(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】自動車投光装置のライトモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 41/43 20180101AFI20220128BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20220128BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20220128BHJP
F21S 41/24 20180101ALI20220128BHJP
F21S 41/275 20180101ALI20220128BHJP
F21S 41/265 20180101ALI20220128BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220128BHJP
F21W 102/10 20180101ALN20220128BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20220128BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220128BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20220128BHJP
【FI】
F21S41/43
F21S41/143
F21S41/151
F21S41/24
F21S41/275
F21S41/265
F21Y115:10
F21W102:10
F21Y105:00
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:55
F21W104:00
(21)【出願番号】P 2020562752
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2019062255
(87)【国際公開番号】W WO2019224041
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ケメットミュラー、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】マンドル、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】モーゼル、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】バウアー、フリートリヒ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0350568(US,A1)
【文献】特開2004-207240(JP,A)
【文献】特開2000-040412(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0226142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/43
F21S 41/143
F21S 41/151
F21S 41/24
F21S 41/275
F21S 41/265
F21Y 115/10
F21W 102/10
F21Y 105/00
F21W 103/20
F21W 103/10
F21W 103/55
F21W 104/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光装置のライトモジュールであって、
該ライトモジュールは、
*)少なくとも1つの光源(1)、及び、
*)少なくとも1つの投影装置(2)
を含み、
投影装置(2)は、入射光学系(21)と出射光学系(22)を含み、
*)入射光学系(21)は、入射光学系(21)と出射光学系(22)の間に位置し投影装置(2)の光軸を実質的に横切る方向に延在する中間像面に少なくとも1つの光源(1)から放射される光から中間像を形成するよう構成され、
*)出射光学系(22)は、ライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第1のタイプの光分布の形で中間像を結像するよう、構成されており、
・少なくとも1つの付加的な光源―以下「付加光源」という―(3a、3b、3c、3d)が設けられており、少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)は、入射光学系(21)と出射光学系(22)の間に光を放射しかつ中間像面に付加的中間像を生成するよう、構成されており、
・出射光学系(22)は、少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)によって生成される付加的中間像をライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第2のタイプの光分布の形で結像するよう、構成されており、
・入射光学系(21)と少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)は、少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)によって生成される付加的中間像が、少なくとも1つの光源(1)から放射される光から入射光学系(21)によって形成される中間像と重ならないよう、構成されかつ互いに対し関係付けられていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のライトモジュールにおいて、
少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)は、投影装置(2)の光軸に対し実質的に平行なコリメートされた光を生成するよう、構成されていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のライトモジュールにおいて、
入射光学系(21)と出射光学系(22)は、投影装置(2)の光軸を横切る方向に延在する面に配された複数のマイクロ入射光学系(210)ないし複数のマイクロ出射光学系(220)のマトリックス状のアレイ―以下「マイクロ入射光学系アレイ」ないし「マイクロ出射光学系アレイ」という―として構成されていること、
各マイクロ入射光学系(210)は、少なくとも1つ
のマイクロ出射光学系(220)に、これらが共通
の光軸を有しかつ1つのマイクロ光学系システムを形成するよう、対応すること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載のライトモジュールにおいて、
少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)は、入射光学系(21)と出射光学系(22)の間に、光を放射するための互いに対し離隔配置された複数の光放射領域(30a、30b、30c、30d)を有し、光放射領域(30a、30b、30c、30d)は投影装置(2)の光軸を実質的に横切る方向に延在する面―以下「光放射面」という―に配されていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のライトモジュールにおいて、
少なくとも1つの付加光源(3a、3b、3c、3d)は、導光要素(31a、31b、31c、31d)と、導光要素に割り当てられた発光手段(32
)を有すること、
光放射領域(30a、30b、30c、30d)は導光要素(31a、31b、31c、31d)に配されていること、
導光要素(31a、31b、31c、31d)は
、投影装置(2)の光軸を実質的に横切る方向に配された導光プレートとして構成されていること、
導光プレートは発光手段(32)の光を入力するための少なくとも1つの光入力面(310a、310c)を有し、発光手段(32)の光は導光プレート内を伝播し、光放射領域において導光プレートから出射すること、
各光放射領域(30a、30b、30c、30d)は
、複数の光出力プリズムを有すること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項6】
請求項3を引用する請求項4又は請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5に記載のライトモジュールにおいて、
マイクロ入射光学系アレイは、光放射領域(30a、30b)に割り当てられ
、フラットに構成された複数の中間領域(211)を有すること
、
光放射領域(30a、30b)は光放射面において市松模様状に分散配置されており、中間領域(211)はマイクロ入射光学系アレイにおいて、光放射領域(30a、30b)が中間領域(211)に後置されているよう、市松模様状に分散配置されていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のライトモジュールにおいて、
中間領域(211)が非透光性に構成されているか又は中間領域に対応する非透光性遮光領域(230)を有する遮光要素(23)が設けられ、遮光要素(23)は少なくとも1つの光源(1)の光に対し該中間領域(211)を遮光すること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のライトモジュールにおいて、
少なくとも1つの付加光源(3a)は入射光学系(21)のための又は出射光学系(22)のための支持体として構成されていること
、
丁度2つの付加光源(3a、3b)が設けられていること、
2つの付加光源のうちの第1の付加光源(3a)は入射光学系(21)を支持し、かつ、2つの付加光源のうちの第2の付加光源(3b)は出射光学系(22)を支持し
、第1の付加光源(3a)の光放射領域(30a)と第2の付加光源(3b)の光放射領域(30b)は、夫々の光放射領域(30a、30b)から生成される光ビームが投影装置(2)の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項9】
請求項6~8の何れかに記載のライトモジュールにおいて、
投影装置(2)は、入射光学系(21)と出射光学系(22)の間に位置する少なくとも1つの絞り装置(7、8)を有し、少なくとも1つの絞り装置(7、8)は、中間領域(211)に対応する貫通部(70)を有し、かつ、中間像を形成するよう及び/又は光学的結像エラーを補正するよう構成されていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項10】
請求項4又は5に記載のライトモジュールにおいて、
