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特許7005472ダイレクトトゥオブジェクトプリンタにおけるインクの性能および位置合わせを評価するシステムおよび装置
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  • 特許-ダイレクトトゥオブジェクトプリンタにおけるインクの性能および位置合わせを評価するシステムおよび装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ダイレクトトゥオブジェクトプリンタにおけるインクの性能および位置合わせを評価するシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B41J2/01 109
B41J2/01 451
B41J2/01 301
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018216172
(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公開番号】P2019104239
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】15/841,934
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・アール・アイルランド
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209984(JP,A)
【文献】特開2001-239652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
キャビティ内に三角形の容積空間を囲む傾斜床を有する前記キャビティを有し、且つ前記キャビティを取り囲む平面を有するハウジングと、
クロスプロセス方向に前記ハウジングの平面に平行な面にわたって延在する印刷ヘッドが、前記印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の距離の変化の影響を評価するために前記基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするように、前記キャビティに隣接する平面および前記キャビティ内の傾斜床に取り付けられた基材と、を備える装置。
【請求項2】
前記基材が、さらに、所定距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基材上の前記基準マークが前記クロスプロセス方向に延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基材が、さらに、前記基準マークが配置されている前記キャビティの側とは反対側の前記キャビティの側において,前記クロスプロセス方向に延在する前記基材上のマーキング材料の所定のラインが配置され、前記マーキング材料の所定のラインが、前記印刷ヘッド内のイジェクタと前記基材との間の距離が変化することによって生じる、前記基材上に吐出されたマーキング材料液滴のラインにおける偏差を示すように構成されることを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記傾斜床が、前記クロスプロセス方向に傾斜している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記傾斜床が、前記プロセス方向に傾斜している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記基材が、さらに、所定の距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記基材が、さらに、所定の距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記基材が、さらに、前記基準マークが配置されている前記キャビティの側とは反対側の前記キャビティの側において、前記プロセス方向に延在する前記基材上のマーキング材料の所定のラインが配置され、前記マーキング材料の所定のラインが、前記印刷ヘッド内のイジェクタと前記基材との間の距離が変化することによって生じる、前記基材上に吐出されたマーキング材料液滴のラインにおける偏差を示すように構成さることを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
印刷システムであって、
各印刷ヘッドがマーキング材料を吐出するように構成された2次元アレイに配置された複数の印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドの2次元アレイによって形成される面に対して平行に配置された支持部材と、
前記支持部材に移動可能に取り付けられた部材と、
前記支持部材に沿って前記移動可能に取り付けられた部材を移動させることを可能にするように、前記移動可能に取り付けられた部材に動作可能に接続されたアクチュエータと、
前記移動可能に取り付けられた部材が前記支持部材に沿って移動するのにともない、物体ホルダが前記印刷ヘッドのアレイを通過することを可能にするように、前記移動可能に取り付けられた部材に取り付けるように構成された装置であって、
キャビティ内に三角形の容積空間を囲む傾斜床を有する前記キャビティを有し且つ前記キャビティを取り囲む平面を有するハウジングと、
