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  • 特許-埋設電路設備の管路材用取付装置 図1
  • 特許-埋設電路設備の管路材用取付装置 図2
  • 特許-埋設電路設備の管路材用取付装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】埋設電路設備の管路材用取付装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/06 20060101AFI20220114BHJP
   H02G 9/10 20060101ALI20220114BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20220114BHJP
   F16L 5/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H02G9/06
H02G9/10
H02G1/06
F16L5/00 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019077458
(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公開番号】P2020178397
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000151184
【氏名又は名称】株式会社土井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】高崎 良樹
(72)【発明者】
【氏名】國川 優矢
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-022290(JP,A)
【文献】特開2009-077605(JP,A)
【文献】特開2016-099003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/06
H02G 9/10
H02G 1/06
F16L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設電路設備の側壁に開口形成したノックアウトから引出通線させるケーブルを収納し保護する管路材を埋設電路設備に取り付ける管路材用取付装置であって、埋設電路設備の内側からノックアウトを閉塞してノックアウト内に配されるボックス状で、埋設電路設備に対して所定の角度で傾斜させて係止連結する管路材の外径に対応している筒状の挿通筒が設けられている連結体と、連結体に連結された管路材を挿通筒の開口縁に沿って接続配置させて連結体に固定させる固定バンドと、埋設電路設備の外側からノックアウトに掛け渡された支持板を連結体に連繋して埋設電路設備の側壁を連結体、支持板によって内外から挟み込む連繋手段とを備えることを特徴とする埋設電路設備の管路材用取付装置。
【請求項2】
前記連結体は、ノックアウトにおける埋設電路設備の内側からノックアウトの開口を覆うボックスベース、埋設電路設備に対して所定の角度で傾斜させて管路材を連結する傾斜連結部と、埋設電路設備における側壁の内外面にほぼ平行させて傾斜連結部に連続している支持固定部と、この支持固定部をボックスベースに連続させている連続部と、これらの傾斜連結部、支持固定部、連続部の側部を閉塞している閉塞部とを一体状に形成して成る請求項1に記載の埋設電路設備の管路材用取付装置。
【請求項3】
前記傾斜連結部は、前記ボックスベースに対してほぼ45度の傾斜角度で連続していて、前記挿通筒を傾斜連結部自体の外方に向けて一体状に設けてある請求項2に記載の埋設電路設備の管路材用取付装置。
【請求項4】
前記支持固定部は、前記ボックスベースからノックアウトの深さに比し大きくはない間隔の位置に設けられている請求項2または3に記載の埋設電路設備の管路材用取付装置。
【請求項5】
