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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】機械式格納装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
E04H6/18 609
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018034163
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019148128
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 昌範
(72)【発明者】
【氏名】大森 一雅
(72)【発明者】
【氏名】大島 崇史
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩
【審査官】新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-343111(JP,A)
【文献】特開2002-054319(JP,A)
【文献】特開平08-028085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
E04H 6/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる走行レーンを走行し、搭載された被格納物を搬送する搬送装置と、
前記走行レーンに沿って並んで配置され、前記搬送装置によって搬送された前記被格納物を格納し、前記一方向の長さが異なる複数の格納棚と、
前記被格納物の前記一方向の長さを、前記搬送装置に搭載前に計測する計測部と、
前記計測部が計測した前記被格納物の前記一方向の長さに基づいて、複数の前記格納棚のうちから前記被格納物を格納する前記格納棚を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記格納棚に応じて、前記搬送装置における前記被格納物の前記一方向の位置の適正範囲を設定する設定部と、
前記搬送装置に設けられ、前記搬送装置に搭載された前記被格納物を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記被格納物の前記一方向の位置を判断する判断部と、
前記判断部によって得られた前記被格納物の前記一方向の位置が、前記設定部が設定した適正範囲にない場合には、前記搬送装置から前記格納棚への前記被格納物の移送を中止する駆動制御部と、を備える機械式格納装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記搬送装置の移送方向における端部領域に設けられ、所定方向に超音波または光を発信する第1センサを有している請求項1に記載の機械式格納装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記搬送装置の移送方向における中央領域に設けられ、所定方向に超音波または光を発信する第2センサを有している請求項1または請求項2に記載の機械式格納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式格納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置には、所定方向に延びた走行レーンを走行し車両を搬送する搬送装置と、走行レーンに沿って複数設けられて車両を格納する複数の格納棚とを備えたものがある。このような機械式駐車装置では、車両を格納する際に、搬送装置が、車両を搭載した状態で、走行レーンを走行する。そして、走行レーンを走行する搬送装置は、格納先である格納棚に隣接する領域で停止し、停止した状態で搬送装置と格納棚との間で車両の移送を行う。
【0003】
このような、車両を搭載した状態の搬送装置が走行及び停止する機械式駐車装置では、搬送中に搬送装置に搭載された車両が意図しない移動をしてしまうことがある。搭載された車両が意図しない移動をすると種々の問題が発生するため、車両の意図しない移動を防止または検知することが考えられている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、台車上にパレットが載置され、その上に搬送すべき車両が乗せられる装置であって、台車の前部及び後部に、それぞれ、搬送すべき車両の前部及び後部の距離を車両の停止位置として検出する位置検出器が設けられ、監視領域の範囲以上の車両の位置のずれが検出された場合に、台車を減速して停止する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-28085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両の前後方向の長さ(以下において「全長」という。)が異なる複数種類の車両を格納する機械式駐車装置では、容積の異なる複数種類の格納棚を設け、適宜全長に応じた格納棚に車両を格納している。このような全長が異なる複数種類の車両を搬送する搬送装置は、いずれの車両も搬送可能なように許容範囲内の最大長さの空間となるように設計される。