クロスプロセス方向に前記ハウジングの平面に平行な面にわたって延在する印刷ヘッドが前記印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の距離の変化の影響を評価するために前記基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするように前記キャビティに隣接する平面および前記キャビティ内の傾斜床に取り付けられた基材と、を有する装置と、
前記複数の印刷ヘッドおよび前記アクチュエータに動作可能に接続されたコントローラであって、前記装置を前記印刷ヘッドのアレイを通過させるように前記アクチュエータを動作させ、前記装置が前記印刷ヘッドのアレイを通過するのにともない前記装置上にマーキング材料を吐出するように前記複数の印刷ヘッドを動作させるように構成されたコントローラと、を備える印刷システム。
【請求項11】
前記装置の前記基材が、さらに、所定距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記基材上の前記基準マークが、前記クロスプロセス方向に延在する、請求項11に記載の印刷システム。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷システムであって、前記装置の前記基材が、さらに、
前記基準マークが配置されている前記キャビティの側とは反対側の前記キャビティの側において、前記クロスプロセス方向に延在する前記基材上のマーキング材料の所定のラインが配置され、前記マーキング材料の所定のラインが、前記印刷ヘッド内のイジェクタと前記基材との間の距離が変化することによって生じる、前記基材上に吐出されたマーキング材料液滴のラインにおける偏差を示すように構成されることを備える、印刷システム。
【請求項14】
前記傾斜床が前記クロスプロセス方向に傾斜している、請求項13に記載の印刷システム。
【請求項15】
前記傾斜床が前記プロセス方向に傾斜している、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記基材が、さらに、所定距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項15に記載の印刷システム。
【請求項17】
前記基材が、さらに、所定距離だけ離れた前記基材上の基準マークを備える、請求項16に記載の印刷システム。
【請求項18】
前記基材が、さらに、前記基準マークが配置されている前記キャビティの側とは反対側の前記キャビティの側において前記プロセス方向に延在する前記基材上のマーキング材料の所定のラインが配置され、前記マーキング材料の所定のラインが、前記印刷ヘッド内のイジェクタと前記基材との間の距離が変化することによって生じる、前記基材上に吐出されたマーキング材料液滴のラインにおける偏差を示すように構成されることを備える、請求項17に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、3次元(3D)物体上に印刷するシステムに関し、より詳細には、そのようなプリンタにおける射出された液滴の飛行距離の変化の影響を評価するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業用物品印刷は、物品の製造中に典型的に発生する。例えば、ボールの表皮は、ボールが完成して膨らまされる前にパターンまたはロゴが印刷される。その結果、例えば、潜在的な製品の顧客が複数のプロフェッショナルチームまたは大学チームを支持する地域において、物流現場または小売店等の非製造組織は、その地区で人気のある種々のチームのロゴを有する製品の在庫を保管する必要がある。在庫を維持するため、各異なるロゴ用に正確な数の製品を発注することが、問題となり得る。
【0003】
非生産直販店においてこれらの問題に対処する1つの方法は、印刷されていないバージョンの製品を保管し、物流現場または小売店でそれらにパターンまたはロゴを印刷することである。ダイレクトトゥオブジェクト(DTO)プリンタとして既知のプリンタが、個々の物体を印刷するために、開発されている。これらのDTOプリンタは、典型的に1つの印刷ヘッドが別の印刷ヘッド毎に垂直構造で配置される、複数の印刷ヘッドを有する。これらの印刷ヘッドは、定位が固定される。ボール、水用ボトル、および同様のもの等、印刷される物体が卵形または複数の凹凸を有する形状であるとき、物体の表面の一部が印刷ヘッドの平面から外れるため、完全な画像を表面に正確に印刷することは困難である。印刷ヘッド内のイジェクタが様々な距離の間隙にわたってマーキング材料を吐出するため、印刷ヘッド間の複数のアライメントの問題が発生する。様々な間隙距離と関連して印刷ヘッドを通過する物体の移動はまた、印刷ヘッド内のイジェクタを動作させるために使用される信号のタイミングの調整にも影響を及ぼす。これらの問題には、それらが間隙を横切るときの液滴の垂れ下がり、印刷ヘッド内のイジェクタの向きなどが含まれる。例えば、物体に垂直に真に向けられていないイジェクタからの液滴は、撮像距離が増加するにつれて、意図された飛行経路からさらに遠ざかる。これらの影響を特定して測定することにより、印刷中に印刷ヘッドを動作させるために使用されるデータを、これらの影響を補償するために修正することができることは有益である。
【発明の概要】
【0004】
