(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】型枠の改善
(51)【国際特許分類】
E04B 2/86 20060101AFI20220128BHJP
E04G 9/08 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
E04B2/86 611M
E04B2/86 611N
E04G9/08
(21)【出願番号】P 2019511532
(86)(22)【出願日】2017-09-01
(86)【国際出願番号】 AU2017050938
(87)【国際公開番号】W WO2018039731
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-28
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519060520
【氏名又は名称】ライズ フォーム ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RISE FORM PTY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】プシュチョンカ, ダニエル
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-539351(JP,A)
【文献】特開2001-348983(JP,A)
【文献】特開昭50-130224(JP,A)
【文献】特表2004-521210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0108963(US,A1)
【文献】国際公開第2007/143820(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0040240(US,A1)
【文献】米国特許第09206614(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/84
E04B 2/86
E04G 9/08
E04G 17/075
E02D 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式型枠要素であって、前記型枠要素が、
押出プロセスによる成形を可能にするような一定の断面形状を各々に有する一対の向かい合う側壁パネルと、
押出プロセスによる成形を可能にするような一定の断面形状を有し、前記向かい合う側壁パネル同士の間に延びる少なくとも1つのコネクタ部材とを含み、
前記少なくとも1つのコネクタ部材が、前記コネクタ部材のヒンジ部分によって実現された一対のヒンジ付き端部の間に中央部を含み、前記ヒンジ付き端部が、前記向かい合う側壁パネル同士が間隔を空けた拡張構成と、前記向かい合う側壁パネル同士が比較的接近した折り畳み構成との間での前記型枠要素の動きを可能にするように前記側壁パネルと係合
し、前記型枠要素が、前記拡張構成に拡張すると
スナップロックによって前記拡張構成
に維持される、折り畳み式型枠要素。
【請求項2】
スナップロックがフック状タブによって実現されており、前記フック状タブは、前記少なくとも1つのコネクタ部材から延びており、前記型枠要素が動いて前記拡張構成になる際に前記向かい合う側壁パネルのうちの一方の対応する突起状留め具と係合するように構成されている、請求項
1に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項3】
前記ヒンジ部分が、ヒンジの様な動きをもたらすように、前記コネクタ部材のうち実質的に剛性の残部を形成する材料よりも可撓性の高い材料で形成されている、請求項1
または2に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項4】
前記コネクタ部材が、第1の押出材料が前記ヒンジ部分を形成するとともに、第2の押出材料が前記コネクタ部材の残部を形成する、共押出成形によって作製されている、請求項
3に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項5】
前記ヒンジ部分が、前記コネクタ部材内の狭幅化または薄肉化によって実現されている、請求項1
または2に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項6】
