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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】尖った流通管を備える振動式計器
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20220114BHJP
   G01F 1/74 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 9/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G01F1/84
G01F1/74
G01N9/00 D
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020511170
(86)(22)【出願日】2017-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2017048181
(87)【国際公開番号】W WO2019040058
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-04-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベル, マーク ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ワインスタイン, ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】デサイ, ミタリー ナヤン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン, クリントン アール.
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-170819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0272200(US,A1)
【文献】国際公開第2017/105493(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通管(400、500、600、700、800、900)に取り付けられたピックオフ(170l、170r)と、
前記流通管に結合し、前記流通管を駆動方向において振動させるように構成されたドライバ(180)と、
前記流通管と
を備えており、
前記流通管は、
第1の実質的に平坦な部分(406a、506a)と、
第1の角度θ(404)を形成して第1の尖った部分(516a)を形成するように前記第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分(406b、506b)と、
第1の湾曲部分(406c、506c)と
を備える管外壁(402、502、702、802)を備えており、
前記第1の尖った部分(516a)は前記駆動方向に垂直な方向において尖っており、
前記管外壁は、前記流通官において前記第1の角度θ を二等分する平面に対して対称である、振動式計器(5)。
【請求項2】
前記第1の角度θは、100度以下である、請求項1に記載の振動式計器。
【請求項3】
前記第1の角度θは、120度以下である、請求項1に記載の振動式計器。
【請求項4】
前記管外壁は、第4の実質的に平坦な部分(506e)に結合した第2の湾曲部分(506f)および第3の実質的に平坦な部分(506d)をさらに備え、前記第3の実質的に平坦な部分および前記第4の実質的に平坦な部分は、第2の角度θ(504)を形成している、請求項1~3のいずれか一項に記載の振動式計器。
【請求項5】
前記第2の角度θは、前記第1の角度θに等しい、請求項4に記載の振動式計器。
【請求項6】
前記第1の尖った部分(516a)から第2の尖った部分(516b)までの高さh(514)が、
【数8】
であり、前記第1の尖った部分は、前記第1の実質的に平坦な部分および前記第2の実質的に平坦な部分によって形成され、前記第2の尖った部分は、前記第3の実質的に平坦な部分および前記第4の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、前記第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な前記管外壁の最大直径d(204)である、請求項5に記載の振動式計器。
【請求項7】
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第1のチャネル隔壁(606a)
をさらに備え、
前記第1のチャネル隔壁および前記管外壁は、前記流通管内に第1のチャネル(608a)および第2のチャネル(608b)を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の振動式計器。
【請求項8】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦である、請求項7に記載の振動式計器。
【請求項9】
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第2のチャネル隔壁(606b)
をさらに備え、
前記第2のチャネル隔壁は、前記流通管内で前記第2のチャネルおよび第3のチャネル(608c)を隔てる、請求項7または8に記載の振動式計器。
【請求項10】
前記第2のチャネル隔壁は、実質的に平坦かつ前記第1のチャネル隔壁に実質的に平行である、請求項9に記載の振動式計器。
【請求項11】
流通管に取り付けられたピックオフ(170l、170r)と、
前記流通管に結合し、前記流通管を駆動方向において振動させるように構成されたドライバ(180)と、
前記流通管と
を備えており、
前記流通管は、
第1の実質的に平坦な部分(706a)と、
第1の角度θ(704)を形成して第1の尖った部分(816a)を形成するように前記第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な(706b)部分と、
第3の実質的に平坦な部分(706c)と、
第4の実質的に平坦な部分(706d)と、
第5の実質的に平坦な部分(706e、806e)と
を備える管外壁を備えており、
前記第1の尖った部分は前記駆動方向に垂直な方向において尖っており、
前記管外壁は、前記流通官において前記第1の角度θ を二等分する平面に対して対称である、振動式計器。
【請求項12】
前記第1の角度θは、100度以下である、請求項11に記載の振動式計器。
【請求項13】
前記第1の角度θは、120度以下である、請求項11に記載の振動式計器。
【請求項14】
第6の実質的に平坦な部分(806f)
をさらに備え、
前記第5の実質的に平坦な部分および前記第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θ(804)を形成している、請求項11~13のいずれか一項に記載の振動式計器。
【請求項15】
前記第2の角度θは、前記第1の角度θに等しい、請求項14に記載の振動式計器。
【請求項16】
前記第1の尖った部分(816a)から第2の尖った部分(816b)までの高さh(514)が、
【数9】
