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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20220114BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220114BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 642B
G09G3/20 612D
G09G3/20 622A
G09G3/20 622C
G09G3/20 621M
G09G3/20 612T
G09G3/20 622K
G02F1/133 550
G02F1/133 520
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2016005443
(22)【出願日】2016-01-14
(65)【公開番号】P2016133810
(43)【公開日】2016-07-25
【審査請求日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2015-0007271
(32)【優先日】2015-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李綜宰
(72)【発明者】
【氏名】安▲益▼賢
(72)【発明者】
【氏名】朴奉任
(72)【発明者】
【氏名】朴東園
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-094014(JP,A)
【文献】特開2001-195031(JP,A)
【文献】特開平07-168538(JP,A)
【文献】特開平11-231283(JP,A)
【文献】特開2001-125069(JP,A)
【文献】特開2003-223148(JP,A)
【文献】特開2006-171022(JP,A)
【文献】特開2006-330404(JP,A)
【文献】特開2008-191535(JP,A)
【文献】特開2010-231079(JP,A)
【文献】特開2015-045726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0229423(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314392(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償回路を制御するための第1の制御信号、駆動部を制御するための第2の制御信号、及び映像データを出力するコントローラと、
前記コントローラから前記第1の制御信号を受信して、1つのフレーム区間内でデューティ比を非線形的に調節されるパルス幅の変調信号を含み駆動電圧を補償するための第3の制御信号を生成する補償回路と、
前記パルス幅の変調信号に基づいて、入力電圧を駆動電圧に変換する電圧発生回路と、
前記コントローラから前記第2の制御信号及び前記映像データを受信し、前記電圧発生回路から前記駆動電圧を受信してパネル駆動信号を生成する駆動部と、を備え、
前記駆動部から前記パネル駆動信号を受信して映像を表示する表示パネルを含み、
前記駆動電圧は、ゲートオン電圧及ゲートオフ電圧を含み、
前記電圧発生回路は、前記パルス幅の変調信号の前記デューティ比に応じて、前記1つのフレーム区間内で前記ゲートオン電圧と前記ゲートオフ電圧のうち少なくとも一つの電圧レベルを、所定の電圧まで非線形に増加させ、所定の電圧まで非線形に減少させる、
表示装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記駆動電圧に基づいてゲート信号を生成するゲート駆動部と、
前記映像データをデータ電圧に変換するデータ駆動部と、を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
記補償回路は、前記パルス幅の変調信号のデューティ比を調節して前記電圧発生回路に印加することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記電圧発生回路は、
前記駆動電圧の中で前記ゲート信号のハイレベルを決定する前記ゲートオン電圧を生成するオン電圧発生部と、
前記駆動電圧の中で前記ゲート信号のローレベルを決定する前記ゲートオフ電圧を生成するオフ電圧発生部と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、第1方向に配列される第1乃至第nゲートライン(nは1以上の整数)を含み、
前記電圧発生回路は、前記第1ゲートライン及び前記第nゲートラインの中いずれか1つに隣接して配置されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1乃至第nゲートラインは、前記第1方向に順次的にスキャンされ、
前記オン電圧発生部は、前記1つのフレーム区間の間に前記ゲートオン電圧を基準ゲートオン電圧から最大ゲートオン電圧まで非線形的に増加させる第1ポジティブ電圧発生部を含み、
前記オフ電圧発生部は、前記1つのフレーム区間の間に前記ゲートオフ電圧を基準ゲートオフ電圧から最小ゲートオフ電圧まで非線形的に減少させる第2ポジティブ電圧発生部を含むことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1ポジティブ電圧発生部は、
前記パルス幅の変調信号のデューティ比によって前記ゲートオン電圧を前記基準ゲートオン電圧から前記最大ゲートオン電圧まで増加させる昇圧部と、
前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧を決定する第4の制御信号に応答して前記ゲートオン電圧を前記基準ゲートオン電圧に放電させる放電部と、を含み、
前記第3の制御信号は、前記第4の制御信号を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2ポジティブ電圧発生部は、
前記パルス幅の変調信号のデューティ比によって前記ゲートオフ電圧を前記基準ゲートオフ電圧から前記最小ゲートオフ電圧までダウンさせる減圧部と、
前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧を決定する第4の制御信号に応答して前記ゲートオフ電圧を前記基準ゲートオフ電圧にブースティングさせるブースティング部と、を含み、
前記第3の制御信号は、前記第4の制御信号を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1乃至第nゲートラインは、前記第1方向と反対の第2方向に順次的にスキャンされ、
前記オン電圧発生部は、1つのフレーム区間の間に前記ゲートオン電圧を最大ゲートオン電圧から基準ゲートオン電圧まで非線形的に減少させる第1ネガティブ電圧発生部を含み、