前記ヒンジ部分が、前記コネクタ部材の曲げを可能にする折り目を提供するような、コネクタ部材の厚さの相対的な減少によって実現されている、請求項1
または2に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコネクタ部材が、前記向かい合う側壁パネルと解放可能に係合可能である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項8】
前記向かい合う側壁パネルが、スライド係合によって前記少なくとも1つのコネクタ部材の前記ヒンジ付き端部をそれぞれ受け入れるためにスロットを含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコネクタ部材の前記ヒンジ付き端部が、前記スロット内で摩擦係合をもたらすように前記スロットに嵌合するように成形されている、請求項
8に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項10】
前記拡張構成において、前記中央部が、前記向かい合う側壁パネルに対して実質的に垂直に延びている、請求項1~
9のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項11】
前記型枠要素が複数のコネクタ部材を含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項12】
前記側壁パネルが、断熱材料を含む1つ以上のチャネルを含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項13】
前記向かい合う側壁パネルの側端部が、複数の前記折り畳み式型枠要素からなる型枠構造の形成を可能にするように、類似の折り畳み式型枠要素と係合するための係合部分を含む、請求項1~
12のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項14】
前記係合部分が、隣接する型枠要素同士の間のスナップロック係合をもたらすように構成されている、請求項
13に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項15】
前記折り畳み構成において、前記向かい合う側壁パネル同士の間の距離が、前記拡張構成における前記向かい合う側壁パネル同士の間の距離の1/5未満である、請求項1~
14のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコネクタ部材および前記側壁パネルが各々、単一の押出成形部品として別々に形成されている、請求項1~
15のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項17】
前記少なくとも1つのコネクタ部材、および/または前記側壁パネルのいずれかが、形成された1つ以上の開口部を有する、請求項1~
16のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素用のコネクタ部材。
【請求項19】
請求項1~
17のいずれか一項に記載の折り畳み式型枠要素用の側壁パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は型枠の改良に関し、特に「打ち込み」型枠用に使用することができる、折り畳み式型枠要素に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本明細書における、いかなる先行文献(またはそれから派生する情報)またはいかなる既知の事項への言及は、先行文献(またはそれから派生する情報)または既知の事項が、本明細書が関連する努力の分野における技術常識の一部を成すことの承認もしくは容認、またはいかなる示唆の形と捉えておらず、かつ捉えるべきではない。
【0003】
[0003]型枠はコンクリート構造物を成形するために使用される。例えば、建物等を建設する場合、最初に仮の型枠構造を構築し、次にコンクリートを型枠に流し込む。その時、コンクリートは型枠構造に沿って硬化する。いくつかの形態では、型枠は「打ち込み」型枠であり、コンクリートが硬化した後に取り除かれない。「打ち込み」型枠は、むしろその場に残され、最終的なコンクリート構造物の一部になる。
【0004】
