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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】認証システムおよび認証方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20220114BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20220114BHJP
   G06Q 20/42 20120101ALI20220114BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q40/02
G06Q20/42
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2016255996
(22)【出願日】2016-12-28
(65)【公開番号】P2018106648
(43)【公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100136881
【弁理士】
【氏名又は名称】佐尾山 和彦
(72)【発明者】
【氏名】澤 民樹
(72)【発明者】
【氏名】鍋谷 雄一
(72)【発明者】
【氏名】仲辻 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】松原 高司
(72)【発明者】
【氏名】國信 隆之介
(72)【発明者】
【氏名】野本 健司
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-203963(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001600(WO,A1)
【文献】特開2010-244312(JP,A)
【文献】特開2015-097003(JP,A)
【文献】特開2002-197148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル式の電力量計と、
前記電力量計に割り当てられた固有の電力量計識別情報を基にハッシュ関数により固有の所在地コードを生成する所在地コード生成部、および、前記所在地コードを所定の通信方式により送信する通信処理部を有する所在地コード生成装置と、
前記通信処理部により送信される前記所在地コードを受信した電子端末から前記所在地コードを受け取り、前記所在地コードに基づいて前記電子端末を認証する第1の認証サーバと、
前記第1の認証サーバと一体または別体であり、前記所在地コードに関連させたユーザ情報を有し、当該ユーザ情報と銀行取引時に銀行サーバから受け取ったユーザ情報とが一致するか否かを判定し、取引情報を記録する第2の認証サーバと、
を備えることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記所在地コード生成部は、前記電力量計識別情報に加えて、当該所在地コード生成部に割り当てられた固有の所在地コード生成装置識別情報、および、前記第1の認証サーバから供給されたソルト情報を基に前記ハッシュ関数により前記所在地コードを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記通信処理部は、超音波通信により前記所在地コードを前記電子端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記電力量計と、前記所在地コード生成装置と、前記電子端末との間がアクティベイトされた状態において、前記所在地コード生成装置により生成されたアライブ信号が前記電力量計、前記所在地コード生成装置、および、前記電子端末の3者間で送受信されている場合、前記第1の認証サーバは前記アライブ信号の存在を確認できた場合、ソルト情報を前記所在地コード生成装置へ送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項5】
前記第1の認証サーバは、前記アライブ信号、ユーザIDおよびパスワード、前記所在地コード、前記電子端末の固有のデバイス識別情報に基づいて前記電子端末を認証する
ことを特徴とする請求項4に記載の認証システム。
【請求項6】
前記第2の認証サーバは、銀行取引時に前記銀行サーバから送金者および受金者のユーザ情報を受け取る場合、前記受金者の口座の過去の所定期間内の取引情報を確認し、前記取引情報に出金がなかった場合、前記受金者の前記口座が不正口座の可能性がある判定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の認証システム。
【請求項7】
デジタル式の電力量計に割り当てられた固有の電力量計識別情報を基にハッシュ関数により固有の所在地コードを所在地コード生成部により生成する所在地コード生成ステップと、
前記所在地コードを通信処理部により所定の通信方式により送信する送信ステップと、
前記通信処理部により送信される前記所在地コードを受信した電子端末から前記所在地コードを受け取り、前記所在地コードに基づいて前記電子端末を第1の認証サーバにより認証する認証ステップと、
前記第1の認証サーバと一体または別体の第2の認証サーバにより、前記所在地コードに関連させたユーザ情報と、銀行取引時に銀行サーバから受け取ったユーザ情報と、が一致するか否かを判定し、取引情報を記録するステップと、
を有することを特徴とする認証方法。
【請求項8】
前記第2の認証サーバにより、銀行取引時に前記銀行サーバから送金者および受金者のユーザ情報を受け取る場合、前記受金者の口座の過去の所定期間内の取引情報を確認し、前記取引情報に出金がなかった場合、前記受金者の前記口座が不正口座の可能性がある判定するステップ
を有することを特徴とする請求項7に記載の認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子端末を用いた認証システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関において、新たに口座を開設する場合、一般的には、窓口において運転免許証等の身分証明書を提示し、本人確認を行う必要がある。近年では、コンピュータおよび通信ネットワーク技術の発展に伴い、携帯型端末を用いて口座の開設を行うことができるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-21765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、運転免許証等の身分証明書を偽造して口座を開設したり、正当に取得した口座を転売することにより、不正口座が存在しているのが現状である。これらの不正口座は、振込詐欺等の犯罪に用いられるおそれがあるため、不正口座を発見し、不正口座における取引を未然に防止することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑み、銀行取引時に確実に本人確認を行い、ユーザ認証において所謂なりすましを効果的に防止し得る認証システムおよび認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の認証システムにおいては、デジタル式の電力量計と、前記電力量計に割り当てられた固有の電力量計識別情報を基に所定の関数式により固有の所在地コードを生成する所在地コード生成部、および、前記所在地コードを所定の通信方式により送信する通信処理部を有する所在地コード生成装置と、前記通信処理部により送信される前記所在地コードを受信した電子端末から前記所在地コードを受け取り、前記所在地コードに基づいて前記電子端末を認証する第1の認証サーバと、前記第1の認証サーバと一体または別体であり、前記所在地コードに関連させたユーザ情報を有し、当該ユーザ情報と銀行取引時に銀行サーバから受け取ったユーザ情報とが一致するか否かを判定し、取引情報を記録する第2の認証サーバと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記所在地コード生成部は、前記電力量計識別情報に加えて、当該所在地コード生成部に割り当てられた固有の所在地コード生成装置識別情報、および、前記第1の認証サーバから供給されたソルト情報を基に前記関数式により前記所在地コードを生成することを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記通信処理部は、超音波通信により前記所在地コードを前記電子端末へ送信することを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記電力量計と、前記所在地コード生成装置と、前記電子端末との間がアクティベイトされた状態において、前記所在地コード生成装置により生成されたアライブ信号が前記電力量計、前記所在地コード生成装置、および、前記電子端末の3者間で送受信されている場合、前記第1の認証サーバは前記アライブ信号の存在を確認できた場
合、ソルト情報を前記所在地コード生成装置へ送信することを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記第1の認証サーバは、前記アライブ信号、前記ユーザIDおよびパスワード、前記所在地コード、前記電子端末の固有のデバイス識別情報に基づいて前記電子端末を認証することを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記第2の認証サーバは、銀行取引時に前記銀行サーバから送金者および受金者のユーザ情報を受け取る場合、前記受金者の過去の所定期間内の取引情報を確認することを特徴とする。
【0012】
本発明の認証方法においては、デジタル式の電力量計に割り当てられた固有の電力量計識別情報を基に所定の関数式により固有の所在地コードを所在地コード生成部により生成する所在地コード生成ステップと、前記所在地コードを通信処理部により所定の通信方式により送信する送信ステップと、前記通信処理部により送信される前記所在地コードを受信した電子端末から前記所在地コードを受け取り、前記所在地コードに基づいて前記電子端末を第1の認証サーバにより認証する認証ステップと、前記第1の認証サーバと一体または別体の第2の認証サーバにより、前記所在地コードに関連させたユーザ情報と、銀行取引時に銀行サーバから受け取ったユーザ情報と、が一致するか否かを判定し、取引情報を記録するステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の認証方法においては、前記第2の認証サーバにより、銀行取引時に前記銀行サーバから送金者および受金者のユーザ情報を受け取る場合、前記受金者の過去の所定期間内の取引情報を確認するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、銀行取引時に確実に本人確認を行い、ユーザ認証において所謂なりすましを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の認証システムを用いた使用シナリオを説明するための図である。
図2】本発明の認証システムを用いた使用シナリオにおける取引情報の一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る認証システムの全体構成を示す構成図である。
図4】本発明の実施の形態に係る認証システムの全体構成に対するその他の例(1)を示す構成図である。
図5】本発明の実施の形態に係る認証システムの全体構成に対するその他の例(2)を示す構成図である。
図6】本発明の実施の形態に係るスマートメータの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態に係るスマートメータおよび所在地コード生成装置がそれぞれ持つ固有の情報を示す略線図である。
図8】本発明の実施の形態に係る所在地コード生成装置の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施の形態に係る所在地コード生成装置により生成されるソルトアンサー情報の説明に供する略線図である。
