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特許7005485UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/82 20120101AFI20220114BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20220114BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G03F1/82
G03F7/16 501
H01L21/304 643C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018510747
(86)(22)【出願日】2016-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2016069979
(87)【国際公開番号】W WO2017032801
(87)【国際公開日】2017-03-02
【審査請求日】2018-05-11
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】102015011228.7
(32)【優先日】2015-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507146108
【氏名又は名称】ズース マイクロテク フォトマスク エクイップメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Suss MicroTec Photomask Equipment GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Ferdinand-von-Steinbeis-Ring 10, D-75447 Sternenfels, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ドレス
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ ディーツェ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター グラービッツ
【合議体】
【審判長】瀬川 勝久
【審判官】松川 直樹
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-510332(JP,A)
【文献】特開2002-172369(JP,A)
【文献】特開2008-41998(JP,A)
【文献】特開昭51-37131(JP,A)
【文献】特表2014-505996(JP,A)
【文献】特開2002-298790(JP,A)
【文献】特開平7-272692(JP,A)
【文献】特開2012-181997(JP,A)
【文献】特開2011-115694(JP,A)
【文献】特開昭63-244741(JP,A)
【文献】特開平11-10101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0133740(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための装置であって、
細長いチャンバと、当該チャンバに向かう方向に開いている少なくとも1つの供給口と、当該少なくとも1つの供給口とは反対側にある、前記チャンバの長さにわたって延在するスリット形の排出口とを有するハウジング、
前記チャンバ内を長手方向に延在する、少なくとも部分的にUV放射に対して透過性である管部材であって、当該管部材と前記チャンバの壁との間に、前記排出口の中心と交差する前記チャンバの長手方向中心平面を基準として対称的である流れ空間が形成されるように、かつ、当該管部材が前記ハウジングのスリット形の前記排出口内まで延在して、長手方向に延在する2つの排出スリットを当該管部材と前記ハウジングとの間に形成するように、前記チャンバ内に配置された管部材、および
UV放射を前記流れ空間の方向に放出しかつ前記排出口を通じて前記ハウジングから外部へ放出するように前記管部材内に配置された少なくとも2つの異なるUV放射源
を備えた装置において、
前記装置は、
前記管部材の第1の部分を通じて主に第1の波長領域のUV放射を前記流れ空間内へ放出させ、かつ、当該管部材の第2の部分を通じて主に第2の波長領域のUV放射を前記ハウジングの前記排出口を通過するように放出させ、かつ選択的に、前記流れ空間の、前記排出スリットと隣り合った端部領域へ放出させる手段
を備えており、
前記第1の波長領域と前記第2の波長領域とは異なっており、
前記第1の部分および前記第2の部分のうち一方を通じて放出される放射出力の最大20%が、前記第1の部分および前記第2の部分のうち他方を通じて放出されるUV放射の波長領域である前記第1の波長領域または前記第2の波長領域に由来するものとなっており、
前記手段は前記管部材内に、前記少なくとも2つの異なるUV放射源と少なくとも1つの分離部材とを備えており、
前記分離部材は、複数の前記異なるUV放射源間に配置されており、
少なくとも1つの第1の放射源は主に前記第1の波長領域の放射を放出し、少なくとも1つの第2の放射源は主に前記第2の波長領域の放射を放出し、
前記分離部材は、前記管部材の第1の部分を通じて前記少なくとも1つの第1の放射源によって放出される放射と、前記管部材の第2の部分を通じて前記少なくとも1つの第2の放射源によって放出される放射との分離を実質的に引き起こすものであり、
前記第2の部分は、前記管部材の中心点から少なくとも、当該管部材の中心点を基準として前記ハウジングの前記スリット形の排出口の角度範囲に相当する角度範囲をカバーすることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記手段は、前記波長領域ごとに異なる透過特性を有する複数の異なる材料であって、前記管部材の前記第1の部分および前記第2の部分の透過特性に影響を及ぼす複数の異なる材料を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1の部分および前記第2の部分のうち一方を通じて放出される放射出力の最大5%が、前記第1の部分および前記第2の部分のうち他方を通じて放出されるUV放射の波長領域である前記第1の波長領域または前記第2の波長領域に由来するものとなっている、
請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記分離部材は前記管部材の実質的に全幅にわたって延在し、当該分離部材の端部が、前記管部材の前記第1の部分と前記第2の部分との分離を決定する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記分離部材の、前記各放射源に対向する表面の少なくとも一部は、鏡面反射性に構成されており、各対向する放射源の主な各放出領域において鏡面反射性を有する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記分離部材の、前記放射源にそれぞれ対向する少なくとも1つの表面において反射された放射を、特定のパターンで分布させるため、当該表面は曲面である、