[0004]従来の「打ち込み」型枠は、通常は複数の材料から作られた射出成形部品で作製され、かつ/または組み立てるのに相当の手作業を必要とするので、典型的には経済的ではない。更に、従来の「打ち込み」型枠は、かさばり、運搬するのが困難な場合があるという他の欠点を有する。サイズを縮小することは容易ではないので、実際の使用は、生産/製造施設から一定の距離以内の場所に限定されることが多い。従来の「打ち込み」型枠はまた、多くの場合、発泡パネルを含み、これは環境に害を及ぼし、かつ粘着剤/接着剤と組み合わせて使用することが困難な場合がある。
【0005】
[0005]本発明は、従来の「打ち込み」型枠に関連した上述の欠点の少なくともいくつかに対処することを追求する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]1つの広い形態では、本発明は折り畳み式型枠要素を提供し、その要素は、一対の向かい合う側壁パネルと、側壁パネルの間に延びる少なくとも1つのコネクタ部材とを含み、型枠要素は、向かい合うパネルが間隔を空けた拡張構成と、向かい合うパネルが共に比較的接近した折り畳み構成との間での動きが可能である。
【0007】
[0007]一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材は、要素の拡張構成と折り畳み構成との間での動きを可能にする、少なくとも1つのヒンジ部分を含む。一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材は2つのヒンジ部分を含む。
【0008】
[0008]一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材は、向かい合う側壁パネルにヒンジ式に連結される。
【0009】
[0009]更なる1つの広い形態では、本発明は折り畳み式型枠要素を提供し、その要素は、一対の向かい合う側壁パネルと、側壁パネルの間に延びる少なくとも1つのコネクタ部材とを含み、少なくとも1つのコネクタ部材は、向かい合うパネルが間隔を空けた拡張構成と、向かい合うパネルが共に比較的接近した折り畳み構成との間での要素の動きを可能にする少なくとも2つのヒンジ部分を含む。
【0010】
[0010]一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材は、ヒンジ部分によって実現される一対のヒンジ付き端部の間に中央パネルを含む。一形態では、ヒンジ付き端部は側壁パネルと係合するように構成される。
【0011】
[0011]一形態では、ヒンジ部分は、ヒンジの様な動きをもたらすように、コネクタ部材のうち実質的に剛性の残部を形成する材料よりも、可撓性の高い材料で形成される。一形態では、コネクタ部材は、第1の押出材料がヒンジ部分を形成し、第2の押出材料がコネクタ部材の残部を形成する、共押出成形によって作製される。
【0012】
[0012]一形態では、ヒンジ部分は、コネクタ部材内の狭幅化または薄肉化によって実現される。一形態では、ヒンジ部分は、コネクタ部材の曲げを可能にする折り目を提供するような、コネクタ部材の厚さの相対的な減少によって実現される。
【0013】
[0013]一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材は、向かい合う側面パネルの間に解放可能に取り付け可能である。一形態では、向かい合う側壁パネルは、少なくとも1つのコネクタ部材のヒンジ付き端部をそれぞれスライド係合によって受け入れるためにスロットを含む。一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材のヒンジ付き端部は、スロット内での摩擦係合をもたらすようにスロットに嵌合するように成形される。
【0014】
[0014]一形態では、拡張構成では、少なくとも1つのコネクタ部材の中央パネルは、向かい合う側壁部材に対して実質的に垂直に延びる。
【0015】
[0015]一形態では、型枠要素は複数のコネクタ部材を含む。
【0016】
[0016]一形態では、型枠要素はスナップロックして拡張構成になるように構成される。一形態では、スナップロックはフック状タブによって実現され、フック状タブは少なくとも1つのコネクタ部材から延び、型枠要素が動いて拡張構成になる際に、向かい合う側壁部材のうちの1つの対応する突起状留め具と係合するように構成される。
【0017】
[0017]一形態では、側壁パネルは、側壁パネルを通して実質的に垂直に延びる1つ以上のチャネルを含む。一形態では、1つ以上のチャネルは断熱材料を含む。
【0018】
