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特許7005348患者モニタ用の複数の独立したオーディオ球
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】患者モニタ用の複数の独立したオーディオ球
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220114BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220114BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A61B5/00 102B
G08B21/02
G08B25/04 K
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017548437
(86)(22)【出願日】2016-03-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-05-31
(86)【国際出願番号】 IB2016051263
(87)【国際公開番号】W WO2016157007
(87)【国際公開日】2016-10-06
【審査請求日】2019-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】62/139,160
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】グレイナー ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】メイアー ウィルヘルム
【合議体】
【審判長】井上 博之
【審判官】樋口 宗彦
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-155540(JP,A)
【文献】特開2002-360522(JP,A)
【文献】国際公開第2014/015390(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/105631(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0184408(US,A1)
【文献】特開2011-41769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/109115(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00
G08B21/00-21/24
G08B25/00-25/14
G06Q50/22
G16H10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を監視する患者監視システムであって、
複数の生理学的センサを介して患者データを取得する患者データ取得システムと、
第1の患者モニタディスプレイと、
第2の患者モニタディスプレイと、
前記第1の患者モニタディスプレイ及び前記第2の患者モニタディスプレイの少なくとも1つを介して、前記患者データ取得システムにより取得された患者データを出力するようプログラムされる制御システムとを有し、
前記制御システムが、前記第1及び第2の患者モニタディスプレイの対応する1つの第1の視覚的構成情報及び第2の視覚的構成情報に基づき、各患者モニタディスプレイを制御し、前記患者をケアする医療スタッフによる入力に基づ前記第1及び第2の患者モニタディスプレイの一方の処理前記第1及び第2の患者モニタディスプレイの他方への転送が、床の上の光を減少させ、前記第1及び第2の患者モニタディスプレイの1つが連続的に作動されることで、前記患者データが前記医療スタッフに対して表示されるようプログラムされる、患者監視システム。
【請求項2】
前記患者監視システムが、
前記第1の患者モニタディスプレイに組み込まれる、又は動作可能に接続される第1のオーディオシステムと、
前記第2の患者モニタディスプレイに組み込まれる、又は動作可能に接続される第2のオーディオシステムとを更に有し、
前記制御システムが、
前記患者データ取得システムにより取得された患者データに少なくとも部分的に基づき生成された患者オーディオモニタ信号を、前記第1及び第2のオーディオシステムの少なくとも1つを使用して出力するようプログラムされ、
前記第1及び第2のオーディオシステムの対応する1つに関連付けられる第1のオーディオ構成情報及び第2のオーディオ構成情報に基づき、各オーディオシステムを制御し、
前記医療スタッフによる入力に基づ前記第1及び第2のオーディオシステムの1つから前記第1及び第2のオーディオシステムの他方への前記患者オーディオモニタ信号の出力の転送が、床のノイズを減少させる、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項3】
前記第1の患者モニタディスプレイ及び前記第1のオーディオシステムが、患者室内に配置され、
前記第2の患者モニタディスプレイ及び前記第2のオーディオシステムは、前記患者室外に配置される、請求項2に記載の患者監視システム。
【請求項4】
前記第1及び第2のオーディオ構成情報の各々が所定のパラメータを持ち、前記第1のオーディオ構成情報の前記所定のパラメータは、前記第2のオーディオ構成情報の前記所定のパラメータとは異なる、請求項2に記載の患者監視システム。
【請求項5】
前記第1及び第2のオーディオ構成情報の前記所定のパラメータが、アラーム音のタイプ及びアラームの音量を含み、前記所定のパラメータの各々は、個別に構成可能である、請求項4に記載の患者監視システム。
【請求項6】
