1バルブ7510と前記第3バルブ7530と同一に開閉され、前記第2スイッチ部7232は前記第2バルブ7520と前記第4バルブ7540と同一に開閉され得る。
【0318】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1スイッチ部7231および前記第2スイッチ部7232を作動させることによって、前記熱電発電部7210、220で発生した電力を前記第1駆動部7351、前記第2駆動部7352および前記第3駆動部7353のそれぞれに供給することができる。すなわち、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力量により前記第1圧縮機7321、前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323を選択的に作動させることによって、前記エンジン720に効率的に圧縮された空気を供給することができる。
【0319】
図39は、
図38に図示された海上構造物のターボチャージャーシステムが作動する方法を示す図面である。
【0320】
まず、エンジン720で発生した排気ガスは、排気管730を通じて外部に排出され得る。この時、前記エンジン720で発生した排気ガスは、排気管730から分枝した第1分枝管731を経由して前記第1タービン7311に流入する。前記第1タービン7311に流入した排気ガスは、前記第1タービン7311を回転させることができる。そして、前記エンジン720の負荷量が第1臨界値未満の場合、第1バルブ7510および第2バルブ7520を作動させて、前記第2タービン7312および前記第3タービン7313に排気ガスが経由しないようにする。-(1)
【0321】
一方、前記エンジン720の負荷量が第2臨界値未満の場合、前記第1バルブ7510および前記第2バルブ7520を作動させて前記第3タービン7313に排気ガスが経由しないようにし、前記第2タービン7312に排気ガスが供給され得る。すなわち、前記エンジン720で発生した排気ガスは、排気管730から分枝した第2分枝管732を経由して前記第2タービン7312に流入する。前記第2タービン7312に流入した排気ガスは、前記第2タービン7312を回転させることができる。前記第2タービン7312を経由した排気ガスは再び前記第1タービン7311に流入する。-(2)
【0322】
一方、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値以上の場合、前記第1バルブ7510および前記第2バルブ7520を作動させて前記第3タービン7313に排気ガスが供給され得る。すなわち、前記エンジン720で発生した排気ガスは、排気管730から分枝した第3分枝管733を経由して前記第3タービン7313に流入する。前記第3タービン7313に流入した排気ガスは、前記第3タービン7313を回転させることができる。前記第3タービン7313を経由した排気ガスは、再び前記第2タービン7312に流入する。-(3)
【0323】
そして、空気供給部750は、空気ライン7360を通じて第1圧縮機7321に空気を供給する。-(4)
【0324】
前記第1圧縮機7321は前記第1タービン7311の回転力によって空気を圧縮することができる。前記圧縮された空気は、第1圧縮空気ライン7361に沿って第1熱交換器7381を経由した後、エンジンライン7374に沿って前記エンジン720に移送され得る。ここで、前記エンジン720の負荷量が前記第1臨界値未満の場合、第3バルブ7530および第4バルブ7540を作動させて前記圧縮された空気が前記第2圧縮機7322および前記第3圧縮機7323に流入しないようにする。-(5)
【0325】
また、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値未満の場合、前記第3バルブ7530は開放し、前記第4バルブ7540は閉鎖することによって、前記第1圧縮機7321で圧縮された空気が前記第2圧縮機7322に流入され得る。前記第2圧縮機7322により圧縮された空気は、前記第2圧縮空気ライン7362に沿って前記エンジンライン7374に連結されて前記エンジン720に移送され得る。-(6)
【0326】
また、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値以上の場合、前記第4バルブ7540を作動させて前記第2圧縮機7322で圧縮された空気が前記第3圧縮機7323に流入され得る。前記第3圧縮機7323により圧縮された空気は前記第3圧縮空気ライン7363に沿って前記エンジンライン7374に連結されて前記エンジン720に移送され得る。-(7)
【0327】
一方、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力は、第1導線7212または第2導線7222に沿って前記第1駆動部7351に移送される。