であり、前記第1の尖った部分は、前記第1の実質的に平坦な部分および前記第2の実質的に平坦な部分によって形成され、前記第2の尖った部分は、前記第5の実質的に平坦な部分および前記第6の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、前記第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な前記管外壁の最大直径d(204)である、請求項15に記載の振動式計器。
【請求項17】
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第1のチャネル隔壁(908a)
をさらに備え、
前記第1のチャネル隔壁および前記管外壁は、前記流通管内に第1のチャネル(910a)および第2のチャネル(910b)を形成する、請求項11~16のいずれか一項に記載の振動式計器。
【請求項18】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦である、請求項17に記載の振動式計器。
【請求項19】
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第2のチャネル隔壁(908b)
をさらに備え、
前記第2のチャネル隔壁は、前記流通管内で前記第2のチャネルおよび第3のチャネル(910c)を隔てる、請求項17または18に記載の振動式計器。
【請求項20】
前記第2のチャネル隔壁は、実質的に平坦かつ前記第1のチャネル隔壁に実質的に平行である、請求項19に記載の振動式計器。
【請求項21】
振動式計器を形成する方法であって、
第1の実質的に平坦な部分と、
第1の角度θを形成して第1の尖った部分を形成するように前記第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、
第1の湾曲部分と
を備える管外壁を有する流通管を用意するステップと、
前記流通管を駆動方向において振動させるよう当該流通官にドライバを結合させるステップと、
前記流通管にピックオフを結合させるステップと
を含み、
前記第1の尖った部分は前記駆動方向に垂直な方向において尖っており、
前記管外壁は、前記流通官において前記第1の角度θ を二等分する平面に対して対称である、振動式計器を形成する方法。
【請求項22】
前記管外壁は、
第2の湾曲部分と、
第3の実質的に平坦な部分と、
第2の角度θを形成するように前記第3の実質的に平坦な部分に結合した第4の実質的に平坦な部分と
をさらに備える、請求項21に記載の振動式計器を形成する方法。
【請求項23】
前記第1の尖った部分(516a)から第2の尖った部分(516b)までの高さh(514)が、
【数10】
であり、前記第1の尖った部分は、前記第1の実質的に平坦な部分および前記第2の実質的に平坦な部分によって形成され、前記第2の尖った部分は、前記第3の実質的に平坦な部分および前記第4の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、前記第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な前記管外壁の最大直径d(204)である、請求項22に記載の振動式計器を形成する方法。
【請求項24】
振動式計器を形成する方法であって、
第1の実質的に平坦な部分と、
第1の角度θを形成して第1の尖った部分(816a)を形成するように前記第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、
第3の実質的に平坦な部分と、
第4の実質的に平坦な部分と、
第5の実質的に平坦な部分と
を備える管外壁を有する流通管を用意するステップと、
前記流通管を駆動方向において振動させるよう当該流通管にドライバを結合させるステップと、
前記流通管にピックオフを結合させるステップと
を含み、
前記第1の尖った部分は前記駆動方向に垂直な方向において尖っており、
前記管外壁は、前記流通官において前記第1の角度θ を二等分する平面に対して対称である、方法。
【請求項25】
前記管外壁は、第6の実質的に平坦な部分をさらに備え、前記第5の実質的に平坦な部分および前記第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θを形成している、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の尖った部分(816a)から第2の尖った部分(816b)までの高さh(514)が、
【数11】
であり、前記第1の尖った部分は、前記第1の実質的に平坦な部分および前記第2の実質的に平坦な部分によって形成され、前記第2の尖った部分は、前記第5の実質的に平坦な部分および前記第6の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、前記第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な前記管外壁の最大直径d(204)である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の角度θは、100度以下である、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の角度θは、120度以下である、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の角度θは、前記第2の角度θに等しい、請求項22または25に記載の方法。
【請求項30】
前記流通管は、前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第1のチャネル隔壁をさらに備え、前記第1のチャネル隔壁および前記管外壁は、前記流通管内に第1のチャネルおよび第2のチャネルを形成する、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦である、請求項21~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記流通管は、前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合した第2のチャネル隔壁をさらに備え、前記第2のチャネル隔壁は、前記流通管内で前記第2のチャネルおよび第3のチャネルを隔てる、請求項21~31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下で説明される例は、振動式計器および振動式計器の流通管に関する。より具体的には、いくつかの例が、尖った部分を備える流通管を含む振動式計器に関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計および振動式密度計などの振動式計器は、典型的には、流れている物質(material)を含んでいる振動している流通管の運動を検出することによって動作する。質量流量、密度、などの流通管内の物質に関する特性を、流通管に組み合わせられた運動トランスデューサから受信される測定信号を処理することによって割り出すことができる。振動式計器は、直線状または曲線状の構成の1つ以上の流通管を備える計器アセンブリを有する。コリオリ質量流量計の各々の流通管の構成は、単純な曲げ、ねじり、または結合型であり得る一連の固有振動モードを有する。各々の流通管を、好ましいモードで振動するように駆動することができる。
【0003】