第1絞り要素(4、5)が設けられており、第1絞り要素(4、5)は光放射領域(30c、30d)に前置されており、かつ、少なくとも1つの光源(1)の光に対し光放射領域(30c、30d)を遮光すること
、
少なくとも1つの付加光源(3c、3d)の光放射面の光放射領域(30c、30d)は、光学的投影装置(2)の光軸を横切る方向に水平に延伸し、互いに対し垂直方向に関
し離隔配置されたストライプの形状を有し、及び、絞り要素(4、5)はこれらのストライプに対応する非透光性領域(40、50)を有すること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載のライトモジュールにおいて、
丁度2つの付加光源(3c、3d)が設けられていること、
第1の付加光源(3c)は少なくとも第1絞り要素(4、5)を支持し、第2の付加光源(3d)は出射光学系(22)を支持し、第1絞り要素(4、5)は第1の付加光源(3c)の光放射領域(30c)に前置されていること
、
第1の付加光源(3c)の光放射領域(30c)と第2の付加光源(3d)の光放射領域(30d)は、夫々の光放射領域(30c、30d)から生成される光ビーム(300c、300d)が投影装置(2)の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項12】
請求項11に記載のライトモジュールにおいて、
第2絞り要素(6)が設けられており、第2絞り要素(6)は、第2の付加光源(3d)の光放射領域(30d)に前置されており、かつ、第2の付加光源(3d)を遮光するよう及び/又は第1の付加光源(3c)から放射された光を制限するよう構成されていること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項13】
請求項1~12の何れかに記載のライトモジュールにおいて、
予め設定可能な第1のタイプの光分布は、減光ライト用光分布又は遠方ライト用光分
布のような主光分布であり、予め設定可能な第2のタイプの光分布は、以下のような副光分布である、
*連鎖点灯式ライト(Lauflicht)の形で放射されるスタティック型又はダイナミック型の進行方向指示用光分布;
*ポジションライト用光分布;
*少なくとも部分的に連鎖点灯式ライトの形で生成可能な昼間走行ライト用光分布;
*1つ又は複数の同じ又は異なるロゴの形で形成される光分布;
*ウェルカムライト機能用光分布、
但し
、主光分布と副光分布は同時に放射可能であること
を特徴とする、ライトモジュール。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載のライトモジュールを少なくとも1つ有する自動車投光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの主(メイン)ライト機能と少なくとも1つの副(サブ)ライト機能を(好ましくは同時に)実現するための自動車投光装置のライトモジュールであって、該ライトモジュールは少なくとも1つの光源と少なくとも1つの投影装置を含み、投影装置は入射光学系と出射光学系を含み、入射光学系は、入射光学系と出射光学系の間に位置し投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する中間像面に、少なくとも1つの光源から放射される光からの中間像を形成し、出射光学系は、ライトモジュールの前方の領域に、予め設定可能な第1のタイプの光分布の形で中間像を結像するよう、構成されている、ライトモジュールに関する。
【0002】
更に、本発明は、少なくとも1つのそのようなライトモジュールを有する自動車投光装置に関する。
【背景技術】
【0003】
上記の種類のライトモジュールは先行技術から知られている。本出願人の国際出願WO2015/058227A1は、少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源から出射する光を自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布の形で結像する少なくとも1つの投影装置を含む自動車投光装置のマイクロプロジェクションライトモジュールを示している。このライトモジュールにおいては、投影装置は複数のマイクロ入射光学系のアレイから構成される入射光学系と複数のマイクロ出射光学系のアレイから構成される出射光学系を含み、各マイクロ入射光学系は丁度1つのマイクロ出射光学系に割り当てられており、マイクロ入射光学系から出射する光がそれが割り当てられたマイクロ出射光学系のみに入射するようマイクロ入射光学系は構成され及び/又はマイクロ入射光学系とマイクロ出射光学系は互いに対し配置されており、マイクロ入射光学系によって成形された光はマイクロ出射光学系によって自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布として結像される。
【0004】
本出願人の国際出願WO2017/066817A1では、少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源から出射する光を自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布の形で結像する少なくとも1つの投影装置を含む自動車投光装置のマイクロプロジェクションライトモジュールが論じられている。このライトモジュールにおいては、投影装置は、好ましくは1つのアレイに配されている1つ、2つ又は3つ以上のマイクロ入射光学系を有する入射光学系と、好ましくは1つのアレイに配されている1つ、2つ又は3つ以上のマイクロ出射光学系を有する出射光学系を有し、各マイクロ入射光学系は丁度1つのマイクロ出射光学系に割り当てられており、マイクロ入射光学系から出射する実質的にすべての光がそれが割り当てられたマイクロ出射光学系のみに入射するようマイクロ入射光学系は構成され及び/又はマイクロ入射光学系とマイクロ出射光学系は互いに対し配置されており、マイクロ入射光学系によって成形された光はマイクロ出射光学系によって自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布として結像される。
【0005】
更に、本出願人の国際出願WO2017/066818A1は、少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源から出射する光を自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布の形で結像する少なくとも1つの投影装置を含む自動車投光装置のマイクロプロジェクションライトモジュールを示している。このライトモジュールにおいては、投影装置は、好ましくは1つのアレイに配されている1つ、2つ又は3つ以上のマイクロ入射光学系を有する入射光学系と、好ましくは1つのアレイに配されている1つ、2つ又は3つ以上のマイクロ出射光学系を有する出射光学系を含み、各マイクロ入射光学系は丁度1つのマイクロ出射光学系に割り当てられており、マイクロ入射光学系から出射する実質的にすべての光がそれが割り当てられたマイクロ出射光学系のみに入射するようマイクロ入射光学系は構成され及び/又はマイクロ入射光学系とマイクロ出射光学系は互いに対し配置されており、マイクロ入射光学系によって成形された光はマイクロ出射光学系によって自動車の前方の領域に少なくとも1つの光分布として結像され、入射光学系と出射光学系の間には第1の絞り装置が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2015/058227A1
【文献】WO2017/066817A1
【文献】WO2017/066818A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のライトモジュールの欠点は、ただ1つのライトモジュールによって、極めて限定された数の、光分布が生成され従ってライト機能(複数)が実現され得る(但し低効率)ことである。とりわけ、そのようなライトモジュールは、ライトモジュールの同じ光出射面から、進行方向指示(スタティック型又はダイナミック型、例えば連鎖点灯式ライト(Lauflicht)として)、ポジションライト及び/又は昼間走行(デイタイムランニング)ライト(スタティック型又は連鎖点灯式ライトとして)等のような副ライト機能と減光ライト(ロービーム)、遠方ライト(ハイビーム)、アダプティブ・フロントライト・システム(配光可変型前照灯)のライト機能(AFS前照灯のライト機能)のような主ライト機能とを実現する可能性を提供しないことは不利である。
【0008】
本発明の課題は、同じライトモジュールの光出射面から複数のライト機能が、好ましくは同時に生成可能であるよう、従来のライトモジュールを改善すること、ないしはそのようにその構造を拡張することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一視点により、自動車投光装置のライトモジュールが提供される。
該ライトモジュールは、
*)少なくとも1つの光源、及び、
*)少なくとも1つの投影装置
を含み、
投影装置は、入射光学系と出射光学系を含み、
*)入射光学系は、入射光学系と出射光学系の間に位置し投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する中間像面に少なくとも1つの光源から放射される光から中間像を形成するよう構成され、
*)出射光学系は、ライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第1のタイプの光分布の形で中間像を結像するよう、構成されており、
・少なくとも1つの付加的な光源―以下「付加光源」という―が設けられており、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に光を放射しかつ中間像面に付加的中間像を生成するよう、構成されており、
・出射光学系は、少なくとも1つの付加光源によって生成される付加的中間像をライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第2のタイプの光分布の形で結像するよう、構成されており、
・入射光学系と少なくとも1つの付加光源は、少なくとも1つの付加光源によって生成される付加的中間像が、少なくとも1つの光源から放射される光から入射光学系によって形成される中間像と重ならないよう、構成されかつ互いに対し関係付けられていること