装置は、印刷システムが印刷ヘッドの特性に及ぼす間隙距離の影響を特定して測定することを可能にするように構成されている。装置は、キャビティ内に三角形の容積空間を囲む傾斜床を有するキャビティを有し、且つキャビティを取り囲む平面を有するハウジングと、クロスプロセス方向にハウジングの平面に平行な面にわたって延在する印刷ヘッドが、印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の距離の変化の影響を評価するために基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするようにキャビティに隣接する平面およびキャビティ内の傾斜床に取り付けられた基材と、を含む。
【0005】
新たな印刷システムは、印刷システムが印刷ヘッドの特性に及ぼす間隙距離の影響を特定して測定することを可能にする装置を備えて構成されている。印刷システムは、2次元アレイに配置され、各印刷ヘッドがマーキング材料を吐出するように構成された複数の印刷ヘッドと、2次元アレイの印刷ヘッドによって形成される面に平行に配置される支持部材と、支持部材に移動可能に取り付けられた部材と、移動可能に取り付けられた部材を支持部材に沿って移動させることを可能にするように移動可能に取り付けられた部材に動作可能に接続されたアクチュエータと、移動可能に取り付けられた部材が支持部材に沿って移動するのにともない、物体ホルダが印刷ヘッドのアレイを通過することを可能にするように移動可能に取り付けられた部材に取り付けるように構成された装置と、を含む。装置は、キャビティ内に三角形の容積空間を囲む傾斜床を有するキャビティを有し、且つキャビティを取り囲む平面を有するハウジングと、クロスプロセス方向にハウジングの平面に平行な面にわたって延在する印刷ヘッドが、印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の距離の変化の影響を評価するために基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするようにキャビティに隣接する平面およびキャビティ内の傾斜床に取り付けられた基材と、を含む。印刷システムはまた、複数の印刷ヘッドおよびアクチュエータに動作可能に接続されたコントローラを含み、コントローラは、装置を印刷ヘッドのアレイを通過させるようにアクチュエータを動作させ、装置が印刷ヘッドのアレイを通過するのにともない装置上にマーキング材料を吐出するように複数の印刷ヘッドを動作させるように構成されている。
【0006】
システム内の印刷ヘッドによって吐出される液滴における間隙距離の影響を、印刷システムが特定して測定することを可能にする装置の前述の態様および他の特徴は、添付図面に関連して以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、印刷システム内の印刷ヘッドによって吐出される液滴における間隙距離の影響を特定して測定するのに有用な装置の実施形態を示している。
図2図2は、印刷システムの印刷ヘッドによって吐出された液滴における間隙距離の影響を特定して測定するのに有用な図1に示す装置の異なる実施形態を示している。
図3A図3Aは、図5Aおよび図5Bに示す移動可能に取り付けられた部材を有する図1および図2に示す装置の詳細を示している。
図3B図3Bは、図5Aおよび図5Bに示す移動可能に取り付けられた部材を有する図1および図2に示す装置の詳細を示している。
図3C図3Cは、図5Aおよび図5Bに示す移動可能に取り付けられた部材を有する図1および図2に示す装置の詳細を示している。
図3D図3Dは、図5Aおよび図5Bに示す移動可能に取り付けられた部材を有する図1および図2に示す装置の詳細を示している。
図4図4は、3D物体上に画像を印刷するように構成された従来技術の印刷システム100を示している。
図5A図5Aは、印刷ヘッドのアレイを通過する物体の移動を可能にするために二重支持部材を使用するシステム100の他の従来技術の実施形態である。
図5B図5Bは、印刷ヘッドのアレイを通過する物体の移動を可能にするために二重支持部材を使用するシステム100の他の従来技術の実施形態である。
図5C図5Cは、図5Aおよび図5Bに示す実施形態の1つを設置することができる従来技術のキャビネットを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同様の参照番号は、同様の要素を示すために全体を通して使用されている。
【0009】
図4は、3D物体上に印刷するように構成された例示的な印刷システム100を示している。この文書では、そのようなプリンタを記述するために、「ダイレクト・トゥ・オブジェクト」(DTO)プリンタという用語が使用される。印刷システム100は、印刷ヘッド104のアレイと、支持部材108と、支持部材108に移動可能に取り付けられた部材112と、移動可能に取り付けられた部材112に動作可能に接続されたアクチュエータ116と、移動可能に取り付けられた部材112に取り付けるように構成された物体ホルダ120と、複数の印刷ヘッドおよびアクチュエータに動作可能に接続されたコントローラ124と、を含む。図4に示すように、印刷ヘッドのアレイ104は、図では10×1アレイである2次元アレイに配置されているが、他のアレイ構成も使用可能である。各印刷ヘッドは、マーキング材料(図示せず)の供給部に流体接続され、供給部から受け取ったマーキング材料を吐出するように構成されている。印刷ヘッドのいくつかは、同じ電源に接続することができ、または、各印刷ヘッドは、固有の電源に接続することができ、したがって、各印刷ヘッドは、異なるマーキング材料を吐出することができる。コントローラ124はまた、ユーザインターフェース350、メモリ128、および光センサ354に動作可能に接続されている。