請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記分離部材の、前記第1の放射源に対向する表面は、凸形の曲面であり、かつ/または、前記第2の放射源に対向する表面は、凹形の曲面の部分を少なくとも1つ有する、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記手段は前記管部材内と、当該管部材の少なくとも1つの部分と隣り合う場所または当該少なくとも1つの部分と接触する場所とに、所望の波長領域のUV放射を選択的に透過させ、かつ所望の波長領域外の放射を吸収するフィルタ部材を備えている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記第1の波長領域は200nm未満の領域内であり、かつ、前記第2の波長領域は220nm超の領域内である、
請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記装置はさらに、前記管部材の、前記流れ空間の方を向いた第3の部分では当該流れ空間内へUV放射を放出させない第2の手段を備えている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記第2の手段は、前記少なくとも2つの異なるUV放射源と前記流れ空間との間に、UV放射に対して不透明の要素を備えている、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記第3の部分は、前記少なくとも1つの供給口を指向しており、かつ、前記長手方向中心平面を基準として対称的に配置されている、
請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
前記第3の部分は、前記管部材の周方向において、対応する前記排出スリットの手前最大5°まで延在する、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記第2の部分は、前記少なくとも1つの供給口と前記各排出スリットとの間における流れ経路に沿った前記流れ空間の、最大で最後の1/4の部分と重なり合う、
請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記第2の部分は、前記管部材の中心点を基準として前記ハウジングの前記スリット形の排出口の角度範囲より最大40°大きい角度範囲をカバーする、
請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理するために、UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための装置に関し、当該液体は、装置の領域において局所的に基板の部分領域に塗布され、UV放射はこの液体に入射される。
【0002】
半導体技術では、たとえばフォトマスクの製造中および使用中のいずれにおいても、フォトマスクに複数の異なる処理工程を施すこと、特に洗浄工程を施すことを要することが知られている。たとえば、液体膜を基板上に少なくとも局所的に形成してこの液体膜にUV放射を入射させるウェット洗浄をフォトマスクに施すことが知られている。半導体ウェハの製造中においても、同様の洗浄工程が知られている。かかる洗浄工程では、洗浄を促進するラジカルを液体膜中に生成するためにUV放射の大半が液体膜に吸収されるように、液体とUV放射とを互いに合わせて調整する。とりわけ、たとえば希釈化された過酸化水素水またはオゾン水O‐HO中にてヒドロキシルラジカルを生成することが知られている。かかるヒドロキシルラジカルは、基板表面に金属層がある場合にはこの金属層を攻撃することなく、基板表面からの有機物質の選択的な剥離を引き起こす。しかし、希釈化された過酸化水素水またはオゾン水O‐HOは、基板に到達することが許されない不所望の反応種も含み得る。
【0003】
そのために適した装置は、たとえば本願出願人による独国特許出願公開第102009058962号明細書(DE 10 2009 058 962 A1)から公知である。同出願は特に、本願請求項1の上位概念に記載の装置を開示している。
【0004】
上記装置を背景として、本発明の基礎となる課題は、液体を基板に塗布する前の当該液体の事前コンディショニングを改善することである。かかる改善のため、本装置はさらに、請求項1の特徴部に記載の発明特定事項を具備する。
【0005】
本願では特に、UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための装置であって、
細長いチャンバと、チャンバに向かう方向に開いている少なくとも1つの供給口と、当該少なくとも1つの供給口とは反対側にある、チャンバの長さにわたって延在するスリット形の排出口とを有するハウジング、
チャンバ内を長手方向に通って延在する、少なくとも部分的にUV放射に対して透過性である管部材であって、当該管部材とチャンバの壁との間に、排出口の中心と交差するチャンバの長手方向中心平面を基準として対称的である流れ空間が形成されるように、かつ、当該管部材がハウジングのスリット形の排出口内まで延在して、長手方向に延在する2つの排出スリットを当該管部材とハウジングとの間に形成するように、チャンバ内に配置された管部材、および
流れ空間の方向にUV放射を排出口に通してハウジングから外部へ放出するように管部材内に配置された少なくとも1つのUV放射源
を備えた装置に関するものである。本装置は、管部材の第1の部分を通じて第1の波長領域のUV放射を流れ空間内へ放出させ、かつ、当該管部材の第2の部分を通じてハウジングの排出口を通過するように第2の波長領域のUV放射を放出させ、かつ選択的に、流れ空間の、排出スリットと隣り合った端部領域へ放出させる手段がさらに設けられていることを特徴とする。第1の波長領域と第2の波長領域とは異なっており、両部分のうち少なくとも一方の部分については、各部分を通じて放出される放射出力の最大20%、有利には最大5%が、他方の波長領域に由来するものとなっている。
【0006】
したがって、複数の異なる領域にそれぞれ、特定の目的に合わせ得る異なる放射を導入することができる。たとえば、流れ空間内には主に200nm未満の波長領域の放射を、特に主に185nm前後の領域の放射を入射させることができる。この領域の放射は、反応種を発生または分解させるために、流れ領域内の液状の媒質を分解するために特に適している。たとえば、所望の通りに(オゾンを)分解し、または、たとえば水からOHを生成することができる。その際には、使用される波長領域と媒質との組み合わせが、反応種の発生が行われるか、またはその分解が行われるかを決定し、かかる組み合わせを必要に応じて調整することができる。それに対して、たとえば排出スリットの領域と、流れ空間の外部に位置する領域(処理対象の基板の方向)とにおいては、主に200nm超の波長領域の放射を、特に主に254nm前後の領域の放射を入射させることができる。かかる領域の放射は、液状の媒質中にラジカルを生成するために特に適している。そのために使用される手段は、非常に幅広い様々な性質とすることができる。上述の例では、波長選択の境界を200nm付近に設定したが、他の境界に調整すること、または、異なる波長の他の領域に調整することも可能である。このことは他にも、以下の実施例および本願開示内容全体についても当てはまる。とりわけ、さらにラジカルを生成するため(供給領域において)事前コンディショニングされる液体に第1の波長領域を照射し、その後に(排出領域において)第2の波長領域を照射することによってこの液体を事前コンディショニングすることが可能になる。よって、液体の流れ方向に「自動的に」進行する2段階のプロセスとなる。
【0007】