前記オフ電圧発生部は、前記1つのフレーム区間の間に前記ゲートオフ電圧を最小ゲートオフ電圧から基準ゲートオフ電圧まで非線形的に増加させる第2ネガティブ電圧発生部を含むことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3の制御信号は、前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧を決定する第4の制御信号をさらに含み、
前記第4の制御信号は、前記1つのフレーム区間内で順次的に発生されるハイ区間及びロー区間を含むことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項11】
前記補償回路は、前記第1の制御信号の中で前記ゲート駆動部の動作を開始するための垂直開始信号をさらに受信し、
前記第4の制御信号の前記ハイ区間は、前記垂直開始信号の上昇時点に同期して開始されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記フレーム区間は、前記第1乃至第nゲートラインがスキャンされるスキャン区間及び前記スキャン区間と次のフレームのスキャン区間との間に位置するブランク区間を含み、
前記ロー区間は、前記ブランク区間内に含まれることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧の各々は、k個の変曲点を有し、非線形的に増加又は減少し、ここで、kは、1以上の整数であり、
前記フレーム区間は、k+1個の線形区間に分割され、
前記k+1個の線形区間のそれぞれにおいて、前記パルス幅の変調信号のデューティ比は、線形に増加し、
各線形区間内で前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧の各々の電圧変化量は、一定なことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記フレーム区間の間に前記ゲートオン電圧及び前記ゲートオフ電圧は、時間軸上で2 個の単位時間の区間を含み、ここで、xは、1以上の整数であり、
前記各線形区間は、少なくとも1つの単位時間の区間を含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記最大ゲートオン電圧と前記基準ゲートオン電圧との間の電位区間は、2 個の単位電位区間を有し、ここで、yは、1以上の整数であり、
前記最大ゲートオン電圧と前記基準ゲートオン電圧との差値は、αであり、各単位電位区間との間には、α/2 の電位差が形成されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
前記基準ゲートオフ電圧と前記最小ゲートオフ電圧との間の電位区間は、2 個の単位電位区間を有し、ここで、yは、1以上の整数であり、
前記基準ゲートオフ電圧と前記最小ゲートオフ電圧の差値は、βであり、各単位電位区間との間には、β/2 の電位差が形成されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、信号遅延を補償できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置が大型化、高解像度化されている。これによって、各画素を制御するための信号線の配線抵抗が増加する。それだけでなく、画素を駆動するためのドライバに供給される信号が遅延される現象が発生する。
【0003】
このような遅延現象は、ドライバに信号を供給する信号供給部からドライバが遠くなるほど、増加する。このような遅延現象が増加するほど、表示装置の位置による画素の階調表現性の変化が大きくなり、その結果、表示装置全体の表示品質が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許公開第2013/0257400号明細書
【文献】米国特許公開第2007/0132674号明細書
【文献】韓国特許公開第10-2005-0096569号明細書
【文献】韓国特許公開第10-2012-0057426号明細書
【文献】韓国特許公開第10-2011-0075414号明細書
【文献】韓国特許公開第10-2013-0035126号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、表示パネルでスキャン方向にしたがう位置ごとのゲート信号の変形を防止して駆動の信頼性及び表示品質を向上させることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による表示装置は、制御信号を生成し、映像データを出力するコントローラと、前記コントローラから前記制御信号の中で一部を受信して補償信号を生成する補償回路と、入力電圧を駆動電圧に変換し、前記補償信号に応答して1つのフレーム区間内で前記駆動電圧の電圧レベルを増加又は減少させる電圧発生回路と、前記コントローラから前記制御信号及び前記映像データを受信し、前記電圧発生回路から前記駆動電圧を受信してパネル駆動信号を生成する駆動部と、を備え、前記駆動部から前記パネル駆動信号を受信して映像を表示する表示パネルを含む。
【0007】
本発明の一実施形態による表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの前記映像を2次元映像又は3次元映像に認知されるようにするため、2次元モード又は3次元モードで動作するように液晶分子を制御するスイッチングパネルと、前記表示パネルを駆動する第1駆動部と、前記スイッチングパネルを駆動する第2駆動部と、前記第1及び第2駆動部を制御するコントローラと、を含む。
【0008】
前記第1駆動部は、前記コントローラから制御信号を受信して補償信号を生成する補償回路と、入力電圧を駆動電圧に変換し、前記補償信号に応答して1つのフレーム区間内で前記駆動電圧の電圧レベルを増加又は減少させる電圧発生回路と、前記コントローラから前記制御信号及び前記映像データを受信し,前記電圧発生回路から前記駆動電圧を受信してパネル駆動信号を生成するパネル駆動部を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示パネルでスキャン方向にしたがう位置ごとのゲート信号の歪曲を防止するためにゲートオン電圧及びゲートオフ電圧を時間によって非線形的に可変させることで、信号遅延による駆動信頼性及び表示品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
図2図1に図示された電圧発生回路の内部ブロック図である。
図3図2に図示されたオン電圧発生部及びオフ電圧発生部の内部ブロック図である。
図4図3に図示された第1及び第2ポジティブ電圧発生部の内部ブロック図である。
図5図4に図示された第1ゲートオン電圧及び第1ゲートオフ電圧を示した波形図である。
図6図3に図示された第2ポジティブ電圧発生部及び第2ネガティブ電圧発生部の内部ブロック図である。
図7図6に図示された第2ゲートオン電圧及び第2ゲートオフ電圧を示した波形図である。
図8A】第1パルス幅の変調信号による第1ゲートオン電圧の変化を示した波形図である。
図8B】第2パルス幅の変調信号による第2ゲートオン電圧の変化を示した波形図である。
図9】本発明の他の実施形態による立体映像の表示装置のブロック図である。
図10A】本発明の実施形態による映像表示装置の2次元映像及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
