(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】サーバ装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20220114BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220114BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220114BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220114BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/35
A63F13/55
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2020093059
(22)【出願日】2020-05-28
(62)【分割の表示】P 2018021792の分割
【原出願日】2018-02-09
【審査請求日】2020-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-246826(JP,A)
【文献】特開平11-137839(JP,A)
【文献】特開2017-006270(JP,A)
【文献】特開2016-101395(JP,A)
【文献】モンスターハンターポータブル 2nd G MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd G,電撃PlayStation 第15巻 第28号,株式会社アスキー・メディアワークス,2009年07月14日,第15巻,P.26
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
を実行
し、
前記ミッションの実行態様は、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションを、前記重複数に応じた回数実行することを含む、サーバ装置。
【請求項2】
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
を実行し、
前記複数のユーザのそれぞれから、複数の異なるミッションを各ユーザの希望順に受け付け、
前記ミッションの実行態様を、前記重複数と前記希望順とに基づいて決定する
、記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ミッションの実行態様は、一のユーザによって希望された第1希望のミッションが他のユーザによって希望された第1希望のミッションと重複した場合、前記第1希望のミッションに加えて前記一のユーザによって希望された第2希望のミッションも実行することを含む、請求項
2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ミッションの実行態様は、前記一のユーザによる前記第2希望のミッションが他のユーザによって重複して希望された第1希望のミッションと重複した場合、その重複数にはよらずに当該第2希望のミッションを実行することを含む、請求項
3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
を実行し、
第1ユーザおよび第2ユーザが属する前記パーティにおいて決定された第1のミッション実行態様で一巡目のミッションセットが実行された後、前記パーティを継続して二巡目のミッションセットのための各ユーザが希望するミッションを受け付け可能とし、
前記二巡目のミッションセットの実行前に、前記パーティに属する前記第2ユーザの前記パーティからの離脱および前記パーティに属するユーザとして新たな第3ユーザの参加を許容し、
前記第1のミッション実行態様を、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのそれぞれによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定し、
前記二巡目のミッションセットを実行するための第2のミッション実行態様を、前記第1ユーザおよび前記第3ユーザのそれぞれによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定する
、サーバ装置。
【請求項6】
前記ミッションの実行態様は、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションが複数存在する場合に、当該重複した複数のミッションを、前記重複数に応じた順序で実行することを含む、請求項1から5の何れかに記載のサーバ装置。
【請求項7】
サーバ装置に、
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
を実行させ
、
前記ミッションの実行態様は、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションを、前記重複数に応じた回数実行することを含む、プログラム。
【請求項8】
サーバ装置に、
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
前記複数のユーザのそれぞれから、複数の異なるミッションを各ユーザの希望順に受け付けること、および
前記ミッションの実行態様を、前記重複数と前記希望順とに基づいて決定すること、
を実行させる、プログラム。
【請求項9】
サーバ装置に、
複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、
前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、
前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
第1ユーザおよび第2ユーザが属する前記パーティにおいて決定された第1のミッション実行態様で一巡目のミッションセットが実行された後、前記パーティを継続して二巡目のミッションセットのための各ユーザが希望するミッションを受け付け可能とすること、