一実施形態では、前記手段は波長領域ごとに異なる透過特性を有する複数の異なる材料を有し、これらは、管部材の第1の部分および第2の部分の透過特性に影響を及ぼす。たとえば管部材の上部の(流れ空間の少なくとも一部の区切りを成す)第1の部分は、200nm超の領域のUV放射に対して主に不透過性であり(この波長領域の放射のうち管部材を透過するのは50%未満)、それに対して、200nm未満の領域のUV放射に対しては実質的に透過性とすることができる。同様に、少なくとも一部がハウジングから出るように延在している、下部の第2の部分は、200nm未満の領域のUV放射に対して主に不透過性であり(この波長領域の放射のうち管部材を透過するのは50%未満)、それに対して、200nm超の領域のUV放射に対しては実質的に透過性とすることができる。各部分の角度範囲は任意の適切な範囲内とすることができ、さらに別の透過特性を有する他の部分を設けることも可能である。たとえば媒質の導入領域では、媒質が未だ非一様に流れていて、その作用は未だ一様には生じないので、実質的に全く放射を出射しない透過特性とすることができる。
【0008】
管部材の複数の各部分の透過特性は、たとえば当該管部材自体の材料選定によって調整することができる。たとえば、通常のガラスはUV光に対して吸収性であり、それに対して石英ガラスはUVスペクトル領域において透過性である。また、たとえば選択的反射性または選択的吸収性の材料をたとえば層および/またはフィルムの形態で、管部材の各部分の表面に、または各部分と隣り合って設けることもできる。
【0009】
一実施形態では、前記手段は管部材内に少なくとも2つの異なるUV放射源と少なくとも1つの分離部材とを備えており、この分離部材は、当該複数の異なるUV放射源間に配置されており、少なくとも1つの第1の放射源は主に第1の波長領域の放射を放出し、少なくとも1つの第2の放射源は主に第2の波長領域の放射を放出する。「主に」とはここでは、また本願の他の箇所においても、少なくとも80%を意味するものであり、その数値は、各波長領域の放射の強度を基準としている。有利には、分離部材は管部材の実質的に全幅にわたって延在し、分離部材の端部が、管部材の第1の部分と第2の部分との分離を決定する。分離部材の、各放射源に対向する表面の少なくとも一部を鏡面反射性に構成することができ、しかも特に、各対向する放射源の主な各放出領域に対して鏡面反射性とすることができる。かかる構成によって、第1および第2の部分において各波長領域の放射の取り出し効率を向上することができる。
【0010】
各部分によって放出される放射の所定の空間的強度分布を達成するためには、分離部材の、放射源にそれぞれ対向する少なくとも1つの表面において反射された放射を、特定のパターンで分布させるため、当該表面を曲面とすることができる。特に、流れ空間内から外部へ延在する部分では、かかる空間的分布は処理対象の基板の表面におけるラジカルの分布に影響を及ぼすことができるので、有利となり得る。とりわけ、高いラジカル濃度の領域を拡大できる場合もある。たとえば、所望の放射分布を達成するため、分離部材の、第1の放射源に対向する表面を凸形の曲面とし、かつ/または、第2の放射源に対向する表面は、凹形の曲面の部分を少なくとも1つ有することができる。
【0011】
一実施形態では、前記手段は管部材内と、管部材の少なくとも1つの部分と隣り合う場所または当該少なくとも1つの部分と接触する場所とに、所望の波長領域のUV放射を選択的に透過させ、かつ所望の波長領域外の放射を吸収するフィルタ部材を備えている。第1の波長領域はたとえば200nm未満の領域内とし、かつ、第2の波長領域は220nm超の領域内とすることができる。
【0012】
好適には、管部材の、流れ空間の方を向いた第3の部分では流れ空間内へUV放射を放出させない第2の手段を、さらに設けることができる。たとえばこの第2の手段は、少なくとも1つの放射源と流れ空間との間に、UV放射に対して不透明の要素を備えることができる。上述の第3の部分は有利には、少なくとも1つの供給口を指向しており、長手方向中心平面を基準として対称的に配置され、管部材の周方向において、対応する排出スリットの手前最大5°まで延在する。
【0013】
第2の部分はオプションとして、排出スリットの領域において流れ空間内へ放射を放出することもでき、その限りにおいて当該流れ空間と重なり合うことができる。その重なり部は、1つの供給口と各排出スリットとの間の距離の最後の1/4の部分に制限される。ただしこの距離は、流れ空間の内面において流れ方向に沿って測定されるものである。
【0014】
第2の部分は有利には、管部材の中心点から少なくとも、当該管部材の中心点を基準としてハウジングのスリット形の開口の角度範囲に相当する角度範囲をカバーする。換言すると、当該角度範囲は少なくとも、ハウジングのスリット形の開口の範囲をカバーする、ということである。このことによって、ハウジングの開口から実質的に第2の波長領域の放射のみが放出されることが保証される。第2の部分はまた、当該管部材の中心点を基準としてハウジングのスリット形の開口の角度範囲より最大40°大きい角度範囲をカバーすることもできる。換言すると第2の部分は、管部材とチャンバの壁との間に形成される流れ空間の領域とも重なり合い、しかも、排出スリットから各方向にそれぞれ最大20°と重なり合う、ということである。このことによってたとえば、液体が排出される前に流れ空間の端部領域においても既にラジカルを生成することができる。
【0015】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】UV放射が照射される液状の媒質を基板に塗布するための本発明の装置を備えた基板処理装置の概略的な平面図である。
図2】本発明の装置の、図1の線 II‐II に沿った概略的な断面図である。
図3図2と類似するが代替的な実施形態を示す図4中の線 III‐III に沿った概略的な断面図である。
図4図3の本発明の代替的な実施形態のハウジングの、図3の線 IV‐IV に沿った概略的な縦断面図である。
図5図4のハウジングの概略的な斜視図である。
図6図4のハウジングの概略的な平面図である。
図7】クランプ嵌め具の概略的な正面図である。
図8】クランプ嵌め具の作用を説明する、本発明の装置の排出スリットの領域の概略的な水平断面図である。
図9】本発明の装置の複数の異なる構成の放射部の概略的な断面図であり、図9aは通常構成を示しており、図9bおよび図9cは代替的な構成を示している。
図10】他の代替的な実施態様の概略的な断面図である。
図11】他の代替的な構成の放射部の概略的な断面図である。
図12】他の構成の放射部の、図11に類似する概略的な断面図である。
【0017】
以下の説明において使用される、たとえば「上」または「下」、「左」または「右」等の方向についての記載は、各図の図示を基準としており、有利な配置となり得る場合であっても何ら限定するものではない。以下の説明において「孔」との用語は、製造の態様にかかわらず縦に延在する止まり穴または貫通口を指す。すなわち「孔」とは、穿孔プロセスによって作製されることを要せず、任意の適切な手法で作製されることができる。
【0018】
図1は、UV放射によってアシストされる、基板2のウェット処理用、特にチップ製造用のマスクまたは半導体ウェハのウェット処理用の装置1の概略的な平面図であり、ここで基板は、半導体ウェハの製造用のフォトマスク、半導体ウェハ、特にSiウェハ、Geウェハ、GaAsウェハ、InPウェハ、フラットパネル基板、多層セラミック基板のうちいずれか1つとすることもできる。図2は、装置1の、線 II‐II に沿った概略的な断面図である。装置1は基本的に、基板受け部4と塗布ユニット6とから構成されている。基板受け部4と塗布ユニット6とは、適切な手段を用いて正圧または負圧も生成できる、同図に示されていない圧力チャンバ内に収容することができる。
【0019】
