(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】太陽電池等のケーブル引込ユニット及び太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20220114BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20220114BHJP
E04D 3/40 20060101ALI20220114BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20220114BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
E04D13/00 J
E04D3/40 A
H02S20/23 Z
H02G3/22
(21)【出願番号】P 2017178461
(22)【出願日】2017-09-19
【審査請求日】2020-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2016184645
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】595133736
【氏名又は名称】株式会社トーコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】藤見 和憲
(72)【発明者】
【氏名】中谷 浩史
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-088731(JP,A)
【文献】特開2015-218453(JP,A)
【文献】特開2014-198954(JP,A)
【文献】特開2009-209611(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0259998(US,A1)
【文献】特開平11-044035(JP,A)
【文献】特開2014-43677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04D 13/00
E04D 3/40
H02S 20/23
H02G 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置
し、
前記カバーには、
前記カバー天面材の下端から前記基台フランジ板の方向に延出するカバー側面材を備え、
前記カバー側面材には、前記カバー側面材の下端まで延びる一対の縦方向スリットを設け、
前記覆い材が、一対の前記縦方向スリットの間の前記カバー側面材によって形成される
ことを特徴とする太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項2】
前記カバー側面材には、前記カバー天面材の下端から所定距離を有する位置に、一対の横方向スリットを設け、
一対の前記縦方向スリットの上端を、一対の前記横方向スリットの側方端部に連続して設けた
ことを特徴とする
請求項1に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項3】
前記横方向スリットの前記側方端部を中央端部より低位置として、一対の前記横方向スリットを前記カバー天面材の前記下端に対してそれぞれ傾斜させた
ことを特徴とする
請求項2に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項4】
一対の前記縦方向スリットの間隔を、一対の前記支持板の間隔よりも狭くした
ことを特徴とする
請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項5】
前記建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、
前記基台基板は、前記第1屋根材に対応する第1基台基板と、前記第2屋根材に対応する第2基台基板とからなり、
前記支持板は、前記第1基台基板に設けた第1支持板と、前記第2基台基板に設けた第2支持板とからなり、
前記カバー天面材は、前記第1屋根材に対応する第1カバー天面材と、前記第2屋根材に対応する第2カバー天面材とからなり、
前記カバー壁面材は、前記第1カバー天面材から延出する第1カバー壁面材と、前記第2カバー天面材から延出する第2カバー壁面材とからなり、
前記第1基台基板と前記第2基台基板とは、基台基板折り曲げ部によって連接し、
前記第1カバー天面材と前記第2カバー天面材とは、カバー天面材折り曲げ部によって連接し、
前記第1支持板の前記第2支持板側の第1支持板端面と、前記第2支持板の前記第1支持板側の第2支持板端面とは互いに重なり合い、
前記第1カバー壁面材の前記第2カバー壁面材側の第1カバー壁面端面と、前記第2カバー壁面材の前記第1カバー壁面材側の第2カバー壁面端面とは互いに重なり合う
ことを特徴とする請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項6】
前記建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、
前記カバー天面材は、前記第1屋根材に対応する第1カバー天面材と、前記第2屋根材に対応する第2カバー天面材とからなり、
前記カバー側面材は、前記第1カバー天面材から延出する第1カバー側面材と、前記第2カバー天面材から延出する第2カバー側面材とからなる
ことを特徴とする
請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項7】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、
前記基台側ケーブル把持部材及び前記カバー側ケーブル把持部材の少なくとも一方を、発泡弾性部材で形成し、
前記発泡弾性部材には、複数のスリットを形成した
ことを特徴とす
る太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項8】
前記基台側ケーブル把持部材として、
外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側基台側ケーブル把持部材を前記基台基板の下端側に設け、
前記内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記カバー側ケーブル把持部材を、前記外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置した
ことを特徴とする請求項1から
請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項9】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、
前記基台側ケーブル把持部材として、
外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側基台側ケーブル把持部材を前記基台基板の下端側に設け、
前記内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記カバー側ケーブル把持部材を、前記外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、
前記ケーブルを押さえ込んだ状態で、前記内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法を、前記外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法より大きくした
ことを特徴とす
る太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項10】
前記ケーブルを挟み込んだ状態で、前記カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法を、前記外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法より大きくした
ことを特徴とする
請求項8又は
請求項9に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項11】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材として、
外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側基台側ケーブル把持部材を前記基台基板の下端側に設け、
前記内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記カバー側ケーブル把持部材を、前記外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、
前記カバー側ケーブル把持部材の奥行き寸法を、前記外側基台側ケーブル把持部材の奥行き寸法より大きくした
ことを特徴とす
る太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項12】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、
前記基台側ケーブル把持部材として、
外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側基台側ケーブル把持部材を前記基台基板の下端側に設け、
前記内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記カバー側ケーブル把持部材を、前記外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、
前記ケーブルの直径をc、前記基台基板から前記カバー天面材までの内面高さ寸法をh、前記外側基台側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をha、前記内側基台側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をhb、前記カバー側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をhcとした場合に、
haをhの1/4以上で5/4以下の範囲の寸法とし、
hbを(h-c)以上で(h-c)×4以下の範囲の寸法とし、
hcをhの2/4以上で10/4以下の範囲の寸法とした
ことを特徴とす
る太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項13】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、
前記基台の上方に配置するカバーと
からなり、
前記基台は、
前記棟包の上面に当接させる基台基板と、
前記基台基板の下端から垂下させる基台側板と、
前記基台側板の下端から延出させる基台フランジ板と、
前記基台基板に形成したケーブル導入用開口と、
前記ケーブル導入用開口の側方に設けた一対の支持板と
を備え、
前記カバーは、
一対の前記支持板に当接するカバー天面材と、
前記カバー天面材の両側端から前記基台基板の方向に延出するカバー壁面材と
を備え、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、
一対の前記支持板の間には、
前記基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、
前記カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材と
を備え、
前記カバーには、
前記基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、
前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで前記ケーブルを挟み込み、