図10】本発明の実施の形態に係るスマートメータ、所在地コード生成装置、電子端末の間で送受信されるアライブ信号の説明に供する略線図である。
図11】本発明の実施の形態に係る所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバの構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施の形態に係る所在地コード生成装置により生成される所在地コードと、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバが所在地コード生成装置により生成されることを期待する所在地コードとの関係の説明に供する略線図である。
図13】本発明の実施の形態に係るスマートメータ管理サーバ、スマートメータ、所在地コード生成装置、電子端末、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバとの間に構築されるネットワークトポロジーを示す略線図である。
図14】本発明の実施の形態において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバが認識している、ユーザIDおよびパスワードと紐付けられるスマートメータと所在地コード生成装置との対応関係の説明に供する略線図である。
図15】本発明の実施の形態において、所在地コード生成装置と電子端末とのアクティベイト処理の説明に供する略線図である。
図16】本発明の実施の形態において、所在地コード生成装置とスマートメータとのアクティベイト処理の説明に供する略線図である。
図17】本発明の実施の形態において、所在地コード生成装置と2台目の電子端末とのアクティベイト処理の説明に供する略線図である。
図18】本発明の実施の形態において、所在地コード生成装置と1台目および2台目の電子端末とのアクティベイト処理の手順を示すフローチャートである。
図19】本発明の実施の形態において、所在地コード生成装置とスマートメータとのアクティベイト処理の手順を示すフローチャートである。
図20】本発明の実施の形態に係る認証システムにおける認証処理および本人確認シーケンスを示すシーケンスチャートである。
図21】本発明の実施の形態において、アライブ信号の生成からソルトアンサー情報の生成までの一連の流れの説明に供する略線図である。
図22】本発明の実施の形態において、認証処理の4つの要素の説明に供する略線図である。
図23】本発明の実施の形態において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバにより認証処理手順を示すフローチャートである。
図24】本発明の実施の形態において、最新のアライブ信号を取得できなかった場合にはログイン認証を認めない例の説明に供する略線図である。
図25】本発明の実施の形態において、最新のアライブ信号を取得できず、ソルトアンサー情報が一致しない場合にはログイン認証を認めない例の説明に供する略線図である。
図26】本発明の実施の形態において、最新のアライブ信号を取得できず、ソルトアンサー情報が一致せず、電子端末のデバイス識別情報も一致しない場合にはログイン認証を認めない例の説明に供する略線図である。
図27】本発明の実施の形態において、最新のアライブ信号を取得できず、ソルトアンサー情報が一致せず、電子端末のデバイス識別情報も一致せず、ユーザID、パスワードも一致しない場合、および、スマートメータが盗難にあった場合、ログイン認証を認めない例の説明に供する略線図である。
図28】本発明の実施の形態において、真贋判定処理手順を示すフローチャートである。
図29】本発明の実施の形態において、取引情報を記録する手順を示すフローチャートである。
図30】本発明の実施の形態において、AルートおよびBルートの双方を用いた認証システムの全体構成(1)を示す構成図である。
図31】本発明の実施の形態において、AルートおよびBルートの双方を用いた認証システムの全体構成(2)を示す構成図である。
図32】本発明の実施の形態において、AルートおよびBルートの双方を用いた認証システムの全体構成(3)を示す構成図である。
図33】本発明の実施の形態において、AルートおよびBルートの双方を用いた認証システムによる認証処理の説明に供する略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<本発明の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の認証システムを用いた使用シナリオを説明するための図である。各ユーザU1、U2、U3・・・は、家庭内に、スマートメータ20、所在地コード生成装置40および電子端末60を有し、電子端末60は、インターネット等のネットワークNTに接続されている。例えば、ユーザU1は、第1の銀行に口座を有し、第1の銀行の銀行サーバB1により取引(入出金、送受金、振込、振替等)を行い、ユーザU2、U3は、第2の銀行に口座を有し、第2の銀行の銀行サーバB2により取引を行うものとする。銀行サーバB1、B2は、それぞれ、第1の銀行および第2の銀行が管理する任意の外部サーバであり、オンラインでの取引を行うサーバである。
【0017】
使用シナリオの第1の例として、ユーザU1がユーザU2に10万円の振込をする場合を考える。
最初に、ユーザU1は、自身の電子端末60を用いて銀行サーバB1に振込依頼をする。
次に、銀行サーバB1は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sと通信を行い、送金者であるユーザU1および受金者であるユーザU2の本人確認を行う。本人確認の方法については後述する。
本人確認が完了すると、銀行サーバB1は、銀行サーバB2のユーザU2に振込を実行する。ここで、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、ユーザU1、U2の取引があったという取引情報を記録する。例えば、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、図2に示すような取引情報を記録している。今回の取引によって、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、下線を引いた最後の2行を追加する。すなわち、ユーザU1に対しては「出金」が記録され、ユーザU2に対しては「入金」が記録される。
なお、取引情報とは、この実施の形態のように、必ずしも取引内容(入金/出金)および金額を含む情報を意味するわけではなく、取引があったことを示す情報も意味するものである。すなわち、取引情報は、図2の日付およびユーザのみを含む情報とすることもできる。
以下、ユーザU1の本人確認を行うための認証システムについて説明するが、ユーザU2、U3・・・も同様の認証システムによって本人確認が可能である。
【0018】
<認証システムの全体構成>
図3に示すように、本発明の実施の形態における認証システム1は、ユーザU1のスマートメータ20、スマートメータ管理サーバ30、ユーザU1の所在地コード生成装置40、ユーザU1の電子端末60、および、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80s(第1の認証サーバおよび第2の認証サーバが一体の構成である)を備えている。
【0019】
スマートメータ20は、所謂Aルートと呼ばれる通信ルートを介してスマートメータ管理サーバ30と無線接続されるとともに、所謂Bルートと呼ばれる通信ルートを介して所在地コード生成装置40と無線接続されている。
【0020】
ここで、Aルートとは、電力会社が用意しているスマートメータ管理サーバ30に対してスマートメータ20により計測された電力使用量に相当するデータ(以下、これを「電力使用量データ」ともいう。)を直接送信するアクセス系ネットワークの通信経路である。
【0021】
なお、スマートメータ20とスマートメータ管理サーバ30とのAルートを介した接続
においては、複数のスマートメータ20が所謂バケツリレーをしながら図示しないコンセントレータ(集約装置)まで無線マルチホップ通信によりデータを送信し、当該コンセントレータからWAN(Wide Area Network)回線およびルータを介してスマートメータ管理
サーバ30と接続されてもよい。
【0022】
また、Bルートとは、建物内のHEMS(Home Energy Management System)端末とスマ
ートメータ20とが物理層として920MHz帯(Wi-SUN)を用いた無線方式により接続され、当該スマートメータ20の電力使用量データを当該HEMS端末へ送信する宅内通信ネットワークの通信経路である。したがって、スマートメータ20は、建物内のHEMS端末と接続されるBルートを介して所在地コード生成装置40と通信することが可能である。
【0023】
なお、図4に示すように、スマートメータ20A、20Bは、屋内のエアコン等の家電製品と接続される分電盤90に接続されていてもよく、また、分電盤90からスマートメータ20B、スマートメータ20Aが直列に接続されていてもよい。また、スマートメータ20A、20Bは、所在地コード生成装置40と別体である必要は必ずしもなく、当該所在地コード生成装置40を内蔵した一体構成であってもよい。
【0024】
さらに、図5に示すように、スマートメータ20は、当該スマートメータ20から所在地コード生成装置40M(親機)までの距離が長い場合、第1のPLC(Power Line Communication)装置D1および第2のPLC装置D2を介して所在地コード生成装置40M(親機)と接続することが可能である。
【0025】
この場合、スマートメータ20が所在地コード生成装置40S(子機)と無線接続されたうえ、当該所在地コード生成装置40S(子機)と第1のPLC装置D1とが接続されている。所在地コード生成装置40M(親機)は、第2のPLC装置D2と接続されている。
【0026】
第1のPLC装置D1と第2のPLC装置D2とは、コンセントC1、C2を介して電力線と繋がっており、第1のPLC装置D1と、第2のPLC装置D2とは、電力線通信(例えばG3-PLC)により双方が接続されている。ただし、これに限るものではなく、第1のPLC装置D1と第2のPLC装置D2とは、分電盤90(図4)を介して互いに接続されていてもよい。なお、スマートメータ20は、第1のPLC装置D1と一体構造であってもよく、所在地コード生成装置40が第2のPLC装置D2と一体構造であってもよい。
【0027】
この場合、スマートメータ20の設置場所の近隣にコンセントC1等の電源供給部が配置されており、そのコンセントC1からスマートメータ20へ電力が供給される。
【0028】
<スマートメータ>
スマートメータ20は、一般的には、各家庭、各店舗等の電気料金を支払う需要家の最少単位毎に個別に取り付けられるデジタル式の電力量計である。スマートメータ20は、その内部に演算処理機能および外部との通信を行う通信機能を有している。ただし、例えば、ビル等のように、フロア毎、店舗毎にスマートメータ20が設けられており、当該ビルのオーナーが電気料金を支払う最少単位である場合、そのオーナーが複数のスマートメータ20を所有することもある。
【0029】
ただし、図4に示したように、スマートメータ20A、20Bのように、スマートメータ20Aについては電気料金を支払う需要家が所有するものの、スマートメータ20Bについては電気料金の支払いとは無関係であり、この認証システム1を構築するために新た
に個人的に設けることも可能である。つまり、スマートメータ20は、電気料金の支払いとは無関係に、この認証システム1を構築するために電力会社とは別に私物として購入し設置することが可能である。
【0030】
スマートメータ20は、1個ずつ全て異なる固有の電力量計である。したがって、複数のスマートメータ20は、それぞれが異なる固有(ユニーク)のスマートメータ識別情報(以下、これを「SM識別情報」ともいう。)を有している。なお、スマートメータ20に割り当てられたSM識別情報は書き換え不能な一意の情報である。
【0031】