前記二巡目のミッションセットの実行前に、前記パーティに属する前記第2ユーザの前記パーティからの離脱および前記パーティに属するユーザとして新たな第3ユーザの参加を許容すること、
前記第1のミッション実行態様を、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのそれぞれによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、および
前記二巡目のミッションセットを実行するための第2のミッション実行態様を、前記第1ユーザおよび前記第3ユーザのそれぞれによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザが操作する複数のコンピュータを通信ネットワークを介して同期し、複数のユーザが一つのパーティを組んで共通のゲームステージにおいて協力してゲームを進行させるマルチプレイが可能なゲームがある。例えば、下記非特許文献1のようなゲームにおいては、複数のミッションのうち、各ユーザが実行したいミッションを登録した上で、同じミッションを登録した複数のユーザ同士がパーティを作ってマルチプレイを行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「モンスターハンタークロス 集会所を作る、探す」、[online]、平成27年11月28日、株式会社カプコン、[平成30年1月19日検索]、インターネット[http://www.capcom.co.jp/monsterhunter/X/online/03.html]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような態様では、一のユーザが希望するミッションと同じミッションを希望する他のユーザの数が少ないと、パーティを成立させることが難しいという問題がある。また、一のミッションが終了すると次のミッションを再度登録する必要があり、テンポよく複数のミッションを実行することができない。
【0005】
そこで本発明は、マルチプレイにおいて同じミッションを希望するユーザの多寡にかかわらず、マルチプレイに参加するユーザが希望するミッションを実行することができるサーバ装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、を実行する。
【0010】
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、サーバ装置に、複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成すること、前記パーティに属する前記複数のユーザのそれぞれが希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から受け付けること、および前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションの実行態様を、前記複数のユーザによって重複して希望された前記ミッションの重複数に基づいて決定すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マルチプレイにおいて同じミッションを希望するユーザの多寡にかかわらず、マルチプレイに参加するユーザが希望するミッションを実行することができるサーバ装置およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態におけるミッション実行処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施の形態における生成されたパーティの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態に係るゲームシステム1について、図面を参照しつつ説明する。本発明のゲームシステム1により、例えば、スマートフォンなどのゲーム装置2においてゲームが実行される。
【0014】
本実施の形態で説明されるゲームにおいて、ユーザは、任意のオブジェクトを操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦う。例えば、本実施の形態におけるゲームは、1のプレイヤオブジェクト(プレイヤキャラクタ)を仮想空間上で活動させ、そのプレイヤキャラクタと敵キャラクタ(モンスター等)とが戦うゲームである。また、本ゲームは、複数のユーザが操作する複数のコンピュータを通信ネットワークを介して同期し、複数のユーザが一つのパーティを組んで共通のゲームステージにおいて協力してゲームを進行させるマルチプレイが可能なゲームである。
【0015】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成されるゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLAN等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM15、およびRAM16が接続されている。
【0016】
ゲーム装置2は、表示部であるモニタ19が設けられた移動筐体をユーザが把持するように構成される。当該移動筐体には操作入力部12が設けられている。本実施の形態において、ゲーム装置2の各構成は、移動筐体内に収められている。
【0017】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となるゲームデータ30b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0018】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、およびネットワークインタフェイス25が接続されている。
【0019】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0020】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0021】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をユーザが触れることにより、対応する操作入力が行われる。