【0007】
したがって、許容範囲内の最大長さよりも全長が短い車両を搬送する際には、搬送装置上に余剰スペースが生じることとなり、搬送時に車両が余剰スペースに移動をしてしまう可能性がある。余剰スペースに移動した状態で、搬送装置から格納棚に車両を移送すると、格納棚は車両の全長に応じた容積となっているので、車両が格納棚に収まらずに、格納棚側の構造と車両とが衝突する可能性がある。
【0008】
特許文献1の装置では、車両の位置のずれを検出しているものの、搬送装置から格納棚に車両を移送することについては考慮されていないため、監視領域の範囲の設定によっては、格納棚側の構造と車両とが衝突してしまう可能性がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、搬送装置から格納棚へ被格納物を移送する際に、格納棚側の構造に対して、被格納物が衝突する事態を防止することができる機械式格納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の機械式格納装置は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る機械式格納装置は、一方向に延びる走行レーンを走行し、搭載された被格納物を搬送する搬送装置と、前記走行レーンに沿って並んで配置され、前記搬送装置によって搬送された前記被格納物を格納し、前記一方向の長さが異なる複数の格納棚と、前記被格納物の前記一方向の長さを、前記搬送装置に搭載前に計測する計測部と、前記計測部が計測した前記被格納物の前記一方向の長さに基づいて、複数の前記格納棚のうちから前記被格納物を格納する前記格納棚を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記格納棚に応じて、前記搬送装置における前記被格納物の前記一方向の位置の適正範囲を設定する設定部と、前記搬送装置に設けられ、前記搬送装置に搭載された前記被格納物を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に基づいて、前記被格納物の前記一方向の位置を判断する判断部と、前記判断部によって得られた前記被格納物の前記一方向の位置が、前記設定部が設定した適正範囲にない場合には、前記搬送装置から前記格納棚への前記被格納物の移送を中止する駆動制御部と、を備える。
【0011】
上記構成では、被格納物の一方向の位置が、被格納物が格納される格納棚の一方向の長さに応じた適正範囲にない場合には、駆動制御部によって、搬送装置から格納棚への被格納物の移送を中止している。これにより、被格納物の一方向の端部が適正範囲内に位置しない状態で、被格納物が搬送装置から格納棚へと移送されることを防止することができる。したがって、被格納物の移送の際に、格納棚側の構造に対して、被格納物が衝突する事態を防止することができる。格納棚側の構造とは、例えば、被格納物を格納する格納空間の一方向を区画する壁部や柱部が挙げられる。
【0012】
また、計測部が計測した被格納物の一方向の長さに基づいて、一方向の長さが異なる複数の格納棚の中から、被格納物を格納する格納棚を決定し、決定された格納棚に応じて適正範囲を設定している。これにより、一方向の長さが異なる複数の格納棚を備えた機械式格納装置において、何れの格納棚においても被格納物の移送の際に、格納棚側の構造に対して、被格納物が衝突する事態を防止することができる。
【0013】
また、搬送装置に設けられた検知部の検知結果に基づいて被格納物の位置を判断している。このように、検知部を搬送装置のみに設けることで、複数の格納棚の壁部との衝突を防止している。したがって、複数の格納棚の壁部との衝突を防止するために、複数の格納棚に検知部を設ける構成と比較して、コストを低減することができる。
【0014】
また、搬送装置に設けられた検知部の検知結果に基づいて被格納物の位置を判断している。これにより、被格納物の搬送時においても、被格納物の位置を判断することができる。したがって、搬送時における被格納物の意図しない移動等を検知することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る機械式格納装置は、前記検知部は、前記搬送装置の移送方向における端部領域に設けられ、所定方向に超音波または光を発信する第1センサを有していてもよい。
【0016】
上記構成では、搬送装置の移送方向における端部領域に設けられた第1センサによって、被格納物を検知している。すなわち、搬送装置において、格納棚に近接する位置において被格納物を検知している。これにより、より確実に被格納物を検知することができるので、より確実に格納棚側の構造に対して、被格納物が衝突する事態を防止することができる。また、例えば、一方向の端部が複雑な構造をしている被格納物であっても、確実に検知し、格納棚側の構造に対して被格納物が衝突する事態を防止することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る機械式格納装置は、前記検知部は、前記搬送装置の移送方向における中央領域に設けられ、所定方向に超音波または光を発信する第2センサを有していてもよい。
