IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松本 良三の特許一覧

特許7005302林業用ハーベスターにおける木材送り装置
<>
  • 特許-林業用ハーベスターにおける木材送り装置 図1
  • 特許-林業用ハーベスターにおける木材送り装置 図2
  • 特許-林業用ハーベスターにおける木材送り装置 図3
  • 特許-林業用ハーベスターにおける木材送り装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】林業用ハーベスターにおける木材送り装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 23/097 20060101AFI20220114BHJP
   A01G 23/02 20060101ALI20220114BHJP
   F15B 11/02 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A01G23/097
A01G23/02
F15B11/02 V
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017219213
(22)【出願日】2017-11-14
(65)【公開番号】P2019088224
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】593041206
【氏名又は名称】松本 良三
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】松本 良三
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-149897(JP,A)
【文献】特開昭47-013798(JP,A)
【文献】特開昭63-106404(JP,A)
【文献】特開平03-505281(JP,A)
【文献】米国特許第03587681(US,A)
【文献】米国特許第04515281(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 23/00-23/14
F15B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材送り装置は、左右の送りローラと中ローラとを含み、左右の送りローラの油圧モータの各々は、中ローラの一対の油圧モータの各々と油圧回路上直列に連結され、左右の送りローラの油圧モータは、その供給側で油圧回路上並列に連結され、中ローラの一対の油圧モータは、吐き出し側で油圧回路上並列に連結され、油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、中ローラの油圧モータに供給され、油圧モータから吐き出された圧油は切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、林業用ハーベスターにおける木材送り装置。
【請求項2】
木材送り装置は、左右2つずつの送りローラと2つの中ローラとを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータの各々は、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータの各々と油圧回路上直列に連結され、左右2つずつの送りローラの油圧モータは、供給側で油圧回路上並列に連結され、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータは、吐き出し側で油圧回路上並列に連結され、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータは、吐き出し側で油圧回路上並列に連結され、油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、中ローラの油圧モータに供給され、油圧モータから吐き出された圧油は切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、林業用ハーベスターにおける木材送り装置。
【請求項3】
木材送り装置は、左右2つずつの送りローラを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータは、それぞれ油圧回路上並列に連結され、左右の送りローラの油圧モータは、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結され、油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、林業用ハーベスターにおける木材送り装置。
【請求項4】
木材送り装置は、油圧モータによって回転される左右送りローラを含み、左右送りローラの油圧回路は、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結され、油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、林業用ハーベスターにおける木材送り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横倒しにした木材を枝払いしながら所定寸法に切断して材木にするのに用いられる林業用ハーベスターに関し、特に、林業用ハーベスターにおける木材送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2010/143076号(公知文献1)、日本国特許第5914958号明細書(公知文献2)などに開示されている。これらの公知文献に記載のハーベスターは、基本的には、ブームから懸垂支持されたハーベスター本体に装着された固定上カッターと、左右に開閉するように操作され、それぞれサイドカッターを有するカッターアームと、同様に開閉するように操作され、左右の可逆式油圧モータにより回転駆動される左右の送りローラと、左右に開閉するように操作されるクランプアームと、切断操作にあたってスイングするようになった動力チエーンソーと、を含む。ハーベスター本体には、開閉操作される左右の送りローラと共同して木材のより円滑な送りを可能にするために、ハーベスター本体の長手方向中心上に中ローラが設けられる。中ローラは、左右の油圧モータで回転駆動されるようになっている。別の例では中ローラは必要とされない。