【0022】
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40を備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
【0023】
サーバ装置3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
【0024】
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0025】
本実施の形態において、ゲームシステム1は、いわゆるネイティブアプリによって動作
する。
【0026】
サーバ装置3の記憶装置42は、サーバ装置3が内蔵する大容量記憶媒体である。サーバ装置3は、記憶装置42にゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを記憶している。CPU40は、各ゲーム装置2(アカウント)のセーブデータ42cを管理する。サーバ装置3とゲーム装置2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
【0027】
ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行(プレイ)するために、ゲーム装置2を介してサーバ装置3の記憶装置42に記憶されたゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、ゲーム装置2は、サーバ装置3からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
【0028】
ゲーム装置2は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置2にてゲーム進行を行い、これらのゲーム進行に伴うゲーム演出(ゲーム画像、音声)を後述するモニタ19およびスピーカ22等に出力する。
【0029】
なお、各ゲーム装置2および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。
【0030】
サーバ装置3は、各ユーザのアカウント情報を管理し、各アカウントのゲーム進行状況に関するデータなどをゲーム装置2から受信して記憶装置42に記憶する。
【0031】
例えば、ゲーム装置2は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたとき、各ゲーム装置2が通信ネットワークNWを介してサーバ装置3と通信を行い、このゲーム装置2からアカウント情報が送信される。サーバ装置3は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行い、ゲーム装置2にゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を送信する。
【0032】
ゲーム装置2は、このアカウントのゲーム進行状況に関するデータ等を受信して、ゲーム装置2にてゲーム進行を行う。また、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費またはゲーム課題クリア等のデータ更新時)でサーバ装置3にゲーム進行状況に関するデータを送信する。このように、ネイティブアプリ型のゲームシステムは、所定のタイミングでサーバ装置3とゲーム装置2とで相互に通信を行い、サーバ装置3とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0033】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備えたコンピュータとして動作する。また、サーバ装置3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。
【0034】
そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部5aとサーバ装置3の制御部5bとが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5は、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、マッチング手段51、ゲームステージ生成手段52、ミッション実行手段53、ミッション登録手段54、報酬付与手段55等の機能を発揮する。
【0035】
このうち、マッチング手段51は、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキ
ャラクタ同士を共通のゲームステージで行動させるために、複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成する。このために、マッチング手段51は、マッチング要求手段511、マッチング情報表示手段512、およびパーティ生成手段513を含む。
【0036】
また、ゲームステージ生成手段52は、生成されたパーティに属する複数のユーザが操作する複数のプレイヤキャラクタが行動する共通のゲームステージを生成する。ミッション実行手段53は、パーティに属する複数のユーザが参加するミッションを、共通のゲームステージ上で実行する。ミッションは、複数のミッションの中から選択される。複数のミッションのそれぞれには、各ミッションの開始位置、終了位置、達成条件についての情報が設定されている。
【0037】
開始位置は、プレイヤキャラクタの当該ミッションにおける初期位置である。すなわち、開始位置は、ミッションをスタートする際に、共通のゲームステージにおいて、プレイヤキャラクタが配置されるスタート位置である。
【0038】
終了位置は、プレイヤキャラクタが当該ミッションを達成するために必要な場所の位置である。例えば、達成条件がB地点に到達することであれば、当該B地点が終了位置となる。また、例えば、達成条件がC地点に出現するボスキャラクタを倒すことであれば、当該C地点が出現する位置が終了位置となる。
【0039】
