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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】コンパクトな振動式流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
G01F1/84
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020521953
(86)(22)【出願日】2017-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 US2017059750
(87)【国際公開番号】W WO2019089032
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュロッサー, マーティン アンドリュー
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04879910(US,A)
【文献】特開2009-008695(JP,A)
【文献】特開平07-083721(JP,A)
【文献】特表平05-508478(JP,A)
【文献】米国特許第05060523(US,A)
【文献】米国特許第05230254(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0112009(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0272200(US,A1)
【文献】米国特許第06722209(US,B1)
【文献】特開平06-235652(JP,A)
【文献】特開平11-230804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口(210)と、
流出口(210')と、
中央導管部(212C)に流体が行き来可能に連結された入口脚部(212A)を有する第1の導管(208A)であって、中央導管部(212C)は更に出口脚部(212'A)に流体が行き来可能に連結された第1の導管(208A)と、
中央導管部(212'C)に流体が行き来可能に連結された入口脚部(212B)を有する第2の導管(208B)であって、中央導管部(212'C)は更に出口脚部(212'B)に流体が行き来可能に連結された第2の導管(208B)と、
入口脚部(212A、212B)及び出口脚部(212'A、212'B)に連結されたマニホールド本体(206)と、
マニホールド本体(206)に連結されて、第1及び第2の導管(208A、208B)を振動させるように作動可能であるドライバ(214)を備え、
マニホールド本体(206)と第1の導管(208A)と第2の導管(208B)はマニホールドを構成し、
流入口(210)は第1の導管(208A)の第1の端部及び第2の導管(208B)の第1の端部に流体が行き来可能に連結され、流出口(210')は第1の導管(208A)の第2の端部及び第2の導管(208B)の第2の端部に流体が行き来可能に連結された、流量計
(200)。
【請求項2】
マニホールド本体(206)に連結される第2のドライバ(214)を備える、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項3】
前記ドライバ(214)は、第1の導管(208A)に結合された第1のドライバ要素(216)と、マニホールド本体(206)に結合された第2のドライバ要素(218)とを備える、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項4】
更なる第1のドライバ要素(216)が第2の導管(208B)に結合された、請求項2に記載の流量計(200)。
【請求項5】
更なる第1のドライバ要素(216)が第2の導管(208B)に結合され、更なる第2のドライバ要素がマニホールド本体(206)に結合される、請求項2に記載の流量計(20
0)。
【請求項6】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、夫々の曲げ軸の周りで反対方向に駆動されるように構成される、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項7】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、流体流路全体を通して一定の断面積を維持する、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項8】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、流体流路全体を通して断面が一定の水力直径を維持する、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項9】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、X、Y及びZ平面において対称であるように構成される、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項10】