ここで、ウェット処理の際には、たとえば希釈化された過酸化水素水もしくはオゾン水O‐HOまたは他の特に水含有の液体等の液体を、基板に塗布できることに留意すべきである。液体へのUV照射の際には複雑な反応が発生し、液体として水を使用する場合だけでも、たとえば14の異なる種が生成され、たとえばHO,H,HO,e‐aq,HO ,O ●-,H,O,H,H,H,HO,O ●-およびHO が生成される。かかる反応は、UV放射が照射されるガス中での反応より格段に複雑であり、かつ、ラジカルは格段に短い寿命を有するので、ウェット処理装置は、ガスを使用する処理装置と簡単に比較することはできない。発生する反応は波長に依存し、波長選択によって特定の方向に影響され得る。
【0020】
基板受け部4は図1に示されているように、平坦な矩形のプレートとして示されており、このプレートは、同様に矩形の基板2を受けるためのものである。また、基板受け部4は異なる形状をとることもでき、処理対象の基板2の形状に合わせることができる。基板受け部4は、液状の媒質を排出するための少なくとも1つの図示されていない排出部を有し、この排出部は塗布ユニット6を介して基板2に取り付けることができる。
【0021】
塗布ユニット6は本体部8と支持部10とから構成されており、支持部10は、双方向矢印AおよびBによって示されているように可動に本体部8を支持する。特に、支持部10は支持アーム12から構成されており、支持アーム12の一端は本体部8に接続されており、当該支持アーム12の他端は、図示されていない駆動装置に接続されている。双方向矢印AおよびBによって示されているように、駆動装置はたとえば支持アーム10の旋回運動を行うことによって本体部8の旋回運動を行うこと、および/または、直線運動を行うことができる。これによって、基板2の部分領域の処理または表面全体の処理を行えるようにするために、基板受け部4に受けられた基板2にわたって本体部8を所望の通りに移動させることができる。さらに、本体部8から基板受け部4上にある基板2の表面までの距離を調整できるようにするため、支持アーム10が往復運動を行うことも可能である。
【0022】
さらに、代替的または追加的に、基板2と本体部8との間で相対運動を行えるようにするため、基板受け部4のための移動機構を設けることも可能である。
【0023】
本体部8は基本的に、ハウジング14と、媒質接続部16と、放射部18とから構成されている。ハウジング14は細長い直方体形のボディ20を有し、このボディ20は適切なプラスチックから、たとえばTFM、変性PTFE等から成る。また、ハウジングは他の適切な材料から成ることも可能である。この材料は、使用される温度および媒質において耐久性を有するように選定される。ボディ20内部には、長手方向に延在するチャンバ22が画定されており、このチャンバ22は全長にわたってボディ20を貫いて延在している。チャンバ22を長手方向において区切るため、ボディ20の長手方向端部に、図示されていないカバー部材を取り付けることができる。ボディ20ひいてはチャンバ22は、以下詳細に説明するように、基板2の全幅にわたって液状の媒質を塗布できるようにするため、基板2の幅寸法より大きい長さを有する。また、ボディ20またはチャンバ22が、より小さい寸法を有することも可能である。チャンバの内壁23は、特にUV放射に対して高い反射率を示し、それに対してIR放射の大部分を吸収するように構成することができる。
【0024】
チャンバ22は基本的に丸形の横断面を有し、チャンバ22はボディ20の下側に向かって開いていることにより、ボディ20はここでは下方向に(基板2に向かって)向いている開口部21を画定する。よって、チャンバ22の内壁23は本断面図では、半円より大きい部分円を形成しており、有利には250°~300°の範囲、特に270°超かつ290°未満の範囲に位置する。
【0025】
チャンバ22の上部分において、ボディ20に、接続部16と流れ連通している少なくとも1つの供給路24が設けられており、これは排出口としての開口部21と完全に反対側に位置する。供給路24は、以下詳細に説明するように、液状の媒質をチャンバ22内へ送ることができるようにするため、チャンバ22と流れ連通している。
【0026】
図1の平面図では3つの接続部16が示されており、これらはそれぞれ、対応する供給路24を介してチャンバ22と流れ連通することができる。また、より多数またはより少数の接続部を設けることも可能である。これらの接続部16を介して単一の液状の媒質をチャンバ22内に送ることができ、または、複数の媒質を同時または順次導入することも可能である。とりわけ、複数の異なる媒質源を接続部16に接続させて、現場で混合を生じさせるために、接続部16を介してたとえば同時に複数の異なる媒質を各接続部16へ送れるようにすることが可能である。媒質としてはたとえば液体を使用することができるが、たとえば、チャンバ22内に導入される前に接続部16内および供給路24内において液体と混合されるガスを供給することも可能である。
【0027】
放射部18は基本的に、管部材30と少なくとも1つの放射源32とによって構成されている。管部材30は細長い形状を有し、チャンバ22全体に沿って延在しており、場合によっては、ボディ20の端部にある図示されていないカバー部材内を通って(またはカバー部材内まで)延在することができる。管部材30は、UV放射に対して実質的に透過性の材料から成り、丸形の横断面を有する。横断面が丸形の管部材30の中心点は、チャンバ22の内壁23の部分円の中心点から排出口としての開口部21の方向にずれており、図2に示されているように、部分的に当該開口部21を通ってハウジング14内から外部に出るように延在している。
【0028】
このようにして、管部材30とチャンバ22の内壁23との間に流れ空間が形成される。流れ空間は、排出口21および供給路24の中央と交差する、チャンバ22の長手方向中心平面C(図3の線 IV‐IV を参照のこと)を基準として対称的になっており、図2の横断面図を見ると分かるように、右側および左側の部分を成している。各部分は、下端部に排出スリット37を有し、この排出スリット37は開口部21の領域において管部材30と内壁23の各端部との間に形成される。流れ空間の各部分は、供給路24から各排出スリット37に向かって漸減していく流れ横断面を有する。特に、流れ空間の流れ横断面はいずれの部分においても、各排出スリット37の方向に連続的に漸減していく。少なくとも1つの供給路24と隣り合った領域における流れ空間の流れ断面と排出スリット37における流れ空間の流れ横断面との比は、10:1~40:1の範囲内であり、有利には15:1~25:1の範囲内である。よって、排出スリット37の方向に流れる媒質は顕著に加速される。媒質の適切な加速によって、流れの一様化がなされ、かつ、排出スリット37における流速が速くなる。これによって、開口部21の下方における液状の媒質の実質的に連続したカーテンの形成が促進され、このカーテンは、その下方に配置された基板2上に液体膜を形成するために使用することができる。
【0029】
図2には、接続部16から供給路24およびチャンバ22を経由してハウジング14内から出て行く液状の媒質の流れを示す流れ矢印が示されている。
【0030】
放射源32は、図示の構成では棒形のランプであり、このランプは管部材30内部の中央に配置されている。棒形のランプ32も、チャンバ22の長さにわたって一様な放射分布を生じさせるため、チャンバ22の全長にわたって延在している。放射源32は主に、所望のスペクトル領域のUV放射を放出し、放出された放射は、チャンバ22の流れ空間内へ放出され、また、開口部21を通ってハウジング14内から外部へも放出される。その際には、以下詳細に説明するように、放射を特定の目的のために特別に選択することができる。開口部21から外部に放出する放射とは異なる放射を流れ空間内に放出するように、放射を制御することもできる。
【0031】