図6に示すように、スマートメータ20は、電力使用量計量部21、スマートメータ記憶部22、および、通信処理部25を有している。電力使用量計量部21は、電力を使用したときの電力使用量を計量して保持する機能部であり、電流を計測する電流センサ、電圧を計測する電圧センサ等により計測された計測値に基づいて電力使用量データを算出する演算処理を行う。
【0032】
電力使用量計量部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、イン
タフェースを含むMCU(Micro Control Unit)等によって構成される。なお、電力使用量計量部21は、所在地コード生成装置40とスマートメータ20とがアクティベイトするためのアクティベイトIDおよび初期パスワードをスマートメータ記憶部22に記憶している。ここで、アクティベイトとは、互いに接続する機器同士を有効化することを意味する。
【0033】
スマートメータ記憶部22は、スマートメータ20に割り当てられている固有(ユニーク)のSM識別情報を書き換え不能な状態で記憶している機能部である。スマートメータ記憶部22は、例えばROM(Read Only Memory)等からなる。すなわち、図7(A)に示すように、スマートメータ20は、ユニークで書き換え不能な固有のSM識別情報を有している。
【0034】
通信処理部25は、電力使用量計量部21から供給される電力使用量データを外部に送信する機能部であり、例えば、920MHzに対応した無線LSI(Large-Scale Integration)等によって構成される。通信処理部25は、Aルートを介して電力使用量データを
例えば30分間隔ごとにスマートメータ管理サーバ30へ無線送信する。ただし、通信処理部25は、電力使用量データをAルート経由で有線送信するようにしてもよい。また、通信処理部25は、例えば、スマートメータ記憶部22に記憶しておいたスマートメータ20のSM識別情報に基づいて920MHzの搬送波を変調し、その結果得られる変調信号を電波として所在地コード生成装置40へBルート経由で無線送信する。
【0035】
<スマートメータ管理サーバ>
スマートメータ管理サーバ30(図3)は、CPU、大容量ストレージ、ネットワークインタフェース等を有し、多数のスマートメータ20を管理するサーバである。
【0036】
スマートメータ管理サーバ30は、スマートメータ20が設置されている所在地(住所等)、当該スマートメータ20のSM識別情報、および、スマートメータ20の契約者の個人情報等を一元管理している。このスマートメータ管理サーバ30は、後述する所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sとインターネット等のネットワークNTを介して接続されている。
【0037】
スマートメータ管理サーバ30は、スマートメータ20との通信接続状態を常時維持しており、仮にスマートメータ20が故障した場合や、盗難にあって取り外された場合には、当該スマートメータ20との通信接続状態が維持されなくなったことを検出し得、異常
状態にあると判定することが可能である。この場合、スマートメータ管理サーバ30は、スマートメータ20が異常状態にあることを所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに対しインターネット等のネットワーク経由で通知することが可能である。
【0038】
<所在地コード生成装置>
所在地コード生成装置40は、スマートメータ20および電子端末60と無線接続され、特に電子端末60に対しては超音波通信方式により通信接続される。ただし、これに限るものではなく、電子端末60に対して赤外線通信、可視光通信等の指向性(直進性)の高い光通信方式や、Bluetooth(登録商標)、WLAN(Wireless Local Area Network)等の近距離無線通信方式により接続されてもよい。
【0039】
図8に示すように、所在地コード生成装置40は、記憶部41、制御部42、および、通信処理部43を有している。
【0040】
記憶部41は、所在地コード生成装置40に予め割り当てられた固有(ユニーク)の識別情報(以下、これを「LC識別情報」ともいう。)を記憶する機能部であり、書き換え可能なROM(Read Only Memory)である例えばフラッシュメモリからなる。ただし、記憶部41は、所在地コード生成装置40とスマートメータ20との接続関係が一意であるため、LC識別情報に加えてスマートメータ20のSM識別情報を予め記憶しておくことも可能であり、その場合には書き換え不能なROM等からなることもある。
【0041】
すなわち、図7(B)に示すように、所在地コード生成装置40は、固有のLC識別情報を予め有している。また、記憶部41は、SM識別情報を予め記憶しておくのではなく、通信処理部43を介してスマートメータ20からSM識別情報を受信し、そのSM識別情報をLC識別情報とともに記憶することも可能である。
【0042】
なお、記憶部41には、通信処理部43と電子端末60との間で超音波通信を行うためのアプリケーションプログラムの他、所在地コードを生成等するための専用のアプリケーションプログラムが予めインストールされており、通信処理部43は、このアプリケーションプログラムに基づいて電子端末60との間で超音波通信を行う。
【0043】
制御部42は、CPU、メモリ、インタフェースを含むMCUからなり、当該MCUとアプリケーションプログラムとが協働することにより、所在地コード生成部42a、アクティベイト処理部42b、および、アライブ信号生成部42c等の各機能部を構築している。
【0044】
所在地コード生成部42aは、スマートメータ20および所在地コード生成装置40が取り付けられた所在地に関連したコード(以下、これを「所在地コード」ともいう。)を生成する機能部である。具体的には、所在地コード生成部42aは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから予め提供されている所定のソルトアンサー関数式を記憶部41に記憶している。
【0045】
すなわち、所在地コード生成部42aは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから与えられたソルト情報(何らかの任意のデータ)、記憶部41に記憶したLC識別情報、SM識別情報を用いてソルトアンサー関数式によりソルトアンサー情報となる所在地コードを生成する。
【0046】
ここで、ソルトアンサー関数式とは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sからソルト情報が与えられた場合に、例えば非可逆処理が行われるハッシュ関数等によりソルトアンサー情報(ハッシュ値等の暗号化データ)を生成するような関数式であ
る。ソルト情報とは、ソルトアンサー関数式に基づいてソルトアンサー情報を算出するための入力となるデータであるが、例えば、電力使用量データをソルト情報として用いることが可能である。ただし、電力使用量データに限るものではなく、素数の集合の値であったり、乱数値であったり、その他、種々の任意のデータを使用することが可能である。
【0047】
このソルトアンサー関数式は、所在地コード生成装置40毎に異なる固有(ユニーク)の関数式として所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから予め提供されている。つまり、図7(C)に示すように、所在地コード生成装置40は、固有(ユニーク)のソルトアンサー関数式を保持している。所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、所在地コード生成装置40とソルトアンサー関数式との対応関係を記憶している。
【0048】
このように所在地コード生成部42aは、固有(ユニーク)のソルトアンサー関数式を記憶しており、ソルト情報、LC識別情報、および、SM識別情報を用いてソルトアンサー関数式によりシリアルデータからなる所在地コードをソルトアンサー情報として生成する。
【0049】
ただし、所在地コード生成部42aは、ソルト情報、LC識別情報、および、SM識別情報を全て用いてソルトアンサー関数式により所在地コードを生成しなければならない訳ではなく、少なくともSM識別情報を用いてソルトアンサー関数式により所在地コードを生成してもよく、また、ソルト情報、LC識別情報、SM識別情報を任意に組み合わせて所在地コードを生成してもよい。
【0050】
図9に示すように、例えば、2台の所在地コード生成装置40a、40bがあり、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから同一のソルト情報(例えば[XKH48269PIM])が提供された場合でも、所在地コード生成装置40a、40bは、ソルトアン
サー関数式が双方共に異なり、かつ、LC識別情報(AA-BB-CC)、LC識別情報(ZZ-YY-XX)が異なり、かつ、SM識別情報も双方共に異なっている。
【0051】
したがって、ソルト情報が同一であっても、所在地コード生成装置40aの所在地コード生成部42aは、固有の所在地コード(例えば[POPPNNJRFFSS])をソルトアンサー情報として生成し、所在地コード生成装置40bの所在地コード生成部42aは、固有の所在地コード(例えば[TPGVELNWPS])をソルトアンサー情報として生成する。
【0052】
アクティベイト処理部42bは、所在地コード生成装置40と電子端末60およびスマートメータ20とのアクティベイト処理を行う機能部である。アクティベイト処理部42bは、アクティベイトIDおよび初期パスワード等を内部に記憶しており、アクティベイトIDおよび初期パスワードを用いて所在地コード生成装置40と電子端末60とをアクティベイトさせ、所在地コード生成装置40とスマートメータ20とをアクティベイトさせる。
【0053】
アライブ信号生成部42cは、スマートメータ20の通信処理部25を介して30分間隔毎に無線送信される電力使用料データを後述する通信処理部43により受信すると、当該電力使用料データに基づいてアライブ信号を所定時間毎(例えば1秒間毎)に生成し、通信処理部43を介して再度スマートメータ20へ送信する機能部である。
【0054】
ここで、図10に示すように、アライブ信号ALとは、所在地コード生成装置40、スマートメータ20、および、電子端末60の3者が有効に接続されたアクティベイト状態において、当該所在地コード生成装置40→スマートメータ20→所在地コード生成装置40→電子端末60→所在地コード生成装置40→スマートメータ20→……のように、
3者間を巡回しながら途切れることなく送信されるものである。このアライブ信号ALの存在は、正規の3者によるネットワークトポロジーが成立していることを意味する。
【0055】
通信処理部43は、記憶部41のアプリケーションプログラムに従い、Bルートを介してスマートメータ20との間で無線通信を確立(アクティベイト)し、当該スマートメータ20から所在地コード生成装置40のSM識別情報を受信することが可能である。なお、通信処理部43は、アライブ信号ALをスマートメータ20および電子端末60との間でやりとりする。
【0056】
また、通信処理部43は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sからのソルト情報およびアライブ信号ALを電子端末60からの超音波としてマイクロフォン46によって受信することが可能であり、所在地コード生成部42aにより生成された所在地コードを超音波としてスピーカ45から電子端末60へ発振することが可能である。
【0057】
図8に示すように、通信処理部43は、無線信号変換部43a、超音波変換部43b、および、音響処理部43cを備えている。無線信号変換部43aは、スマートメータ20の通信処理部25と同様の構成を有している。したがって、無線信号変換部43aは、スマートメータ20から受信した電波を復調してSM識別情報やアライブ信号ALを復元し、スマートメータ20へ無線送信すべきアライブ信号ALを変調する等の変換処理を行うことが可能である。無線信号変換部43aは、スマートメータ20から得られたSM識別情報を記憶部41に格納する。
【0058】