前記入口脚部(212A、212B)は第1の断面形状を有し、前記中央導管部(212C、212'C)は、第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する、請求項1に記載の流量計(200)。
【請求項11】
少なくとも1つの断面形状が六角形である、請求項10に記載の流量計(200)。
【請求項12】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、夫々の曲げ軸の周りで反対方向に駆動されるように構成される、請求項10に記載の流量計(200)。
【請求項13】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、流体流路全体を通して一定の断面積を維持する、請求項10に記載の流量計(200)。
【請求項14】
第1及び第2の導管(208A、208B)は、流体流路全体を通して断面が一定の水力直径を維持する、請求項10に記載の流量計(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は流量計に関し、特にコンパクトな流量計及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、振動式デンシトメータ及びコリオリ式流量計の如き振動式センサが、一般的に知られており、流量計の導管を流れる物質の質量流量及び他の情報を測定するために用いられている。コリオリ式流量計の代表例が、J.E.スミスらに発行されている米国特許第4,109,524号、米国特許第4,491,025号及び再発行特許第31,450号に開示されている。これらの流量計は、直線構造又は曲線構造を有している1つ以上の導管を備えている。コリオリ式質量流量計の各導管構造は、例えば単純曲げモード、ねじれモード又は結合タイプでありうる一組の固有振動モードを有している。各導管を好ましいモードで振動させることができる。
【0003】
流量計の入口側にて接続されたパイプラインから流量計内への物質流れは、導管を通って向けられ、流量計の出口側を通って流量計を出る。振動システムの固有振動モードは部分的に、導管の質量及び導管内を流れる物質の組み合わせ質量によって規定される。
【0004】
流量計に何も流れていないとき、振動力が導管に加えられると、導管に沿った全ての部位が、同一位相で振動するか、又は、小さな「ゼロオフセット」で振動し、該ゼロオフセットはゼロ流量で測定される時間遅れである。流量計に物質が流れ始めると、コリオリの力により、導管に沿った各部位が異なる位相を有する。例えば、流量計の入口端部での位相は中央のドライバの位置の位相より遅れ、然るに流出口での位相は中央のドライバの位置の位相よりも進んでいる。導管上のピックオフは導管の運動を表す正弦波信号を発生する。ピックオフから出力される信号は処理されてピックオフ間の時間遅れを決定する。2つ以上のピックオフ間の時間遅れは、導管を流れる物質の質量流量に比例する。
【0005】
ドライバに接続されているメータ電子機器は、駆動信号を出力してドライバを動作させ、ピックオフから受信する信号から物質の質量流量及び他の特性を決定する。ドライバは、複数の周知の構成のうちの1つの構成を有しうる。しかし、流量計の産業界において、マグネット及びそれに対向する駆動コイルは非常に成功している。交流が、駆動コイルに流され、所望の流れチューブの振幅及び振動数で導管を振動させる。また当該技術分野において、ドライバの構成と極めて同じようにマグネットとコイルとが配置されたピックオフを提供することが知られている。しかし、ドライバが動作を誘発する電流を受け取り、ピックオフがドライバにより提供される運動を用いて電圧を誘発させることができる。ピックオフにより測定される時間遅れの大きさは非常に小さく、ナノセカンド単位で測られることが多い。従って、トランスデューサの出力が非常に正確であることが必要となる。
【0006】
従来技術の流量計は一般的に2つの導管を使用し、各導管は円形の断面を有する。コリオリの力を測定するために、一般に導管に曲げ部が形成され、これにより、流量計が設置されているプロセスラインに対して、流量計の設置面積が非常に大きくなる。
【0007】
従って、流量計の外形を小さくする方法及び関連する装置に対するニーズが当該技術分野にある。流量計において、広範囲の流量に対して正確な流量測定値を取得でき、しかもコンパクトであるように、最小の流体速度を維持する方法及び関連する装置に対するニーズがある。
【0008】
本発明はこれらの問題及び他の問題を克服し、当該技術分野における進歩が達成される。提供されているセンサは、所定の円形の断面積を持つケース内のスペースをコンパクトで効果的に使用できるように構成されている。更に、センサは中心線に沿ってバランスが取れており、ケースとは独立して機能するため、重量があり、高価で、高減衰のケースが不要になる。
【発明の概要】
【0009】
流入口及び流出口を有する流量計が提供される。入口脚部を有する第1の導管は、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部を有する第2の導管は、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。流入口は第1の導管の第1の端部及び第2の導管の第1の端部に流体が行き来可能に連結され、流出口は第1の導管の第2の端部及び第2の導管の第2の端部に流体が行き来可能に連結される。マニホールドは、入口脚部及び出口脚部に流体が行き来可能に連結される。ドライバは、マニホールドに連結されて、ドライバは第1及び第2の導管を振動させるように作動可能である。