前記制御システムが、前記第1及び第2のオーディオシステムの少なくとも1つの故障を検出する、請求項2乃至5の任意の一項に記載の患者監視システム。
【請求項7】
前記制御システムが、前記故障の検出に基づき、故障したオーディオシステムの処理を、別のオーディオシステムに移す、請求項6に記載の患者監視システム。
【請求項8】
前記患者室の外部に配置され、前記第2のオーディオシステムから離間された第3のオーディオシステムを更に含み、前記第3のオーディオシステムが、前記制御システムにより制御される第3の患者モニタディスプレイを含む、請求項3に記載の患者監視システム。
【請求項9】
前記制御システムが、前記第1及び第2の患者モニタディスプレイの対応する1つの前記第1の視覚的構成情報及び前記第2の視覚的構成情報を制御するよう更にプログラムされ、前記第1及び第2の視覚的構成情報が、色と強度とを含むパラメータを備える少なくとも1つの視覚アラームを含む、請求項1乃至8の任意の一項に記載の患者監視システム。
【請求項10】
患者を監視する患者監視システムであって、
複数の生理学的センサを介して患者データを取得する患者データ取得システムと、
患者室の内部に配置される第1の患者モニタディスプレイと、
前記患者室の外側に配置される第2の患者モニタディスプレイと、
前記患者室の内部の前記第1の患者モニタディスプレイと共に配置される第1のオーディオシステムと、
前記患者室の外部の前記第2の患者モニタディスプレイと共に配置される第2のオーディオシステムと、
前記患者データ取得システムにより取得された患者データを、前記第1の患者モニタディスプレイ及び前記第2の患者モニタディスプレイの少なくとも1つを介して出力し、前記患者データ取得システムにより取得される前記患者データに少なくとも部分的に基づき生成される患者オーディオモニタ信号を、前記第1及び第2のオーディオシステムの少なくとも1つを使用して出力する制御システムとを有し、
前記制御システムが、前記第1及び第2のオーディオシステムの対応する1つに関連付けられる第1のオーディオ構成情報及び第2のオーディオ構成情報を制御し、前記患者をケアする医療スタッフによる入力に基づ前記第1及び第2のオーディオシステムの1つから前記第1及び第2のオーディオシステムの他方への前記患者オーディオモニタ信号の出力の転送が、床のノイズを減少させるようプログラムされる、患者監視システム。
【請求項11】
前記第1及び第2のオーディオ構成情報がそれぞれ所定のパラメータを持ち、前記第1のオーディオ構成情報の前記所定のパラメータは、前記第2のオーディオ構成情報の前記所定のパラメータとは独立している、請求項10に記載の患者監視システム。
【請求項12】
患者室における患者を監視する患者監視システムの作動方法において、
前記患者室の内部に配置される第1の患者モニタディスプレイと共に配置される第1のオーディオシステム、及び前記患者室の外部に配置される第2の患者モニタディスプレイと共に配置される第2のオーディオシステムの少なくとも1つを使用して、患者データ取得システムにより取得される患者データに少なくとも部分的に基づき生成された患者オーディオモニタ信号を出力するステップであって、前記第1のオーディオシステムを使用して出力するとき、第1のオーディオ構成情報を使用し、前記第2のオーディオシステムを使用して出力するとき、第2のオーディオ構成情報を使用する、ステップと、
前記患者オーディオモニタ信号が、前記第1及び第2のオーディオシステムの1つにより出力されることを保証するため、前記患者をケアする医療スタッフによる入力に基づ前記第1及び第2のオーディオシステムの1つから前記第1及び第2のオーディオシステムの他方へ前記患者オーディオモニタ信号の出力の転送が、床のノイズを減少させるステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記第1のオーディオシステムで使用される第1のオーディオ構成情報と、前記第2のオーディオシステムで使用される第2のオーディオ構成情報とが独立している、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は一般に、医療監視デバイス、医療監視音声及び映像システム、及び関連技術に関する。しかしながら、それは、他の使用シナリオにおける用途も見い出し、上述した用途に必ずしも限定されるものではない点を理解されたい。
【背景技術】
【0002】
クリティカルケアユニットでの使用のための患者モニタは典型的には、様々な生理的(又はバイタルサイン)センサ、例えば心電図(ECG)又は他の心臓監視センサ、血圧センサ、末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)センサ、呼吸センサなどに関する入力と、リアルタイムにバイタルサイン読み出し値及び/又は時間に対する最近の読み出し値をプロットしたトレンドラインを表示する表示デバイスと、ユーザが表示されたソフトボタンを押すときボタンのクリックがシミュレートされ、アラーム及び他の音声情報を出力するオーディオシステムとを含む。患者モニタは、流体注入、機械的呼吸の間の空気流などといった治療システムの重要な変数を監視することもできる。従来、患者モニタは、患者モニタに有線接続されたバイタルサインセンサと共に患者室に設置される自己完結型ユニットである。しかし、患者の周囲の配線量を減らすため無線接続がますます利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この構成の難点は、患者モニタにより出力される音声アラームが、患者を妨害又は覚醒させる可能性があることである。音声アラームが低い音量に設定されることを可能にするなど、患者の騒音障害を軽減するためさまざまな対策が講じられることができる。しかしながら、患者監視オーディオシステムの機能性は、患者の健康にとって非常に重要であり、いくつかのアラームは、本質的に生命に不可欠であり、そのような患者モニタの音声アラームは、患者の安全を危うくする点から、オフにされる又はディスエーブルにされることが許されるべきではない。更に、患者モニタのオーディオシステムは、オーディオシステムの故障を検出するため、いくつかの、例えば音量レベル又はスピーカ電流センサ等の自己監視能力を含むことができる。オーディオシステムの故障が、モニタに表示される点滅警告により、又は極端な場合、モニタを真っ白にすることにより示されることができる。