図10B】本発明の実施形態による映像表示装置の2次元映像及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
図11】ポジティブスキャン動作のとき、第1ゲートオン電圧及び第1ゲートオフ電圧の電位を示した波形図である。
図12】ネガティブスキャン動作のとき、第2ゲートオン電圧及び第2ゲートオフ電圧の電位を示した波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0012】
上述した本発明が解決しようとする課題、課題解決手段、及び効果は、添付された図面と関連された実施形態を通じて容易に理解できる。各図面は明確な説明のために一部が簡略化されるか、或いは誇張して表現されている。各図面の構成要素には参照番号を付加することにおいて、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されても可能である同一の符号を有するように示されていることに留意しなければならない。また、本発明を説明することにおいて、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳細な説明は、省略する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置のブロック図であり、図2は、図1に図示された電圧発生回路の内部のブロック図である。
【0014】
図1を参照すれば、表示装置500は、コントローラ210、ゲート補償回路300、電圧発生回路400、データ駆動部230、ゲート駆動部250、及び表示パネル100を含む。
【0015】
表示パネル100は、例えば、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、及び有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)を含む電界発光素子(Electroluminescence Device、EL)等の平板表示パネルによって具現されることができる。
【0016】
表示パネル100が液晶表示パネルで具現される場合、表示装置500は、表示パネル100の下部に配置されるバックライトユニット(図示せず)をさらに含む。図示しなかったが、表示パネル100とバックライトユニットとの間には下部偏光フィルムが配置されてもよく、表示パネル100の上には上部偏光フィルムが配置されてもよい。以下では、便宜上、表示パネル100が液晶表示パネルで具現される場合を一例として説明する。
【0017】
図示しなかったが、表示パネル100は、下部基板、下部基板と対向する上部基板、及び下部基板と上部基板との間に介在された液晶層を含む。下部基板には、多数の画素が配置され、上部基板には、画素に対応してカラーフィルターが配置されている。カラーフィルターは、レッド、グリーン及びブルーの主要色を含み、主要色以外の他のカラーを表現するカラーフィルターをさらに含んでもよい。上部基板には、上部偏光フィルムが配置され、下部基板には、下部偏光フィルムが配置される。
【0018】
表示領域DAには、多数のゲートライン、例えば、第1乃至第nゲートラインGL1~GLn、多数のデータライン、例えば、第1乃至第mデータラインDL1~DLm及び多数の画素が配置される。ここで、n及びmは、整数である。本実施形態で、多数のゲートラインGL1~GLnは、第1方向D1に延長し、第1方向D1と交差する第2方向D2に配列される。多数のデータラインDL1~DLmは、第2方向D2に延長し、第1方向D1に配列される。多数のデータラインDL1~DLmと多数のゲートラインGL1~GLnとは、互に異なる層上に配置されて互いに電気的に絶縁されるように交差する。
【0019】
表示領域DAには、画素領域が定義される。画素領域には、複数の画素が配置され、各画素は、薄膜トランジスタ及び液晶キャパシタを含む。液晶キャパシタは、第1電極及び第2電極を含み、液晶層は、誘電体として第1電極と第2電極との間に介在される。
【0020】
本発明の一実施形態においては、ゲートラインGL1~GLn、データラインDL1~DLm、各画素の薄膜トランジスタ及び液晶キャパシタの第1電極である画素電極は、下部基板に配置される。液晶キャパシタの第2電極である基準電極は、上部基板に配置される。
【0021】
本実施形態で、複数個の画素電極は、下部基板に配置され、複数個の画素電極の各々は、画素に一対一で対応して配置される。複数の画素電極の各々は、対応する薄膜トランジスタを通じてデータ電圧を受信する。上部基板には、基準電極が単一形状の電極で配置されて、複数の画素電極と対向する。基準電極には、基準電圧が印加される。各画素電極と基準電極との間には、データ電圧と基準電圧との間の電位差によって、電界が形成され、液晶層は、電界の大きさによって、光透過率が制御される。
【0022】
コントローラ210は、表示装置500の外部から映像信号RGB及び複数の制御信号CSを受信する。コントローラ210は、データ駆動部230とのインタフェース仕様に合うように映像信号RGBを映像データDATに変換し、変換された映像データDATをデータ駆動部230に送信する。また、コントローラ210は、複数の制御信号CSに基づいてデータ制御信号D-CS(例えば、出力開始信号、水平開始信号等を含む)及びゲート制御信号G-CS(例えば、垂直開始信号、垂直クロック信号、及び垂直クロックバー信号を含む)を生成する。データ制御信号DーCSは、データ駆動部230に送信され、ゲート制御信号G-CSは、ゲート駆動部250に送信される。
【0023】
ゲート駆動部250は、コントローラ210から送信されるゲート制御信号G-CSに応答してゲート信号を順次的に出力する。したがって、複数の画素は、ゲート信号によって行単位に順次的にスキャニングされる。本発明の一例として、ゲート駆動部250は、複数個のチップを含み、そのチップの各々には、対応するゲートラインGL1~GLnが連結される。図示しなかったが、ゲート駆動部250は、薄膜工程を通じて表示パネル100に直接的に形成されてもよい。この場合、ゲート駆動部250は、少なくとも1つのシフトレジスタを含み、シフトレジスタは、互いに従属的に連結された複数のステージを具備する。複数のステージが順次的に動作しながら、ゲートラインGL1~GLnに順次的にゲート信号を印加する。
【0024】
データ駆動部230は、コントローラ210から提供されるデータ制御信号D-CSに応答して映像データDATをデータ電圧に変換して出力する。出力されたデータ電圧は、表示パネル100に印加される。本発明の一例として、データ駆動部230は、複数個のチップを含み、そのチップの各々には、対応するデータラインが連結される。
【0025】
したがって、各画素は、ゲート信号によってターンオンされ、ターンオンされた画素は、データ駆動部230から対応するデータ電圧を受信して所望の階調の映像を表示する。
【0026】
