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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1334 20060101AFI20220114BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G02F1/1334
G02F1/13357
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017177073
(22)【出願日】2017-09-14
(65)【公開番号】P2019053186
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-123514(JP,A)
【文献】特開平11-119206(JP,A)
【文献】特開2002-268061(JP,A)
【文献】米国特許第06474824(US,B1)
【文献】特開2017-156718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235188(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1334
G02F 1/1335
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、
前記第1端部に沿って配置される光源部と、
前記第2端部の少なくとも一部に配置される遮光部材と、
を備え
前記第1基板は、前記第2端部側に位置する第3端部を有し、
前記遮光部材は、さらに、前記第3端部の少なくとも一部に配置される表示装置。
【請求項2】
第3基板を備え、
前記第3基板は、前記第1端部側に位置する第4端部、及び、前記第2端部側に位置する第5端部を有し、
前記光源部は、前記第4端部に沿って配置され、
前記遮光部材は、前記第5端部の少なくとも一部に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
第1基板と、
第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、
前記第1端部に沿って配置される光源部と、
前記第2端部の少なくとも一部に配置される反射部材と、
を備え
前記第2端部と前記反射部材との間に位置する拡散部材を有し、
前記拡散部材は、異方性拡散部材である表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、前記第2端部側に位置する第3端部を有し、
前記反射部材は、前記第3端部の少なくとも一部に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
第3基板を備え、
前記第3基板は、前記第1端部側に位置する第4端部、及び、前記第2端部側に位置する第5端部を有し、
前記光源部は、前記第4端部に沿って配置され、
前記反射部材は、前記第5端部の少なくとも一部に配置される、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2端部は、前記第1端部と対向する第1部分と、前記第1端部及び前記第1部分にそれぞれ隣接し互いに対向する第2部分及び第3部分とを有し、
前記反射部材及び前記拡散部材は、前記第1部分に配置され、
前記拡散部材は、前記第1部分に接触している、請求項乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記反射部材及び前記拡散部材は、前記第2部分及び前記第3部分に配置され、
前記拡散部材は、前記第2部分及び前記第3部分にそれぞれ接触している、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記反射部材は、前記第2部分及び前記第3部分に配置され、
前記反射部材は、前記第2部分及び前記第3部分にそれぞれ接触している、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記光源部は、第1発光素子及び第2発光素子を備え、
前記第1端部において、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に位置する拡散部材を備える、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記液晶層は、高分子材料によって形成されたポリマーと、前記ポリマー内に分散された液晶分子と、を含む高分子分散型の液晶層である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1基板は画素電極を備え、前記第2基板は共通電極を備え、
前記液晶層は、前記画素電極及び前記共通電極の電圧に応じて透明状態と散乱状態とが制御される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2基板の前記第1端部、及び、前記第3基板の前記第4端部に、前記光源部からの光が入光する、請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透過状態とを切り替え可能な高分子分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)を適用した照明装置が種々提案されている。導光板は、光源からの光を伝播するものである。導光板において、光入射面とは反対側の端部では、伝播された光が漏れ出すおそれがある。
一方で、近年、PDLCを適用した表示装置が種々検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5467389号公報
【文献】特開2010-92682号公報
