(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】可変力電子式車両クラッチペダル
(51)【国際特許分類】
G05G 5/03 20080401AFI20220114BHJP
B60K 23/02 20060101ALI20220114BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20220114BHJP
【FI】
G05G5/03 Z
B60K23/02 A
G05G1/30 E
(21)【出願番号】P 2019510620
(86)(22)【出願日】2017-08-21
(86)【国際出願番号】 US2017047723
(87)【国際公開番号】W WO2018039098
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2016-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516220468
【氏名又は名称】シーティーエス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4925 Indiana Ave. Lisle, Illinois 60532 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マクカファーティ,ジェラード
(72)【発明者】
【氏名】ベルシャー,ローリー
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-504056(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102012217541(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 5/03
B60K 23/02
G05G 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに結合され、
第1の車両ペダル締結方向へのペダルアームに対する足の力の印加に応じて前記ハウジングに対して回転可能であり
、複数の表面部を含む接触面を画定するペダルアームと、
前記ハウジングの周囲を枢動自在であり、前記ペダルアーム
の前記接触面と当接する第1の端部を有するフォースレバーと、
前記ペダルアームと当接する第1の端部及び、前記フォースレバ
ーと当接する第2の端部を有する圧縮性部材と、
を備え、
前記第1の車両ペダル締結方向への前記ペダルアームに対する足の力の印加が、前記フォースレバーの枢動及び、
大きさが増大し、その後減少し、その後増大する前記ペダルアームの前記第1の車両ペダル締結方向への前記ペダルアームに対する力を発生させる、前記ペダルアームの前記複数の表面部に沿った前記フォースレバーの摺動をもたらす、
車両ペダル。
【請求項2】
ハウジングと、
前記ハウジングに結合され、それに対して回転可能であり、前記ハウジングに対して回転可能である遠位ドラムを含み、勾配の異なる複数の表面部を含む接触面を画定するペダルアームと、
前記ハウジングの周囲を枢動自在であり、前記ペダルアームの前記ドラム上で前記接触面と当接する第1の端部を有するフォースレバーと、
前記ペダルアームと当接する第1の端部及び、前記フォースレバーの第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材と、
前記フォースレバーの前記第1の端部に取り付けられ、前記ペダルアームの前記ドラムの前記接触面と当接する、接触部材
を備え、
前記ペダルアームの回転が、前記フォースレバーの枢動及び、前記圧縮性部材による、前記ペダルアーム上の大小の力の作用をもたらす、車両ペダル。
【請求項3】
前記接触部材が、前記ペダルアームの前記ドラムの前記接触面と当接する遠位先端部で終端する先端を含む、請求項2に記載の
車両ペダル。
【請求項4】
前記フォースレバーの前記第1の端部内で画定されたレセプタクルであって、前記接触部材が、前記フォースレバーの前記第1の端部内で画定された前記レセプタクル内に位置し、取り付けられる、前記レセプタクルをさらに備える、請求項3に記載の
車両ペダル。
【請求項5】
前記ハウジングの周囲の、また、それに対する枢動移動のために前記フォースレバーを取り付けるために、前記ハウジングまたは前記フォースレバーの一方が一対のスロットを含み、前記ペダルハウジングまたは前記フォースレバーの他方が、前記一対のスロット内に延在する一対のイヤーをそれぞれ含む、請求項1に記載の