電圧発生回路400は、外部から供給される第1及び第2入力電圧Vin1、Vin2をゲート駆動部250とデータ駆動部230とを駆動するのに必要な電圧に変換する。以下では、電圧発生回路400の中でゲート駆動部250を駆動するのに必要な電圧、即ちゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを生成するブロックについて具体的に説明する。ゲートオン電圧Vonは、ゲート信号のハイレベルを決定し、ゲートオフ電圧Voffは、ゲート信号のローレベルを決定する。
【0027】
表示装置500は、電圧発生回路400が生成するゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを補償するためにゲート補償回路300をさらに具備する。ゲート補償回路300は、コントローラ210から補償のための各種制御信号を受信する。制御信号は、垂直開始信号STV及びフレームレート信号FR等を含む。
【0028】
ゲート補償回路300は、コントローラ210からの多様な制御信号を受信する。制御信号は、垂直開始信号STV及びフレームレート信号FRを含む。
【0029】
ゲート補償回路300は、コントローラ210からの制御信号に基づいてゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを補償するための補償信号を生成する。補償信号は、パルス幅の変調信号PWMである。ゲート補償回路300は、パルス幅の変調信号PWMのデューティ比を調節し、調節されたパルス幅の変調信号PWMを電圧発生回路400に印加する。
【0030】
図2に示したように、電圧発生回路400は、ゲートオン電圧Vonを生成するオン電圧発生部410及びゲートオフ電圧Voffを生成するオフ電圧発生部430を含む。オン電圧発生部410は、パルス幅の変調信号PWMに基づいて第1入力電圧Vin1をゲートオン電圧Vonに変換する。オフ電圧発生部430は、パルス幅の変調信号PWMに基づいて第2入力電圧Vin2をゲートオフ電圧Voffに変換する。
【0031】
補償信号は、補償制御信号SCをさらに含む。ゲート補償回路300は、ゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffの各々の補償時点及び復元時点を決定するための補償制御信号SCを電圧発生回路400のオン電圧発生部410及びオフ電圧発生部430にさらに供給する。
【0032】
図2では、オン電圧発生部410とオフ電圧発生部430とが同一のパルス幅の変調信号PWMを受信する例を示したが、前記オン電圧発生部410と前記オフ電圧発生部430とは、各々互に異なるパルス幅の変調信号を受信してもよい。
【0033】
図2では、説明を簡単にするために、オン電圧発生部410とオフ電圧発生部430とが同一の補償制御信号SCを受信する例を示したが、オン電圧発生部410とオフ電圧発生部430とは、各々互に異なる補償制御信号を受信してもよい。
【0034】
図1に示したように、電圧発生回路400は、ゲート駆動部250と電圧発生回路400とを連結する第1及び第2連結配線40a、40bを通じてゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffをゲート駆動部250に供給する。しかし、ゲート駆動部250に含まれた駆動チップ又は複数のステージと電圧発生回路400との距離によって、ゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffとの電位が変わる。電位が変わることは、第1及び第2連結配線40a、40bのライン抵抗値がその長さによって変わるためである。本実施形態で、電圧発生回路400は、第1乃至第nゲートラインGL1~GLnの中でいずれか1つに隣接して配置される。
【0035】
本発明の一実施形態による電圧発生回路400は、ゲート駆動部250と電圧発生回路400との間の距離に応じてゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffの電位が可変となるように構成されている。したがって、駆動チップ又は複数のステージの各々は、電圧発生回路400との距離に関わらず、実質的に同一の電位を有するゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを受信する。
【0036】
ゲート駆動部250は、第1ゲートラインGL1から第nゲートラインGLnまで第2方向D2に順次的にスキャン動作を実施し、第nゲートラインGLnから第1ゲートラインGL1まで第2方向D2と反対の第3方向D3に順次的にスキャン動作を実施する。ここで、ゲート駆動部250が第2方向D2にスキャン動作を実施する場合をポジティブスキャンと定義し、ゲート駆動部250が第3方向D3にスキャン動作を実施する場合をネガティブスキャンと定義する。
【0037】
以下、図3図4A、及び図4Bを参照して、図2に示された電圧発生回路400を具体的に説明する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、ゲート駆動部250は、ポジティブスキャン及びネガティブスキャンの中でいずれか一方向にスキャン動作を実施するように選択される。しかし、他の実施形態でゲート駆動部250は、望む場合によってポジティブスキャン及びネガティブスキャンの中でいずれか1つを選択して動作できるように構成されてもよい。
【0039】
以下では、ゲート駆動部250がポジティブスキャン及びネガティブスキャンの中でどのスキャン方式に動作するかによって異なるように補償されたゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを生成する電圧発生回路400を説明する。
【0040】
図3は、図2に図示されたオン電圧発生部410及びオフ電圧発生部430の内部ブロック図である。
【0041】
図3を参照すれば、電圧発生回路400は、オン電圧発生部410及びオフ電圧発生部430を含む。オン電圧発生部410は、ポジティブスキャンのときに動作する第1ポジティブ電圧発生部411及びネガティブスキャンのときに動作する第1ネガティブ電圧発生部413を含む。オフ電圧発生部430は、ポジティブスキャンのときに動作する第2ポジティブ電圧発生部431及びネガティブスキャンのときに動作する第2ネガティブ電圧発生部433を含む。
【0042】
オン電圧発生部410は、第1入力電圧Vin1を受信し、第1入力電圧Vin1を昇圧して第1ゲートオン電圧Von1又は第2ゲートオン電圧Von2を出力する。ここで、第1ポジティブ電圧発生部411から出力される電圧を第1ゲートオン電圧Von1と定義し、第1ネガティブ電圧発生部413から出力される電圧を第2ゲートオン電圧Von2と定義する。
【0043】
オフ電圧発生部430は、第2入力電圧Vin2を受信し、第2入力電圧Vin2を減圧して第1ゲートオフ電圧Voff1又は第2ゲートオフ電圧Voff2を出力する。ここで、第2ポジティブ電圧発生部431から出力される電圧を第1ゲートオフ電圧Voff1と定義し、第2ネガティブ電圧発生部433から出力される電圧を第2ゲートオフ電圧Voff2と定義する。
【0044】