を特徴とする(形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の種類のライトモジュールにおいては、少なくとも1つの付加的な光源―以下「付加光源」という―が設けられており、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に光を放射する(この領域に少なくとも1つの付加光源が光を放出する)よう構成されており;出射光学系は、少なくとも1つの付加光源から放射される光を、ライトモジュールの前方の領域に、予め設定可能な第2のタイプの光分布の形で結像するよう、構成されており;入射光学系と少なくとも1つの付加光源は、少なくとも1つの付加光源も少なくとも1つの付加光源から放射される光も中間像を変化しないよう、構成されかつ互いに対し関係付け(対応付け)られている。
【0011】
この場合、少なくとも1つの付加光源によって生成される光は、少なくとも1つの光源の光によって生成される中間像に影響を及ぼさない。好ましくは、少なくとも1つの付加光源は、中間像面に、(少なくとも1つの光源の光によって生成される本来的な)中間像と重なり合わない付加的な/第2の中間像を生成する。
【0012】
少なくとも1つの光源にはコリメータが後置される(下流側に配置される)ことも可能である。
【0013】
それによって、例えば、予め設定可能な第1のタイプの光分布が予め設定可能な第2のタイプの光分布と、これらがライトモジュールの同じ光出射面から放射されるにも拘らず、光像において重なり合わないことが達成(実現)されることができる。そのような光分布は複数の異なるライト機能の実現のために使用されることができる。
【0014】
例えば、入射光学系と少なくとも1つの付加光源は、少なくとも1つの光源から生成される光が第1のビーム路に応じて(又は沿って)、少なくとも1つの付加光源によって生成される光が第2の異なるビーム路に応じて、光学的投影装置を貫通して進行する(伝播する)よう、構成されかつ互いに対し関係付け(対応付け)られることができる。この場合、少なくとも1つの付加光源が第1のビーム路の外部にあり―即ち第1のビーム路内には存在せず―、そのため少なくとも1つの付加光源も少なくとも1つの付加光源から放射される光も中間像を変化しないと、目的に適う。
【0015】
少なくとも1つの付加光源は、投影装置の光軸に対し実質的に平行なコリメートされた光を生成するよう、構成されていると、好都合であり得る。このことは、少なくとも1つの付加光源によって生成される光像に関し、入射光学系と出射光学系との間における、とりわけ中間像面に関する少なくとも1つの付加光源の正確な位置は重要ではなく、そのため、ライトモジュールの調整はより簡単になるという点で、有利である。その上更に、少なくとも1つの付加光源が中間像面に配されていないと、有利であり得る。
【0016】
入射光学系と出射光学系は、光学的投影装置の光軸を横切る(光軸と交差する)方向に(光軸に対し横方向に)延在する面に配された複数のマイクロ入射光学系ないし複数のマイクロ出射光学系のマトリックス状のアレイ―以下「マイクロ入射光学系アレイ」ないし「マイクロ出射光学系アレイ」という―として構成され、各マイクロ入射光学系は、少なくとも1つの、好ましくは丁度1つの、マイクロ出射光学系に、これらが共通の、好ましくは水平に延伸する、光軸を有しかつ1つのマイクロ光学系システムを形成するよう、対応すると、更なる利点が得られる。
【0017】
本発明との関連において、「2つの光学系の共通の光軸」という概念は、これらの2つの光学系の光軸が実質的に一致することと理解される。
【0018】
光出射面における極めて小さな光学系(複数)―マイクロメートル領域の特徴的(charakteristisch)サイズを有するマイクロ光学系(複数)―の使用により、非照明状態でも照明状態でも光出射面のより一様な(均一な)外観がもたらされる。
【0019】
更に、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に、光を放射するための互いに対し離隔配置された複数の光放射領域を有し、光放射領域は投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する面―以下「光放射面」ともいう―に配されることが可能である。これらの面は入射光学系と出射光学系との間に配置されている。各光放射領域によって、投影装置の光軸に対して平行に伝播(進行)する(夫々)1つの光ビームが生成されると有利である。
【0020】
更に、少なくとも1つの付加光源は、導光要素と、導光要素に割り当てられた発光手段、好ましくはLED発光手段、を有し、光放射領域(複数)は導光要素に配されることができる。この場合、発光手段は、入射光学系と出射光学系との間に存在しないと有利であり得る。実用上信頼性のある一実施形態では、発光手段と少なくとも1つの光源は、共通の光源支持体に配されることができる。例えば、少なくとも1つの光源と発光手段はLED光源として構成されている場合、これらのLED光源は共通の回路基板上に(同じプリント基板上に)配されることができる。
【0021】
更に、導光要素は投影装置の光軸を実質的に横切る方向に配置された導光プレートとして構成され、導光プレートは発光手段の光を入力するための少なくとも1つの光入力面を有し、発光手段の光は導光プレート内を伝播して光放射領域において導光プレートから出射することが可能である。導光体の内部における光の伝播は全反射に基づいて生じることは知られている。発光手段の光は、横方向に又は下方からないし上方から導光プレート内へ入力されることができる。当該入力後、光は(全反射により)入射光学系と出射光学系との間の領域の方向へ広がる(伝播する)。入射光学系と出射光学系との間の領域では、導光プレート内の光は、投影装置の光軸を実質的に横切る方向へ伝播し、光放射領域において偏向されて、光軸に対して実質的に平行な方向において導光プレートから出射する。
【0022】
本発明との関連において、「導光プレート(Lichtleiterplatte)」という概念は、1つの面内において2つの方向へ延伸(延在)するフラットな導光要素として理解される。
【0023】
この場合、各光放射領域は複数の光出力プリズム(Lichtauskoppelprismen)を有すると好都合であり得る。複数の光出力プリズムは、光を導光プレートから光軸に対し実質的に平行な方向へ出力するよう構成されると有利である。複数の光出力プリズムは、導光プレート(内)において光の伝播方向に対し直角をなす(よう配向される)。例えば、光出力プリズムは凡そ40°の作用角(work angle;Anstellwinkel)を有する。
【0024】
この場合、異なる側面(複数)からの導光プレート内への供給(入力)及び光出力プリズムの(形状の)相応の適合化は、更に、複数の(3つ以上の)異なるライト機能を実現するために役立ち得る。
【0025】
有利な一実施形態では、マイクロ入射光学系アレイは、光放射領域(複数)に割り当てられ、好ましくはフラットに構成された複数の中間領域を有することができる。
【0026】
マイクロ入射光学系アレイ及び/又はマイクロ出射光学系アレイのマイクロ光学系は例えば凸レンズとして構成可能である。
【0027】
マイクロ入射光学系アレイの中間領域は、マイクロ入射光学系を有しないことが好ましく、例えば、少なくとも1つの光源によって生成される光の散乱が低減されるよう構成される。少なくとも1つの光源が平行光を生成するか又は少なくとも1つの光源の光が、入射光学系に当射する前に、例えばコリメータによってコリメートされる場合、格別に有利には、中間領域はフラットに構成されることができる。
【0028】
この意味では、この中間領域を介して投影装置内に侵入する光は中間像の形成のためには、従って第1のライト機能のためには重要ではない。有利には、この光は遮光されることができる(下記参照)。
【0029】
有利には、光放射領域(複数)は光放射面において市松模様状に分散配置され、中間領域(複数)はマイクロ入射光学系アレイにおいて市松模様状に分散配置され、光放射領域は中間領域に(光軸の方向に見て)後置されることができる。このことは、例えば、この配置は、光学的投影装置の光軸の方向に見て、好ましくは方形に構成される、市松模様(チェス盤)状パターンであることを意味する。この場合、市松模様状パターンの光放射領域を有する領域を補完する市松模様状パターンの領域は中間領域に対応して配置されていると、目的に適う。
【0030】
更に、中間領域は非透光性に構成されていると、目的に適い得る。更に、中間領域に対応する非透光性遮光領域を有する遮光要素を設けることが可能であり、遮光要素は少なくとも1つの光源の光に対し中間領域を遮光する。
【0031】
更に、少なくとも1つの付加光源は入射光学系のための又は出射光学系のための支持体として構成されると、有利であり得る。好ましくは、入射光学系又は出射光学系は、例えばマイクロ入射光学系アレイないしマイクロ出射光学系アレイとしてはシリコン製であるが、付加光源(付近)に配され、例えば当該付加光源(上)に付され(取り付けられ)、とりわけ当該付加光源と結合され、例えば接着される。このことは、とりわけライトモジュールの光技術的に重要な複数の構成要素の協働的使用の観点から有利である(例えば基板プレート(Substratplatte)が導光体として利用される場合)。
【0032】
入射光学系、とりわけマイクロ入射光学系アレイは、少なくとも1つの付加光源の、少なくとも1つの第1光源へ指向された側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると有利である。
【0033】
2つの付加光源が設けられ、2つの付加光源のうちの第1の付加光源が入射光学系を支持しかつ2つの付加光源のうちの第2の付加光源が出射光学系を支持する場合、本発明のライトモジュールによって実現可能なライト機能の多様性は更に拡大されることができるる。
【0034】
出射光学系、とりわけマイクロ出射光学系アレイは、第2の付加光源の、少なくとも1つの第1の付加光源に背向された(逆方向に指向された)側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると有利である。
【0035】
更に、第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられていると、有利であり得る。この場合、少なくとも1つの又は全ての付加光源の光放射領域は、例えば主ライト機能のための光を放射する少なくとも1つの光源から放射される[光の]ビーム路にとって重要でない領域に位置付けられることができる。これによって、主ライト機能は妨害されない。
【0036】
更に、投影装置は、入射光学系と出射光学系の間に位置する少なくとも1つの絞り装置を有することが可能であり、少なくとも1つの絞り装置は、中間領域(複数)に対応する位置に貫通部(Durchbrueche)(複数)を有し、かつ、(例えば減光ライト用光分布のための)中間像を形成するよう及び/又は光学的結像エラーを補正するよう構成されることができる。