【0010】
支持部材108は、印刷ヘッドのアレイによって形成される面に平行に配置され、図に示すように、支持部材108の一端が支持部材の他端よりも高い重力ポテンシャルになるように定位されている。この定位は、印刷ヘッドの配列を水平に定位し、且つ物体ホルダが水平に配置された印刷ヘッドを通過して物体を通過することを可能にするように支持部材、移動可能に取り付けられた部材、および物体ホルダを構成し、したがって、印刷ヘッドがマーキング材料を物体上に下方に吐出することができる代替実施形態よりも、印刷システム100が小さいフットプリントを有することを可能にする。
【0011】
部材112は、支持部材108に移動可能に取り付けられ、部材が支持部材に沿って摺動するのを可能にする。いくつかの実施形態では、部材112は、支持部材に沿って双方向に移動することができる。他の実施形態では、支持部材108は、移動可能に取り付けられた部材のための軌道を形成するために,支持部材の下端に戻り経路を提供するように構成されている。アクチュエータ116は、移動可能に取り付けられた部材112に動作可能に接続され、したがって、アクチュエータ116は、移動可能に取り付けられた部材112を支持部材108に沿って移動させることができ、移動可能に取り付けられた部材112に接続された物体ホルダ120が、印刷ヘッドの2次元アレイの1つの寸法に印刷ヘッドのアレイ104を通過することを可能にする。図に示す実施形態では、物体ホルダ120は、印刷ヘッドのアレイ104の長さ寸法に沿って物体122を移動させる。
【0012】
コントローラ124は、コントローラに動作可能に接続されたメモリ128に記憶されたプログラミングされた指示で構成され、したがって、コントローラは、プログラミングされた指示を実行して印刷システム100内の構成要素を動作させることができる。したがって、コントローラ124は、物体ホルダ120が印刷ヘッドのアレイ104を通過するようにアクチュエータ116を動作させ、物体ホルダが印刷ヘッドのアレイ104を通過するのにともない物体ホルダ120によって保持された物体上にマーキング材料を吐出するように印刷ヘッドのアレイ104を動作させるように構成されている。さらに、コントローラ124は、印刷ヘッドのアレイ104の印刷ヘッド内のインクジェットを動作させ、そのような印刷ヘッドから吐出された液滴の質量よりも大きな質量を有する液滴を吐出するように構成されている。1つの実施形態では、コントローラ124は、約7mmから約10mmの直径を有する物体表面上に液滴を生成する液滴をインクジェットが吐出することを可能にする発射信号波形を用いて、印刷ヘッドのアレイ104の印刷ヘッド内のインクジェットを動作させる。この液滴サイズは、約21ngの質量を有する材料受け面上に典型的に吐出される液滴よりもかなり大きい。
【0013】
図4に示すシステム構成は、多くの態様において特に有利である。1つは、上述したように、印刷ヘッドのアレイ104および支持部材108の垂直構成は、システム100がアレイおよび支持部材の水平定位によって構成されたシステムよりも小さいフットプリントを有することを可能にする。システムのこのより小さいフットプリントは、図5Cに示すように、システム100を単一のキャビネット180内に収容すること、および非生産直販店に設置することを可能にする。一旦設置されると、以下にさらに説明するように、印刷されるまで外観が一般的な様々な商品を印刷するために、様々な物体ホルダがシステムとともに使用可能である。図4に示すシステム100の別の有利な態様は、物体ホルダ120によって担持される図4に示すものなどの丸い物体の面に接する平面と印刷ヘッドのアレイ104との間に提示される間隙である。この実施形態における間隙は、約5から約6mmの範囲にある。これまで、間隙は、約1mmを中心とする範囲に維持されていた。このより小さな間隙は、吐出する印刷ヘッドからの液滴のより正確な配置を保証すると考えられていた。より大きな間隙幅は、印刷ヘッドとマーキング材料液滴を受ける表面との間の間隙における層流の影響を減少し、したがって、特に大きな3D物体の場合に液滴の配置精度が維持される。この効果は、以前に述べたより大きな液滴サイズで特に有効である。印刷ヘッドに近接した物体の移動によって生成される乱れがなければ、吐出された液滴の運動量は、投影された経路上に液滴を保つのに十分であり、したがって、異なる印刷ヘッドからの液滴の位置合わせは、画質を維持するために保存することができる。さらに、印刷ヘッドの面と物体の液滴受け面との間の距離の差は、液滴の飛行経路に影響を及ぼす可能性がある。さらに、コントローラ124は、印刷ヘッドとシステム100で使用される物体表面との間のより大きな間隙における乱気流を減衰させる速度で物体ホルダを動かすように、アクチュエータ116を動作させるようにプログラミングされた指示で構成することができる。
【0014】
