(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】転売防止ラベル、製造方法、製造装置
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20220203BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20220203BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G09F3/00 Q
G09F3/02 F
G09F3/02 C
G09F3/10 A
G09F3/00 E
(21)【出願番号】P 2017245170
(22)【出願日】2017-12-21
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンインフォメディア
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 祐輔
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-157192(JP,A)
【文献】特開2015-032076(JP,A)
【文献】特開2010-020155(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0091457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00-5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明フィルム基材層と透明粘着剤層と剥離紙とをこの順に積層した識別情報付きの粘着積層シートにおいて、
前記透明フィルム基材層の表面に、前記識別情報が正印字された識別情報印刷層と、前記識別情報が反転印字された反転情報印刷層と、該反転情報印刷層を隠蔽する隠蔽層と、が形成され、
前記隠蔽層上に表示印刷層が形成されるとともに、
前記識別情報印刷層が露出するように前記隠蔽層から離間した位置に形成され、
前記識別情報印刷層として正印字された前記識別情報と前記反転情報
印刷層に反転印字された内容とが同一とされていることを特徴とする転売防止ラベル。
【請求項2】
前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とが、前記識別情報印刷層と前記反転情報印刷層とを含むパターン状に型抜き加工されていることを特徴とする請求項1記載の転売防止ラベル。
【請求項3】
請求項1または2記載の転売防止ラベルの製造方法であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層した前記粘着積層シートを送り出しながら、その粘着積層シートの透明フィルム基材層の表面に、文字、記号、符号からなる識別情報を識別情報印刷層として印字するとともに、同時に、前記識別情報を反転した反転情報を反転情報印刷層として印字した後、該透明フィルム基材層上より前記反転情報印刷層を覆うように隠蔽性インキを用いて印刷方式にて隠蔽層を塗布し、該隠蔽層上に印刷インキを用いて印刷方式にて表示印刷層を印刷することを特徴とする転売防止ラベルの製造方法。
【請求項4】
前記表示印刷層を印刷した後に、前記隠蔽層より大きな輪郭で前記隠蔽層を含み前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とを前記識別情報印刷層を含むパターン状に型抜き加工することを特徴とする請求項3記載の転売防止ラベルの製造方法。
【請求項5】
前記透明フィルム基材層において、前記隠蔽層の設けられた範囲内において前記識別情報印刷層との離間位置が異なる状態に前記反転情報印刷層が配置された複数種類を製造することを特徴とする請求項3または4記載の転売防止ラベルの製造方法。
【請求項6】
前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶しておくとともに、
記憶された識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報を紐付けて記憶可能とされていることを特徴とする請求項3から5のいずれか記載の転売防止ラベルの製造方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の転売防止ラベルの製造装置であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層したウエブシートを供給するシート供給手段と、
供給されたシートの前記透明フィルム基材層の表面に文字、記号、符号からなる前記識別情報およびこの識別情報を反転した反転情報を識別情報印刷層および反転情報印刷層として印字する印字手段と、
前記透明フィルム基材層上より隠蔽性インキを用いて隠蔽層を印刷塗布する隠蔽層印刷手段と、
前記隠蔽層上に印刷インキを用いて表示印刷層を印刷する印刷手段と、
前記シートを巻き取る巻き取り手段と、
を備えることを特徴とする転売防止ラベルの製造装置。
【請求項8】
前記印字手段が、前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶する記憶手段に接続され、
前記記憶手段には、記憶された前記識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報が紐付けられて記憶可能とされることを特徴とする請求項7記載の転売防止ラベルの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転売防止ラベル、製造方法、製造装置に関し、特に、流通経路を明らかにする転売防止用に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
美容室等で使用されるシャンプー等の高額商品は、一般的に流通している商品とは異なり高級品である場合が多い。そのためこれらの商品の流通経路でそれらの商品を不当に横流しして利益を得る者が出る場合がある。通常、その商品の内容物に関する印刷がされたラベルを貼った状態で出荷することが多いが、出荷元ではこれらの不正行為を防止するため、このような比較的高額な商品では、通常のラベル表示の他に出荷先を識別可能とするための識別番号などの記号を一緒に印刷しておくことがある。
例えば、識別情報を有する識別ラベルが特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
このようにしておくことで、流通過程で商品の横流しがされた場合、そのラベルを見れば、どの出荷先に納入する予定であった商品が横流しされたかがわかり、横流しルートの特定に役立てることができる。特許文献1には、識別情報の識別を主目的とするものが記載されているが、商品名などを印刷するラベルの一部分にこれらの情報を付加することもおこなわれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような不正行為をおこなう個人は、ラベルに出荷先を示す記号が印刷されていることを認識していることが多く、横流しする際に、ラベルに印刷されているこのような認識可能な記号を削るなど識別できない状態にして、横流しルートが容易に特定できないように対応する場合がある。このような対応を取られると、出荷元で印刷した記号等による防止策が意味を持たなくなってしまう。