車両ペダル。
【請求項6】
前記ドラム上の前記接触面が、第1のアール面部及び、前記第1のアール面部から離間した第2のアール面部及び、その間の細長いストレート面部を含み、前記フォースレバーが、前記ペダルアーム上で可変力を発生させるために、前記第1の、第2の、及び第3の表面部に沿って、また、それに対して摺動するよう適合された、請求項
1に記載の
車両ペダル。
【請求項7】
内部空洞
を画定する基
部を含むハウジングと、
前記ハウジングに結合され、
第1の車両ペダル締結方向へのペダルアームに対する足の力の印加に応じて前記ハウジングに対して回転可能であり、前記ペダルハウジングの前記空洞内
に延在するドラムを含むペダルアームであって、前記ドラムが、長さ及び勾配が異なる複数の表面部を含む外部接触面を有す
る前記ペダルアームと、
前記ハウジングの周囲を枢動自在であり、前記ドラム
の前記接触面の前記複数の前記表面部に対する摺動接触に適合された第1の端部において接触部材を含むフォースレバーと、
前記ペダルアームの下側と当接する第1の端部及び、前記フォースレバーの第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材と、
を備え、
前記ペダルアームが
前記第1の車両ペダル締結方向への前記ペダルアームに対する足の力の印加に応じて前記ペダルハウジングの周囲を回転可能であり、前記ハウジングに対する前記フォースレバーの枢動
及び、前記ペダルアームの前記ドラムの長さ及び勾配が異なる前記複数の前記表面部に対する前記フォースレバーの前記接触部材の摺動接触を引き起こし、前記圧縮性部材に
、大きさが増大し、その後減少し、その後増大する前記ペダルアームの前記第1の車両ペダル締結方向への前記ペダルアームに対する可変力を作用させる、
車両ペダル。
【請求項8】
離間し、同一線上にあるそれぞれのスロットを画定する一対の離間した張出部を有する基部を含むハウジングと、
一対の離間したイヤーを含むフォースレバーであって、前記ハウジングの前記基部の周囲の枢動移動のために、前記フォースレバーを取り付けるために前記それぞれの張出部内に画定された前記それぞれのスロット内に着座する前記それぞれの一対のイヤーとの関係において、前記ハウジングの前記基部に着座する前記フォースレバーと、
前記ハウジング内に延在し、その周囲を回転可能であり、前記フォースレバーの一端に当接した状態のノーズを含むペダルアーム
であって、前記フォースレバーが、前記フォースレバーの前記一端内に取り付けられた接触部材を含み、前記接触部材が前記ペダルアームの前記ノーズに当接する、前記ペダルアームと、
前記フォースレバーの他端と当接する一端及び、前記ペダルアームの下側と当接する他端を含む圧縮性部材と、
を備え、
前記ハウジングに対する前記ペダルアームの回転が前記ペダルアームの前記ノーズの回転をもたらし、それにより、前記フォースレバーの前記一端の移動がもたらされ、前記フォースレバーの枢動がもたらされ、前記圧縮性部材の圧縮及び前記ペダルアーム上の大小の力の付与がもたらされる、
車両ペダル。
【請求項9】
前記接触部材が、前記ペダルアームの前記ノーズに当接した状態の遠位先端部で終端する先端を含む、請求項
8に記載の
車両ペダル。
【請求項10】
前記先端が、前記遠位先端部で終端する一対の傾斜面を含む、請求項
9に記載の
車両ペダル。
【請求項11】
前記接触部材が、前記先端を前記フォースレバーに取り付けるために、前記フォースレバーの前記一端内に画定されるレセプタクル内に延在するネックを含む、請求項
9に記載の
車両ペダル。
【請求項12】
前記ノーズが、前記ペダルアーム上に前記大小の力を発生させるために、様々な勾配及び長さの複数の表面部を有する外面を含む、請求項8に記載の
車両ペダル。
【請求項13】
前記ノーズの前記外面が、第1の、及び第2の離間したアール面部ならびにその間のストレート面部を含む、請求項
12に記載の
車両ペダル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月22日付で出願された米国特許仮出願番号第62/378,038号の出願日の優先権及び利益を主張し、本開示及び内容は、本明細書において参照することにより、明示的に援用される。
【0002】
本発明は一般に、電子式車両クラッチペダルに関し、より詳細には、可変力電子式車両クラッチペダルに関する。
【背景技術】
【0003】
車両クラッチペダルは長年、手動変速機車両において利用されている。クラッチペダルは現在、機械式であり、機械的クラッチ締結解放連結を含む。特に、クラッチペダルは、車両のクラッチを動作させ、クラッチの解放及び締結と相関して、ペダルを通じて力を感じることによりドライバーがクラッチを制御することを可能にするフォースフィードバックをドライバーに提供する機械的システムを作動させる。