システム100の代替実施形態が図5Aに示されている。この代替実施形態200では、支持部材は、移動可能に取り付けられた部材212が取り付けられる一対の支持部材208である。この実施形態は、一対の固定配置プーリー232と、一対のプーリーの周りに巻き掛けられてエンドレスベルトを形成するベルト236とを含む。移動可能に取り付けられた部材212は、エンドレスベルトと係合して一対のプーリー232の周りを移動するエンドレスベルトの移動に応じて第3のプーリー240が回転し、移動可能に取り付けられた部材212およびそれに取り付けられた物体ホルダ(図示せず)を移動させることを可能にする第3のプーリー240を含む。この実施形態では、アクチュエータ216は、プーリー232の1つに動作可能に接続され、したがって、コントローラ224は、従動プーリーを回転させてエンドレスベルトをプーリー232の周りに移動させるようにアクチュエータを動作させることができる。コントローラ224は、印刷ヘッドのアレイ204を通過する移動可能に取り付けられた部材212および物体ホルダの双方向移動のために、アクチュエータ216を双方向に動作させてプーリー232の1つを双方向に回転させるようにメモリ228に記憶されたプログラミングされた指示で構成することができる。図5Bに示す別の代替実施形態では、ベルト236の一端は、アクチュエータ216に動作可能に接続された巻き取りリール244に動作可能に接続されている。ベルト236の他端は、固定配置されている。コントローラ224は、コントローラ224がアクチュエータ216を動作させて巻き取りリール244を回転させ、巻き取りリール244の周りのベルトの長さの一部を巻き取ることを可能にするために、メモリ228に記憶されたプログラミングされた指示で構成されている。ベルト244はまた、移動可能に取り付けられた部材212に取り付けられた回転可能なプーリー248と係合する。ベルト236の他端は固定配置されているので、リール244の回転は、移動可能に取り付けられた部材212が、部材に取り付けられた物体ホルダを印刷ヘッドのアレイを超えて移動することをもたらす。コントローラ224がアクチュエータ216を動作させてベルトをリール224から巻き戻すと、移動可能に取り付けられた部材212は下降し、物体ホルダが印刷ヘッドのアレイ204を過ぎて下降することを可能にする。この移動方向は、アクチュエータがベルト236のある長さを巻き取るように動作されたときには、物体ホルダが移動した方向とは反対である。移動可能に取り付けられた部材を移動させるようにベルトを使用するこれらの構成は、コントローラ124がリニアアクチュエータを動作させて移動可能に取り付けられた部材112および物体ホルダ120を印刷ヘッドのアレイを双方向に通過させる図4に示されるものとは異なる。
【0015】
例えば、DTOプリンタ内の印刷ヘッドから吐出された液滴の飛行経路上の距離の変化の影響を特定するのに有用な装置300の例が図1に示されている。装置300は、傾斜床312を有するキャビティ308を備えたハウジング304を有する。キャビティ308の傾斜床312は、ハウジング304内に三角形の容積空間を形成する。印刷ヘッドアレイの幅は、単一の印刷ヘッドの幅であるため、図4および図5Aから図5Cに示すプリンタの1つで使用するためのハウジングの寸法は、基材316をハウジングに固定するために使用される基準マークおよび接着剤もしくはテープを収容するための面積に加えて単一の印刷ヘッドが印刷することができる最大面積である。DTOプリンタが一列に配置された複数の印刷ヘッドに対応する印刷ヘッドアレイ幅を有する場合、ハウジングのサイズは、基準マークなどに必要な追加の面積によって異なる幅に対応するように調整される。床は、ハウジング床312がキャビティ308を取り囲む表面と同一面になる位置から、フロアがキャビティの底面と同一面になる位置まで任意の適切な直線角度で傾斜している。装置300の実施形態はまた、床312が反対方向に傾斜するように構成されることもできる。すなわち、フロア312は、ラッチ336とラッチに最も近いキャビティエッジとの間のハウジング304の平面から、ラッチから最も遠いキャビティエッジに隣接するキャビティの底部まで下方に傾斜している。この傾斜は、図1に示すクロスプロセス方向におけるキャビティの床の傾斜の反対である。
【0016】
装置300の表面には、基材316が取り付けられている。基材316は、印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の変化する距離の影響を評価するために、キャビティ308を囲むハウジング304の平面に平行な面内のキャビティ308の短い方の寸法にわたって延在する印刷ヘッドが、基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするように、キャビティ308に隣接するハウジング304の平面および傾斜床312に取り付けられる。基材316は、基準マーク320およびターゲットライン324を有して構成されている。本明細書で使用される場合、「基準マーク」および「ターゲットライン」という用語は、基材上に印刷されたテストパターンを分析するための基準点を提供するために有用な任意の指標を指す。基準マーク320とターゲットライン324との間の基材316の領域はブランクのままであるので、印刷ヘッドは、基準マーク320とターゲットライン324との比較のために、この領域にマーキング材料を吐出するように動作することができる。印刷されたラインを基準マーク320およびターゲットライン324と比較することは、これらのマークおよびラインからの印刷されたラインの偏差が測定され、吐出された液滴の飛行経路上にラインを形成した傾斜床312と印刷ヘッドのイジェクタとの間の変化する距離の影響を特定することを可能にする。1つの実施形態では、基準マーク320は、傾斜床312の傾斜と平行なライン上に1mmの間隔をあけて配置され、その位置でイジェクタと基材との間の間隙距離を特定する。ターゲットライン324は、アレイ104内の印刷ヘッドの面からのハウジング304の平面の距離である印刷ヘッドに最も近い距離に間隙距離がとどまっている場合に、印刷されるラインを特定する。