物質が流通管を通って流れ始めると、コリオリ力により、流通管に沿った各点が異なる位相を有する。例えば、流量計の入口端における位相が、中央のドライバ位置の位相よりも遅れる一方で、出口における位相は、中央のドライバ位置の位相よりも進む。流通管上のピックオフが、流通管の運動を表す正弦波信号を生成する。ピックオフから出力された信号は、ピックオフ間の時間遅延を割り出すために処理される。2つ以上のピックオフの間の時間遅延は、流通管を通って流れる物質の質量流量に比例する。
【0004】
ドライバに接続された計器電子機器が、ドライバを動作させ、ピックオフから受信される信号からプロセス物質の質量流量および/または他の特性を割り出すための駆動信号を生成する。ドライバは、多数の周知の構成のうちの1つを備えることができるが、磁石および対向する駆動コイルが、流量計の業界において大きな成功を収めている。所望の流通管の振幅および周波数で流通管を振動させるために、駆動コイルに交流電流が流される。典型的には、ピックオフは、ドライバの構成にきわめてよく似た磁石とコイルとからなる構成を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いくつかの用途においては、振動式計器の流通管の断面積を大きくして、流体の流れを増やすことが望ましいかもしれない。しかしながら、以前は、計器のサイズを大きくせずに流通管の断面積を大きくすることは、常には可能でなかった。従来の振動計の大部分は、円形の外壁を有する流通管を備えている。しかしながら、円形の流通管の外壁の直径を大きくするということは、流通管の寸法をすべての方向に拡張することを意味し、これは、いくつかの用途において問題を引き起こす可能性がある。例えば、典型的には振動式計器における流体の高い粘度に起因するが、レイノルズ数が低い場合、振動式計器の感度を低下させかねないフロープロファイル効果、または粘度関連の影響が存在し得る。典型的には、駆動方向の管の内径dに対する管の長さlの比率(l/d)が25以下の振動式計器が、フロープロファイル効果に直面する。したがって、流通管の直径dを大きくすると、流通管の長さlおよび計器のサイズを大きくする必要が生じ得る。
【0006】
いくつかのより新しい振動計は、マルチチャネル流通管を含む。マルチチャネル流通管は、流通管を2つ以上のチャネルに分割する1つ以上のチャネル隔壁を流通管の外壁の内側に含む。マルチチャネル流通管は、フロープロファイル効果の防止に役立つことができるより小さい有効直径deffを特長とする。さらに、マルチチャネル流通管は、どちらも計器における誤差の原因である多相流体における分離(decoupling)ならびにガスおよび多相流体における音速(VOS)効果の防止にも役立つことができる。
【0007】
しかしながら、例えば円形の直径を有するマルチチャネル流通管において、チャネル隔壁が従来からの振動式計器の設計に取り入れられる場合、流通管を通る流れの断面積がチャネルによって減少する。これにより、マルチチャネル流通管に狭窄部が生じ得る。
【0008】
流通管を製造するための1つのやり方は、単一チャネル流通管または1つ以上の内部チャネルを有するマルチチャネル流通管のいずれも、付加製造または3D印刷による。3D印刷は、製造すべき部品がプリンタベッドに垂直な構成要素を含む場合に最も簡単である。しかしながら、構成要素がプリンタベッドに平行な向きであり、あるいはプリンタベッドの所定の鋭角の範囲内にある場合、構成要素を印刷するために追加の支持材料が必要になる可能性がある。その場合、印刷の完了後に支持材料を除去する必要がある。
【0009】
従来の流通管においては、管外壁が3Dプリンタベッドに平行またはほぼ平行な部分を含む。例えば、円形の管外壁は、3Dプリンタベッドに対して管外壁の上部および下部を印刷するために支持体を必要とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、駆動方向の内径dを大きくすることなく流体の流れのための管の断面積を増加させることができる流通管および振動計について、ニーズが存在する。さらに、支持体用の追加の材料を必要とせずに付加的方法によって製造することができる流通管について、ニーズが存在する。このような解決策を、尖った流通管によって実現することができる。
【0011】
<概要>
振動式計器が提供される。この振動式計器は、流通管に取り付けられたピックオフと、流通管に結合し、流通管を振動させるように構成されたドライバと、流通管とを含み、流通管は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第1の湾曲部分とを備える管外壁を備える。
【0012】
振動式計器が提供される。この振動式流量計は、流通管に取り付けられたピックオフと、流通管に結合し、流通管を振動させるように構成されたドライバと、流通管とを含み、流通管は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第4の実質的に平坦な部分と、第5の実質的に平坦な部分とを備える管外壁を備える。
【0013】
振動式計器を形成する方法が提供される。この方法は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第1の湾曲部分とを備える管外壁を有する流通管を用意すること、流通管にドライバを結合させること、および流通管にピックオフを結合させることを含む。
【0014】
振動式計器を形成する方法が提供される。この方法は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように前記第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第4の実質的に平坦な部分と、第5の実質的に平坦な部分とを備える管外壁を有する流通管を用意すること、流通管にドライバを結合させること、および流通管にピックオフを結合させることを含む。
【0015】
<態様>
さらなる態様において、第1の角度θは、100度以下であってよい。
【0016】
さらなる態様において、第1の角度θは、120度以下であってよい。
【0017】
さらなる態様において、管外壁は、第4の実質的に平坦な部分(506e)に結合した第2の湾曲部分(506f)および第3の実質的に平坦な部分(506d)をさらに備えることができ、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θ(504)を形成する。
【0018】
さらなる態様において、第2の角度θは、第1の角度θに等しくてよい。
【0019】
さらなる態様においては、第1の尖った部分(516a)から第2の尖った部分(516b)までの高さh(514)が、
【0020】
【数1】
であってよく、第1の尖った部分は、第1の実質的に平坦な部分および第2の実質的に平坦な部分によって形成され、第2の尖った部分は、第3の実質的に平坦な部分および第4の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径d(204)である。
【0021】
さらなる態様において、振動式計器は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第1のチャネル隔壁(606a)をさらに備えることができ、第1のチャネル隔壁および管外壁は、流通管内に第1のチャネル(608a)および第2のチャネル(608b)を形成する。
【0022】
さらなる態様において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。
【0023】