【0004】
車両効率及びドライバーの快適度を向上させるために、全電子式クラッチペダル解決策への移行が継続している。しかし、単に機械的出力クラッチシステムを削除し電子フィードバックを付加するだけでは、ペダルはクラッチの感触がしなくなり、クラッチの締結及び解放ポイントをドライバーが探し当て、感じることができなくなるため、望ましくない状態になる。
【0005】
本発明は、機械的クラッチ締結解放連結を用いたクラッチペダルの感触及び力をシミュレーションするよう適合された構造及び特徴を含む、機械的連結が不要な可変力電子式車両クラッチペダルを対象とする。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ハウジング、ハウジングに結合され、それに対して回転可能であり、ハウジングに対して回転可能である遠位ドラムを含み、勾配の異なる複数の表面部を含む接触面を画定するペダルアーム、ハウジングの周囲を枢動自在であり、ペダルアームのドラム上の接触面と当接する第1の端部を有するフォースレバー、ならびに、ペダルアームと当接する第1の端部及びフォースレバーの第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材を備え、ペダルアームの回転により、フォースレバーの枢動及び、圧縮性部材によるペダルアーム上での大小の力の作用をもたらす、電子式車両クラッチペダルを対象とする。
【0007】
一実施形態において、接触部材はフォースレバーの第1の端部に取り付けられ、ペダルアームのドラムの接触面と当接する。
【0008】
一実施形態において、接触部材はペダルアームのドラムの接触面と当接する遠位先端部で終端する先端を含む。
【0009】
一実施形態において、レセプタクルはフォースレバーの第1の端部において画定され、接触部材が、フォースレバーの第1の端部において画定されるレセプタクル内に位置し、取り付けられる。
【0010】
一実施形態において、ハウジングまたはフォースレバーの一方は一対のスロットを含み、ペダルハウジングまたはフォースレバーの他方は、ハウジングの周囲の、また、それに対する枢動移動のためのフォースレバーを取り付けるために一対のスロット内に延在する一対のイヤーを含む。
【0011】
一実施形態において、ドラム上の接触面は、第1のアール面部、第1のアール面部から離間した第2のアール面部、及び、その間の細長いストレート面部を含み、フォースレバー上の接触部材は、ペダルアーム上に可変力を発生させるために、第1の、第2の、及び第3の表面部に沿って、また、それに対して摺動するよう適合されている。
【0012】
本発明はまた、内部空洞を共に画定する基部及び一対の離間した側壁を含むハウジング、ハウジングに結合され、それに対して回転可能であり、ペダルハウジングの空洞内に、また、離間した側壁の間に延在し、長さ及び勾配が異なる複数の表面部を含む外部接触面を有するノーズを含む遠位ドラムを含むペダルアーム、ハウジングの周囲を枢動自在であり、ドラムのノーズ上の接触面の複数の表面部に対する摺動接触に適合された第1の端部において接触部材を含むフォースレバー、ならびに、ペダルアームの下側と当接する第1の端部及び、フォースレバーの第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材を備え、ハウジングに対してフォースレバーを枢動させ、圧縮性部材にペダルアームに対する可変力を作用させるために、ペダルアームがペダルハウジングの周囲を回転可能である、電子式車両クラッチペダルを対象とする。
【0013】
本発明はさらに、離間し、同一線上にあるそれぞれのスロットを画定する一対の離間した張出部を有する基部を含むハウジング、一対の離間したイヤーを含み、ハウジングの基部の周囲の枢動移動のために、フォースレバーを取り付けるためのそれぞれの張出部内で画定されるそれぞれのスロット内に着座するそれぞれの一対のイヤーとの関係においてハウジングの基部に着座するフォースレバー、ハウジング内に延在して、その周囲を回転可能であり、フォースレバーの一端と当接した状態のノーズを含むペダルアーム、ならびに、フォースレバーの他端と当接する一端及び、ペダルアームの下側と当接する他端を含む圧縮性部材を備え、ハウジングに対するペダルアームの回転により、ペダルアームのノーズの回転をもたらし、それによりフォースレバーの一端の移動をもたらし、それによりフォースレバーの枢動をもたらし、それにより圧縮性部材の圧縮及びペダルアーム上での大小の力の付与をもたらす、電子式車両クラッチペダルを対象とする。