[0018]一形態では、向かい合う側壁パネルの側端部は、類似の折り畳み式型枠要素と係合するための係合部分を含み、それにより複数の折り畳み式型枠要素からなる型枠構造の形成を可能にする。一形態では、係合部分は、隣接する型枠要素間にスナップロック係合を提供するように構成される。
【0019】
[0019]一形態では、折り畳み構成において、向かい合う壁パネル間の距離は、拡張構成における向かい合う壁パネル間の距離の1/3未満である。一形態では、折り畳み構成において、向かい合う壁パネル間の距離は、拡張構成における向かい合う壁パネル間の距離の1/4未満である。一形態では、折り畳み構成において、向かい合う壁パネル間の距離は、拡張構成における向かい合う壁パネル間の距離の1/5未満である。
【0020】
[0020]一形態では、少なくとも1つのコネクタ部材および側壁パネルは各々が、単一の押出成形部品として別々に成形される。
【0021】
[0021]更なる態様では、コネクタ部材および/または側壁パネルが別々に提供される場合には、本発明は、コネクタ部材および/または側壁パネルにおいても具現化されて、本明細書に記載のような折り畳み式型枠要素で使用されると理解されよう。
【0022】
[0022]本発明の一例を添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】拡張構成にある折り畳み式型枠要素の一例の上面図である。
【
図2】部分的な折り畳み構成にある、
図1の折り畳み式型枠要素の上面図である。
【
図3】折り畳み構成にある、
図1の折り畳み式型枠要素の上面図である。
【
図4】拡張構成において端部部品が取り付けられた、
図1の折り畳み式型枠要素の上面図である。
【
図5】拡張構成にある、
図1の折り畳み式型枠要素の等角図である。
【
図6】部分的な折り畳み構成にある、
図1の折り畳み式型枠要素の等角図である。
【
図7】拡張構成にある、
図1の折り畳み式型枠要素の等角図である。
【
図8】コネクタ部材が側壁パネルにヒンジ式に連結した、拡張構成にある折り畳み式型枠要素の更なる例の上面図である。
【
図9】折り畳み構成にある、
図8の型枠要素の上面図である。
【
図10】
図8の型枠要素の側壁パネルとコネクタ部材との間のヒンジ式連結の拡大図である。
【
図11】
図8の型枠要素のコネクタ部材の側面図である。
【
図12】
図1の型枠要素の単一の側壁パネルの平面図である。
【
図13】
図1の型枠要素のコネクタ部材の上面図である。
【
図14】拡張構成にある折り畳み式型枠要素の一例の上面図である。
【
図15】折り畳み構成にある、
図14の折り畳み式型枠要素の上面図である。
【
図16】
図15に示すような要素のコネクタ部材と側壁パネルとの間の係合の拡大上面図である。
【
図17】
図14に示すような要素のコネクタ部材と側壁パネルとの間の係合の拡大上面図である。
【
図18】コネクタ部材の狭幅化によって実現されるヒンジ部分を有する、要素のコネクタ部材と側壁パネルとの間の係合の拡大上面図である。
【
図21】
図14に示すような拡張構成にある折り畳み式型枠要素の等角図である。
【
図22】
図15に示すような折り畳み構成にある折り畳み式型枠要素の等角図である。
【
図23】隣接する型枠要素間のスナップ係合の一例を示す拡大上面図である。
【
図24】外面に穴を有する側壁パネルの一例の等角図である。
【
図25】断熱材料を含む側壁部材の一例の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0023]本発明の実施形態の第1のセットは、折り畳み式型枠要素を提供する。この要素は、一対の向かい合う側壁パネルと、側壁パネルの間に延びる少なくとも1つのコネクタ部材とを含む。型枠要素は、対向するパネルが間隔を空けた拡張構成と、対向するパネルが共に比較的接近した折り畳み構成との間での動きが可能である。
【0025】
[0024]本明細書に記載する型枠要素は、折り畳み可能であることから、スペースを大幅に節約するという利点を提供する。例えば、使用時には、型枠要素を折り畳み構成で輸送/配送することができ、これにより1回の運送当たり、より多くの要素を輸送することが可能になる。いったん現場に置かれると、要素は拡張されて、コンクリート収容空洞を提供し、所定位置に配置され得る。要素はまた、折り畳んだ状態で現場に保管してもよく、従来の折り畳み式でない型枠要素よりも必要なスペースは小さい。
【0026】
[0025]一般に、折り畳み式型枠要素は、側壁部材の間に延びる複数のコネクタ部材を含む。一形態では、コネクタ部材は、型枠要素の拡張構成と折り畳み構成との間での動きを可能にする、少なくとも1つのヒンジ部分を含む。一例では、コネクタ部材は2つのヒンジ部分を含む。