【文献】特開2016-57338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、不所望な漏れ光を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
第1基板と、第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、前記第1端部に沿って配置される光源部と、前記第2端部の少なくとも一部に配置される遮光部材と、を備える表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
第1基板と、第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、前記第1端部に沿って配置される光源部と、前記第2端部の少なくとも一部に配置される反射部材と、を備える表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示装置DSPの斜視図である。
図3図3は、図1に示した表示装置DSPの断面図である。
図4図4は、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図5図5は、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図6図6は、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図7図7は、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図8A図8Aは、第1構成例を示す断面図である。
図8B図8Bは、第1構成例の第1変形例を示す断面図である。
図8C図8Cは、第1構成例の第2変形例を示す断面図である。
図9図9は、機能部材100が遮光部材である場合の作用を説明するための断面図である。
図10図10は、機能部材100が反射部材である場合の作用を説明するための断面図である。
図11図11は、第2構成例を示す断面図である。
図12図12は、第3構成例を示す断面図である。
図13図13は、第4構成例を示す断面図である。
図14図14は、拡散部材である第2機能部材120の拡散性を説明するための図である。
図15図15は、図14に示した第2機能部材120の作用を説明するための断面図である。
図16図16は、図14に示した第2機能部材120の作用を説明するための平面図である。
図17図17は、第1配置例を示す平面図である。
図18図18は、第2配置例を示す平面図である。
図19図19は、第3配置例を示す平面図である。
図20図20は、第4配置例を示す平面図である。
図21図21は、第5配置例を示す平面図である。
図22図22は、第6配置例を示す平面図である。
図23図23は、第7配置例を示す平面図である。
図24図24は、第8配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。図中において、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差し、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に向かってみることを平面視という。
【0009】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネルPNL、及び、配線基板F1乃至F3を備えている。また、表示装置DSPは、ここでは図示しない光源部も備えている。
表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3を備えている。第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3は、第3方向Zにこの順に並び、平面視で互いに重畳している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳している領域に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、n本の走査線G(G1~Gn)、及び、m本の信号線S(S1~Sm)を備えている。なお、n及びmはいずれも正の整数であり、nがmと等しくてもよいし、nがmとは異なっていてもよい。複数の走査線Gは、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。複数の信号線Sは、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
【0010】
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した端部E11及び端部E14と、第2方向Yに沿って延出した端部E12及び端部E13とを有している。第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した端部E21及び端部E24と、第2方向Yに沿って延出した端部E22及び端部E23とを有している。第3基板SUB3は、第1方向Xに沿って延出した端部E31及び端部E34と、第2方向Yに沿って延出した端部E32及び端部E33とを有している。
図1に示した例では、平面視で、端部E11、端部E21、及び、端部E31は重畳しているが、3つの端部のうちの少なくとも1つがずれる場合があり得る。同様に、端部E12、端部E22、及び、端部E32は重畳しているが、互いにずれる場合があり得る。同様に、端部E13、端部E23、及び、端部E33は重畳しているが、互いにずれる場合があり得る。端部E24及び端部E34は、平面視で、端部E14と表示領域DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、端部E14と端部E24との間に延出部Exを有している。
【0011】