前記基台フランジ板と前記覆い材との間に、前記ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、
前記基台側ケーブル把持部材として、
外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側基台側ケーブル把持部材を前記基台基板の下端側に設け、
前記内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記カバー側ケーブル把持部材を、前記外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、
前記カバー側ケーブル把持部材として、
外側カバー側ケーブル把持部材と、内側カバー側ケーブル把持部材とを設け、
前記外側カバー側ケーブル把持部材を前記カバー天面材の下端側に設け、
前記内側カバー側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、
前記外側カバー側ケーブル把持部材をスリットの無い発泡弾性部材で形成し、
前記内側カバー側ケーブル把持部材を複数のスリットの有る前記発泡弾性部材で形成した
ことを特徴とす
る太陽電池等のケーブル引込ユニット。
【請求項14】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、前記基台の上方に配置するカバーとからなり、前記基台にはケーブル導入用開口と基台側ケーブル把持部材とを備え、前記カバーには覆い材とカバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備えた太陽電池等のケーブル引込ユニットを用い、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法であって、
前記野地板に前記頂部隙間を形成する野地開口形成工程と、
前記野地開口形成工程の後に、前記頂部隙間の外周を覆う捨水切を施工する捨水切施工工程と、
前記捨水切施工工程の後に、前記頂部隙間の両側に貫板を留め付ける貫板施工工程と、
前記貫板施工工程の後に、前記頂部隙間を除き、前記貫板に前記棟包を被せて固定する棟包施工工程と、
前記基台を前記頂部隙間の上方に配置し、前記基台を前記棟包の外表面に当接させる基台施工工程と、
前記基台施工工程の後に、前記ケーブル導入用開口と前記頂部隙間とに前記ケーブルを入線する入線工程と、
前記入線工程の後に、前記カバーを前記基台に取り付けるカバー固定工程と
を有し、
前記カバー固定工程では、
前記ケーブルを前記基台側ケーブル把持部材と前記カバー側ケーブル把持部材とで挟み込み、
前記ケーブルを収める可撓管の端部を前記基台と前記覆い材との間に配置する
ことを特徴とする太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法。
【請求項15】
前記カバーには、
前記カバー天面材の下端から基台フランジ板の方向に延出するカバー側面材を備え、
前記カバー側面材には、前記カバー側面材の下端まで延びる一対の縦方向スリットを設けており、
前記カバー固定工程では、
一対の前記縦方向スリットの間の前記カバー側面材を折り曲げて前記覆い材とし、
前記覆い材の両端部を前記可撓管の方向に折り曲げる
ことを特徴とする
請求項14に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法。
【請求項16】
建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、前記基台の上方に配置するカバーとからなり、前記基台にはケーブル導入用開口を備えた太陽電池等のケーブル引込ユニットを用い、
太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法であって、
前記野地板に前記頂部隙間を形成する野地開口形成工程と、
前記野地開口形成工程の後に、前記頂部隙間の外周を覆う捨水切を施工する捨水切施工工程と、
捨水切施工工程の後に、前記頂部隙間の両側に貫板を留め付ける貫板施工工程と、
前記貫板施工工程の後に、前記頂部隙間を除き、前記貫板に前記棟包を被せて固定する棟包施工工程と、
前記基台を前記頂部隙間の上方に配置し、前記基台を前記棟包の外表面に当接させる基台施工工程と、
前記基台施工工程の後に、前記ケーブル導入用開口と前記頂部隙間とに前記ケーブルを入線する入線工程と、
前記入線工程の後に、前記カバーを前記基台に取り付けるカバー固定工程と
を有し、
前記野地開口形成工程では、前記頂部隙間の前記屋根頂部の稜線方向隙間寸法を、前記ケーブル導入用開口の前記屋根頂部の稜線方向開口寸法より大きく形成する
ことを特徴とする太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニット及び太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1では、建造物の屋根頂部に配置される棟包の外表面に当接させる基台と、この基台の上方に配置するカバーとからなる配線格納ボックスを提案している。
また、特許文献2では、建造物の屋根頂部に配置される棟包の間に、ケーブル挿通用孔を備えたケーブル棟包継ぎ役物を設けている。
特許文献3及び特許文献4では、建造物の屋根頂部に配置される換気棟を利用して配線を引き込むことを提案している。
特許文献5では、太陽電池パネルのケーブルを、野地板に形成した頂部隙間から屋内に導く配線引込装置を提案し、この配線引込装置は、基台側には発泡性弾性樹脂材からなる基台配線支持部を、カバー側には発泡性弾性樹脂材からなるカバー配線支持部を設け、基台配線支持部とカバー配線支持部とで配線を挟持することで、配線を伝って雨水が流入することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-218453号公報
【文献】特開平11-81542号公報
【文献】特開2014-5707号公報
【文献】特開平8-93159号公報
【文献】特開2014-88731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、太陽電池パネルの配線は、屋根面に直接配設し、配線格納ボックスに導いている。しかし、屋根面は80度を超える温度になるため、この屋根面に直接配線すると、配線を劣化させ好ましくない。
これに対して特許文献2では、屋根面では可撓管内にケーブルを収め、コネクタを介して可撓管をケーブル棟包継ぎ役物に接続している。しかし、特許文献2のように、ケーブル挿通用孔のそれぞれにコネクタを介して可撓管を接続する場合には、ケーブル数が増えた場合に対応が難しい。特に近年では、太陽電池パネルの能力が向上したことに伴い、北面の屋根にも太陽電池パネルを設置することもあり、多数のケーブルに対応できることが望まれる。
特許文献3及び特許文献4では、換気棟を設置することが前提となってしまう。
特許文献5は、特許文献3や特許文献4のように換気棟を用いるものではないが、換気棟に連続して配置するものである。従って、特許文献5の基台は、特許文献1のように棟包の外表面に当接させるものではなく、基台及びカバーは棟包の内方空間に位置させる構成であるため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができない。また、特許文献5においても、特許文献1と同様に屋根面に直接配線するため、配線を劣化させてしまう。
【0005】
そこで本発明は、可撓管の端部を配置できるとともにケーブルを位置決めでき、更に金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる太陽電池等のケーブル引込ユニット及び太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記カバー20には、前記カバー天面材21の下端21aから前記基台フランジ板13の方向に延出するカバー側面材23を備え、前記カバー側面材23には、前記カバー側面材23の下端まで延びる一対の縦方向スリット25bを設け、前記覆い材24が、一対の前記縦方向スリット25bの間の前記カバー側面材23によって形成されることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記カバー側面材23には、前記カバー天面材21の下端21aから所定距離kを有する位置に、一対の横方向スリット25cを設け、一対の前記縦方向スリット25bの上端を、一対の前記横方向スリット25cの側方端部に連続して設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記横方向スリット25cの前記側方端部を中央端部より低位置として、一対の前記横方向スリット25cを前記カバー天面材21の前記下端21aに対してそれぞれ傾斜させたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、一対の前記縦方向スリット25bの間隔を、一対の前記支持板15の間隔よりも狭くしたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、前記基台基板11は、前記第1屋根材に対応する第1基台基板11Xと、前記第2屋根材に対応する第2基台基板11Yとからなり、前記支持板15は、前記第1基台基板11Xに設けた第1支持板15Xと、前記第2基台基板11Yに設けた第2支持板15Yとからなり、前記カバー天面材21は、前記第1屋根材に対応する第1カバー天面材21Xと、前記第2屋根材に対応する第2カバー天面材21Yとからなり、前記カバー壁面材22は、前記第1カバー天面材21Xから延出する第1カバー壁面材22Xと、前記第2カバー天面材21Yから延出する第2カバー壁面材22Yとからなり、前記第1基台基板11Xと前記第2基台基板11Yとは、基台基板折り曲げ部11Zによって連接し、前記第1カバー天面材21Xと前記第2カバー天面材21Yとは、カバー天面材折り曲げ部21Zによって連接し、前記第1支持板15Xの前記第2支持板15Y側の第1支持板端面15XZと、前記第2支持板15Yの前記第1支持板15X側の第2支持板端面15YZとは互いに重なり合い、前記第1カバー壁面材22Xの前記第2カバー壁面材22Y側の第1カバー壁面端面22XZと、前記第2カバー壁面材22Yの前記第1カバー壁面材22X側の第2カバー壁面端面22YZとは互いに重なり合うことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、前記カバー天面材21は、前記第1屋根材に対応する第1カバー天面材21Xと、前記第2屋根材に対応する第2カバー天面材21Yとからなり、前記カバー側面材23は、前記第1カバー天面材21Xから延出する第1カバー側面材23Xと、前記第2カバー天面材21Yから延出する第2カバー側面材23Yとからなることを特徴とする。
請求項7記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材16及び前記カバー側ケーブル把持部材26の少なくとも一方を、発泡弾性部材で形成し、前記発泡弾性部材には、複数のスリットを形成したことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設け、前記外側基台側ケーブル把持部材16aを前記基台基板11の下端側に設け、前記内側基台側ケーブル把持部材16bをケーブル導入用開口14側に設け、前記カバー側ケーブル把持部材26cを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設け、前記外側基台側ケーブル把持部材16aを前記基台基板11の下端側に設け、前記内側基台側ケーブル把持部材16bを前記ケーブル導入用開口14側に設け、前記カバー側ケーブル把持部材26cを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置し、前記ケーブル31を押さえ込んだ状態で、前記内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hbを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法haより大きくしたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項8又は請求項9に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、前記ケーブル31を挟み込んだ状態で、前記カバー側ケーブル把持部材26cの高さ寸法hcを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法haより大きくしたことを特徴とする。