達成条件は、当該ミッションにおけるゲームのクリア条件として設定される。達成条件は、例えば、目的の位置に到達すること、ボスキャラクタ等の所定のキャラクタを倒すこと、所定のノンプレイヤキャラクタに出会うこと(会話をする、救出する等)、所定のアイテムを入手すること等、種々設定される。
【0040】
さらに、ミッション実行手段53は、所定のゲーム画面を生成する。例えば、ミッション実行手段53は、共通のゲームステージに配置した仮想カメラで撮影した画像をゲーム画面として表示する。ミッション実行手段53は、ユーザの操作入力等に基づいて共通のゲームステージに配置されたプレイヤキャラクタの行動を制御し、ゲームを進行させる。また、ミッション実行手段53は、敵キャラクタ等のノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0041】
ミッション登録手段54は、パーティに属する複数のユーザが、対応するコンピュータにおいて実行されるミッションとして希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から選択して登録する。
【0042】
報酬付与手段55は、ミッションの実行結果に基づいて当該ミッションに参加した各ユーザに報酬を付与する。
【0043】
本実施の形態において、マッチング要求手段511は、ホストユーザとしてマッチング要求を行う第1ユーザのゲーム装置2おける制御部5a(第1コンピュータ)が実現する。マッチング情報表示手段512は、ゲストユーザとしてミッションに参加する第2ユーザのゲーム装置2における制御部5a(第2コンピュータ)が実現する。パーティ生成手段513および報酬付与手段55は、サーバ装置3の制御部5bが実現する。ゲームステージ生成手段52、ミッション実行手段53およびミッション登録手段54は、パーティに属する各ユーザのゲーム装置2における制御部5aが実現する。
【0044】
[ミッション実行処理]
以下、本実施の形態におけるミッション実行処理の流れについて具体例を挙げて詳しく
説明する。
図3は、本実施の形態におけるミッション実行処理の流れを示すフローチャートである。まず、ホストユーザとなる第1ユーザは、マルチプレイを行う場合に、第1ユーザのゲーム装置2(第1コンピュータ)において実行を希望するミッションを、複数のミッションの中から選択する。ミッション登録手段54は、選択されたミッションを実行ミッションとして登録し、記憶装置42に記憶する(ステップS1)。このように、本実施の形態において、ミッション登録手段54は、ホストユーザとなる第1ユーザが希望するミッションを、パーティの生成前に、登録する。
【0045】
ミッションの登録後、マッチング手段51は、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタ同士を共通のゲームステージで行動させるために、第1ユーザをホストユーザとして複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成する。より具体的には、マッチング要求手段511は、第1ユーザのゲーム装置2からサーバ装置3に対して第1ユーザが選択したミッションの情報および第1ユーザの情報とともにマッチング要求を行う(ステップS2)。
【0046】
マッチング要求は、第1ユーザをホストユーザとして他のユーザとのマッチングを行うための要求信号である。第1ユーザの情報には、第1ユーザの名前(ID等)、所属するゲーム内グループ、第1ユーザのレベル、使用キャラクタ、能力値(体力、攻撃力等)、装備等が含まれ得る。
【0047】
マッチング情報表示手段512は、サーバ装置3において受信するホストユーザによるマッチング要求を記憶装置42に記憶する。サーバ装置3に接続されているゲーム装置2のユーザは、いずれもホストユーザになり得る。したがって、サーバ装置3には、複数のユーザによるマッチング要求が並列的に送信され得る。このように、マッチング情報表示手段512は、マッチング情報として、少なくとも一のホストユーザがマッチングを要求した少なくとも1つのミッションの情報を、そのミッションを選択したホストユーザの情報に関連付けて記憶装置42に記憶する。
【0048】
マッチング手段51は、ゲストユーザとしての参加を希望する第2ユーザからの参加要求を待ち受ける(ステップS3)。第2ユーザのゲーム装置2(第2コンピュータ)の制御部5aが、サーバ装置3に対して参加要求を送信すると、マッチング情報表示手段512は、参加要求を送信したゲーム装置2に対してマッチング情報を送信する。サーバ装置3からマッチング情報を取得したゲーム装置2の制御部5a(第2コンピュータ)は、取得したマッチング情報および対応するホストユーザの情報をモニタ19に一覧表示する。
【0049】
このようにして、マッチング情報表示手段512は、マッチング情報および対応するホストユーザの情報を複数のゲーム装置2の表示部(モニタ19)に一覧表示可能とする。
【0050】
第2ユーザは、ゲーム装置2のモニタ19に一覧表示される少なくとも1つのミッションの中からパーティへの参加を希望するホストユーザを選択する。一覧表示された少なくとも一のホストユーザの中から第2ユーザがホストユーザを選択した場合、パーティ生成手段513は、参加希望の第2ユーザおよび対応するホストユーザが属するパーティを生成する(ステップS4)。
【0051】
ミッション登録手段54は、パーティに属するゲストユーザに、対応するコンピュータ(第2コンピュータ)において実行されるミッションとして希望するミッションを、複数のミッションの中から選択させ、ゲストユーザが選択したミッションを登録する(ステップS5)。登録されたミッションは、ゲストユーザに対応付けてサーバ装置3の記憶装置42に記憶される。このように、本実施の形態において、ミッション登録手段54は、パーティの生成後に、パーティに属するゲストユーザに対して希望するミッションの登録を
行う。
【0052】
本実施の形態において、ゲストユーザが選択可能なミッションは、ゲストユーザが実行可能な複数のミッションであれば(実行必要レベルに達していない等の制限がない限り)、ホストユーザが選択したミッションを含むすべてのミッションを選択可能である。すなわち、一のゲストユーザは、パーティに属する他のユーザ(ホストユーザおよび他のゲストユーザ)が選択したミッションと重複するミッションおよび他のユーザが選択したミッションとは相違するミッションの何れも選択可能である。