【0027】
[0026]一般に、コネクタ部材は一対のヒンジ付き端部の間に中央パネルを含み、一対のヒンジ付き端部は、それぞれが側壁パネルと係合するように構成される。拡張構成では、コネクタ部材パネルは、典型的には、向かい合う側壁部材に対して実質的に垂直に延びて、型枠要素のコンクリート収容空洞内に矩形のチャネルを提供する。完全な折り畳み構成では、コネクタ部材はヒンジ部分で曲がり、コネクタ部材の中央パネルは向かい合う側壁と実質的に平行に延び、側壁の間に挟まれる。
【0028】
[0027]ヒンジ部分は、コネクタ部材内の薄肉化または狭幅化によって実現されてもよい。例えば、ヒンジ部分は、コネクタ部材の曲げを可能にする折り目を提供するような、コネクタ部材の厚さの相対的な減少によって実現することができる。そのような例では、コネクタ部材はプラスチックまたはポリマー材料から作製してもよく、これらは十分に薄い場合、曲げを可能にするのに十分な可撓性を有する。一例では、コネクタ部材は、例えばポリプロピレンまたはポリ塩化ビニルなどのポリマー材料から作製される。様々な材料を使用してコネクタ部材を作製することができ(すなわち、ポリマー/プラスチックだけでなく)、ヒンジ部分/機構もまた変化し得ると理解されよう。
【0029】
[0028]他の例では、ヒンジ部分は、薄肉化/狭幅化によってではなく、むしろ可撓性のより高い材料を組み込むことによって実現される。例えば、ヒンジ部分は、ヒンジの様な動きを可能にするように、コネクタ部材の残部を形成する材料よりも可撓性の高い材料で形成してもよい。ヒンジ部分とは別に、コネクタ部材は、拡張構成において側壁パネルを適切に支持するために、概して実質的に剛性であることが理解されよう。コネクタ部材は、第1の押出材料がより可撓性の高いヒンジ部分を形成し、第2の押出材料がコネクタ部材のうちより剛性の高い残部を形成する、共押出成形によって作製することができる。
【0030】
[0029]他の形態では、コネクタ部材がヒンジ部分を含む代わりに、コネクタ部材を側壁部材にヒンジ式に連結して、拡張構成と折り畳み構成との間での動きを可能にしてもよい。
【0031】
[0030]一般に、コネクタ部材パネルは、側壁パネルの間にウェブを形成するために開口部を含む。充填中、要素のコンクリート収容空洞の中に注入されたコンクリートは、開口部によって、コネクタ部材によって画定された矩形チャネル間を流れることが可能になる。従って、コネクタ部材パネルは、型枠要素の拡張/折り畳みを容易にする一方で、コンクリートとの複合作用を介して、完成したコンクリート製品の補強にも寄与し得る。
【0032】
[0031]典型的には、コネクタ部材は、例えばスライド係合を介して、向かい合う側壁パネルに解放可能に取り付け可能である。例えば、向かい合う側壁パネルの各々はスロットを含み、コネクタ部材の反対位置にあるヒンジ付き端部をそれぞれ受け入れることができる。他の例では、コネクタ部材および側壁パネルは一体構造で形成されてもよい。一般に、本明細書に記載されるような型枠要素はまた、典型的にはスナップロックして拡張構成になる。これは、型枠要素が配置後に意図せずに崩壊することを回避するのに役立ち得る。いくつかの例では、スナップロックは人間の介在により解除され得ることが理解されよう。スナップロックを提供する構造/要素が変わり得ることもまた理解されよう。いくつかの形態では、要素は、スナップロック以外の手段、例えばプラグおよび凹部タイプの係合などによって、拡張構成に機械的に維持またはロックされてもよく、その場合、例えば、拡張すると、コネクタ部材上のプラグが、側壁部材内の対応する凹部の中にクリック留めされるか、または差し込まれることも理解されよう。一般に、型枠要素は、拡張構成の維持またはロックが、追加の締結具なしで拡張すると自動的に達成されるように構成される。ロックまたは維持は恒久的であってもよく、または拡張後に要素を再び折り畳むことができるように半恒久的であってもよいと理解されよう。
【0033】