【0010】
流入口及び流出口を有する流量計が提供される。入口脚部を有する第1の導管は、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部を有する第2の導管は、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。流入口は第1の導管の第1の端部及び第2の導管の第1の端部に流体が行き来可能に連結され、流出口は第1の導管の第2の端部及び第2の導管の第2の端部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部は第1の断面形状を有し、中央導管部は、第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する。
【0011】
態様
一態様に従って、流量計は流入口と、流出口と、中央導管部に流体が行き来可能に連結された入口脚部を有する第1の導管を備え、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部を有する第2の導管は、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。流入口は第1の導管の第1の端部及び第2の導管の第1の端部に流体が行き来可能に連結され、流出口は第1の導管の第2の端部及び第2の導管の第2の端部に流体が行き来可能に連結される。マニホールド本体は、入口脚部及び出口脚部に連結される。マニホールド本体と第1の導管と第2の導管はマニホールドを構成する。ドライバは、マニホールド本体に連結されて、ドライバは第1及び第2の導管を振動させるように作動可能である。
【0012】
好ましくは、流量計はマニホールド本体に連結される第2のドライバを備える。
好ましくは、ドライバは、第1の導管に結合された第1のドライバ要素と、マニホールド本体に結合された第2のドライバ要素とを備える。
好ましくは、更なる第1のドライバ要素が第2の導管に結合されている。
【0013】
好ましくは、更なる第1のドライバ要素が第2の導管に結合され,更なる第2のドライバ要素がマニホールド本体に結合される。
好ましくは、第1及び第2の導管は、夫々の曲げ軸の周りで反対方向に駆動されるように構成される。
【0014】
好ましくは、第1及び第2の導管は、流体流路全体を通して一定の断面積を維持する。
好ましくは、第1及び第2の導管は、流体流路全体を通して断面が一定の水力直径を維持する。
好ましくは、第1及び第2の導管は、X、Y及びZ平面において対称であるように構成される。
【0015】
一態様に従って、流量計は流入口と流出口とを備える。入口脚部を有する第1の導管が、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部を有する第2の導管が、中央導管部に流体が行き来可能に連結され、中央導管部は更に出口脚部に流体が行き来可能に連結される。流入口は第1の導管の第1の端部及び第2の導管の第1の端部に流体が行き来可能に連結され、流出口は第1の導管の第2の端部及び第2の導管の第2の端部に流体が行き来可能に連結される。入口脚部は第1の断面形状を有し、中央導管部は、第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する。
【0016】
好ましくは、流量計は入口脚部及び出口脚部に連結されるマニホールド本体を備える。
好ましくは、出口脚部は、第1及び第2の断面形状とは異なる第3の断面形状を有する。
好ましくは、少なくとも1つの断面形状が六角形である。
好ましくは、第1及び第2の導管は、夫々の曲げ軸の周りで反対方向に駆動されるように構成される。
【0017】
好ましくは、第1及び第2の導管は、流体流路全体を通して一定の断面積を維持する。
好ましくは、第1及び第2の導管は、流体流路全体を通して断面が一定の水力直径を維持する。
好ましくは、第1及び第2の導管は、夫々の曲げ軸の周りで反対方向に駆動されるように構成される。
好ましくは、第1及び第2の導管は、X、Y及びZ平面において対称であるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来技術の振動式センサアセンブリを示す。
図2】実施形態に従った振動計を示す。
図3】実施形態に従ったセンサアセンブリの断面図である。
図4】実施形態に従ったセンサアセンブリの他の断面図である。
図5】実施形態に従ったセンサアセンブリの他の断面図である。
図6A】実施形態に従ったセンサアセンブリの実施形態の曲げ軸を示す図である。
図6B】誇張された曲げモードを示すセンサアセンブリの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1-図6B及び下記の記載には、発明の最良のモードを作成及び利用する方法を当業者に教示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化又は省略されている。当業者は、これらの実施形態の変形例もまた本発明の技術範囲内に含まれることを理解するだろう。当業者は、下記の記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできることを理解するだろう。その結果、出願は下記に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその他の均等物によってのみ限定される。