【0014】
一実施形態において、フォースレバーは、フォースレバーの一端内に取り付けられ、ペダルアームのノーズに当接する接触部材を含む。
【0015】
一実施形態において、接触部材は、ペダルアームのノーズに当接した状態の遠位先端部で終端する先端を含む。
【0016】
一実施形態において、先端は、遠位先端部で終端する一対の傾斜面を含む。
【0017】
一実施形態において、接触部材は、フォースレバーの先端を取り付けるためにフォースレバーの一端内で画定されたレセプタクル内に延在するネックを含む。
【0018】
一実施形態において、ノーズは、ペダルアーム上で大小の力を発生させるために、様々な勾配及び長さの複数の表面部を有する外面を含む。
【0019】
一実施形態において、ノーズの外面は、第1の、及び第2の離間したアール面部ならびにその間のストレート面部を含む。
【0020】
本発明の他の利点と特徴は、本発明の好適な実施形態の以下の詳細な説明、添付図面及び添付の特許請求の範囲と合わせて検討すれば、より容易に明らかとなる。
【0021】
本発明のこれら及びその他の特徴は、以下の添付図面の説明により、最もよく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による、可変力電子式車両クラッチペダルの斜視図である。
【
図2】本発明による、可変力電子式車両クラッチペダルの分解斜視図である。
【
図3】本発明のペダルのフォースレバーの拡大斜視図である。
【
図4】本発明のペダルのフォースレバーの拡大分解斜視図である。
【
図5】本発明のペダルのフォースレバーの拡大縦断面図である。
【
図6】ペダルアームがアイドル解放位置にある、可変力電子式クラッチペダルの縦断面図である。
【
図7】ペダルアームが中間締結回転位置にある、可変力電子式車両クラッチペダルの縦断面図である。
【
図8】ペダルアームが完全締結回転位置にある、可変力電子式車両クラッチペダルの縦断面図である。
【
図9】本発明による、電子式車両クラッチペダルのペダルアームの力対移動のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から8は、本発明による、可変力電子式車両クラッチペダル10を示す。
【0024】
ペダル10は、内部中央ハウジング空洞16を共に画定する、基部13、離間して対向し、平行であり、直径方向に対向した、それぞれの側壁15のそれぞれの外部長手方向縁部から概ね通常に上方に外向きに延在する側壁15、基部13の横方向に細長い後縁部から概ね上方に外向きに延在する後壁17、及び頂壁19を含むペダルハウジング12を備える。基部13はまた、車両(図示せず)の床(図示せず)にペダル10を取り付けるためのそれぞれの貫通孔を画定する複数のコーナーブラケット21を含み、かつ画定する。
【0025】
図2を参照すると、ハウジング12は、それぞれの側壁15の内面から外向きに延在し、ハウジング12の基部13の上部外面から上方に外向きにさらに突出する一対の内部の細長い張出部またはプラットフォーム23を含む。張出部23の各々は、概ね半円形状の側面または凹部または溝またはスロット25を含み、画定する。示される実施形態において、それぞれの張出部23は、ハウジング12の中央長手方向軸Lから離間し、その対辺上にあり、それに対して概ね平行に延在し、また、それぞれの溝25が対向し、直径方向に対向した同一線上にある関係において配置される。
【0026】
側壁15の各々は、それぞれの張出部23の外部上面とそれぞれの側壁15の上面との間に延在する内部の細長いショルダ27をさらに含む。それぞれのショルダ27は、通常の関係において、長手方向軸Lの対辺上に延在し、それぞれの張出部17内で画定されるそれぞれの溝20の後方にあり、そこから離間した関係において、ハウジング12内に位置する。
【0027】
側壁15の各々はまた、長手方向軸Lの方向に対し通常の関係及び方向において、それぞれの内面と外面の間で延在するシャフト貫通開口部26を画定する。貫通開口部26は、直径方向に対向し、同一線上にある関係に配置され、それぞれの側壁15内のそれぞれの溝25とそれぞれのショルダ27との間に、また、それらから離間して長手方向軸Lの方向でそれぞれの側壁15内に位置する。貫通開口部26の各々は、リング状ベアリング40を受容するよう適合される。
【0028】
