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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】車両用電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/12 20060101AFI20220114BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
F04B39/12 J
F04C29/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017216458
(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公開番号】P2019085959
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】玉置 斉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 学
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-533632(JP,A)
【文献】特開2016-125427(JP,A)
【文献】特開2012-047139(JP,A)
【文献】特開2016-118108(JP,A)
【文献】特開2012-211530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/12
F04B 39/00
F04C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を動力として外部から吸入した流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機本体と、
該圧縮機本体に取り付けられる保護部品と、
前記圧縮機本体に前記保護部品を介して取り付けられる外部取付脚と、
を有し、
前記保護部品は、前記外部取付脚よりも低強度であり、
前記圧縮機本体は、前記流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動するモータ部と、前記モータ部を作動させるインバータ部とを備え、
該インバータ部は、前記モータ部に前記電力を供給するインバータと、該インバータを収容するインバータケースと、該インバータケースに収容された前記インバータを覆うインバータカバーとを有し、
前記外部取付脚は、前記インバータカバーに取り付けられることを特徴とする車両用電動圧縮機。
【請求項2】
前記圧縮機本体、前記保護部品、及び前記外部取付脚は、別体であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電動圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮機本体及び前記保護部品の接続と、前記保護部品及び前記外部取付脚の接続とは、各々別の接続部材によってなされることを特徴とする請求項又は請求項に記載の車両用電動圧縮機。
【請求項4】
前記保護部品は、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、ウレタン系ゴム、及びエポキシ系接着剤から選ばれる少なくとも1以上の材料から形成されることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の車両用電動圧縮機。
【請求項5】
前記保護部品は、前記圧縮機本体と一体であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電動圧縮機。
【請求項6】
前記保護部品は、ラティス構造を有することを特徴とする請求項に記載の車両用電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン、走行用電動モータ、又はボディに取り付けられる車両用電動圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の車両に搭載され、その車両内の空調(カーエアコン)に使用される電動圧縮機が知られている。図4は従来の圧縮機本体の一例を示す斜視図である。図4(a)は圧縮機本体をインバータカバー側から見た斜視図であり、図4(b)は圧縮機本体をハウジング側から見た斜視図である。図4に示されているように、圧縮機本体102は、モータや圧縮機構等を収容するモータケース131と、モータケース131を覆うハウジング(アッパーハウジング)121とを有している。また、モータケース131のハウジング121とは反対側には、インバータ等を収容するインバータケース(ロアケース)111が取り付けられている。
【0003】
モータケース131の中央部分よりもハウジング121側の部分には、不図示の圧縮機構が収容されており、この部分は外部から吸入した流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機構部120を形成している。一方、モータケース131の中央部分よりもインバータケース111側の部分には、不図示のモータが収容されており、この部分は圧縮機構部120を駆動するモータ部130を形成している。
【0004】
インバータケース111には、モータ部130に電力を供給するインバータ112が収容されており、インバータケース111に収容されたインバータ112はインバータカバー113によって覆われている。これらによって、モータ部130を作動させるインバータ部110が形成されている。