【0020】
図1は、コリオリ流量計の形態の流量計5の一例を示し、流量計5は、センサアセンブリ10と1つ以上のメータ電子機器20とを備える。1つ以上のメータ電子機器20は、センサアセンブリ10に接続される例えば密度、質量流量、体積流量、合計質量流量、温度などの流動材料の特性及び他の情報を測定する。流量計5は、密度計、コリオリ流量計、又は当該技術分野で知られている他の任意の振動計である。
【0021】
センサアセンブリ10は、一対のフランジ101及び101'、マニホールド102及び102'、ならびに導管103A及び103Bを含む。マニホールド102、102'が導管103A、103Bの両端に固定されている。本実施形態のフランジ101、101'は、マニホールド102、102'に固定されている。スペーサ106は、この例ではマニホールド102と102'との間の間隔を維持して導管103A及び103B内の望ましくない振動を防止する。導管103A及び103Bは、マニホールドから外向きに大凡平行に延びる。センサアセンブリ10が流動材料を運ぶパイプラインシステム(図示せず)に挿入されると、流動材料はフランジ101を通ってセンサアセンブリ10に入り、入口マニホールド102を通って、流動材料の全量は導管103A及び103Bに入るように向けられ、導管103A及び103Bを通って流れて出口マニホールド102'に戻り、そこからフランジ101'を通ってセンサアセンブリ10を出る。
【0022】
センサアセンブリ10はドライバ104を含む。ドライバ104は、駆動モードにおいてドライバ104が導管103A、103Bを振動させることができる位置で導管103A、103Bに固定されている。特に、ドライバ104は、導管103Aに固定された第1のドライバ要素(図示せず)と、導管103Bに固定された第2のドライバ要素(図示せず)とを含む。ドライバ104は、導管103Aに取り付けられた磁石及び導管103Bに取り付けられた対向コイルなど、多くの周知の構成のうちの1つを備える。
【0023】
本実施形態において、駆動モードは、第1の位相ずれ曲げモードであり、導管103A及び103Bは、夫々実質的に同じ質量分布、慣性モーメント、及び曲げ軸W-W及びW’-W周りの弾性率を有する平衡システムを提供するように選択され、入口マニホールド102及び出口マニホールド102'に適切に取り付けられることが好ましい。
本実施形態において、駆動モードは、第1の位相ずれ曲げモードであり、導管103A及び103Bは、それぞれの曲げ軸W-W及びW’-W’の周りに反対方向にドライバ104によって駆動される。交流の形態の駆動信号は、例えばリード110を介して1つ以上のメータ電子機器20によって提供され、コイルを通過して両方の導管103A、103Bを振動させることができる。
【0024】
図示のセンサアセンブリ10は、導管103A、103Bに固定された一対のピックオフ105、105'を含む。特に、第1のピックオフ要素(図示せず)は導管103Aに配置され、第2のピックオフ要素(図示せず)は導管103Bに配置されている。記載された実施形態にて、ピックオフ105、105'は電磁検出器、例えば導管103A、103Bの速度及び位置を表すピックオフ信号を生成するピックオフ磁石及びピックオフコイルであり得る。例えば、ピックオフ105、105'は、経路111、111'を介してピックオフ信号を1つ又は複数のメータ電子機器20に供給する。当業者は、導管103A、103Bの動きが流動材料の特定の特性、例えば導管103A、103Bを通って流れる材料の質量流量及び密度に比例することを理解するであろう。
【0025】
図1に示す従来技術の例において、1以上のメータ電子機器20はピックオフ105、105'からピックオフ信号を受信する。経路26は、1以上のメータ電子機器20がオペレータと通信することを可能にする入力及び出力手段を提供する。1つ又は複数のメータ電子機器20は、例えば、位相差、周波数、時間遅延、密度、質量流量、体積流量、合計質量流量、温度、メータ検証などの流動材料の特性、及び/又はその他の情報を測定する。特に、1つ又は複数のメータ電子機器20は、例えばピックオフ105、105'及び1つ又は複数の測温抵抗体(RTD)などの温度センサ107から1つ又は複数の信号を受信し、この情報を使用して、流動材料の特性を測定する。図中の共通の番号付けは、従来技術の流量計と本明細書に提示される実施形態との間で共通の特徴を示す。
【0026】
流量計200の実施形態が図2に提供される。センサアセンブリ202が提供される。センサアセンブリ202は、一対のフランジ204及び204'、マニホールド本体206及び導管208A及び208Bを含み、これらは集合してチューブセットを形成する。マニホールド本体206は、流入口210及び流出口210'、入口脚部212A、212B及び出口脚部212'A、212'Bに結合される。流路は主に、流入口210及び流出口210'、ならびに入口脚部212A、212B及び出口脚部212'A、212'Bを含む導管208A及び208B全体として画定される。入口脚部212A、212B及び出口脚部212'A、212'Bは、両脚部の間に夫々の導管208A及び208B上に配置された中央導管部212C、212'C(図3参照)を有する。従来技術の流量計では、マニホールド102、102'は、通常、多数部品のアセンブリであるが、本実施形態では、図示のように、マニホールド本体206は、導管208A及び208Bとともにマニホールドを構成することができる。しかし、これは全ての実施形態に厳密に必要ではない。2つの導管208A及び208Bが示されているが、3つ以上の導管を有する流量計200と同様に、1つの導管を有する流量計200が考えられる。