請求項11記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設け、前記外側基台側ケーブル把持部材16aを前記基台基板11の下端側に設け、前記内側基台側ケーブル把持部材16bを前記ケーブル導入用開口14側に設け、前記カバー側ケーブル把持部材26cを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置し、前記カバー側ケーブル把持部材26cの奥行き寸法wcを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aの奥行き寸法waより大きくしたことを特徴とする。
請求項12記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設け、前記外側基台側ケーブル把持部材16aを前記基台基板11の下端側に設け、前記内側基台側ケーブル把持部材16bを前記ケーブル導入用開口14側に設け、前記カバー側ケーブル把持部材26cを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置し、前記ケーブル31の直径をc、前記基台基板11から前記カバー天面材21までの内面高さ寸法をh、前記外側基台側ケーブル把持部材16aの無負荷状態での高さ寸法をha、前記内側基台側ケーブル把持部材16bの無負荷状態での高さ寸法をhb、前記カバー側ケーブル把持部材26cの無負荷状態での高さ寸法をhcとした場合に、haをhの1/4以上で5/4以下の範囲の寸法とし、hbを(h-c)以上で(h-c)×4以下の範囲の寸法とし、hcをhの2/4以上で10/4以下の範囲の寸法としたことを特徴とする。
請求項13記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10は、前記棟包1の上面に当接させる基台基板11と、前記基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、前記基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、前記基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、前記ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備え、前記カバー20は、一対の前記支持板15に当接するカバー天面材21と、前記カバー天面材21の両側端から前記基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22とを備え、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットであって、一対の前記支持板15の間には、前記基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16と、前記カバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備え、前記カバー20には、前記基台フランジ板13に対向させた覆い材24を備え、前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで前記ケーブル31を挟み込み、前記基台フランジ板13と前記覆い材24との間に、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を配置し、前記基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設け、前記外側基台側ケーブル把持部材16aを前記基台基板11の下端側に設け、前記内側基台側ケーブル把持部材16bを前記ケーブル導入用開口14側に設け、前記カバー側ケーブル把持部材26cを、前記外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置し、前記カバー側ケーブル把持部材26として、外側カバー側ケーブル把持部材26dと、内側カバー側ケーブル把持部材26eとを設け、前記外側カバー側ケーブル把持部材26dを前記カバー天面材21の下端21a側に設け、前記内側カバー側ケーブル把持部材26eをケーブル導入用開口14側に設け、前記外側カバー側ケーブル把持部材26dをスリットの無い発泡弾性部材で形成し、前記内側カバー側ケーブル把持部材26eを複数のスリットの有る前記発泡弾性部材で形成したことを特徴とする。
請求項14記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法は、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10にはケーブル導入用開口14と基台側ケーブル把持部材16とを備え、前記カバー20には覆い材24とカバー天面材21に取り付けたカバー側ケーブル把持部材26とを備えた太陽電池等のケーブル引込ユニットを用い、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法であって、前記野地板3に前記頂部隙間5を形成する野地開口形成工程と、前記野地開口形成工程の後に、前記頂部隙間5の外周を覆う捨水切40を施工する捨水切施工工程と、前記捨水切施工工程の後に、前記頂部隙間5の両側に貫板7を留め付ける貫板施工工程と、前記貫板施工工程の後に、前記頂部隙間5を除き、前記貫板7に前記棟包1を被せて固定する棟包施工工程と、前記基台10を前記頂部隙間5の上方に配置し、前記基台10を前記棟包1の外表面に当接させる基台施工工程と、前記基台施工工程の後に、前記ケーブル導入用開口14と前記頂部隙間5とに前記ケーブル31を入線する入線工程と、前記入線工程の後に、前記カバー20を前記基台10に取り付けるカバー固定工程とを有し、前記カバー固定工程では、前記ケーブル31を前記基台側ケーブル把持部材16と前記カバー側ケーブル把持部材26とで挟み込み、前記ケーブル31を収める可撓管30の端部を前記基台10と前記覆い材24との間に配置することを特徴とする。
請求項15記載の本発明は、請求項14に記載の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法において、前記カバー20には、前記カバー天面材21の下端21aから基台フランジ板13の方向に延出するカバー側面材23を備え、前記カバー側面材23には、前記カバー側面材23の下端まで延びる一対の縦方向スリット25bを設けており、前記カバー固定工程では、一対の前記縦方向スリット25bの間の前記カバー側面材23を折り曲げて前記覆い材24とし、前記覆い材24の両端部を前記可撓管30の方向に折り曲げることを特徴とする。
請求項16記載の本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法は、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、前記基台10の上方に配置するカバー20とからなり、前記基台10にはケーブル導入用開口14を備えた太陽電池等のケーブル引込ユニットを用い、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブル31を、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法であって、前記野地板3に前記頂部隙間5を形成する野地開口形成工程と、前記野地開口形成工程の後に、前記頂部隙間5の外周を覆う捨水切40を施工する捨水切施工工程と、捨水切施工工程の後に、前記頂部隙間5の両側に貫板7を留め付ける貫板施工工程と、前記貫板施工工程の後に、前記頂部隙間5を除き、前記貫板7に前記棟包1を被せて固定する棟包施工工程と、前記基台10を前記頂部隙間5の上方に配置し、前記基台10を前記棟包1の外表面に当接させる基台施工工程と、前記基台施工工程の後に、前記ケーブル導入用開口14と前記頂部隙間5とに前記ケーブル31を入線する入線工程と、前記入線工程の後に、前記カバー20を前記基台10に取り付けるカバー固定工程とを有し、前記野地開口形成工程では、前記頂部隙間5の前記屋根頂部の稜線方向隙間寸法5Wを、前記ケーブル導入用開口14の前記屋根頂部の稜線方向開口寸法より大きく形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットによれば、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込むことで、ケーブルを確実に位置決めできるとともに雨水の流入を遮断でき、止水性を高めることができる。
また、本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットによれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。
また、本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。
また、本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法によれば、カバーを基台に取り付ける工程で、可撓管の端部を配置してケーブルを挟み込むため、止水のための複雑な作業を必要とせず、作業性に優れている。
また、本発明の太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法によれば、ケーブルが頂部隙間の側面に当たることを少なくし、屋内にケーブルをスムーズに導くことができるとともに、ケーブル導入用開口の屋根頂部の稜線方向開口寸法を小さくできるため、ケーブル引込ユニットの稜線方向寸法を小さくでき、ケーブル引込ユニットの稜線方向の撓みが少なく、ケーブル引込ユニットの止水性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを側方から見た斜視図
【
図2】同ケーブル引込ユニットを上方から見た斜視図
【
図3】同ケーブル引込ユニットを取り外した状態での建造物の屋根頂部の要部斜視図
【
図4】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの基台を上方から見た斜視図
【
図9】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットに用いる基台側ケーブル把持部材の斜視図
【
図11】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットのカバーを上方から見た斜視図
【
図14】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法
【
図15】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法
【
図16】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れの金属立平屋根に施工した状態を示す断面図
【
図17】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れの金属横葺き屋根に施工した状態を示す断面図