【0006】
さらに、近年は、ネットオークションなど、個人が不特定多数に対して容易に販売する手段が発達しており、さらなる対策を講じることが検討されている。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.転売防止に効果的なラベルを提供可能とすること。
2.識別番号等の記号の除去・破損に対応して、表示された識別番号等が破損された場合でも、流通経路が突き止められるようにすること。
3.ネットオークションへの不正な出品など、横流しなどの行為をより確実に防止可能とすること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の転売防止ラベルは、透明フィルム基材層と透明粘着剤層と剥離紙とをこの順に積層した識別情報付きの粘着積層シートにおいて、
前記透明フィルム基材層の表面に、前記識別情報が正印字された識別情報印刷層と、前記識別情報が反転印字された反転情報印刷層と、該反転情報印刷層を隠蔽する隠蔽層と、が形成され、
前記隠蔽層上に表示印刷層が形成されるとともに、
前記識別情報印刷層が露出するように前記隠蔽層から離間した位置に形成され、
前記識別情報印刷層として正印字された前記識別情報と前記反転情報印刷層に反転印字された内容とを同一とすることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とが、前記識別情報印刷層と前記反転情報印刷層とを含むパターン状に型抜き加工されていることがより好ましい。
本発明の転売防止ラベルの製造方法は、上記のいずれか記載の転売防止ラベルの製造方法であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層した前記粘着積層シートを送り出しながら、その粘着積層シートの前記透明フィルム基材層の表面に、文字、記号、符号からなる識別情報を識別情報印刷層として印字するとともに、同時に、前記識別情報を反転した反転情報を反転情報印刷層として印字した後、該透明フィルム基材層上より前記反転情報印刷層を覆うように隠蔽性インキを用いて印刷方式にて隠蔽層を塗布し、該隠蔽層上に印刷インキを用いて印刷方式にて表示印刷層を印刷することが可能である。
また、前記表示印刷層を印刷した後に、前記隠蔽層より大きな輪郭で前記隠蔽層を含み前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とを前記識別情報印刷層を含むパターン状に型抜き加工することができる。
また、前記透明フィルム基材層において、前記隠蔽層の設けられた範囲内において前記識別情報印刷層との離間位置が異なる状態に前記反転情報印刷層が配置された複数種類を製造することができる。
また、前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶しておくとともに、
記憶された識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報を紐付けて記憶可能とされていることが好ましい。
本発明の転売防止ラベルの製造装置においては、上記のいずれか記載の転売防止ラベルの製造装置であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層したウエブシートを供給するシート供給手段と、
供給されたシートの前記透明フィルム基材層の表面に文字、記号、符号からなる前記識別情報およびこの識別情報を反転した反転情報を識別情報印刷層および反転情報印刷層として印字する印字手段と、
前記透明フィルム基材層上より隠蔽性インキを用いて隠蔽層を印刷塗布する隠蔽層印刷手段と、
前記隠蔽層上に印刷インキを用いて表示印刷層を印刷する印刷手段と、
前記シートを巻き取る巻き取り手段と、
を備えることができる。
また、前記印字手段が、前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶する記憶手段に接続され、
前記記憶手段には、記憶された前記識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報が紐付けられて記憶可能とされることができる。
【0009】
本発明の転売防止ラベルは、透明フィルム基材層と透明粘着剤層と剥離紙とをこの順に積層した識別情報付きの粘着積層シートにおいて、
前記透明フィルム基材層の表面に、前記識別情報が正印字された識別情報印刷層と、前記識別情報が反転印字された反転情報印刷層と、該反転情報印刷層を隠蔽する隠蔽層と、が形成され、
前記隠蔽層上に表示印刷層が形成されるとともに、
前記識別情報印刷層が露出するように前記隠蔽層から離間した位置に形成され、
前記識別情報印刷層として正印字された前記識別情報と前記反転情報印刷層として反転印字された前記反転情報とが同一の情報とされていることにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを有する転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を隠蔽しようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定することが可能となる。
【0010】
これにより、あらかじめ識別情報と紐付けておいた販売情報あるいは出荷情報を特定して、捜査機関に連絡する、あるいは、横流ししようとした人物に直接あるいは間接に警告を発し、結果的に、横流し等の転売防止効果を得ることが可能となる。
【0011】
同時に、もし、反転情報の存在を知り得た人物が横流しなどの不正目的でこの反転情報を判別不可能にするために切り取り・破損などしようと試みた場合には、商品の情報である表示印刷層も同時に切り取り・破損することになり、商品価値が毀損されるか、当該商品が横流し品であることを容易に判別することが可能となる。
【0012】
これにより、横流しを企てた人物がネットオークションなどに商品の情報を公開しようとした時点で、目的とした価格とすることができないため、結果的に、横流し等の転売防止効果を得ることが可能となる。
【0013】
また、透明フィルム基材層に変えて、不透明フィルム基材層の表面に正印刷として識別情報を印刷し、裏面に反転情報に該当する印刷をおこなってもよいが、この場合には、ラベル表面に印刷してラベルを後工程に流した後、ラベルをひっくり返してラベル裏面に印刷する際にこれらの位置あわせが必要となる。これにともなって新たな設備が必要になってしまうことを本発明は防止できる。
【0014】
本発明において、前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とがパターン状に型抜き加工されていることにより、個別に異なる識別情報(シリアルナンバーなどを表示する数種類の印刷情報)を印刷する必要があり、この印刷には、レーザープリンターやドットプリンターなどデジタルデータに基づいて印字動作するデジタル印字方式のプリンターが使用される場合でも、これを可能とし、かつ、それぞれの識別情報に対応した販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を製造ロットごとに紐付けて記憶させておくことができる。これにより、結果的に、横流し等の転売防止効果を得ることが可能となる。
【0015】