【0004】
患者モニタを患者室に配置する際の別の問題は、患者への断続的な訪問中を除き、それが、医療従事者により容易に観察されない点にある。従って、医師又は看護師は、患者室から離れた別の部屋にいる場合、アラームを聞く/見ることができない場合がある。これが対処される1つの方法は、大きな患者室の窓を採用することである。その結果、通路にいる医療関係者が、通路から患者及び患者モニタを見ることができる。これは、不完全な解決策である。なぜなら、患者モニタが、比較的遠くにあり、窓から離れている場合があり、又は窓での反射が、患者モニタディスプレイの表示を不鮮明にする場合があるからである。斯かるウィンドウニングは、音声アラームの知覚可能性を解決しない。
【0005】
別の部分的な解決策は、例えば、通路に配置されるモニタといった1つ若しくは複数のセカンダリモニタを提供し、及び/又はナースステーションで患者モニタをミラーリングし、及び/又は患者の看護師により運ばれるスマートフォン若しくは他のモバイルデバイスにロードされたアプリケーションプログラム(「アプリ」)を提供することである。斯かるセカンダリモニタは一般に、重篤患者モニタの厳しい信頼性要件を満たすことは要求されない。斯かるシステムでは、医療従事者は、時々、様々な警報をオフにすることができ、又はデバイスを完全に「ミュート」することができ(例えば、「サイレント」モードに設定された携帯電話)、無線接続は予告なしに失われることがある。
【0006】
もう1つの難点は、患者室のモニタと通路のモニタとの間にオーディオ干渉又はオーバーラップが存在する場合がある点にある。これは、不要なノイズ及びクリティカルケア環境への混乱を招く可能性がある。代替方法は、通路モニタに音声を提供しないことであるが、これは、医療従事者に警告を発する際の有効性を低下させる。
【0007】
本願は、上述の問題及び他の問題を克服する、新規かつ改良された方法及びシステムを提供する。
【0008】
従来の患者モニタディスプレイは、患者室において可視であり、通常、部屋のガラス窓を通して患者室外の通路から見える。追加的又は代替的に、部屋内のモニタの表示をミラーリングする別個のモニタディスプレイが患者室の外の通路に配置されることができる。この通路モニタディスプレイは、ソフトボタン又は他のユーザ入力を含むこともできる。これもまた、室内の患者モニタの表示をミラーリングする。
【0009】
更に既知の拡張として、患者モニタアラームが、ナースステーションで、及び/又は患者に割り当てられた看護師が携行するページャを介してミラーリングされることができる。しかしながら、これらは、「セカンダリ」システムと考えられ、室内の患者モニタの「プライマリ」オーディオシステムの厳しい信頼性要件を満たすことは要求されない。これらのセカンダリオーディオシステムは通常、例えば生命に危険な(「赤」の)アラームだけを鳴らすなど、より少ない情報を提供する。セカンダリオーディオシステムの障害は、安全上重要なイベントとはみなされない。
【0010】
医療従事者は、プライマリオーディオ球を患者室の外に分散して拡張させることを望むかもしれない。最も一般的には、看護師が一般的にいる患者室外の通路にそれを拡張させることが望ましい。別の例として、検疫では、プライマリオーディオ球が非滅菌監視領域に拡張されることができる。プライマリオーディオ球を拡張する1つの方法は、室内モニタのオーディオシステムの音量を単純に大きくして、通路内で聞くことができるようにすることである。しかし、これは、騒がしいクリティカルケアユニットを作成し、患者にとっては邪魔になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
様々な改善が、本書に開示される。
【0012】
いくつかの実施形態では、独立したプライマリオーディオシステム(又は球)、例えば、通常の室内オーディオシステムと、別の通路オーディオシステムが提供される。この独立通路オーディオシステムは、プライマリオーディオシステムとしても機能し、室内の患者モニタオーディオシステムと同じ安全拘束条件を満たす必要がある。室内と通路のプライマリオーディオシステムは独立しているが、少なくとも1つのプライマリオーディオシステムが常に作動可能であることを保証するためリンクされる。例えば、看護師が患者に静かな環境を提供するため、室内オーディオシステムをオフにする(又はこのシステムの一部、例えば、赤色のアラームを室内においてアクティブにしたまま、黄色のアラームをオフにする)場合、これらのディスエーブルにされた室内アラームは、通路のプライマリオーディオシステムで自動的にイネーブルにされるべきである。
【0013】
他の例示的な実施形態では、各プライマリオーディオシステムは個別に構成可能でなければならない。例えば、通路システムは、通常より騒々しい通路環境で聞こえるように、より高い音量設定を持つことができる。同様に、異なるオーディオサウンドが、異なるプライマリオーディオ球の所与のアラームのために使用されてもよい。1つのアプローチでは、各プライマリオーディオ球は、独自のデフォルトオーディオ設定を持ち、看護師は、2つのオーディオ球間を簡単に切り替える、又は同時に両方をアクティブにすることができる。看護師は好ましくは、特定の状況に適応するよう、デフォルトのオーディオ値の少なくともいくつかを調整することもできる。