さらなる態様において、振動式計器は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第2のチャネル隔壁(606b)をさらに備えることができ、第2のチャネル隔壁は、流通管内で第2のチャネルおよび第3のチャネル(608c)を隔てる。
【0024】
さらなる態様において、第2のチャネル隔壁は、実質的に平坦かつ第1のチャネル隔壁に実質的に平行であってよい。
【0025】
さらなる態様において、第1の角度θは、100度以下であってよい。
【0026】
さらなる態様において、第1の角度θは、120度以下であってよい。
【0027】
さらなる態様において、振動式計器は、第6の実質的に平坦な部分(806f)をさらに備えることができ、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θ(804)を形成する。
【0028】
さらなる態様において、第2の角度θは、第1の角度θに等しくてよい。
【0029】
さらなる態様においては、第1の尖った部分(816a)から第2の尖った部分(816b)までの高さh(514)が、
【0030】
【数2】
であってよく、第1の尖った部分は、第1の実質的に平坦な部分および第2の実質的に平坦な部分によって形成され、第2の尖った部分は、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径d(204)である。
【0031】
さらなる態様において、振動式計器は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第1のチャネル隔壁(908a)をさらに備えることができ、第1のチャネル隔壁および管外壁は、流通管内に第1のチャネル(910a)および第2のチャネル(910b)を形成する。
【0032】
さらなる態様において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。
【0033】
さらなる態様において、振動式は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第2のチャネル隔壁(908b)をさらに備えることができ、第2のチャネル隔壁は、流通管内で第2のチャネルおよび第3のチャネル(910c)を隔てる。
【0034】
さらなる態様において、第2のチャネル隔壁は、実質的に平坦かつ第1のチャネル隔壁に実質的に平行であってよい。
【0035】
さらなる態様において、管外壁は、第2の湾曲部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第2の角度θを形成するように第3の実質的に平坦な部分に結合した第4の実質的に平坦な部分とをさらに備えることができ、管外壁は、第2の湾曲部分、第3の湾曲部分、および第4の実質的に平坦な部分をさらに備える。
【0036】
さらなる態様においては、第1の尖った部分(516a)から第2の尖った部分(516b)までの高さh(514)が、
【0037】
【数3】
であってよく、第1の尖った部分は、第1の実質的に平坦な部分および第2の実質的に平坦な部分によって形成され、第2の尖った部分は、第3の実質的に平坦な部分および第4の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径d(204)である。
【0038】
さらなる態様において、管外壁は、第6の実質的に平坦な部分をさらに備えることができ、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θを形成する。
【0039】
さらなる態様においては、第1の尖った部分(816a)から第2の尖った部分(816b)までの高さh(514)が、
【0040】
【数4】
であってよく、第1の尖った部分は、第1の実質的に平坦な部分および第2の実質的に平坦な部分によって形成され、第2の尖った部分は、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分によって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径d(204)である。
【0041】
さらなる態様において、第1の角度θは、100度以下であってよい。
【0042】
さらなる態様において、第1の角度θは、120度以下であってよい。
【0043】
さらなる態様において、第1の角度θは、第2の角度θに等しくてよい。
【0044】
さらなる態様において、流通管は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第1のチャネル隔壁をさらに備えることができ、第1のチャネル隔壁および管外壁は、流通管内に第1のチャネルおよび第2のチャネルを形成する。
【0045】
さらなる態様において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。
【0046】
さらなる態様において、流通管は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第2のチャネル隔壁をさらに備えることができ、第2のチャネル隔壁は、流通管において第2のチャネルおよび第3のチャネルを分割する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
同じ参照番号は、すべての図において同じ要素を表している。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。
図1】一例による振動流量計を示している。
図2】流通管200の断面を示している。
図3】流通管300の断面を示している。
図4】一例による流通管400の断面を示している。
図5】一例による流通管500の断面を示している。
図6】一例による流通管600の断面を示している。
図7】一例による流通管700の断面を示している。
図8】一例による流通管800の断面を示している。
図9】一例による流通管900の断面を示している。
図10】一例による方法1000を示している。
図11】一例による方法1100を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示は、尖った部分を有する流通管を含む振動式計器、および尖った部分を有する流通管を含む振動式計器を形成する方法を説明する。
【0049】
図1が、一例によるマルチチャネル流通管130を備える振動式計器5を示している。図1に示されるように、振動式計器5は、計器アセンブリ10および計器電子機器20を備える。計器アセンブリ10は、プロセス物質の質量流量および密度に応答する。計器電子機器20は、通信経路26によって密度、質量流量、および温度情報をもたらし、さらには他の情報をもたらすために、リード線100によって計器アセンブリ10に接続される。さらには、情報およびコマンドを通信経路26を介して計器電子機器20において受信することができる。
【0050】
コリオリ流量計の構造が説明されるが、これは限定を意図したものではない。当業者であれば、本出願を振動管式密度計、音叉式密度計、などとして実施できることを、容易に理解できるであろう。
【0051】