上述の管形の放射源に代えて、または管形の放射源と共に、他の放射源を設けることも可能である。その一部については、以下の実施例に開示されている。特に、管部材30の内部に1つより多くの放射源32を設けることができる。放射源32としてはたとえば、気体放電ランプを使用することができ、また、LED、または、所望のスペクトル領域を(少なくともUV領域も)放出する他の適切な光源を使用することもできる。
【0032】
部材の過熱を回避するため、管部材30と放射源32との間に生じた空間40に冷媒を、特に気体の冷媒を通流させることができる。この冷媒は、実質的にUV放射を吸収しないように選定される。
【0033】
図3~8を参照して、図1の装置で使用できる塗布ユニット6の他の実施形態、特に代替的な本体部108の他の実施形態について説明する。本体部108は基本的に、ハウジング114と、媒質導路116と、放射部118とから構成されている。
【0034】
ハウジング114も、細長い直方体形のボディ120を備えており、このボディ20は適切な材料(たとえばTFM)から成り、長手方向に延在するチャンバ122を有し、チャンバ122はボディ120の全長にわたって延在している。チャンバ122を長手方向において区切るため、ボディ120の長手方向端部に、図示されていないカバー部材を、たとえば、取り外し可能な結合を成すねじ部品によって取り付けることができる。また、他の有利に取り外し可能な結合も可能である。チャンバ122も、液状の媒質の供給を受けるべき基板2の幅寸法より大きい長さを有することができる。
【0035】
チャンバ122も実質的に丸形の横断面を有し、チャンバ122はボディ120の下側124に向かって開いていることにより、下方向に向いている開口部121が画定される。このようにして、チャンバ122の内壁123も部分円を形成しているが、この部分円は半円より大きい。この開口部121の開口角は有利には60°~120°の間の範囲であり、特に70°~90°の間の範囲である。
【0036】
ボディ120の下側124は、当該ボディ120の側壁128に向かって上昇していく勾配を成すように構成されている。この勾配と開口部121との間には実質的に平坦な領域が形成されており、ボディ120は開口部121と直接隣り合う部分に丸み部126を有する。この丸み部は、下側124の実質的に平坦な部分とチャンバ122の丸形の内壁123とを接続し、その高さ位置においてボディ120の本来的な開口部121を画定している。
【0037】
ボディ120の下側124と側壁128との間の移行部分に、複数の斜めの切欠部130が(たとえば、図示されているように各側に5つずつ)設けられている。これらの切欠部130の各領域に、ボディ120はチャンバ122までの貫通孔132を有する。貫通孔132は段付きで形成されており、切欠部130の方を向いているより広幅の領域と、チャンバ122の方を向いているより狭幅の領域とを有する。切欠部130の方を向いているより広幅の領域では、貫通孔132に雌ねじ部が設けられている。各貫通孔132は調整部材134を受容するために使用され、調整部材134は、頭部136と調整部138とを有する、貫通孔132に対応した段付きの形状を有する。頭部136の寸法は、当該頭部136が貫通口132の狭幅の領域に通されて嵌められてチャンバ122内に突出できるように定められている。調整部138は雄ねじ部を有し、この雄ねじ部は貫通口132の広幅部分内の雌ねじ部と係合して、ここでねじ留めされる。調整部138のねじ挿入深さが、調整部材134の頭部136がチャンバ122内に突出する距離を決定する。調整部材134は、使用される温度および媒質において耐久性を有し、かつある程度の弾性を有する適切な材料から、作製されている。特に、PFA材料(ポリフルオロアルコキシルポリマー材料)が適していることが判明している。また、他の材料、特に他のプラスチックを使用することもできる。
【0038】
ボディ120の上側140は、多数の(当該ボディ120の長手方向に対して横方向に延在する)切欠部142を有し、この切欠部142は、ボディ120の長手方向において切欠部130と整合している。各切欠部142の領域にはそれぞれ、さらなる切欠部144およびねじ付き孔146が設けられている。ねじ付き孔146は、切欠部142を塞ぐためのカバープレート147を固定するために使用されるねじ部品を受容するために使用される。
【0039】
切欠部144は、切欠部142の底部においてボディ120の長手方向に対して横方向に延在する第1の部分を有する。切欠部144はさらに、各側壁128に直接隣接してそれぞれ、当該側壁128に対して平行に延在する、深さ方向の部分も有する。よって切欠部144は、図3を見ると最も良く分かるように、実質的にU字形を成している。
【0040】
この切欠部144は、図3を見ると最も良く分かるように、クリップ部材150を受容するために使用される。図7は、取り付けられていないため弛緩した状態にあるクリップ部材150の斜視図である。クリップ部材150は実質的にU字形を有し、(弛緩した状態では)このU字形のクリップ部材150の脚部152が当該クリップ部材150のベース部154から互いに接触することなく互いに対向して延在している。換言すると、両脚部152の自由端部の距離は、ベース部154における両脚部の距離より小さい。よって、クリップ部材150の脚部152がU字形の切欠部144に挿入されると、両脚部152は互いに僅かに離反するように曲がらなければならず、このようにして、ボディ120の、当該脚部を基準として内側の部分に、内側に向かう付勢力を及ぼす。特に、内側に向かう付勢力は調整部材134の領域に及ぼされる。
【0041】
上記にて述べた媒質導路116は、ボディ120と一体で構成されており、この媒質導路116については以下詳細に説明する。媒質導路116は基本的に、供給部材160と、媒質分配流路162と、導入流路164とに分かれる。
【0042】
図示の実施形態では4つの供給部材160が設けられており、これらの供給部材160はボディ120の長手方向に互いに離隔されている。本実施形態では、供給部材160は等間隔には離隔していない。むしろ、中央の供給部材160間の距離は、当該供給部材160からそれぞれ外側にある供給部材160間の距離より小さくなっている。供給部材160はそれぞれボディ120の上側140に設けられており、それぞれ、上側140から上方向に延在する実質的に円錐台形の部分166を有する。円錐台形部分166の上方には環状の接続部分168が設けられており、この接続部分168は、外部の供給路と連通するために適したものとすることが適切である。円錐台形部分166には、鉛直方向に延在する貫通孔170が形成されている。この貫通孔170は供給部材160の円錐台形部分166を完全に貫通して媒質分配流路162まで達しており、以下、この媒質分配流路162について詳細に説明する。
【0043】
媒質分配流路162は、ボディ120の横方向において中間に位置する長手方向孔174によって構成されている。長手方向孔174はボディ120を完全に貫通しており、上側140とチャンバ122との間に配置されている。長手方向孔174の両端部にはそれぞれ幅拡大部分176が設けられており、この幅拡大部分176は、詳細には図示されていない適切なエンドキャップによって封止することができる。媒質分配流路162の本体は、長手方向孔174の中央の、封止されていない部分のみによって構成されている。当業者であれば分かるように、もちろん、長手方向孔174がボディ120の一方の端までのみ達して開いており、この一端のみが幅拡大部176を有し、これを適切に封止できるようにすることも可能である。
【0044】