【0014】
一態様によれば、患者を監視する患者監視システムが提供される。患者監視システムは、複数の患者の生理学的センサを介して患者データを取得するよう構成される患者データ取得システムを含む。第1の患者モニタディスプレイは、患者室の内部に配置される。第2の患者モニタディスプレイが患者室の外側に配置される。第1のオーディオシステムは、患者室の内部の第1の患者モニタディスプレイと共に配置される。第2のオーディオシステムは、患者室の外の第2の患者モニタと共に配置される。制御システムは、患者データ取得システムにより取得された患者データを、第1の患者モニタディスプレイ及び第2の患者モニタディスプレイの少なくとも1つを介して出力するよう構成され、上記患者データ取得システムにより取得された患者データに少なくとも部分的に基づき生成された患者オーディオモニタ信号を、上記第1及び第2のオーディオシステムの少なくとも1つを使用して出力するよう更に構成される。制御システムは、第1のオーディオシステムを作動させるための第1のオーディオ構成と、第2のオーディオシステムを作動させるための第2のオーディオ構成とでプログラムされた1つ以上のプロセッサを含む。
【0015】
別の態様によれば、患者を監視する患者監視システムが提供される。患者監視システムは、複数の患者の生理学的センサを介して患者データを取得するよう構成された患者データ取得システムを含む。患者監視システムはまた、第1の患者モニタディスプレイ及び第2の患者モニタディスプレイを含む。第1のオーディオシステムは、第1の患者モニタディスプレイに組み込まれるか、又は動作可能に接続される。第2のオーディオシステムは、第2の患者モニタに組み込まれるか、又は動作可能に接続される。制御システムは、患者データ取得システムにより取得された患者データを、第1の患者モニタディスプレイ及び第2の患者モニタディスプレイの少なくとも1つを介して出力し、患者データ取得システムにより取得された患者データに少なくとも部分的に基づき生成された患者オーディオモニタ信号を、第1及び第2のオーディオシステムの少なくとも1つを使用して出力するようにプログラムされる。第1のオーディオ制御システムは、第1及び第2のオーディオシステムの対応する1つに関連付けられる、第1のオーディオ構成と、別個の第2のオーディオ構成とを制御するようにプログラムされた1つ又は複数のプロセッサを含む。
【0016】
別の態様によれば、患者室の患者を監視する方法が提供される。患者モニタ信号は、(1)患者室の内部に配置されたオーディオシステムと、患者室の内部に配置された患者モニタディスプレイと、(2)患者室の外部に配置されたオーディオシステムと、患者室の外部に配置された患者モニタディスプレイとの少なくとも一方を使用して出力される。この生成は、患者室内に配置されたオーディオシステムを使用して患者モニタ信号を出力するときは第1のオーディオ構成を使用し、患者室外に配置されたオーディオシステムを使用して患者モニタ信号を出力するときは第2のオーディオ構成を使用する。患者室の内部に配置されたオーディオシステムは、患者室の外部に配置されたオーディオシステムと電子的にリンクされ、患者室の内部に配置されたオーディオシステムと患者室の外部に配置されたオーディオシステムの少なくとも1つを使用して患者モニタ信号が出力されることが保証される。
【0017】
1つの利点は、別個の部屋に独立したオーディオ/ビジュアル球が配置された医療モニタリングシステムにある。
【0018】
別の利点は、1つのオーディオ/ビジュアル球から別のオーディオ/ビジュアル球に処理を転送することができる医療モニタリングシステムにある。
【0019】
別の利点は、個別に構成可能な独立したオーディオ/ビジュアルシステムを備えた医療監視システムにある。
【0020】
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一実施形態における患者監視システムの平面表示を図式的に示す図である。
図2図1の患者監視システムの概略表示を示す図である。
図3】代替構成における図1の患者監視システムを示す図である。
図4図1の患者ケアモニタの第1の例示的なフローチャートを示す図である。
図5図1の患者ケアモニタの第2の例示的なフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0023】
図1を参照すると、患者室Aに位置する患者Pを監視する患者監視システムが示される。患者監視システムは、患者データ(例えば、ECG、血圧、呼吸などのバイタルサイン)を取得するため、患者室Aに患者Pと共に配置された患者データ取得システム12を含む。制御システム14は、例えば、患者室Aに配置された患者モニタディスプレイ16及び関連するオーディオシステム18を介して、又は例えば患者室Aの外の廊下若しくは通路B、及び/若しくは休憩室Cなどの別の場所に配置された同様の出力ビデオ/オーディオデバイスを介して、様々な場所で取得システム12により取得された患者データの分散した人間が知覚可能な視覚/音声出力を制御する。一般に、オーディオシステム18は、内蔵スピーカ又は内蔵スピーカシステムとして患者モニタディスプレイ16に組み込まれる。しかしながら、オーディオシステムが、患者モニタディスプレイと動作可能に接続されているが、物理的に別個のものであることも代替的に想定される。例えば、廊下Bでは、オーディオシステムが、廊下患者モニタディスプレイに関連して生成される音声を出力するパブリックアドレス(PA)スピーカを有することが適切であり得る。有利には、制御システム14は、以下により詳細に説明されるように、患者監視システムの選択されたオーディオ及びビデオコンポーネントの動作を調整するよう構成される。
【0024】