【0005】
図5は従来の車両用電動圧縮機の一例を示す斜視図である。図5(a)は車両用電動圧縮機をインバータカバー側から見た斜視図であり、図5(b)は車両用電動圧縮機をハウジング側から見た斜視図である。図5の車両用電動圧縮機101においては、図4の圧縮機本体102のインバータカバー113に対し、外部取付脚(電動圧縮機締結用取付脚)103が取り付けられている。近年、図5の車両用電動圧縮機101のように、インバータカバー113に外部取付脚103を取り付けることが求められることがある。
【0006】
しかしながら、インバータカバー113に外部取付脚103を取り付けた場合、車衝突時に外部取付脚103に過大な荷重が作用することとなる。このとき、外部取付脚103を介してインバータカバー113にも荷重がかかってしまう。そのため、荷重の流入によりインバータカバー113の破損や、これに伴いインバータ112が露出してしまう恐れがあった。
【0007】
そこで、このようなインバータカバーの破損やこれに伴うインバータの露出を防ぐ技術として、例えば特許文献1のような技術が知られている。この特許文献1では、インバータ部が収容された空間を閉じるカバーに取り付け脚部を設け、この取り付け脚部を、他の部分に比べて応力が集中する応力集中部を備えたものとすることが記載されている。これにより、カバーに取り付け脚部が設けられていても、車両に大きな衝撃が加わったとき、その取り付け脚部の応力集中部が優先的に破損することにより、カバーの破損を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-118108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、外部取付脚をインバータカバーに取り付けてしまうと、外部取付脚からインバータカバーに直接荷重が流入してしまう。従って、上記の特許文献1のように、外部取付脚に応力集中部を設けたとしても、インバータカバーへの荷重の流入を防止できず、インバータカバーの破損防止の根本的な解決法にはならなかった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、例えばインバータカバー等の圧縮機本体への荷重の作用を低減し、圧縮機本体へのダメージを低減できる車両用電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、電力を動力として外部から吸入した流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機本体と、該圧縮機本体に取り付けられる保護部品と、前記圧縮機本体に前記保護部品を介して取り付けられる外部取付脚と、を有し、前記保護部品は、前記外部取付脚よりも低強度である車両用電動圧縮機を提供する。
【0012】
本発明の車両用電動圧縮機においては、外部取付脚が圧縮機本体に取り付けられている。従って、車衝突時には、外部取付脚に過大な荷重が作用することとなる。このとき、圧縮機本体と外部取付脚との間には保護部品が介在するため、上記の荷重は保護部品に作用する。この保護部品は外部取付脚よりも低強度であるため、上記の荷重を受けると確実に保護部品が破損する。これにより、インバータカバーの破損やこれに伴うインバータの露出を防ぐことができる。
【0013】
上記車両用電動圧縮機において、前記圧縮機本体は、前記流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動するモータ部と、前記モータ部を作動させるインバータ部とを備え、該インバータ部は、前記モータ部に前記電力を供給するインバータと、該インバータを収容するインバータケースと、該インバータケースに収容された前記インバータを覆うインバータカバーとを有し、前記外部取付脚は、前記インバータカバーに取り付けられる。
【0014】
このようにインバータカバーに外部取付脚を取り付けた場合においては、車衝突時のインバータカバーの破損によるインバータ部の露出及びそれによる漏電のリスクを低減することができる。
【0015】
上記車両用電動圧縮機において、前記圧縮機本体、前記保護部品、及び前記外部取付脚は、別体であることが好ましい。
【0016】
圧縮機本体、保護部品、及び外部取付脚が別体となっていれば、保護部品を圧縮機本体や外部取付脚とは異なる材料で形成することができる。具体的には、保護部品を圧縮機本体や外部取付脚よりも強度の低い材料で形成することにより、車衝突時に保護部品をより確実に破損させることができる。
【0017】
上記車両用電動圧縮機において、前記圧縮機本体及び前記保護部品の接続と、前記保護部品及び前記外部取付脚の接続とは、各々別の接続部材によってなされることが好ましい。
【0018】
圧縮機本体及び保護部品の接続と、保護部品及び外部取付脚の接続とが、各々別の接続部材によってなされていれば、車衝突時に接続部材を介して圧縮機本体に荷重がかかることを防止できる。これにより、車衝突時における圧縮機本体へのダメージをより確実に低減することができる。
【0019】
保護部品の材料としては、例えば、ポリアミドやポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック(エンプラ)、ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)、ウレタン系ゴム、及びエポキシ系接着剤等の材料及びこれらの組み合わせを挙げることができる。圧縮機本体や外部取付脚の材料として一般的に用いられるのはアルミ合金であるため、上記した材料を用いて保護部品を形成すれば、圧縮機本体や外部取付脚よりも強度の低い保護部品をより確実に形成できる。