特に図4を見ると分かるように、媒質分配流路162を構成する長手方向孔174の4箇所が、孔170と流れ連通している。よって、供給部材160を介して導入された媒質を複数の箇所において媒質分配流路162に導入し、その後、この媒質を媒質分配流路162の中でボディ120の長手方向に分配することができる。
【0045】
媒質分配流路162とチャンバ122との間の壁部材177に多数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔は媒質分配流路162とチャンバ122とを流体接続していることにより、導入流路164となっている。図示の実施形態では、12個の導入流路164が設けられている。これらの導入流路164は、孔170からボディ120の長手方向にずらされて配置されている。もちろん、設ける導入流路164の数を別の数にすることも可能である。供給流路164はボディ120の長手方向に有利には等間隔に離隔されており、チャンバ122内での流れの一様性を促進するためには、3/100mm~12/100mmの範囲の密度、特に4/100mm~10/100mmの密度が現在のところは有利となる。
【0046】
壁部材177の、チャンバ122の方を向いた側には、2つの止まり穴178(図4参照)が設けられており、これらの止まり穴178はそれぞれ、スペーサ179(図3参照)を受容するために使用される。スペーサ179は、使用される温度および媒質において耐久性を有し、かつある程度の弾性を有する適切な材料から作製されている。特に、このスペーサ179についても、調整部材134で使用されるものと同様のPFAを使用することができる。スペーサ179はそれぞれ、各1つの止まり穴178に受容されるための図示されていない脚部と、図3に示されている円錐台状の本体部とを有する。
【0047】
以下、本実施形態の放射部118について詳細に説明する。放射部118は、管部材180と少なくとも1つの放射源182とを有する。これらの構成は、第1の実施形態の管部材30および少なくとも1つの放射源32の構成と実質的に同一である。管部材180は、丸形の横断面を有する細長い形状を有し、UV放射に対して実質的に透過性の材料から成る。管部材180はチャンバ122内に、その全長にわたって延在するように収容されており、横断面が丸い管部材180の中心点は、チャンバ122の内壁123の部分円の中心点から開口部121の方向にずれている。この丸形の管部材180も、部分的に開口部121を通ってハウジング114から出るように延在している。ここでも、管部材180とチャンバ122の内壁123との間に流れ空間184が形成されており、この流れ空間184は、開口部121および供給部材160の中央と交差する、チャンバ122の長手方向中心平面Cを基準として対称的となっている。図3の横断面図を見ると分かるように、流れ空間184は右側および左側の部分を成している。各部分の下端部には、排出スリット186が設けられている。流れ空間の各部分は、導入流路164から各排出スリット186に向かって漸減していく流れ横断面を有する。この流れ横断面は、第1の実施形態と同様に漸減していく。
【0048】
図3の断面図を見ると分かるように、管部材180は各調整部材134の頭部136に載置されており、管部材180の上側はスペーサ179と接触している。よって、これらは3点接触方式をとっており、この3点接触方式により、調整部材134とスペーサ179とは、チャンバ122内における管部材180の正確な位置を決定する。図から分かるように、調整部材134を介してある程度の範囲内で、排出スリット186の幅を調整することができる。調整部材134の各頭部136は点載置部を成しており、この点載置部は、頭部の周囲における媒質の流れをほとんど阻害しないので、排出スリット186の領域において実質的に連続した媒質カーテンを形成することができる。放射源132は、第1の実施形態と同様に管部材180内部に配置することができる。
【0049】
図2の実施形態の本体部8と図3~7の第2の実施形態の本体部108との主な相違点は、媒質導路の領域である。第1の実施形態では供給路24を介して媒質をチャンバ122内に直接導入するのに対し、第2の実施形態では、チャンバ内への媒質は供給部材160を介して媒質分配流路162内へ導入されてから、その後に導入流路164を介してチャンバ122へ導入される。このことによって、ボディ120の長手方向における液状の媒質の分布がより一様になる。よって、チャンバ122の領域では流れ空間184内の流れがより一様になる。特に、流れ空間184の横断面が漸減していくことと相俟って、一様な液体カーテンを形成するために排出スリット186において一様な流れを達成することができる。
【0050】
もう1つの相違点は、クリップ150、調整部材134およびスペーサ179の領域であるが、これらは第1の実施形態でも同様に設けることができる。チャンバ122の領域において内側に向かう付勢力を生じさせるクリップ150の機能については、図8aおよび図8bを参照して詳細に説明する。媒質導路116を介して液状の媒質をチャンバ122内に導入すると、チャンバの内壁123に、外側に向かう圧力が生じる。とりわけ、チャンバ122の幅が最も大きくボディ120の横断面が小さくなる領域において、そのような圧力によってボディ120の変形が生じて、排出スリット186における距離が拡大し得る。このことは特に、ボディ120の長手方向において中間の領域に当てはまる。というのも端部では、図示されていないカバーキャップがその変形を阻止するからである。
【0051】
とりわけ図8aでは、たとえば排出スリット186の幅が中間領域において格段に拡大し得ることが示されており、この拡大によってもちろん、排出スリット186からの媒質排出が相応に変化し得る。このことによって、一様な媒質分布が阻害される可能性がある。クリップ150を使用することによって、図8bに示されているように、一様な媒質分布が阻害されることを回避することができる。クリップ150は、特に調整部材134と組み合わせることで、排出スリット186の均一な幅を保証することができる。クリップ150はまた、特に調整部材134と組み合わせることで、流れチャンバの流れ横断面の変化に依存することもなく、排出スリット186の一定の幅を保証するために有利となり得る。
【0052】
以下、図9~12を参照して、第1の実施形態の放射部18の複数の異なる構成を詳細に説明する。しかしこれらの構成は、第2の実施形態にも同様に使用することができる。
【0053】
図9aは、丸形の横断面の管部材30の中央に棒形の放射源32を配置したものから構成された、図2に類似する通常の構成を示している。以下では、適切である限りにおいて、第1の実施形態において使用されているものと同一の符号を使用しており、これら複数の異なる構成はもちろん、第2の実施形態でも使用することができる。
【0054】
チャンバ22および供給路24を有するハウジング14は、概略的にのみ示されている。このユニットの下方に、基板2が概略的に示されている。
【0055】
この構成の概略図の下方に、2つのグラフを示しており、上方のグラフは、供給路24を介してたとえばH等の液状の媒質を基板上に送って放射源32を動作させた場合の、基板2の表面上におけるラジカルの濃度の分布を示している。下方のグラフは、このラジカルによって促進される洗浄過程の際の、基板上のレジスト層厚の達成可能な変化を示しており、同グラフでは定常のプロセス制御を前提としている。すなわち、ユニットは基板上を移動せずに静止状態となっている。両分布は、正規化された図で示されている。
【0056】
同図からまず分かるように、ラジカル濃度は、除去されたレジスト層に直接影響を及ぼす。ラジカル濃度はチャンバ22の長手方向中心平面の領域(破線参照)において最大となり、外側に向かうにつれて大きく減少していく。よって、基板2の表面上におけるラジカル濃度は、チャンバ22に対して横方向において大きく異なってくる。一様の(高い)ラジカル濃度の領域を拡大するため、放射部18の複数の異なる構成を提案する。