[0032]個々の型枠要素はまた、典型的には、所望に応じて一緒に連結して、(壁などのような)より大きな型枠構造を提供するように構成される。一般に、類似する要素間の係合を可能にするために、向かい合う側壁パネルの側端部は係合部分を含む。隣接する型枠要素の係合部分は互いに係合して、個々の要素の間の連結をもたらす。典型的には、係合部分は要素の間にスナップロック係合を提供するように構成される。より大きい型枠構造は、互いに連結された任意の数の個々の型枠要素を含み得ることが理解されよう。加えて、要素/型枠構造の未使用の端部を覆うために端部部品を設けることができる。端部部品はまた、典型的には型枠要素の係合部分とスナップロック係合するように構成される。端部部品に加えて、連結部品(例えばT字形連結部)を設けて、2つ以上の型枠要素を連結するか、または型枠要素を共に直接連結した場合とは異なる構成(例えば直角)で連結してもよい。接合部品はまた、典型的には型枠要素の係合部分とスナップロック係合するように構成される。
【0034】
[0033]いくつかの例では、向かい合う側壁パネルは内部補強を含んで、コンクリートが要素の中に充填された場合に膨らむ傾向があり得る領域を強化することができる。例えば、コネクタ部材から、より遠い側壁パネルの領域は、コネクタ部材によって十分には支持されていないので膨らむ傾向があり得る。内部補強は様々な形態を取り得ることが理解されよう。
【0035】
[0034]一例では、内部補強は、側壁パネル内にチャネル/空隙を画定するコネクタ部材スロットの間に配置された、1つ以上の内壁によって実現される。このように、内壁は、主コンクリート収容空洞と、側壁パネルの外壁との間に、いくらかの間隔を提供する。従って、2つのコネクタ部材の間の側壁パネルの外壁(すなわち、典型的には支持が劣って膨れる傾向がある中央部付近)の部分に圧力を加えるのではなく、型枠の中に充填したコンクリートがパネルの内壁に圧力をかけるように、内壁は構成される。内壁の形状、および側壁パネルのそれぞれの外壁との接続点ゆえに、コンクリートからの圧力はコネクタ部材に近い側壁パネルの領域に向きを変えられ、そこは典型的には(コネクタ部材自体が支持をもたらすので)、より強く支持され、膨れる可能性がより低い。
【0036】
[0035]一例では、内壁は、隣接するコネクタ部材の間にドーム形の断面を有するチャネルを提供する。他の例では、内部補強は、実質的にコネクタ部材を収容するためのスロット間に延びる支え付き内壁によって実現されてもよい。そのような例では、内壁と外壁との間の支持/支え用の壁は、充填したコンクリートからの圧力を側壁のいくつかの点にわたって分散させる手助けをし、また膨らむ傾向のある領域に追加の支持を提供する。
【0037】
[0036]一般に、内壁によって画定されたチャネルは実質的に垂直な方向に延びる。いくつかの例では、内壁によって画定された1つ以上のチャネルは断熱材料を含む。更に、いくつかの形態では、側壁パネルの外面は、下塗りのようなコーティング材料の結合を改善するために穴を含んでもよく、または粗面化されてもよい。
【0038】
[0037]本明細書に記載されるような折り畳み式型枠要素の1つの特定の例を
図1から
図7に示す。
【0039】
[0038]
図1は、一例による折り畳み式型枠要素(1)の上面図を示す。型枠要素(1)は、一対の向かい合う側壁パネル(2、3)と、パネル(2、3)の間に延びる複数のコネクタ(4)とを含む。型枠要素(1)は、向かい合うパネル(2、3)が間隔を空けた拡張構成(
図1参照)と、向かい合うパネル(2、3)が共に比較的接近した折り畳み構成(
図3参照)との間での動きが可能である。
【0040】
[0039]拡張構成と折り畳み構成との間の動きは、コネクタ部材(4)内の2つのヒンジ部分(5、6)によって可能になる。ヒンジ付き部分(5、6)は、コネクタ部材(4)内の薄肉化によって実現される。各ヒンジ部分(5、6)では、コネクタ部材(4)内の厚さを減少させており、それによりコネクタ部材の曲げを可能にする折り目が提供される。ヒンジ部分(5、6)の動作は、途中まで拡張させたときの型枠要素(1)の上面図を示す
図2で、より明瞭に示される。
【0041】
[0040]この例では、コネクタ部材(4)および側面パネル(2、3)は、例えばポリプロピレンなどの適切なポリマー材料で形成される。
【0042】
[0041]型枠要素(1)の等角図である
図5から
図7に、より明瞭に示すように、コネクタ部材(4)は、側壁パネル(2、3)と係合するように構成されたヒンジ付き端部(10、11)を有する開口された中央パネル(またはウェブ)を含む。拡張構成では、パネル(4a)は側壁パネル(2、3)に対して実質的に垂直に延びて、型枠要素のコンクリート収容空洞内に実質的に矩形のチャネル(18)を提供する。充填中、コネクタ部材パネル(4a)の開口部(7)は、要素(1)の矩形のチャネル(18)の間にコンクリートが流れる経路を提供する。開口されたパネル(4a)によって構築されるウェブ状構造は、最終コンクリート構造を補強するために役立つ。