第1ポジティブ電圧発生部411及び第1ネガティブ電圧発生部413は、同時に動作せず、いずれか1つのみがゲート駆動部250のスキャン動作によって動作する。図示しなかったが、コントローラ210は、スキャン方向にしたがって第1ポジティブ電圧発生部411及び第1ネガティブ電圧発生部413のいずれか1つと第2ポジティブの電圧発生部431及び第2ネガティブ電圧発生部433のいずれか1つを選択するためのスキャン方向信号を電圧発生回路400に転送する。
【0045】
ポジティブスキャン動作のとき、第1ポジティブ電圧発生部411は、ゲート補償回路300(図1に示される)から第1パルス幅の変調信号PWM1及び補償制御信号SCを受信し、第2ポジティブ電圧発生部431は、ゲート補償回路300(図1に示される)から第1パルス幅の変調信号PWM1及び補償信号SCを受信する。
【0046】
ネガティブスキャン動作のとき、第1ネガティブ電圧発生部413は、ゲート補償回路300から第2パルス幅の変調信号PWM2及び補償制御信号SCを受信し、第2ネガティブ電圧発生部433は、ゲート補償回路300から第2パルス幅の変調信号PWM2及び補償制御信号SCを受信する。
【0047】
図4は、図3に示された第1及び第2ポジティブ電圧発生部431の内部ブロック図であり、図5は、図4に示された第1ゲートオン電圧Von1及び第1ゲートオフ電圧Voff1を示した波形図である。
【0048】
図4及び図5を参照すれば、第1ポジティブ電圧発生部411は、昇圧部411a及び放電部411bを含む。昇圧部411aは、第1入力電圧Vin1及び第1パルス幅の変調信号PWM1を受信して、第1入力電圧Vin1を第1ゲートオン電圧Von1に変換する。昇圧部411aは、第1パルス幅の変調信号PWM1によって第1ゲートオン電圧Von1を1つのフレームの中で所定の区間の間に基準ゲートオン電圧Von_refより増加する方向に変化させる。放電部411bは、次のフレームが開始される前に、第1ゲートオン電圧Von1を基準ゲートオン電圧Von_refに放電させる。
【0049】
第2ポジティブ電圧発生部431は、減圧部431a及びブースティング部431bを含む。減圧部431aは、第2入力電圧Vin2及び第1パルス幅の変調信号PWM1を受信して、第2入力電圧Vin2を第1ゲートオフ電圧Voff1に変換する。減圧部431aは、第1パルス幅の変調信号PWM1によって第1ゲートオフ電圧Voff1を1つのフレームの中で所定の区間の間に基準ゲートオフ電圧Voff_refより減少する方向に変化させる。ブースティング部431bは、次のフレームが開始される前に、第1ゲートオフ電圧Voff1を基準ゲートオフ電圧Voff_refにブースティングさせる。
【0050】
図5に示したように、ポジティブスキャン動作のとき、複数のゲートラインGL1~GLn(図1に図示される)は、各フレーム1F、2Fの開始を知らせる垂直開始信号STVがハイ状態に遷移した後、第1ゲートラインGL1から第nゲートラインGLn方向に順次的にスキャンされる。
【0051】
補償制御信号SCは、垂直開始信号STVの上昇に同期してハイ状態に遷移し、次のフレーム周期が開始される前、所定の時点からロー状態に遷移する。ここで、補償制御信号SCのハイ区間H_Pは、第1ゲートオン電圧Von1及び第1ゲートオフ電圧Voff1を補償する補償区間に対応し、補償制御信号SCのロー区間L_Pは、第1ゲートオン電圧Von1の放電区間及び第1ゲートオフ電圧Voff1のブースティング区間に対応する。
【0052】
補償制御信号SCのロー区間L_Pは、連続する2つのフレーム周期である1Fと2Fの間にあるブランク区間1Bと実質的に同一であるか、或いはブランク区間1B内に含まれる。ブランク区間1Bは、複数のゲートラインGL1~GLnが実質的にスキャンされる区間ではなく、複数のゲートラインGL1~GLnに印加された信号をリセットさせる区間である。したがって、補償制御信号SCのロー区間L_Pの間に第1ゲートオン電圧Von1及び第1ゲートオフ電圧Voff1は、それぞれ基準ゲートオン電圧Von_ref及び基準ゲートオフ電圧Voff_refに維持される。
【0053】
第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比は、補償制御信号SCのハイ区間H_P内で変化する。本発明の一例として、第1ゲートオン電圧Von1は、補償制御信号SCのハイ区間H_P内でk個の変曲点(ここで、kは1以上の整数)、例えば第1乃至第4変曲点IP1~IP4を有し、非線形的に増加する。変曲点の数kは、表示装置500の仕様、駆動チップの数等によって決定される。
【0054】
補償制御信号SCのハイ区間H_Pは、k個の変曲点IP1~IPkによってk+1個の線形区間LP1~LPk+1に分割される。k+1個の線形区間LP1~LPk+1の境界にk個の変曲点IP1~IPkが各々位置する。各線形区間LP1~LPk+1内で電圧変化量は、一定であり、互いに隣接する2つの線形区間LP1~LPk+1の間の電圧変化量は、互いに異なる。図5では、補償制御信号SCのハイ区間H_Pが5つの線形区間(以下、第1乃至第5線形区間LP1~LP5)を含むことを本発明の一例として図示した。
【0055】
上記したフレーム周期1Fの間、第1ゲートオン電圧Von1は、時間軸上で2個(xは、1以上の整数)の解像度を有する。図5では、xが4である場合を一例として図示した。したがって、上記したフレーム区間1F内には、16個の単位時間の区間が含まれる。また、第1乃至第5線形区間LP1~LP5の各々に含まれる単位時間の区間の数は、互いに同一であってもよく、異なってもよい。図5に示したように、第1、第3及び第4線形区間LP1、LP3、LP4の各々は、3つの単位時間の区間を含み、第2線形区間LP2は、4つの単位時間の区間を含む。
【0056】
ハイ区間H_P内で第1ゲートオン電圧Von1が有し得る最低電位を基準ゲートオン電圧Von_refと定義し、最高電位を最大ゲートオン電圧Von_Maxと定義する。ハイ区間H_P内で最大ゲートオン電圧Von_Maxと基準ゲートオン電圧Von_refとの間の電位区間は、2個(ここで、yは1以上の整数)の解像度を有する。図5では、yが4である場合を一例として図示した。したがって、最大ゲートオン電圧Von_Maxと基準ゲートオン電圧Von_refとの間の電位区間は、16個の単位電位の区間を含む。最大ゲートオン電圧Von_Maxと基準ゲートオン電圧Von_refとの差値をαとすれば、各単位の電位区間の間には、α/2の電位差が生じる。
【0057】
第1線形区間LP1での第1ゲートオン電圧曲線の勾配は、1/3であり、第2線形区間LP2での第1ゲートオン電圧曲線の勾配は、4/4であり、第3線形区間LP3での第1ゲートオン電圧曲線の勾配は、4/3であり、第4線形区間LP4での第1ゲートオン電圧曲線の勾配は、7/3である。即ち、単位時間の区間あたりの電圧変化量は、線形区間LP1~LP5のそれぞれごとに変わる。図5に示したように、第5線形区間LP5は、最大ゲートオン電圧Von_Maxを維持する。
【0058】
第1ゲートオン電圧Von1の電位は、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比によって決定されるので、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比は、単位時間の区間ごとに可変である。先に記述したように、デューティ比の変化量もやはり第1乃至第5線形区間LP1~LP5毎に変わる。