【0053】
マッチング情報表示手段512は、パーティに参加したゲストユーザの情報およびゲストユーザが選択したミッションの情報も、マッチング情報としてサーバ装置3の記憶装置42に記憶する。マッチング情報は、既にパーティに属しているホストユーザおよびゲストユーザのコンピュータのモニタ19にも表示可能である。すなわち、パーティにまだ参加していない第2ユーザは、ホストユーザの登録したミッションおよびすでにパーティに参加しているゲストユーザの登録したミッションを確認可能である。
【0054】
パーティ生成手段513は、ホストユーザからのミッションの実行決定指示(操作)を待ち受ける(ステップS6)。ホストユーザは、パーティへのゲストユーザの参加状況を確認し、ミッションを実行するか否かを決定する。
【0055】
ホストユーザからのミッションの実行決定指示がない場合(ステップS6でNo)、マッチング手段51は、引き続き第2ユーザ(パーティにまだ参加していない他のユーザ)の参加待ち受け、ないし、パーティ生成を継続し、ミッション登録手段54は、新たにパーティに参加したゲストユーザが選択したミッションの登録を行う(ステップS3~S5)。
【0056】
図4は、本実施の形態における生成されたパーティの例を示す図である。
図4の例では、パーティに属するホストユーザおよびゲストユーザの名前(ユーザA~D)、使用キャラクタ、キャラクタレベル、登録したミッションが表示されている。ゲストユーザについては、ホストユーザのフレンドになっている場合(ユーザB)には、その旨が表示されている。
【0057】
図4の例では、ホストユーザであるユーザAに関してミッションMAが実行ミッションとして登録され、ゲストユーザであるユーザB~Dに関してミッションMB(ユーザBおよびユーザC)およびミッションMC(ユーザD)が登録されている。
【0058】
ホストユーザからのミッションの実行決定指示が行われた場合(ステップS6でYes)、パーティ生成手段513は、パーティに参加するユーザを確定させる。すなわち、確定されたパーティは、ホストユーザと、ミッションの実行決定指示の時点でパーティに参加が決定された少なくとも一のゲストユーザとで構成される。確定されたパーティの情報は、サーバ装置3の記憶装置42に記憶される。ミッション実行手段53は、確定されたパーティにおいて、後述する態様でミッションを実行する(ステップS7~S8)。
【0059】
本実施の形態において、パーティに参加可能なユーザの最大人数は予め定められている。例えば、パーティに参加可能なユーザの最大人数は、ホストユーザを含めて4人に設定されている。ミッションの実行決定指示は、パーティに参加可能なユーザの最大人数未満であっても有効な操作として判定される。この場合、ミッション実行手段53は、最大人数未満(例えばホストユーザを含めて4人未満)のユーザが属するパーティでミッションを実行する。
【0060】
ここで、ミッション実行手段53は、パーティに属する複数のユーザ(参加ユーザ)が登録したミッションを順番に実行する。まず、ミッション実行手段53は、参加ユーザが登録したミッションの実行順を決定する(ステップS7)。決定された実行順は、サーバ装置3の記憶装置42にパーティの情報に対応付けて記憶される。そして、ミッション実行手段53は、参加ユーザが登録したミッションを決定した実行順に開始する(ステップS8)。
【0061】
本実施の形態において、ミッション実行手段53は、最初に行うミッションとしてホストユーザの登録したミッションを実行し、その後、ゲストユーザが登録したミッションを実行する。複数のゲストユーザがパーティに参加している場合、ミッション実行手段53は、ゲストユーザとしてパーティに参加した順に、対応するゲストユーザが登録したミッションを実行する。
【0062】
ミッション実行の際、ゲームステージ生成手段52は、参加ユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタが行動する共通のゲームステージを生成する。ミッション実行手段53は、実行対象のミッションを共通のゲームステージ上で実行する。
【0063】
報酬付与手段55は、1つのミッションが終了した後、ミッションの実行結果に基づいてそのミッションに参加した各ユーザに報酬(通常報酬)を付与する(ステップS9)。
【0064】
ミッション実行手段53は、1つのミッションが終了した場合、実行すべき複数のミッションをすべて実行したか否かを判定する(ステップS10)。残っているミッションがある場合(ステップS10でNo)、ミッション実行手段53は、実行順における次のミッションを実行する(ステップS8~S9)。
【0065】
このようにして、パーティに属する複数の参加ユーザが登録した複数のミッションが、そのパーティに属する複数の参加ユーザによるマルチプレイにより、順番に実行される。例えば、パーティの参加ユーザが4人である場合、ミッション実行手段53は、各参加ユーザが登録した合計4つのミッションを、4人のユーザによるマルチプレイにより、連続で実行する。
【0066】
図4の例において、ミッション実行手段53は、ミッションMA、ミッションMB、ミッションMB(2回目)、ミッションMCの順で4つのミッションを順次実行する。ユーザBとユーザCとで登録したミッションが重複している場合でも、ミッション実行手段53は、同じミッションをその登録数に合わせて複数回実行する。
【0067】
実行順における最後のミッションが終了した場合(ステップS10でYes)、報酬付与手段55は、パーティに属する複数のユーザのうち、複数のユーザが登録したすべてのミッションを終了したユーザに、各ミッション終了後に付与される通常報酬とは別に特別報酬を付与する(ステップS11)。
【0068】
特別報酬は、例えば、参加ユーザの情報、実行ミッションの情報、ミッションの達成度等に基づいて決定される。例えば、
図4の例のように、参加ユーザの中に、レベルが低いユーザ(ユーザD)がいるとより価値の高い報酬が付与される。
【0069】