【0057】
たとえば、図9bの構成は、放射源32を備えた管部材30を示している。放射源32は上述のものと一致する。それに対して管部材30は、メインボディ20の開口部21の下方に平坦部を有する。この平坦部は、通常の向きの場合に水平方向に延在し、かつ、メインボディの下側に対して実質的に平行に延在するように配置されている。この平坦部によって、管部材30の平坦な下側を基板2の表面に対して平行に配置することができる。このように平行に配置できることにより、この領域における距離が均一になることが保証される。このことによって、管部材30と基板2の表面との間に一様の液体膜を形成することができ、しかも、平坦部の幅にわたって、基板2の表面上におけるラジカル濃度が実質的に一様になるように形成することができる。かかる場合、ラジカル濃度は、入射して基板2の表面に到達した光強度に実質的に比例する。
【0058】
したがって、一定の高さのラジカル濃度を有する領域は図9aの構成に比して格段に拡大し、また、レジスト層厚の変化が大きい領域も拡大し、これにより、当該構成の効率が改善される。
【0059】
図9cは、上述の構成に代わる代替的な構成を示す。本構成でも、丸形の横断面を有する管部材30を使用する。放射源32も、上述のものと同一である。管部材30は、異なる領域ごとにそれぞれ異なる透過率を有するように変更されている。よって、管部材30の、チャンバ22内部に位置する領域は、第1の透過率を示し、チャンバ22外部の場所は、別の第2の透過率を示す。とりわけ、第1の領域はたとえば、UV放射に対して可能な限り高い透過率を示す。すなわち流れチャンバ内では、放射源32によって出力されたほぼ全部のUV放射を、チャンバ22に導入することができる。
【0060】
それに対して、管部材30の、チャンバ外部に位置する領域の透過率は、UV放射に対する吸収率または反射がより高いことに起因して、低くなっている。特に、管部材30の透過率は長手方向中心平面の領域において最小になり、この領域から、透過率は排出スリット36の方向に漸増していく。このことによって、図9cのグラフに示されているように、メインボディ20の開口部21の幅にわたって実質的に均一のラジカル濃度が生じるように、基板2の表面上の液体中におけるUV光の放射強度を調整することができる。このことに応じて、レジスト厚を均一の高さで除去する幅も拡大する。
【0061】
管部材自体の材料によっても、同様の作用を達成することができ、また、管部材の適切な領域に、または当該領域に隣り合った場所に、コーティングまたはフィルムを設けることによっても達成することができる。液体の異物混入を回避し、また、使用される媒質に対するコーティングの耐久性を無視できるようにもするためには、コーティングまたはフィルムを管部材内部に配置するのが有利となり得る。
【0062】
図10a~10cには、放射部18の他の構成が示されており、各図でもそれぞれ、チャンバ22および供給路24を備えたハウジング14が概略的にのみ示されている。また、同図でも基板2が概略的に示されている。図9a~9cのようなグラフは、図10では示されていない。
【0063】
図10aの構成でも、放射源32は1つ設けられており、これは管部材30に収容されている。本構成では、管部材30の、チャンバ22内にある部分に、鏡面加工部が設けられている。この鏡面加工部はたとえば、管部材のたとえば内部または外部に設けられた層またはフィルムとして構成することができる。この鏡面加工部は、放射源32から来た放射に対して完全に反射性とすることができ、または、特定の波長領域でのみ反射性とすることもできる。鏡面加工部の形状は、使用時すなわち媒質供給時に、放射源から出射した放射が開口部21の幅にわたって基板に実質的に一様に入射し、これによって基板表面上における媒質のラジカル濃度が実質的に一様となるように、構成されている。こうするためには、管部材30から出射した放射の強度は、長手方向中心平面Cの領域よりも排出スリット36と隣り合った領域において高くなる必要がある。
【0064】
図10bは、鏡面加工部の他の一構成を示しており、本構成では、上部分が平坦であり断面が管部材の丸形の形状に対して弓弦を成している、他の形状の鏡面加工部が示されている。かかる形状によって、特に管部材30の上部分(鏡面加工部の上方)に他の放射源(図示されていない)を設けることが可能になる。この他の放射源は、流れ流路の領域において、排出スリット36の領域および基板2の方向とは異なる放射を行うため、放射源32とは異なるスペクトル領域を放出することができる。ラジカル濃度の一様化の他、同図では波長選択(装置の複数の異なる領域において、特にチャンバ22内部とボディ20外部とにおいて、それぞれ異なる1次スペクトル領域を有する放射を行うこと)も達成することができる。
【0065】
このことは、鏡面加工部の選択的な反射特性によっても達成することができ、この選択的な反射特性はたとえば、200nm未満の領域のUV放射を透過させ、かつ200nm超のUV放射を実質的に反射させるというものである。このことはもちろん、図10aの実施形態にも同様に当てはまる。
【0066】
いずれの場合においても、すなわち図10aおよび図10bの構成では、波長選択のためにボディ20内部に追加の放射源を、外部からチャンバ22内へ放出するように配置することも可能である。かかる場合、チャンバ22内に放出される放射は、とりわけ主に200nm未満の範囲、たとえば約185nm付近とすることができる。チャンバ22から開口部21を介して外部へ放出される放射は、とりわけ主に200nm超の範囲、たとえば約254nm付近とすることができる。200nm未満の放射は、主に流れ流路内の媒質の分解に用いるべきものである一方、200nm超の放射は、主にラジカルを生成するために用いるべきものである。
【0067】
上述の構成では、放射強度の所定の空間的分布の他、流れチャンバ内では、チャンバ内から外部へ基板2の方向に放出される放射とは異なる放射を行う波長選択も、容易に追加して行うことができる。
【0068】
図10cの実施形態も同様に見ることができる。本実施形態でも、放射部18は管部材30を備えている。管部材内部には第1の放射源32が設けられており、この第1の放射源32は上述の形式とすることができる。この第1の放射源の下方に、上方向に凹形に湾曲しているミラー要素200が設けられており、このミラー要素200は、放射源32から出た放射を実質的に上方向に反射し戻す。ミラー要素200の下方に、複数の第2の放射源210の配置が設けられている。とりわけ、7つの放射源210が示されている。これらの放射源210は、それぞれ少なくともUV領域の光を放出し、しかも、それぞれ異なる強度比で放出する。とりわけ、放射源のうち中央の放射源210から外側の放射源210に向かうにつれて、強度が連続的に増加していく。すなわち、最外側にある放射源210が、最大強度の光を放出する、ということである。本構成でも、基板表面上における光の強度分布をより一様とすることができ、このことによってラジカル分布もより一様にすることができる。
【0069】
特に、ボディ20の開口部21の幅にわたって、上掲の利点を有する実質的に一様のラジカル濃度を達成することができる。その上、本構成によって、流れ空間内に、開口部21から出るスペクトル領域とは異なるスペクトル領域の放射を放出できるように、ある程度の波長選択を実現することもできる。
【0070】
たとえば、第1の放射源はここでも200nm未満の領域、たとえば約185nm付近を放出することができ、これに対して放射源210は、たとえば200nm超の領域、特に約254nm付近を放出することができる。
【0071】