なお、無線信号変換部43aは、所在地コード生成部42aによって生成された所在地コードをスマートメータ20からスマートメータ管理サーバ30へ所謂Aルートで送信することも可能であり、その場合、例えば、所在地コードに基づいて搬送波を変調し、電波としてスマートメータ20へ無線送信する。
【0059】
超音波変換部43bは、所在地コード生成部42aによって生成されたシリアルデータからなる所在地コードやアライブ信号ALを無線信号変換部43a経由で受け取ると、その所在地コードをスピーカ45から超音波として出力するための超音波信号に変換する機能部である。
【0060】
音響処理部43cは、超音波変換部43bから供給される超音波信号に応じた超音波音源を生成してスピーカ45から出力させ、電子端末60のスピーカから出力された超音波をマイクロフォン46で受信し、超音波信号として超音波変換部43bへ出力する機能部である。例えば、音響処理部43cは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから電子端末60を介してソルト情報を超音波として受信したり、電子端末60からアライブ信号ALを超音波として受信すると、その超音波信号を、超音波変換部43bおよび無線信号変換部43aを介して所在地コード生成部42aへ出力する。
【0061】
ここで、所在地コード生成装置40と電子端末60との間で超音波通信を行う理由は、電波通信に比べて通信リンクの確立までに煩雑な処理を要することなく、所在地コード生成装置40と電子端末60との間の通信リンクの確立が容易であり、データ送信時の秘匿性が高いからである。超音波は、相手機器へ送る信号を超音波に変換してスピーカから発振し、それを相手機器のマイクロフォンで受信させるだけでよく、特別なハードウェア構成を必要とすることなく、ソフトウェアだけで容易に実現可能な通信方式である。
【0062】
また、超音波は、電気や光に比べて伝達速度が100万分の1と遅く、届く範囲も限られていて指向性も強いため、所在地コード生成装置40と電子端末60との設置間隔を短くすることになるので、設置間隔が長い場合に比べて漏洩のリスクが低減される。
【0063】
<電子端末>
電子端末60は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sとルータrt1、rt2を介して有線接続(または無線接続)されている。ただし、電子端末60と所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sとは、ルータrt1、rt2を介すことなく接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。ここで、電子端末60は、例えば、スマートフォン、ノートパソコン、携帯電話機等の少なくとも超音波の送受信が可能なスピーカおよびマイクロフォンを備えた電子機器であることが好ましい。
【0064】
電子端末60は、CPU、ROM、RAM、メモリ、スピーカ、マイクロフォン、カメラ等を有するコンピュータ機器である。この認証システム1において用いられる電子端末60は、所在地コード生成装置40との間で超音波通信や各種専用の処理等を行うための専用のアプリケーションプログラムが予めインストールされており、それ以外は通常のスマートフォンと同様である。
【0065】
電子端末60は、所在地コード生成装置40との間で超音波通信を行う場合、アプリケーションプログラムに従い、自身のスピーカおよびマイクロフォンを介して超音波通信を行うことが可能である。具体的には、電子端末60は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sからのソルト情報を所在地コード生成装置40へ送信したり、所在地コード生成装置40により生成されたソルトアンサー情報である所在地コードを超音波として受信し、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ送信することが可能である。
【0066】
なお、電子端末60は、自身に割り当てられた固有のデバイス識別情報を予めメモリに記憶しており、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに対するログイン認証要求時には、このデバイス識別情報についても、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ無線送信する。なお、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、予め電子端末60のデバイス識別情報についても記憶しているものとする。
【0067】
<所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ>
所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、CPU、大容量ストレージ、ネットワークインタフェース等を有するサーバであり、電子端末60が例えばコンテンツサーバ等にアクセスする前に当該電子端末60が正当なユーザであることを認証するものである。
なお、この実施の形態では、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、1台で、所在地コード認証およびIDパスワード認証の2つの機能を有し、第1の認証サーバおよび第2の認証サーバが一体の構成であるが、第1の認証サーバであるIDパスワード認証サーバと、第2の認証サーバである所在地コード認証サーバと、を別体の構成とすることもできる。
【0068】
図11に示すように、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、ネットワークインタフェースからなる通信処理部80a、大容量ストレージからなる記憶部80b、および、CPUからなる認証処理部80cを備えている。所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの通信処理部80a、記憶部80b、および認証処理部80cの各機能は、これらのハードウェア資源と記憶部80bに格納されている所定の認証プログラムとが協働することによって実現される。
【0069】
通信処理部80aは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sと電子端末60との間でデータを無線により送受信する機能部である。記憶部80bは、ソルト情
報、ソルトアンサー関数式、スマートメータ20のSM識別情報、所在地コード生成装置40のLC識別情報、電子端末60のデバイス識別情報等を記憶する機能部である。
【0070】
認証処理部80cは、所在地コード生成装置40から受け取るソルトアンサー情報(所在地コード)や、電子端末60から受け取るアライブ信号AL、スマートメータ20のSM識別情報、電子端末60からのユーザID、パスワード、および、デバイス識別情報等に基づいてログイン認証を行う機能部であり、詳細については後述する。
【0071】
所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、通信処理部80aによりソルト情報を電子端末60へ送信し、当該電子端末60を介して当該ソルト情報を所在地コード生成装置40へ超音波として送信可能である。また、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、所在地コード生成装置40からのソルトアンサー情報(所在
地コード)、および、電子端末60からのユーザID、パスワード、およびデバイス識別
情報を通信処理部80aにより受信可能である。
【0072】
図12に示すように、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、所在地コード生成装置40へ送信したソルト情報([XKH48269PIM])、および、所在地コード生
成装置40が保持しているのと同じソルトアンサー関数式を記憶部80bに記憶している。このため、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、電子端末60から受け取るソルトアンサー情報([POPPNNJRFFSS])すなわち所在地コードの正当性を認証処理部80cにより判定することが可能である。なお、認証処理部80cは、ソルトアンサー情報(所在地コード)だけではなく、アライブ信号AL、電子端末60からのユーザID、パスワード、および、デバイス識別情報等を用いてログイン認証処理を行う。
【0073】
<スマートメータ、所在地コード生成装置、電子端末の相互の関係>
図13に示すように、認証システム1において、スマートメータ20、所在地コード生成装置40、電子端末60は、それぞれ装置として物理的に固有のものであり、3者間をそれぞれ接続するネットワーク単体のトポロジーについても固有のものである。このため、認証システム1では、これら3者に加えて、スマートメータ管理サーバ30、および、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sを含めた全体のネットワークトポロジーも固有のものとなり、スマートメータ管理サーバ30から所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sまでのネットワークにおいて信号の送受信が可能となる。すなわち、ネットワーク全体にパスが通じる。
【0074】
したがって、認証システム1のスマートメータ管理サーバ30と、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sとの間を構築するスマートメータ20、所在地コード生成装置40、および、電子端末60の3者の固体の組み合わせに1台でも変化が生じた場合、ネットワークトポロジーについても変化が生じることになる。例えば、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、このネットワークトポロジーがアクティベイトされていて、トポロジー全体に対してルールに基づいたデータが送受信されない場合、電子端末60からのユーザIDおよびパスワードによる認証を拒絶することが可能となる。
【0075】
図14に示すように、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、電子端末60が当該所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに対してログインする際に用いられるユーザIDおよびパスワードと紐付けられる所在地コード生成装置40とスマートメータ20との対応関係を予め認識している。したがって、他のスマートメータ20、他の所在地コード生成装置40、他のユーザIDおよびパスワードの組み合わせでは上述した対応関係を構築し得ないため、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは3者を紐付けることができないようになっている。
【0076】
所在地コード生成装置40は、スマートメータ20および電子端末60とアクティベイトすることが可能であり、アクティベイトされると、スマートメータ20および電子端末60から送信されるデータを継続して受信することが可能となり、自身で生成した所在地コードやアライブ信号ALをアクティベイト中のスマートメータ20や電子端末60へ送信可能となる。
【0077】
また、所在地コード生成装置40は、スマートメータ20とのアクティベイトが解除されると、電子端末60へ送信されるデータ(所在地コード)が制限され、再度アクティベイトされるまでその制限が続く。
【0078】
アクティベイトされた所在地コード生成装置40とスマートメータ20との組み合わせは固有(ユニーク)なものであり、所在地コード生成装置40は、一度スマートメータ20とアクティベイトされた場合、そのスマートメータ20に限って再アクティベイト可能となる。したがって、所在地コード生成装置40は、最初にアクティベイトしたスマートメータ20以外のスマートメータ20とはアクティベイトすることができず、当該所在地コード生成装置40は他のスマートメータ20との接続に転用不可能となる。