本発明の転売防止ラベルの製造方法は、上記のいずれか記載の転売防止ラベルの製造方法であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層した前記粘着積層シートを送り出しながら、その粘着積層シートの前記透明フィルム基材層の表面に、文字、記号、符号からなる識別情報を識別情報印刷層として印字するとともに、同時に、前記識別情報を反転した反転情報を反転情報印刷層として印字した後、該透明フィルム基材層上より前記反転情報印刷層を覆うように隠蔽性インキを用いて印刷方式にて隠蔽層を塗布し、該隠蔽層上に印刷インキを用いて印刷方式にて表示印刷層を印刷することにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを有する転売防止ラベルを製造することが可能となる。同時に、この転売防止ラベルの製造時に、識別情報および反転情報を記憶させておくことで、商品を個別に区別可能とすることができ、これにより、転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報をわからなくしようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定することが可能となる。
【0016】
また、本発明において、前記隠蔽層を、隠蔽性の紫外線硬化型インキを用いて印刷方式にて塗布し、続いて該隠蔽層を紫外線照射して硬化乾燥する手段を採用することにより、露出した識別情報と同様に、反転情報を反転情報印刷層としてデジタル印字方式にて印字しても、クリアな印字状態を維持して、かつ、反転情報を隠蔽することが可能となる。
【0017】
また、前記隠蔽層上に印刷方式にて印刷する表示印刷層を紫外線硬化型インキを用いて印刷することにより、表示印刷層をデザイン性に富んだ商品にふさわしい印刷とすることが可能となる。
【0018】
また、前記表示印刷層を印刷した後に、前記隠蔽層より大きな輪郭で前記識別情報印刷層を含み前記粘着積層シートの前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とを前記識別情報印刷層を含むパターン状に型抜き加工することにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを同時に印刷した後に、これらを打ち抜いて同一の識別情報と反転情報とを有する転売防止ラベルを製造することが可能となる。
【0019】
また、前記粘着積層シートをパターン状に型抜き加工する際に、前記識別情報印刷層の領域を含むように前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層とを型抜き加工することにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを同時に印刷した後に、これらを打ち抜いて同一の識別情報と反転情報とを有する転売防止ラベルを製造することが可能となる。同時に、この転売防止ラベルの製造時に、識別情報および反転情報を記憶させておくことで、商品を個別に区別可能とすることが可能となり、これにより、転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を隠蔽しようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定することができる。
【0020】
また、前記透明フィルム基材層において、前記隠蔽層の設けられた範囲内において前記識別情報印刷層との離間位置が異なる状態に前記反転情報印刷層が配置された複数種類を製造することにより、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、明確に視認可能な状態でなく露出していない反転情報を切り取り・破損などして判別不可能にして、反転情報を切り取り・破損しようとした場合であっても、隠蔽層の下側で反転情報がロットごとに異なる位置に印字してあり、転売防止ラベルを貼り着けたままでは反転情報のみを切り取り・破損することが容易ではないため、商品価値を毀損する程度まで表示印刷層を破壊してしまうことになる。これにより、当該商品から転売防止ラベルをすべて剥がして転売できない状態とするか、転売不可能な程度に表示印刷層を破壊することになるため、転売防止効果を奏することが可能となる。
【0021】
また、前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶しておくとともに、
記憶された識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報を紐付けて記憶可能とされていることにより、転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を隠蔽しようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定することで、転売防止効果を奏することができる。
【0022】
本発明の転売防止ラベルの製造装置においては、上記のいずれか記載の転売防止ラベルの製造装置であって、
前記透明フィルム基材層と前記透明粘着剤層と前記剥離紙とをこの順に積層したウエブシートを供給するシート供給手段と、
供給されたシートの前記透明フィルム基材層の表面に文字、記号、符号からなる前記識別情報およびこの識別情報を反転した反転情報を識別情報印刷層および反転情報印刷層として印字する印字手段と、
前記透明フィルム基材層上より隠蔽性インキを用いて隠蔽層を印刷塗布する隠蔽層印刷手段と、
前記隠蔽層上に印刷インキを用いて表示印刷層を印刷する印刷手段と、
前記シートを巻き取る巻き取り手段と、
を備えることにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを有する転売防止ラベルを製造することが可能となる。同時に、この転売防止ラベルの製造時に、識別情報および反転情報となる商品を個別に区別可能とする同一の情報を記憶させておくことが可能となり、これにより、転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報をわからなくしようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定可能な転売防止ラベルを製造することが可能となる。
【0023】
また、前記隠蔽層印刷手段が、前記隠蔽層を、隠蔽性の紫外線硬化型インキを用いて印刷方式にて塗布するものとされとともに、
印刷塗布された前記隠蔽層を硬化乾燥する紫外線照射手段を有することにより、表示印刷層をデザイン性に富んだ商品にふさわしい印刷とすることが可能な転売防止ラベルを製造することが可能となる。
【0024】
また、前記隠蔽層上に表示印刷層を印刷する印刷手段が、紫外線硬化型インキを用いて前記隠蔽層上に印刷する紫外線照射手段を備えることにより、表示印刷層をデザイン性に富んだ商品にふさわしい印刷とすることが可能な転売防止ラベルを製造することが可能となる。
【0025】
また、前記印刷手段と巻き取り手段との間に、前記隠蔽層上より粘着積層シートの透明フィルム基材層と透明粘着剤層とをパターン状に型抜き加工する型抜き手段を備えることにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを同時に印刷した後に、これらを打ち抜いて同一の識別情報と反転情報とを有する転売防止ラベルを製造可能とすることが可能となる。
【0026】