ペダル10は、ペダルアーム30が基部13上に、また、それぞれのハウジング側壁15の間に位置する関係において、遠位足接触パッド31及び、ペダルハウジング12の内部空洞16内に延在する近位ドラム32を含む細長いペダルアーム30をさらに備える。ペダルアーム30は、ドラム32の対向側面で終端する貫通孔または開口部36を画定し、ハウジング長手方向軸Lの方向に対し通常の関係及び方向において延在する。細長い概筒状のペダルシャフト34は、ハウジング16内での、また、それに対する時計回り及び反時計回りの回転のため、ペダルアーム30をハウジング16内に取り付けるために、ドラム貫通孔または開口部36及びそれぞれのハウジング側壁貫通開口部26及びそれぞれのベアリング40を通って延在する。
【0029】
ペダル10は、足の力がペダルアーム30に付与され、以下により詳細に説明するようにペダルアーム30がハウジング12に対して回転する際にペダルアーム30上に可変抵抗力を生成し、発生させるためのアセンブリをさらに備える。
【0030】
可変力アセンブリはまず、ペダルドラム32の遠位端から外向きに延在し、示される実施形態において、異なる長さ、勾配、形状、及び配向の複数の外部接触領域または部52a、52b、及び52c、より具体的には、第1のR形状のまたは湾曲したコーナー領域または部52a、第1のR形状のまたは湾曲したコーナー領域または部52aの端部から延在する細長い前部領域または部52b及び、第1のR形状のまたは湾曲した領域52aに対向し、それから離間して、第1のR形状のまたは湾曲したコーナー領域52aに結合された前部または領域52bの端部と対向する前部または領域52bの端部から延在する第2のR形状のまたは湾曲したコーナー領域52cを有する外部接触面52を含むバンプまたはノーズまたは突起50から構成される。
【0031】
したがって、示される実施形態において、前部領域52bは、第1の、及び第2のR形状の領域52aと52cとの間に、また、それらに結合されて位置する。
【0032】
図は、ドラムノーズまたは突起50の一実施形態、より具体的には、
図9に示すように大小のペダル抵抗力を発生させるために、領域または部52a~52cの数、長さ、勾配、形状、位置、及び配向が選択された、その領域または部52a~52cの一実施形態を示す。しかし、ドラムノーズまたは突起50は、所望の付与に応じた異なる可変ペダル力を発生させるために、異なる長さ、勾配、形状、配向、及び位置で領域または部を組み込んでもよいことが理解される。
【0033】
可変力アセンブリはまた、中央の細長い本体62及び一対の対向し、離間した遠位端64及び66を含む、枢動フォースプレートまたはレバー60から構成される。枢動レバー60の遠位端64は、以下に詳細により説明するように、圧縮性部材80の遠位端84を受容するよう適合されたリング状レセプタクル68を含み、画定する。枢動レバー60の遠位端66は、以下に同様により詳細に説明するように、ドラムノーズ50の領域または部52a~52cとの当接摩擦摺動接触に適合された先端73を含む別個のドラムノーズ接触部材72を受容し、収容するよう共に適合された内部レセプタクルまたは開口部70及びボア71(
図4及び5)を含み、画定する。
【0034】
示される実施形態において、先端73は概ね矢形であり、遠位湾曲点または先端74において終端する一対の先細り角度の付いた外面72a及び72bを含む。細長いネック76は、先端73の下部から外向きに一元的に下がり、延在する。一対の凹部またはスロット72c及び72dは、それぞれの表面72a及び72bの下側内に画定され、延在する。
図3及び5に示すように、接触部材72は枢動レバー60内で、枢動レバー60の端部66内で画定されるボア71を通って延在するそのネック76を用いて受容され、収容され、先端73は枢動レバー60の端部において画定されるレセプタクル70内に着座し、レバー60の端部66内の一対の先端75は、接触部材72をレバー60の端部66に取り付けるために、接触部材72の先端73内のそれぞれの凹部またはスロット72c及び72dに延在する。
【0035】
枢動レバー60は付加的に、一対の直径方向に対向し、同一線上にあり、枢動レバー60の本体62のそれぞれの外部側面から外向きに突出するトラニオンまたはイヤーまたは突起63(
図3及び4)を画定する。示される実施形態において、イヤー63は枢動レバー60上の概ね中央に位置し、枢動レバー60のそれぞれの端部64と66との間に、またそれらから離間して、本体62上に配置される。
【0036】