配線基板F1乃至F3は、それぞれ延出部Exに接続され、この順に第1方向Xに並んでいる。配線基板F1は、ゲートドライバGD1を備えている。配線基板F2は、ソースドライバSDを備えている。配線基板F3は、ゲートドライバGD2を備えている。なお、配線基板F1乃至F3は、単一の配線基板に置換されてもよい。
複数の信号線Sは、非表示領域NDAに引き出され、ソースドライバSDに接続されている。複数の走査線Gは、非表示領域NDAに引き出され、ゲートドライバGD1及びGD2に接続されている。図1に示した例では、奇数番目の走査線Gは、端部E13と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD2に接続されている。また、偶数番目の走査線Gは、端部E12と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD1に接続されている。なお、ゲートドライバGD1及びGD2と各走査線Gとの接続関係は図示した例に限らない。
【0012】
図2は、図1に示した表示装置DSPの斜視図である。ここでは、配線基板F1乃至F3の図示を省略している。光源部LUは、第1基板SUB1の上に位置し、端部E24及びE34に沿って配置されている。光源部LUは、複数の発光素子LSと、点線で示した配線基板F4とを備えている。複数の発光素子LSは、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。発光素子LSの各々は、配線基板F4に接続されている。発光素子LSは、第1基板SUB1と配線基板F4との間に位置している。発光素子LSは、例えば発光ダイオードである。発光素子LSは、発光部EMを有している。発光部EMは、端部E24及び端部E34と向かい合っている。発光部EMは、端部E24及び端部E34に接触していてもよい。また、発光部EMと端部E24及び端部E34との間に、空気層、光学素子などが介在していてもよい。端部E24及び端部E34は、発光部EMから出射された光が入射する入光部に相当する。
【0013】
本明細書において、第2基板SUB2の端部E21乃至E24のうち、光源部LUが配置される入光用の端部が第1端部に相当し、第1端部とは異なる位置のその他の端部が第2端部に相当する。第1基板SUB1の端部E11乃至E14のうち、第2端部側に位置する端部が第3端部に相当する。第3基板SUB3の端部E31乃至E34のうち、第1端部側に位置する端部が第4端部に相当し、第2端部側に位置する端部が第5端部に相当する。
一例では、端部E24が第1端部に相当し、端部E21乃至E23が第2端部に相当し、端部E11乃至E13が第3端部に相当し、端部E34が第4端部に相当し、端部E31乃至E33が第5端部に相当する。
なお、第2端部、第3端部、及び、第5端部は、平面視で曲線状の端部を含んでいてもよい。一方、第2端部が直線状に延びた複数の端部E21乃至E23を有する場合には、第1端部と対向する端部E21を第1部分とし、第1端部及び第1部分にそれぞれ隣接し互いに対向する端部E22及びE23をそれぞれ第2部分及び第3部分とする。
【0014】
図3は、図1に示した表示装置DSPの断面図である。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層30を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール40によって接着されている。第3基板SUB3は、表示領域DA及び非表示領域NDAに亘って配置された透明接着剤ADにより、第2基板SUB2に接着されている。
第1基板SUB1は、透明基板10、画素電極11、配向膜12などを備えている。第2基板SUB2は、透明基板20、共通電極21、配向膜22などを備えている。第3基板SUB3は、透明基板である。透明基板10及び20、及び、第3基板SUB3は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。画素電極11及び共通電極21は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。配向膜12及び22は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜であってもよいし、第3方向Zに略平行な配向規制力を有する垂直配向膜であってもよい。液晶層30は、少なくとも表示領域DAに位置している。液晶層30は、配向膜12と配向膜22との間に位置している。液晶層30は、図4及び図5を参照して説明するように、画素電極11及び共通電極21の電圧に応じて透明状態と散乱状態とが制御される。
【0015】
発光素子LSは、延出部Exの上に位置している。また、発光素子LSは、配線基板F1乃至F3と第2基板SUB2との間に位置している。発光素子LSは、発光部EMから端部E24及び端部E34に向けて光を出射する。端部E24及び端部E34から表示パネルPNLに入射した光は、後述するように、第2方向Yを示す矢印とは逆向きに伝播する。なお、発光素子LSは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3のそれぞれの端部と対向していてもよく、例えば、端部E11、端部E21、及び、端部E31と対向していてもよい。
【0016】
図4は、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。図4に示した例は、液晶層30に電圧が印加されていない状態(例えば画素電極11と共通電極21との間の電位差がほぼゼロである状態)に相当する。
【0017】