図11および図12は、さらに他の構成の放射部18を示している。同図でも、チャンバ22ならびに開口部21を備えたボディ20および基板2は、概略的に示されている。
【0072】
図11の構成の放射部18も管部材30を備えており、この管部材30はUV放射に対して実質的に透過性である。管部材30の内部に2つの放射源220および222が示されている。これら2つの放射源220,222は、管部材30内部において上下に重なって配置されている。放射源220,222はそれぞれ異なる態様であり、とりわけそれぞれ異なるスペクトル領域を放出する。たとえば、上方の放射源220は主に200nm未満のスペクトル領域、たとえば185nm付近を放出し、これに対して下方の放射源222は、主に200nm超のスペクトル領域、たとえば254nm付近を放出する。
【0073】
放射源220と222との間に、曲面の反射器226が設けられており、この反射器226は両面反射性である。この反射器は、流れ空間内に放出される放射と、開口部21から外部へ放出される放射との分離を実質的に引き起こす。反射器226は、各流れ流路の(排出スリット36と隣り合った)端部領域内に、上方の放射源220および下方の放射源222の双方からの放射が放出されるように配置されている。
【0074】
上記にて述べたように、200nm未満の放射は主に流れ流路内の媒質の分解を実質的に引き起こすものである一方、200nm超の放射は、ラジカルを生成するために用いられる。このような生成を可能な限り流れ流路の端部領域で既に行うことが望ましいので、上述の構成は有利である。反射器226の、下方向を向いた領域の曲率は、ここでも、上述のように基板上における放射の強度分布が可能な限り一様になるように、特別に選択することができる。
【0075】
図12の実施形態では、放射源32を1つ備えた管部材30が設けられている。管部材30の方は、チャンバ22内部とチャンバ22外部とで異なる吸収特性を有する。とりわけ、管部材30の、チャンバ外部に位置する領域は、UV放射に対して実質的に透過性であるのに対し、管部材30の、チャンバ22内部に位置する領域は、UV放射の大半の割合を吸収する。とりわけ、チャンバ22内部に位置する領域の吸収特性は、主に200nm超の領域のUV放射を吸収するように調整されている。図12を見ると分かるように、実質的に透過性の領域の一部はチャンバ22内まで達するので、上記のように200nm超のUV放射は、チャンバ22の、排出スリット36と隣り合った端部領域内にも放出され、この端部領域において既に所望のラジカル生成が達成される。
【0076】
チャンバ22の端部領域と管部材30の透過性領域との適切な重なりは、管部材の中心点を基準として最大20°の角度範囲で得ることができる(よって、両端部領域を合わせた重なりは、最大40°)。このことは、本実施形態にのみ適用できるのではなく、流れ流路内とハウジングの外部とで選択的に異なる波長の放射を放出する他の実施形態にも、適用することができる。これは具体的には示されていないが、管部材の、流れ空間の方を向いた第3の領域では、流れ空間内へUV放射が放出されないことを引き起こす、追加の手段を設けることができる。たとえばこの第2の手段は、少なくとも1つの放射源と流れ空間との間に、UV放射に対して不透明(不透過性)の要素を備えることができる。上述の第3の領域は有利には、少なくとも1つの供給口を指向しており、長手方向中心平面を基準として対称的に配置され、管部材の周方向において60°を超えては延在しない。
【0077】
以下、装置1の動作について詳細に説明する。以下の説明ではまず、図1および図2の構成を前提とする。しかし、この動作のフローは異なる実施形態においても変わらない。
【0078】
塗布ユニット6、特にその本体部8を、基板2と隣り合う位置に配置する。この位置では、開口部21から出た液体は基板2に達しない。媒質接続部16を介して、たとえば希釈化された過酸化水素水またはオゾン水O‐HO等の液状の媒質をチャンバ22に導入しながら、同時に放射源32をスイッチオンする。
【0079】
管部材30とチャンバ22の内壁23との間の流れチャンバ内に液体流が生じ、この液体流は排出スリット36の方向に加速される。特に、供給路24の端部における上方に位置する領域から排出スリット36までの液体の流速は、適切な横断面変化によって、10:1~40:1の比で、有利には15:1~25:1の範囲の比で加速される。
【0080】
本体部8の下方では水のカーテンが形成され、この水のカーテンは、本体部8の長さの大部分にわたって一様に延在する。放射源32から放出された放射によって、流れ流路内の液体、すなわち供給部24と排出スリット36との間の液体は分解されて、液体中の不所望の反応種が破壊される。それと同時に、放射によってラジカルが生成される。このメカニズムは主に、放射の複数の異なるスペクトル領域で生じる。よって、分解のためには200nm未満のスペクトル領域の放射が有利であり、それに対してラジカル生成のためには、200nm超の放射、特に約254nm付近の放射が望ましい。図9~11に記載されているような特別な措置をとらない場合、放射源32から出射される放射は、流れ流路の領域とボディ20外部とでは実質的に同一であり、通常は200nm超の放射成分と200nm未満の放射成分との双方を含む。流れ流路内における加速流によって、流れの一様化が達成され、これによって大きな幅にわたって液体のカーテンが一様に形成される。
【0081】
上記にて説明したように、流れ流路内では液体が分解されて不所望の反応種が破壊され、なおかつ、ラジカル、特にヒドロキシルラジカルが生成される。かかるラジカルは特に排出スリット36の領域においても生成されるので、塗布ユニット6の本体部8を基板2にわたって移動させた場合、このラジカルは、基板2の表面上に達するために十分な時間にわたって存続することができる。
【0082】
基板2はたとえば、レジスト残留物を洗浄除去しなければならないフォトマスクである。かかる洗浄は、マスクの面全体で行うことができ、またはマスクの特定の領域でのみ行うことも可能である。塗布ユニット6の本体部8を基板にわたって移動させることにより、液体カーテンも基板2にわたって移動する。放射源32によって、液体中に連続的にラジカルが生成され続け、そのラジカル生成は、特に排出スリットの領域とボディ20の開口部21の下方とにおいて重要であり、場合によっては、実施形態において説明したような特定の措置によって、この場所に集中される。このようにして、開口部21の下方の液体がラジカルを帯び、レジスト洗浄のために特に効果的となる。ラジカルの崩壊は速いので、開口部21の下方以外の領域内の液体は、これほどは効果的ではなくなる。
【0083】
全体塗布の速度は、ラジカルを帯びた液体の基板上における滞留時間を十分な長さにするために、必要とされる洗浄結果となるように調整することができる。マスクが適切に洗浄された場合、媒質供給を停止して放射源をスイッチオフすることができ、または、次の基板2を同様に処理することができる。
【0084】
上記にて本発明を、本発明の有利な実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれらの具体的な実施形態に限定されない。とりわけ、適切な両立性が達成される限りにおいて、各実施形態の複数の異なる発明特定事項を自由に互いに組み合わせ、または交換することができる。特に、付勢要素とスペーサピンとの組み合わせは、流れ空間の流れ横断面の変化にも依存することなく、排出スリットの一定の幅を保証するために有利となり得ることに留意すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9a)】
図9b)】
図9c)】
図10a)】
図10b)】
図10c)】
図11
図12