【0003】
パワーシャベルは、多くの油圧器機を作動する圧油を発生させる単一の油圧ポンプを含む。この油圧ポンプは、パワーシャベルのブームに装着される林業用ハーベスターにおける左右の送りローラの油圧モータに圧油を供給するのにも使用される。パワーシャベルに装備される油圧ポにンプは、一般的には、パワーシャベルの機種に応じて選定された容量のものである。
【0004】
林業用ハーベスターでは、作業能率の観点から木材を高速で送ることが要請されるが、其れには、送りローラの回転数を高める必要がある。しかし、パワーシャベルの油圧ポンプは、送りローラを高速で回転させるのに十分な流量の圧油を油圧モータに供給することができず、したがって油圧モータを希望通り高速回転させることは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、送りローラの高速回転を可能にすべく所要流量の圧油を油圧モータに供給できるようにした木材送り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のかかる目的は、木材の高速送りを可能にするため、油圧ポンプから左右の送りローラの油圧モータに供給されるべき圧油の流量を、放出弁の開放により増量させるためのアキュムレータを増設してなる、木材送り装置を提供することによって達成される。
【0007】
本発明によれば、木材送り装置は、左右の送りローラと中ローラとを含み、左右の送りローラの油圧モータの各々は、中ローラの一対の油圧モータの各々と油圧回路上直列に連結され、左右の送りローラの油圧モータは、その供給側で油圧回路上並列に連結され、中ローラの一対の油圧モータは、その吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、中ローラの油圧モータに供給され、油圧モータから吐き出された圧油は切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、木材送り装置を提供する。
【0008】
本発明の他の実施態様によれば、木材送り装置は、左右2つずつの送りローラと2つの中ローラとを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータの各々は、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータの各々と油圧回路上直列に連結され、左右2つずつの送りローラの油圧モータは、供給側で油圧回路上並列に連結され、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータは、吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、中ローラの油圧モータに供給され、油圧モータから吐き出された圧油は切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、木材送り装置を提供する。
【0009】
本発明の更に他の実施態様によれば、木材送り装置は、左右2つずつの送りローラを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータは、それぞれ油圧回路上並列に連結され、左右の送りローラの油圧モータは、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、アキュムレータが放出弁と共に設けられている、木材送り装置を提供する。
【0010】
本発明の更に他の実施態様では、木材送り装置は、油圧モータによって回転される左右送りローラを含み、左右送りローラの油圧回路は、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプによって圧送され、切換え弁のポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路に、増量アキュムレータが放出弁と共に設けられている、木材送り装置を提供する。
【0011】
[作用]
本発明の木材送り装置によれば、油圧ポンプからの圧油は、増設されたアキュムレータに貯留され、左右の送りローラの油圧モータに供給されるべき圧油の流量を、貯留された圧油を、放出弁の開放により放出されて増量させる。そのため、本発明の木材送り装置は、左右の送りローラにより木材の高速送りを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による林業用ハーべスターの送り装置の油圧回路の図。
図2】本発明による林業用ハーべスターの送り装置の他の油圧回路の図。
図3】本発明による林業用ハーべスターの送り装置の更に他の油圧回。