【0037】
更なる好ましい一実施形態では、第1絞り要素が設けられることができ、第1絞り要素は光放射領域に前置され、かつ、少なくとも1つの光源の光に対し光放射領域を遮光する。
【0038】
この場合、第1絞り要素は、少なくとも1つの光源から放射された光から、例えば減光ライト用光分布のための中間像を形成するよう構成されると、目的に適い得る。
【0039】
更に、少なくとも1つの付加光源の光放射面の光放射領域は、光学的投影装置の光軸を横切る方向に水平に延伸し、互いに対し垂直方向に関し、好ましくは等間隔をなして、離隔配置されたストライプの形状を有し、及び、絞り要素はこれらのストライプに対応する非透光性領域を有すると、好都合であり得る。
【0040】
絞り要素は、例えば入射光学系に関して光出射側にかつ導光プレートの前方に、例えば入射光学系の光出射面に又は導光プレートの、少なくとも1つの光源に指向された側に、配されること、とりわけ入射光学系の光出射面に又は導光プレートの、少なくとも1つの光源に指向された側に配されることができる。
【0041】
更に、少なくとも1つの付加光源は少なくとも1つの絞り要素の支持体として構成されると、有利であり得る。有利には、第1絞り要素は、少なくとも1つの付加光源(付近)に配され、例えば当該付加光源(上)に付され(取り付けられ)、とりわけ当該付加光源にプリントされている(aufgedruckt)。
【0042】
第1絞り要素は、少なくとも1つの付加光源の、少なくとも1つの光源に指向された側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されていると有利である。
【0043】
2つの付加光源が設けられ、第1の付加光源が少なくとも第1絞り要素を支持し、第2の付加光源が出射光学系を支持し、第1絞り要素が第1の付加光源の光放射領域に前置されると、更なる利点が得られる。出射光学系、とりわけマイクロ出射光学系アレイは、2つの付加光源のうちの第2の付加光源の、少なくとも1つの光源に背向された(逆方向に指向された)側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると有利である。
【0044】
更に、第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられると、有利であり得る。
【0045】
更に、第2絞り要素を設けることができ、第2絞り要素は、第2の付加光源の光放射領域に前置され、かつ、第2の付加光源を遮光するよう及び/又は第1の付加光源から放射された光を制限するよう構成される。かくして、第2絞り要素によって、散乱光(迷光)の量を低減すること及び/又は結像エラーを低減することができる。
【0046】
更に、第1付加光源が第2絞り要素の支持体として構成されると、投影装置のコンパクトな構造という観点において有利であり得る。有利には、第2絞り要素は第1付加光源(付近)に配され、例えば第1付加光源に付され、とりわけ第1付加光源にプリントされている。
【0047】
第2絞り要素は、第1付加光源の、少なくとも1つの光源に背向された(逆方向に指向された)側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されていると有利である。
【0048】
予め設定可能な第1のタイプの光分布は予め設定可能な第2のタイプの光分布を補って完全な全体光分布を形成するか又は予め設定可能な第1のタイプの光分布は予め設定可能な第2のタイプの光分布に依存しない(独立している)と、目的に適い得る。
【0049】
ここで、依存しない(独立している)とは、第2のタイプの光分布が、第1のタイプの光分布がまさに今生成されているか否かに依存しないで(に拘わらず)生成可能であることを意味する。例えば、昼間走行ライトはオンであることが可能であり―これによって、少なくとも1つの付加光源によって生成される光が生成されるが、その際、減光ライト用光分布は放射されない―、その際、少なくとも1つの光源はオフである。
【0050】
既述の通り、予め設定可能な第1のタイプの光分布は主ライト機能用光分布、例えば減光ライト(ロービーム)用光分布又は遠方ライト(ハイビーム)用光分布であり得る。この場合、予め設定可能な第2のタイプの光分布は副ライト機能用光分布、例えば進行方向指示用光分布、ポジションライト用光分布、昼間走行(デイタイムランニング)ライト用光分布、サインライト用光分布であり得る。この場合、少なくとも1つのライト機能と少なくとも1つの副ライト機能は例えば同時に実現されることができ、ないしは、対応する光分布(複数)が同時に生成されることができる。
【0051】
第1のタイプの光分布と第2のタイプの光分布は(両者が生成される場合)互いに重なり合い得る。しかしながら、第2のタイプの光分布は第1のタイプの光分布と光像中において重なり合わない(例えばサインライト用光分布を伴う減光ライト用光分布)ことも、有利であり得る。
【0052】
本発明は、有利な実施形態に応じて、以下の利点のうちの1つ又は複数もたらすことができる:同じ光出射面から複数のライト機能が可能;別個に構成される場合(複数の独立のライトモジュール)よりも必要な構造空間が小さい;照明/非照明状態における均一な(一様な)外観;光放射領域(複数)はレンズ光学系によって結像され、これによって、光分布のより良好な形成、従って(より良好な)光利用が可能になる。
【0053】
予め設定可能な第1のタイプの光分布は、減光ライト(ロービーム)用光分布又は遠方ライト(ハイビーム)用光分布、例えばアダプティブ(配光可変型)遠方ライト用光分布、のような主ライト機能光分布(略して:主光分布)であり、予め設定可能な第2のタイプの光分布は、以下のような副光分布である:
*例えば連鎖点灯式ライト(Lauflicht)の形で放射されるスタティック型又はダイナミック型の進行方向指示用光分布;
*ポジションライト用光分布;
*少なくとも部分的に連鎖点灯式ライトの形で生成可能な昼間走行(デイタイムランニング)ライト用光分布;
*1つ又は複数の同じ又は異なるロゴの形で形成される光分布;
*ウェルカムライト機能用光分布、
但し、好ましくは、主光分布と副光分布は同時に放射可能である。
【0054】
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の一視点参照。
(形態2)形態1のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、投影装置の光軸に対し実質的に平行なコリメートされた光を生成するよう、構成されていることが好ましい。
(形態3)形態1又は2のライトモジュールにおいて、入射光学系と出射光学系は、投影装置の光軸を横切る方向に延在する面に配された複数のマイクロ入射光学系ないし複数のマイクロ出射光学系のマトリックス状のアレイ―以下「マイクロ入射光学系アレイ」ないし「マイクロ出射光学系アレイ」という―として構成されていること、
各マイクロ入射光学系は、少なくとも1つのマイクロ出射光学系に、これらが共通の光軸を有しかつ1つのマイクロ光学系システムを形成するよう、対応することが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかのライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に、光を放射するための互いに対し離隔配置された複数の光放射領域を有し、光放射領域は投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する面―以下「光放射面」という―に配されていることが好ましい。
(形態5)形態4のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、導光要素と、導光要素に割り当てられた発光手段を有すること、
光放射領域は導光要素に配されていること、
導光要素は、投影装置の光軸を実質的に横切る方向に配された導光プレートとして構成されていること、
導光プレートは発光手段の光を入力するための少なくとも1つの光入力面を有し、発光手段の光は導光プレート内を伝播し、光放射領域において導光プレートから出射すること、
各光放射領域は、複数の光出力プリズムを有することが好ましい。
(形態6)形態3を引用する形態4又は形態3を引用する形態4を引用する形態5のライトモジュールにおいて、マイクロ入射光学系アレイは、光放射領域に割り当てられ、フラットに構成された複数の中間領域を有すること、
光放射領域は光放射面において市松模様状に分散配置されており、中間領域はマイクロ入射光学系アレイにおいて、光放射領域が中間領域に後置されているよう、市松模様状に分散配置されていることが好ましい。
(形態7)形態6に記載のライトモジュールにおいて、中間領域が非透光性に構成されているか又は中間領域に対応する非透光性遮光領域を有する遮光要素が設けられ、遮光要素は少なくとも1つの光源の光に対し該中間領域を遮光することが好ましい。
(形態8)形態6又は7のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は入射光学系のための又は出射光学系のための支持体として構成されていること、
丁度2つの付加光源が設けられていること、
2つの付加光源のうちの第1の付加光源は入射光学系を支持し、かつ、2つの付加光源のうちの第2の付加光源は出射光学系を支持し、第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられていることが好ましい。
(形態9)形態6~8の何れかのライトモジュールにおいて、投影装置は、入射光学系と出射光学系の間に位置する少なくとも1つの絞り装置を有し、少なくとも1つの絞り装置は、中間領域に対応する貫通部を有し、かつ、中間像を形成するよう及び/又は光学的結像エラーを補正するよう構成されていることが好ましい。
(形態10)形態4又は5のライトモジュールにおいて、第1絞り要素が設けられており、第1絞り要素は光放射領域に前置されており、かつ、少なくとも1つの光源の光に対し光放射領域を遮光すること、
少なくとも1つの付加光源の光放射面の光放射領域は、光学的投影装置の光軸を横切る方向に水平に延伸し、互いに対し垂直方向に関し離隔配置されたストライプの形状を有し、及び、絞り要素はこれらのストライプに対応する非透光性領域を有することが好ましい。
(形態11)形態10のライトモジュールにおいて、丁度2つの付加光源が設けられていること、
第1の付加光源は少なくとも第1絞り要素を支持し、第2の付加光源は出射光学系を支持し、第1絞り要素は第1の付加光源の光放射領域に前置されていること、