【0059】
一方、上記したフレーム周期1Fの間に第1ゲートオフ電圧Voff1は、時間軸上で2x個の解像度を有する。即ち、図5では、第1ゲートオフ電圧Voff1の時間軸上の解像度は、第1ゲートオン電圧Von1の時間軸上の解像度と同一である。しかし、他の実施形態においては、第1ゲートオフ電圧Von1の時間軸上の解像度は、第1ゲートオン電圧Von1の時間軸上の解像度と異なってもよい。
【0060】
ハイ区間H_P内で第1ゲートオフ電圧Voff1が有し得る最高電位を基準ゲートオフ電圧Voff_refと定義し、最低電位を最小ゲートオフ電圧Voff_Minと定義する。ハイ区間H_P内で基準ゲートオフ電圧Voff_refと最小ゲートオフ電圧Voff_Minとの間の電位区間は、2個の解像度を有する。即ち、図5では、第1ゲートオフ電圧Voff1の電位軸上の解像度は、第1ゲートオン電圧Von1の電位軸上の解像度と同一である。しかし、他の実施形態においては、第1ゲートオフ電圧Voff1の電位軸上の解像度は、第1ゲートオン電圧Von1の電位軸上の解像度と異なってもよい。基準ゲートオフ電圧Voff_refと最小ゲートオフ電圧Voff_Minとの差値をβとすれば、各単位電位区間の間には、β/2の電位差が生じる。
【0061】
第1線形区間LP1での第1ゲートオフ電圧曲線の勾配は、-1/3であり、第2線形区間LP2での第1ゲートオフ電圧曲線の勾配は、-4/4であり、第3線形区間LP3での第1ゲートオフ電圧曲線の勾配は、-4/3であり、第4線形区間LP4での第1ゲートオフ電圧曲線の勾配は、-7/3である。即ち、単位時間の区間あたりの電圧変化量は、それぞれの線形区間ごとに変わる。第5線形区間LP5は、最小ゲートオフ電圧Voff_Minを維持する。
【0062】
第1ゲートオフ電圧Voff1の電位は、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比によって決定されるので、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比は、単位時間の区間ごとに変化する。先に記述したように、デューティ比の変化量もやはり第1乃至第5線形区間LP1~LP5毎に変わる。
【0063】
図6は、図3に示された第2ポジティブ電圧発生部431及び第2ネガティブ電圧発生部433の内部ブロック図であり、図7は、図6に図示された第2ゲートオンVon2電圧及び第2ゲートオフ電圧Voff2を示した波形図である。
【0064】
図6を参照すれば、第1ネガティブ電圧発生部413は、事前昇圧部413aを含む。第1ネガティブ電圧発生部413は、ゲート駆動部250がネガティブスキャンをするときに動作する。事前昇圧部413aは、第1入力電圧Vin1及び第2パルス幅の変調信号PWM2を受信して、第1入力電圧Vin1を第2ゲートオン電圧Von2に変換する。事前昇圧部413aは、第2パルス幅の変調信号PWM2によって第2ゲートオン電圧Von2を1つのフレーム周期の開始の前、以前フレーム周期のブランク区間の間に最高ゲートオン電圧Von_Maxまで昇圧させる。以後、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比が減少して、事前昇圧部413aは、上記したフレームが開始され、所定の区間の間に第2ゲートオン電圧Von2を最大ゲートオン電圧Von_Maxから基準ゲートオン電圧Von_refまで減少する方向に変化させる。
【0065】
第2ネガティブ電圧発生部433は、事前減圧部433aを含む。事前減圧部433aは、第2入力電圧Vin2及び第2パルス幅の変調信号PWM1を受信して、第2入力電圧Vin2を第2ゲートオフ電圧Voff2に変換する。事前減圧部433aは、第2パルス幅の変調信号PWM2によって第2ゲートオフ電圧Voff2を1つのフレーム周期の開始の前、以前フレーム周期のブランク区間の間に最低ゲートオフ電圧Voff_Minまでダウンさせる。以後、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比が増加して、事前減圧部433aは、上記したフレームが開始され、所定の区間の間に第2ゲートオフ電圧Voff2を最低ゲートオフ電圧Voff_Minから基準ゲートオフ電圧Voff_refまで増加する方向に変化させる。
【0066】
図7に示したように、ネガティブスキャン動作のとき、複数のゲートラインGL1~GLn(図1に示される)は、フレーム周期である1F、2Fのそれぞれ開始を知らせる垂直開始信号STVがハイ状態に遷移した後、第nゲートラインGLnから第1ゲートラインGL1方向に順次的にネガティブスキャンされる。
【0067】
補償制御信号SCは、垂直開始信号STVの上昇に同期してハイ状態に遷移し、次のフレーム周期が開始される前、所定の時点にロー状態に遷移する。ここで、補償制御信号SCのハイ区間H_Pは、第2ゲートオン電圧Von2及び第2ゲートオフ電圧Voff2を補償する補償区間に対応し、補償制御信号SCのロー区間L_Pは、第2ゲートオン電圧Von2の事前昇圧区間及び第2ゲートオフ電圧Voff2の事前減圧区間に対応する。
【0068】
先ず、図7に示したように、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比は、補償制御信号SCのハイ区間H_P内で可変である。図5に示された第1パルス幅の変調信号PWM1は、ハイ区間H_P内で非線形的に増加するデューティ比を有し、図7に示された第2パルス幅の変調信号PWM2は、ハイ区間H_P内で非線形的に減少するデューティ比を有する。
【0069】
本発明の一例として、第2ゲートオン電圧Von2は、補償制御信号SCのハイ区間H_P内でk個の変曲点(ここで、kは、1以上の整数)、例えば、第1乃至第4変曲点IP1~IP4を有し、非線形的に減少する。変曲点IP1~IPkの数kは、表示装置500の仕様、駆動チップの個数等によって決定される。第2ゲートオン電圧Von2が最大ゲートオン電圧Von_Maxから減少する傾向は、図5に図示された第1ゲートオン電圧Von1をk番目の変曲点IP4位置で電位軸を基準に対称としたことと実質的に同一である。即ち、ネガティブスキャンとポジティブスキャンとが同一表示装置で遂行される場合、ネガティブスキャンとポジティブスキャンとの間の電圧遅延偏差を減少させる方向に、第1及び第2パルス幅の変調信号PWM1、PWM2の各々のデューティ比を設定する。
【0070】
他の部分に対する第2ゲートオン電圧Von2の説明は、第1ゲートオン電圧Von1の説明と類似であるので、重複を避けるために省略する。
【0071】
第2ゲートオフ電圧Voff2は、補償制御信号SCのハイ区間H_P内でk個の変曲点IP1~IPk(ここで、kは、1以上の整数)を有し、非線形的に増加してもよい。第2ゲートオフ電圧Voff2が最小ゲートオフ電圧Voff_Minから増加する傾向は、図5に示された第2ゲートオフ電圧Voff2をk番目の変曲点IP4位置で電位軸基準に対称としたことと実質的に同一である。即ち、ネガティブスキャンとポジティブスキャンとが同一表示装置で遂行される場合、ネガティブスキャンとポジティブスキャンとの間の電圧遅延偏差を減少させる方向に、第1及び第2パルス幅の変調信号PWM1、PWM2の各々のデューティ比を設定する。