【0079】
所在地コード生成装置40は、電子端末60とのアクティベイトを複数台可能であるが、2台目以降の電子端末60とのアクティベイトを行うには一定の条件が必要であり、その点については後述する。
【0080】
<所在地コード生成装置とスマートメータおよび電子端末とのアクティベイト>
まず、所在地コード生成装置40とスマートメータ20とをアクティベイトする前に、所在地コード生成装置40と電子端末60とのアクティベイトを行う必要がある。その理由は、スマートメータ20および所在地コード生成装置40には、入力部(マウス、キーボード等)およびその入力結果を表示する表示部(液晶画面等)が存在していない場合もあり、両者間のアクティベイトを実行する術がないからである。
【0081】
図15に示すように、所在地コード生成装置40と1台目の電子端末60とをアクティベイトするに際し、電子端末60は、所在地コード生成装置40へアクティベイトするためのアクティベイトIDと初期パスワードを予め所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから受信して記憶しておく。
【0082】
具体的には、所在地コード生成装置40の正規ユーザは、認証システム1の正当な利用者であるとして所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sからアクティベイトIDおよび初期パスワードが電子端末60に通知されるため、当該電子端末60にアクティベイトIDおよび初期パスワードを記憶しておくことができる。
【0083】
電子端末60は、ユーザの操作に応じてアクティベイトIDおよび初期パスワードを読み出し、これらを超音波通信により所在地コード生成装置40へ送信する。所在地コード生成装置40のアクティベイト処理部42bは、電子端末60からのアクティベイトIDおよび初期パスワードが正しいか否かを判定し、正しいと判定した場合に1台目の電子端末60とのアクティベイト処理を実行する。なお、アクティベイト完了後においては、ユーザにより初期パスワードを任意の値に変更可能であるが、アクティベイトIDについては所在地コード生成装置40と紐付いた固有のIDであるため変更はできない。
【0084】
続いて、図16に示すように、所在地コード生成装置40とスマートメータ20とをアクティベイトさせるに際し、電子端末60は、所在地コード生成装置40とアクティベイトする際に用いたアクティベイトIDおよび初期パスワードを当該所在地コード生成装置
40を介してスマートメータ20へ無線送信する。スマートメータ20の電力使用量計量部21は、アクティベイトIDおよび初期パスワードが正しいか否かを判定し、正しいと判定した場合に所在地コード生成装置40とのアクティベイト処理を実行する。
【0085】
次に、図17に示すように、所在地コード生成装置40と2台目の電子端末60sとをアクティベイトさせる場合について説明する。所在地コード生成装置40は、2台目の電子端末60sとアクティベイトするには、スマートメータ20および1台目の電子端末60との間のアクティベイト処理が完了している必要がある。
【0086】
この場合、所在地コード生成装置40と1台目の電子端末60との間でアクティベイト処理が完了していれば、たとえ1台目の電子端末60が現在非アクティブ状態であっても、2台目の電子端末60sと所在地コード生成装置40との間でアクティベイト処理を行うことが可能である。
【0087】
続いて、所在地コード生成装置40が電子端末60およびスマートメータ20との間で上述したようなアクティベイト処理を行う際の手順について説明する。
【0088】
図18のメインルーチンMRT1に示すように、所在地コード生成装置40の制御部42は、ステップSP1において、通信処理部43を介して電子端末60から受信したものがアクティベイト要求であるか否かをアクティベイト処理部42bにより判定し、否定結果が得られると(ステップSP1:NO)、次のステップSP2へ移り、肯定結果が得られると(ステップSP1:YES)、ステップSP5へ移る。
【0089】
ステップSP2において制御部42のアクティベイト処理部42bは、通信処理部43を介して受信したものがスマートメータ20からのアクティベイト要求であるか否かをアクティベイト処理部42bにより判定する。ここで、スマートメータ20は入力部および表示部を有していないため、電子端末60を介して当該スマートメータ20から所在地コード生成装置40へアクティベイト要求が行われる。
【0090】
ステップSP2において否定結果が得られると(ステップSP2:NO)、このことは、アクティベイト要求が所在地コード生成装置40に紐付けられている正規の電子端末60およびスマートメータ20からのものではないことを意味しており、この場合、アクティベイト処理部42bは次のステップSP3へ移る。一方、ステップSP2において肯定結果が得られると(ステップSP2:YES)、次のステップSP4へ移り、後述するようなスマートメータ20とのアクティベイト処理へ移行する。
【0091】
ステップSP3においてアクティベイト処理部42bは、正規な電子端末60および正規なスマートメータ20からのアクティベイト要求ではないので、電子端末60に対してエラー通知を行い、当該電子端末60の表示画面にアクティベイトエラーを表示させ、アクティベイト処理を終了する。
【0092】
ステップSP5においてアクティベイト処理部42bは、アクティベイト要求を受け付けた電子端末60が1台目であるか否かを判定し、所在地コード生成装置40が非アクティベイト状態であれば、当該電子端末60が1台目であるため、肯定結果が得られ(ステップSP5:YES)、次のステップSP6へ移る。
【0093】
ステップSP6においてアクティベイト処理部42bは、電子端末60からアクティベイト用のアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードを受信し、次のステップSP7へ移る。
【0094】
ステップSP7においてアクティベイト処理部42bは、電子端末60から受信したアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードの双方共に正しいか否かを判定する。ここで、正規の電子端末60であれば、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sから予めアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードを貰い受けており、また、所在地コード生成装置40のアクティベイト処理部42bにおいても、電子端末60に割り当てられたアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードを記憶している。
【0095】
ステップSP7において肯定結果が得られると(ステップSP7:YES)、アクティベイト処理部42bは、自身で記憶していたアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードと、電子端末60から受信したアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードとが一致するので、正当な接続関係を有する正規の電子端末60であると認識することができる。したがってアクティベイト処理部42bは、次のステップSP8へ移って、電子端末60とのアクティベイト処理を行った後、再度ステップSP1へ戻る。
【0096】
これに対して、ステップSP7において否定結果が得られると(ステップSP7:NO)、アクティベイト処理部42bは、アクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードが一致せず、正当な接続関係を有する正規の電子端末60ではないと認識し、次のステップSP9へ移って、当該電子端末60にアクティベイトエラーを表示させた後、再度ステップSP1へ戻る。
【0097】
ところで、ステップSP5において否定結果が得られると(ステップSP5:NO)、このことは、アクティベイト要求を受け付けた電子端末60が1台目ではなく、2台目であることを意味しており、この場合、アクティベイト処理部42bは、次のステップSP10へ移り、2台目の電子端末60sに対するアクティベイト処理を行う。
【0098】
ステップSP10においてアクティベイト処理部42bは、1台目の電子端末60と既にアクティベイト済みである場合に限り、2台目の電子端末60sに対する仮パスワードを生成し、これを1台目の電子端末60へ通信処理部43による超音波通信によって送信し、次のステップSP11へ移る。
【0099】
ステップSP11において、1台目の電子端末60は、受信した仮パスワードを表示する。ステップSP12において、2台目の電子端末60sから、仮パスワードおよび1台目の電子端末60の場合と同じアクティベイトIDを入力する。ステップSP13において、アクティベイト処理部42bは、アクティベイトIDおよび仮パスワードを受信し、次のステップSP7~ステップSP9の処理に移り、アクティベイトIDおよび仮パスワードに基づいて2台目の電子端末60sのアクティベイト処理を実行する。因みに、2台目の電子端末60sから1台目の電子端末60の場合と同じアクティベイトIDを受信できるのは、1台目の電子端末60および2台目の電子端末60sの所有者が正規ユーザである以上は同一であり、正規の1台目の電子端末60に続く正規の2台目の電子端末60sといえるからである。
【0100】
続いて、ステップSP4における所在地コード生成装置40とスマートメータ20とのアクティベイト処理について詳細に説明する。図19に示すように、ステップSP41において、所在地コード生成装置40のアクティベイト処理部42bは、当該所在地コード生成装置40と1台目の電子端末60とが既にアクティベイト済みであるか否かを判定し、否定結果が得られると(ステップSP41:NO)、ステップSP1(図17)に戻り、肯定結果が得られると(ステップSP41:YES)、次のステップSP42へ移る。
【0101】
ステップSP42においてアクティベイト処理部42bは、既にアクティベイト済みの電子端末60からの要求に応じて、通信処理部43によりスマートメータ20と無線接続し、次のステップSP43へ移る。
【0102】
ステップSP43においてアクティベイト処理部42bは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sからスマートメータ20に予め割り当てられていたアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードをアクティベイト済みの電子端末60からスマートメータ20に代わって受信したか否かを判定する。ここで、否定結果が得られると(ステップSP43:NO)、再度ステップSP43に戻り、アクティベイト処理部42bは、電子端末60からスマートメータ20のアクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードを受信するまで待ち受ける。
【0103】
これに対して、ステップSP43において肯定結果が得られると(ステップSP43:YES)、アクティベイト処理部42bは、次のステップSP44乃至ステップS46へ移り、ステップSP7乃至ステップSP9と同様にスマートメータ20に対するアクティベイト処理を実行する。
【0104】
すなわち、アクティベイト処理部42bは、アクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードに基づいて所在地コード生成装置40と正当な接続関係を有する正規のスマートメータ20であると認識した場合(ステップSP44:YES)、ステップSP45において当該スマートメータ20とのアクティベイト処理を行う。
【0105】
一方、アクティベイト処理部42bは、アクティベイトID、および、アクティベイト用初期パスワードに基づいて正当な接続関係を有することのない正規の電子端末60ではないと認識した場合(ステップSP44:NO)、ステップSP46において、スマートメータ20と所在地コード生成装置40との間にアクティベイトエラーが生じたことをその電子端末60に通知して表示させた後、スマートメータ20とのアクティベイト処理を終了する。