引き続き図1を参照し、図2を更に参照すると、第1の患者モニタディスプレイ16は、組み込み式又は動作可能に接続された第1のオーディオシステム18を持つ。同様に、第2の患者モニタディスプレイ20は、組み込み式又は動作可能に接続された第2のオーディオシステム22を持つ。様々な患者センサ(ECG、血圧センサ、呼吸センサ、SpO2センサなど、一般にブロック28で示される)を介して患者データ取得システム12により取得された患者データは、取得システム12により、リアルタイム数値、トレンドライン(例えば、時間の関数としてのECGリードトレース、又はSpO2トレース)などとしてフォーマットされる。取得システム12は、通常患者状態の劣化の可能性を示す、バイタルサインが許容範囲外になる場合、アラームをトリガすることもできる。こうして、例えば、取得システム12は、心拍数が150ビート/分(又は他の何らかの上限閾値)を超えるか、又は50ビート/分(又は他の下限閾値)を下回る場合にアラーム信号を出力することができる。オプションで、患者データは、バイタルサイン以外の患者データ、例えば、静脈内注入ポンプにより患者に供給される流体の注入速度を含むことができる。
【0025】
例示的な第1の患者モニタディスプレイ14は、オプションでユーザインターフェース26を含むことができる。これは例えば、少なくとも1つの図示されたボタン若しくはスイッチ26、他の何らかの物理的ユーザインターフェースデバイス(例えば、キーボード、トラックボール)、及び/又は1つ若しくは複数のソフトキー(これは、ソフトキー上での指のプレスを検出するため、タッチ感知ディスプレイを含むモニタディスプレイ14の表示領域に表示される)である。
【0026】
廊下又は通路Bに位置する第2の患者モニタディスプレイ20は、第1の患者モニタディスプレイ14と同様に構成されることができる。例えば、第2の患者モニタディスプレイ20は、少なくとも1つのボタン、スイッチ又は他のユーザインターフェースデバイス26を含む。
【0027】
第1及び第2のオーディオシステム18及び22は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ18、20に関連付けられ、それぞれ例えば、内蔵スピーカ、外部スピーカ(例えば通路PAスピーカ)、又は音声、トーン、ビープ音若しくはバズを出力する他の任意の適切なデバイスとすることができる。第1のオーディオシステム18は、患者室Aに配置され、第2のオーディオシステム22は、患者室Aの外側、例えば通路Bに配置される。
【0028】
図1及び図2の患者監視システムは、視覚/聴覚患者データが、第1の患者モニタディスプレイ16及び組み込み式又は動作可能に接続された第1のオーディオシステム18を介して出力されることができる点で、代替的又は追加的に、視覚/聴覚患者データが、第2の患者モニタディスプレイ20及び組み込み式又は動作可能に接続された第1のオーディオシステム22を介して出力されることができる点で、分散された出力を提供する。この分散された出力は、中央制御システム14を用いて可能にされ、このシステムは、個別の第1の出力システム16、18及び第2の出力システム20、22に関連付けられる構成を記憶する。これらは典型的には、患者データ(即ち、患者センサ28からの)及び患者データ取得システム12の要素の起動/停止の関数として、1つ又は複数の推奨又は入力された患者監視オプション/注文を含む。制御システム14は、構成を表示するディスプレイ38(例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイなど)を備えるユーザインターフェースと、看護師又は他のユーザが、出力ごとに出力選択及び構成を入力及び/又は変更及び/又は選択するためのキーボード及びマウスといったユーザ入力デバイス40とを含む。制御システム14は、患者監視システムの動作を調整する。例えば、制御システム14は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の1つ並びに/又は第1及び第2のオーディオシステム18及び22の1つの動作を、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の他方並びに/又は第1及び第2のオーディオシステム18及び22の他方に転送することができる。そのために、制御システム14は有利には、第1のオーディオシステム16に関連付けられる第1のオーディオ構成42と、第2のオーディオシステム24に関連付けられる第2のオーディオ構成44と、第1の患者モニタディスプレイ14に関連付けられる第1の視覚的構成46と、第2の患者モニタディスプレイ20に関連付けられる第2の視覚的構成48とを、非一時的メモリ(例えば、ソリッドステートメモリ、磁気ハードドライブなど)に格納する。これは、以下に詳細に説明される。
【0029】
制御システム14は、前述の機能を実現するコンピュータ実行可能命令を実行する1つ又は複数の電子プロセッサ50を含み、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサ50に関連付けられる1つ又は複数の非一時的メモリ52に格納される。更に、制御システム14の要素は、1つ又は複数のプロセッサ50にインタフェースを提供する1つ又は複数の通信ユニット54を含む。このインタフェースを介して、様々な患者データ出力デバイス16、18、20、22と通信が行われる。
【0030】
制御システム14は、取得システム12及び出力システム16、18及び20、22から分離した要素として示される。しかしながら、これらのシステムは、様々な態様で統合されてもよい点を理解されたい。
【0031】