【
図18】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れのスレート屋根に施工した状態を示す断面図
【
図19】本発明の他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの構成図
【
図20】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れの金属立平屋根に施工した状態を示す断面図
【
図21】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れの金属横葺き屋根に施工した状態を示す断面図
【
図22】本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れのスレート屋根に施工した状態を示す断面図
【
図23】本発明の他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図
【
図24】本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図
【
図25】本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図
【
図26】本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットのカバーを上方から見た要部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、カバーには、カバー天面材の下端から基台フランジ板の方向に延出するカバー側面材を備え、カバー側面材には、カバー側面材の下端まで延びる一対の縦方向スリットを設け、覆い材が、一対の縦方向スリットの間のカバー側面材によって形成されるものである。本実施の形態によれば、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込むことで、ケーブルを確実に位置決めできるとともに雨水の流入を遮断でき、止水性を高めることができる。また、本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、一対の縦方向スリットの間のカバー側面材を折り曲げることで覆い材を形成できるため、可撓管に合わせた配置とすることができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、カバー側面材には、カバー天面材の下端から所定距離を有する位置に、一対の横方向スリットを設け、一対の縦方向スリットの上端を、一対の横方向スリットの側方端部に連続して設けたものである。本実施の形態によれば、一対の縦方向スリットの間のカバー側面材を折り曲げることで形成される覆い材は、カバー天面材の下端から所定距離を有する位置に形成され、覆い材とカバー天面材の下端との間には所定距離のカバー側面材が残存するため、ケーブルからの反力によってカバー天面材が変形することを防止でき、止水性を高めることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、横方向スリットの側方端部を中央端部より低位置として、一対の横方向スリットをカバー天面材の下端に対してそれぞれ傾斜させたものである。本実施の形態によれば、カバー天面材から流れ落ちる雨水は、横方向スリットの傾斜に沿って覆い材から離間する方向に流れるため、ケーブルからの雨水の侵入を少なくできる。また、本実施の形態によれば、横方向スリットによって覆い材の両端部を折り曲げて用いる場合には、覆い材の両端部のカバー側面材側の辺(横方向スリットによって形成される側辺)が、カバー側面材の面に平行となることで覆い材の覆い面が下方に傾斜するため、カバー天面材から覆い材に流れる雨水をスムーズに落下させることができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、一対の縦方向スリットの間隔を、一対の支持板の間隔よりも狭くしたものである。本実施の形態によれば、覆い材を形成することで生じる隙間を狭くでき止水性を高めることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、基台基板は、第1屋根材に対応する第1基台基板と、第2屋根材に対応する第2基台基板とからなり、支持板は、第1基台基板に設けた第1支持板と、第2基台基板に設けた第2支持板とからなり、カバー天面材は、第1屋根材に対応する第1カバー天面材と、第2屋根材に対応する第2カバー天面材とからなり、カバー壁面材は、第1カバー天面材から延出する第1カバー壁面材と、第2カバー天面材から延出する第2カバー壁面材とからなり、第1基台基板と第2基台基板とは、基台基板折り曲げ部によって連接し、第1カバー天面材と第2カバー天面材とは、カバー天面材折り曲げ部によって連接し、第1支持板の第2支持板側の第1支持板端面と、第2支持板の第1支持板側の第2支持板端面とは互いに重なり合い、第1カバー壁面材の第2カバー壁面材側の第1カバー壁面端面と、第2カバー壁面材の第1カバー壁面材側の第2カバー壁面端面とは互いに重なり合うものである。本実施の形態によれば、第1基台基板と第2基台基板とは、基台基板折り曲げ部によって連接し、第1カバー天面材と第2カバー天面材とは、カバー天面材折り曲げ部によって連接しているため、基台基板及びカバー天面材を棟包の勾配に合わせて施工することができる。また、本実施の形態によれば、第1支持板端面と第2支持板端面とは互いに重なり合い、第1カバー壁面端面と第2カバー壁面端面とは互いに重なり合うため、止水効果が高い。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、建造物が、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根であり、カバー天面材は、第1屋根材に対応する第1カバー天面材と、第2屋根材に対応する第2カバー天面材とからなり、カバー側面材は、第1カバー天面材から延出する第1カバー側面材と、第2カバー天面材から延出する第2カバー側面材とからなるものである。本実施の形態によれば、例えば第1屋根材に太陽電池パネルを設置した場合には、L字型スリット間の第1カバー側面材を折り曲げて可撓管の覆い材とし、第2カバー側面材はL字型スリット間を折り曲げることなく施工することで、ケーブルを引き込む必要のない第2カバー側面材は雨水の流入防止材として機能させることができ、また第2屋根材に太陽電池パネルを増設する場合には、第2カバー側面材を折り曲げて可撓管の覆い材としてケーブルを引き込むことができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、基台側ケーブル把持部材及びカバー側ケーブル把持部材の少なくとも一方を、発泡弾性部材で形成し、発泡弾性部材には、複数のスリットを形成したものである。本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、スリットによってケーブルと発泡弾性部材との間に隙間を生じることが少なくなり、止水効果を高めることができる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第1から第6のいずれかの実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、基台側ケーブル把持部材として、外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、外側基台側ケーブル把持部材を基台基板の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、カバー側ケーブル把持部材を、外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置したものである。本実施の形態によれば、外側基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とによってケーブルを挟み込んで、ケーブル周りの空隙を少なくし、更に内側基台側ケーブル把持部材によってケーブルを上方に位置させることで、外側基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材との間から侵入する雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口に至ることを防ぐことができる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、基台側ケーブル把持部材として、外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、外側基台側ケーブル把持部材を基台基板の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、カバー側ケーブル把持部材を、外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、ケーブルを押さえ込んだ状態で、内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法を、外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法より大きくしたものである。本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法を、外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法より大きくすることで、外側基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材との間から侵入する雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口に至ることを防ぐことができる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態は、第8又は第9の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットにおいて、ケーブルを挟み込んだ状態で、カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法を、外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法より大きくしたものである。本実施の形態によれば、ケーブルを覆い材側では基台基板側に近接させることで、雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口に至ることを防ぐことができる。
【0019】
本発明の第11の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、基台側ケーブル把持部材として、外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、外側基台側ケーブル把持部材を基台基板の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、カバー側ケーブル把持部材を、外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、カバー側ケーブル把持部材の奥行き寸法を、外側基台側ケーブル把持部材の奥行き寸法より大きくしたものである。本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、カバー側ケーブル把持部材と外側基台側ケーブル把持部材との内側基台側ケーブル把持部材側挟み込み位置と、内側基台側ケーブル把持部材との距離を一定に維持した状態で、勾配の異なる屋根に対応することができる。カバー側ケーブル把持部材と外側基台側ケーブル把持部材との内側基台側ケーブル把持部材側挟み込み位置と、内側基台側ケーブル把持部材との距離を一定に維持することで、勾配の異なる屋根に対して止水性能を維持することができる。