参加ユーザのうち、実行順における最後のミッションが終了する前の時点で参加ユーザのうちの一部のユーザがパーティから離脱した場合、特別報酬は、パーティに残っているユーザに対して付与され、離脱したユーザには付与されない。
【0070】
例えば、
図4のパーティの例において、最後のミッションMCの終了前にユーザBが離
脱した場合、ユーザA,C,Dには、各ミッションMA,MB,MB(2回目),MCの終了による通常報酬と、特別報酬とが付与される。一方、ユーザBには、パーティ離脱前に終了したミッションMA,MB,MB(2回目)の通常報酬が付与され、最後のミッションMCの報酬と特別報酬とは付与されない。
【0071】
さらに、マッチング手段51は、パーティに属する複数のユーザのうちの一部のユーザが、複数のユーザが登録したすべてのミッションを実行する前に、パーティから離脱した場合、他のユーザ(第3ユーザ)をパーティに参加可能とする。パーティからのユーザの離脱は、そのユーザのゲーム装置2における通信状況の悪化、ユーザの意思またはその他の原因によるゲームの中断等により生じる。
【0072】
第3ユーザを既存のパーティに参加させるために、ミッション登録手段54は、パーティに属していない第3ユーザに対して、第3ユーザが自分のコンピュータにおいて実行されるミッションとして希望するミッションを、複数のミッションの中から登録可能としている。
【0073】
例えば、
図4のパーティの例において、3つ目のミッションMBの終了時点(4つ目のミッションMC開始前の時点)においてユーザDがパーティから離脱した場合、4つ目のミッションMCの開始前に、マッチング手段51は、新たなユーザ(第3ユーザ)の参加を待ち受ける。第3ユーザであるユーザEから参加要求が行われると、マッチング手段51は、ユーザA~Cが参加しているパーティにユーザEを参加させる。
【0074】
なお、この場合でも、ホストユーザからのミッションの実行決定指示により、第3ユーザの参加要求の有無にかかわらず次のミッションが実行される。
【0075】
ここで、ユーザDがパーティから離脱した時点において、既存の参加ユーザ(ユーザA~C)が希望するミッションが終了している場合には、マッチング手段51は、パーティからユーザDが離脱した時点でパーティにおいてすでに終了したミッションMA,MB以外のミッションを登録しているユーザEをパーティに参加可能とする。
【0076】
例えばユーザEがミッションMDを希望する場合、ミッション登録手段54は、4つ目のミッションとしてミッションMDを登録する。そして、ミッション実行手段53は、ユーザA~C,EによるマルチプレイとしてミッションMDを実行する。
【0077】
4つ目のミッションMDが終了した時点で、ユーザA~C,Eの誰もパーティから離脱していない場合、報酬付与手段55は、ユーザA~C,EにミッションMDの終了による通常報酬を付与し、4つのミッションMA,MB,MB(2回目),MDをプレイしたユーザA~Cに特別報酬を付与する。途中からパーティに参加したユーザEは、特別報酬はもらえないが、自らが希望するミッションMDを早期に実行することができる。
【0078】
一方、ユーザEのパーティへの参加時点において、既存の参加ユーザが希望するミッションが終了していない場合(例えば3つ目のミッションMB(2回目)の終了時点においてユーザCがパーティから離脱し、ユーザDが希望するミッションMCが実行されていない場合等)には、ミッション登録手段54は、第3ユーザであるユーザEが希望するミッションの登録を行わない。言い換えると、マッチング手段51は、残っているミッションMCを希望する第3ユーザの参加を受け付ける。この場合も、報酬付与の態様は、上記と同様である。
【0079】
以上をまとめると、本実施の形態は、記憶部(記憶装置)14および表示部(モニタ)19をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータ(ゲーム装置
)2と、前記複数のコンピュータ2に、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されたサーバ装置3とを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、前記複数のコンピュータ2は、それぞれ、前記複数のユーザが参加して前記複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタ同士が同じ仮想空間内で行動する共通のゲームステージを生成するとともに、少なくとも前記コンピュータ2への操作入力を行うユーザに対応するプレイヤキャラクタを、前記ユーザによる前記コンピュータ2への操作入力に応じて前記共通のゲームステージにて行動させることにより、前記ゲームを進行させるよう構成され、前記ゲームプログラムは、前記サーバ装置3および前記複数のコンピュータ2の少なくとも1つにより構成される制御部5を、前記複数のユーザがそれぞれ操作する前記複数のプレイヤキャラクタ同士を前記共通のゲームステージで行動させるために、前記複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成するマッチング手段51、前記パーティに属する前記複数のユーザが、対応するコンピュータにおいて実行されるミッションとして希望するミッションを、それぞれ複数のミッションの中から選択して登録するミッション登録手段54、および前記パーティに属する複数のユーザが参加する前記ミッションを、前記共通のゲームステージ上で実行するミッション実行手段53、として機能させ、前記ミッション実行手段53は、前記パーティに属する前記複数のユーザが登録したミッションを順番に実行する、ゲームプログラムである。
【0080】
[発明の効果]
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、一のユーザと他のユーザとが互いに同じミッションを希望するか否かにかかわらず、1つのパーティに参加することができる。したがって、一のユーザが希望するミッションと同じミッションを希望する他のユーザの数が少なくてもパーティを容易に成立させることができる。
【0081】