【0018】
上記構成では、搬送装置の移送方向における中央領域に設けられた第2センサによって、被格納物を検知している。これにより、搬送装置の中央領域に搭載されている被格納物を、格納棚への移送開始前に検知することができる。すなわち、被格納物が搬送装置上で移送方向に大きく移動していない状態において、被格納物の一方向の位置が適正範囲にないと判断することができる。したがって、被格納物が一方向のみにずれた状態で復旧作業を行うことができるので、被格納物が一方向及び移送方向にずれた状態で復旧作業を行う場合よりも、容易に復旧作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送装置から格納棚へ被格納物を移送する際に、格納棚側の構造に対して、被格納物が衝突する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の概略を示した平面図であって、搬送台車上で車両が適正な位置に位置していた場合を示している。
図2】本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の概略を示した平面図であって、搬送台車上で車両が適正でない位置に位置していた場合を示している。
図3図1の機械式駐車装置の搬送台車及び格納棚を車両後方から見た図である。
図4図2の機械式駐車装置を車両側方から見た図である。
図5図1の機械式駐車装置のブロック図である。
図6図1の機械式駐車装置の制御部が行う制御を示すフローチャートである。
図7図1の機械式駐車装置の制御部が行う制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る機械式格納装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明において、前後方向とは、車両2の前後方向を意味し、左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0022】
本実施形態では、本発明に係る機械式格納装置を、車両(被格納物)2を格納する機械式駐車装置1に適用する例について説明する。
本実施形態に係る機械式駐車装置(機械式格納装置)1は、図1等に示すように、複数階の駐車フロアを有しており、車両2の入出庫を行われるとともに搭乗者が車両2の乗降を行う乗降室6と、乗降室6と各駐車フロアとの間で車両2の昇降を行うリフト(図示省略)と、を具備している。また、図1に示すように、各駐車フロアには、一方向に延びる走行レーン18と、走行レーン18の両側に走行レーン18に沿って並んで配置される複数の格納棚3と、走行レーン18を走行し車両2を搬送する搬送台車(搬送装置)4と、が設けられている。すなわち、本実施形態に係る機械式駐車装置1は、いわゆる平面往復式の駐車装置である。なお、図では、図示の関係上、走行レーン18の一側に配置された格納棚3のみを図示し、他側に配置された格納棚3の図示を省略している。
また、機械式駐車装置1は、各種機器を制御する制御装置5を備えている(図5参照)。
【0023】
本実施形態に係る機械式駐車装置1は、一方向(すなわち、車両2の前後方向)の長さが異なる複数の格納棚3を備えている。換言すれば、容積の異なる複数の格納棚3を備えている。本実施形態では、一例として、機械式駐車装置1が、一方向の長さが異なる3種類の格納棚3を有する例を説明する。詳細には、機械式駐車装置1は、小型用格納棚3aと、小型用格納棚3aよりも一方向の長さが長い中型用格納棚3bと、中型用格納棚3bよりも一方向の長さが長い大型用格納棚3cと、を有している。小型用格納棚3aの一方向の長さをA1とし、中型用格納棚3bの一方向の長さを長さA2とし、大型用格納棚3cの一方向の長さを長さA3とすると、各長さの関係は、A1<A2<A3となる。
各格納棚3が格納を許容する車両2の最大全長は、各格納棚3の一方向の長さよりも僅かに短い。すなわち、小型用格納棚3aの格納可能な車両2の最大全長(以下、各格納棚3の格納可能な車両2の最大全長のことを「許容全長」という。)は、A1よりも僅かに短いa1とされる。同様に、中型用格納棚3bの許容全長は、A2よりも僅かに短いa2とされ、大型用格納棚3cの許容全長は、A3よりも僅かに短いa3とされる。
【0024】
乗降室6には、車両2を停車させる停車スペース19が設けられている。停車スペース19には、車両2を横行させるスラットコンベヤ20と、車両2の前後方向(一方向)の長さを計測する計測部17と、が設けられている。停車スペース19には、停車位置を案内する案内部(図示省略)が設けられており、案内部によって、停車する車両2の前端部が所定の位置となるように車両2を停車させる。
【0025】
スラットコンベヤ20は、コンベヤの周方向の全域に亘って連続的にスラット16が設けられた構成であって、スラット16の表面が停車スペース19の地面と面一となるように埋設されている。また、スラットコンベヤ20は、車両2の前輪が載置される第1スラットコンベヤと、車両2の後輪が載置される第2スラットコンベヤと、を備えている。各スラットコンベヤは、停車スペース19において所定の位置に停車した車両2の前輪または後輪が載置されるように配置される。スラットコンベヤ20は、駆動装置(図示省略)によって駆動されることで、コンベヤが回転し、スラット16上に載置されている車両2を横行(すなわち、車幅方向に移動)させる。