【0106】
<認証処理シーケンス>
次に、このような認証システム1において、スマートメータ20、所在地コード生成装置40、電子端末60を用いた所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sによるログイン処理時の認証処理シーケンス(SK1~SK15)について、図20のシーケンスチャートを用いて説明する。
なお、上述したように、この実施の形態では、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、1台で、所在地コード認証およびIDパスワード認証の2つの機能を有し、第1の認証サーバおよび第2の認証サーバが一体の構成であるが、ログイン処理時の認証処理シーケンス(SK1~SK15)を行う第1の認証サーバと、本人確認処理シーケンス(SK16~SK20)を行う第2の認証サーバと、を別体の構成とすることもできる。
【0107】
最初に、電子端末60は、処理手順SK1において、アクティベイトIDおよびアクティベイト用初期パスワードを所在地コード生成装置40とアクティベイトするための当該電子端末60からの認証情報として当該所在地コード生成装置40へ送信する。
【0108】
所在地コード生成装置40は、処理手順SK2において、電子端末60の認証が成功すると当該電子端末60とのアクティベイト処理を行い、アクティベイト済みである旨の通知を電子端末60に行う。すなわち、所在地コード生成装置40は、電子端末60とのアクティベイト処理を最初に完了する。
【0109】
その後、所在地コード生成装置40は、処理手順SK3、SK4において、電子端末60のアクティベイト処理(処理手順SK1、SK2)と同様に、スマートメータ20とのアクティベイト処理を完了する。
【0110】
所在地コード生成装置40の制御部42は、電子端末60およびスマートメータ20の双方とのアクティベイト処理が完了し、正規の3者によるトポロジーが成立したので、処理手順SK5において、アライブ信号生成部42cによりアライブ信号ALを生成し、これをスマートメータ20へ送信する。
【0111】
スマートメータ20の通信処理部25は、処理手順SK6において、所在地コード生成装置40から送信されてくるアライブ信号ALを受信すると、これを所在地コード生成装置40へ返信する。
【0112】
所在地コード生成装置40は、処理手順SK7において、通信処理部43によりスマートメータ20からアライブ信号ALを受信すると、当該通信処理部43を介してこのアライブ信号ALを超音波通信により電子端末60へ送信する。
【0113】
電子端末60は、処理手順SK8において、アライブ信号ALを受信すると、このアライブ信号ALを超音波通信により直ちに所在地コード生成装置40へ返信する。このように所在地コード生成装置40は、図21に示すように、これ以降、3者間でアライブ信号ALを循環し続けさせる。ただし、アライブ信号ALの循環の方向は、これとは逆向き、すなわち、所在地コード生成装置40→電子端末60→所在地コード生成装置40→スマートメータ20→所在地コード生成装置40→……であってもよい。
【0114】
電子端末60は、処理手順SK9において、所在地コード生成装置40およびスマートメータ20との3者間で正規なトポロジーが成立し、アライブ信号ALが循環できているので、アライブ信号AL、所望のサーバにログインするためのユーザIDおよびパスワード、当該電子端末60に割り当てられている固有のデバイス識別情報からなる認証要求情報を所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに対して送信する。
【0115】
所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、処理手順SK10、SK11において、ソルト情報を生成し、これを電子端末60を介して所在地コード生成装置40へ超音波通信により送信する。
【0116】
所在地コード生成装置40は、処理手順SK12、SK13において、ソルト情報を受信すると、スマートメータ20のSM識別情報、当該所在地コード生成装置40のLC識別情報、および、ソルト情報を用いて所定のソルトアンサー関数式により固有のソルトアンサー情報(所在地コード)を生成し、これを電子端末60から所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ送信する。
【0117】
所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、処理手順SK14において電子端末60からのログイン要求に対する真贋判定を行う。具体的には、図22に示すように、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、スマートメータ20、所在地コード生成装置40および電子端末60の3者が所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの認める正規かつ固有のネットワークトポロジーを構築しており、3者を循環する最新のアライブ信号AL、電子端末60からのユーザID、パスワード、所在地コード生成装置40により生成されるソルトアンサー情報(所在地コード)、および、電子端末60の固有のデバイス識別情報の何れも全てが正しく揃っている場合に限り、電子端末60からのログイン要求が真であると判定し、ログイン認証を認める。この所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sによるログイン認証処理手順を、図
23のフローチャートにより具体的に説明する。
【0118】
図23に示すように、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの認証処理部80cは、処理手順SK14のステップSP51において、電子端末60からアライブ信号AL、ユーザID、パスワード、電子端末60のデバイス識別情報からなる認証要求情報を通信処理部80aにより受信したか否かを判定し、否定結果が得られると(ステップSP51:NO)、認証要求情報を受信するまで待ち受け、肯定結果が得られると(ステップSP51:YES)、次のステップSP52へ移る。
【0119】
ステップSP52において認証処理部80cは、電子端末60から受信した認証要求情報に含まれるアライブ信号ALの生成時刻に基づいて、最新のアライブ信号ALであるか否かを判定する。上述したように、アライブ信号ALは1秒毎に生成されているため、認証処理部80cは、現在時刻と比較することにより最新のアライブ信号ALであるか否かを判定可能である。例えば、アライブ信号ALが生成された時刻と現在時刻との差が例えば2秒以内であれば、当該アライブ信号ALが最新のアライブ信号であると判定してもよい。
【0120】
ステップSP52において認証処理部80cは、最新のアライブ信号ALを正常に受信したか否かを判定する。ここで、否定結果が得られると(ステップSP52:NO)、このことは、スマートメータ20、所在地コード生成装置40および電子端末60の3者が所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの認める正規かつ固有のネットワークトポロジーを構築しておらず、最新のアライブ信号ALを受信できないことを表している。このとき認証処理部80cは、ステップSP58へ移り、電子端末60に「NOT
TRUE」を表す非認証結果情報を送信して、当該電子端末60に「NOT TRUE」を表示させた後、ログイン認証処理手順を終了する。
【0121】
これに対して、ステップSP52において肯定結果が得られると(ステップSP52:YES)、認証処理部80cは、スマートメータ20、所在地コード生成装置40および電子端末60の3者が所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの認める正規かつ固有のネットワークトポロジーを構築していると認識し、次のステップSP53に移って、ソルト情報を通信処理部80aにより電子端末60へ送信する。
【0122】
これにより電子端末60は、ソルト情報を所在地コード生成装置40へ送信する。所在地コード生成装置40は、ソルト情報、SM識別情報、LC識別情報を用いてソルトアンサー関数式によりソルトアンサー情報(所在地コード)を生成し、これを電子端末60から所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ送信する。
【0123】
ステップSP54において認証処理部80cは、所在地コード生成装置40からのソルトアンサー情報(所在地コード)を受信し、次のステップSP55へ移る。ステップSP55において認証処理部80cは、最新のアライブ信号AL、電子端末60からのユーザIDおよびパスワード、所在地コード生成装置40により生成されるソルトアンサー情報(所在地コード)、および、電子端末60のデバイス識別情報の4つの要素が全て正しく揃っている場合に限り、肯定結果を得て(ステップSP55:YES)、次のステップSP56へ移る。
【0124】
ステップSP56において認証処理部80cは、電子端末60に対するログイン処理を実行し、次のステップSP57において「TRUE」を表す認証結果情報を送信することにより、当該電子端末60に「TRUE」を表示させた後、ログイン認証処理手順を終了する。
【0125】
これに対してステップSP55において、否定結果が得られると(ステップSP55:NO)、このことは、4つの要素が全て揃っていないため認証処理部80cはログインを認めることができないことを意味し、ステップSP58へ移り、上述したように、非認証結果情報を電子端末60へ送信した後、ログイン認証処理手順を終了する。
【0126】
ここでステップSP55において否定結果が得られる場合とは、例えば、図24に示すように、最新のアライブ信号ALだけが取得できない場合、図25に示すように、最新のアライブ信号ALおよびソルトアンサー情報(所在地コード)が取得できない場合、図26に示すように、最新のアライブ信号AL、ソルトアンサー情報(所在地コード)およびデバイス識別情報が取得できない場合、および、図27に示すように、4つの要素全てが取得できない場合等がある。
【0127】
ただし、図27に示したように、悪意の第三者がユーザID、パスワードを不正に入手し、電子端末60を不正に入手し、所在地コード生成装置40を不正に入手し、かつ、スマートメータ20を不正に入手した場合、悪意の第三者によるなりすましができてしまう可能性があるとも考えられる。
【0128】
しかしながら、スマートメータ20が正規の所在地から撤去されて、他の場所に取り付けられた場合、スマートメータ管理サーバ30とスマートメータ20の両者間の通信が切断される。したがってスマートメータ管理サーバ30は、本来の所在地にスマートメータ20が設置されていないか、あるいは故障が生じた異常な状態であると判定し、異常である旨の異常情報をインターネット経由で所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ送信することが可能である。
【0129】
これにより所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、たとえ、悪意の第三者がユーザID、パスワード、電子端末60、所在地コード生成装置40、および、スマートメータ20を全て不正に取得した場合でも、不正なログイン認証を未然に防止し、悪意の第三者による不正なログイン認証を事実上無効化することができる。
【0130】
このように認証システム1では、スマートメータ20、所在地コード生成装置40および電子端末60の3者が所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの認める正規かつ固有のネットワークトポロジーを構築している場合に限り、ログイン認証処理を実行することができるので、悪意の第三者によるなりすましを従来に比して格段に防止し得、ネットワーク上のセキュリティの安全性を従来に比して一段と保証することができる。