枢動レバー60は、ペダルハウジング12の内部空洞16内に位置し、以下の関係において取り付けられる。枢動レバー60は同じ方向に、より具体的には、ペダルハウジング12の長手方向軸Lと同一線上にある関係において延在し、そのそれぞれのイヤー63は、ハウジング12に対する、またその周囲の枢動移動のために、ペダルハウジング12の内部で画定される、ハウジング12内にレバー60を枢動させ、取り付けるためのそれぞれの張出部23内に画定されるそれぞれの溝23内に着座し、枢動レバー60の端部66は、ドラム32のノーズ50に対向する関係において、より具体的には、ノーズ接触部材72の先端74がドラム32のノーズ50の外面52と当接摩擦摺動接触する関係において配置され、枢動レバー60の対向する端部64は圧縮性部材80の端部に当接した状態である。
【0037】
したがって、本発明により、枢動レバー60は、ハウジング12の基部13の外部の上面に対して離間し、対向し、上部にあり、概ね平行である関係において、ドラム及びペダルアーム30の下側に対向し、離間し、下部にある関係において、より具体的には、枢動レバー60がハウジング基部13とペダルアーム30との間に、また、それらから離間して位置する関係において、また、長手方向軸Lの方向において、枢動レバー60上のそれぞれのイヤー63がドラムノーズ50とハウジング12の端部との間に、またそれらから離間して位置する関係及び位置において、さらに、レバー60が、以下により詳細に説明するように、ペダルアーム30の回転を受けた、それぞれの内部ハウジング張出部23内で画定されるそれぞれの溝25及びイヤー63によって画定される枢動点の周囲の枢動または上下のティータリングのために適合される関係において、ハウジング12の内部空洞16内に位置し、取り付けられる。
【0038】
可変力アセンブリはさらに、示される実施形態において、一対の伸縮螺旋状圧縮ばね80a及び80bの形式であり、それぞれの圧縮ばね80a及び80bの第1の遠位端が、ペダルアーム30の下面または下側に画定されるリング状レセプタクル31内に位置し、着座し、また、それぞれの圧縮ばね80a及び80bの対向する第2の遠位端が、レバー60の遠位端64内に画定されるリング状レセプタクル68内に位置し、着座する関係において、ペダル10内に位置し、取り付けられる、圧縮性部材80を備える。
【0039】
したがって、示される実施形態において、圧縮性部材80は、ドラム32及びペダルアーム30のノーズ50の後方に、ハウジング12の基部13とペダルアーム30の下側の間に延在して、ハウジング12の基部13及び長手方向軸Lに対して概ね横方向に、位置及び関係において、ペダル10内に位置し、配置される。
【0040】
ペダル10はさらに、示される実施形態において、CTS Corporationに譲渡された、米国特許第6,515,473号に開示された種類の非接触型センサアセンブリである、ペダルアーム30の位置を感知するためのアセンブリを備える。
【0041】
したがって、示される実施形態において、磁石100はペダルアーム30のドラム32に取り付けられ、ホールセンサ102は、センサコネクタ90の端部に取り付けられたプリント回路基板104に取り付けられる。コネクタ90は、磁石100から離間し、それに対向する関係において、内部ハウジング空洞16内に位置するホールセンサ102を用いてペダルハウジング12の後壁17に取り付けられ、それを通って延在する。
【0042】
ホールセンサ102は、全てペダルアーム30の位置を判定し、ペダル10の車両電子制御ユニット(ECU)(図示せず)が、例えば、ギアチェンジのためのクラッチ締結及び解放状態を含む特定の車両動作状態を起動するよう指示するための、ペダルハウジング12に対するペダルアーム30の回転位置の変化によるホールセンサ102に対する磁石100の位置の変化による磁場の変化による電圧の変化を感知するよう適合される。
【0043】
さらに、いずれの図にも図示されていないが、ペダル10は、以下の付加的な特徴を備える。冗長性/ASIL Bのために必要とされた場合の2つの磁気非接触型センサ設計押圧または1つの磁気非接触型センサ設計によるペダルアーム14のドラム32への嵌合、ペダルハウジング12の側壁15の1つに組み込まれたコネクタ及びプレスフィットPCA/コンプライアントピン、二重勾配出力のための8から10のピンコネクタ及びスイッチのための12V供給、ならびに、電子勾配をスイッチ状態として利用するよう適合された内部電子回路を組み込むプリント回路アセンブリ(PCA)。
【0044】
次に、
図9のグラフ上に表されるペダルアーム30上で増減する可変力を生成し、発生させるためのペダル10の動作の説明について記載する。
【0045】
図1及び6は、ペダル10を、より具体的には、ペダルハウジング12に対してアイドルまたは解放位置及び配向にあるそのペダルアーム30を示す。この位置では、