【0026】
計測部17は、第2スラットコンベヤよりも後方であって、停車スペース19の車幅方向の略中央に配置される3つの光電センサによって構成されている。3つの光電センサは、車両前後方向に並んで配置されている。3つの光電センサは、前方側(すなわち第2スラットコンベヤ側)から順番に、小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b、大型用光電センサ17cとなっている。また、各光電センサは、地面に埋設されており、上方に向かって検知光を投光している。
【0027】
小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cは、各々、停車スペース19に停車する車両2の前端部が位置する所定位置から、所定の距離離間した位置に配置される。
具体的には、小型用光電センサ17aは、前端部が位置する所定位置から小型用格納棚3aの許容全長であるa1だけ離間した距離に、配置される。また、中型用光電センサ17bは、前端部が位置する所定位置から中型用格納棚3bの許容全長であるa2だけ離間した距離に、配置される。また、大型用光電センサ17cは、前端部が位置する所定位置から大型用格納棚3cの許容全長であるa3だけ離間した距離に、配置される。
このように、所定位置からの離間距離が異なる3つの光電センサの何れが物体を検知したかによって、車両2の前後方向の長さ(以下、「全長」という。)を計測することができる。
【0028】
リフトは、乗降室6が存在するフロアと、各駐車フロアとを往復する。また、リフトは、スラットコンベヤを有しており、停車スペース19と車両2の受け渡しを行う。リフトに設けられたスラットコンベヤの構造は、停車スペース19に設けられたスラットコンベヤの構造と略同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
停車スペース19のスラットコンベヤ20とリフトのスラットコンベヤとは、リフトが停車スペース19の車幅方向の隣接領域に存在する状態において、車幅方向に連続するように配置される。停車スペース19のスラットコンベヤ20とリフトのスラットコンベヤとは連結可能となっており、連結した状態で各スラットコンベヤを同方向に回転駆動し、車両2を横行させることで、停車スペース19とリフトとの間における車両2の移送を行う。
【0030】
走行レーン18は、各駐車フロアに設けられており、水平方向であって、かつ、一方向に直線状に延びている。走行レーン18は、搬送台車4が走行可能となるように構成されている。
【0031】
搬送台車4は、走行レーン18に沿って走行可能であるとともに、各格納棚3に並ぶように走行レーン18上で停止可能に構成されている。また、搬送台車4は、搭載した車両2をリフトから格納棚3に搬送するとともに、搭載した車両2を格納棚3からリフトに搬送する。搬送台車4は、一方向の長さが異なる複数の格納棚3に対して車両2を搬送できるようにするために、最大の許容全長である許容全長a3の全長を有する車両2であっても、搬送可能な大きさとなるように設計される。また、搬送台車4は、車両2の前後方向と、走行レーン18の延在方向(すなわち一方向)とが略同方向となるように、車両2を搬送している。
【0032】
搬送台車4は、機械式駐車装置1に対して走行レーン18を走行可能なように支持される本体部7と、本体部7に対して支持されていて、車両2の前輪が載置される第1スラットコンベヤ8aと、本体部7に対して支持されていて車両2の後輪が載置される第2スラットコンベヤ8bと、第1スラットコンベヤ8a及び第2スラットコンベヤ8bを駆動する駆動装置(図示省略)と、伝達部と連結することで駆動装置の駆動力を格納棚3に設けられたスラットコンベヤに伝達するクラッチ機構(図示省略)と、を備えている。
搬送台車4に設けられる第1スラットコンベヤ8a及び第2スラットコンベヤ8bの構造は、停車スペース19に設けられるスラットコンベヤ20の構造と略同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0033】
リフトのスラットコンベヤと搬送台車4のスラットコンベヤとは、搬送台車4がリフトの車幅方向の隣接領域に存在する状態において、車幅方向に連続するように配置される。リフトのスラットコンベヤと搬送台車4のスラットコンベヤとは連結可能となっており、連結した状態で各スラットコンベヤを同方向に回転駆動し、車両2を横行させることで、リフトと搬送台車4との間における車両2の移送を行う。
【0034】
このように、乗降室6に入庫した車両2は、停車スペース19及びリフトを介して、搬送台車4に搭載される。上述のように、乗降室6に入庫した車両2は、停車スペース19において、前端が所定の位置となるように停車させられる。また、停車スペース19からリフトへの車両2の移送は、スラットコンベヤ20を用いた横行によって行われる。また、リフトから搬送台車4への車両2の移送も、スラットコンベヤ20を用いた横行によって行われる。このように、停車スペース19において、前端が所定の位置となるように停車させられた車両2は、搬送台車4に搭載されるまでに、前後方向の移動が行われない。したがって、搬送台車4に搭載された車両2の前端は、搬送台車4の前後方向の位置において、所定位置となっている。