【0017】
例えば、DTOプリンタ内の印刷ヘッドからの液滴の飛行経路上の変化する距離の異なるセットの影響を特定するのに有用な装置300’の別の実施形態が図2に示されている。装置300’は、傾斜床312’を有するキャビティ308’を有するハウジング304’を有する。キャビティ308’の傾斜床312’は、ハウジング304’内に三角形の容積空間を形成する。印刷ヘッドアレイの幅は、単一の印刷ヘッドの幅であるため、図4および図5Aから図5Cに示すプリンタの1つで使用するためのハウジングの寸法は、基材316’をハウジングに固定するために使用される基準マークおよび接着剤もしくはテープを収容するための面積に加えて、単一の印刷ヘッドが印刷することができる最大面積である。DTOプリンタが一列に配置された複数の印刷ヘッドに対応する印刷ヘッドアレイ幅を有する場合、ハウジングのサイズは、基準マークなどに必要な追加の面積によって異なる幅に対応するように調整される。床は、ハウジング床312’がキャビティ308’を取り囲む表面と同一面になる位置から,フロアがキャビティの底面と同一面になる位置まで任意の適切な直線角度で傾斜している。装置300’の実施形態はまた、床312’が反対方向に傾斜するように構成することもできる。すなわち、床312’は、図1に示すようにキャビティの上側境界からキャビティの下側境界まで下向きではなく、キャビティの下側境界からキャビティの上側境界まで下方に傾斜している。
【0018】
装置300’の表面には基材316’が取り付けられている。基材316’は、印刷ヘッド内のイジェクタと基材との間の変化する距離の影響を評価するために、キャビティ308’を囲むハウジング304’の平面に平行な面内のキャビティ308’の長い方の寸法にわたって延在する印刷ヘッドが、基材上に材料の液滴を吐出することを可能にするように、キャビティ308’に隣接するハウジング304’の平面および傾斜床312’に取り付けられる。基材316’は、基準マーク320’およびターゲットライン324’を有して構成されている。基準マーク320’とターゲットライン324’との間の基材316’の領域はブランクのままであるので、印刷ヘッドは、基準マーク320’とターゲットライン324’との比較のために、この領域にマーキング材料を吐出するように動作することができる。印刷されたラインを基準マーク320’およびターゲットライン324’と比較することは、これらのマークおよびラインからの印刷されたラインの偏差が測定され、吐出された液滴の飛行経路上にラインを形成した傾斜床312’と印刷ヘッドのイジェクタとの間の変化する距離の影響を特定することを可能にする。1つの実施形態では、基準マーク320’は、傾斜床312’の傾斜と平行なライン上に1mmの間隔を置いて配置され、その位置でイジェクタと基材との間の間隙距離を特定する。ターゲットライン324’は、アレイ104内の印刷ヘッドの面からのハウジング304’の平面の距離である印刷ヘッドに最も近い距離に間隙距離がとどまっている場合に印刷されるラインを特定する。
【0019】
装置300は、物体の表面が床312と同様に印刷ヘッドから傾斜していくにつれて、物体を印刷するための印刷ヘッドの特性を特定するのに有用である。この方向は、装置移動の平面内の印刷ヘッドを通過する装置300の移動方向に直交するので、本明細書ではクロスプロセス方向として示されている。装置300’は、物体の表面が床312’と同様に印刷ヘッドから傾斜していくにつれて、物体を印刷するための印刷ヘッドの特性を特定するのに有用である。この方向は、本明細書では印刷ヘッドを通過する装置300’の移動方向であるプロセス方向として示されている。
【0020】
装置300は、図3Aに示すように、移動可能に取り付けられた部材212に取り付けられる。装置300は、ラッチのために、図3Aに示すように部材208によって支持される部材212に、装置320を適切に位置決めするのを助けるためにラッチ328および位置決めピン332を含む。適切に配置されると、レバー336がラッチ328を動作させて、装置300を部材212に固定する。図に示すように、部材212は、以下にさらに説明するように、装置300から識別子を取得する入力装置340を含む。
【0021】
装置300の後方斜視図が図3Bに示されている。この図において、装置300の表面上の識別タグ344は、装置が部材212に固定されているとき、移動可能に取り付けられた部材212上の入力装置340に面している。入力装置340は、識別タグ344からコントローラに識別子を通信するために、図5Aおよび図5Bに示すコントローラ224などのコントローラ224に動作可能に接続されている。コントローラは、さらに、移動可能に取り付けられた部材212の入力装置340から受信した識別子を参照して、図5Aおよび図5Bに示す印刷ヘッドアレイ204およびアクチュエータ216などの印刷ヘッドアレイおよびアクチュエータを動作するように構成されている。本明細書で使用される場合、「識別タグ」は、印刷システムによって処理される情報を具現化する機械可読指標を意味する。指標は、機械的、光学的、または電磁的であり得る。1つの実施形態では、識別タグ344は、無線周波数識別(RFID)タグであり、移動可能に取り付けられた部材の入力装置340は、RFIDリーダである。別の実施形態では、識別タグ344は、バーコードであり、移動可能に取り付けられた部材212の入力装置340は、バーコードリーダである。機械的指標が識別タグに使用される別の実施形態では、指標は、識別タグの表面に続くバイアスアームによって読むことができる材料の突起、くぼみ、または突起およびくぼみの組み合わせである。そのような実施形態における入力装置340は、機械的特徴に続くアームの位置を電気信号に変換するカムフォロワとすることができる。