液晶層30は、高分子化合物であるポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶層である。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマーは、例えば、液晶性モノマーが配向膜12及び22の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で重合されることによって得られる。一例では、配向膜12及び22の配向処理方向は第1方向Xであり、配向膜12及び22は第1方向Xに沿った配向規制力を有している。このため、ポリマー31は、第1方向Xに沿って延びた筋状に形成される。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。
ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型の液晶性分子であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型の液晶性分子であってもよい。ポリマー31及び液晶分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0018】
ポリマー31の光軸Ax1及び液晶分子32の光軸Ax2は、互いに平行である。図4に示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第1方向Xに平行である。ポリマー31及び液晶分子32は、ほぼ同等の屈折率異方性を有している。つまり、ポリマー31及び液晶分子32の常光屈折率は互いにほぼ同等であり、また、ポリマー31及び液晶分子32の異常光屈折率は互いにほぼ同等である。このため、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間にほとんど屈折率差がない。このため、第3方向Zに沿って液晶層30に入射した光L1は、液晶層30内でほとんど散乱されることなく透過する。同様に、第3方向Zに対して傾斜した斜め方向に入射した光L2及びL3についても、液晶層30内でほとんど散乱されることはない。このため、高い透明性が得られる。図4に示した状態を『透明状態』と称する。例えば、光L3は、図3に示した発光素子LSから出射された光に相当し、液晶層30においてほとんど散乱されることなく、第2方向Yの矢印で示した向きとは逆向きに伝播する。
【0019】
図5は、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。図5に示した例は、液晶層30に電圧が印加された状態(例えば画素電極13と共通電極21との間の電位差がしきい値以上である状態)に相当する。上記の通り、ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層30にしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。つまり、光軸Ax1は第1方向Xとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第1方向Xに対して傾斜している。液晶分子32がポジ型液晶性分子である場合には、液晶分子32は、その長軸が電界に沿うように配向する。画素電極11と共通電極21との間の電界は、第3方向Zに沿って形成される。このため、液晶分子32は、その長軸あるいは光軸Ax2が第3方向Zに沿うように配向する。つまり、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。これにより、液晶層30に入射した光L1乃至L3は、液晶層30内で散乱される。図5に示した状態を『散乱状態』と称する。
【0020】
図6は、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから出射された光L11は、端部E24及び端部E34から表示パネルPNLに入射し、第1基板SUB1、液晶層30、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3を伝播する。液晶層30が透明状態であるため、光L11は、液晶層30でほとんど散乱されず、透明基板10の下面10B及び第3基板SUB3の上面3Tからほとんど漏れ出すことはない。
表示パネルPNLに入射する外部光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した外部光は上面3Tを透過し、上面3Tから表示パネルPNLに入射した外部光は下面10Bを透過する。このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面3T側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして上面3T側の背景を視認することができる。
【0021】
図7は、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから出射された光L21は、端部E24及び端部E34から表示パネルPNLに入射し、表示パネルPNLを伝播する。図7に示した例では、画素電極11Aと重畳する液晶層30が透明状態であるため、光L21は、液晶層30のうち画素電極11Aと重畳する領域でほとんど散乱されない。一方、画素電極11Bと重畳する液晶層30は散乱状態である。このため、光L21は、液晶層30のうち画素電極11Bと重畳する領域で散乱される。光L21のうち、一部の散乱光L211は上面3Tを透過し、一部の散乱光L212は下面10Bを透過し、他の散乱光は表示パネルPNL内を伝播する。