第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられていることが好ましい。
(形態12)形態11のライトモジュールにおいて、第2絞り要素が設けられており、第2絞り要素は、第2の付加光源の光放射領域に前置されており、かつ、第2の付加光源を遮光するよう及び/又は第1の付加光源から放射された光を制限するよう構成されていることが好ましい。
(形態13)形態1~12の何れかのライトモジュールにおいて、予め設定可能な第1のタイプの光分布は、減光ライト用光分布又は遠方ライト用光分布のような主光分布であり、予め設定可能な第2のタイプの光分布は、以下のような副光分布である:
*連鎖点灯式ライト(Lauflicht)の形で放射されるスタティック型又はダイナミック型の進行方向指示用光分布;
*ポジションライト用光分布;
*少なくとも部分的に連鎖点灯式ライトの形で生成可能な昼間走行ライト用光分布;
*1つ又は複数の同じ又は異なるロゴの形で形成される光分布;
*ウェルカムライト機能用光分布、
但し、主光分布と副光分布は同時に放射可能であることが好ましい。
(形態14)形態1~13の何れかのライトモジュールを少なくとも1つ有する自動車投光装置も好ましい。
本発明及びその更なる利点は、以下において、図面に示されている例示的な実施形態を用いて詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の斜視図。
【
図2】第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の斜視図。
【
図3】
図1の自動車ライトモジュールの遮光要素の一例。
【
図4】
図1の自動車ライトモジュールの絞り装置の一例。
【
図5】
図2の自動車ライトモジュールの第1絞り要素の一例。
【
図6】
図2の自動車ライトモジュールの第1絞り要素の一例。
【
図7】1つの付加光源を備えた第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図8】1つの付加光源を備えた第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図9】1つの付加光源を備えた第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図10】2つの付加光源を備えた第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図11】2つの付加光源を備えた第1実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図12】1つの付加光源を備えた第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図13】1つの付加光源を備えた第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図14】2つの付加光源を備えた第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【
図15】2つの付加光源を備えた第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部の断面図。
【実施例】
【0056】
理解の容易化のために、各図には座標系が記載されている。これらでは、3つの方向:水平方向H、垂直方向V及び自動車ライトモジュールの主放射方向Zが与えられている。
【0057】
概念「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」等は自動車における自動車ライトモジュールの一般的な組込状態に関するものである。例えば、主放射方向Zは、自動車ライトモジュールが自動車前照灯に少なくとも1つの主光分布を生成するために配されている場合、自動車の前方運動方向に相当する。
【0058】
まず、
図1、
図1a及び
図2を、詳しくは、第1実施形態及び第2実施形態に同様に当て嵌まる自動車ライトモジュールの部分及びアスペクトを参照する。
図1、
図1a及び
図2は、夫々、本発明のライトモジュールに相当し得る、投光装置(前照灯等)、とりわけ自動車投光装置(自動車前照灯等)のための自動車ライトモジュール(ないしは自動車ライトモジュールの一部)の一例を模式図で示す。そのような自動車ライトモジュールは、光像がコンパクトであることが重要でありかつ唯一かつ同一の好ましくは連続的な光出射面から複数のライト機能(例えば主ライト機能と少なくとも1つの副ライト機能)が好ましくは同時に実現されることが望まれる自動車投光装置に格別に良好に適合する。本発明との関連では、この光出射面は、少なくとも1つの投影装置2の出射光学系22の光出射面に対応する(
図1~
図15も参照)。出射光学系22を有する少なくとも1つの投影装置2以外に、自動車ライトモジュールは、少なくとも1つの光源1、例えばLED光源を有する。少なくとも1つの光源1には、コリメータ9が前置されている(主放射方向に見て下流側に配置されている)と有利である。投影装置2は、更に、入射光学系21を有する。この場合、入射光学系21と出射光学系22は、少なくとも1つの光源1から放射され好ましくはコリメータ9によってコリメートされた光の中間像を入射光学系21と出射光学系22の間に位置し投影装置2の光軸を実質的に横切る方向に延在する中間像面に形成するよう、構成されている。出射光学系22は、中間像を予め設定可能な第1のタイプの光分布の形で自動車ライトモジュールの前方の領域に結像するよう、構成されている。第1のタイプの光分布は、例えば主ライト機能用光分布―即ち、自動車ライトモジュールの主ライト機能の動作時に生成される光分布―であり得る。とりわけ、主ライト機能用光分布は、減光ライト用光分布又は(例えばアダプティブ(配光可変型)ないしアンチグレア)遠方ライト用光分布であり得る。
【0059】
更に、少なくとも1つの付加的な光源―いわゆる付加光源3a、3c―が設けられており、少なくとも1つの第2付加光源3a、3cは、入射光学系21と出射光学系22の間に光を照射するよう、構成されている。かくして、少なくとも1つの付加光源が(当該付加光源によって生成される)光を放出する位置ないし領域が規定される。
図1、
図1a及び
図2から既に分かるように、少なくとも1つの付加光源3a、3cは点光源でないことが好ましい。少なくとも1つの付加光源3a、3cは空間的な広がりを有しかつ投影装置の入射光学系21と出射光学系22の間の予め設定可能な領域を占有すると有利である。この場合、以下に説明する例から分かるように、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3d(
図7~
図15参照)は、入射光学系21と出射光学系22の間の領域の外部に位置する発光手段32を含むことができる。
【0060】
少なくとも1つの付加光源3a、3cによって放出された光は出射光学系22によってライトモジュールの前方の(同じ)領域に予め設定可能な第2のタイプの光分布の形で結像される。好ましくは、第2のタイプの光分布は、副ライト機能用光分布―即ち、自動車ライトモジュールの副ライト機能の動作時に生成される光分布―である。とりわけ、副ライト機能用光分布は、昼間走行ライト用光分布、ポジションライト用光分布、進行方向指示用光分布、サインライト用光分布等であることが可能であり、例えばシグナルライト、とりわけウィンカー連鎖点灯式ライト(Blinker-Lauflicht)のようなものが可能である(ポジションライト用光分布、昼間走行ライト用光分布も連鎖点灯式ライトとすることができる)。更に、ロゴ、ウェルカムライト機能も実現可能である。
【0061】
この場合、入射光学系21と少なくとも1つの付加光源3a、3cは、少なくとも1つの付加光源3a、3cも少なくとも1つの付加光源3a、3cから放射される光も中間像を変化しないよう、構成されかつ互いに対し関係付け(対応付け)られる。
【0062】
少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dによって生成される光は、少なくとも1つの光源1の光によって生成される中間像が影響を受けない/損なわれない/変化されないままにしておく。少なくとも1つの付加光源3a、3cは、中間像面に、(本来の)中間像に重ならない付加的な/第2の中間像を生成することが好ましい。
【0063】
少なくとも1つの光源によって生成される光は第1のビーム路100に応じて(又は沿って)、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dによって生成される光は第2の異なるビーム路300a、300b、300c、300dに応じて、光学的投影装置2を貫通して伝播する(とりわけ
図7~
図15参照)。この場合、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dは第1ビーム路100の外部にあると―即ち第1ビーム路に位置しないと、目的に適う。
【0064】
少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dは、投影装置2の光軸に対し実質的に平行なコリメートされた光を生成するよう、構成されると、有利である。
【0065】
この理由から、入射光学系21と出射光学系22の間における、とりわけ中間像面に関する、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dの正確な位置は重要ではない。それにも拘らず、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dを中間像面に位置付けることは可能である。
【0066】
入射光学系21と出射光学系22は、光学的投影装置2の光軸を横切る方向に延在する面に配された、複数のマイクロ入射光学系210ないし複数のマイクロ出射光学系220からなるマトリックス状のアレイ―マイクロ入射光学系アレイないしマイクロ出射光学系アレイ―として構成されると、有利であり得るが、この場合、各マイクロ入射光学系210は、夫々、少なくとも1つの、有利には丁度1つのマイクロ出射光学系220に、これらが共通の、有利には水平に延伸する、光軸を有しかつ1つのマイクロ光学系システムを形成するよう、対応する。マイクロ入射光学系/マイクロ出射光学系210、220は例えば凸レンズとして構成可能である。各マイクロ光学系システムの光軸の方向は有利には主放射方向Zに一致する。
【0067】
本発明との関連で、概念「2つの光学系の共通の光軸」とは、これら2つの光学系の光軸が実質的に一致することとして理解される。