計器アセンブリ10は、1対のマニホールド150および150’と、フランジネック110および110’を有するフランジ103および103’と、1対の平行な流通管130および130’と、ドライバ180と、1対のピックオフセンサ170lおよび170rとを含む。流通管130および130’は、流通管取り付けブロック120および120’においてお互いに向かって収束する2つの本質的にまっすぐな入口レグ131、131’および出口レグ133、133’を有する。流通管130、130’は、それらの長さに沿った2つの対称な位置において曲がり、それらの長さの全体にわたって本質的に平行である。補強バー140および140’が、各々の流通管130、130’の振動の中心軸WおよびW’を定めるように機能する。流通管130、130’のレグ131、131’および133、133’は、流通管取り付けブロック120および120’に不動に取り付けられ、次いでこれらのブロックは、マニホールド150および150’に不動に取り付けられる。これは、計器アセンブリ10を通る連続的な閉じた物質の経路をもたらす。
【0052】
穴102および102’を有するフランジ103および103’が、入口端104および出口端104’を介し、測定対象のプロセス物質を運ぶプロセス配管(図示せず)へと接続されると、物質は、フランジ103のオリフィス101を通って計器の入口端104に進入し、マニホールド150を通って表面121を有する流通管取り付けブロック120へと導かれる。マニホールド150において、物質は分割され、流通管130、130’を通って送られる。流通管130、130’を出ると、プロセス物質は、表面121’を有するブロック120’およびマニホールド150’において再び合流して単一の流れとなり、その後に穴102’を有するフランジ103’によってプロセス配管(図示せず)へと接続された出口端104’に送られる。
【0053】
流通管130、130’は、それぞれの曲げ軸W-WおよびW’-W’の周りの質量分布、慣性モーメント、およびヤング率が実質的に同じであるように選択され、流通管取り付けブロック120、120’に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸は、補強バー140、140’を通過する。
【0054】
両方の流通管130、130’は、ドライバ180によって、それぞれの曲げ軸WおよびW’を中心にして反対の方向に、いわゆる流量計の第1の逆位相曲げモードで駆動される。このドライバ180は、流通管130’に取り付けられた磁石、および流通管130に取り付けられ、両方の流通管130、130’を振動させるために交流電流が通される対向するコイルなど、多数の周知の構成のうちの任意の1つを備えることができる。適切な駆動信号が、計器電子機器20によって、リード線185を介して、ドライバ180に印加される。
【0055】
計器電子機器20は、リード線165l、165rにそれぞれ現れる左右のセンサ信号を受信する。計器電子機器20は、ドライバ180へのリード線185に現れる駆動信号を生成し、流通管130、130’を振動させる。計器電子機器20は、左右のセンサ信号およびRTD信号を処理して、計器アセンブリ10を通過する物質の質量流量および密度を計算する。この情報を、他の情報とともに、通信経路26を介して計器電子機器20によって送信することができる。
【0056】
図1は、計器電子機器20と通信する単一の計器アセンブリ10を示しているが、当業者であれば、複数のセンサアセンブリが計器電子機器20と通信できることを、容易に理解できるであろう。さらに、計器電子機器20は、さまざまな異なる種類のセンサを動作させることが可能であってよい。計器電子機器20と通信する計器アセンブリ10などの各々のセンサアセンブリは、計器電子機器20内の記憶システムの専用部分を有することができる。
【0057】
計器電子機器20は、当業者であれば理解できるとおり、さまざまな他のコンポーネントおよび機能を含むことができる。これらの追加の特徴は、簡潔かつ明瞭にするために、説明および図面から省略され得る。
【0058】
振動式計器5は、流通管130、130’を含む。流通管130、130’は、単相または多相の流体などの物質が流れることができる複数の流体チャネルを有する。すなわち、流通管130、130’を通って流れる流体は、2つ以上の流体チャネルを通って流れることができる。
【0059】
図2図9の各々が、以下で説明される流通管130、130’の典型的な断面を示している。典型的な流通管の断面は、図1に示された2-2によって示される線によって表される。
【0060】
図2は、従来の流通管200の断面を示している。流通管200は、円形の管外壁202を含む。図2は、振動式計器の駆動方向を示している。計器における流体の流量を増やすために、流通管の総断面積を増やすことが望まれる場合がある。従来の解決策は、管外壁202の内径d204を大きくすることを含む。しかしながら、駆動方向における流通管の内径dに対する流通管の長さlの比率が比較的小さい場合、フロープロファイル効果が大きくなる。したがって、いくつかの用途において、流通管の長さl、したがって振動式計器のサイズを増加させることなく、円形の流通管200の半径を増加させることは、計器の精度を損なわない限りは不可能である。
【0061】
図3が、従来のマルチチャネル流通管300のさらなる断面を示している。流通管300は、管外壁202をやはり含むという点で流通管200と同様であるが、1つ以上のチャネル隔壁306a~306cを含むという点で異なる。1つ以上のチャネル隔壁306a~306cは、2つ以上のチャネル308a~308dをもたらすように構成される。各々のチャネル308a~308dは、流通管300の例では振動式計器の駆動方向である少なくとも1つの方向において、有効直径deffが小さくなっていることを特徴とする。より小さい有効直径deff304は、多相流体の分離の低減、音速誤差の低減、およびフロープロファイル効果の低減を可能にすることができる。
【0062】
しかしながら、流通管300に設けられた追加のチャネル隔壁306a~306cは、流体が通過し得る総断面積を減少させ得る。したがって、流通管300は、流通管200よりも狭窄になり得る。
【0063】
図4が、一例による流通管400の断面を示している。流通管400は、管外壁402を含む。管外壁は、流通管において流体を囲んで閉じ込める。
【0064】
管外壁402は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の実質的に平坦な部分に第1の角度θを形成するように結合した第2の実質的に平坦な部分と、第1の湾曲部分とを含む。例えば、管外壁402は、第1の実質的に平坦な部分406aと、第2の実質的に平坦な部分406bと、第1の湾曲部分406cとを含む。この例においては、第1および第2の実質的に平坦な部分406a、406b、および第1の湾曲部分406cが、涙滴の断面形状を形成するように組み合わせられ、第1および第2の実質的に平坦な部分406a、406bが、第1の角度θ404によって定められるとおり、管外壁402から外側を向いた尖った部分を形成している。
【0065】
実質的に平坦であることにより、第1および第2の実質的に平坦な部分406a、406bはそれぞれ、長さに対する幅の割合が小さい長方形領域に主に含まれる断面領域を含むことができる。図4は、第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bを、厳密に平坦であるとして示しているが、これは限定を意図するものではない。いくつかの例において、実質的に平坦な部分は、多少の起伏のある部分または非平坦な部分を含んでもよい。
【0066】