画素電極11Aと重畳する領域では、表示パネルPNLに入射する外部光L22は、図6に示した外部光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過される。画素電極11Bと重畳する領域では、下面10Bから入射した外部光L23は、液晶層30で散乱された後に、その一部の光L231が上面3Tを透過する。また、上面3Tから入射した外部光L24は、液晶層30で散乱された後に、その一部の光L241が下面10Bを透過する。このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面3T側から観察した場合には、画素電極11Bと重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L231が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、画素電極11Bと重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L241が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして上面3T側の背景を視認することもできる。なお、画素電極11Aと重畳する領域では、液晶層30が透明状態であるため、光L21の色はほとんど視認されず、ユーザは、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0022】
ところで、図6に示した光L11は、端部E31に到達した後に、外部に漏れ出す場合がある。同様に、端部E11及び端部E21においても、表示パネルPNLを伝播した光が漏れ出す場合がある。端部E11、端部E21、及び、端部E31を露出した表示装置DSPにおいて、不所望な漏れ光の発生は、表示装置DSPの見栄えの低下を招くおそれがある。また、端部E21付近は、光源部LUから離れた位置にあり、入光部である端部E24付近と比較して、低輝度となる傾向にある。このような端部E21付近と端部E24付近との輝度差は、表示品位の低下を招くおそれがある。
そこで、本明細書では、不所望な漏れ光を抑制すべく、以下に第1乃至第4構成例を開示する。
【0023】
≪第1構成例≫
図8Aは、第1構成例を示す断面図である。表示装置DSPは、光学的な機能を有する機能部材100を備えている。機能部材100は、例えば、遮光部材、反射部材、拡散部材などである。機能部材100は、端部E21に配置されている。図8Aに示した例では、機能部材100は、端部E21に接触している。機能部材100は、端部E21に直接形成される薄膜であってもよいし、接着剤によって端部E21に接着される薄膜であってもよい。
機能部材100は、端部E11及び端部E31にも配置されている。端部E11、端部E21、及び、端部E31にそれぞれ配置される機能部材100は、個別のものであってもよいし、一体のものであってもよい。図8Aに示した例では、端部E11、端部E21、及び、端部E31は、第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面と平行な同一平面に位置している。つまり、端部E21は端部E11の直上に位置し、端部E31は端部E21の直上に位置している。このような例では、単一の機能部材100が端部E11、端部E21、及び、端部E31に亘って配置されている。
図8Bは、第1構成例の第1変形例を示す断面図である。第3基板SUB3は、第1基板SUB1の下に配置され、第1基板SUB1に接着されている。このような第1変形例においても、機能部材100は、端部E11、端部E21、及び、端部E31にそれぞれ配置されている。
図8Cは、第1構成例の第2変形例を示す断面図である。第2変形例は、第1変形例と比較して、端部E34、端部E14、及び、端部E24が第3方向Zに沿ってこの順に並び、これらの端部がX-Z平面とほぼ平行な同一平面に位置している点で相違している。端部E34、端部E14、及び、端部E24と、発光素子LSとは、それぞれ第2方向Yに対向している。
【0024】
図9は、機能部材100が遮光部材である場合の作用を説明するための断面図である。遮光部材は、例えば黒色等に着色された樹脂材料や、遮光性の金属材料によって形成されている。発光素子LSから出射された光L31は、端部E24及び端部E34から入射し、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3を伝播する。端部E21に到達した光L31は、機能部材100によって遮光される。他の端部E11及び端部E31に到達した光L31についても同様に、機能部材100によって遮光される。このため、不所望な漏れ光を抑制することができる。したがって、表示装置DSPにおいて、その外観の見栄えの低下を抑制することができる。
【0025】
図10は、機能部材100が反射部材である場合の作用を説明するための断面図である。反射部材は、例えばアルミニウム、銀、チタンなどの高反射率の金属材料によって形成されている。発光素子LSから出射された光L31は、端部E24及び端部E34から入射し、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、第3基板SUB3を伝播する。端部E21に到達した光L31は、機能部材100により発光素子LS側に向けて反射される。他の端部E11及び端部E31に到達した光L31についても同様に、機能部材100によって反射される。このため、不所望な漏れ光を抑制することができるとともに、発光素子LSとは反対の端部E21側に到達した光を再利用することができる。したがって、端部E21側の輝度の低下を抑制することができる。これにより、発光素子LSに近接する端部E24側と、発光素子LSから離間した端部E21側とでの輝度差を低減することができ、表示品位の低下を抑制することができる。
図10に示した例において、端部E24が第1端部に相当し、端部E21が第2端部に相当し、端部E11が第3端部に相当し、端部E34が第4端部に相当し、端部E31が第5端部に相当する。
【0026】
≪第2構成例≫
図11は、第2構成例を示す断面図である。第2構成例は、第1構成例と比較して、機能部材100が非表示領域NDAの下面10B及び上面3Tにも配置される点で相違している。すなわち、単一の機能部材100は、端部E11、端部E21、及び、端部E31に亘って配置され、端部E11を超える部分が折り曲げられて下面10Bに配置され、また、端部E31を超える部分が折り曲げられて上面3Tに配置されている。なお、機能部材100は、上記の遮光部材であってもよいし、反射部材であってもよい。