また、前記印字手段が、前記識別情報印刷層および前記反転情報印刷層として印字した同一の情報内容である前記識別情報を記憶する記憶手段に接続され、
前記記憶手段には、記憶された前記識別情報に対して、該当する転売防止ラベルの貼り着けられた製品の出荷情報あるいは販売情報が紐付けられて記憶可能とされることにより、同一内容とされる露出された識別情報と隠蔽された反転情報とを有する転売防止ラベルを製造することが可能となる。同時に、この転売防止ラベルの製造時に、識別情報および反転情報を記憶させておくことで、商品を個別に区別可能とすることが可能となり、これにより、転売防止ラベルを不透明な商品表面に貼り着けて出荷することで、この転売防止ラベルが貼り着けられた商品を横流しなどしようとした際に、販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を隠蔽しようとして、明確に視認可能な状態として露出している識別情報を切り取り・破損などして判別不可能にした場合であっても、視認できないように同一内容である反転情報が隠蔽層の下側に印字してあるため、当該商品から転売防止ラベルを剥がして反転情報を視認可能とすることにより、この反転情報から同一内容である識別情報の内容を取得することができ、この識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定可能な転売防止ラベルを製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、隠蔽された反転情報により、識別情報が破損された場合でも、識別情報から販売履歴や販売ルートなどの販売情報あるいは出荷情報を特定可能であり、かつ、商品価値を毀損せずには識別情報からの追跡を遮断が可能とはできない状態を実現し、貼り着けられた商品が転売されてしまうことが防止できる転売防止ラベルを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に係る転売防止ラベルの第1実施形態を貼り着けた商品を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る転売防止ラベルの第1実施形態を示す断面図である。
【
図3】本発明に係る転売防止ラベルの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。
【
図4】本発明に係る転売防止ラベルの製造装置の第1実施形態を示す模式図である。
【
図5】本発明に係る転売防止ラベルの第1実施形態を用いた転売防止システムを示す模式図である。
【
図6】本発明に係る転売防止ラベルの第2実施形態を示す正面図である。
【
図7】本発明に係る転売防止ラベルの第3実施形態を示す正面図である。
【
図8】本発明に係る転売防止ラベルの第4実施形態を示す断面図である。
【
図9】本発明に係る転売防止ラベルの第5実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る転売防止ラベルの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における転売防止ラベルを貼り着けた商品を示す斜視図であり、
図2は、本実施形態における転売防止ラベルを示す断面図であり、図において、符号10は、転売防止ラベルである。
【0030】
本実施形態に係る転売防止ラベル10は、
図1,
図2に示すように、高級シャンプー容器などの商品Sの表面に貼り着けられるものとされ、貼り着けられた状態で正面から平面視して、識別情報を印字した識別情報印刷層と、隠蔽層上に形成された表示印刷層とが視認可能となっている。
【0031】
転売防止ラベル10は、粘着積層シート11から製造されるものとされ、粘着積層シート11は、
図2に示すように、透明フィルム基材層12と、透明粘着剤層13と、シリコーン樹脂など離型剤を塗工した剥離紙14とをこの順に積層したものである。
【0032】
粘着積層シート11の前記透明フィルム基材層12の表面には、デジタル印字方式にて識別情報を印字して露出状態とされた識別情報印刷層15aと、識別情報を反転印字された反転情報印刷層15bとが印字形成され、該透明フィルム基材層12の表面に反転印字印刷層15bを隠蔽する隠蔽層16が形成されている。また該隠蔽層16上には、適宜に表示印刷層17が形成されている。
【0033】
なお隠蔽層16は、反転情報印刷層15bを不可視状態に隠蔽する層であり、隠蔽性のある印刷インキが使用でき、ホワイトインキや各種着色インキが使用できる。
表示印刷層17は、貼り着ける商品(被着体)Sの情報を示すものとされ、デザイン、表示情報によって適宜決定される。また、表示印刷層17は、隠蔽層16の全域を覆うように設けられていてもよいし、隠蔽層16の一部が露出している状態とされてもよい。
【0034】
粘着積層シート11には、隠蔽層16上より粘着積層シート11の透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13とを、打抜刃によりラベル輪郭形状にパターン状に型抜き加工した打抜き刻切部18が形成され、該刻切部18を介して、パターン状に型抜き加工した転売防止ラベル10の透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13とが、隠蔽層16を含んで剥離紙14から剥離できるようになっている。
【0035】
透明フィルム基材層12に使用する材料は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルムなど各種の合成樹脂フィルムが使用できる。
【0036】
透明粘着剤層13に使用する粘着剤としては、例えば、天然ゴムまたは/およびブタジエン-スチレンゴム、アクリルゴム等の合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘ キシル等を主成分とするアクリル系粘着剤
(東洋インキ製造(株)製;商品名;オリバインBPW4655;水性溶媒分散型のアクリル系エマルジョン型粘着剤)など各種の感圧性接着剤(粘着剤)が使用できる。また加熱により粘着性を帯びる感熱性粘着剤(剥離紙不使用)を必要に応じて使用してもよい。
【0037】
なお、透明粘着剤層13として、商品Sの表面に貼り着けた後に再剥離可能なものを採用することも可能である。
【0038】
剥離紙14としては、紙製シートや合成樹脂フィルム製シートの片面(粘着剤層13側と接する面)に、シリコーン樹脂やワックスなどの剥離層を塗工したものが使用できる。
【0039】
それぞれ透明フィルム基材層12の表面にデジタル印字方式にて正印字された識別情報印刷層15aと反転印字された反転印字印刷層15bとは、それぞれ、隠蔽情報付き粘着シートにおける隠蔽の対象とならない印刷層および隠蔽の対象となる印刷層であって、該印刷層15a,15bに印刷された印刷情報(識別情報)は、複数の転売防止ラベル10においてはいずれも同一情報とは限らず、シリアルナンバーなどの可変情報が印刷され、例えばその可変情報として印字されている。
【0040】
識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとは同一の識別情報とされ、予めデータ記憶手段(記録媒体)に記録格納したデジタル印字データを順次読み出し、読み出された印字データに基づいて印字動作するデジタル印字方式プリンター(ドットプリンターまたは画素型プリンター)が使用され、インパクト型またはノンインパクト型であって、シリアル方式(1ドット、1画素印字方式)またはライン方式(一列印字方式)のプリンターで、例えは、モノクロやカラー印字用のワイヤドットプリンター、感熱転写プリンター、昇華転写プリンター、レーザープリンター、インクジェットプリンターなどが使用される。