図3に示すように、レバー60上の接触部材72が、ノーズ50の第1のR形状の領域52aの後端及びノーズ50の前部52bの前端に当接する関係において配置される。また、この位置において、レバー60は、ハウジング12の基部13の外面に概ね平行であり、それから離間した関係において配置され、圧縮性部材80は完全に延在して圧縮されない。
【0046】
ペダルアーム30は、以下により詳細に説明するように、ペダルアーム30上に可変力を発生させるために、その
図6の解放位置からその
図7及び
図8の締結位置への時計回りの回転に適合される。
【0047】
本発明によると、ペダルアーム30の時計回りの回転により、ペダルアーム30のドラム32の時計回りの回転が引き起こされ、かつもたらされ、それにより、ドラム32のノーズ50の時計回りの回転が引き起こされ、かつもたらされ、それによって、ノーズ50の勾配及び形状ならびに大きさ、より具体的には、その前面部52bの勾配及び形状のために、接触部材72、より具体的には、レバー60の先端73の、ノーズ50の前面部52bの長さに対する、また、それに沿った摺動移動が引き起こされ、それにより、レバー60の端部66の、ハウジング12の基部13の外部上面の、またそれに向かう方向での下方枢動移動が引き起こされ、かつもたらされ、それにより、基部13から離れる、また、ペダルアーム30の下側の方向でのレバー60の対向する端部64の上方枢動移動が引き起こされ、かつもたらされ、それにより、圧縮性部材80の圧縮がもたらされ、それにより、圧縮性部材80の端部がペダルアーム30の下側と当接し、ペダルアーム30の下側に対する力を作用させ、それにより、車両の操作者の足によって感じられるペダルアーム30の足接触パッド31上での抵抗力の付与がもたらされる。
【0048】
本発明により、ドラム32のノーズ50の長さ、勾配、構成、及び大きさ、より具体的には、その外面52の外部接触面部52a~52cの長さ、勾配、及び構成、レバー60の長さ、ならびに、圧縮性部材80の長さ及び大きさが、本発明により、
図9において図示されるように、機械的クラッチ締結解放連結を用いてクラッチペダルに作用されるよう適合された、ペダルアーム30の移動に応じて、可変的に最初は増大し、その後減少し、その後、増大する正逆のペダルストロークまたは抵抗力を発生させ、生成させるために、選択され、指定される。
【0049】
ペダルの電気的出力は、デュアル冗長ASICによるASIL要件を保護するため、双方向スイッチによる単一勾配出力または二重勾配出力のいずれかであってもよい。二重勾配回路は、スイッチ状態を起動するための勾配を可能にする。
【0050】
上述の実施形態の多数の変形や修正は、本発明の新規な特徴の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載の可変力電子式車両クラッチペダルに関して制限は意図されておらず、または、推論されるべきではないことが理解されるべきである。もちろん、添付の特許請求の範囲により、特許請求の範囲に該当するような修正は全て包括することが意図される。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
ハウジングと、
前記ハウジングに結合され、それに対して回転可能であり、前記ハウジングに対して回転可能である遠位ドラムを含み、勾配の異なる複数の表面部を含む接触面を画定するペダルアームと、
前記ハウジングの周囲を枢動自在であり、前記ペダルアームの前記ドラム上で前記接触面と当接する第1の端部を有するフォースレバーと、
前記ペダルアームと当接する第1の端部及び、前記フォースレバー第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材と、
を備え、
前記ペダルアームの回転が、前記フォースレバーの枢動及び、前記圧縮性部材による、前記ペダルアーム上の大小の力の作用をもたらす、
電子式車両クラッチペダル。
<請求項2>
前記フォースレバーの前記第1の端部に取り付けられ、前記ペダルアームの前記ドラムの前記接触面と当接する、接触部材をさらに備える 、請求項1に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項3>
前記接触部材が、前記ペダルアームの前記ドラムの前記接触面と当接する遠位先端部で終端する先端を含む、請求項2に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項4>
前記フォースレバーの前記第1の端部内で画定されたレセプタクルであって、前記接触部材が、前記フォースレバーの前記第1の端部内で画定された前記レセプタクル内に位置し、取り付けられる、前記レセプタクルをさらに備える、請求項3に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項5>