このような第2構成例においても、第1構成例と同様の効果が得られる。加えて、非表示領域NDAにおける下面10B及び上面3Tからの不所望な漏れ光を抑制することができる。
【0027】
≪第3構成例≫
図12は、第3構成例を示す断面図である。第3構成例は、第1構成例と比較して、複数の機能部材100A及び100Bを備える点で相違している。図12に示した例では、端部E21は端部E11の直上に位置する一方で、端部E31は端部E21の直上に位置せず、端部E31は端部E21よりも第2方向Yにずれている。機能部材100Aは端部E11及び端部E21に配置され、機能部材100Bは端部E31に配置されている。なお、機能部材100A及び100Bは、上記の遮光部材であってもよいし、反射部材であってもよい。また、第3方向Zに並ぶ端部の個数だけ機能部材を分離してもよく、端部E11、端部E21、及び、端部E31のそれぞれに個別の機能部材が配置されてもよい。
このような第3構成例においても、第1構成例と同様の効果が得られる。加えて、端部E11、端部E21、及び、端部E31のうちの少なくとも1つがずれた場合において、複数の機能部材100A及び100Bが、端部E11、端部E21、及び、端部E31から浮きにくくなる。このため、機能部材100A及び100Bが反射部材である場合に、反射光のムラに起因した表示品位の低下を抑制することができる。
【0028】
≪第4構成例≫
図13は、第4構成例を示す断面図である。第4構成例は、第1構成例と比較して、互いに機能が異なる第1機能部材110及び第2機能部材120を備える点で相違している。図13示した例では、第2機能部材120は端部E21に接触し、第1機能部材110は第2機能部材120に接触している。第1機能部材110と端部E21との間に、第2機能部材120に加えて他の機能部材が配置されてもよい。第1機能部材110が端部E21に直接形成される薄膜であって、第2機能部材120が第1機能部材110に直接形成される薄膜であってもよいし、第1機能部材110が薄膜であって、第2機能部材120が第1機能部材110を端部E21に接着する接着剤であってもよい。一例では、第1機能部材110は反射部材であり、第2機能部材120は拡散部材である。
第1機能部材110及び第2機能部材120の積層体は、端部E11及び端部E31にも配置されている。端部E21が端部E11の直上に位置し、端部E31が端部E21の直上に位置する例では、単一の第1機能部材110と単一の第2機能部材120が第2方向Yに重なり、第1機能部材110及び第2機能部材120が端部E11、端部E21、及び、端部E31に亘って配置されている。
なお、第1機能部材110及び第2機能部材120は、第2構成例と同様に、下面10B及び上面3Tに延びていてもよい。また、第1機能部材110及び第2機能部材120は、第3構成例と同様に、各端部に配置されるように分離されていてもよい。
【0029】
図14は、拡散部材である第2機能部材120の拡散性を説明するための図である。第2機能部材120は、第2方向Yに沿った入射光を、X-Z平面内に拡散する。ここで説明する第2機能部材120は、第1方向Xに沿った拡散性Dxが第3方向Zに沿った拡散性Dzよりも大きい異方性拡散部材である。上記の通り、端部E21の長手方向は第1方向Xと平行であり、端部E21の厚さ方向は第3方向Zと平行である。つまり、第2機能部材120を通る光は、端部E21の厚さ方向よりも端部E21の長手方向に大きく拡散される。
【0030】
図15は、図14に示した第2機能部材120の作用を説明するための断面図である。第2機能部材120が小さい拡散性Dzを有することにより、第1機能部材110で反射された反射光の第3方向Zの拡散を抑制することができる。このため、反射光の下面10B及び上面3Tからの漏れ出しを抑制することができる。
【0031】
図16は、図14に示した第2機能部材120の作用を説明するための平面図である。第2機能部材120が大きい拡散性Dxを有することにより、第1機能部材110で反射された反射光が第1方向Xに広がり、端部E21等の近傍において反射光の輝度を均一化することができる。また、端部E21等がクラックや微細な凹凸を有する場合であっても、第2機能部材120の散乱効果により、反射光の輝度を均一化することができる。
【0032】
≪配置例≫
以下に、各種機能部材の配置例について説明する。なお、以下に説明する各配置例においては、上記の第1乃至第4構成例のいずれも適用可能である。
【0033】
図17は、第1配置例を示す平面図である。単一の機能部材100は、入光部である端部E24及び端部E34の反対側の端部E11、端部E21、及び、端部E31のみに配置されている。機能部材100は、遮光部材あるいは反射部材である。機能部材100が遮光部材である場合には、端部E21における漏れ光を抑制することができる。機能部材100が反射部材である場合には、端部E21における漏れ光を抑制し、且つ、端部E21側での輝度の低下を抑制することができる。
【0034】
図18は、第2配置例を示す平面図である。第2配置例は、第1配置例と比較して、複数の機能部材101乃至103を備える点で相違している。機能部材101は、第1方向Xに沿った端部E11、端部E21、及び、端部E31に配置されている。機能部材102は、第2方向Yに沿った端部E12、端部E22、及び、端部E32に配置されている。機能部材103は、端部E13、端部E23、及び、端部E33に配置されている。機能部材101乃至103は、それぞれ個別に形成されている。機能部材101乃至103は、遮光部材あるいは反射部材である。
なお、機能部材101乃至103がすべて遮光部材であってもよいし、すべて反射部材であってもよい。また、機能部材101が反射部材であり、機能部材102及び103が遮光部材である組み合わせ、機能部材101が遮光部材であり、機能部材102及び103が反射部材である組み合わせ、等も適用可能である。