【0068】
本書の導入部において既に説明したように、当業者であれば、マイクロ光学系アレイについての及びそのようなマイクロ光学系アレイによって形成可能な投影装置についての更なる詳細は、本出願人の上記の出願WO 2015/058227 A1、WO 2017/066817 A1及びWO 2017/066818 A1に見出すことができる。
【0069】
更に、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dは、入射光学系21と出射光学系22の間に、光を放射するための相互に離隔配置された複数の光放射領域30a、30b、30c、30dを有すると(とりわけ
図9~
図15参照)、有利であり得るが、これらの光放射領域30a、30b、30c、30dは、投影装置2の光軸を実質的に横切る方向に延在する面に―いわゆる光放射面に―配されている。上記から、この面は入射光学系21と出射光学系22の間に配置されていることが理解できる。各光放射領域によって、投影装置2の光軸に対し平行に伝播する光ビーム300a、300b、300c、300dが生成されると有利である。
【0070】
光放射領域30a、30b、30c、30dは出射光学系22に割り当てられている(関係付けられている)と、有利である。各光放射領域は、出射光学系22の1つの領域に、例えば―出射光学系がマイクロ出射光学系アレイとして構成されている場合―個別マイクロ出射光学系220に又はマイクロ出射光学系(複数)の1つの水平例に割り当てられていると、格別に有利である。従来の、例えば直線的な導光体/発光体の場合、(放射方向Zに関して)発光体の背側に出力要素が位置する。出力要素によって偏向された光は、対向する側で、発光体の湾曲した出射面を介して出射する。その際、技術水準から既知であるように、発光体の放射特性は、光が発光体から離れ去る出射面の領域の形状によって影響を受ける。出射光学系22に対する光放射領域30a、30b、30c、30dの上記の割当ては、例えば、出射光学系22の、例えばそのマイクロ出射光学系220の湾曲が少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dによって生成される光像の形成に使用される際に役立つ。従って、光像は、一方では、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dの光放射領域30a、30b、30c、30dの寸法及び/又は形状を介して、及び/又は、出射光学系22の結像特性、例えばその厚みないしマイクロ出射光学系220の厚み及び/又は光放射面の形状、例えば(局所的/全体的)湾曲、のようなものを介して、形成されることができる。かくして、少なくとも1つの付加光源3a、3b、3c、3dの効率は高くなる。
【0071】
図1、
図1a及び
図2において、少なくとも1つの付加光源3a、3cが1つの導光要素31a、31cと既に簡単に説明した発光手段32とを有し、発光手段32が導光要素31a、31cに割り当てられている(関係付けられている)様子を見出すことができる。発光手段32は好ましくはLED発光手段として構成される。この場合、光放射領域30a、30b、30c、30d(
図1及び
図2には不図示)は導光要素31a、31b、31c、31dに配されていると有利である。発光手段32は、例えば、
図1及び
図2に示されているように、入射光学系21と出射光学系22の間に位置していない。発光手段32はLED発光手段として構成可能である。LED光源1もLED発光手段32も共通の回路基板に取り付けられることも全く可能である。更に、LED光源1とLED発光手段32は夫々複数のLEDから構成可能であり、LED光源1のLED(複数)もLED発光手段32のLED(複数)も投影装置2の光軸に対し実質的に直角をなして延在する面に配され、好ましくは該光軸の方向に光を放射する。例えば、LED発光手段は、左右に(水平方向に)配置された(不図示)又は上下に(垂直方向に)配置された(
図1a参照)3つのLEDを有することができる。LED発光手段の上下の配置は、自動車投光装置内において複数の投影装置2を横方向に並べて配置することを可能にする。
【0072】
導光要素は、(入射光学系21と出射光学系22の間の領域において)投影装置2の光軸を実質的に横切るよう配置される導光プレート31a、31b、31c、31dとして構成可能である。ここで、上記の技術水準が参照される。国際出願WO 2015/058227 A1、WO 2017/066817 A1及びWO 2017/066818 A1はすべて、マイクロ入射光学系アレイとマイクロ出射光学系アレイが夫々基板プレート(Substratplatte)上に、例えばガラスプレート上に、配されている、とりわけ接着されているライトモジュール―いわゆるマイクロプロジェクションライトモジュール―を示している。基板プレートがしばしば存在するのは、マイクロプロジェクションライトモジュールのマイクロ入射光学系ないしマイクロ出射光学系が製造中に既にそのようなガラスプレート/基板プレートに配されていることがあり得るからである。基板プレートによって、例えば、レンズ(マイクロ光学系)の、焦点距離のような、光学特性を予め設定することができる。特定の焦点距離が望まれる場合、当該焦点距離は基板プレートの「厚み」を変更することによって達成(実現)することができる。マイクロ入射光学系及び/又はマイクロ出射光学系はポリカーボネート(PC)で製造可能であり、クラウンガラス(Kronglas)(例えばB270(登録商標)ガラス)製の基板プレート上に配される、例えば接着されることができる。かくして、投影装置全体の厚み、即ち光軸の方向における広がりは予め設定される。マイクロ入射光学系アレイないしマイクロ出射光学系アレイのための基板プレートは様々な厚みであり得る。これの理由は同じである:投影装置の厚みは、マイクロ入射光学系アレイないしマイクロ出射光学系アレイにおけるレンズの一定の寸法によって実用上予め設定されるからである。更に、従来のライトモジュールの場合、同様に(1つの)基板プレート―いわゆるシャッタ基板(シャッター(Shutter)とは絞り(Blende)について英語から借用されたものである)―上に配される1つ又は複数の絞りを備えることがあり得る。この場合、投影装置の厚みは、シャッタ基板を嵌め込むことができるよう、製造プロセス時に減少され得る。
【0073】
導光プレート31a、31b、31c、31dの1つ又は2つ以上がマイクロ入射光学系アレイ及び/又はマイクロ出射光学系アレイの基板プレートとして又はシャッタ基板として構成されていることは、有利であり得る。
【0074】
導光プレート31a、31b、31c、31dは、少なくとも1つの、好ましくは導光プレート31a、31b、31c、31dの側部に又は下方ないし上方に配される、発光手段32の光320a、320cを入力するための光入力面310a、310cを有する。この光は導光プレート内を伝播し、光放射領域30a、30b、30c、30dにおいて導光プレートから出射する。入力された光は導光体内で全反射によって伝播するという知見は技術常識に属する。
図1と
図2は、入射光学系21と出射光学系22の間の領域においてフラットに構成されており、この領域の外部では湾曲された領域330a、330cを有する導光プレートを示している。図示の導光プレート31a、31cはその光入力面310a、310cに向かって湾曲されていることが好ましい。かくして、例えば、光軸に対し実質的に直角をなして延在する共通の面における少なくとも1つの光源1及び発光手段32の上記の配置が可能になる。夫々の発光手段32から投影装置2の光軸に対し平行に放射される光320a、320cは、発光手段32にそれぞれ割り当てられた光入力面310a、310cを介して導光プレート31a、31cへ入力され、全反射によって湾曲領域330a、330cを経由して導光プレート31a、31cの入射光学系21と出射光学系22の間の領域へと伝播し、光放射領域30a、30b、30c、30dにおいて、投影装置2の光軸に対し実質的に平行に出力される。
【0075】
本発明との関連では、概念「導光プレート」とは、導光プレートから光が出力される領域においてフラットに構成され、1つの面において2つの方向に延伸する(広がる)導光要素として理解されるものである。
【0076】
光放射領域30a、30b、30c、30dは、夫々、複数の光出力プリズムを有すると目的に適合する。相応のマイクロ出射光学系220を介した正確な結像を可能にするために、凡そ40°の作用角を有し光を平行に出力するプリズムが有用であることが判明した。作用角は、一様な光出力が起こるよう、可変でもあり得る。光出力プリズムは、光を導光プレート31a、31b、31c、31dから光軸に対し実質的に平行な方向に出力するよう、構成される。複数の光出力プリズムは、導光プレート内において光の伝播方向に対し直角をなすよう配列されると有利である。
【0077】
導光光学系の位置決めのために、2つの異なる形態が格別に有用であることが判明した。
【0078】
第1の形態によれば、即ち、下記から明らかになるように、少なくとも1つの付加光源3a、3bが入射光学系21及び/又は出射光学系22のための基板プレートに有利に代替する形態によれば、入射光学系21及び出射光学系22は夫々マイクロ入射光学系アレイ及びマイクロ出射光学系アレイとして構成されており、マイクロ入射光学系アレイは、光放射領域30a、30bに割り当て(対応付け)られ、有利にはフラットに構成された複数の中間領域211を有する(これはとりわけ
図1aにおいて見出すことができる)。
【0079】
マイクロ入射光学系アレイの中間領域211は、これらがマイクロ入射光学系―この場合は凸レンズ―を有しないことによって特徴付けられる。この意味では、これらの中間領域211を介して投影装置に侵入する光は中間像の形成のために、従って、第1ライト機能のために重要ではない。
【0080】
光放射領域30a、30bは光放射面において有利には(
図1a参照)市松模様状(チェス盤状)に分散配置される。複数の中間領域211はマイクロ入射光学系アレイに同様に市松模様状に分散配置され、光放射領域30a、30bは中間領域211に(投影装置2の光軸の方向に見て)後置される(下流側に配置される)。これは、例えば、マイクロ入射光学系アレイの中間領域211の各々の(投影装置2の光軸の方向に見て)後方(下流側)に1つの光放射領域30a、30bが位置付けられることを意味する(例えば
図9~
図11参照)。
【0081】
中間領域211は非透光性に構成されるか又は中間領域211に対応する非透光性の遮光領域230を有する遮光要素23(
図3参照)が設けられると好都合であり得る。遮光要素23は、例えば、中間領域211を少なくとも1つの光源1の光に対して遮光するために役立つ。