例えば、1つの考えられる実施形態では、患者室A内に配置された患者モニタは、患者データ取得システム12を実現するセンサ入力回路(例えば、センサ入力カップリング、アナログセンサを接続するためのアナログ/デジタル変換器など)を備えるコンピュータ又は他の電子データ処理デバイスと、第1の患者モニタディスプレイ16を実現し、内蔵スピーカを介して第1のオーディオシステム18を更に実現する患者室A内に位置する一体型又は接続されたディスプレイデバイスとを有する。この実施形態では、患者室A内に配置されたコンピュータ又は他の電子データ処理デバイスの電子プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ又はマルチコアプロセッサ)は、制御システム14を実現するよう更にプログラムされ、その結果、ユーザ入力デバイス26及びディスプレイ32は、ディスプレイ38を実現し、第1の患者モニタディスプレイ16のユーザインターフェース26は、それぞれ制御システム14のディスプレイ38及びユーザインターフェース40である。この実施形態では、患者モニタのメインユニットは、患者室A内に配置され、取得システム12、第1患者モニタディスプレイ16及びオーディオシステム18、並びに制御システム14を含み、制御システム14は、例示的な第2の患者モニタディスプレイ20及びオーディオシステム22などの追加的なリモートディスプレイ/オーディオ要素が接続されることを可能にする。
【0032】
図1を参照すると、制御システム14は、第1及び第2のオーディオシステム18及び22の少なくとも1つを使用して、少なくとも患者オーディオモニタ信号を出力するよう構成される。そのため、第1及び第2のオーディオ構成42及び44の各々は、所定のパラメータを持つ。第1のオーディオ構成42の所定のパラメータは、第2のオーディオ構成44の所定のパラメータとは異なる。一例では、第1及び第2のオーディオ構成42及び44のそれぞれの所定のパラメータは、アラーム音の種類及びアラーム音の音量を含むことができる。所定のパラメータはそれぞれ個別に設定可能である。言い換えると、第1のオーディオ構成42のアラーム音の種類は、第1のタイプのサウンド(例えば、高音の「ピング」サウンド)であり得る一方、第2のオーディオ構成44のアラーム音の種類は、第1のタイプの音とは異なる第2のタイプのサウンド(例えば、低音の「ブーム」音)とすることができる。
【0033】
他の実施形態では、制御システム14は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の少なくとも1つを使用して、少なくとも患者視覚モニタ信号を出力するよう構成される。そのため、第1及び第2の視覚構成46及び48の各々は、所定のパラメータを持つ。第1の視覚構成プロセッサ46の所定のパラメータは、第2の視覚構成プロセッサ48の所定のパラメータとは異なる。一例では、第1及び第2の視覚構成プロセッサ46及び48のそれぞれの所定のパラメータは、色及び強度を含むことができる。所定のパラメータはそれぞれ個別に設定可能である。言い換えると、第1の視覚構成プロセッサ46の色は第1のタイプの色(例えば黄色)であり、第2の視覚構成プロセッサ48の色は、第1のタイプの色とは異なる第2のタイプの色(例えば赤色)とすることができる。
【0034】
図1及び図3に示されるように、第1の患者モニタディスプレイ16及び第1のオーディオシステム18は、第1の領域(即ち、患者室A)に配置され、第2の患者モニタディスプレイ20及び第2のオーディオシステム22は、第1の領域の外側の第2の領域(即ち、ナースステーションBのような患者室の外の領域)に配置される。いくつかの実施形態では、第3の患者モニタディスプレイ56及び第3のオーディオシステム58が、第3の領域(即ち休憩室C)に配置されることができる。第3の患者モニタディスプレイ56及び第3のオーディオシステム58は、それぞれ第1/第2の患者モニタディスプレイ16/20及び第1/第2のオーディオシステム18/22と同様に構成されることができる。第3の患者モニタディスプレイ56及び第3のオーディオシステム58は、(即ち、対応する構成プロセッサ(図示省略)を介して)制御システム14に動作可能に接続される。制御システム14は、制御システム14が、各患者モニタディスプレイ16、20及び56及び各オーディオシステム18、22、及び58と通信している限り、任意の適切な領域(例えば、医師のオフィス、サーバルームD、ナースステーションB、休憩室Cなど)に配置されることができる。
【0035】
1つの例示的な実施形態では、制御システム14は、第1及び第2のオーディオシステム18及び22(又は存在する場合第3のオーディオシステム58)の一方の動作を、第1及び第2のオーディオシステム18及び22の他方から転送するよう構成される。その結果、第1及び第2のオーディオシステム18及び22の少なくとも1つが連続的に作動される。これは、図1に概略的に示される。ここで、実線は、制御システム14から第1の患者モニタディスプレイ/第1のオーディオシステム16/18に延び、破線は、制御システム14から第2の患者モニタディスプレイ/オーディオシステム20/22及び第3の患者モニタディスプレイ/第3のオーディオシステム56/58のそれぞれに延びる。例えば、第1のオーディオシステム18は、看護師が患者室Aに入るとき第1の患者モニタディスプレイ16上のボタン26の1つを押すことにより、ユーザ(即ち、看護師)によりオンにされることができる。これは図1において、第1のオーディオシステム18から延びる破線で概略的に示される。結果として、看護師が患者室A内にいる間(即ち、部屋の清掃中又は患者への介助中)、看護師は、第1のオーディオシステム18から、患者モニタオーディオ信号(例えば、音声アラーム)60を聞くことができる。
【0036】