図5から
図7に示すように、コネクタ部材パネル(4a)はまた、型枠要素(1)の実質的に全高にわたって、すなわち頂部(1a)から底部(1b)まで延びる。
【0043】
[0042]コネクタ部材(4)はまた、側壁パネル(2、3)内のスロット(8、9)とのスライド係合を介して、向かい合う側面パネル(2、3)に着脱可能に係合する。側壁パネル(2、3)内のスロット(8、9)は、コネクタ部材の反対位置にあるヒンジ付き端部(10、11)をそれぞれ受け入れるように構成される。この着脱可能な係合により、型枠の構成要素(例えば、コネクタ部材、側壁パネルなど)を別々に製造することが可能になることが理解されよう。更に、構成要素は典型的には、固定した断面形状を有し、典型的にはポリマー/プラスチック材料から形成されるので、例えば押出しなどの、より費用効果の高い製造技術を使用できることが理解されよう。
図12および
図13は、分離時の側壁(例えば102、103)およびコネクタ部材(4)を示す。
【0044】
[0043]型枠要素(1)を動かせて拡張構成にすると、型枠要素は所定位置にスナップロックされ、人間の介入なしには折り畳み構成に容易に戻すことはできない。
図1から
図4に最も明瞭に見られるように、スナップロック係合は、コネクタ部材パネル(4a)の一方の側から外向きに延びるフック状(または鉤状)タブ(20)によって実現される。フック状タブ(20)は、コネクタ部材(4)が動いて拡張構成になる際に、対応する隣接する側壁パネル(3)における対応する突起状留め具(21)と係合するように構成される。フック状タブ(20)は可撓性を有し、しかも弾力性があるので、拡張構成(
図2参照)への動き中に突起状留め具(21)のリップ上を滑り、その後、所定位置にスナップ留めされ突起状留め具(21)に引っ掛かかる。従って、折り畳み構成への動きは、フック状タブ(20)と突起状留め具(21)との間の係合によって実質的に防止される。スナップロック係合は、人間の介入によって解除されてもよいことが理解されよう。
【0045】
[0044]図の例では、突起状留め具(21)とのスナップ係合は、最も外側のコネクタ部材(4a、4b)と共に使用されるように示すだけである。しかし、これは必ずしも該当するとは限らず、突起状留め具は側壁(2、3)の一部を形成して、全部または複数のコネクタ部材(4)と係合し得ることを理解されたい。
【0046】
[0045]更に、コネクタ部材(4)の他端(すなわちスナップ係合端とは反対側)において、コネクタ部材(4)は、折り畳みに対して更なる支持を提供するように形作られる。コネクタ部材(4)のこれらの端部はキンク(42)を含み、キンク(42)は、側壁(2)の停止壁部(44)と接触することによって、コネクタ部材(4)が拡張方向に過回転することを防止する停止隆起部(43)を提供する。
【0047】
[0046]向かい合う側壁パネル(2、3)はまた、側壁パネルを強化することを手助けするための内部補強材を含む。特に、内壁(12)は、コンクリート収容空洞(18)に収容されたコンクリートからの圧力を、側壁の支持が劣る部分から(典型的にはコネクタ部材によって支持される領域に向かって)向きを変える手助けをする。これは、コネクタ部材による支持が劣る側壁の部分での膨らみを防ぐのに役立つ。内壁(12)は、実質的にドーム形の断面を有するチャネル/空隙(14)を側壁に提供する。内壁(12)は丸みを帯び、端部(12a、12b)を有し、端部は、側壁パネル(例えば2または3)の外壁(13)にコネクタ部材(4)の近くで結合する。それにより、主コンクリート収容空洞は、外壁(13)の支持が劣る部分から、内壁(12)によって間隔を空ける。収容したコンクリートから丸みを帯びた壁(12)に作用する圧力は、丸みを帯びた壁(12)のコネクタ部材(4)に近い端部(12a、12b)に向けて方向が変えられ、そこでは外壁(13)は、より強く支持される。
【0048】
[0047]丸みを帯びた壁(12)はまた、折り畳み構成でコネクタ部材(4)と接触する支持突起(50、51)をその上に含む。支持突起(50、51)は、折り畳み構成において、コネクタ部材(4)を支持する手助けをする。加えて、コネクタ部材(4)自体も、折り畳み構成にあるときに、隣接するコネクタ部材を支持する実質的に横方向に延びる突起(41)を含む。折り畳み構成では、コネクタ部材(4)の横方向突起(41)は、丸みを帯びた壁(12)上に設けられた突起(50、51)と整列する。コネクタ部材(4)および/または側壁部材(2、3)は、折り畳み構成で支持を提供するための他の支持突起を含み得ることが理解されよう。この支持は、例えば輸送中などに、折り畳み構成のコネクタ部材(例えば、コネクタ部材の薄いヒンジ部分において)の損傷を防ぐ手助けをする。