このような第2配置例によれば、第1配置例と同様の効果が得られる。加えて、機能部材102及び103が遮光部材である場合には、端部E22及びE23における漏れ光も抑制することができる。また、機能部材102及び103が反射部材である場合には、端部E22及びE23における漏れ光を抑制し、且つ、端部E22側及び端部E23側での輝度の低下を抑制することができる。
【0035】
図19は、第3配置例を示す平面図である。第3配置例は、第1配置例と比較して、単一の機能部材100が入光部を除く3辺に沿って配置される点で相違している。すなわち、機能部材100は、端部E11、端部E21、及び、端部E31に配置され、また、端部E12、端部E22、及び、端部E32に配置され、さらに、端部E13、端部E23、及び、端部E33に配置されている。機能部材100は、遮光部材あるいは反射部材である。
このような第3配置例においても、第2配置例と同様の効果が得られる。
【0036】
図20は、第4配置例を示す平面図である。第4配置例は、第1配置例と比較して、互いに機能が異なる第1機能部材111及び第2機能部材121を備える点で相違している。第2機能部材121は、端部E11、端部E21、及び、端部E31に接触している。第1機能部材111は、第2機能部材121に重なっている。一例では、第1機能部材111は反射部材であり、第2機能部材121は拡散部材である。
このような第4配置例においては、端部E21における漏れ光を抑制し、且つ、端部E21側での輝度の低下を抑制するとともに輝度の均一化を図ることができる。
【0037】
図21は、第5配置例を示す平面図である。第5配置例は、第4配置例と比較して、第1機能部材111とは別に、第1機能部材112及び113を備える点で相違している。第1機能部材112は、端部E12、端部E22、及び、端部E32に接触している。第1機能部材113は、端部E13、端部E23、及び、端部E33に接触している。一例では、第1機能部材111乃至113は反射部材であり、第2機能部材121は拡散部材である。
このような第5配置例においては、第4配置例と同様の効果が得られる。加えて、端部E22側及び端部E23側での輝度の低下を抑制することができる。
【0038】
図22は、第6配置例を示す平面図である。第6配置例は、第5配置例と比較して、さらに、第2機能部材122及び123を備える点で相違している。第2機能部材122は、端部E12、端部E22、及び、端部E32に接触している。第1機能部材112は、第2機能部材122に重なっている。第2機能部材123は、端部E13、端部E23、及び、端部E33に接触している。第2機能部材113は、第2機能部材123に重なっている。一例では、第1機能部材111乃至113は反射部材であり、第2機能部材121乃至123は拡散部材である。
このような第5配置例においては、第4配置例と同様の効果が得られる。加えて、端部E22側及び端部E23側での輝度の低下を抑制するとともに輝度の均一化を図ることができる。
【0039】
図23は、第7配置例を示す平面図である。第7配置例は、上記配置例と比較して、複数の光源部LU1及びLU2を備えている点で相違している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2及び第3基板SUB3よりも第2方向Yに沿って延出した延出部Ex1及びEx2を備えている。光源部LU1は延出部Ex1の上に位置し、光源部LU2は延出部Ex2の上に位置している。
【0040】
光源部LU1は、端部E24及び端部E34に沿って配置されている。光源部LU1は、第1方向Xに間隔をおいて並んだ複数の発光素子LS1と、発光素子LS1が接続される配線基板F4とを備えている。一例では、第1方向Xに並んだ2つの発光素子LS1がそれぞれ第1発光素子及び第2発光素子に相当する。端部E24及び端部E34には、2つの発光素子LS1の間に位置する第2機能部材124が配置され、また、第1機能部材113が第2機能部材124に重なっている。
光源部LU2は、端部E21及び端部E31に沿って配置されている。光源部LU2は、第1方向Xに間隔をおいて並んだ複数の発光素子LS2と、発光素子LS2が接続される配線基板F5とを備えている。端部E21及び端部E31には、2つの発光素子LS2の間に位置する第2機能部材121が配置され、また、第1機能部材111が第2機能部材121に重なっている。第1機能部材111及び114は反射部材であり、第2機能部材121及び124は拡散部材である。
【0041】
発光素子LS1からの出射光は、端部E24及び端部E34から入射し、端部E21及び端部E31に向かって伝播する。端部E21及び端部E31に到達した光は、第2機能部材121によって拡散されるとともに第1機能部材111によって反射される。同様に、発光素子LS2からの出射光は、端部E21及び端部E31から入射し、端部E24及び端部E34に向かって伝播する。端部E24及び端部E34に到達した光は、第2機能部材124によって拡散されるとともに第1機能部材114によって反射される。
このような第7配置例によれば、端部E21側及び端部E24側での輝度低下を抑制することができ、且つ、輝度の均一化を図ることができる。
【0042】
図24は、第8配置例を示す平面図である。第8配置例は、上記配置例と比較して、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び第3基板SUB3が異なる形状を有する点で相違している。第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した端部E15と、少なくとも一部が平面視で曲線状に形成された端部E16と、を有している。図24に示した例では、第1基板SUB1は、平面視で、長円形状(あるいはトラック状)に形成されている。第2基板SUB2及び第3基板SUB3も、第1基板SUB1と略同一形状である。第2基板SUB2は、端部E15側に位置する端部E25と、端部E16側に位置する端部E26とを有している。同様に、第3基板SUB3は、端部E15側に位置する端部E35と、端部E16側に位置する端部E36とを有している。