看護師が患者室Aを離れると、一例では、看護師は、第1のオーディオシステム18を現在の状態のままにすることができる(即ち、アラーム60が患者室Aにおいてまだ放出される)。その結果、看護師が患者室Aの近く(即ち、廊下又は別の隣接する患者室)にいる場合、看護婦はアラーム60を聞き続けることができる。別の例では、図4に示されるように、看護師は、ボタン26の1つを押す又はアクティベートする。その結果、患者データ取得システム12のオーディオ出力(及びソフトキー「クリック」などの患者モニタによる他の任意のオーディオ出力)が、第1のオーディオシステム18から第2のオーディオシステム22(又は第3のオーディオシステム58)に転送され、アラーム60は、ナースステーションB又は休憩室Cのいずれかで、第2又は第3のオーディオシステム22又は58を介して発信される。これは、図3において概略的に示され、そこでは、実線が、制御システム14から第2の患者モニタディスプレイ/第2のオーディオシステム20/22に延び、破線が、制御システム14から、第1の患者モニタディスプレイ/第1オーディオシステム16/18及び第3の患者モニタディスプレイ/第3のオーディオシステム56/58のそれぞれに延びる。有利には、第1のオーディオシステム18から異なるオーディオシステム22又は58へのアラーム60の転送は、患者の床のノイズを減少させ、これにより、医療スタッフが特定の患者室にいないときでも患者の監視が可能にされ、かつユーザの快適さが向上される。
【0037】
別の例示的な実施形態では、制御システム14は、第1及び第2のオーディオシステム18及び22(又は、存在する場合、第3のオーディオシステム58)の少なくとも1つの故障を検出するよう構成される。例えば、第1、第2、又は第3のオーディオシステム18、22又は58は、損傷を受ける(即ち、磨耗及び裂傷、落下又は衝突、液体のこぼれなど)、又は誤作動を起こす可能性がある(即ち、干渉、制御システム14との接続不良などにより)。制御システム14は、第1、第2及び第3のオーディオシステム18、22及び58の動作状態を継続的に検出する。一例では、これらの動作状態の1つは、上に列挙した状態のいずれかが発生したときに「故障」動作状態となり得る。第1、第2又は第3のオーディオシステム18、22又は58の1つが故障する場合、制御システム14は、患者データ取得システム12のオーディオ出力(及び患者モニタによる他の任意のオーディオ出力、例えば、シミュレートされたソフトキー「クリック」)の処理を、故障したオーディオシステム(即ち、図1に示されるような第1のオーディオシステム18)から別のオーディオシステム(即ち、図3に示される第2のオーディオシステム22)に自動的に移す。その結果、アラーム60が生成され、「アクティブ」オーディオシステムで出力される。有利には、制御システム14は、他のオーディオシステムの少なくとも1つが故障した場合でも、オーディオシステム18、22、及び58の少なくとも1つが連続的にアクティブである(即ち、アラーム60を出力する)ことを保証する。
【0038】
同様に、更なる例示的な実施形態では、制御システム14は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20(又は、存在する場合は第3のオーディオシステム58)の一方の処理を、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の他方から移す。その結果、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の少なくとも1つが連続的に作動される。これは、図1に概略的に示され、実線は制御システム14から第1の患者モニタディスプレイ/第1のオーディオシステム16/18に延び、破線は制御システム14から第2の患者モニタディスプレイ/オーディオシステム20/22及び第3の患者モニタディスプレイ/第3のオーディオシステム56/58にそれぞれ延びる。例えば、第1の患者モニタディスプレイ16は、看護師が患者室Aに入るとき第1の患者モニタディスプレイ16上のボタン26の1つを押すことにより、ユーザ(即ち、看護師)によりオンにされることができる。これは、図1に概略的に示され、破線が、第1の患者モニタディスプレイ16から延びる。結果として、看護師が患者室A内にいる間(即ち、部屋の清掃中又は患者への介助中)、看護師は、第1の患者モニタディスプレイ16から患者モニタの視覚信号(例えば、赤い画面の視覚アラーム)を知覚することができる。
【0039】
看護師が患者室Aを離れるとき、一例では、看護師は、第1の患者モニタディスプレイ16を現在の状態のままに(即ち、アラーム62が依然として患者室Aにおいて放出されるように)することができ、その結果、患者室Aに近接したまま(即ち、廊下又は別の隣接する患者室にいる)であれば、看護師はアラーム62を依然として知覚することができる。別の例では、看護師は、ボタン26の1つを押す又はアクティベートすることができ、患者データ取得システム12により取得された患者データの表示が、第1の患者モニタディスプレイ16から第2の患者モニタディスプレイ20(又は、第3の患者モニタディスプレイ56)に移される。その結果、アラーム62は、ナースステーションB又は休憩室Cのいずれかで、第2又は第3のオーディオシステム20又は56を介して発信される。これは、図3に概略的に示され、実線は制御システム14から第2の患者モニタディスプレイ/第2のオーディオシステム20/22に延び、点線は制御システム14から第1の患者モニタディスプレイ/第1オーディオシステム16/18及び第3の患者モニタディスプレイ/第3のオーディオシステム56/58のそれぞれに延びる。有利なことに、第1の患者モニタディスプレイ16から別の患者モニタディスプレイ20又は56へのアラーム62の転送は、患者の床の上の光を減少させ、これにより、ユーザの快適さを向上しつつ、医療スタッフが特定の患者室にいないときでも患者を監視することが可能にされる。