管外壁402は、第1の湾曲部分406cをさらに含む。湾曲部分は、円形、長円形、楕円形、または任意の他の種類の丸みを帯びた形状を取ることができる。流通管400の例において、第1の湾曲部分406cは、主に円形である。
【0067】
第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bは、第1の角度θを形成するように互いに結合している。図4に見られるように、第1の角度θ404は、管外壁402の内部から測定される。
【0068】
いくつかの例においては流通管200および300などの従来技術の流通管と同じ直径d204を有するようなサイズとされてよい湾曲部分406cを設けることにより、流通管400を、流通管200および300と同じ振動式計器に最小限の設計変更で後付けすることができる。これが、流通管200の内径を表す図4の点線によって提案されている。しかしながら、直径d204が流通管200および300と比べて増加しないため、流通管400は、流通管400が後付けされた計器のフロープロファイル効果を増加させることはない。
【0069】
流通管400は、第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bによって定められる追加の尖った部分を特徴とし、これにより、流通管400は、振動式計器の全体サイズを大きくする必要なく、流体が流れることができる断面積を大きくすることを可能にする。
【0070】
いくつかの例において、流通管400は、第1の角度θがより小さいとき、流通管400の尖った部分を直径d204に垂直な方向に最も遠くまで延ばすことを可能にできるがゆえに、最も多く追加の断面積を提供することができる。いくつかの例において、第1の角度θは、100度以下であってよい。しかしながら、さらなる例において、第1の角度θは、120度以下であってもよい。さらなる例においては、当業者であれば理解できるとおり、流通管400を通る流体の流れを制御するために任意の角度が可能であってよい。
【0071】
図5が、さらなる例による流通管500の断面を示している。流通管500は、第2の湾曲部分506fおよび第3の実質的に平坦な部分506dを第4の実質的に平坦な部分506eに結合させてさらに含むことを除き、流通管400と同様である。
【0072】
流通管500は、2つの尖った部分と丸みを帯びた真ん中とを含む外形の管外壁502を有する。これにより、流通管500を流通管200または300と同じ振動式計器に容易に後付けすることを可能にできるが、2つの尖った部分によって、管外壁502の断面積をさらに拡大でき、振動式計器における追加の流体の流れを可能にすることができる。
【0073】
第3の実質的に平坦な部分506dおよび第4の実質的に平坦な部分506eは、第2の角度θ504を形成する。いくつかの例において、第1の角度θ404は、第2の角度θに等しくてよい。これにより、流通管500内の流れを横切る軸を中心とした対称性をもたらすことができる。これは、振動式計器の構成要素の質量を釣り合わせることにより、従来の対称な円形の流通管を備える振動式計器へのより容易な後付けを可能にする役に立つことができる。
【0074】
しかしながら、さらなる例において、第1の角度θは、第2の角度θに等しくなくてもよい。
【0075】
第1の角度θと第2の角度θとが同じである例において、図5に示されるとおりの第1の尖った部分516aから第2の尖った部分516bまでの高さh514は、
【0076】
【数5】
に等しくてよく、
ここで、第1の尖った部分516aは、第1の実質的に平坦な部分506aおよび第2の実質的に平坦な部分506bによって形成され、第2の尖った部分516bは、第3の実質的に平坦な部分506dおよび第4の実質的に平坦な部分506eによって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な平面における管外壁の最大直径である。いくつかの例において、最大直径dは、管の内径、管の外径、または管の中央直径であってよい。例えば、図4または図5に示されるように、最大直径dは最大直径d204であってよい。
【0077】
いくつかの例においては、流通管の外壁402または502を、マンドレル上に形成し、シーム溶接することができ、押し出しプロセスによって形成することができ、例えば機械加工、放電加工、電解加工、電子ビーム加工、光化学加工、および超音波加工を使用する除去型の製造プロセスによって形成することができ、あるいは例えばステレオリソグラフィ、デジタル光処理、溶融堆積モデリング、選択的レーザ焼結、選択的レーザ溶融、電子ビーム溶融、または積層物体製造を使用する付加型の製造または三次元(3D)印刷技術によって形成することができる。
【0078】
流通管を3D印刷によって製造することが望まれる場合、流通管400および500は、流通管200および300を超えるさらなる利点を提供することができる。一部の用途においては、3D印刷を使用してプリンタベッドに平行な最小角度の範囲内の向きにある部品の各部を製造することが、困難となり得る。これを、プリンタのベッドの平面510と最小印刷角度θmin512とを示している図5において見て取ることができる。部品の一部分が最小印刷角度θmin512を下回るような向きである場合、その部分の下方に、部品を製造するための支持体として、追加の材料を印刷する必要があると考えられる。いくつかの用途において、最小角度θmin512は、3D印刷の用途に関して45度であり得る。しかしながら、さらなる用途において、最小角度θmin512は、40度、30度、20度、またはさらに小さくてよい。
【0079】
従来の流通管200および300は、円形であり、3Dプリンタベッドに平行またはほぼ平行な部分を含む。例えば、円形の管外壁は、流通管の外壁の下部の下方、流通管の外側、および/または流通管の外壁の上部かつ流通管の内側に、支持体を必要とする可能性がある。管外壁の内側に印刷された支持材料は、印刷後に除去する必要があるかもしれないが、これが困難である可能性があり、不可能な場合さえあり得る。
【0080】
第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bからなる尖った部分は、直接的にプリンタベッド510の方を向き、あるいは直接的に印刷機ベッド510から遠ざかる方向を向くようにして、印刷することが可能である。最小印刷角度θmin512が50度である場合、第1の角度θが100度以下であれば、流通管500を流通管500の外部の追加の支持材料を必要とせずに印刷することが実現可能になる。図5に示されるように、第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bを直接的にプリンタベッド510の方を向くようにして印刷できる場合、これは、流通管500の外部の支持材料の必要性を防止することができる。他方(図示せず)で、第1および第2の実質的に平坦な部分406aおよび406bをプリンタベッド510から遠ざかる方を向くようにして印刷できる場合、これは、流通管500の内部の支持材料の必要性を防止することができる。自己支持型の流通管500であれば、流通管500の印刷後に支持材料を除去する余分な工程を不要にできるだけでなく、製造時に無駄になる材料を少なくすることができる。
【0081】