前記固定バンドは、前記傾斜連結部の前記挿通筒の開口縁に沿って接続配置されたC字状に彎曲形成されていて、開口端縁には、対峙状に配されて相互間で締結される締結片を設けてある請求項2乃至4のいずれかに記載の埋設電路設備の管路材用取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば無電柱化の整備に伴い地中に埋設される各種の埋設電路設備において、ハンドホール、ケーブルトラフその他から需要家への各種ケーブル等の引込工事の実施に際し、ケーブルトラフ等からの引込接続作業を簡単確実に施工でき、その接続工事の短縮化を図れるようにした埋設電路設備の管路材用取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地中に埋設される管路材によって各種ケーブルを配線することで無電柱化とするインフラ整備が進められている。ケーブルが埋設されると、需要家への引込部位では、例えばハンドホール、ケーブルトラフ等が配置されてそのケーブルトラフ等の側壁を経て需要家に繋がる引込ケーブルを接続している。引込ケーブルを接続引き出すには、ケーブルトラフ等の側壁に引き出し用のノックアウト、スリーブ孔を開口形成し、この開口形成したノックアウト等に、引込ケーブルを挿通させて覆うEP管、螺旋管等の管路材を連結するのであり、ノックアウト等との間隙にはモルタル等を充填することによって固定している。ただ、接続作業後に埋め戻すとき、モルタル等の充填材の凝固養生のための一定の待機時間を必要とするから、開削工事を含めても短時間で処理する必要がある例えば商店街等で実施する夜間の作業時間等が制約されている場所では極めて不都合である。
【0003】
こうした点から例えば特許文献1に示される管材接続具あるいは特許文献2に示される保護管の取付具が提案されている。特許文献1の管材接続具は、接続させる波付管材の管端内にハンドホール内側から装入したベルマウスと、波付管材の外側に装着したソケットを締め付ける回転ロック体とによって波付管材を貫通穴に固定するとする。特許文献2の取付具は、ケーブルトラフの如き電線収容設備の側壁に形成した開口に配置されるもので、この取付具は、開口内に配されるように外側に突出する山形ボックス状の第1板部に、保護管を接続させる取付孔を形成すると共に、第1板部の両脇には電線収容設備の内側の開口縁に係止する第1係止部である係止板部を両側部に設け、第1板部の閉塞板部に設けたL字状の係止板部に電線収容設備の外側の開口縁面に圧止するネジ状の第2係止部である押さえ部をねじ止めして成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-183002号公報
【文献】特開2019-22290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の管材接続具によると、管路材となる波付管材はハンドホールに対してほぼ直交状態で連結されるから、現場における管路構成によっては例えば狭隘な場所等の施工で管路を急激に曲げなければならない場合等に、管路材によっては曲げ半径を小さくできず、これに対処するよう例えば引き出し形態を斜交させる必要があっても、このような状況に対応するには困難である。
【0006】
特許文献2の取付具によると、取付孔に連結した保護管によって電線を電線収容設備から引き出し通線させることで、電線収容設備から斜行させて管路を構成するには好適である。しかしながら、電線収容設備に設けた開口の内側に係止した第1係止部と、開口の外側にねじ止め圧止する第2係止部とによって電線収容設備の側壁を挟み込み固定するとしても、開口の内縁と取付具における第1板部の外側縁との間には隙間が生じるから、この隙間にパテや接着剤等の間詰め材を充填して水等の浸入を防止しなければならない。これらの間詰め材等を充填する場合、その凝固には養生のためのある程度の時間を必要とするから、その後に実施される埋め戻し作業等には待機せざるを得ず、その結果、需要家に対する電線の引き出し作業には時間を要し、例えば夜間等の時間的に制約があるとき等には工期の短縮化は困難であった。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、主として地中に埋設されるハンドホール・マンホール、ケーブルトラフ等の如き埋設電路設備から需要家に引込用電路を構築する場合に、狭隘な場所でも対応できるように様々な種類の管路材を埋設電路設備に対し斜交状に連結固定でき、しかも開削作業に続く配管設置後の作業、その埋め戻し作業等に際し面倒な手間を掛けることなく、短時間で処理できるようにした埋設電路設備の管路材用取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、埋設電路設備Mの側壁に開口形成したノックアウトNから引出通線させるケーブルCを収納し保護する管路材Pを埋設電路設備Mに取り付ける管路材用取付装置であって、埋設電路設備Mの内側からノックアウトNを閉塞してノックアウトN内に配されるボックス状で、埋設電路設備Mに対して所定の角度で傾斜させて係止連結する管路材Pの外径に対応している筒状の挿通筒5が設けられている連結体2と、連結体2に連結された管路材Pを連結体2に固定させる固定バンド10と、埋設電路設備Mの外側からノックアウトNに掛け渡された支持板13を連結体2に連繋して埋設電路設備Mの側壁を連結体2、支持板13によって内外から挟み込む連繋手段15とを備えることを特徴とする。