【0035】
搬送台車4には、各種センサが設けられている。詳細には、図4に示すように、搬送台車4は、搬送台車4の一方向の一端部から立設する前壁9に設けられる第1車体タッチセンサ11と、搬送台車4の一方向の他端部から立設する後壁10に設けられる第2車体タッチセンサ12と、第1スラットコンベヤ8aの一方向の両端部に設けられる前輪タッチセンサ13と、第2スラットコンベヤ8bの一方向の両端部に設けられる後輪タッチセンサ14と、第2スラットコンベヤ8bよりも後方の本体部7に埋設される複数の超音波センサで構成される検知部15と、を備えている。
【0036】
第1車体タッチセンサ11及び第2車体タッチセンサ12は、搬送台車4に搭載される車両2のバンパーが設けられている高さ位置に設けられている。第1車体タッチセンサ11及び第2車体タッチセンサ12は、車両2が接触すると、車両2を検知する。このように、一方向の両端部にタッチセンサを設けることで、搬送台車4から一方向への車両2のはみ出し等を確実に検知することができる。
【0037】
前輪タッチセンサ13及び後輪タッチセンサ14は、車両2のタイヤが接触することで、車両2を検知する。このように、各スラットコンベヤの一方向の両端部にタッチセンサを設けることで、スラットコンベヤから一方向への車両2のタイヤのはみ出し等を確実に検知することができる。
【0038】
超音波センサは、送波器(図示省略)により超音波を所定方向に向け発信することで、所定方向に存在する物体を検知するセンサである。本実施形態では、搬送台車4に埋設された超音波センサが、上方に向かって超音波を発信することで、搬送台車4に搭載された車両2が、当該超音波を遮蔽する位置に位置している場合に、車両2を検知する。
【0039】
超音波センサは、搬送台車4に、複数設けられている。詳細には、車両前後方向に並ぶ3つの超音波センサによって構成される検知部15が、車幅方向に3セット並んで設けられている。すなわち、超音波センサは、9つ設けられている。
具体的には、複数の検知部15は、車幅方向の両端縁に沿って2つ設けられているとともに、車幅方向の略中央に1つ設けられている(図3も参照)。以下、車幅方向の両端縁に沿って設けられた検知部15を端部検知部(第1センサ)35として説明し、車幅方向の略中央に設けられた検知部15を中央検知部(第2センサ)36として説明する。
【0040】
端部検知部35は、第2スラットコンベヤ8bよりも後方の本体部7の側縁に沿って設けられている3つの超音波センサによって構成されている。3つの超音波センサは、上述のように、車両前後方向に並んで配置されている。3つの超音波センサは、前方側(すなわち第2スラットコンベヤ8b側)から順番に、小型用超音波センサ35a、中型用超音波センサ35b、大型用超音波センサ35cとなっている。
【0041】
小型用超音波センサ35a、中型用超音波センサ35b及び大型用超音波センサ35cは、各々、搬送台車4に搭載された車両2の前端部が位置する所定位置から、所定の距離離間した位置に配置される。具体的には、小型用超音波センサ35aは、前端部が位置する所定位置から小型用格納棚3aの許容全長であるa1だけ離間した距離に、配置される。また、中型用超音波センサ35bは、前端部が位置する所定位置から中型用格納棚3bの許容全長であるa2だけ離間した距離に、配置される。また、大型用超音波センサ35cは、前端部が位置する所定位置から大型用格納棚3cの許容全長であるa3だけ離間した距離に、配置される。
【0042】
中央検知部36は、2スラットコンベヤ8よりも後方の本体部7の車幅方向の略中央に設けられる3つの超音波センサによって構成されている。中央検知部36の構成は、配置箇所以外については、端部検知部35と同様であるので、その詳細な説明は省略する。すなわち、中央検知部36は、前方側(すなわち第2スラットコンベヤ8b側)から順番並んで配置される、小型用超音波センサ36a、中型用超音波センサ36b、大型用超音波センサ36cを有している。各超音波センサの所定位置からの離間距離等は、端部検知部35と同様であるので、その説明を省略する。
【0043】
機械式駐車装置1は、上述のように、一方向(すなわち、車両2の前後方向)の長さが異なる複数の格納棚3を備えているが、各格納棚3の構造は基本的に同様である。
各格納棚3は、機械式駐車装置1に対して固定されている本体部21と、本体部21に対して支持されていて車両2の前輪が載置される第1スラットコンベヤ22と、本体部21に対して支持されていて車両2の後輪が載置される第2スラットコンベヤ23と、搬送台車4に設けられたクラッチ機構と連結可能とされる伝達部(図示省略)と、を有している。
【0044】