【0022】
入力装置340に動作可能に接続されたコントローラは、さらに、移動可能に取り付けられた部材212の入力装置340から受信した識別子を、コントローラに動作可能に接続されたメモリに記憶された識別子と比較するように、メモリに記憶されたプログラミングされた指示で構成されている。コントローラは、メモリに記憶された識別子の1つに対応しない入力装置340から受信した識別子に応答して、部材212を移動させるアクチュエータの動作を無効にする。別の実施形態では、コントローラは、さらに、移動可能に取り付けられた部材212の入力装置340から受信した識別子を、メモリに記憶された識別子と比較するように、メモリに記憶されたプログラミングされた指示で構成されており、コントローラ224は、メモリに記憶された識別子の1つに対応しない識別子に応答して、印刷ヘッドのアレイ204内の印刷ヘッドの動作を無効にする。いくつかの実施形態では、コントローラは、メモリに記憶された識別子の1つと一致しない入力装置340から受信した識別子に応答して、部材212を移動させるアクチュエータおよび印刷ヘッドのアレイ204の双方を無効にするように構成されている。
【0023】
装置300および装置300’を使用するように構成された全ての実施形態において、コントローラは、図4図5A、および図5Bに示すユーザインターフェース350などのユーザインターフェースに動作可能に接続される。インターフェース350は、ディスプレイ360と、アナンシエータ364と、キーパッドなどの入力装置368とを含む。コントローラ224は、メモリ内の識別子の1つに対応するように入力装置326から受信した識別子の障害をオペレータに通知するために、ユーザインターフェースを動作するようにプログラミングされた指示で構成されている。したがって、オペレータは、システムの無効化の理由を理解することができる。さらに、ユーザインターフェースに動作可能に接続されたコントローラは、ユーザインターフェース350を動作させて、入力装置340から受信した識別子と互換性のないシステム状態をオペレータに通知するようにプログラミングされた指示で構成されている。例えば、装置300’は、装置300の床傾斜の方向に直交する方向に傾斜する床を有する。装置300および300’を使用するように構成された図4図5A、および図5Bのものと同様の全ての実施形態において、コントローラは、装置300および300’の異なる実施形態の識別子を監視して、印刷ヘッドの特性を特定するために印刷ヘッドを動作させる方法を判定する。装置300が所定の方向の液滴の飛行経路上の距離の変化の影響を評価するための正しい装置でない場合、コントローラは、ユーザインターフェース350を動作させて、装置300を装置300’または本明細書で説明するいくつかの他の実施形態に変更する必要がある旨のメッセージをオペレータのためにディスプレイ360上に生成する。ユーザインターフェース350は、英数字メッセージ用のディスプレイ360と、オペレータによるデータの入力用のキーパッド368と、表示されたメッセージに注意を引き付けるための警告灯または可聴アラームなどのアナンシエータ364とを含む。
【0024】
図3Cは、移動可能に取り付けられた部材212に固定された装置300の正面図を示しており、図3Dは、移動可能に取り付けられた部材212に固定された装置300の背面図を示している。装置300が部材212に取り付けられると、ハウジング304の平面と同一面である傾斜床312の端部は、平坦基材を印刷するのに有用な間隙において、印刷ヘッド104(図4)または204(図5Aまたは図5B)を通り過ぎる。傾斜床312の他端は、印刷ヘッドから約15mmの深さにある。この深さは、印刷ヘッドがマーキング材料の液滴を吐出して適切な画像品質を維持することができるほぼ最大深さである。装置300の他の寸法および傾斜角度ならびに印刷ヘッドからの異なる間隙距離は、液滴吐出速度、液滴質量、および関連する印刷ヘッドパラメータに応じて使用可能である。
【0025】
傾斜床312および312’およびそれらに対向するものは、イジェクタと基材との間の増大する間隙によって誘発される、吐出された液滴経路における「飛行時間」垂下の正確な視覚化を可能にする。基材上のラインはまた、異なる種類のインク、印刷ヘッド内の異なるイジェクタ、および異なる印刷ヘッドが液滴経路の垂下にどのように影響を与えるかを示している。異なる垂下速度は、異なる間隙距離でカラー間の誤った位置合わせを引き起こす。基材上の印刷されたラインおよび基準マークは、直観的な人間の分析を直ちに可能にするが、基材は、装置から取り外すことができ、光学イメージングおよびコンピュータ分析のためのスキャナーを通して供給することができる。人間の観察またはコンピュータ分析のいずれかによって特定された影響は、DTOプリンタの色調再現曲線を調整するために使用可能である。装置300および300’およびその反対のものによって可能となる分析は、複数の平坦な基材上のテストパターンの印刷を取得した後に、一定の間隙距離で印刷された複数の基材の光学画像を分析することよりも迅速で、簡便で、より効率的である。
【0026】