また、パーティに参加する複数のユーザのそれぞれが希望するミッションが順番に実行されるため、一のミッションの終了毎に次のミッションを再度登録する必要がなく、テンポよく複数のミッションを実行することができる。このように、本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、マルチプレイにおいて同じミッションを希望するユーザの多寡にかかわらず、マルチプレイに参加する各ユーザが希望するミッションを実行することができる。
【0082】
さらに、本実施の形態によれば、従来のように、自分が希望するミッションを実行できそうにない場合にパーティを解散させ、再度パーティを作成する等、パーティの生成及び解散を頻繁に繰り返すことがなくなる。したがって、サーバ装置3の処理負荷を軽減することができる。
【0083】
また、本実施の形態において、ゲストユーザは、パーティへの参加決定後に希望するミッションの登録を行うことにより、パーティに参加している他のユーザの能力または希望ミッションを考慮して自分の希望するミッションを選択することができる。
【0084】
また、本実施の形態において、パーティに参加しているユーザの一部が最後のミッションを開始する前に離脱した場合に、新たなユーザ(第3ユーザ)をパーティに参加させることにより、一部のユーザが途中でパーティから離脱した場合に、パーティに継続して参加しているユーザが特別報酬をもらえない不都合を回避することができる。
【0085】
また、本実施の形態においては、パーティに属する複数のユーザのうち、複数のユーザが登録したすべてのミッションを終了したユーザに各ミッション終了後の報酬とは別に特別報酬が付与される。これにより、パーティに参加している各ユーザに対して、パーティにより実行される複数のミッションに自分が希望しないミッションが含まれている場合でも、パーティに属する複数のユーザが登録したすべてのミッションが終了するまでパーテ
ィに参加し続ける動機を与えることができる。
【0086】
[他の実施形態]
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0087】
例えば、ミッションの登録は、上記実施の形態のようにミッションの名前(ミッション毎に割り当てられる識別番号で区別されるミッション全体)により登録してもよいが、これに加えて、またはこれに代えて、ミッションの一部要素による登録を含んでもよい。例えば、ミッションの一部要素として、討伐したい敵キャラクタの名前、獲得したいアイテムの名前、特定の参加条件(レベル制限、キャラクタ制限、装備の制限等)を登録対象としてもよい。
【0088】
また、ミッションの登録内容に、そのミッションを実行したい回数が含まれていてもよい。例えば、ユーザAが希望するミッションMAの登録の際に、ミッション回数を2回とした場合、そのミッションMAは2回実行される。
【0089】
また、一人のユーザあたり複数の異なるミッションを登録可能としてもよい。この場合、登録した複数のミッションがすべて実行されてもよいし、登録の際に複数のミッションについて希望順を登録した上で、希望順に基づいて決定されたミッションが実行されてもよい。例えば、第1希望のミッションが他の参加ユーザと重複した場合、第1希望のミッションに加えて第2希望のミッションも実行されるとしてもよい。また、第2希望のミッションが他の参加ユーザの第1希望と重複した場合、重複したミッションは1回のみ実行されてもよい。また、複数の参加ユーザが第1希望とするミッションが重複した場合、その重複したユーザの人数分の回数そのミッションが実行されてもよい。
【0090】
また、実行したミッションが達成されない場合(ミッションがクリアできない場合、倒したい敵キャラクタが倒せない場合、欲しいアイテムが獲得できない場合等)、そのミッションが達成されるまでそのミッションが自動的に再登録されてもよい。これにより、ミッションの再登録の手間を省いて複数回希望するミッションを実行することができる。
【0091】
また、上記実施の形態において、ミッションの登録は、ホストユーザについてはパーティ生成前であり、ゲストユーザについてはパーティ生成後である態様を例示したが、これに限られない。例えば、ホストユーザおよびゲストユーザの何れもパーティ生成前にミッションを登録してもよい。また、ホストユーザおよびゲストユーザの何れもパーティ生成後にミッションを登録してもよい。
【0092】
ホストユーザおよびゲストユーザの何れもパーティ生成前にミッションを登録する場合、マッチング手段51は、同じミッションを登録しているユーザ同士を優先的にマッチングしてもよい。これにより、ユーザが実行したいミッションを複数回繰り返し実行する可能性を高くすることができる。
【0093】
パーティ生成後にミッションを登録する場合、ミッション生成後、参加ユーザのコンピュータにミッション実行前の待機画面を表示し、当該待機画面において各参加ユーザにミッションを登録する作業を行わせてもよい。待機画面においては、チャット等で参加ユーザ間の意思疎通を図ることが可能であってもよい。
【0094】
上記実施の形態において、ミッションの実行順は、ホストユーザのミッションが最初に実行され、その後、ゲストユーザのミッションがゲストユーザとしてパーティに参加した順に実行される例を示したが、これに限られない。例えば、サーバ管理型のマルチプレイ
(ホストユーザおよびゲストユーザの区別がないマルチプレイ)では、マルチプレイの参加者としてパーティに参加した順にミッションが実行されてもよい。
【0095】
また、希望するミッションが参加ユーザ間で重複した場合、重複する数が多い順にミッションが実行されてもよい。この場合、重複したミッションは上記実施の形態と同様、希望するユーザの数と同じ回数実行してもよいし、1回のみ実行してもよい。また、ミッションの実行順はランダムで決定されてもよい。
【0096】
一のミッション終了後、次のミッションを実行する前または実行するときに、体力回復または状態異常回復等を行ってもよい。また、一のミッション終了後、次のミッションの開始前に、装備変更画面またはチャット等を行うことができる待機画面を参加ユーザのコンピュータに表示してもよい。
【0097】
また、これに代えて、登録されている複数のミッションが画面遷移なしに連続的に実行されてもよい。この場合、例えば、1番目のミッションの目的である敵キャラクタが討伐されると2番目のミッションがそのまま開始されてもよい。この場合、次のミッションにおいて前のミッションからプレイヤキャラクタの体力、状態異常、所持品等が回復または補充等されることなく引き継がれてもよい。