前記連結体2は、ノックアウトNにおける埋設電路設備Mの内側からノックアウトNの開口を覆うボックスベース3、埋設電路設備Mに対して所定の角度で傾斜させて管路材Pを連結する傾斜連結部4と、埋設電路設備Mにおける側壁の内外面にほぼ平行させて傾斜連結部4に連続している支持固定部6と、この支持固定部6をボックスベース3に連続させている連続部7と、これらの傾斜連結部4、支持固定部6、連続部7の側部を閉塞している閉塞部8とを一体状に形成して構成することができる。
前記傾斜連結部4は、前記ボックスベース3に対してほぼ45度の傾斜角度で連続していて、前記挿通筒5を傾斜連結部4の外方に向けて一体状に設けて構成することができる。
前記支持固定部6は、前記ボックスベース3からノックアウトNの深さに比し大きくはない間隔の位置に設けられて構成することができる。
前記固定バンド10は、前記傾斜連結部4の前記挿通筒5の開口縁に沿って接続配置されたC字状に彎曲形成されていて、開口端縁には、対峙状に配されて相互間で締結される締結片11を設けて構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る埋設電路設備の管路材用取付装置にあって、例えば無電柱化の実施に際し、地下等に埋設されるケーブルトラフの如き埋設電路設備Mから需要家に各種のケーブルCを引出配線し、挿通させる管路材Pを埋設電路設備Mに連結させる。すなわち、埋設電路設備Mにおける側壁に開口形成したノックアウトNの内部に、管路材Pを係止連結する連結体2を配させ、この連結体2と、ノックアウトNの外部に配した支持板13とを連繋手段15が連繋させることで埋設電路設備Mの側壁を挟み込み、管路材Pを埋設電路設備Mに固定させる。
埋設電路設備Mに固定させた連結体2の傾斜連結部4の挿通筒5に係止挿通させた管路材Pは固定バンド10によって固定され、管路材P自体は埋設電路設備Mに対して所定の傾斜角度、例えば45度で斜向配置され、埋設電路設備Mと需要家との間が狭隘な場所であっても管路材P自体及びケーブルCを急激に曲げることなく需要家にケーブルCを容易に引き込ませる。
埋設電路設備Mの内側からノックアウトNの内部に配した連結体2の支持固定部6と、ノックアウトNの外側に掛け渡して配置した支持板13とを連繋する連繋手段15は、埋設電路設備Mの側壁を内外で挟み込み、連結体2をノックアウトNの内部に位置決め固定させ、連結体2の傾斜連結部4に係止連結した管路材Pを固定支持させる。
連結体2は、ボックスベース3、傾斜連結部4、支持固定部6、連続部7、閉塞部8によってボックス状の所定空間を形成し、管路材Pの挿通係止、ケーブルCの通線、支持板13との連繋等の各作業を行わせ、またノックアウトNの内側からノックアウトNを閉塞することで、埋設電路設備Mの外部からの土砂その他の侵入を阻止させる。
傾斜連結部4の挿通筒5の開口縁に沿って接続配置形成した固定バンド10は、挿通筒5に挿通させた管路材Pを囲繞した状態で締結片11によって固定させ、管路材Pの抜脱等を阻止し、斜向配置状態を維持させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上説明したように構成されているため、無電柱化の整備に伴い地中に埋設される各種の埋設電路設備Mから需要家に対し各種のケーブルC等の引込工事を実施するに際し、埋設電路設備Mからの引込接続作業を簡単確実に施工でき、埋設電路設備Mの内部とは間隙を生じさせることなく確実に遮断できていることで、直ちに埋め戻し作業等を実施でき、接続工事の短縮化を図れる。
【0011】
すなわちこれは本発明において、埋設電路設備Mの内側からノックアウトNを閉塞してノックアウトNの内部に配され、埋設電路設備Mに対して所定の角度で傾斜させた管路材Pを係止連結するボックス状の連結体2と、管路材Pを連結体2に固定させる固定バンド10と、埋設電路設備Mの外側からノックアウトNに掛け渡された支持板13を連結体2に連繋して埋設電路設備Mの側壁を連結体2、支持板13によって内外から挟み込む連繋手段15とを備えたからである。これによって、斜向配置の管路材Pによる狭隘な場所での引込構造、ケーブルCの引込部位の埋設電路設備Mの内外の遮断、連結作業完了後の埋め戻し作業を直ちに実施することの許容等によって全体工期の短縮化を可能にし、例えば夜間等の作業が短時間に実施されることの要請に対応でき、また狭隘な場所でも引込作業等を迅速に遂行できる。