【0041】
次に、文字、記号などからなる識別情報とされる識別情報印刷層15aと、文字、記号などからなる識別情報と同一内容の情報とされてその向きを左右反転させた反転情報を印字した反転情報印刷層15bと、を透明フィルム基材層12上に印字する方法について説明する。
【0042】
例えば、パソコンなどコンピュータや、製造装置の制御部におけるデータベースなどの記憶部に各種文字、記号、キーワードなどの識別情報とされる正文字データ(正文字画素データ)と、その向きを左右反転させた反転文字データ(反転文字画素データ)とをセットにしてメモリテーブル(識別情報文字フォントメモリテーブル)として用意しておき、例えば、シリアルナンバーとされる識別情報の印字に必要な正文字データと、その文字の向きを左右反転させた印字に必要な反転文字データを、順次正反文字フォントメモリテーブルより読み出して、データ記憶手段(記録媒体)に一旦記録格納する。
【0043】
そして、粘着積層シート11の透明フィルム基材層12表面とデジタル印字方式プリンターの印字ヘッドとを対向させ、両者を相対的に移動させながら、即ち、静止する透明フィルム基材層12表面上に印字ヘッドを正方向(順次右方向、または順次下方向の正読方向)に走査移動させるか、または静止する印字ヘッドに対して透明フィルム基材層12表面を逆方向(順次左方向、または順次上方向の逆読方向)に搬送移動させながら、上記データ記憶手段から印字すべき正反文字データをシリアル方式またはライン方式にて順次読み出し、その正反文字データに基づいて印字ヘッドを印字動作させ、透明フィルム基材層12表面に識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとを印字するものである。
【0044】
また、他の反転印字方法としては、パソコンなどコンピュータや、製造装置の制御部におけるデータベースなどの記憶部に各種文字、記号、キーワードなどの正向き文字データ(正向き文字画素データ)を、データメモリテーブル(正向き文字フォントメモリテーブル)として用意しておき、正向きのシリアルナンバーなど印字に必要な文字データを、順次正向き文字フォントメモリテーブルより読み出してデータ記憶手段(記録媒体)に一旦記録格納する。
【0045】
そして、粘着積層シート11の透明フィルム基材層12表面とデジタル印字方式プリンターの印字ヘッドとを対向させ、両者を相対的に移動させながら、即ち、静止する透明フィルム基材層12表面上に印字ヘッドを逆方向(順次左方向、または順次上方向の逆読方向)に走査移動させるか、または静止する印字ヘッドに対して透明フィルム基材層12表面を正方向(順次右方向、または順次下方向の正読方向)に搬送移動させながら、上記データ記憶手段から印字すべき正向き文字データをシリアル方式またはライン方式にて順次読み出し、その正向き文字データに基づいて印字ヘッドを印字動作させ、透明フィルム基材層12表面に識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとを印字するものである。
【0046】
本実施形態のシリアルナンバーおよび隠蔽された同一のシリアルナンバー付きの転売防止ラベル10の使用例を説明する。
本実施形態の転売防止ラベル10は、
図1に示すように、隠蔽情報付きの粘着積層シート11とされた転売防止ラベル10を剥離紙14から剥離し、粘着剤層13を介して不透明な被着体(例えば高級シャンプーの容器)Sの表面に貼着すると、透明フィルム基材層12上に形成した反転情報印刷層15bは隠蔽層16によって隠蔽されて、反転情報印刷層15bは、肉眼では転売防止ラベル10の表面から直接観察できない。
【0047】
これに対して、透明フィルム基材層12上に形成した識別情報印刷層15aは隠蔽層16によって隠蔽されていないので、識別情報印刷層15aは、肉眼で転売防止ラベル10の表面から直接観察できる。
【0048】
ここで、被着体Sあるいは剥離紙14の表面から転売防止ラベル10を剥離した後に、透明粘着剤層13側から観察すると、粘着剤層13と透明フィルム基材層12を透して反転情報印刷層15bは正向き文字、記号による識別情報(例えば、シリアルナンバーとされる数字)が肉眼にて観察できる。
【0049】
次に、転売防止ラベル10の製造方法を、図面に基づいて説明する。
【0050】
図3は、本実施形態における転売防止ラベルの製造方法を示す工程図である。
まず、
図3(a)に示すように、透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13と剥離紙14とをこの順に積層した巻き取りロール状の長尺の粘着積層シート11を送り出しながら、
図3(b)に示すように、そのシート11の透明フィルム基材層12の表面に、文字、記号、符号等からなる識別情報となる識別情報印刷層15aおよびこの識別情報を反転した反転情報印刷層15bをデジタル印字方式にて所定の位置関係となるように印字する。なお、レーザープリンターなどトナーを用いて印字した場合には、印字部分のトナーをヒートロールにて加熱して透明フィルム基材層12表面に定着する。
【0051】
続いて、
図3(c)に示すように、透明フィルム基材層12上より隠蔽性の紫外線硬化型インキを用いて印刷方式にて隠蔽層16を部分的に塗布して反転情報印刷層15bのみを隠蔽するとともに識別情報印刷層15aは露出状態とし、続いて該隠蔽層16を紫外線照射して硬化乾燥した後に、
図3(d)に示すように、該隠蔽層16上に適宜印刷インキを用いて印刷方式にて表示印刷層17を印刷する。なお、表示印刷層17は紫外線硬化型インキを用いて印刷してもよい。
なお、隠蔽層16
【0052】
また本実施形態の製造方法においては、前記表示印刷層17を印刷した後に、
図3(e)に示すように、前記隠蔽層16上より粘着積層シート11の透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13とを打抜刃を用いて刻切部18を形成し、隠蔽層16および隠蔽層16に隠蔽されていない識別情報印刷層15aを含むように転売防止ラベル輪郭形状となるパターン状に型抜き加工するものである。
【0053】
また本実施の製造方法においては、前記表示印刷層17を印刷した後に、前記粘着積層シート11の透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13とをラベル輪郭パターン状に型抜き加工した後、
図3(f)に示すように、型抜き加工したパターン領域以外の領域の透明フィルム基材層と透明粘着剤層とを剥離除去して、剥離紙14上にパターン状に型抜きされた透明フィルム基材層12が形成され、その基材12上に識別情報印刷層15a、反転情報印刷層15b、隠蔽層16、表示印刷層17の積層された隠蔽情報付き転売防止ラベル10が製造される。
【0054】
次に、本実施形態の転売防止ラベルの製造装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0055】
図4は、本実施形態における転売防止ラベルの製造装置を示す模式図である。
転売防止ラベルの製造装置100は、