【0020】
本発明の第12の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、基台側ケーブル把持部材として、外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、外側基台側ケーブル把持部材を基台基板の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、カバー側ケーブル把持部材を、外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、ケーブルの直径をc、基台基板からカバー天面材までの内面高さ寸法をh、外側基台側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をha、内側基台側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をhb、カバー側ケーブル把持部材の無負荷状態での高さ寸法をhcとした場合に、haをhの1/4以上で5/4以下の範囲の寸法とし、hbを(h-c)以上で(h-c)×4以下の範囲の寸法とし、hcをhの2/4以上で10/4以下の範囲の寸法としたものである。本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、ケーブル導入用開口に至る雨水を確実に遮断できる。
【0021】
本発明の第13の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、一対の支持板の間には、基台基板に取り付けた基台側ケーブル把持部材と、カバー天面材に取り付けたカバー側ケーブル把持部材とを備え、カバーには、基台フランジ板に対向させた覆い材を備え、基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とでケーブルを挟み込み、基台フランジ板と覆い材との間に、ケーブルを収める可撓管の端部を配置し、基台側ケーブル把持部材として、外側基台側ケーブル把持部材と、内側基台側ケーブル把持部材とを設け、外側基台側ケーブル把持部材を基台基板の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、カバー側ケーブル把持部材を、外側基台側ケーブル把持部材に対向する位置に配置し、カバー側ケーブル把持部材として、外側カバー側ケーブル把持部材と、内側カバー側ケーブル把持部材とを設け、外側カバー側ケーブル把持部材をカバー天面材の下端側に設け、内側カバー側ケーブル把持部材をケーブル導入用開口側に設け、外側カバー側ケーブル把持部材をスリットの無い発泡弾性部材で形成し、内側カバー側ケーブル把持部材を複数のスリットの有る発泡弾性部材で形成したものである。本実施の形態によれば、基台フランジ板を基台基板に対して低位置としているため、基台フランジ板と覆い材との間に配置される可撓管の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管を保護しやすく、またケーブルを伝って雨水が流入することを防止できる。また、本実施の形態によるケーブル引込ユニットは、基台を棟包の外表面に当接させ、基台の上方にカバーを配置するもので、ケーブル引込ユニットを棟包の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。また、外環境の影響を受けやすい覆い材側では耐久性の高い止水性を維持し、ケーブル導入用開口側では隙間を確実に無くすことができる。
【0022】
本発明の第14の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法は、野地板に頂部隙間を形成する野地開口形成工程と、野地開口形成工程の後に、頂部隙間の外周を覆う捨水切を施工する捨水切施工工程と、捨水切施工工程の後に、頂部隙間の両側に貫板を留め付ける貫板施工工程と、貫板施工工程の後に、頂部隙間を除き、貫板に棟包を被せて固定する棟包施工工程と、基台を頂部隙間の上方に配置し、基台を棟包の外表面に当接させる基台施工工程と、基台施工工程の後に、ケーブル導入用開口と頂部隙間とにケーブルを入線する入線工程と、入線工程の後に、カバーを基台に取り付けるカバー固定工程とを有し、カバー固定工程では、ケーブルを基台側ケーブル把持部材とカバー側ケーブル把持部材とで挟み込み、ケーブルを収める可撓管の端部を基台と覆い材との間に配置するものである。本実施の形態によれば、カバーを基台に取り付ける工程で、可撓管の端部を配置してケーブルを挟み込むため、止水のための複雑な作業を必要とせず、作業性に優れている。
【0023】
本発明の第15の実施の形態は、第14の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法において、カバーには、カバー天面材の下端から基台フランジ板の方向に延出するカバー側面材を備え、カバー側面材には、カバー側面材の下端まで延びる一対の縦方向スリットを設けており、カバー固定工程では、一対の縦方向スリットの間のカバー側面材を折り曲げて覆い材とし、覆い材の両端部を可撓管の方向に折り曲げるものである。本実施の形態によれば、一対の縦方向スリットの間のカバー側面材を折り曲げることで覆い材を形成できるため、可撓管に合わせた配置とすることができる。
【0024】
本発明の第16の実施の形態による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法は、野地板に頂部隙間を形成する野地開口形成工程と、野地開口形成工程の後に、頂部隙間の外周を覆う捨水切を施工する捨水切施工工程と、捨水切施工工程の後に、頂部隙間の両側に貫板を留め付ける貫板施工工程と、貫板施工工程の後に、頂部隙間を除き、貫板に棟包を被せて固定する棟包施工工程と、基台を頂部隙間の上方に配置し、基台を棟包の外表面に当接させる基台施工工程と、基台施工工程の後に、ケーブル導入用開口と頂部隙間とにケーブルを入線する入線工程と、入線工程の後に、カバーを基台に取り付けるカバー固定工程とを有し、野地開口形成工程では、頂部隙間の屋根頂部の稜線方向隙間寸法を、ケーブル導入用開口の屋根頂部の稜線方向開口寸法より大きく形成するものである。本実施の形態によれば、ケーブルが頂部隙間の側面に当たることを少なくし、屋内にケーブルをスムーズに導くことができるとともに、ケーブル導入用開口の屋根頂部の稜線方向開口寸法を小さくできるため、ケーブル引込ユニットの稜線方向寸法を小さくでき、ケーブル引込ユニットの稜線方向の撓みが少なく、ケーブル引込ユニットの止水性能を高めることができる。
【実施例】
【0025】
以下本発明の一実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットについて説明する。
図1は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを側方から見た斜視図、
図2は同ケーブル引込ユニットを上方から見た斜視図、
図3は同ケーブル引込ユニットを取り外した状態での建造物の屋根頂部の要部斜視図である。
本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、建造物の屋根頂部に配置される棟包1の外表面に当接させる基台10と、基台10の上方に配置するカバー20とからなる。
図1から
図3は、両流れの金属屋根を示しており、垂木2の上部には野地板3を設け、野地板3の上面には屋根材(金属立平)4が敷設されている。
図1及び
図2に示すように、同ケーブル引込ユニットには、ケーブルを収める可撓管30が配置される。
図3に示すように、野地板3の屋根頂部には、頂部隙間5を形成し、頂部隙間5には捨水切40を取り付けている。
頂部隙間5の両側には、角材6を留め付け、角材6の上部には貫板7を留め付けている。棟包1は、頂部隙間5を除き、貫板7に被せて固定している。
同ケーブル引込ユニットは、太陽電池パネルやアンテナなどに付属するケーブルを、野地板3に形成した頂部隙間5から屋内に導く。
【0026】
図4は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの基台を上方から見た斜視図、
図5は同基台を
図4とは異なる方向から見た斜視図、
図6は同基台を側方から見た斜視図、
図7は同基台の裏側の斜視図、
図8は
図7と異なる方向から見た裏側の斜視図である。
基台10は、棟包1の上面に当接させる基台基板11と、基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13と、基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15とを備えている。
一対の支持板15は、一対の支持板15を接続する接続板15aと、ケーブル導入用開口14の周囲に配置される開口補強部15bとを有している。開口補強部15bは、支持板15とケーブル導入用開口14との間と、接続板15aとケーブル導入用開口14との間に形成され、端部を内方に折り曲げている。
一対の支持板15、接続板15a、及び開口補強部15bは、1枚の金属板から一体成形されている。すなわち、一対の支持板15は接続板15aの両側を折り曲げて形成されている。接続板15a及び開口補強部15bの位置で、ビスを用いて基台基板11に取り付けている。
【0027】
一対の支持板15の間には、基台基板11に取り付けた基台側ケーブル把持部材16を備えている。なお、本実施例では、基台側ケーブル把持部材16は接続板15aに取り付けている。基台側ケーブル把持部材16は基台基板11に直接取り付けても、本実施例のように補強機能のために設けた接続板15aを介して基台基板11に間接的に取り付けてもよい。
また、本実施例では、基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設けている。
外側基台側ケーブル把持部材16aは、基台基板11の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材16bは、ケーブル導入用開口14側に設けている。内側基台側ケーブル把持部材16bは、外側基台側ケーブル把持部材16aよりも、高い位置に設けることが好ましく、更には、内側基台側ケーブル把持部材16bの自然高さは、外側基台側ケーブル把持部材16aの自然高さよりも高いことが好ましい。ここで、自然高さとは、負荷が加わらない状態での部材自体の高さである。
【0028】
本実施例では、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根に対応したケーブル引込ユニットであり、基台基板11は、第1屋根材に対応する第1基台基板11Xと、第2屋根材に対応する第2基台基板11Yとからなり、支持板15は、第1基台基板11Xに設けた第1支持板15Xと、第2基台基板11Yに設けた第2支持板15Yとからなる。
第1基台基板11Xと第2基台基板11Yとは、基台基板折り曲げ部11Zによって連接している。第1基台基板11Xと第2基台基板11Yとは、基台基板折り曲げ部11Zによって連接しているため、基台基板11を棟包1の勾配に合わせて施工することができる。
第1支持板15Xの第2支持板15Y側の第1支持板端面15XZと、第2支持板15Yの第1支持板15X側の第2支持板端面15YZとは互いに重なり合っている。第1支持板端面15XZと第2支持板端面15YZとは互いに重なり合うため止水効果が高い。
図7及び
図8に示すように、基台フランジ板13の端部は折り返している。また、基台基板11の裏面には、設置時における屋根頂部の稜線方向に弾性材17を貼り付けている。
【0029】
図9は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットに用いる基台側ケーブル把持部材の斜視図、