【0020】
上記車両用電動圧縮機において、前記保護部品は、前記圧縮機本体と一体であることが好ましい。
【0021】
保護部品が圧縮機本体と一体であれば、保護部品を圧縮機本体と同一材料で形成することができる。これにより、電動圧縮機の軽量化を図ることができる。
【0022】
上記車両用電動圧縮機において、前記保護部品は、ラティス構造を有することが好ましい。
【0023】
保護部品が圧縮機本体と一体である場合、保護部品を例えばラティス構造を有するものとすることができる。これにより、車衝突時に保護部品により衝撃をより吸収させる、また保護部品を破壊させることができるため、車衝突時における圧縮機本体へのダメージをより確実に低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の車両用電動圧縮機であれば、例えばインバータカバー等の圧縮機本体への荷重の作用を低減し、圧縮機本体へのダメージを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用電動圧縮機を示す斜視図であり、(a)インバータカバー側から見た斜視図、及び(b)ハウジング側から見た斜視図である。
図2】インバータカバー、保護部品、及び外部取付脚を接続部材で接続する場合における、接続部分の拡大断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る保護部品の部分側断面図である。
図4】従来の圧縮機本体の一例を示す斜視図であり、(a)インバータカバー側から見た斜視図、及び(b)ハウジング側から見た斜視図である。
図5】従来の車両用電動圧縮機の一例を示す斜視図であり、(a)インバータカバー側から見た斜視図、及び(b)ハウジング側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係る車両用電動圧縮機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る車両用電動圧縮機について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る車両用電動圧縮機を示す斜視図である。図1(a)は車両用電動圧縮機をインバータカバー側から見た斜視図であり、図1(b)は車両用電動圧縮機をハウジング側から見た斜視図である。図1に示されているように、車両用電動圧縮機1は、電力を動力として外部から吸入した流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機本体2を有している。
【0028】
圧縮機本体2は、モータや圧縮機構等を収容するモータケース31と、モータケース31を覆うハウジング(アッパーハウジング)21とを有している。また、モータケース31のハウジング21とは反対側には、インバータ等を収容するインバータケース(ロアケース)11が取り付けられている。
【0029】
モータケース31の中央部分よりもハウジング21側の部分には、不図示の圧縮機構が収容されており、この部分は外部から吸入した流体を圧縮したのちに吐出する圧縮機構部20を形成している。一方、モータケース31の中央部分よりもインバータケース11側の部分には、不図示のモータが収容されており、この部分は圧縮機構部20を駆動するモータ部30を形成している。
【0030】
インバータケース11には、モータ部30に電力を供給するインバータ12が収容されており、インバータケース11に収容されたインバータ12はインバータカバー13によって覆われている。これらによって、モータ部30を作動させるインバータ部10が形成されている。
【0031】
本実施形態の車両用電動圧縮機1においては、図1(a)に示すように、圧縮機本体2のインバータカバー13にプレート状の保護部品4が取り付けられている。そして、外部取付脚3が、この保護部品4を介して圧縮機本体2のインバータカバー13に取り付けられている。ここで、圧縮機本体2のインバータカバー13、保護部品4、及び外部取付脚3は別体となっている。
【0032】
保護部品4は、外部取付脚3よりも低強度である。このような保護部品4を形成する材料としては、特に限定されないが、インバータカバー13や外部取付脚3の材料として一般的に用いられるアルミ合金よりも低強度な材料を用いるのが好ましい。具体的には、ポリアミドやポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック(エンプラ)、ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)、ウレタン系ゴム、及びエポキシ系接着剤等の材料及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0033】
上記の保護部品4を形成する材料のうち、エンプラ、スーパーエンプラ、及びウレタン系ゴムを使用する場合は、ビスやボルト等の接続部材を介してインバータカバー13、保護部品4、及び外部取付脚3とを接続する。一方、保護部品4を形成する材料としてエポキシ系接着剤等の接着剤を使用する場合は、接続部材は不要である。
【0034】