図4に示すように、透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13と剥離紙14とをこの順に積層したウエブ状シート11(粘着積層シート;ロールシート;ロール状タックシート)を支軸21に支持して巻き出し供給するウエブシート供給手段22(駆動ニップロール;インフィードロール)を備える。
【0056】
供給されたウエブシート11は各ガイドロールgにガイドされて供給され、その供給方向の後段には、文字、記号、符号等からなる識別情報とされる識別情報印刷層15aと識別情報を反転した反転情報印刷層15bとを印字するデジタル印字手段(印字手段)23を備え、そのシート11の透明フィルム基材層12の表面に文字、記号、符号等からなる識別情報とされる識別情報印刷層15aと識別情報を反転した反転情報印刷層15bとをほぼ同時に印字する。
【0057】
このとき、パソコンなどコンピュータや、製造装置の制御部におけるデータベースなどのデータ記憶手段23Aに格納された、各種文字、記号、キーワードなどの識別情報とされる正文字データ(正文字画素データ)と、その向きを左右反転させた反転文字データ(反転文字画素データ)とをセットにしてメモリテーブル(識別情報文字フォントメモリテーブル)として記憶しておいた、例えば、シリアルナンバーとされる識別情報の印字に必要な正文字データと、その文字の向きを左右反転させた印字に必要な反転文字データを、順次正反文字フォントメモリテーブルより読み出して、データ記憶手段(記録媒体)23Aに接続されたデジタル印字手段23によって、透明フィルム基材層12表面に識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとを印字するものである。
【0058】
あるいは、他の反転印字方法としては、パソコンなどコンピュータや、製造装置の制御部におけるデータベースなどのデータ記憶手段23Aに格納された、各種文字、記号、キーワードなどの正向き文字データ(正向き文字画素データ)を、データメモリテーブル(正向き文字フォントメモリテーブル)として用意しておき、正向きのシリアルナンバーなど印字に必要な文字データを、順次正向き文字フォントメモリテーブルより読み出してデータ記憶手段(記録媒体)23Aに接続されたデジタル印字手段23によって、透明フィルム基材層12表面に識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとを印字するものである。
【0059】
デジタル印字手段23の後段には、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、グラビア、オフセット印刷塗布方式、またはロール塗布方式などによる隠蔽層印刷手段24(塗布ロール24a、圧ロール24b)を備え、反転印字印刷層15が印字された透明フィルム基材層12上より隠蔽性の紫外線硬化型インキを用いて隠蔽層16を印刷塗布して、反転情報印刷層15bを隠蔽する。
【0060】
隠蔽層印刷手段24の後段には、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、印刷塗布された前記隠蔽層16を硬化乾燥する紫外線照射手段25を備え、塗布した隠蔽層16を紫外線照射にて硬化乾燥する。
【0061】
紫外線照射手段25の後段には、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、グラビア、オフセット印刷塗布方式などによる印刷手段26(印刷版ロール26a、圧ロール26b)を備え、乾燥した前記隠蔽層16上に適宜印刷インキを用いて表示印刷層17を印刷する。
【0062】
表示印刷層17を印刷する印刷手段26の後段には、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、ウエブシート11を巻き取る巻き取り手段31(アウトフィードロール;駆動ニップロール)を備え、透明フィルム基材層12の表面に反転印字印刷層15と
隠蔽層16をこの順に積層形成したウエブシート11を支軸32に支持しながらロール状に巻き取り、ウエブシート11の剥離紙14上に透明粘着剤層13を介して接着した隠蔽層16と透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13からなる表示印刷層17および対となる正反印字の識別情報付き粘着積層シート11を製造する。
【0063】
本実施形態の転売防止ラベル10の製造装置100においては、硬化乾燥した前記隠蔽層16上に紫外線硬化型インキを用いて表示印刷層17を印刷する印刷手段26を備えてもよく、紫外線硬化型インキにて表示印刷層17を印刷する場合には、上記印刷手段26の後段に、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、紫外線照射手段27を備え、紫外線照射により表示印刷層17を硬化乾燥させるようになっている。
【0064】
また本実施形態の転売防止ラベル10の製造装置100において、前記印刷手段26と巻き取り手段31との間に、ウエブシート11をガイドする各ガイドロールgと、型抜き手段28(ロール打抜刃28a、圧ロール28b)を備え、ウエブシート11(粘着積層シート)の透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13とを、隠蔽層16上より剥離紙14を残してパターン状に型抜き加工して、刻切部18を形成して、ウエブシート11の剥離紙14上に透明粘着剤層13を介して剥離可能に接着したパターン状に型抜き加工され刻切部18を備えた隠蔽層16と透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13からなり正印字で露出した識別情報印刷層15aと反転印字で隠蔽された反転情報印刷層15bとを有する転売防止ラベル10を製造する。
【0065】
また本実施形態の転売防止ラベル10の製造装置100においては、前記型抜き手段28と巻き取り手段31との間に、剥離除去手段29(剥離押さえロール29a、巻き取り支軸29b)を備える。この製造装置100では、上記ラベル輪郭パターン状に型抜き加工した転売防止ラベル10のと透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13と隠蔽層16と識別情報印刷層15aとを有するパターン領域以外の領域を、剥離押さえロール29aから巻き取り支軸29bの方向に引っ張り剥離除去する。これにより、製造装置100は、ウエブシート11の剥離紙14上に透明粘着剤層13を介して剥離可能に接着したパターン状に打ち抜き形成した表示印刷層17と隠蔽層16と透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13からなる転売防止ラベル10を製造する。
【0066】
次に、本実施形態の転売防止ラベルを用いた転売防止システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
【0067】
図5は、本実施形態における転売防止ラベルを用いた転売防止システムを示す模式図である。
本実施形態における転売防止ラベル10を用いた転売防止システムは、
図5に示すように、剥離紙14に複数可着された転売防止ラベル10を、被着体である高級シャンプーなどの不透明容器(商品)S表面に貼り着ける。
このとき、転売防止ラベル10には識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとしてシリアルナンバー等の個別標識可能な識別情報が印刷されている。