図6が、さらなる例によるマルチチャネル流通管600の断面を示している。流通管600は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第1のチャネル隔壁をさらに含んでおり、第1のチャネル隔壁と管外壁とによって流通管内に第1のチャネルおよび第2のチャネルが形成されていることを除き、流通管500に類似している。チャネル隔壁は、管外壁402または502に対して、1つまたは2つの部分において流通管の外壁に結合でき、単一の流通管を2つ以上のチャネルに分割することができる。例えば、チャネル隔壁606aは、流通管600をチャネル608aおよび608bに分割する。
【0082】
チャネル隔壁を、流通管の縦断面に沿って流通管の外壁に結合させることができる。いくつかの例においては、チャネル隔壁を、流通管の長手方向の範囲の全体、流通管の振動部分、流通管の振動部分の一部分、または流通管の任意の他の縦断面に沿って、流通管の外壁に結合させることができる。
【0083】
いくつかの例において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。しかしながら、さらなる実施形態においては、1つ以上のチャネル隔壁606a~606dが、曲線状の断面、実質的に円形の断面、または当業者に知られている任意の他の断面を含んでもよい。
【0084】
例えば、流通管600は、実質的に平坦なチャネル隔壁606a~606dを示している。流通管600のこの例において、実質的に平坦なチャネル隔壁606a~606dは、駆動方向に垂直である。しかしながら、いくつかの例において、チャネル隔壁606a~606dは、駆動方向に垂直になるような向きでなくてもよい。しかしながら、さらなる例においては、チャネル隔壁606a~606dの向きが、振動式計器10の断面積ごとに変化してもよい。
【0085】
いくつかの例において、流通管600は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第2のチャネル隔壁をさらに備えることができ、第2のチャネル隔壁は、流通管において第2のチャネルおよび第3のチャネルを分割する。例えば、チャネル隔壁606a~606dが、流通管600をチャネル608a~608eに分割する。いくつかの例においては、当業者であれば理解できるとおり、任意の数のチャネル隔壁が可能である。
【0086】
いくつかの例において、第2のチャネル隔壁606bは、実質的に平坦であってよく、かつ/または第1のチャネル隔壁606aに実質的に平行であってよい。
【0087】
流通管600は、マルチチャネル流通管が、従来の流通管と比べて、追加の1つ以上の尖った領域に流体の流れのための拡張空間を有する断面積を有することを可能にできる。これにより、流通管600は、1つ以上のチャネル隔壁606a~606dの厚さのために失われた断面積を補償することができる。
【0088】
流通管600は、2つの尖った領域を含むように描かれているが、当業者であれば、1つ以上のチャネル隔壁を流通管400に取り入れてマルチチャネル流通管に追加の断面積を提供できることを、容易に理解できるであろう。
【0089】
図7が、一例によるさらなる流通管700の断面を示している。流通管700は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第4の実質的に平坦な部分と、第5の実質的に平坦な部分とを有する管外壁を含む。例えば、流通管の周囲702は、第1、第2、第3、第4、および第5の実質的に平坦な部分706a、706b、706c、706d、および706eを含む。流通管700の断面は、五角形を形成し、第1および第2の実質的に平坦な部分706aおよび706bが、第1の角度θ704を有する尖った部分を形成している。
【0090】
流通管700は、流通管400、500、および600に関して説明した利点と同じ利点を提供できる。とくには、流通管700は、単一チャネルまたはマルチチャネル流通管について、流体が流通管を通って流れるための拡張領域を可能にすることができる。
【0091】
いくつかの例において、第1の角度θ704は、100度以下であってよい。さらなる例において、第1の角度θ704は、120度以下であってよい。これは、流通管700の追加の断面積を最大にすることができる。さらに、流通管の尖った部分は、3D印刷のための自己支持型の流通管の設計をもたらすことができる。
【0092】
図8が、さらなる例による流通管800の断面を示している。流通管800は、流通管700に似ているが、管外壁802が第6の実質的に平坦な部分を含むという追加の特徴を備えている。第5の実質的に平坦な部分806eおよび第6の実質的に平坦な部分806fが、第2の角度θ804を形成している。流通管800の流通管外壁802は、六角形の形態を取り、第1および第2の実質的に平坦な部分706aおよび706bが、第1の角度θ704によって定められる第1の尖った部分を形成し、第5の実質的に平坦な部分806eおよび第6の実質的に平坦な部分806fが、第2の角度θ804によって定められる。
【0093】
流通管800は、振動式計器の全体サイズを増大させることなく、流通管700と比べて追加の断面積を可能にすることができる。
【0094】
いくつかの例において、第2の角度θ804は、第1の角度θ704に等しくてよい。これにより、流れの方向を横切る方向において対称な流通管の断面を提供することができる。
【0095】
いくつかの例においては、上記の式1に関して説明したように、第1の尖った部分816aから第2の尖った部分816bまでの高さh514は、
【0096】
【数6】
であり、第1の尖った部分816aは、第1の実質的に平坦な部分706aおよび第2の実質的に平坦な部分706bによって形成され、第2の尖った部分816bは、第5の実質的に平坦な部分806eおよび第6の実質的に平坦な部分806fによって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径dである。
【0097】
図9が、さらなる例による流通管900の断面を示している。流通管900は、流通管800のマルチチャネル版である。流通管900は、管外壁802の内側に囲まれ、管外壁802に結合した第1のチャネル隔壁908aを含み、第1のチャネル隔壁908aと管外壁802とによって流通管内に第1のチャネル910aおよび第2のチャネル910bが形成されている。
【0098】
いくつかの例において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。
【0099】
いくつかの例においては、第2のチャネル隔壁908bが、管外壁802の内側に囲まれ、管外壁802に結合でき、第2のチャネル隔壁908bは、流通管において第2のチャネル910bおよび第3のチャネル910cを分割する。
【0100】
いくつかの例において、第2のチャネル隔壁は、実質的に平坦かつ第1のチャネル隔壁に実質的に平行であってよい。
【0101】
いくつかの例において、第1および第2の角度θおよびθ、ならびに404、504a、504b、704、および804によって定められる流通管400、500、600、700、800、および900の尖った部分は、流通管130、130’の長手方向の全長に沿って含まれてよい。しかしながら、さらなる例において、第1および第2の角度θおよびθ、ならびに404、504a、504b、704、および804は、流通管130、130’の長手方向の長さの一部分のみに沿って含まれてもよい。他の部分は、例えば円形、または当業者に知られた任意の他の断面であってよい。
【0102】