光源部LUは、端部E15、端部E25、及び、端部E35に沿って配置されている。第2機能部材120は、端部E16、端部E26、及び、端部E36に配置されている。第1機能部材110は、第2機能部材120に重なっている。
このような第8配置例によれば、端部E26側での輝度低下を抑制することができ、且つ、輝度の均一化を図ることができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、不所望な漏れ光を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0044】
なお、この発明は、上記各実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0045】
上記の実施形態では、表示パネルPNLに高分子分散型液晶を適用した構成例について説明したが、透過型表示パネルあるいは反射型表示パネルと組み合わされる照明装置に、上記構成例を適用してもよい。このような照明装置によれば、表示領域DAの全面のみならず、部分的に散乱状態と透明状態との切り替えが可能である。また、上記構成例を適用することにより、不所望な散乱及び不所望な吸収による損失を低減することができ、光の利用効率を改善することができる。
【0046】
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1)
第1基板と、
第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、
前記第1端部に沿って配置される光源部と、
前記第2端部の少なくとも一部に配置される遮光部材と、
を備える表示装置。
(2)
前記第1基板は、前記第2端部側に位置する第3端部を有し、
前記遮光部材は、前記第3端部の少なくとも一部に配置される、(1)に記載の表示装置。
(3)
第3基板を備え、
前記第3基板は、前記第1端部側に位置する第4端部、及び、前記第2端部側に位置する第5端部を有し、
前記光源部は、前記第4端部に沿って配置され、
前記遮光部材は、前記第5端部の少なくとも一部に配置される、(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
第1基板と、
第1端部及び前記第1端部とは異なる位置の第2端部を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、
前記第1端部に沿って配置される光源部と、
前記第2端部の少なくとも一部に配置される反射部材と、
を備える表示装置。
(5)
前記第2端部と前記反射部材との間に位置する拡散部材を備える、(4)に記載の表示装置。
(6)
前記拡散部材は、異方性拡散部材である、(5)に記載の表示装置。
(7)
前記第1基板は、前記第2端部側に位置する第3端部を有し、
前記反射部材は、前記第3端部の少なくとも一部に配置される、(4)乃至(6)のいずれか1項に記載の表示装置。
(8)
第3基板を備え、
前記第3基板は、前記第1端部側に位置する第4端部、及び、前記第2端部側に位置する第5端部を有し、
前記光源部は、前記第4端部に沿って配置され、
前記反射部材は、前記第5端部の少なくとも一部に配置される、(4)乃至(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(9)
前記第2端部は、前記第1端部と対向する第1部分と、前記第1端部及び前記第1部分にそれぞれ隣接し互いに対向する第2部分及び第3部分とを有し、
前記反射部材及び前記拡散部材は、前記第1部分に配置され、
前記拡散部材は、前記第1部分に接触する、(4)乃至(8)のいずれか1項に記載の表示装置。
(10)
前記反射部材及び前記拡散部材は、前記第2部分及び前記第3部分に配置され、
前記拡散部材は、前記第2部分及び前記第3部分にそれぞれ接触する、(9)に記載の表示装置。
(11)
前記反射部材は、前記第2部分及び前記第3部分に配置され、
前記反射部材は、前記第2部分及び前記第3部分にそれぞれ接触する、(9)に記載の表示装置。
(12)
前記光源部は、第1発光素子及び第2発光素子を備え、
前記第1端部において、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に位置する拡散部材を備える、(4)に記載の表示装置。
(13)
前記液晶層は、高分子材料によって形成されたポリマーと、前記ポリマー内に分散された液晶分子と、を含む高分子分散型の液晶層である、(1)乃至(12)のいずれか1項に記載の表示装置。
(14)
前記第1基板は第1電極を備え、前記第2基板は第2電極を備え、
前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電圧により、前記液晶層の散乱状態が制御される、(1)乃至(13)のいずれか1項に記載の表示装置。
(15)
前記第2基板の前記第1端部、及び、前記第3基板の前記第4端部に、前記光源部からの光が入光する、(8)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0047】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル
SUB1…第1基板 E11~E14…端部 11…画素電極 12…配向膜
SUB2…第2基板 E21~E24…端部 21…画素電極 22…配向膜
SUB3…第3基板 E31~E34…端部
30…液晶層 31…ポリマー 32…液晶分子
LU…光源部
100…機能部材(遮光部材、反射部材、拡散部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24