【0072】
他の部分に対する第2ゲートオフ電圧Voff2の説明は、第1ゲートオフ電圧Voff1の説明と類似であるので、重複を避けるために省略する。
【0073】
図8Aは、第1パルス幅の変調信号PWM1による第1ゲートオン電圧の変化を示した波形図であり、図8Bは、第2パルス幅の変調信号PWM2による第2ゲートオン電圧の変化を示した波形図である。
【0074】
図8Aを参照すれば、1つのフレーム周期1Fの間に第1ゲートオン電圧Von1は、基準ゲートオン電圧Von_refから最大ゲートオン電圧Von_Maxまで非線形的に増加する。第1ゲートオン電圧Von1の電位は、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比によって変化する。即ち、第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比が増加するほど、第1ゲートオン電圧Von1の電位が上昇する。
【0075】
第1パルス幅の変調信号PWM1のデューティ比は、各々の線形区間(図5に図示される)内で一定な比率で増加し、2つの隣接する線形区間の間では、デューティ比の増加比率が変わる。
【0076】
図8Bを参照すれば、1つのフレーム周期1Fの間に第2ゲートオン電圧Von2は、最大ゲートオン電圧Von_Maxから基準ゲートオン電圧Von_refまで非線形的に減少する。第2ゲートオン電圧Von2の電位は、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比によって可変である。即ち、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比が減少するほど、第2ゲートオン電圧Von2の電位が減少する。上記したフレーム周期1Fが開始される直前に最大デューティ比を有する第2パルス幅の変調信号PWM2によって第2ゲートオン電圧Von2は、最大ゲートオン電圧Von_Maxまで事前昇圧される。以後、第2パルス幅の変調信号PWM2のデューティ比が減少して第2ゲートオン電圧Von2は、基準ゲートオン電圧Von_refまでダウンされる。
【0077】
図9は、本発明の他の実施形態による立体映像の表示装置のブロック図である。
【0078】
図9を参照すれば、立体映像の表示装置1000は、表示ユニット600、駆動ユニット700、パターンリターダ800、及びスイッチングパネル900を含む。
【0079】
表示ユニット600は、表示パネル650を含む。表示パネル650は、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、及び有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)を含む電界発光素子(Electroluminescence Device、EL)等の平板表示パネルによって具現されることができる。
【0080】
表示パネル650が液晶表示パネルによって具現される場合、表示ユニット600は、表示パネル650の下部に配置されるバックライトユニット610、表示パネル650とバックライトユニット610との間に配置される下部偏光フィルム630、及び表示パネル650とパターンリターダ800との間に配置される上部偏光フィルム670をさらに具備する。
【0081】
表示パネル650は、駆動ユニット700の制御の下で、2Dモード又は3Dモードで動作して映像を表示する。駆動ユニット700は、コントローラ710、表示パネル650を駆動する第1駆動部730、及びスイッチングパネル900を駆動する第2駆動部750を含む。コントローラ710は、第1駆動部730の動作を制御し、第1駆動部730に同期して第2駆動部750を駆動させる。
【0082】
図面に示さなかったが、第1駆動部730は、データ駆動部、ゲート駆動部、ゲート補償回路及び電圧発生回路を含む。データ駆動部、ゲート駆動部、ゲート補償回路、及び電圧発生回路に対する説明の中、図1での説明と重複される部分は、省略する。
【0083】
データ駆動部は、3Dモードでコントローラ710から入力される3Dデータフォーマットのデジタルビデオデータをアナログガンマ電圧に変換して3D用のデータ電圧を発生する。一方、データ駆動部は、2Dモードでコントローラ710から入力される2Dデータフォーマットのデジタルビデオデータをアナログガンマ電圧に変換して2D用のデータ電圧を発生する。
【0084】
コントローラ710は、ユーザーインターフェイスを通じて入力されるユーザーの2D/3Dモードの選択信号Mode_2D/Mode_3D又は入力映像信号から取出された2D/3D識別コードに応答して、表示パネル650が2Dモード又は3Dモードで動作するように第1駆動部730を制御する。
【0085】
コントローラ710は、垂直同期信号、水平同期信号、メーンクロック、データイネーブル等のタイミング信号を利用して第1駆動部730の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号を発生する。コントローラ710は、タイミング制御信号を整数倍してN×60Hz(Nは、1以上の整数)の周波数、例えば、入力フレーム周波数対比2倍の周波数である120Hzに周波数を整数倍して、第1駆動部730を駆動してもよい。
【0086】
バックライトユニット610は、1つ以上の光源、光源からの光を面光源に変換して表示パネル650に照射する多数の光学部材を含む。光源は、HCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL(External Electrode Fluorescent Lamp)、FFL(Flange Focal Length)、LED(Light Emitting Diode)の中のいずれか1つ又は2種類以上の光源を含む。光学部材は、導光板、拡散板、プリズムシート、拡散シート等を含んで光源からの光の面均一度を向上させる。
【0087】
スイッチングパネル900は、第1基板410、第1基板410と対向する第2基板420、第1基板410及び第2基板420との間に介在されている液晶層430を含む。第1基板410及び第2基板420の各々は、ガラス、プラスチック等の絶縁物質を含んでもよい。スイッチングパネル900の外側面には、偏光フィルム(図示せず)がさらに設けられてもよい。
【0088】
また、コントローラ710は、2Dモードでスイッチングパネル900がオフ状態で動作するように制御するための第1制御信号CON_2D及び3Dモードでスイッチングパネル900がオン状態で動作するように制御するための第2制御信号CON_3Dを第2駆動部750に送信する。
【0089】
第2駆動部750は、第1及び第2制御信号CON_2D、CON_3Dに基づいて第1又は第2駆動電圧VD_ON、VD_OFFを生成してスイッチングパネル900に送信する。これによって、スイッチングパネル900は、2Dモードである場合、第2駆動部750から第2駆動電圧VD_OFFを受信して液晶レンズとして駆動せず3Dモードである場合、第2駆動部750から第1駆動電圧VD_ONを受信して液晶レンズとして駆動する。