図10が、一例による方法1000を示している。方法1000はステップ1002で始まる。ステップ1002においては、管外壁を有する流通管が用意される。管外壁は、第1の実質的に平坦な部分と、第1の実質的に平坦な部分に第1の角度θを形成するように結合した第2の実質的に平坦な部分と、第1の湾曲部分とを備える。例えば、管外壁402、502は、第1の角度θ404、504aを形成するように結合した第1の実質的に平坦な部分406a、506aおよび第2の実質的に平坦な部分406b、506bと、第1の湾曲部分406c、506cとを含む。
【0103】
方法1000はステップ1004に続く。ステップ1004においては、ドライバが流通管に結合させられる。例えば、ドライバ180を、流通管130、130’、400、500、600、800、または900に結合させることができる。いくつかの例においては、ドライバ180を、流通管に溶接され、ろう付けされ、接着され、あるいは固定される取り付けブラケットを使用して流通管に結合させることができる。さらなる例においては、取り付けブラケット、またはドライバの一部が、流通管と一体であってもよい。さらなる例においては、ドライバ180を、当業者に知られた任意の技術を使用して流通管に結合させることができる。
【0104】
方法1000はステップ1006に続く。ステップ1006においては、ピックオフが流通管に結合させられる。例えば、ピックオフ170l、170rを、流通管130、130’、400、500、600、800、または900に結合させることができる。ステップ1004と同様に、ピックオフ170l、170rを、流通管に溶接され、ろう付けされ、接着され、あるいは固定される取り付けブラケットを使用して流通管に結合させることができる。さらなる例においては、取り付けブラケット、またはピックオフ170l、170rの一部が、流通管と一体であってもよい。さらなる例においては、ピックオフ170l、170rを、当業者に知られた任意の技術を使用して流通管に結合させることができる。
【0105】
方法1000のいくつかの例において、流通管の周囲は、第2の湾曲部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第2の角度θを形成するように第3の実質的に平坦な部分に結合した第4の実質的に平坦な部分とをさらに含むことができ、管外壁は、第2の湾曲部分、第3の湾曲部分、および第4の実質的に平坦な部分をさらに備える。例えば、流通管500の管外壁502は、第2の湾曲部分506fと、第2の角度θ504bを定める第3および第4の実質的に平坦な部分506d、506eとを含むことができる。
【0106】
図11が、一例による方法1100を示している。方法1100はステップ1102で始まる。ステップ1102においては、第1の実質的に平坦な部分と、第1の角度θを形成するように第1の実質的に平坦な部分に結合した第2の実質的に平坦な部分と、第3の実質的に平坦な部分と、第4の実質的に平坦な部分と、第5の実質的に平坦な部分とを備える管外壁を有する流通管が用意される。例えば、流通管700は、第1の角度θ704を形成する第1および第2の実質的に平坦な部分706a、706bと、第3、第4、および第5の実質的に平坦な部分706c、706d、および706eとを含む管外壁702を備えることができる。
【0107】
方法1100は、ステップ1104および1106に続く。ステップ1104および1106は、ステップ1004および1006と同様である。ステップ1104においては、ドライバが流通管に結合させられる。ステップ1106においては、ピックオフが流通管に結合させられる。
【0108】
方法1100のいくつかの例において、管外壁は、第6の実質的に平坦な部分をさらに備えてもよく、第5の実質的に平坦な部分および第6の実質的に平坦な部分は、第2の角度θを形成する。例えば、流通管800および900が、第2の角度θ804を形成するように第6の実質的に平坦な部分806fを含むことができる。
【0109】
方法1000および1100は、第1の角度θまたは第2の角度θによって定められる1つ以上の尖った部分のもとで拡大された断面積をもたらす流通管の製造を可能にすることができる。これにより、追加の流れを有する流通管の製造をもたらすことができる。
【0110】
方法1000または1100のいくつかの例において、第1の角度θは、100度以下であってよい。方法1000または1100のさらなる例において、第1の角度θは、120度以下であってよい。これにより、追加の材料支持体を必要とせずに3D印刷することができる流通管の製造を可能にすることができる。
【0111】
方法1000または1100のいくつかの例において、第1の角度θは、第2の角度θに等しくてもよい。これにより、流体の流れを横切る方向に対称性を有する流通管の製造を可能にすることができる。
【0112】
方法1000または1100のいくつかの例においては、上記の式1に関して説明したように、第1の尖った部分816aから第2の尖った部分816bまでの高さhが、
【0113】
【数7】
であってよく、第1の尖った部分816aは、第1の実質的に平坦な部分706aおよび第2の実質的に平坦な部分706bによって形成され、第2の尖った部分816bは、第5の実質的に平坦な部分806eおよび第6の実質的に平坦な部分806fによって形成され、dは、第1の尖った部分から第2の尖った部分までの高さhに垂直な管外壁の最大直径d(204)である。
【0114】
方法1000または1100のいくつかの例においては、第1のチャネル隔壁が、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合していてよく、第1のチャネル隔壁と管外壁とによって流通管内に第1のチャネルおよび第2のチャネルが形成される。
【0115】
方法1000または1100のいくつかの例において、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦であってよい。
【0116】
方法1000または1100のいくつかの例においては、第2のチャネル隔壁が、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合していてよく、第2のチャネル隔壁は、流通管において第2のチャネルおよび第3のチャネルを分割する。
【0117】
追加の断面積を有するマルチチャネル流通管の製造を提供することにより、チャネル隔壁の壁の幅によって失われた断面積を補償することが可能になる。
【0118】
本明細書に開示の装置および方法は、流通管の断面積を増加させつつ、計器の精度を維持する役に立つことができる。したがって、流通管300、400、500、600、700、800、および900を既存の振動式計器の設計に後付けして、より大きい断面積直径に関連する利点を実現することができる。加えて、流通管300、400、500、600、700、800、および900は、追加の支持材料を設けることを必要とせずに、付加製造によってより容易に製造することができる。
【0119】
以上の例の詳細な説明は、本発明の発明者が本出願の技術的範囲に含まれると考えるすべての例を述べ尽くすものではない。実際、当業者であれば、上述の例の特定の要素をさまざまに組み合わせ、あるいは取り除いて、さらなる例を生み出すことが可能であり、そのようなさらなる例が、本出願の技術的範囲および教示に包含されることを、理解できるであろう。また、上述の例を全体的または部分的に組み合わせて、本出願の技術的範囲および教示の範囲内のさらなる例を生み出すことができることも、当業者にとって明らかであろう。したがって、本出願の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11