図10は同基台側ケーブル把持部材の説明図である。
基台側ケーブル把持部材16は、発泡弾性部材で形成し、発泡弾性部材には、複数のスリットを形成している。発泡弾性部材には、耐熱性のある部材が好ましく、例えばEPDMゴムが適している。スリットによって形成される発泡弾性部材片は、ケーブルの直径よりも狭い幅であることが好ましく、ケーブルの半径よりも長い高さであることが好ましい。本実施例で示す発泡弾性部材片は、ケーブルの半径よりも狭い幅とし、ケーブルの直径よりも長い高さとしている。
本実施例によれば、スリットによってケーブルと発泡弾性部材との間に隙間を生じることが少なくなり、止水効果を高めることができる。
【0030】
図11は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットのカバーを上方から見た斜視図、
図12は同カバーを
図11とは異なる方向から見た斜視図、
図13は同カバーの裏側の斜視図である。
カバー20は、一対の支持板15に当接するカバー天面材21と、カバー天面材21の両側端から基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22と、カバー天面材21の下端から基台フランジ板13の方向に延出するカバー側面材23と、カバー天面材21の下端から延出して基台フランジ板13に対向させた覆い材24とを備えている。
【0031】
図12に示すように、カバー側面材23には、一対のL字型スリット25を設けている。
L字型スリット25は、カバー天面材21の下端に形成した横方向スリット25aと、横方向スリット25aの端部からカバー側面材23の下端まで延びる縦方向スリット25bからなる。
本実施例では、覆い材24は、一対のL字型スリット25の間のカバー側面材23を折り曲げることによって形成される。
図11及び
図13では、一対のL字型スリット25の間のカバー側面材23を折り曲げることによって形成される覆い材24を示している。一対の縦方向スリット25bによって、一対のL字型スリット25の間のカバー側面材23を、基台フランジ板13に対向させるように折り曲げることができ、更に横方向スリット25aによって、覆い材24の両端部を可撓管30の周囲に沿うように折り曲げることができる。
本実施例によれば、一対のL字型スリット25の間のカバー側面材23を折り曲げることで覆い材24を形成できるため、可撓管30に合わせた配置とすることができる。
なお、覆い材24は、横方向スリット25aを形成することなく、一対の縦方向スリット25bでも形成することができる。また、一対の縦方向スリット25bは、カバー側面材23の下端まで延びていれば、カバー天面材21の下端に至らなくてもよい。また、覆い材24は、一対の縦方向スリット25bを形成することなく、カバー側面材23全体を折り曲げて形成してもよい。
【0032】
本実施例では、一方の第1屋根材と他方の第2屋根材とからなる両流れ屋根に対応したケーブル引込ユニットであり、カバー天面材21は、第1屋根材に対応する第1カバー天面材21Xと、第2屋根材に対応する第2カバー天面材21Yとからなり、カバー壁面材22は、第1カバー天面材21Xから延出する第1カバー壁面材22Xと、第2カバー天面材21Yから延出する第2カバー壁面材22Yとからなる。
第1カバー天面材21Xと第2カバー天面材21Yとは、カバー天面材折り曲げ部21Zによって連接している。第1カバー天面材21Xと第2カバー天面材21Yとは、カバー天面材折り曲げ部21Zによって連接しているため、カバー天面材21を棟包1の勾配に合わせて施工することができる。
第1カバー壁面材22Xの第2カバー壁面材22Y側の第1カバー壁面端面22XZと、第2カバー壁面材22Yの第1カバー壁面材22X側の第2カバー壁面端面22YZとは互いに重なり合っている。第1カバー壁面端面22XZと第2カバー壁面端面22YZとは互いに重なり合うため、止水効果が高い。
本実施例によれば、例えば第1屋根材に太陽電池パネルを設置した場合には、L字型スリット25間の第1カバー側面材23Xを折り曲げて可撓管30の覆い材24とし、第2カバー側面材23YはL字型スリット25間を折り曲げることなく施工することで、ケーブルを引き込む必要のない第2カバー側面材23Yは雨水の流入防止材として機能させることができ、また第2屋根材に太陽電池パネルを増設する場合には、第2カバー側面材23Yを折り曲げて可撓管30の覆い材24としてケーブルを引き込むことができる。
【0033】
図13に示すように、カバー天面材21の裏面には、カバー側ケーブル把持部材26を取り付けている。
カバー側ケーブル把持部材26は、カバー天面材21に直接取り付けても、他の部材を介してカバー天面材21に間接的に取り付けてもよい。
また、本実施例では、カバー側ケーブル把持部材26として、外側カバー側ケーブル把持部材26aと、内側カバー側ケーブル把持部材26bとを設けている。本実施例では、外側カバー側ケーブル把持部材26aは、高さ方向に撓みを生じる弾性板材27を介してカバー天面材21に間接的に取り付け、内側カバー側ケーブル把持部材26bは、カバー天面材21に直接取り付けている。
外側カバー側ケーブル把持部材26aは、カバー天面材21の下端側に設け、内側カバー側ケーブル把持部材26bは、カバー天面材折り曲げ部21Z側に設けている。内側カバー側ケーブル把持部材26bは、外側カバー側ケーブル把持部材26aよりも、高い位置に設けることが好ましく、更には、内側カバー側ケーブル把持部材26bの下面の位置は、外側カバー側ケーブル把持部材26aの下面の位置よりも高いことが好ましい。
【0034】
図11から
図13に示すように、カバー天面材21には、長孔28を形成している。長孔28は、一対の支持板15に対応する位置に形成している。カバー天面材21は、長孔28を用いてネジ留めすることで支持板15に取り付けられる。
カバー側ケーブル把持部材26は、
図9及び
図10に示す基台側ケーブル把持部材16と同一であり、発泡弾性部材で形成し、発泡弾性部材には、複数のスリットを形成している。発泡弾性部材には、耐熱性のある部材が好ましく、例えばEPDMゴムが適している。スリットによって形成される発泡弾性部材片は、ケーブルの直径よりも狭い幅であることが好ましく、ケーブルの半径よりも長い高さであることが好ましい。本実施例で示す発泡弾性部材片は、ケーブルの半径よりも狭い幅とし、ケーブルの直径よりも長い高さとしている。
【0035】
図14及び
図15は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの施工方法を示す図である。
図14(a)は、野地開口形成工程を示している。野地開口形成工程では、野地板3の屋根頂部に頂部隙間5を形成する。頂部隙間5は、屋根頂部の稜線方向隙間寸法5Wを、ケーブル導入用開口14の屋根頂部の稜線方向開口寸法より大きく形成する。
図14(b)は、野地開口形成工程の後の屋根下葺き材施工工程を示している。屋根下葺き材施工工程では、野地板3の上面に屋根下葺き材8を張り、頂部隙間5を開口させるために屋根下葺き材8に開口を設ける。
図14(c)は、屋根下葺き材施工工程の後の捨水切施工工程を示している。捨水切施工工程では、頂部隙間5の外周を覆う捨水切40を施工する。捨水切40の屋根頂部の稜線方向寸法は、頂部隙間5の稜線方向隙間寸法5Wよりも大きく形成している。
図14(d)は、捨水切施工工程の後の防水処理工程を示している。防水処理工程では、捨水切40の外周を防水処理する。防水処理は、捨水切40と屋根下葺き材8との隙間及び捨水切40周辺の屋根下葺き材8に防水シートを貼り合わせる。
図14(e)は、防水処理工程の後の角材施工工程を示している。角材施工工程では、頂部隙間5の両側に、屋根勾配に合わせて角材6を留め付ける。
図14(f)は、角材施工工程の後の貫板施工工程を示している。貫板施工工程では、角材6の上に貫板7を留め付ける。従って、貫板7は頂部隙間5の両側に留め付ける。
【0036】
図15(a)は、貫板施工工程の後の棟包施工工程を示している。棟包施工工程では、頂部隙間5を除き、貫板7に棟包1を被せて固定する。棟包1は分割して所定間隔開けて配設し、この所定間隔は、捨水切40の屋根頂部の稜線方向寸法よりも大きくしている。
図15(b)は、棟包施工工程の後の基台施工工程を示している。基台施工工程では、基台10を頂部隙間5の上方に配置し、基台10の両側部を棟包1の外表面に当接させる。
なお、基台施工工程を棟包施工工程の前に行うこともできる。すなわち、基台10を棟包1に取り付けた後に、貫板7に棟包1を被せて固定することもできる。
図15(c)は、基台施工工程の後の入線工程を示している。入線工程では、ケーブル導入用開口14と頂部隙間5とにケーブル31を入線する。
図15(d)(e)(f)は、入線工程の後のカバー固定工程を示している。カバー固定工程では、カバー20を基台に取り付ける。
図15(d)では、カバー20について、一対のL字型スリット25の間のカバー側面材23を立ち上げ、覆い材24を形成した状態を示している。
図15(c)に示すように、ケーブル31を基台側ケーブル把持部材16に載せ、このケーブル31を可撓管30に収め、可撓管30を覆い材24で押さえ込むようにした後に、
図15(e)に示すように、長孔28を用いてカバー20を基台10に取り付ける。
図15(f)は、覆い材24の両端部を可撓管30の周囲に沿うように折り曲げた状態を示している。カバー側面材23が一対のL字型スリット25を形成している場合には、横方向スリット25aに沿って覆い材24の両端部を折り曲げることができる。また、カバー側面材23が一対の縦方向スリット25bだけを形成している場合であっても、覆い材24の両端部の少なくとも角部を折り曲げることができる。
【0037】
カバー固定工程では、ケーブル31を基台側ケーブル把持部材16とカバー側ケーブル把持部材26とで挟み込み、ケーブル31を収める可撓管30の端部を基台10と覆い材24との間に配置する。このように、カバー20を基台10に取り付ける工程で、可撓管30の端部を配置してケーブル31を挟み込むため、止水のための複雑な作業を必要とせず、作業性に優れている。
また、野地開口形成工程では、頂部隙間5の屋根頂部の稜線方向隙間寸法5Wを、ケーブル導入用開口14の屋根頂部の稜線方向開口寸法より大きく形成することで、ケーブル31が頂部隙間5の側面に当たることを少なくし、屋内にケーブル31をスムーズに導くことができるとともに、ケーブル導入用開口14の屋根頂部の稜線方向開口寸法を小さくできるため、ケーブル引込ユニットの稜線方向寸法を小さくでき、ケーブル引込ユニットの稜線方向の撓みが少なく、ケーブル引込ユニットの止水性能を高めることができる。
【0038】
図16は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れの金属立平屋根に施工した状態を示す断面図、
図17は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れの金属横葺き屋根に施工した状態を示す断面図、
図18は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、両流れのスレート屋根に施工した状態を示す断面図である。
図16から
図17に示す両流れ屋根の建造物では、垂木2は、棟木9の上部から両側方に斜め下方に傾斜して設けている。垂木2の上部には野地板3を設け、野地板3の上面には屋根材4が敷設されている。棟包1は、頂部隙間5を除き、貫板7に被せて固定している。なお、既に説明した部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
図16に示す金属立平屋根の建造物では屋根材4として金属立平が用いられ、
図17に示す金属横葺き屋根の建造物では屋根材4として金属横葺きが用いられ、
図18に示すスレート屋根の建造物では屋根材4としてスレートが用いられる。
図16及び
図17に示す金属屋根の建造物では、頂部隙間5の両側には、屋根頂部に屋根勾配に合わせて角材6を留め付け、角材6には貫板7を留め付けている。