なお、この商品Sは、一般の小売りはおこなわないタイプのものとされる。
【0068】
転売防止ラベル10の貼り着けられた商品Sは、それぞれのロットにおいて識別情報と紐付けられた出荷ルートR1~R4に従って、それぞれ異なる販売店R11~R14などに出荷される。
【0069】
例えば、出荷ルートR4において、転売行為がおこなわれた場合、商品Sの現物に貼り着けられた転売防止ラベル10に識別情報印刷層15aとして印字された識別情報を、データ記憶手段23Aに格納されたデータと照らし合わせることで、出荷ルートR1~R4のうち、出荷ルートR4に出荷したロットから転売がおこなわれたことが識別できる。
【0070】
あるいは、識別情報印刷層15aが破壊・毀損されていた場合には、商品Sの現物に貼り着けられた転売防止ラベル10を剥がして、反転情報印刷層15bとして印字された識別情報を視認し、データ記憶手段23Aに格納されたデータと照らし合わせることで、出荷ルートR1~R4のうち、出荷ルートR4に出荷したロットから転売がおこなわれたことが識別できる。
【0071】
また、転売された商品Sが、インターネットNなどに出品された場合、その画像から、商品Sの現物に貼り着けられた転売防止ラベル10に識別情報印刷層15aとして印字された識別情報を、データ記憶手段23Aに格納されたデータと照らし合わせることで、出荷ルートR1~R4のうち、出荷ルートR4に出荷したロットから転売がおこなわれたことが識別できる。
【0072】
あるいは、転売された商品Sが、識別情報印刷層15aが破壊・毀損された状態でインターネットNなどに出品された場合には、購入者に連絡して、商品Sに貼り着けられた転売防止ラベル10を剥がして、反転情報印刷層15bとして印字された識別情報を確認し、その識別情報をデータ記憶手段23Aに格納されたデータと照らし合わせることで、出荷ルートR1~R4のうち、出荷ルートR4に出荷したロットから転売がおこなわれたことが識別できる。
【0073】
また、転売者が、出荷ルートを特定されないように、転売防止ラベル10において、識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとの両方を破壊・毀損した場合には、転売防止ラベル10の表示印刷層17および隠蔽層16とが破壊・毀損されてしまう。これにより、転売での利益が得られない程度に表示印刷層17および隠蔽層16が破壊・毀損されることにより、そもそもの、転売意図をくじくことができ、転売防止効果を得ることが可能となる。
【0074】
また本実施形態の転売防止ラベル10は、その製造方法およびその製造装置において、表示すべき識別情報印刷層15aと隠蔽すべき反転情報印刷層15bとを透明フィルム基材12面に直接印刷するために、従来のような柔軟な粘着表面である粘着剤層13の表面に印刷する場合に比較して、印字面の硬度が高く、印刷情報の印字再現性に優れており、また凸版方式や活字方式の印字方式に限らず、各種デジタル印字方式によるシリアルナンバー等の可変データである識別情報の印字において印字再現性に優れた効果を発揮することができる。
また、本実施形態の転売防止ラベル10は、転売防止システムとして、印字された識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15bとがデータ記憶手段23Aに記憶された識別情報に対応して、該当する転売防止ラベル10の貼り着けられた商品Sの出荷情報あるいは販売情報を紐付けて記憶されていることにより、この紐付け情報から転売がおこなわれた出荷ルートR4を特定することが可能となる。これにより、転売者の推定、転売者への警告、捜査機関への連絡等の転売防止策をおこなうことができる。
【0075】
また、本実施形態の転売防止ラベルの製造方法およびその製造装置100においては、透明フィルム基材層12と透明粘着剤層13と剥離紙14と隠蔽層16を積層した粘着積層シート11を用いて、そのシートの透明フィルム基材層12の表面に表示すべき識別情報印刷層15aと隠蔽すべき反転情報印刷層15bとして識別情報を印字して製造できるため、製造工程の省力化と製造効率の向上および製造コストの低減化を達成して防犯効果を呈することのできる転売防止ラベルを安価に提供することができる。
【0076】
なお、本実施形態の転売防止ラベル10においては、隠蔽された反転情報印刷層15bが設けられていれば、識別情報印刷層15aを設けないこともできる。
【0077】
以下、本発明に係る転売防止ラベルの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における転売防止ラベルを示す平面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、反転情報印刷層15bの印字位置に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
本実施形態における転売防止ラベル10は、
図6に示すように、ロットによって反転情報印刷層15b1~15b3のいずれかの位置となるように選択して反転情報が印字されている。
【0079】
反転情報印刷層15b1~15b3は、いずれか一箇所を選択して、識別情報印刷層15aと同一内容で反転された反転情報を印刷するものとされ、たとえば、製造ロットによって、その位置が選択されるものとされることになる。
この反転情報印刷層15b1~15b3において選択された位置は、印字内容である識別情報とともに、データ記憶手段23Aに格納されている。
【0080】
これにより、本実施形態における転売防止ラベル10は、転売防止ラベル10を商品Sから剥がさないで、識別情報印刷層15aと反転情報印刷層15b1~15b3とを毀損・破壊しようとしても、その位置が明確でないため、結局転売防止ラベル10そのものを破壊しないでこれらの識別情報を消去することができなくなる。
【0081】
たとえ、別の商品Sにおいて一度反転情報印刷層15b1~15b3を毀損・破壊して、その位置を認識していたとしても、他の商品Sでは、反転情報が、反転情報印刷層15b1~15b3のいずれかに印字されているため、位置を特定することができずに、結局転売防止ラベル10そのものを破壊しないでこれらの識別情報を消去することができなくなる。このため、転売防止効果を呈することが可能となる。
【0082】
以下、本発明に係る転売防止ラベルの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態における転売防止ラベルを示す平面図であり、本実施形態において、上述した第1および第2実施形態と異なるのは、識別情報印刷層15aの印字位置に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0083】
本実施形態における転売防止ラベル10は、
図7に示すように、識別情報印刷層15aの印字位置が、表示印刷層17および隠蔽層16に囲まれた状態となるように識別情報が印字されている。
【0084】
つまり、識別情報印刷層15aは、その全周において、透明フィルム基材層12が露出した状態で、さらに、この透明フィルム基材層12の周囲全長が隠蔽層16に囲まれた位置に印刷するものとされる。
【0085】
これにより、本実施形態における転売防止ラベル10は、転売防止ラベル10を商品Sから剥がさないで、識別情報印刷層15aを毀損・破壊しようとしても、表示印刷層17および隠蔽層16を毀損せずに識別情報を消去することが難しくなる。このため、転売防止効果を呈することが可能となる。