図4】本発明による林業用ハーべスターの送り装置の更に他の油圧回。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明が関係するハーベスターの木材送り装置の油圧回路の1つの実施態様が示されている。この実施態様では、木材送り装置は、左右の送りローラ2,3と中ローラ4とを含む。左右の送りローラ2,3の油圧モータR1,L1は、中ローラ4の一対の油圧モータR2,L2とそれぞれ油圧回路上直列に連結され、左右の送りローラ2,3の油圧モータR1,L1は、供給側が油圧回路上並列に連結され、中ローラ4の一対の油圧モータR2,L2は、吐き出し側が油圧回路上並列に連結される。かくして、油圧ポンプPによって圧送され、切換え弁Vの切換えによりそのBポートから出た圧油は、油圧モータR1,L1を回転駆動し、続いて油圧モータR1,L1から吐き出された圧油は、油圧モータR2,L2を回転駆動し、油圧モータR2,L2から吐き出された圧油は切換え弁のAポートに戻るようになっている。
【0014】
油圧ポンプPと切換え弁Vとの間の油圧回路には、アキュムレータQが設けられ、アキュムレータQの上流には、放出弁Hが設けられている。放出弁Hは、逆止弁Cを有し、油圧ポンプPからの圧油の一部はこの逆止弁を通ってアキュムレータQに流入して貯留される。放出弁Hは、切換え弁Vの切換えと同期して操作されるようになっている。かくして、アキュムレータQは、放出弁Hにより開放されてその中に貯留された圧油を放出し、これにより油圧ポンプPから左右の送りローラの油圧モータに供給される圧油の流量を増量させる。そのため、油圧モータが高速回転し、その送りローラにより、木材を高速で送ることを可能にする。その際中ローラ4は、左右一対の油圧モータにより回転され木材の送りを補助する。
【0015】
図2を参照すると、本発明による木材送り装置の他の実施態様が示されている。この実施態様では、送り装置は、左右2つずつの送りローラ2aおよび2b,3aおよび3bと2つの中ローラ4a.4bとを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータR1a,R1bとL1a,L1bの各々は、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータR2a,R2bとL2a,L2bの各々と油圧回路上直列に連結され、左右2つずつの送りローラの油圧モータは、供給側が油圧回路上並列に連結され、2つの中ローラのそれぞれ一対の油圧モータは、吐き出し側が油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプPによって圧送され、切換え弁VのBポートから出た圧油は、送りローラ2a,2bの油圧モータR1a,L1bに、また送りローラ3a,3bの油圧モータL1a,L1bに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、中ローラの油圧モータR2a,R2bに、また油圧モータL2a,L2bに供給され、油圧モータから吐き出された圧油は切換え弁VのAポートに戻るようになっている。油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路には、図1の実施態様におけると同様にアキュムレータQが設けられ、その上流には、逆止弁Cを有する放出弁Hが設けられている。アキュムレータの働きは、図1の実施態様におけるのと同じである。
【0016】
図3は、本発明による木材送り装置の更に他の実施態様の油圧回路を示す。この実施態様では、木材送り装置は、左右2つずつの送りローラ2aおよび2b,3aおよび3bを含み、左右2つずつの送りローラの油圧モータR1a,R1bおよびL1a,L1bは、それぞれ油圧回路上並列に連結され、左右の送りローラの油圧モータは、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプによって圧送され、切換え弁VのBポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のAポートに戻るようになっており、油圧ポンプと切換え弁との間の油圧回路には、図1の実施態様におけると同様にアキュムレータQが設けられ、その上流には、逆止弁Cを有する放出弁Hが設けられている。アキュムレータの働きは、図1の実施態様におけるのと同じである。
【0017】
図4は、本発明による木材送り装置の更に他の実施態様の油圧回路を示す。この実施態様では、送り装置は、油圧モータR1,L1によって回転駆動される左右送りローラ2,3を含む。左右送りローラの油圧回路は、供給側および吐き出し側で油圧回路上並列に連結される。油圧ポンプPによって圧送され、切換え弁VのBポートから出た圧油は、送りローラの油圧モータに供給され、続いて送りローラの油圧モータから吐き出された圧油は、切換え弁のAポートに戻るようになってlいる。油圧ポンプPと切換え弁Vとの間の油圧回路には、図1の実施態様におけると同様にアキュムレータQが設けられ、その上流には、逆止弁Cを有する放出弁Hが設けられている。アキュムレータの働きは、図1の実施態様におけるのと同じである。
【0018】
以上からわかるように、木材の高速送りに必要とされる圧油の流量は、放出弁の逆止弁を通してアキュムレータに貯留された圧油を送りローラの油圧モータに供給される圧油に補給することによって満たされる。
【符号の説明】
【0019】
P 油圧ポンプ
Q アキュムレータ
V 放出弁
A ポート
B ポート
H 放出弁
C 逆止弁
2 送りローラ
2a 送りローラ
2b 送りローラ
3 送りローラ
3a 送りローラ
3b 送りローラ
4 中ローラ
4a 中ローラ
4b 中ローラ
R1 油圧モータ
L1 油圧モータ
R2 油圧モータ
L2 油圧モータ
R1a 油圧モータ
R1b 油圧モータ
L1a 油圧モータ
L1b 油圧モータ
R2a 油圧モータ
R2b 油圧モータ
L2a 油圧モータ
L2b 油圧モータ
図1
図2
図3
図4