図18に示すスレート屋根の建造物では、頂部隙間5の両側には、貫板7を留め付けている。スレート屋根の建造物では、金属屋根の建造物のように角材6は設けない。
【0040】
本実施例において、ケーブル31は、基台側ケーブル把持部材16とカバー側ケーブル把持部材26とで挟み込まれ、ケーブル31を収める可撓管30の端部は、基台フランジ板13と覆い材24との間に配置される。
このように、基台側ケーブル把持部材16とカバー側ケーブル把持部材26とでケーブル31を挟み込むことで、ケーブル31を確実に位置決めできるとともに雨水の流入を遮断でき、止水性を高めることができる。
また、基台フランジ板13を基台基板11に対して低位置としているため、基台フランジ板13と覆い材24との間に配置される可撓管30の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材21より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管30を保護しやすく、またケーブル31を伝って雨水が流入することを防止できる。
図16から
図18に示すように、本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、基台10を棟包1の外表面に当接させ、基台10の上方にカバー20を配置するもので、棟包1の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。
【0041】
図19は本発明の他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの構成図であり、
図19(a)は同ケーブル引込ユニットの上面図、
図19(b)は同ケーブル引込ユニットの正面図、
図19(c)は同ケーブル引込ユニットの側面図である。
本実施例は、片流れ屋根用のケーブル引込ユニットである。なお、既に説明した同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、上記実施例と同様に棟包1の外表面に当接させる基台10と、基台10の上方に配置するカバー20とからなる。
基台10は、棟包1の上面に当接させる基台基板11と、基台基板11の下端から垂下させる基台側板12と、基台側板12の下端から延出させる基台フランジ板13の他に、
図19では図示しないが、基台基板11に形成したケーブル導入用開口14と、ケーブル導入用開口14の側方に設けた一対の支持板15と、建造物の壁面に配置される垂下板材18を備えている。
カバー20は、一対の支持板15に当接するカバー天面材21と、カバー天面材21の両側端から基台基板11の方向に延出するカバー壁面材22と、カバー天面材21の下端から基台フランジ板13の方向に延出するカバー側面材23と、カバー天面材21の下端から延出して基台フランジ板13に対向させた覆い材24とを備えている。なお、
図19では、基台フランジ板13に対向させる前の覆い材24の状態を示している。
本実施例では、一方の第1屋根材からなる片流れ屋根に対応したケーブル引込ユニットであるため、基台基板11は、第1屋根材に対応する第1基台基板11Xからなり、支持板15は、第1基台基板11Xに設けた第1支持板15Xからなり、カバー天面材21は、第1屋根材に対応する第1カバー天面材21Xからなり、カバー壁面材22は、第1カバー天面材21Xから延出する第1カバー壁面材22Xからなる(
図4から
図6、
図11から
図13参照)。
なお、
図19では図示しないが、本実施例においても、両流れ屋根に対応したケーブル引込ユニットと同様に、
図9及び
図10に示すような、基台側ケーブル把持部材16及びカバー側ケーブル把持部材26を備えている。
【0042】
図20は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れの金属立平屋根に施工した状態を示す断面図、
図21は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れの金属横葺き屋根に施工した状態を示す断面図、
図22は本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットを、片流れのスレート屋根に施工した状態を示す断面図である。
図20から
図22に示す片流れ屋根の建造物では、垂木2は、棟木9の上部から一方向に斜め下方に傾斜して設けている。垂木2の上部には野地板3を設け、野地板3の上面には屋根材4が敷設されている。棟包1は、頂部隙間5を除き、貫板7に被せて固定している。なお、既に説明した部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図20に示す金属立平屋根の建造物では屋根材4として金属立平が用いられ、
図21に示す金属横葺き屋根の建造物では屋根材4として金属横葺きが用いられ、
図22に示すスレート屋根の建造物では屋根材4としてスレートが用いられる。
図20及び
図21に示す金属屋根の建造物では、屋根頂部に屋根勾配に合わせて角材6を留め付け、角材6には貫板7を留め付けている。
図22に示すスレート屋根の建造物では、屋根頂部に貫板7を留め付けている。スレート屋根の建造物では、金属屋根の建造物のように角材6は設けない。
棟木9の壁面と垂木2の棟側端面には破風下地61を設けている。破風下地61の屋外側面には、破風板62が配置される。
本実施例による片流れ屋根用のケーブル引込ユニットは、破風板のみ込み板材50を用いて施工する。
破風板のみ込み板材50は、垂下板材18と平行に配置されて破風下地61に固定される破風下地固定板材51と、連接板材52を介して破風下地固定板材51と平行に配置される垂下固定板材53とからなり、一枚の板材を折り曲げて形成されている。連接板材52は、破風下地固定板材51の上端と垂下固定板材53の上端とを連接する。連接板材52の下方で、破風下地固定板材51と垂下固定板材53との間には、破風板のみこみ部を形成している。
基台10は、基台基板11の両側部を棟包1の外表面に当接し、垂下板材18を垂下固定板材53の外表面に当接する。破風下地固定板材51は、破風下地61にビス54によって固定される。破風下地固定板材51を破風下地61に固定した後に、破風板62が設置される。破風板62は、破風板のみこみ部に破風板62の上端部を挿入して設置される。
【0044】
本実施例において、ケーブル31は、基台側ケーブル把持部材16とカバー側ケーブル把持部材26とで挟み込まれ、ケーブル31を収める可撓管30の端部は、基台フランジ板13と覆い材24との間に配置される。
このように、基台側ケーブル把持部材16とカバー側ケーブル把持部材26とでケーブル31を挟み込むことで、ケーブル31を確実に位置決めできるとともに雨水の流入を遮断でき、止水性を高めることができる。
また、基台フランジ板13を基台基板11に対して低位置としているため、基台フランジ板13と覆い材24との間に配置される可撓管30の端部は、屋根面に近い位置となり、カバー天面材21より高い位置に突出することを少なくでき、風雨に対して可撓管30を保護しやすく、またケーブル31を伝って雨水が流入することを防止できる。
図20から
図22に示すように、本実施例による片流れ屋根用のケーブル引込ユニットは、基台10を棟包1の外表面に当接させ、基台10の上方にカバー20を配置するもので、棟包1の上方に配置するため、金属屋根やスレート屋根のように異なる種類の屋根に対応させることができる。
【0045】
図23は、本発明の他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図である。なお、上記実施例と同一構成については図示を省略し、異なる点だけを以下に説明する。また、ケーブル31は省略して図示していない。
図23(a)は0.5寸勾配の屋根に適用した状態を、
図23(b)は6.5寸勾配の屋根に適用した状態を示している。
本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、基台側ケーブル把持部材16として、外側基台側ケーブル把持部材16aと、内側基台側ケーブル把持部材16bとを設けている。
外側基台側ケーブル把持部材16aは基台基板11の下端側に設け、内側基台側ケーブル把持部材16bはケーブル導入用開口14側に設けている。
また、カバー側ケーブル把持部材26cは、外側基台側ケーブル把持部材16aに対向する位置に配置している。
このように、外側基台側ケーブル把持部材16aとカバー側ケーブル把持部材26cとによってケーブルを挟み込んで、ケーブル周りの空隙を少なくし、更に内側基台側ケーブル把持部材16bによってケーブルを上方に位置させることで、外側基台側ケーブル把持部材16aとカバー側ケーブル把持部材26cとの間から侵入する雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口14に至ることを防ぐことができる。
【0046】
ケーブルを押さえ込んだ状態では、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法は、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法より大きくしている。
このように、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法を、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法より大きくすることで、外側基台側ケーブル把持部材16aとカバー側ケーブル把持部材26cとの間から侵入する雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口14に至ることを防ぐことができる。
また、ケーブルを挟み込んだ状態では、カバー側ケーブル把持部材26cの高さ寸法は、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法より大きくしている。
このように、ケーブルを覆い材24側では基台基板11側に近接させることで、雨水がケーブルに沿ってケーブル導入用開口14に至ることを防ぐことができる。
【0047】
カバー側ケーブル把持部材26cの奥行き寸法wcは、外側基台側ケーブル把持部材16aの奥行き寸法waより大きくしている。
このように、カバー側ケーブル把持部材26cと外側基台側ケーブル把持部材16aとの内側基台側ケーブル把持部材16b側挟み込み位置と、内側基台側ケーブル把持部材16bとの距離wを一定に維持した状態で、勾配の異なる屋根に対応することができる。
そして、距離wを一定に維持することで、勾配の異なる屋根に対して止水性能を維持することができる。
【0048】
なお、外側基台側ケーブル把持部材16a及び内側基台側ケーブル把持部材16bは、基台基板11に直接取り付けても、他の部材を介して基台基板11に間接的に取り付けてもよく、カバー側ケーブル把持部材26は、カバー天面材21に直接取り付けても、他の部材を介してカバー天面材21に間接的に取り付けてもよい。
【0049】
図24は、本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図である。なお、上記実施例と同一構成については図示を省略し、異なる点だけを以下に説明する。
図24(a)は、外側基台側ケーブル把持部材、内側基台側ケーブル把持部材、及びカバー側ケーブル把持部材が無負荷の状態を示す要部断面図、
図24(b)はケーブル無しの負荷状態を示す要部断面図、
図24(c)はケーブルを挟み込んだ負荷状態を示す要部断面図、
図24(d)は
図24(c)のA-A線及びB-B線断面図、
図24(e)は
図24(c)のC-C線断面図である。
【0050】