以上の認証システム1では、ユーザU1のスマートメータ20、ユーザU1の所在地コード生成装置40およびユーザU1の電子端末60の3者が正規かつ固有のネットワークトポロジーを構築し、ユーザU1の本人確認を行うものであるが、ユーザU2、U3・・・も同様の認証システムによって本人確認を行うことができる。
【0131】
再び図1および図20を参照し、ユーザの本人確認について説明する。
上述した場合と同様に、ユーザU1がユーザU2に10万円の振込をする使用シナリオの第1の例を考える。
処理手順SK16において、ユーザU1は、自身の電子端末60を用いて銀行サーバB1に振込依頼をする。
処理手順SK17において、銀行サーバB1は、送金者であるユーザU1および受金者であるユーザU2の本人確認を所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに依頼する。例えば、銀行サーバB1は、ユーザU1、U2の住所および氏名等のユーザ情報を所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに送信し、ユーザU1、U2のユーザ情報が正しいか否かを所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sに
問い合わせる。
【0132】
処理手順SK18において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、銀行サーバB1から受け取ったユーザU1、U2のユーザ情報と、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sが有するユーザU1、U2のユーザ情報と、が一致しているか否かの真贋判定を行う。具体的には、処理手順SK15において「TRUE」を送信している場合、上述したとおり、最新のアライブ信号AL、電子端末60からのユーザIDおよびパスワード、所在地コード生成装置40により生成されるソルトアンサー情報(所在地コード)、および、電子端末60のデバイス識別情報の4つの要素が全て正しく揃っているため、ユーザU1、U2のそれぞれについて、正規のユーザが正規の電子端末60を正規の所在地で使用しているとみなされている。ここで、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、正規のユーザについて、上述した4つの要素のうちの少なくとも所在地コードに関連させて、住所および氏名等のユーザ情報を有しており、当該ユーザ情報と、銀行サーバB1から受け取ったユーザ情報と、が一致しているか否かを判定する。言い換えると、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、多数の正規のユーザについて、少なくとも所在地コードに関連させて、住所および氏名等のユーザ情報のリストを有しており、当該リストに、ユーザU1、U2が含まれているか否かを判定する。
【0133】
真贋判定処理を、図28のフローチャートを用いて説明すると、ステップSP61において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、送金者であるユーザU1の4つの要素が全て正しく揃っているか否かを確認する。送金者の4つの要素が全て正しく揃っている場合(YES)、ステップSP62に進む。一方、送金者の4つの要素が全て正しく揃っていない場合(NO)、ステップSP65に進み、送金者の本人確認が未完了となる。
ステップSP62において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、受金者であるユーザU2の4つの要素が全て正しく揃っているか否かを確認する。受金者の4つの要素が全て正しく揃っている場合(YES)、ステップSP63に進み、送金者および受金者の本人確認が完了となる。一方、受金者の4つの要素が全て正しく揃っていない場合(NO)、ステップSP64に進む。
【0134】
ステップSP64において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、受金者の電子端末60が過去にアクティベイトされたことがあるか否かを確認する。上述したとおり、本人確認の際は、4つの要素が全て正しく揃っていることが要求される。しかしながら、受金者の場合は、正規のユーザではあるものの、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sが本人確認を行う際に、電子端末60の電源が入っていないこともありうる。そのような場合に本人確認が未完了と結論付けるのは早急である。そこで、受金者の電子端末60が過去に(例えば1週間以内に)アクティベイトされたことがあれば、受金者の本人確認が完了したものとみなすことができる。それゆえ、ステップSP64において、受金者の電子端末60が過去にアクティベイトされたことが確認されると(YES)、ステップSP63に進み、送金者および受金者の本人確認が完了となる。一方、ステップSP64において、受金者の電子端末60が過去にアクティベイトされたことが確認されないと(NO)、ステップSP65に進み、受金者の本人確認が未完了となる。
【0135】
真贋判定の結果、銀行サーバB1から受け取ったユーザU1、U2のユーザ情報と、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sが有するユーザU1、U2のユーザ情報と、が一致して、ユーザU1、U2のそれぞれについて、正規のユーザであることが確認できれば、図20の処理手順SK19において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、「TRUE」を表す認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。
一方、正規のユーザであることが確認できなければ、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、「FALSE」を表す非認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。
その後、処理手順SK20において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、ユーザU1、U2の取引があったという取引情報を記録する。
【0136】
図示を省略するが、銀行サーバB1は、「TRUE」を受信した場合、ユーザU1、U2の本人確認が完了したため、銀行サーバB2のユーザU2に振込を実行し、一方、「FALSE」を受信した場合、ユーザU1、U2の少なくともいずれかの本人確認が完了しなかったため、振込手続を中止する。
【0137】
本発明では、ユーザU1、U2が使用する電子端末が正当な所在地に存在しているか否かを、所在地コードを用いて判定することにより、銀行取引時に確実に送金者および受金者の本人確認を行うことができる。これにより、安心して銀行取引を行うことができる。
【0138】
上述した送金者および受金者の本人確認に加えて、受金者の口座が不正口座ではないことを確認したいという要求が存在する。例えば、振り込め詐欺等に使用される口座では、入金のみが行われ、出金が行われないという特徴を有する。一方、一般的な正常の口座では、入金および出金がバランスよく行われるものである。そこで、取引情報から、入金のみが行われている口座を発見し、当該口座に対して振込等の取引を行う際に警告を行うシステムを提案する。
【0139】
再び図2を参照し、本発明のさらなる実施の形態を説明する。
使用シナリオの第1の例において、10万円が入金されたユーザU2の口座の過去5日間の取引情報に注目すると、2016/12/2に電気料金の口座振替により出金され、2016/12/3にガス料金の口座振替により出金され、2016/12/5にユーザU8から入金されていることが分かる。このように、入金および出金がバランスよく行われていることから、ユーザU2の口座は正常であると判定することができる。
一方、使用シナリオの第2の例として、ユーザU3の口座の過去5日間の取引情報に注目すると、2016/12/1に1回、2016/12/2に2回、2016/12/4に1回、2016/12/5に1回、合計5回の入金が行われ、出金は行われていないことがわかる。このような口座は、振り込め詐欺等に使用される不正口座である可能性があるとして、次に取引を行う際に警告を行う。
【0140】
図29のフローチャートを用いて説明する。
ステップSP71において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、取引情報を記録する。例えば、使用シナリオの第2の例として、2016/12/5にユーザU7がユーザU3に100万円の振込をした場合を検討すると、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、ユーザU7に対して「出金」を記録し、ユーザU3に対して「入金」を記録する。
ステップSP72において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、受金者の過去の所定期間内の取引情報を確認する。すなわち、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、上述したように、ユーザU3の口座について、2016/12/1に1回、2016/12/2に2回、2016/12/4に1回入金されていることを確認する。なお、この例では、過去5日間の取引情報を確認しているが、任意の日数を設定することができる。
ステップSP73において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、受金者であるユーザU3の過去取引に出金があったことを確認しないため(NO)、ステップSP74において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、受金者であるユーザU3の口座は不正口座の可能性があるとして、銀行サーバB1に警告を
送信する。
【0141】
一方、ステップSP73において、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sが、受金者の過去取引に出金があったことを確認すると(YES)、処理は終了する。
【0142】
この実施の形態では、出金の有無が、不正口座の可能性の判定基準に用いられているが、判定基準は適宜変更可能である。例えば、親の口座から子供の口座に定期的に仕送りが行われており、公共料金も親の口座から支払われているような場合は、子供の口座には入金のみが行われ、出金が行われていない。このような場合を考慮して、入金のみが行われている口座であっても、特定の送金者からの入金のみがあるような場合は不正口座の可能性は低いとみなすこともできる。また、入金のみが行われている口座であっても、入金の中に給与振込による入金があった場合は、不正口座の可能性は低いとみなすこともできる。また、所定額以上の入金が、所定頻度以上に発生している場合に不正口座の可能性があるとみなすこともできる。このように、不正口座の可能性の判定基準は、本発明のシステムが例えば銀行に適用された場合には、当該銀行によって適宜設定可能である。
上述した使用シナリオの第1の例および第2の例では、銀行取引が振込であったため、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、送金者(出金口座)および受金者(入金口座)について取引情報を記録するが、銀行取引が口座振替の場合は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、出金口座の取引情報のみを記録する。
【0143】
本発明では、銀行取引時に、受金者の過去の取引を確認することにより、当該受金者の口座が不正口座の可能性があることを銀行に警告し、不正口座における取引を未然に防止することができる。
【0144】
<AルートおよびBルートの双方を用いた認証システム>