各格納棚3に設けられるスラットコンベヤの構造は、停車スペース19に設けられたスラットコンベヤ20の構造と略同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、格納棚3には、スラットコンベヤを駆動する駆動装置が設けられていない。格納棚3に設けられたスラットコンベヤは、伝達部を介して伝達される搬送台車4の駆動装置の駆動力によって駆動される。
【0045】
また、小型用格納棚3aと中型用格納棚3bと大型用格納棚3cとの一方向の長さの相違は、第2スラットコンベヤ23よりも後方側の本体部21の一方向の長さによってもたらされる。すなわち、何れの格納棚3も、第2スラットコンベヤ23の後方の本体部21以外の構成は略同一となっている。
また、隣接する格納棚3の間には、機械式駐車装置1を構成する構造物の一部である柱部40が設けられている。
【0046】
搬送台車4のスラットコンベヤと格納棚3のスラットコンベヤとは、搬送台車4が格納棚3の車幅方向の隣接領域に存在する状態において、車幅方向に連続するように配置される。搬送台車4のスラットコンベヤと格納棚3のスラットコンベヤとは連結可能となっており、連結した状態で搬送台車4に設けられた駆動装置を駆動させることで、各スラットコンベヤを同方向に回転駆動する。これにより、車両2を横行させることで、搬送台車4と格納棚3との間における車両2の移送を行う。
【0047】
制御装置5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0048】
制御装置5は、図5に示すように、計測部17が計測した車両2の全長に基づいて車両2を格納する格納棚3を決定する決定部31と、決定部31によって決定された格納棚3に応じて搬送台車4に搭載された車両2の一方向の位置の適正範囲を設定する設定部32と、検知部15の検知結果に基づいて車両2の一方向の位置を判断する判断部33と、判断部33によって得られた車両2の一方向の位置が、設定部32が設定した適正範囲にない場合には搬送台車4から格納棚3への車両2の移送を中止する駆動制御部34とを有している。
【0049】
次に、制御装置5が行う制御について、図6及び図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1で乗降室6に車両2が進入し、乗降室6内の停車スペース19に停車したことを確認する。停車スペース19に車両2が停車すると、制御装置5はS2に進む。S2では、制御装置5は、計測部17によって車両2の全長を計測するために、小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cの検知情報を取得する。
【0050】
制御装置5は、検知情報を取得するとS3に進み、各光電センサの状態から車両2の全長を導出する。詳細には、小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cの全てがオフ状態である場合には、S4に進み、車両2を小型車であると判断する。小型用光電センサ17aのみがオン状態であり、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cがオフ状態である場合には、S5に進み、車両2を中型車と判断する。小型用光電センサ17a及び中型用光電センサ17bがオン状態であり、大型用光電センサ17cのみがオフ状態である場合には、S6に進み、車両2を大型車と判断する。小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cの全てがオン状態である場合には、S7に進み、車両2を規格外車であると判断する。上記以外の検出結果のパターンになった場合には、S8に進み、システムの異常と判断する。
【0051】
S4に進み車両2を小型車と判断するか、S5に進み車両2を中型車と判断するか、S6に進み車両2を大型車と判断すると、制御装置5はS9に進む。S9では、決定部31によって、車種(車両2の全長による種類分けに基づいた車種)に対応した格納棚3を選択し、選択した格納棚3に車両2を格納する事を決定する。車両2をリフト等によって搬送台車4まで搬送する(S10)。
【0052】
車両2を搬送台車4まで搬送すると、制御装置5は、格納棚3へ向けて搬送台車4を走行させる(S11)。そして、搬送台車4に設けられた中央検知部36によって、車両2の検知を行うとともに、検知結果に基づいて車両2の前後方向の位置を判断する(S12)。車両2の前後方向の位置を判断すると、制御装置5は、S13に進む。
【0053】
S13では、制御装置5は、決定部31で決定された格納棚3に応じた車両2の前後方向の適正範囲を設定部32によって設定するとともに、当該適正範囲に車両2の前後方向の位置が位置しているか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、中央検知部36の検知結果が、S2で計測部17が検知した検知結果と一致するか否かを判定する。すなわち、S2で計測部17が検知した検知結果が、例えば、小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cの全てがオフ状態であった場合には、中央検知部36の検知結果が、小型用超音波センサ36a、中型用超音波センサ36b及び大型用超音波センサ36cの全てがオフ状態である場合に、検知結果が一致していると判断する。S13で一致すると判定した場合には、車両2の前後方向の位置が適正範囲内にあると判断し、搬送台車4を走行させ車両2を格納棚3まで搬送する(S14)。