ケーブル31の直径をc、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さ寸法をh、外側基台側ケーブル把持部材16aの無負荷状態での高さ寸法をha、内側基台側ケーブル把持部材16bの無負荷状態での高さ寸法をhb、カバー側ケーブル把持部材26cの無負荷状態での高さ寸法をhcとした場合に、本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、haをhの1/4以上で5/4以下の範囲の寸法とし、hbを(h-c)以上で(h-c)×4以下の範囲の寸法とし、hcをhの2/4以上で10/4以下の範囲の寸法としている。なお、(ha+hc)はh以上の寸法とすることが好ましい。
【0051】
図24(a)に示す、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法ha、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hb、カバー側ケーブル把持部材26cの高さ寸法hcは、
図24(b)に示すように、ケーブル無しの負荷状態では、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法hap1、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hbp1、カバー側ケーブル把持部材26cの高さ寸法hcp1となり、
図24(c)に示すように、ケーブル有りの負荷状態では、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法hap2、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hbp2、カバー側ケーブル把持部材26cの高さ寸法hcp2となる。ここで、hbp1は、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さ寸法hと等しく、hap1+hcp1についても、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さ寸法hと等しい。また、hbp2=h-c、hap2+hcp2=h-cとなる。
【0052】
ha、hb、及びhcをこのように設定することで、ケーブル導入用開口14に至る雨水を確実に遮断できる。
なお、ケーブル31の直径cを8mm、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さhを20mmとし、外側基台側ケーブル把持部材16a、内側基台側ケーブル把持部材16b、及びカバー側ケーブル把持部材26cとしてEPDMゴムを用いた場合には、haを5mm~15mm、hcを15mm~30mmとしてhbを20mm~40mmとすることが好ましく、haを10mm、hcを25mmとしてhbを25mmとすることが更に好ましい。
【0053】
図25は、本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットの要部断面図である。なお、上記実施例と同一構成については図示を省略し、異なる点だけを以下に説明する。
図25(a)は、外側基台側ケーブル把持部材、内側基台側ケーブル把持部材、及びカバー側ケーブル把持部材が無負荷の状態を示す要部断面図、
図25(b)はケーブル無しの負荷状態を示す要部断面図、
図25(c)はケーブルを挟み込んだ負荷状態を示す要部断面図、
図25(d)は
図25(c)のA-A線断面図、
図25(e)は
図25(c)のB-B線断面図、
図25(f)は
図25(c)のC-C線断面図である。
【0054】
本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、カバー側ケーブル把持部材26として、外側カバー側ケーブル把持部材26dと、内側カバー側ケーブル把持部材26eとを設けている。外側カバー側ケーブル把持部材26dはカバー天面材21の下端側に設け、内側カバー側ケーブル把持部材26eはケーブル導入用開口14側に設けている。
また、外側カバー側ケーブル把持部材26dはスリットの無い発泡弾性部材で形成し、内側カバー側ケーブル把持部材26eは複数のスリットの有る発泡弾性部材で形成している。
外側基台側ケーブル把持部材16a及び内側基台側ケーブル把持部材16bは、外側カバー側ケーブル把持部材26dと同様にスリットの無い発泡弾性部材で形成している。
【0055】
図25(a)に示す、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法ha、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hb、外側カバー側ケーブル把持部材26dの高さ寸法hd、内側カバー側ケーブル把持部材26eの高さ寸法heは、
図25(b)に示すように、ケーブル無しの負荷状態では、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法hap1、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hbp1、外側カバー側ケーブル把持部材26dの高さ寸法hdp1、内側カバー側ケーブル把持部材26eの高さ寸法hep1となり、
図25(c)に示すように、ケーブル有りの負荷状態では、外側基台側ケーブル把持部材16aの高さ寸法hap2、内側基台側ケーブル把持部材16bの高さ寸法hbp2、外側カバー側ケーブル把持部材26dの高さ寸法hdp2、内側カバー側ケーブル把持部材26eの高さ寸法hep2となる。ここで、hbp1は、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さ寸法hと等しく、hap1+hdp1、及びhap1+hep1についても、基台基板11からカバー天面材21までの内面高さ寸法hと等しい。また、hbp2=h-c、hap2+hdp2=h-c、hap2+hep2=h-cとなる。
このように、外環境の影響を受けやすい覆い材24側では耐久性の高い止水性を維持し、ケーブル導入用開口14側では隙間を確実に無くすことができる。
【0056】
図26は、本発明の更に他の実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットのカバーを上方から見た要部斜視図である。なお、上記実施例と同一構成については図示を省略し、異なる点だけを以下に説明する。
本実施例による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、カバー側面材23には、カバー天面材21の下端21aから所定距離kを有する位置に、一対の横方向スリット25cを設け、一対の縦方向スリット25bの上端を、一対の横方向スリット25cの側方端部に連続して設けている。
横方向スリット25cの側方端部を中央端部より低位置として、一対の横方向スリット25cは、カバー天面材21の下端21aに対してそれぞれ傾斜して設けている。
【0057】
このように、一対の縦方向スリット25bの間のカバー側面材23を折り曲げることで形成される覆い材24は、カバー天面材21の下端21aから所定距離kを有する位置に形成され、覆い材24とカバー天面材21の下端21aとの間には所定距離kのカバー側面材23が残存するため、ケーブル31からの反力によってカバー天面材21が変形することを防止でき、止水性を高めることができる。
また、カバー天面材21から流れ落ちる雨水は、横方向スリット25cの傾斜に沿って覆い材24から離間する方向に流れるため、ケーブル31からの雨水の侵入を少なくできる。また、本実施例によれば、横方向スリット25cによって覆い材24の両端部を折り曲げて用いる場合には、覆い材24の両端部のカバー側面材23側の辺(横方向スリット25cによって形成される側辺)が、カバー側面材23の面に平行となることで覆い材24の覆い面が下方に傾斜するため、カバー天面材21から覆い材24に流れる雨水をスムーズに落下させることができる。
なお、一対の縦方向スリット25bの間隔を、一対の支持板15(
図5参照)の間隔よりも狭くしている。
このように、覆い材24を形成することで生じる隙間を狭くでき止水性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明による太陽電池等のケーブル引込ユニットは、金属屋根であってもスレート屋根であっても、また両流れ屋根であっても片流れ屋根であっても、更には勾配の異なる屋根であっても施工することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 棟包
2 垂木
3 野地板
4 屋根材(金属立平)
5 頂部隙間
5W 稜線方向隙間寸法
6 角材
7 貫板
8 屋根下葺き材
9 棟木
10 基台
11 基台基板
11X 第1基台基板
11Y 第2基台基板
11Z 基台基板折り曲げ部
12 基台側板
13 基台フランジ板
14 ケーブル導入用開口
15 支持板
15a 接続板
15b 開口補強部
15X 第1支持板
15Y 第2支持板
15XZ 第1支持板端面
15YZ 第2支持板端面
16 基台側ケーブル把持部材
16a 外側基台側ケーブル把持部材
16b 内側基台側ケーブル把持部材
17 弾性材
18 垂下板材
20 カバー
21 カバー天面材
21a 下端
21X 第1カバー天面材
21Y 第2カバー天面材
21Z カバー天面材折り曲げ部
22 カバー壁面材
22X 第1カバー壁面材
22Y 第2カバー壁面材
22XZ 第1カバー壁面端面
22YZ 第2カバー壁面端面
23 カバー側面材
23X 第1カバー側面材
23Y 第2カバー側面材
24 覆い材
25 L字型スリット
25a 横方向スリット
25b 縦方向スリット
25c 横方向スリット
26 カバー側ケーブル把持部材
26a 外側カバー側ケーブル把持部材
26b 内側カバー側ケーブル把持部材
26c カバー側ケーブル把持部材
26d 外側カバー側ケーブル把持部材
26e 内側カバー側ケーブル把持部材
27 弾性板材
28 長孔
30 可撓管
31 ケーブル
40 捨水切
50 破風板のみ込み板材
51 破風下地固定板材
52 連接板材
53 垂下固定板材
54 ビス
61 破風下地
62 破風板
c 直径
h 内面高さ寸法
ha 外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hb 内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hc カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hd 外側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
he 内側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
k 所定距離
w 距離
wa 外側基台側ケーブル把持部材奥行き寸法
hap1 外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hbp1 内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hcp1 カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hdp1 外側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hep1 内側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hap2 外側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hbp2 内側基台側ケーブル把持部材の高さ寸法
hcp2 カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hdp2 外側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
hep2 内側カバー側ケーブル把持部材の高さ寸法
wc カバー側ケーブル把持部材の奥行き寸法