【0082】
かくして、例えば、少なくとも1つの光源1の光が光入射領域30に当射せず、当該領域において散乱されないことが達成され得る。これにより、不所望の散乱光が減少される。
【0083】
遮光要素23は、光学的投影装置2の光軸に対し直角をなす面に配されると有利であり、入射光学系21の光入射面の実質的に全体にわたって延在すると有利である。
【0084】
この場合、遮光要素23は、入射光学系21に対し光入射側に、例えば入射光学系21の光入射面に、配され、とりわけ入射光学系21の光入射面上に付され(取り付けられ)、有利には少なくとも1つの光源1によって生成される光をマイクロ入射光学系210には入射させるが、マイクロ入射光学系アレイの中間領域(複数)211には入射させないよう構成されると有利である。
【0085】
遮光要素23は、
図3から見出すことができるように、非透光性の遮光領域(複数)230を補完する複数の貫通部を有するフラットな絞り(Blende)として構成されることができる。尤も、遮光要素23は連続的な層として構成され、この層が複数の異なる透光性/透過率を有することも可能である。更に、この領域の透光性/透過率は例えば液晶ディスプレイのように制御可能な方法で変更可能であることも可能である。
【0086】
この形態では、少なくとも1つの付加光源3aは入射光学系21のための支持体/支持要素として機能することができる(
図1、
図7~
図9)。
【0087】
有利には、入射光学系21は、少なくとも1つの付加光源3aの、少なくとも1つの第1光源1に指向された側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着される。
【0088】
少なくとも1つの付加光源3aは出射光学系22のための支持体/支持要素として機能することができる(
図10)。
【0089】
有利には、出射光学系22は、少なくとも1つの付加光源3aの、少なくとも1つの第1光源1に背向された(逆方向に指向された)側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着される。
【0090】
また、丁度2つの付加光源3a、3bを設けることも可能であり、2つの付加光源のうちの第1の付加光源3aが入射光学系21を支持し、2つの付加光源のうちの第2の付加光源3bが出射光学系22を支持する。かくして、例えば、実現可能な副ライト機能の多様性を大きくすることができる。
【0091】
この場合、第1の付加光源3aの光放射領域30aと第2の付加光源3bの光放射領域30bは、夫々の光放射領域30a、30bによって生成される光ビーム300a、300bが投影装置2の重なり合わない異なる領域を伝播(進行)するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられると、目的に適う。
【0092】
図9~
図11からは、とりわけ、光放射領域30a及び30bはコリメートされた光を投影装置の光軸に対し平行に放射することができることを見出すことができる。この場合、光放射領域30a及び30bは、第1の光放射領域30aから放射される光ビーム300aが第2の光放射領域30bから放射される光ビーム300bに対し平行に、例えばその下方において(
図11)、進行するよう、寸法設定されかつ位置付けられる。ここで、第1の光放射領域30aが相応のマイクロ出射光学系220の光軸の下方に位置付けられていれば、ビーム300aはこのマイクロ出射光学系220において屈折され、地平線(HH線)の上方の領域において結像される。第2の光放射領域30bが相応のマイクロ出射光学系220の光軸の上方に位置付けられていれば、ビーム300bはこのマイクロ出射光学系220において屈折され、地平線の下方の領域において結像される。このようにして、第1の付加光源3aによって、地平線の上方に放射される光分布―例えばサインライト用光分布―が生成されることができ、第2の付加光源3bによって、地平線の下方に位置する光分布―例えば昼間走行ライト用光分布又は進行方向指示用光分布―が実現されることができる。
【0093】
更に、投影装置2は、入射光学系21と出射光学系22の間に位置する少なくとも1つの絞り装置(Blendenvorrichtung)7、8を有することができる。少なくとも1つの絞り装置7、8は、中間領域211に対応する(位置に)貫通部70を有する(
図4参照)。これは、例えば、光放射領域30a、30bから到来する光が妨害されることなく対応するマイクロ出射光学系220に到達することができるという利点を有する。更に、絞り装置7、8は、例えば非対称的明暗境界を有する減光ライト用光分布を生成するために及び/又は光学的結像エラーを補正するために、中間像を形成するよう、構成されることができる。絞り装置7、8は複数の絞りを含むことができる。
【0094】
少なくとも1つの絞り装置7、8の形状を生成されるべき第1のタイプの及び/又は第2のタイプの光分布に応じて適合化することは、目的に適う。例えば
図4は、減光ライト用光分布として構成される第1のタイプの光分布を生成するための絞り装置7を示す。絞り装置7は、例えば導光プレート31a、31bの光出射側に配されることができ、及び、マイクロ入射光学系アレイの中間領域211ないし遮光要素23の非透光性領域を考慮に入れた貫通部(複数)70のアレンジメントを有する。
【0095】
好ましい第2の形態(
図2、
図5、
図6、
図12~
図15参照)では、第1の絞り要素4、5が設けられている。第1の絞り要素4、5は光放射領域30c、30dに前置(上流側に配置)されており、少なくとも光放射領域30c、30dを少なくとも1つの第1光源1の光に対して遮光するよう、構成されている。第1絞り要素4、5では、光放射領域30c、30dの遮光のために相応の非透光性領域40、50が目的に適合する方法で設けられている。少なくとも1つの付加光源3cが第1絞り要素4、5を支持する(
図2)のが好ましい。更に、第1絞り要素4、5は、少なくとも1つの付加光源3cの、少なくとも1つの光源1に指向された側に―即ち光入射側に―配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると、好都合であり得る。
【0096】
主ライト機能の光分布、例えば減光ライト用光分布を生成する少なくとも1つの光源1の光による光放射領域30c、30dの(貫通)照明(Durchleuchten)は、減光ライト用光分布に不所望の影響を及ぼし、大きな、場合によっては許容できない散乱光の値をもたらし得る。導光プレートは、同時にマイクロレンズアレイ(マイクロ入射光学系アレイ及び/又はマイクロ出射光学系アレイ)のための支持体であり得る。これによりシステムは単純化される。なぜなら、この場合、導光プレートはマイクロ入射光学系ないしマイクロ出射光学系のための基板プレートの代わりをすることができ、それによって、投影装置の嵌め合わせのロスが低減され、しかも必要な構造空間もより小さくなるからである。
【0097】
ここで、マイクロ光学系アレイを有する既述の従来の投影装置の多くはその入射光学系と出射光学系の間に絞りのための支持体ないし支持要素を有することに留意すべきである。本発明の好ましい形態では、少なくとも1つの付加光源3cがそのような支持体の機能を担うのである。
【0098】
少なくとも1つの付加光源3c、3dの光放射面の光放射領域30c、30dは例えば光学的投影装置2の光軸/主放射方向Zを横切る方向に水平に延伸し、互いに対し垂直方向に(V方向に)関し、好ましくは等間隔で、離隔配置されたストライプ(複数)(Streifen)の形状を有し得る。この場合、絞り要素4、5はこれらのストライプに対応する非透光性領域40、50を有すると(
図5及び
図6参照)、好都合である。
【0099】
光放射領域30c、30dは、第1絞り要素4、5の直ぐ(例えば0~5mm)後方に(下流側に)、例えば第1絞り要素4、5に接して配されると有利である。
【0100】
第1絞り要素(の貫通部)4、5は、例えば上記のマイクロ入射光学系アレイとして構成された入射光学系21と光放射領域30c、30dの間に配されると有利である。
【0101】
更に、第1絞り要素5は、少なくとも1つの光源1から放射された光から減光ライト用光分布のための中間像を形成するよう、構成されることができる。そのような絞り要素は例えば複数の相応の貫通部を有することができる。
【0102】
絞り要素4、5は、入射光学系21に関し光出射側において、導光プレート31c、31dの、少なくとも1つの光源1に指向された側に配されると有利である。
【0103】
更に、丁度2つの付加光源3c、3dを設けることができ、この場合、第1の付加光源3cは少なくとも第1の絞り要素4、5を支持し、第2の付加光源3dは出射光学系22を支持し(
図14及び
図15参照)、第1の絞り要素4、5は第1の付加光源3cの光放射領域30cに前置されている。
【0104】
出射光学系、とりわけマイクロ出射光学系アレイは、第2の付加光源3dの、少なくとも1つの第1光源1に背向された(反対方向に指向された)側(下流側)に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると有利である。
【0105】
図14及び
図15を参照すると、第1付加光源3cの光放射領域30cと第2付加光源3dの光放射領域30dは、夫々の光放射領域30c、30dから生成される光ビーム300c、300dが投影装置2の互いに重なり合わない異なる領域を伝播(進行)するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられているということができる。例えば、第1付加光源3cの光放射領域30cからの光ビームは対応するマイクロ光学系システムの下方領域を進行し、第2付加光源3dの光放射領域30dからの光ビームはマイクロ光学系システムの上方領域を進行することができる。この場合、すべての光放射領域30c、30dが第1ビーム路100の外部に位置すると、好都合であり得る。
【0106】
更に―付加光源3c、3dの個数とは無関係に―(1つの)第2絞り要素6を設けることができる。第2絞り要素6は、例えば第1付加光源3cから放射される光を制限する(画成する)及び/又はコリメートすることができる(例えば
図13及び
図15参照)。更に、第2絞り要素6は、第2付加光源3dの光放射領域30dに前置されることができる。この場合、第2絞り要素は、第2付加光源3dを遮光するよう、構成されると有利である。
【0107】
ここで、第1絞り要素4、5と第2絞り要素6は、第1の好ましい実施形態について説明した絞り装置7、8と同様に、例えば非対称明暗境界を有する減光ライト用光分布を形成するために及び/又は光学結像エラーを補正するために、中間像を形成するよう、追加的に構成可能であることに、留意すべきである(