【0054】
搬送台車4が目的の格納棚3に到着すると、搬送台車4に設けられたスラットコンベヤによって車両2を横行搬送する(S15)とともに、端部検知部35によって車両2の検知を行うとともに、検知結果に基づいて車両2の前後方向の位置を判断する(S16)。車両2の前後方向の位置を判断すると、制御装置5は、S17に進む。
【0055】
S17では、制御装置5は、決定部31で決定された格納棚3に応じた車両2の前後方向の適正範囲を設定部32によって設定するとともに、当該適正範囲に車両2の前後方向の位置が位置しているか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、端部検知部35の検知結果が、S2で計測部17が検知した検知結果と一致するか否かを判定する。すなわち、S2で計測部17が検知した検知結果が、例えば、小型用光電センサ17a、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cの全てがオフ状態であった場合には、端部検知部35の検知結果が、小型用超音波センサ35a、中型用超音波センサ35b及び大型用超音波センサ35cの全てがオフ状態である場合に、検知結果が一致していると判断する。S17で検知結果が一致すると判定した場合には、車両2の前後方向の位置が適正範囲内にあると判断し、車両2を定位置まで横行搬送し、格納棚3に格納する(S18)。車両2を格納棚3に格納すると、制御装置5は処理を終了する。
【0056】
S3のあとに、S7に進み車両2を規格外車と判断するか、S8に進みシステムの異常と判断すると、制御装置5はS21に進む。S21では車両2を定位置まで横行搬送する。すなわち、停止スペースに設けられたスラットコンベヤから車両2を除く。S21で車両2を定位置まで横行搬送すると、制御装置5は処理を終了する。
【0057】
S13において、中央検知部36の検知結果が、S2で計測部17が検知した検知結果と一致しないと判定した場合には、S19に進み、搬送台車4上で車両2が移動したと判断する。搬送台車4上で車両2が移動したと判断すると、車両2を格納棚3まで搬送し(S20)、車両2を定位置まで横行搬送する(S21)。S21で車両2を定位置まで横行搬送すると、制御装置5は処理を終了する。
【0058】
S17において、端部検知部35の検知結果が、S2で計測部17が検知した検知結果と一致しないと判定した場合には、S22に進み、搬送台車4上で車両2が移動したと判断する。搬送台車4上で車両2が移動したと判断すると、格納棚3への横行搬送を非常停止し(S23)、車両2を定位置まで横行搬送する(S21)。S21で車両2を定位置まで横行搬送すると、制御装置5は処理を終了する。
【0059】
次に、本実施形態に係る機械式駐車装置1における作用について図1及び図2を用いて説明する。
図1(b)及び図2(b)に示すように、乗降室6内の停車スペース19に停車した車両2の全長を計測する。図1では、小型用光電センサ17aが車両2を検知し、中型用光電センサ17b及び大型用光電センサ17cが車両2を検知していないので、車両2の全長が中型車の全長であると計測される。車両2の全長が計測されると、全長に応じて、車両2を格納する格納棚3が決定される。図1では、中型車の全長であると計測されているので、中型用格納棚3bに格納する事が決定される。格納棚3が決定すると、車両2はリフト等を経て搬送装置に搭載される。搬送装置は車両2を搭載した状態で走行レーン18を走行し、中型用格納棚3bの隣接領域で停止する。
【0060】
このとき(もしくは、走行時)、図1(a)に示すように、中央検知部36による検知結果が、停車スペース19で行った検知結果と一致する場合(すなわち、小型用超音波センサ36aのみが車両2を検知し、中型用超音波センサ36b及び大型用超音波センサ36cが車両2を検知していない場合)には、車両2が搬送台車4上で移動していないと判断できる。すなわち、車両2の前後方向の位置が適正な範囲内にあると判断できる。したがって、搬送台車4から格納棚3に移送を行っても、車両2と柱部40とが衝突せず、図1に示すように適切に車両2を格納棚3に格納することができる。
【0061】
中型用格納棚3bの隣接領域で停止した際に(もしくは、走行時に)、図2(a)に示すように、中央検知部36及び端部検知部35による検知結果が、停車スペース19で行った検知結果と一致していない場合(すなわち、図2に示すように、小型用超音波センサ35a、36a及び中型用超音波センサ35b、36bが車両2を検知してしまっている場合)には、車両2が搬送台車4上で移動してしまったと判断できる。すなわち、当該移動によって車両2の前後方向の位置が適正な範囲内にないと判断することができる。車両2の前後方向の位置が、格納棚3の一方向の長さに基づいた適切な範囲内にない場合に、搬送台車4から格納棚3に移送を行うと、車両2と柱部40とが衝突する可能性があるので、この場合には、移送を中止する。
【0062】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0063】