前記ハウジングの周囲の、また、それに対する枢動移動のために前記フォースレバーを取り付けるために、前記ハウジングまたは前記フォースレバーの一方が一対のスロットを含み、前記ペダルハウジングまたは前記フォースレバーの他方が、前記一対のスロット内に延在する一対のイヤーをそれぞれ含む、請求項1に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項6>
前記ドラム上の前記接触面が、第1のアール面部及び、前記第1のアール面部から離間した第2のアール面部及び、その間の細長いストレート面部を含み、前記フォースレバー上の前記接触部材が、前記ペダルアーム上で可変力を発生させるために、前記第1の、第2の、及び第3の表面部に沿って、また、それに対して摺動するよう適合された、請求項2に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項7>
内部空洞を共に画定する基部及び一対の離間した側壁を含むハウジングと、
前記ハウジングに結合され、それに対して回転可能であり、前記ペダルハウジングの前記空洞内に、また、前記離間した側壁の間に延在する遠位ドラムを含むペダルアームであって、前記ドラムが、長さ及び勾配が異なる複数の表面部を含む外部接触面を有するノーズを含む前記ペダルアームと、
前記ハウジングの周囲を枢動自在であり、前記ドラムの前記ノーズ上の前記接触面の前記複数の前記表面部に対する摺動接触に適合された第1の端部において接触部材を含むフォースレバーと、
前記ペダルアームの下側と当接する第1の端部及び、前記フォースレバーの第2の端部と当接する第2の端部を有する圧縮性部材と、
を備え、
前記ペダルアームが前記ペダルハウジングの周囲を回転可能であり、前記ハウジングに対する前記フォースレバーの枢動を引き起こし、前記圧縮性部材に前記ペダルアームに対する可変力を作用させる、
電子式車両クラッチペダル。
<請求項8>
離間し、同一線上にあるそれぞれのスロットを画定する一対の離間した張出部を有する基部を含むハウジングと、
一対の離間したイヤーを含むフォースレバーであって、前記ハウジングの前記基部の周囲の枢動移動のために、前記フォースレバーを取り付けるために前記それぞれの張出部内に画定された前記それぞれのスロット内に着座する前記それぞれの一対のイヤーとの関係において、前記ハウジングの前記基部に着座する前記フォースレバーと、
前記ハウジング内に延在し、その周囲を回転可能であり、前記フォースレバーの一端に当接した状態のノーズを含むペダルアームと、
前記フォースレバーの他端と当接する一端及び、前記ペダルアームの下側と当接する他端を含む圧縮性部材と、
を備え、
前記ハウジングに対する前記ペダルアームの回転が前記ペダルアームの前記ノーズの回転をもたらし、それにより、前記フォースレバーの前記一端の移動がもたらされ、前記フォースレバーの枢動がもたらされ、前記圧縮性部材の圧縮及び前記ペダルアーム上の大小の力の付与がもたらされる、
電子式車両クラッチペダル。
<請求項9>
前記フォースレバーが、前記フォースレバーの前記一端内に取り付けられた接触部材を含み、前記接触部材が前記ペダルアームの前記ノーズに当接する、請求項8に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項10>
前記接触部材が、前記ペダルアームの前記ノーズに接した状態の遠位先端部で終端する先端を含む、請求項9に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項11>
前記先端が、前記遠位先端部で終端する一対の傾斜面を含む、請求項11に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項12>
前記接触部材が、前記先端を前記フォースレバーに取り付けるために、前記フォースレバーの前記一端内に画定されるレセプタクル内に延在するネックを含む、請求項10に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項13>
前記ノーズが、前記ペダルアーム上に前記大小の力を発生させるために、様々な勾配及び長さの複数の表面部を有する外面を含む、請求項8に記載の電子式車両クラッチペダル。
<請求項14>
前記ノーズの前記外面が、第1の、及び第2の離間したアール面部ならびにその間のストレート面部を含む、請求項13に記載の電子式車両クラッチペダル。