【0012】
また、ノックアウトNの内部に配される連結体2は、埋設電路設備Mの内側に当接状に配されるボックスベース3、挿通筒5を有して傾斜している傾斜連結部4、埋設電路設備Mの内外面にほぼ平行配置される支持固定部6、支持固定部6からボックスベース3に連続させる連続部7、閉塞部8等で所定空間のボックス状に形成されているので、その空間内で管路材Pの連結、ケーブルCの挿通等の作業を無理なく実施できる。
【0013】
そればかりでなく、連結体2は埋設電路設備Mの内部を外部と遮断しているから、埋設電路設備Mの側壁の外側に配した支持板13との連繋手段15を介しての側壁を挟み込む連繋構成と相俟ち、埋設電路設備Mの外側で埋め戻される土砂等が埋設電路設備Mの内部に侵入することがない。しかも、従来のようにノックアウトNとの間に生じた間隙を閉塞する詰め物を充填したり、詰め物が凝固するまでの間で管路材Pを仮固定したり、その凝固のために待機したりする必要がないから、作業時間を大幅に節減し、全体としての工期の短縮化を図ることができる。
【0014】
連結体2の傾斜連結部4には、管路材Pを挿通させる挿通筒5が設けられ、この挿通筒5の開口縁に固定バンド10が接続配置されていることで、挿通筒5に挿通させた管路材Pは傾斜連結部4の内縁で例えばブッシュ部材Bによって係止された状態で、固定バンド10によって囲繞締結されるのであり、外部からの衝撃、土砂圧等によっても簡単には抜脱せず、確実に固定維持される。
【0015】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を実施するための実施の形態における分解斜視図である。
図2】同じくケーブルトラフである埋設電路設備の側壁に固定したときの断面図である。
図3】同じく埋設電路設備におけるケーブルの引き出し、通線状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は本発明に係る取付装置であり、例えばハンドホール・マンホールの如き埋設ボックス等あるいはケーブルトラフ等の埋設配電路等の埋設電路設備Mにおいて、例えば需要家に電源、通信用等のケーブルC等を引き込むように埋設電路設備Mの側壁に開口形成されたノックアウトN部位に装着されることで、埋設電路設備Mから引き出されるケーブルCを保護挿通する管路材Pの端部を固定支持する。
【0018】
取付装置1は、埋設電路設備Mの内側からノックアウトNを閉塞してノックアウトN内に配され、埋設電路設備Mに対して所定の角度で傾斜させた管路材Pを係止連結するボックス状の連結体2と、連結体2に連結された管路材Pを連結体2に固定させる固定バンド10と、埋設電路設備Mの外側からノックアウトNに掛け渡された支持板13を連結体2に連繋して埋設電路設備Mの側壁を連結体2、支持板13によって内外から挟み込む連繋手段15とを備える。
【0019】
連結体2は、ノックアウトNにおける埋設電路設備Mの内側からノックアウトNの開口を覆うボックスベース3に、埋設電路設備Mに対して所定の角度で傾斜させて管路材Pを連結する傾斜連結部4と、埋設電路設備Mの内外面にほぼ平行させて傾斜連結部4に連続している支持固定部6と、この支持固定部6をボックスベース3に連続させている連続部7と、これらの傾斜連結部4、支持固定部6、連続部7の側部を閉塞している閉塞部8とを一体状に形成することでボックス状を呈して成る。
【0020】
この連結体2は、埋設電路設備Mの内側からノックアウトNの内部に配置されることで、このノックアウトNの内部に、埋設電路設備Mの外方と区画させて埋設電路設備Mの内側と連通させるよう、管路材P内に引き出すケーブルC等を挿通させて保護する管路材Pを連結させる空間を形成する。また、この連結体2によって、後述するように埋設電路設備M内に埋設箇所の土砂その他が埋設電路設備M内に侵入しないようにもしている。
【0021】
ボックスベース3は、ノックアウトNの開口全域を覆うようにノックアウトNの周辺部の埋設電路設備Mの内側に当接される平板枠状を呈している所定肉厚の板材等によって形成されている。そして、傾斜連結部4、連続部7、閉塞部8を内側縁から一体状に連続させるほぼ矩形状の開口が、周囲の枠部分を除いた形態で形成されていて、ノックアウトNの開口周辺部分を囲うようにしてノックアウトNの開口を覆うようになっている。
【0022】