装置300および300’および反対方向の傾斜床を有する実施形態は、様々な深さにわたるプロセスまたはクロスプロセス方向のいずれかまたは双方における角度成分を有する任意の画質(IQ)アーチファクトを評価するのに役立つ。さらに、傾斜床の長さが長くなればなるほど、より正確な測定値を得ることを可能にする。この利点は、間隙距離が増加するにつれて角度成分から生じるIQアーチファクトが、アーチファクトについてのより多くの情報を提供し、したがって、深さが増加するとアーチファクトがより顕著になるために発生する。したがって、ノイズの影響を受けずに影響を簡単に測定することができ、その補償の準備の影響の分析を単純化するのに役立つ。
【0027】
動作において、オペレータは、装置300、300’または反対方向に傾斜する床を有する実施形態の1つが部材112または212に設置されると、ユーザインターフェース350の入力装置を介してテストまたはセットアップモードを開始することができ、コントローラは、装置上の識別タグから装置を識別するデータを取得する。それに応答して、コントローラ224などのプリンタのコントローラは、より多くのテストパターンを装置上の基材上に吐出するために使用される装置の種類を参照して、コントローラが印刷ヘッドを動作させるのにともない、特定された装置が印刷ヘッドを通過するようにアクチュエータ216などのアクチュエータを動作させる。上述したように、装置300、300’および反対方向に傾斜する床を有する実施形態が使用可能な印刷システムは、テストパターンが印刷された後の基材上にテストパターンの画像データを生成するように配置されたデジタルカメラなどの光センサ354を含むことができる。プログラミングされた指示を実行するコントローラは、媒体シート上のテストパターンの画像データを分析して、印刷ヘッド内のイジェクタにおける深さ変化の影響を特定し、印刷ヘッド内のイジェクタまたは異なる印刷ヘッド内のイジェクタからの液滴の整列を改善するために補償パラメータを開発する。
【0028】
図4および図5Aから図5Cに示すDTOプリンタは、垂直定位プリンタであるが、上述した装置および基材はまた、水平定位プリンタでも使用することができる。水平定位のプリンタでは、物体は、水平に配置された印刷ヘッドを横切って水平に移動する。この構成では、印刷ヘッドから吐出される液滴は、物体の動きのベクトルに垂直なベクトルに沿って重力の影響を受ける。より一般的な方法では、液滴は、物体が水平に動いている間に重力によって下方に引っ張られる。上述した装置とともに使用可能な図4および図5Aから図5Cに示すプリンタの実施形態の垂直に配列された印刷ヘッドでは、物体が反対方向に移動している間、すなわち印刷ヘッドを上方に通過している間、重力は依然として下方に液滴を引っ張る。水平に配置された印刷ヘッドを有するプリンタでは、より効果的なテストパターンは、図1および図2の基材316上に示されたドットまたは四角形を含む一方で、垂直に配置された印刷ヘッドを有するプリンタにおけるより効果的なテストパターンは、同じ図で基材316上に示されるラインを含む。すなわち、図1および図2の基材316上のテストパターンは、いずれかのプリンタ構成で印刷されるテストパターンに有用な異なる種類のマーキングを示している。
【0029】
プロセス方向の傾斜とクロスプロセス方向の基準マークおよびターゲットラインとを有する上述した装置は、インプロセス方向における様々な深さでの物体の直線運動から生じる画像の圧縮、および伸張から生じる画像歪みを取得および定量化するために使用可能である。プロセス方向の傾斜とプロセス方向の基準マークおよびターゲットラインとを有する装置は、特定の印刷ヘッドまたはイジェクタにおけるクロスプロセス方向の変化する深さの影響に対して、印刷ヘッド発射パラメータを校正するのに有用である。また、プロセス方向の傾斜とクロスプロセス方向の基準マークおよびターゲットラインとを有する装置は、異なる深さで生じる特定の印刷ヘッドの液滴を検出して補償パラメータを特定することを可能にする。例えば、これらの装置は、DTOプリンタで使用されるいくつかの印刷ヘッドを有することができる液滴の経路上で、温度および深さが有する可能性がある影響を検出するために使用可能である。様々な傾斜でいずれかの方向に傾斜を有する装置は、画質に対する物体の傾斜の影響を定量化するために使用可能である。いずれかの方向に傾斜して固体および色付きのトーンまたはカラーパッチのターゲットラインを有する床を有する装置は、様々な深度におけるトーンおよび色差を定量化するために使用可能である。また、いずれかの方向に傾斜して精細なグラフィックおよびタイプ要素のターゲットラインを有する床を有する装置は、異なる深さでの小さな特徴の画質を定量化するために使用可能である。
【0030】
上記開示された装置の変形例、および他の特徴、および機能、またはその代替例は、多くの他の異なるシステムまたは用途に望ましく組み合わされてもよいことが理解される。装置の様々な実施形態は、DTOプリンタを参照して説明されたが、装置は、印刷されるべき表面を印刷ヘッドから異なる深さに配置することができる任意のプリンタにおいて、または堆積表面などの材料受け面からの異なる距離でイジェクタヘッドを使用するシステムにおいて使用可能である。現在予測されていないまたは予想されていない様々な代替例、変更例、変形例、または改良例が、当業者によってその後に行われることができ、以下の特許請求の範囲によって包含されることも意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C