本実施形態では、車両2の一方向の位置が、被格納物が格納される格納棚3の一方向の長さに応じた適正範囲にない場合には、駆動制御部34によって、搬送台車4から格納棚3への車両2の移送を中止している。これにより、車両2の一方向の端部が適正範囲内に位置しない状態で、車両2が搬送台車4から格納棚3へと移送されることを防止することができる。したがって、車両2の移送の際に、格納棚3側の構造に対して、車両2が衝突する事態を防止することができる。格納棚3側の構造とは、例えば、被格納物を格納する格納空間の一方向を区画する壁部や柱部40が挙げられる。
【0064】
また、計測部17が計測した車両2の一方向の長さに基づいて、一方向の長さが異なる複数の格納棚3の中から、車両2を格納する格納棚3を決定し、決定された格納棚3に応じて適正範囲を設定している。これにより、一方向の長さが異なる複数の格納棚3を備えた機械式駐車装置1において、何れの格納棚3においても車両2の移送の際に、格納棚3側の構造に対して、車両2が衝突する事態を防止することができる。
【0065】
また、搬送台車4に設けられた検知部15の検知結果に基づいて車両2の位置を判断している。このように、検知部15を搬送台車4のみに設けることで、複数の格納棚3の壁部との衝突を防止している。したがって、複数の格納棚3の壁部との衝突を防止するために、複数の格納棚3に検知部15を設ける構成と比較して、コストを低減することができる。
【0066】
また、搬送台車4に設けられた検知部15の検知結果に基づいて車両2の位置を判断している。これにより、車両2の搬送時においても、車両2の位置を判断することができる。したがって、搬送時における車両2の意図しない移動等を検知することができる。
【0067】
本実施形態では、搬送台車4の移送方向(すなわち、車幅方向)における端部に設けられた端部検知部35によって、車両2を検知している。すなわち、搬送台車4において、格納棚3に近接する位置において車両2を検知している。これにより、より確実に車両2を検知することができるので、より確実に格納棚3側の構造に対して、車両2が衝突する事態を防止することができる。また、例えば、前部や後部が複雑な構造をしている車両2の場合には、中央領域に設けた検知部15だけでは、車両2を検知できない可能性があるが、車幅方向の端部に端部検知部35を設けることで、確実に車両2を検知することができ、格納棚3側の構造に対して車両2が衝突する事態を防止することができる。
【0068】
本実施形態では、搬送台車4の移送方向における中央領域に設けられた中央検知部36によって、車両2を検知している。これにより、搬送台車4の中央領域に搭載されている車両2を、格納棚3への移送開始前に検知することができる。すなわち、車両2が搬送装置上で移送方向に大きく移動していない状態において、車両2の一方向の位置が適正範囲にないと判断することができる。したがって、車両2が一方向のみにずれた状態で復旧作業を行うことができるので、車両2が一方向及び移送方向にずれた状態で復旧作業を行う場合よりも、容易に復旧作業を行うことができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明を機械式駐車装置1に適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、搬送台車4と格納棚3との間でスラットコンベヤを用いて被格納物の移送を行う装置であれば適用可能であり、例えば、自動倉庫等に適用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、搬送台車4に中央検知部36及び端部検知部35の両方を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。搬送台車4に中央検知部36または端部検知部35のどちらか一つだけを設けてもよい。このように、片方の検知部15のみを設けた構成であっても、車両2の一方向の端部が適正範囲内に位置しない状態で、車両2が搬送台車4から格納棚3へと移送されることを防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 機械式駐車装置(機械式格納装置)
2 車両(被格納物)
3 格納棚
3a 小型用格納棚
3b 中型用格納棚
3c 大型用格納棚
4 搬送台車(搬送装置)
5 制御装置(制御部)
6 乗降室
11 第1タッチセンサ
12 第2タッチセンサ
13 前輪タッチセンサ
14 後輪タッチセンサ
15 検知部
17 計測部
17a 小型用光電センサ
17b 中型用光電センサ
17c 大型用光電センサ
18 走行レーン
19 停車スペース
20 スラットコンベヤ
31 決定部
32 設定部
33 判断部
34 駆動制御部
35 端部検知部(第1センサ)
35a 小型用超音波センサ
35b 中型用超音波センサ
35c 大型用超音波センサ
36 中央検知部(第2センサ)
36a 小型用超音波センサ
36b 中型用超音波センサ
36c 大型用超音波センサ
40 柱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7