図2はインバータカバー、保護部品、及び外部取付脚を接続部材で接続する場合における、接続部分の拡大断面図である。圧縮機本体2へのダメージを考慮すると、図2に示すように、インバータカバー13及び保護部品4を接続部材5aで接続し、保護部品4及び外部取付脚3を別の接続部材5bによって接続するのがよい。なお、これに限定されず、接続部材5を外部取付脚3からインバータカバー13まで貫通させて接続することもできる。
【0035】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記したように、本実施形態の車両用電動圧縮機1においては、外部取付脚3が圧縮機本体2(インバータカバー13)に取り付けられている。従って、車衝突時には、外部取付脚3に過大な荷重が作用することとなる。このとき、圧縮機本体2と外部取付脚3との間には保護部品4が介在するため、上記の荷重は保護部品4に作用する。この保護部品4は外部取付脚3よりも低強度であるため、上記の荷重を受けると確実に保護部品4が破損する。これにより、インバータカバー13の破損やこれに伴うインバータ12の露出を防ぐことができる。
【0036】
特に、インバータカバー13に外部取付脚3を取り付けた場合においては、車衝突時のインバータカバー13の破損によるインバータ12の露出及びそれによる漏電のリスクを低減することができる。
【0037】
また、圧縮機本体2、保護部品4、及び外部取付脚3が別体となっていれば、保護部品4を圧縮機本体2や外部取付脚3とは異なる材料で形成することができる。具体的には、保護部品4を圧縮機本体2や外部取付脚3よりも強度の低い材料で形成することにより、車衝突時に保護部品4をより確実に破損させることができる。
【0038】
保護部品4の材料としては、上記したエンプラ、スーパーエンプラ、ウレタン系ゴム、及びエポキシ系接着剤等の材料を挙げることができる。圧縮機本体2や外部取付脚3の材料として一般的に用いられるのはアルミ合金であるため、上記した材料を用いて保護部品4を形成すれば、圧縮機本体2や外部取付脚3よりも強度の低い保護部品4をより確実に形成できる。
【0039】
インバータカバー13、保護部品4、及び外部取付脚3を接続部材で接続する場合においては、図2に示すように、インバータカバー13及び保護部品4を接続部材5aで接続し、保護部品4及び外部取付脚3を別の接続部材5bによって接続する。このようにすれば、接続部材5bはインバータカバー13に達していないため、車衝突時に外部取付脚3に過大な荷重が作用しても、接続部材5bを介してインバータカバー13に直接荷重が作用することを防止できる。従って、車衝突時に接続部材5a,5bを介して圧縮機本体2(インバータカバー13)に荷重がかかることを防止できる。これにより、車衝突時における圧縮機本体2へのダメージをより確実に低減することができる。
【0040】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して説明する。
本実施形態の基本構成は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、インバータカバー13と保護部品4が一体となっていること、及び保護部品4の構造が異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複するものについては説明を省略する。
なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0041】
本実施形態においては、車両用電動圧縮機1において、インバータカバー13と保護部品4が一体となっている。従って、インバータカバー13及び保護部品4は同一材料で形成されている。なお、これに限定されず、インバータカバー13と保護部品4(及び外部取付脚3)が別体となっていてもよい。
【0042】
図3は本実施形態に係る保護部品の部分側断面図である。本実施形態において、保護部品4は表面及び裏面にそれぞれスキン層6a,6bを有しており、内部にコア層7を有している。そして、このコア層7は、格子状の梁のようなラティス構造(トラス構造)となっている。このような構成により、保護部品4はインバータカバー13や外部取付脚3よりも強度の低い構造となっている。即ち、保護部品4は衝撃吸収部材となっている。
【0043】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記したように、本実施形態の車両用電動圧縮機1においては、インバータカバー13と保護部品4が一体となっている。これにより、保護部品4をインバータカバー13と同一材料で形成することができる。これにより、電動圧縮機の軽量化を図ることができる。
【0044】
また、本実施形態においては、保護部品4がラティス構造を有している。これにより、車衝突時に保護部品4により衝撃をより吸収させる、また保護部品4を破壊させることができるため、車衝突時における圧縮機本体2へのダメージをより確実に低減することができる。
【0045】
なお、上記の2つの実施形態においては、外部取付脚3をインバータカバー13に取り付ける場合を例として説明したが、これに限定されない。即ち、外部取付脚3及び保護部品4を取り付ける位置は、圧縮機本体2のどの位置であっても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 車両用電動圧縮機
2 圧縮機本体
3 外部取付脚
4 保護部品
5a,5b 接続部材
6a,6b スキン層
7 コア層
10 インバータ部
11 インバータケース(ロアケース)
12 インバータ
13 インバータカバー
20 圧縮機構部
21 ハウジング(アッパーハウジング)
30 モータ部
31 モータケース
図1
図2
図3
図4
図5