【0027】
センサアセンブリ202がプロセス材料を運ぶパイプラインシステム(図示せず)に挿入されると、材料は、入口オリフィス226を介してセンサアセンブリ202の流入口210に入り、マニホールド本体206を通過し、両方の入口脚部212A、212Bを通過し、プロセス材料は、導管208A及び208Bのセクションに入り、導管208A及び208Bのセクションを通って出口脚部212'A、212'Bに流れ、マニホールド本体206に戻るように向けられる。ここから、プロセス材料は、流出口210'に入り、出口オリフィス226'(図2では見えない)を通ってセンサアセンブリ202から出る。
【0028】
このセンサアセンブリ202の構成は中心線に沿ってバランスが取れており、ケース224とは独立して機能する。従って、ケースは二次容器を必要とせず、幾つかの現在の従来技術の流量計の場合のように、最適な機能のために重いまたは強く減衰されたケース構造が必要とされないので、実施形態では、軽量なシリンダでさえ、センサアセンブリ202を封入するために十分に機能し得る。また、導管の配置は、X、Y及びZ平面に対称性があるように構成され得ることも明らかであろう。
【0029】
図3に関連して、センサアセンブリ202はドライバ214を備える。示された実施形態において、センサアセンブリ202は多数のドライバ214を用いる。しかし、各導管(208A、208B)を駆動する1つのドライバを備えた実施形態が考えられる。一実施形態において、ドライバ214は、ドライバ214が駆動モードで導管208A、208Bを振動させることができる位置にて、マニホールド本体206ならびに導管208A及び208Bに取り付けられる。特に、ドライバ214は、導管208A、208Bに結合された第1のドライバ要素216と、マニホールド本体206に結合された第2のドライバ要素218とを含む。一実施形態にて、ドライバ214は、導管208Aに結合された第1のドライバ要素216と、反対側の導管208Bに結合された更なる第1のドライバ要素216とを含む。他の実施形態において、1つのドライバ215で両方の導管を振動させる。他の実施形態において、各導管(208A、208B)を駆動するためにドライバが提供され、各ドライバの一部が各導管(208A、208B)に結合される。
【0030】
ドライバ214は、導管208Aに取り付けられた磁石、及び対向する導管208B又はマニホールド本体206に取り付けられた対向するコイルなど、多くの周知の構成のうちの1つを含むことができる。ドライバ214は、導管208Aに取り付けられたコイル及びマニホールド本体206に取り付けられた対向する磁石などの構成も含むことができる。ドライバは、マニホールド本体に取り付けられた単一のコイル又は磁石を含むことができ、各導管(208A、208B)は夫々ドライバによって駆動され得る磁石又はコイルを含む。
【0031】
幾つかの実施形態において、駆動モードは第1の位相ずれ曲げモードであり、例えば図6Aに示すように、実質的に曲げ軸周りの同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を夫々有する平衡システムを提供するように、導管208A及び208Bが選択され、マニホールド本体206に適切に取り付けられる。本例において、駆動モードが第1の位相ずれ曲げモードである場合、導管208A及び208Bは、夫々の曲げ軸W-W及びW’-W’の周りで反対方向にドライバ214によって駆動される。交流の形の駆動信号は、例えばリード110を介するなどして1つ以上のメータ電子機器20によって提供され、コイルを通過して両方の導管208A、208Bを振動させることができる。図6Bは、明確化の目的から、非常に誇張された導管208A、208Bの動きを示している。
【0032】
示されたセンサアセンブリ202は、導管208A、208Bに取り付けられている一対のピックオフ220、220'を含む。特に、第1のピックオフ要素222Aは、導管208A上に配置され、第2のピックオフ要素222Bは、導管208B上に配置される。更に、第1のピックオフ要素222'は導管208A上に配置され、第2のピックオフ要素222'Bは導管208B上に配置される。記載された実施形態にて、ピックオフ220、220'は、例えば、電磁検出器であってもよく、導管208A、208Bの速度及び位置を表すピックオフ信号を生成するピックオフ磁石及びピックオフコイルであってもよい。
例えば、図1に示すように、ピックオフ220、220'は、ピックオフ信号を1つ以上のメータ電子機器20に供給することができる。当業者は、導管208A、208Bの動きが、流れ材料の特定の特性、例えば導管208A、208Bを通って流れる材料の質量流量及び密度に比例することを理解するであろう。
【0033】