傾斜連結部4は、例えば埋設電路設備Mに対してほぼ45度の角度で埋設電路設備M内からケーブルCを引き出すとき、ボックスベース3に対して同様にほぼ45度の傾斜角度で連続している。この傾斜連結部4には、引き出したケーブルCを挿通し保護する管路材Pが装入されるほぼ円形状の引出孔が開穿されており、この引出孔の周縁を基端とするほぼ筒状の挿通筒5を傾斜連結部4自体の外方に向けて一体状に設けてある。挿通筒5は、連結する管路材Pを装入させるように、その内径は管路材Pの外径に対応しており、管路材Pの管端に取り付けられるブッシュ部材Bが引出孔の開口縁に係止されるようになっている。なお、連結配置する管路材Pの斜交角度は45度の傾斜角度に限らず、設置場所の状況によって対応できるよう、異なる傾斜角度とした傾斜連結部4を複数種類で形成しておくことも可能である。
【0023】
支持固定部6は、ボックスベース3、前記支持板13にほぼ平行状にしてノックアウトN内に位置するようにしてあり、ボックスベース3からは、ノックアウトNの深さすなわち埋設電路設備Mの側壁の肉厚に比し大きくはない間隔の位置に設けられる。
【0024】
連続部7は、前記傾斜連結部4に対向していて、傾斜連結部4と共に支持固定部6を位置決めしている。図示にあって、連続部7はボックスベース3に対しほぼ直角になっているも、場合によってはやや傾斜状に設けることも可能である。
【0025】
閉塞部8は、ボックスベース3の一方からボックスベース3に順次に連続させて膨出状に配置して設けた傾斜連結部4、支持固定部6、連続部7によって形成された空隙の両側部を閉塞することで、ケーブルCを引き出す所定の空間を形成する。図示にあっての閉塞部8自体は、傾斜縁を有するほぼ台形状を呈している。
【0026】
また、前記固定バンド10は、傾斜連結部4における挿通筒5に例えば接続片9によって接続された所定幅員の帯状材によって、挿通筒5の径とほぼ同様な径をするC字状に彎曲形成されていて、挿通筒5の開口縁に沿って配置されている。固定バンド10の開口端縁には、対峙状に配されて相互間で例えばボルト・ナット(ネジ孔)等によってねじ止め12される締結片11を設けてあり、挿通筒5に挿通させた管路材Pを囲繞し締結することで傾斜連結部4に固定連結できるようにしている。
【0027】
支持板13は、ノックアウトN内に配された連結体2における支持固定部6にほぼ平行に配されて、埋設電路設備Mの側壁の外側でノックアウトNの開口部分に掛け渡すようにして配される所定肉厚のほぼ矩形板状に形成されている。場合によっては、挿通筒5に挿通された管路材Pに側縁が当接するのを防止するため、図示のように側縁の一部を円弧状に切除しておくこともある。
【0028】
連繋手段15は、連結体2の支持固定部6と支持板13とを例えばボルト・ナット(メネジ孔)によってねじ止め連繋するようにして成り、必要があればボルトは支持固定部6の内側から外方への突出状態にして固定しておくこともある。
【0029】
次に以上の実施の形態における使用の一例を説明すると、例えばケーブルトラフの如き埋設電路設備Mにおいて、必要とする需要家への引込箇所に相当する埋設電路設備Mの側壁におけるノックアウトNを開口させ、このノックアウトNの内側から連結体2を嵌め合わせてボックスベース3をノックアウトNの周縁にベースパッキン材21を挟んだ状態で当接させておく。
【0030】
その一方、連結体2における支持固定部6に埋設電路設備Mの内外方向に沿って挿通させた連繋手段15のボルトによって、埋設電路設備Mの外側に配した支持板13をねじ止めして埋設電路設備Mの側壁の内外で挟み込むことで連結体2をノックアウトN内に配置固定する。
【0031】
また、埋設電路設備Mに対して斜交して配置される挿通筒5に例えば螺旋管等の管路材Pを挿通させると共に、連結体2の内側で管路材Pに嵌め合わせ取り付けたブッシュ部材Bを挿通筒5の内側の開口縁に係止させ、固定バンド10によって管路材Pをループ状の例えばゴム製の管路パッキン材22を挟み込んで連結体2に固定する。
【0032】
次いで、管路材P中に引込通線する所定のケーブルCを埋設電路設備M内の所定のケーブルCと接続するのであり、こうすることで需要家に対する引込箇所における接続は完了する。埋設電路設備Mの内側では連結体2のボックスベース3がノックアウトNを覆い、また挿通筒5に管路材Pが連結されていることで連結体2の内部は外部と隙間なく遮断されているから、例えば詰め物等による充填作業を要せずにそのまま埋め戻しても土砂等が侵入せず、工期を短縮化できる。
【符号の説明】
【0033】
B…ブッシュ部材
C…ケーブル
N…ノックアウト
M…埋設電路設備
P…管路材
1…取付装置
2…連結体
3…ボックスベース
4…傾斜連結部
5…挿通筒
6…支持固定部
7…連続部
8…閉塞部
9…接続片
10…固定バンド
11…締結片
12…ねじ止め
21…ベースパッキン材
22…管路パッキン材
図1
図2
図3