【0098】
また、参加ユーザが登録したすべてのミッション(一連の(一巡目の)ミッションセット)を実行した後は、パーティを解散してもよいし、パーティを継続してもよい。パーティを継続する場合には、待機画面等を表示し、再度同じパーティに参加する各ユーザが希望するミッション(二巡目のミッションセット)の登録(変更)を可能としてもよい。
【0099】
さらに、パーティを継続する場合、参加ユーザの一部がパーティから離脱する、または、パーティの最大人数未満でミッションを開始していた場合には、第3ユーザの参加を許容してもよい。この場合には、新たに参加した第3ユーザは、既存の参加ユーザと同様に、他の参加ユーザが選択したミッションと重複するミッションを選択可能としてもよい。
【0100】
また、各ミッションの終了時に参加ユーザに付与される報酬(通常報酬)は、複数の参加ユーザ間で異なっていてもよい。例えば、ミッション達成に対する貢献度、各参加ユーザが操作するプレイヤキャラクタのレベル等に応じて参加ユーザ毎に通常報酬が決定されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、通常報酬は、各ミッションの終了時に参加ユーザに付与される態様を例示したが、これに限られない。例えば、通常報酬も、特別報酬と同様に、全てのミッションの終了時に参加ユーザに付与されてもよい。この場合、各ミッションの終了時に付与される予定の通常報酬を各ミッションの結果表示画面等において表示して各参加ユーザに報知してもよい。
【0102】
通常報酬および特別報酬は、参加ユーザの異同にかかわらず一律としてもよい。また、通常報酬の種類と、特別報酬の種類とは、同じでもよいし、異なってもよい。例えば、通常報酬がゲーム内通貨等を付与することである場合、特別報酬は、より多くのゲーム内通貨等を付与することであってもよい。
【0103】
また、上記実施の形態においては、パーティに属する複数のユーザのうちの一部のユーザが、複数のユーザが登録したすべてのミッションを実行する前に、パーティから離脱した場合、新たなユーザ(第3ユーザ)をパーティに参加可能としたが、これに代えて、第3ユーザの補充は不可としてもよい。この場合、パーティに継続して参加している残りの参加ユーザにより、残りのミッションが実行され、すべてのミッション終了時点で残って
いる参加ユーザに対して特別報酬が付与されてもよい。
【0104】
また、第3ユーザを補充可能な態様において、パーティに途中参加した第3ユーザは、パーティへの参加時点で既存の参加ユーザが登録したミッションのうち、まだ実行されていないミッションをすべてした後に、第3ユーザが希望する(登録した)ミッションを実行可能としてもよい。
【0105】
例えば、既存の参加ユーザが登録したすべてのミッションを実行したあと(一巡目のミッションセットを実行後)に、第3ユーザを含むその時点でパーティに残っている参加ユーザが再度ミッションを登録することにより、二巡目のミッションセットを実行することにより第3ユーザの希望するミッションが実行されてもよい。この場合、二巡目のミッションセットの1番目に実行されるミッションを第3ユーザが登録したミッションとしてもよい。
【0106】
また、ミッション実行後の参加人数がパーティの最大参加人数未満である場合、途中でパーティから離脱したユーザの有無にかかわらず、前のミッションと次のミッションとの間に第3ユーザの参加を可能としてもよい。この場合でも、ホストユーザによるミッションの実行決定指示により最大参加人数未満のユーザによるミッションの実行が可能としてもよい。また、必ずパーティの最大参加人数で最初のミッションを始めるとしてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態においては、パーティ生成手段513および報酬付与手段554は、サーバ装置3の制御部5bが実現する態様について説明したが、これらをゲーム装置2の制御部5a(例えばホストユーザの第1コンピュータ)が実現してもよい。また、上記実施の形態においては、ゲームステージ生成手段52およびミッション実行手段53およびミッション登録手段54は、パーティに属する各ユーザのゲーム装置2が実現する(ゲームの進行が、ゲーム装置2側で行われる)態様について例示した。これに代えて、ゲームの進行をサーバ装置3側で管理してもよい。
【0108】
また、上記実施の形態において、パーティは、サーバ装置3に形成されることを例示したが、複数のゲーム装置2(ホストユーザの第1コンピュータまたはゲストユーザの第2コンピュータ)のうちの何れかに形成されてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態ではゲーム装置2として、スマートフォン、タブレットPC等の携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。
【0110】
また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD-ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
【0111】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、マルチプレイにおいて同じミッションを希望するユーザの多寡にかかわらず、マルチプレイに参加するユーザが希望するミッションを実行することができるサーバ装置およびプログラムを提供するために有用である。
【符号の説明】
【0113】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置
3 サーバ装置
5 制御部(コンピュータ)
5a ゲーム装置の制御部
5b サーバ装置の制御部
14,42 記憶装置(記憶部)
19 モニタ(表示部)
30a,42a ゲームプログラム
51 マッチング手段
53 ミッション実行手段
54 ミッション登録手段
55 報酬付与手段
511 マッチング要求手段
512 マッチング情報表示手段
513 パーティ生成手段