図2に示された実施形態において、流入口及び流出口210、210'は、ピックオフ220、220'を収容するために流体経路に流れスプリット230(出口210'に隣接してのみ見える)を含み、これにより、ピックオフ220、220'をセンサアセンブリ202の垂直方向の中心に置くことがさらに可能になる。これらのスプリット230は、実施形態ではなくてもよい。
【0034】
図1に示す従来技術の例において、1以上のメータ電子機器20は、ピックオフ105、105'からピックオフ信号を受信する。経路26は、1以上のメータ電子機器20がオペレータと通信することを可能にする入力及び出力手段を提供する。1以上のメータ電子機器20は、例えば、位相差、周波数、時間遅延、密度、質量流量、体積流量、合計質量流量、温度、メータ検証、圧力などの流れ材料の特性、及び/又はその他の情報を測定する。特に、1つ又は複数のメータ電子機器20は、例えばピックオフ105、105'及び1つ又は複数の測温抵抗体(RTD)などの温度センサ107から1つ又は複数の信号を受信し、この情報を使用して、流れ材料の特性を測定する。本流量計200は同様の枠組みを備えるが、これらの態様は明瞭化の為、図2図6Bから省略されている。
【0035】
実施形態に従って、流量計200の構成は、機械加工、押し出し、溶接、ろう付け、積層造形、および当技術分野で知られている任意の他の構成技術を含むことができる。センサアセンブリ202は、コンパクトな構成を可能にする導管208A、208Bを使用し、従って、封入パイプ又はケース224(図2)内の空間を効果的に使用する。センサアセンブリ全体を円形断面のケース(即ち、シリンダ)に収める機能を提供することにより、製造が容易であり、製造コストが大幅に削減される。更に、二次格納容器(図示せず)が、特定の流量計200に容易に組み込まれる。図示の形状を有するセンサアセンブリ202は、一般に低周波数センサに関連する、流れに対する高い感度を示すが、依然として比較的高い駆動周波数を有し、これは良好なゼロ安定性に有益である。
【0036】
図5に戻り、一実施形態に従ったセンサアセンブリ202の断面が示されている。一実施形態において、センサアセンブリ202は流れセンサの流路を通る一定の断面積を維持する。しかしながら、非円形断面の流路を通るプロセス流体の速度は、その水力直径(hydraulic diameter)(ある流路の断面と等価な円管の直径)を計算することによって概算される。従って、代替の実施形態にて、一定の断面の水力直径がセンサアセンブリを通して維持される。
一実施形態にて、一定の断面の水力直径は、以下の式に従って、断面積と各セグメントの囲まれた周囲長さの間の関係に制約される。
4×断面積/周囲長さ=水力直径 (式1)
しかし、他の式が用いられて、断面の水力直径を計算することができ、(式1)は例示のみである。
【0037】
本実施形態と高い流れ感度を有した比較的低い周波数の流量計(~80Hz)である、同等のサイズの従来技術の流量計との間の流れ感度を比較する更なるモデリング実験が行われた。提供される実施形態の形状は、比較的高い駆動周波数(約235Hz)を有するセンサアセンブリ202をもたらし、これは、より低い流れ感度及びより高いセンサ安定性に従来から関連するが、それでも比較的高い流れ感度を維持する。
特に提供される実施形態は、従来技術の流量計よりも約25%大きい流れ感度を依然として有しながら、従来技術の流量計(より大きな安定性をもたらす)の約3倍の駆動周波数を有するセンサアセンブリ202をもたらす。実施形態にて、駆動周波数は175Hzと260Hzの間である。他の実施形態では、駆動周波数は140Hzと295Hzの間である。他の実施形態では、駆動周波数は110Hzと325Hzの間である。この周波数範囲は単なる例であって、本実施形態の動作の潜在的な周波数範囲を決して限定すべきではない。
【0038】
上述の本発明は、可変的に調節される流れ導管に関連する様々なシステム及び方法を提供する。上記の様々な実施形態は、流量計、具体的にはコリオリ流量計を対象としているが、本発明は、コリオリ流量計に限定されるべきではなく、本明細書に記載される方法は、他のタイプの流量計、またはコリオリ流量計の幾つかの測定能力を欠く他の振動式センサとともに利用され得ることを理解されたい。
【0039】
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅するものではない。実際、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成要素をさまざまに組み合わせて又は除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲内、教示範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術、教示の範囲に含まれるさらなる実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的に又は部分的に組み合わせてもよい。
【0040】
従って、特定の実施形態が説明の目的のためにここに記述されているが、当業者が認識するように、様々な等価な修正は現在の記述の範囲内で可能である。ここに提供される開示は、他の振動式センサに適用可能であり、上記に記載され添付の図面に示された実施形態だけではない。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B