【0090】
したがって、スイッチングパネル900は、2Dモードでは、表示パネル650で表示された映像を視域分離無しで透過させ、3Dモードでは、表示パネル650の映像の視域を分離する。
【0091】
図10A及び図10Bは、本発明の実施形態による映像表示装置の2次元映像及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。図10A及び図10Bでは、説明を簡単にするために図9に図示された構成要素の中で表示パネル650及びスイッチングパネル900のみを図示した。
【0092】
図10A及び図10Bを参照すれば、表示パネル650は、2Dモードでは、1つの平面映像を表示するが、3Dモードでは、右眼用の映像、左眼用の映像など様々な視域(visual field)に該当する映像を空間分割多重転送方式あるいは時分割多重転送方式を用いて表示する。例えば、3Dモードで表示パネル650は、右眼用の映像と左眼用の映像とを一列の画素毎に交互に表示する。
【0093】
スイッチングパネル900は、2Dモードでは、表示パネル650で表示された映像を視域分離せず、透過されるようにし、3Dモードでは、表示パネル650の映像の視域を分離する。即ち、3Dモードで動作するスイッチングパネル900は、表示パネル650に表示された左眼用の映像と右眼用の映像を含む。視点映像は光の回折及び屈折現像によって視点ごとに対応する視域に位置する。
【0094】
図10Aは、表示パネル650及びスイッチングパネル900が2Dモードで動作する場合に、左眼と右眼とに同一の映像が到達して2D映像が認知されることを示している。図10Bは、表示パネル650及びスイッチングパネル900が3Dモードで動作する場合に、スイッチングパネル900が表示パネル650の映像を左眼及び右眼の各視域に分離して屈折させることによって、3D映像が認知されることを示している。
【0095】
図11は、ポジティブスキャン動作の時、第1ゲートオン電圧Von1及び第1ゲートオフ電圧Voff1の電位を示した波形図である。
【0096】
図11を参照すれば、立体映像の表示装置1000は、2Dモードでは第1周波数で動作し、3Dモードでは、第1周波数より高い第2周波数で動作する。本発明の一例として、立体映像の表示装置1000は、2Dモードでは60Hzで動作し、3Dモードでは120Hzで動作する。
【0097】
ゲート補償回路300は、立体映像の表示装置1000の周波数情報によって補償制御信号SCの周波数を調節する。第1駆動部730が2Dモードで動作する区間が2D区間2D_Pと定義され、第1駆動部730が3Dモードで動作する区間が3D区間3D_Pと定義される。3Dモードの選択信号Mode_3Dは、2D区間2D_Pでロー状態を有し、3D区間3D_Pでハイ状態を有するが、実際3Dモードで動作する時点より前に予めハイ状態に転換される。
【0098】
垂直開始信号STVは、2D区間2D_Pの間では60Hzの周波数を有し、3D区間3D_Pの間では120Hzの周波数を有する。したがって、2D区間2D_Pでの1つのフレーム周期1F_2Dの幅は、3D区間3D_Pでの1つのフレーム周期1F_3Dの幅より大きい。ここで、2D区間2D_Pでの1つのフレーム周期を2Dフレーム区間1F_2Dと定義し、3D区間3D_Pでの1つのフレーム周期を3Dフレーム区間1F_3Dと定義する。
【0099】
補償制御信号SCは、2D区間2D_Pの間に60Hzの周波数を有し、3D区間3D_Pの第1区間P1の間にローレベルを維持することができ、第2区間P2の間に120Hzの周波数を有する。第1区間P1は、2Dモードから3Dモードに遷移される時、始めの幾つかのフレームを含む区間と定義される。本発明の一例として第1区間P1は、2つの3Dフレーム周期に該当する区間の幅を有する。
【0100】
図11に示したように、2D区間2D_Pで第1ゲートオン電圧Von1は、基準ゲートオン電圧Von_refと比べ第1補償値Vα1程度増加された第1最大ゲートオン電圧Von_Max1まで上昇する。3D区間3D_Pで第1ゲートオン電圧Von1は、基準ゲートオン電圧Von_refと比べ第2補償値Vα2程度増加された第2最大ゲートオン電圧Von_Max2まで上昇する。本発明の一例として、第1補償値Vα1は、第2補償値Vα2より大きいか、或いは同一である。
【0101】
2Dフレーム区間1F_2Dは、3Dフレーム区間1F_3Dに比べて時間の幅が長いので、第1補償値Vα1が第2補償値Vα2より大きくても構わない。
【0102】
2D区間2D_Pで第1ゲートオフ電圧Voff1は、基準ゲートオフ電圧Voff_refと比べ第3補償値Vβ1程度減少された第1最小ゲートオフ電圧Voff_Min1までダウンされる。3D区間3D_Pで第1ゲートオフ電圧Voff1は、基準ゲートオフ電圧Voff_refと比べ第4補償値Vβ2程度減少された第2最小ゲートオン電圧Voff_Min2までダウンされる。本発明の一例として、第3補償値Vβ1は、第4補償値Vβ2より大きいか、或いは同一である。
【0103】
2Dフレーム区間1F_2Dは、3Dフレーム区間1F_3Dに比べて時間の幅が長いので、第3補償値Vβ1が第4補償値Vβ2より大きくても構わない。
【0104】
図12は、ネガティブスキャン動作のとき、第2ゲートオン電圧Von2及び第2ゲートオフ電圧Voff2の電位を示した波形図である。図12に示された図面符号の中で図11に図示された図面符号と同一の図面符号に対しては具体的な説明は、省略する。
【0105】
図12を参照すれば、2D区間2D_Pで第2ゲートオン電圧Von2は、1つのフレーム区間の間に基準ゲートオン電圧Von_refと比べ第1補償値Vα1程度増加された第1最大ゲートオン電圧Von_Max1から基準ゲートオン電圧Von_refまでダウンされる。3D区間3D_Pで第2ゲートオン電圧Von2は、基準ゲートオン電圧Von_refと比べ第2補償値Vα2程度増加された第2最大ゲートオン電圧Von_Max2から基準ゲートオン電圧Von_refまでダウンされる。本発明の一例として、第1補償値Vα1は、第2補償値Vα2より大きいか、或いは同一である。
【0106】
2D区間2D_Pで第2ゲートオフ電圧Voff2は、基準ゲートオフ電圧Voff_refと比べ第3補償値Vβ1程度減少された第1最小ゲートオフ電圧Voff_Min1までダウンされる。3D区間3D_Pで第1ゲートオフ電圧Voff1は、基準ゲートオフ電圧Voff_refと比べ第4補償値Vβ2程度減少された第2最小ゲートオフ電圧Voff_Min2までダウンされる。本発明の一例として、第3補償値Vβ1は、第4補償値Vβ2より大きいか、或いは同一である。
【0107】
以上、実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることを理解できる。
【符号の説明】
【0108】
100表示パネル
400スイッチングパネル
410第1基板
420第2基板
430液晶層
431液晶分子
411第1ベース基板
412第1電極層
421第2ベース基板
422第2電極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12