図12~
図15)。第1絞り要素4、5及び第2絞り要素6は複数の貫通部を有するフラットな絞りとして構成可能である。
【0108】
図12~
図15は、異なる個数の絞り要素4、5、6及び光放射領域30c、30dを有する第2実施形態による自動車ライトモジュールの一例の投影装置の拡大して示した一部を断面図で示す。下記から明らかなように、この好ましい実施形態では、少なくとも1つの付加光源は、シャッタ基板又はマイクロ出射光学系アレイのための基板プレート―マイクロ出射光学系アレイ基板プレート―を代替することができる。
【0109】
図12~
図15から見出すことができるように、光放射領域30c、30dは、コリメートされた光300c、300dを、有利には投影装置2の光軸に対し平行に放射する。光放射領域30c、30dは、第1の光放射領域30cから放射される光ビーム300cが第2の光放射領域30dから放射される光ビーム300dに対し平行に、例えばその下方において(
図14及び
図15)、進行するよう、寸法設定されかつ位置付けられる。第1光放射領域30c(第1付加光源3cの光放射領域30c)が対応するマイクロ出射光学系220ないし対応するマイクロ光学系システムの光軸の下方に位置付けられれば、ビーム300cはこのマイクロ出射光学系220において屈折され、地平線の上方の領域へと結像される。自動車の光技術(分野)では、地平線はしばしば「ラインH-H」ないし「HH線」と称される。これは、測定スクリーン上において地平線に対応する線である。なお、自動車光技術試験所では、測定スクリーン上で、ライトモジュールによって生成される光分布(配光パターン)が測定される。ラインH-Hは、自動車光技術(分野)で通常使用される測定スクリーンの座標系の一部である。ラインH-Hは、道路(試験所では、仮想道路)に対して平行にかつライトモジュールの中心からの測光ビーム軸と測定スクリーンとの交点HVを通過して延伸する水平線である。点HVは測定スクリーン座標系の原点である。
【0110】
第2光放射領域30d(第2付加光源3dの光放射領域30d)が対応するマイクロ出射光学系220ないし対応するマイクロ光学系システムの光軸の上方に位置付けられれば、ビーム300dはこのマイクロ出射光学系220において屈折され、地平線の下方の領域へと結像される。このようにして、例えば第1付加光源3cによって、地平線の上方へ放射される光分布―例えばサインライト用光分布―が生成され、第2付加光源3dによって、地平線の下方に位置する光分布―例えば昼間走行ライト用光分布又は進行方向指示用光分布―が実現されることができる。光放射領域30c、30dは、対応する(第1又は第2)絞り要素4、5、6の対応する非透光性領域に接してないし後方(下流)に、有利には直接的に、配される。
【0111】
更に、第1付加光源3cが第2絞り要素6をも支持するよう、構成可能である。
【0112】
第2絞り要素6は、第1付加光源3cの、有利には導光プレート31c、31dの、少なくとも1つの第1光源1に背向された(反対側に指向された)側に配され、例えば付され(取り付けられ)、とりわけ接着されると有利である。
【0113】
自動車投光装置に利用可能なライトモジュールは、本発明との関連においては明示的には説明されていない他の部材を有することは明らかである。これらの他の部材は、冷却器、支持フレーム、機械式及び/又は電気式調整装置、カバー等である(これらは例示であって、これらに限定されない)。しかしながら、説明を簡単にするために、本書では、ライトモジュールのこれらの標準的な部材の説明は省略した。
【0114】
特許請求の範囲における図面参照符号は専ら本発明の理解を助けるためのものであり、如何なる意味においても本発明を限定するものではない。
【0115】
ここに、本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]自動車投光装置のライトモジュール。
該ライトモジュールは、
*)少なくとも1つの光源、及び、
*)少なくとも1つの投影装置
を含む。
投影装置は、入射光学系と出射光学系を含む。
*)入射光学系は、入射光学系と出射光学系の間に位置し投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する中間像面に少なくとも1つの光源から放射される光から中間像を形成するよう構成されている。
*)出射光学系は、ライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第1のタイプの光分布の形で中間像を結像するよう、構成されている。
・少なくとも1つの付加的な光源―以下「付加光源」という―が設けられており、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に光を放射しかつ中間像面に付加的中間像を生成するよう、構成されている。
・出射光学系は、少なくとも1つの付加光源によって生成される付加的中間像をライトモジュールの前方の領域に予め設定可能な第2のタイプの光分布の形で結像するよう、構成されている。
・入射光学系と少なくとも1つの付加光源は、少なくとも1つの付加光源によって生成される付加的中間像が、少なくとも1つの光源から放射される光から入射光学系によって形成される中間像と重ならないよう、構成されかつ互いに対し関係付けられている。
[付記2]上記のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、投影装置の光軸に対し実質的に平行なコリメートされた光を生成するよう、構成されている。
[付記3]上記のライトモジュールにおいて、入射光学系と出射光学系は、投影装置の光軸を横切る方向に延在する面に配された複数のマイクロ入射光学系ないし複数のマイクロ出射光学系のマトリックス状のアレイ―以下「マイクロ入射光学系アレイ」ないし「マイクロ出射光学系アレイ」という―として構成されている。
各マイクロ入射光学系は、少なくとも1つの、好ましくは丁度1つの、マイクロ出射光学系に、これらが共通の、好ましくは水平に延伸する、光軸を有しかつ1つのマイクロ光学系システムを形成するよう、対応する。
[付記4]上記のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、入射光学系と出射光学系の間に、光を放射するための互いに対し離隔配置された複数の光放射領域を有し、光放射領域は投影装置の光軸を実質的に横切る方向に延在する面―以下「光放射面」という―に配されている。
[付記5]上記のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は、導光要素と、導光要素に割り当てられた発光手段、好ましくはLED発光手段、を有する。
光放射領域は導光要素に配されている。
導光要素は、例えば投影装置の光軸を実質的に横切る方向に配された導光プレートとして構成されている。
導光プレートは発光手段の光を入力するための少なくとも1つの光入力面を有し、発光手段の光は導光プレート内を伝播し、光放射領域において導光プレートから出射する。
各光放射領域は、好ましくは、複数の光出力プリズムを有する。
[付記6]上記のライトモジュールにおいて、マイクロ入射光学系アレイは、光放射領域に割り当てられ、好ましくはフラットに構成された複数の中間領域を有する。
例えば、光放射領域は光放射面において市松模様状に分散配置されており、中間領域はマイクロ入射光学系アレイにおいて、光放射領域が中間領域に後置されているよう、市松模様状に分散配置されている。
[付記7]上記のライトモジュールにおいて、中間領域が非透光性に構成されているか又は中間領域に対応する非透光性遮光領域を有する遮光要素が設けられ、遮光要素は少なくとも1つの光源の光に対し該中間領域を遮光する。
[付記8]上記のライトモジュールにおいて、少なくとも1つの付加光源は入射光学系のための又は出射光学系のための支持体として構成されている。
好ましくは丁度2つの付加光源が設けられている。
2つの付加光源のうちの第1の付加光源は入射光学系を支持し、かつ、2つの付加光源のうちの第2の付加光源は出射光学系を支持し、とりわけ、第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられている。
[付記9]上記のライトモジュールにおいて、投影装置は、入射光学系と出射光学系の間に位置する少なくとも1つの絞り装置を有し、少なくとも1つの絞り装置は、中間領域に対応する貫通部を有し、かつ、中間像を形成するよう及び/又は光学的結像エラーを補正するよう構成されている。
[付記10]上記のライトモジュールにおいて、第1絞り要素が設けられており、第1絞り要素は光放射領域に前置されており、かつ、少なくとも1つの光源の光に対し光放射領域を遮光する。
好ましくは、少なくとも1つの付加光源の光放射面の光放射領域は、光学的投影装置の光軸を横切る方向に水平に延伸し、互いに対し垂直方向に関し、好ましくは等間隔をなして、離隔配置されたストライプの形状を有し、及び、絞り要素はこれらのストライプに対応する非透光性領域を有する。
[付記11]上記のライトモジュールにおいて、丁度2つの付加光源が設けられている。
第1の付加光源は少なくとも第1絞り要素を支持し、第2の付加光源は出射光学系を支持し、第1絞り要素は第1の付加光源の光放射領域に前置されている。
好ましくは、第1の付加光源の光放射領域と第2の付加光源の光放射領域は、夫々の光放射領域から生成される光ビームが投影装置の重なり合わない異なる領域に伝播するよう、構成されかつ互いに対し位置付けられている。
[付記12]上記のライトモジュールにおいて、第2絞り要素が設けられており、第2絞り要素は、第2の付加光源の光放射領域に前置されており、かつ、第2の付加光源を遮光するよう及び/又は第1の付加光源から放射された光を制限するよう構成されている。
[付記13]上記のライトモジュールにおいて、予め設定可能な第1のタイプの光分布は、減光ライト(ロービーム)用光分布又は遠方ライト(ハイビーム)用光分布、例えばアダプティブ遠方ライト用光分布、のような主光分布である。予め設定可能な第2のタイプの光分布は、以下のような副光分布である:
*例えば連鎖点灯式ライト(Lauflicht)の形で放射されるスタティック型又はダイナミック型の進行方向指示用光分布;
*ポジションライト用光分布;
*少なくとも部分的に連鎖点灯式ライトの形で生成可能な昼間走行ライト用光分布;
*1つ又は複数の同じ又は異なるロゴの形で形成される光分布;
*ウェルカムライト機能用光分布。
但し、好ましくは、主光分布と副光分布は同時に放射可能である。
[付記14]上記のライトモジュールを少なくとも1つ有する自動車投光装置。