【0040】
別の例示的な実施形態では、制御システム14は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20(又は第3の患者モニタディスプレイ56)の少なくとも1つの障害を検出するよう構成される。例えば、第1、第2又は第3の患者モニタディスプレイ16、20又は56は、損傷を受ける(即ち、摩耗及び裂傷、落下又は衝突、液体のこぼれなど)、又は誤作動を起こす可能性がある(即ち、干渉、制御システム14との接続不良など)。これらの状態のいずれかが生じると、制御システム14は、第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の動作状態を検出する。一例では、これらの動作状態の1つは、「故障」動作状態とすることができる。第1及び第2の患者モニタディスプレイ16及び20の1つが故障すると、制御システム14は、患者データ取得システム12により取得された患者データの表示を、故障した患者モニタディスプレイ(即ち、図1に示される第1の患者モニタディスプレイ16)から別の患者モニタディスプレイ(即ち、図3に示される第2の患者モニタディスプレイ20)に自動的に移す。その結果、アラーム62が生成され、「アクティブな」患者モニタディスプレイで出力される。有利なことに、制御システム14は、他の患者モニタディスプレイの少なくとも1つが故障した場合でも、患者モニタディスプレイ16、20及び56の少なくとも1つが連続的にアクティブである(即ち、アラーム62を出力する)ことを保証する。
【0041】
図4を参照すると、患者を監視する例示的な方法100が概略的に示される。方法100は、患者室内に配置された少なくとも1つのオーディオシステム18と、患者室外に配置された少なくとも1つのオーディオシステム22との少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの患者モニタ信号60を生成するステップであって、少なくとも1つの患者モニタ信号60が、少なくとも1つの所定のパラメータを含む、ステップ(ステップ102)と、制御システム14で第1及び第2のオーディオシステム18、22の少なくとも1つを使用して、所定のパラメータに基づき患者モニタ信号60を出力するステップ(ステップ104)と、制御システム14で少なくとも1つのオーディオシステム18、22の動作状態を検出するステップ(ステップ106)と、制御システム14でオーディオシステム18、22の1つの処理をオーディオシステム18、22の別の1つに転送する(ステップ108)ステップとを含む。
【0042】
図5を参照すると、患者を監視する例示的な方法200が概略的に示される。方法200は、患者室内に配置された少なくとも1つの患者モニタディスプレイ16と、患者室外に配置された少なくとも1つの患者モニタディスプレイ20との少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの患者モニタ信号62を生成するステップであって、少なくとも1つの患者モニタ信号62が、少なくとも1つの所定のパラメータを含む、ステップ(ステップ202)と、制御システム14で患者モニタディスプレイ16、20の少なくとも1つを使用して、所定のパラメータに基づき患者モニタ信号62を出力するステップ(ステップ204)と、制御システム14で少なくとも1つの患者モニタディスプレイ16、20の動作状態を検出するステップ(ステップ206)と、制御システム14で患者モニタディスプレイ16、20の1つの動作を患者モニタディスプレイ16、20の他の1つに転送するステップ(ステップ208)とを含む。
【0043】
本書で使用されるメモリは、非一時的なコンピュータ可読媒体;磁気ディスク又は他の磁気ストレージ媒体;光学ディスク又は他の光学ストレージ媒体;ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)又は他の電子メモリデバイス又はチップ又は動作可能に相互接続されるチップのセット;格納された命令がインターネット/イントラネット又はローカルエリアネットワークを介して取得されることができるインターネット/イントラネットサーバ;等の1つ又は複数を含む。更に、本書において使用されるプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、携帯情報端末(PDA)、携帯スマートフォン、携帯型腕時計、コンピューティンググラス及び類似する体着用の、埋め込まれた又は、搬送されるモバイルギアの1つ又は複数を含み、ユーザ入力デバイスは、マウス、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、1つ又は複数のボタン、1つ又は複数のスイッチ、1つ又は複数のトグル等の1つ又は複数を含み、表示デバイスは、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、投影ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイなどの1つ又は複数を含む。言い換えると、患者監視システム10は、プロセッサを制御するためのソフトウェアを運ぶ非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0044】
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。それらの修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は、すべての斯かる修正及び変更を含むものとして構築されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5