【0328】
この時、前記エンジン720の負荷量が前記第1臨界値未満の場合、前記第1スイッチ部7231を作動させて前記第3導線7224を短絡させる。このため、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力は、前記第2駆動部7352および前記第3駆動部7353に電力を供給しないようになる。すなわち、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力は、前記第1駆動部7351を駆動させることによって、前記第1圧縮機7321でのみ圧縮された空気を生産するようになる。
【0329】
また、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値未満の場合、前記第2スイッチ部7232を作動させて前記第4導線7226を短絡させる。このため、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力は、前記第1駆動部7351および前記第2駆動部7352に供給するようになる。すなわち、前記第1駆動部7351および前記第2駆動部7352により前記第1圧縮機7321および前記第2圧縮機7322が作動するため、前記エンジン720に圧縮された空気を供給することができる。
【0330】
最後に、前記エンジン720の負荷量が前記第2臨界値以上の場合、前記第2スイッチ部7232を作動させて前記第4導線7226を連結させる。このため、前記熱電発電部7210、7220で生産された電力は、前記第1駆動部7351、前記第2駆動部7352および前記第3駆動部7353に供給されるようになる。
【0331】
このように、本実施例に係る海上構造物のターボチャージャーシステム7101は、前記エンジン720の負荷量に応じて前記第1駆動部7351、前記第2駆動部7352および前記第3駆動部7353のそれぞれを制御することができるようになるため、前記熱電発電部7210、7220で発生した電力を効率的に使用することができる。
【0332】
図40は、船舶のエンジン810および排気ガス排出経路を示した図面である。
【0333】
図40に図示された通り、船舶81のエンジン810で発生した排気ガスは排出管820を通じて外部に排出され、このようにエンジン810から排気ガス排出経路の間には多様な廃熱発生源が備えられ得る。
【0334】
本発明の場合、前記廃熱発生源には一つ以上の熱電素子が備えられた熱電発電モジュール8100a、8100bが備えられ、これを通じて廃熱を電気エネルギーに変換させる。
【0335】
熱電発電モジュール8100a、8100bは熱媒体間の温度差を通じて電気を生成するものであって、熱電発電モジュール8100a、8100bは船舶81のエンジン810から排気ガス排出経路の間に存在する廃熱発生源に備えられ得る。
【0336】
このような熱電発電モジュール8100a、8100bの一側は廃熱発生源に接触し、熱電発電モジュール8100a、8100bの他側は廃熱発生源と温度差がある熱媒体が流れる熱媒体移送部(図示せず)と接触することができる。
【0337】
廃熱発生源と温度差がある熱媒体としては、海水、真水または船舶の外気が挙げられるが、これに限定されない。
【0338】
図40には、前記熱電発電モジュール8100a、8100bは排気ガス排出管820とエコノマイザー815に備えられて廃熱を回収するものとしたが、これに制限されず、前記廃熱発生源は排気ガス排出管820、エコノマイザー815の他にもエンジン810等の多様な構成要素のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0339】
そして、以下で説明する本実施例では、排気ガス排出管820およびエコノマイザー815に熱電発電モジュール8100a、8100bが備えられたものとして説明する。
【0340】
一方、本発明の推力補助装置は、前記熱電発電モジュール8100で発生した電気エネルギーを利用してエンジン810のクランクシャフトを回転させるモーターに追加の動力を印加する調速部を含む。
【0341】
以下ではこれについての具体的な実施例について説明する。
【0342】
図41は、本発明の第1実施例に係る推力補助装置の各構成および動作を示した図面である。
【0343】
図41に図示された通り、本発明の第1実施例に係る推力補助装置は、排気ガス排出管820に備えられた熱電発電モジュール8100aと、エコノマイザー815に備えられた熱電発電モジュール8100bと、調速部(speed governor)840を含む。
【0344】
すなわち、エンジン810で発生する排気ガスは、排出管820側に流動して排出され、この過程で排気ガスの廃熱を利用するエコノマイザー815が備えられる。そして、エコノマイザー815および排出管820で発生する廃熱を利用して、各熱電発電モジュール8100a、8100bは電気エネルギーを生成し、これを調速部840に供給する。