【0086】
以下、本発明に係る転売防止ラベルの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態における転売防止ラベルを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1から第3実施形態と異なるのは隠蔽下層に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
本実施形態の転売防止ラベル10においては、
図8に示すように、隠蔽層16に対応する領域で、透明フィルム基材層12の裏面、すなわち、剥離紙14側に隠蔽下層16aが形成されている。
【0088】
隠蔽下層16aは、透明フィルム基材層12の裏面から反転印字印刷層15bが単純には視認されないように、この反転印字印刷層15bを隠蔽するものとされ、隠蔽層16とは異なり、隠蔽下層16aは可視光に対しては反転印字印刷層15bを隠蔽可能なように遮断するが、例えばUVなどとされる特定波長の光は透過可能な材質からなっている。
【0089】
なお隠蔽下層16aは、反転情報印刷層15bを不可視状態に隠蔽可能であれば、隠蔽層16の全域に設ける必要はないが、転売行為時に反転情報印刷層15bの破壊・毀損を防止するために、隠蔽層16の全域に設けることが好ましい。
隠蔽下層16aは、識別情報印刷層15aおよび反転情報印刷層15bの形成前に、隠蔽層16の全域に対応する透明フィルム基材層12の裏面から印刷・塗布・積層等により形成することができる。
【0090】
なお、本実施形態において、隠蔽下層16aを透明フィルム基材層12の裏面側に形成したが、透明フィルム基材層12の反対面側、つまり、透明フィルム基材層12の表面で反転情報印刷層15bの下側位置に設けることもできる。
【0091】
あるいは、隠蔽下層16aを反転情報印刷層15bの隠蔽可能な面内位置に加えて、識別情報印刷層15aの剥離紙14側にまで延長して形成することも可能である。さらに、この場合、隠蔽下層16aを透明フィルム基材層12と識別情報印刷層15aとの間となるように、透明フィルム基材層12の表面で反転情報印刷層15bの下側位置に設けることもできる。
【0092】
さらに、本実施形態において、表示印刷層17および隠蔽層16の下側(視認方向裏側)に隠蔽下層16aを設けることで商品S表面の模様・色を遮断することが可能となるため、商品S表面の模様・色に影響されることなく、表示印刷層17の表示状態を向上することが可能となる。
【0093】
以下、本発明に係る転売防止ラベルの第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
図9は、本実施形態における転売防止ラベルを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1から第4実施形態と異なるのはラミネート層に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
本実施形態の転売防止ラベル10においては、
図9に示すように、表示印刷層17および識別情報印刷層15aを覆うようにラミネート層16cが形成されている。
ラミネート層16cは、表示印刷層17および識別情報印刷層15aを覆って、これらの保護するものとされている。
【0095】
ラミネート層16cは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルムなど各種の合成樹脂フィルムとされる材質からなることができる。また、ラミネート層16cは、識別情報印刷層15aおよび表示印刷層17が露出して形成された粘着積層シート11の表面に塗布、貼り着けおよび固化・圧着等の手法により形成することができる。
【0096】
ラミネート層16cは、少なくとも識別情報印刷層15aを覆っていればよく、さらに、隠蔽層16および表示印刷層17を覆うように形成することができる。また、ラミネート層16cは、粘着積層シート11に対して必要な領域のみ設けることや、粘着積層シート11の全面に形成した後、型抜きによって必要ない部分を除去することもできる。
【0097】
本実施形態の転売防止ラベル10においては、ラミネート層16cを設けたことにより、表示印刷層17および識別情報印刷層15aの耐性・強度を向上して、識別情報印刷層15aおよび反転情報印刷層15bの破壊・破損をより防止することが可能となる。
【0098】
上記の各実施形態の転売防止ラベル10においては、それぞれの構成を組み合わせることもできる。また、種種の変形例が可能である。さらに、転売防止ラベル10、識別情報印刷層15a、反転情報印刷層15bのサイズなども特に限定されない。
【実施例】
【0099】
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
【0100】
なお、本発明における具体例について説明する。
ここでは、
図1,
図2に示した転売防止ラベル10を製造した。以下のように諸元を示す。
透明フィルム基材層12材質;ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルムなど各種の合成樹脂フィルム
透明粘着剤層13材質;天然ゴムまたは/およびブタジエン-スチレンゴム、アクリルゴム等の合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘ キシル等を主成分とするアクリル系粘着剤
(東洋インキ製造株式会社製;商品名;オリバインBPW4655;水性溶媒分散型のアクリル系エマルジョン型粘着剤)など各種の感圧性接着剤(粘着剤)。また加熱により粘着性を帯びる感熱性粘着剤(剥離紙不使用)
剥離紙14材質;紙製シートや合成樹脂フィルム製シートの片面にシリコーン樹脂やワックスなどの剥離層を塗工したもの
隠蔽層16材質;印刷インキや、白色合成樹脂フィルム
表示印刷層17材質;印刷インキ
転売防止ラベル10長軸方向寸法;13cm
識別情報印刷層15a大きさ寸法;2×5cm
反転情報印刷層15b大きさ寸法;2×5cm
径寸法;ロール直径30cmφ
【0101】
この転売防止ラベル10において、情報が読み取れないように破壊しようと試みた。
その結果、隠蔽層16および表示印刷層17の破損が転売可能な程度である場合には、反転情報印刷層15bの内容が判別できる状態であり、また、反転情報印刷層15bの内容が判別できないように破損した場合には、隠蔽層16および表示印刷層17の破損が転売不可な状態となっており、いずれの場合でも、本発明の転売防止ラベル10によって転売防止効果を実現できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の活用例として、輸送中に製品をすり替えされることを防ぐ用途(偽造防止)を挙げることができる。
【符号の説明】
【0103】
10…転売防止ラベル
11…粘着積層シート(ウエブシート)
12…透明フィルム基材層
13…透明粘着剤層
14…剥離紙
15a…識別情報印刷層
15b…反転情報印刷層
16…隠蔽層
16a…隠蔽下層
17…表示印刷層
18…刻切部
21…支軸
22…シート供給手段
23…デジタル印字手段(印字手段)
24…隠蔽層印刷手段
25…紫外線照射手段
26…印刷手段
27…紫外線照射手段
28…型抜き手段
29…剥離除去手段
31…巻き取り手段
32…支軸
S…被着体(商品)