次に、AルートおよびBルートの双方を用いた複数の認証システムについて説明する。図3との対応部分に同一符号を付した図30に破線で示すように、認証システム1aは、スマートメータ20、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30s、所在地コード生成装置40、電子端末60、および、IDパスワード認証サーバ80を備えている。この認証システム1aでは、特に、スマートメータ管理サーバ30および所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの代わりに、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sおよびIDパスワード認証サーバ80が設けられている点が異なる。この実施の形態では、第1の認証サーバとしてのIDパスワード認証サーバ80と、第2の認証サーバとしての所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sと、が別体である。
初めに、破線内に示す認証システム1aについて説明し、次に、銀行サーバB1による本人確認について説明する。
【0145】
所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、所在地コード生成装置40により生成された所在地コードを所謂Aルートによりスマートメータ20から受信することが可能となっている。
【0146】
所在地コード生成装置40は、これまで通り、所謂Bルートにより電子端末60を介してIDパスワード認証サーバ80へ所在地コードを送信しており、IDパスワード認証サーバ80はBルート経由で受信した所在地コードをルータrt3、インターネット、および、ルータrt4を介して所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sへ送信する。
【0147】
所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの構成(図11)と基本的には同一の構成を有し、図示しない認証処理部において、Aルート経由で受信した所在地コードと、Bルート経由で受信した所在地コードとのマッチングを行う。
【0148】
所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、双方の所在地コードが一致した場合には正常なログイン認証として認め、「TRUE」を表す認証結果情報をAルート経由でスマートメータ20に送信し、さらにBルート経由で所在地コード生成装置40から電子端末60へ送信するとともに、当該認証結果情報をインターネット経由でIDパスワード認証サーバ80へ送信する。
【0149】
これによりIDパスワード認証サーバ80は、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sから受信した認証結果情報に基づいて電子端末60によるユーザIDおよびパスワードを用いたログイン処理を実行することができる。
【0150】
送金者であるユーザが、自身の電子端末60から銀行サーバB1に振込依頼をすると、銀行サーバB1は、送金者および受金者のユーザ情報を所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sに送信し、送金者および受金者の本人確認依頼を依頼する。
【0151】
所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、銀行サーバB1から受け取った送金者および受金者のユーザ情報と、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sが有するユーザ情報と、が一致しているか否かの真贋判定を行う。
真贋判定の結果、一致していれば、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、「TRUE」を表す認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。一方、一致しなければ、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30sは、「FALSE」を表す非認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。
【0152】
また、図31に破線で示すように、認証システム1bは、スマートメータ20、スマートメータ管理サーバ30、所在地コード生成装置40、電子端末60、および、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sを備えている。この認証システム1bは、図3の認証システム1と同一の全体構成を有するが、特に、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sにおいてマッチングを行う点が異なる。
【0153】
この場合、スマートメータ管理サーバ30は、所在地コード生成装置40により生成された所在地コードを所謂Aルートによりスマートメータ20から受信している。スマートメータ管理サーバ30は、ルータrt4、インターネット、ルータrt3を介して所在地コードを所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ送信する。所在地コード生成装置40は、これまで通り、所謂Bルートにより電子端末60を介して所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sへ所在地コードを送信している。
【0154】
したがって、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、認証処理部80cにおいて、Aルート経由で受信した所在地コードと、Bルート経由で受信した所在地コードとのマッチングを行う。所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、双方の所在地コードが一致した場合には正常なログイン認証として認め、「TRUE」を表す認証結果情報を電子端末60へ送信するとともに、電子端末60によるログイン処理を実行する。ただし、これに限るものではなく、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sは、Aルート経由でスマートメータ20から所在地コード生成装置40を介して電子端末60へ認証結果情報を送信することも可能である。
銀行サーバB1による本人確認手続は、図20の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0155】
さらに、図3との対応部分に同一符号を付した図32に破線で示すように、認証システム1cは、スマートメータ20、スマートメータ管理サーバ30、所在地コード生成装置40、電子端末60、IDパスワード認証サーバ80に加えて、所在地コード認証サーバ100を備えている。この認証システム1cでは、特に、所在地コード認証サーバ100が新たに設けられている点が異なる。所在地コード認証サーバ100は、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80sの構成(図11)と基本的には同一の構成を有する。
この実施の形態では、第1の認証サーバとしてのIDパスワード認証サーバ80と、第2の認証サーバとしての所在地コード認証サーバ100と、が別体である。
【0156】
この場合、所在地コード認証サーバ100が、所謂Aルートによりスマートメータ管理サーバ30からルータrt4を介して受信した所在地コードと、所謂BルートによりIDパスワード認証サーバ80からルータrt3を介して受信した所在地コードとのマッチングを行う。所在地コード認証サーバ100は、双方の所在地コードが一致した場合には正常なログイン認証として認め、「TRUE」を表す認証結果情報をAルートまたはBルートを介して電子端末60へ送信する。
【0157】
送金者であるユーザが、自身の電子端末60から銀行サーバB1に振込依頼をすると、銀行サーバB1は、送金者および受金者のユーザ情報を所在地コード認証サーバ100に送信し、送金者および受金者の本人確認依頼を依頼する。
【0158】
所在地コード認証サーバ100は、銀行サーバB1から受け取った送金者および受金者のユーザ情報と、所在地コード認証サーバ100が有するユーザ情報と、が一致しているか否かの真贋判定を行う。
真贋判定の結果、一致していれば、所在地コード認証サーバ100は、「TRUE」を表す認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。一方、一致しなければ、所在地コード認証サーバ100は、「FALSE」を表す非認証結果情報を銀行サーバB1に送信する。
【0159】
以上より、図33に示すように、認証システム1a~1cでは、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30s、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80s、または、所在地コード認証サーバ100の何れかにおいて、AルートおよびBルートの双方から受信した所在地コードをマッチングし、両方の所在地コードが一致した場合には正常なログイン認証として認める。なお、この場合も、所在地コードだけではなく、最新のアライブ信号AL、電子端末60からのユーザID、パスワード、および、電子端末60のデバイス識別情報を用いて認証を行っている。
【0160】
これにより、所在地コード生成装置40により生成された所在地コードがスマートメータ20経由のAルート、および電子端末60経由のBルートの何れかにおいて、正規なネットワークトポロジーが構築されていない場合には、所在地コードが一致しないので認証システム1a~1cでは、不正なログイン認証を事実上無効化し、ネットワーク上のセキュリティの安全性を保証することができる。
【0161】
また、認証システム1a~1cでは、所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ30s、所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ80s、または、所在地コード認証サーバ100の何れかにおいて、当該何れかが有するユーザ情報と、銀行サーバB1から受け取ったユーザ情報と、が一致しているか否かを判定することにより確実に本人確認を行うことができる。
【0162】
<他の実施の形態>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る認証システム1に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の配置、組み合わせ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0163】
1、1a、1b、1c……認証システム、20……スマートメータ(電力量計)、21……電力使用量計量部、22……スマートメータ記憶部、25……通信処理部、30……スマートメータ管理サーバ、30s……所在地コード認証及びスマートメータ管理サーバ、40……所在地コード生成装置、40M……所在地コード生成装置(親機)、40S……所在地コード生成装置(子機)、41……記憶部、42……制御部、42a……所在地コード生成部、42b……アクティベイト処理部、42c……アライブ信号生成部、43……通信処理部、43a……無線信号変換部、43b……超音波変換部、43c……音響処理部、45……スピーカ、46……マイクロフォン、60……電子端末(電子端末)、80……IDパスワード認証サーバ、80a……通信処理部、80b……記憶部、80c……認証処理部、80s……所在地コード認証及びIDパスワード認証サーバ、90……分電盤、100……所在地コード認証サーバ、B1,B2……銀行サーバ、D1,D2……LPC装置、rt1~rt4……ルータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33