【0345】
調速部840は、熱電発電モジュール8100a、8100bで発生した電気エネルギーの供給を受けてエンジンに追加の動力を提供する。例えば、調速部840は、熱電発電モジュール8100a、8100bで発生した電気エネルギーをエンジン810のクランクシャフト832を回転させるモーター830に印加し、これによって、モーター830は追加の動力を発生させて船舶に推力を発生させるプロペラ834に伝達する。
【0346】
すなわち、本発明は船舶の廃熱を利用して電気エネルギーを生成することができるため、エネルギーの消費を最小化すると共に、状況に応じて船舶の追加的な推力を補助することができるという長所がある。
【0347】
それだけでなく、追加的な推力を印加する場合、エンジン810の回転数が増加するため、発生する廃熱量および電気エネルギーの生成量がさらに増加して提供可能な推力量も増加する長所がある。
【0348】
図42は、本発明の第2実施例に係る推力補助装置において、モーター830の回転数が基準値以上の場合の動作を示した図面である。
【0349】
図42に図示された本発明の第2実施例の場合、モーター830の回転数を感知する回転感知部850がさらに備えられる。すなわち、本実施例において、前記調速部840は前記回転感知部850の感知結果に対応するように、前記モーター830に追加の動力を印加することができる。
【0350】
このようにする理由は、船舶に別途の推力が不要な場合には、熱電発電モジュール8100a、8100bを通じて生成する電気エネルギーを他の構成要素に活用するようにし、クランクシャフト832の回転数にモーター830の回転数を合わせるためである。
【0351】
そして、本実施例の場合、回転感知部850によって前記モーター830の回転数が基準値以上の場合を示したものであって、補助的な推力が要求されない状況を示している。調速部840は、回転感知部850から入力された前記モーター830の回転数と基準値とを比較して、回転数が基準値以上の場合、各熱電発電モジュール8100a、8100bにより生成する電気エネルギーを船舶に備えられた他の構成要素860側に供給するようにすることができる。前記他の構成要素860は、船舶に備えられた各種電気機器などであり得る。
【0352】
このため、調速部840はモーター830に電気エネルギーの供給を中断することができる。
【0353】
図43は、本発明の第2実施例に係る推力補助装置において、モーター830の回転数が基準値以上の場合、さらに他の形態の動作を示した図面である。
【0354】
図43の場合、
図42のように回転感知部850により前記モーター830の回転数が基準値以上の場合であって、同じ状況を示しているが、このような状況で前記調速部840は、前記熱電発電モジュール8100a、8100bで発生した電気エネルギーの一部のみを前記モーター830に供給し、残りの電気エネルギーを船舶に備えられた他の構成要素860に供給することができる。
【0355】
すなわち、
図43の場合には、少量の推力のみを発生させ、残りの電気エネルギーを他の構成要素に活用することができる形態である。これは、モーター830の回転数によって選択的に行われ得るであろう。
【0356】
図44は、本発明の第3実施例に係る推力補助装置の各構成および動作を示した図面である。
【0357】
図44に図示された本発明の第3実施例の場合、排気ガス排出管820およびエコノマイザー815にそれぞれ熱電発電モジュール8100a、8100bが備えられることは、前述した各実施例と同じである。
【0358】
ただし、本実施例の場合には、エコノマイザー815に備えられた熱電発電モジュール8100bは調速部840側に電気エネルギーを供給し、排出管820側に備えられた熱電発電モジュール8100aは船舶の他の構成要素860側に電気エネルギーを供給する点が、前述した各実施例と異なって形成される。
【0359】
すなわち、本実施例のように、前記複数個の廃熱発生源に備えられた熱電発電モジュール8100a、8100bのうち一部は前記調速部840に電気エネルギーを伝達し、前記複数個の廃熱発生源に備えられた熱電発電モジュール8100a、8100bのうち残りの一部は船舶に備えられた他の構成要素に電気エネルギーを伝達することもできる。
【0360】
以上のように、本発明に係る実施例を詳察し、前述した実施例の他にも本発明がその趣旨や範疇から逸脱することなく他の特定の形態に具体化できることは、該当技術に通常の知識を有する者には自明である。したがって、前述された実施例は、制限的なものではなく、例示的なものであるとみなされるべきであり、したがって、本発明は前述した説明に限定されず、添付された請求項の範疇およびそれと同等な範囲内で変更されてもよい。