【0049】
[0048]本明細書に記載の型枠要素は、複数の要素を連結して、壁などの、より大きな型枠構造を提供できるように、一般に他の類似要素との連結を意図していることが理解されよう。そのような連結は、一般に、側壁パネル(2、3)の側端部における係合部分(31、32)によって実現される。一方の側端部において、側壁パネル(2、3)は溝(32)を含み、他方の端部において、パネル(2、3)は突起(31)を含む。1つの要素の突起(31)は、隣接する要素の溝(32)の中でスナップロック係合するように構成される(逆もまた同様)。連結の間、突起(31)は、傾斜面(33)に対してスライドしてから溝(32)の中にスナップして戻り、隣接する要素の間に確実な係合をもたらす。
【0050】
[0049]複数の要素が互いに連結されることに加えて、端部部品(60、61)はまた、係合部分(31、32)に固定されてもよい。例えば、複数の型枠要素(1)を備える特定の型枠構造を構築した後に、端部部品(60、61)を使用して露出した端部を覆ってもよい。
図4に示すように、要素(1)の一方の側の溝(32)に嵌合するように構成された端部部品(60)、および要素(1)の他方の側の突起(31)に嵌合するように構成された端部部品(61)がある。
図4および
図7は、型枠要素(1)に連結した端部部品(60、61)を示す。端部部品に加えて、2つ以上の個々の型枠要素の間の連結を可能にするか、または型枠要素が共に直接連結される場合とは異なる構成での要素間の連結を可能にする、連結部品を提供することもできると理解されよう。
【0051】
[0050]折り畳み式型枠要素の更なる例を
図8から
図11に示す。この例では、型枠要素(400)は、側壁パネル(402、403)にヒンジ式に連結されるコネクタ部材(401)を含む。この例では、ヒンジ連結部は側壁パネル(402、403)を有するボールおよびソケット状であり、実質的にC字形の断面形状を有し、かつコネクタ部材(401)端部の実質的に円筒形の部分(404)を回転自在に取り巻くソケット部分(420)を含む。各ソケット部分(420)は、ソケット部分(420)が分割されて、短い円弧面アーム(406)および比較的より長い円弧面アーム(407)を提供するように、対応する側壁パネル(例えば402、403)から突出するステム(405)上に取り付けられる。
【0052】
[0051]コネクタ部材(401)端部の実質的に円筒形の部分(404)の各々は、スリーブ部材(409)に連結するステム(408)によって支持される。スリーブ部材(409)はまた、ステム(408)がスリーブ(409)を分割する実質的にC字形の断面外形を有し、それにより短い円弧面アーム(410)および比較的より長い円弧面アーム(411)が提供される。ステム(408)により、スリーブ(409)は実質的に円筒形の部分(404)から間隔を空けており、それにより、第1の凹部(412)がスリーブの短い円弧面アーム(410)と円筒形部分(404)との間に設けられ、第2の凹部(413)がスリーブの、より大きい円弧面アーム(411)と円筒形部分(404)とによって設けられる。スリーブ(409)の外側凸面側は、コネクタ部材(401)の残部に結合する。
【0053】
[0052]型枠要素(400)が拡張構成と折り畳み構成との間で動くにつれて、円筒形部分(404)はソケット部分(420)の内部で回転する。折り畳み構成では、ソケット部材(420)の短い円弧面アーム(406)は、第1の凹部(412)内に受け入れられ、折り畳む方向への過回転が、短い円弧面アーム(406)の端部(406a)が円筒形部分(404)のステム(408)に当接し、かつスリーブ(409)の短い円弧面アーム(410)の端部(410a)がソケット部分(420)のステム(405)と当接することにより停止される。
【0054】
[0053]同様に、拡張構成では、ソケット部分(420)の、より長い円弧面アーム部分(407)が第2の凹部(413)内に受け入れられ、拡張方向への過回転が、ソケット部材(420)のより長い円弧面アーム(407)の端部(407a)が円筒形部分(404)のステム(408)と当接することにより、ならびにスリーブ(409)のより長い円弧面アーム(411)の端部(411a)がソケット部分(420)のステム(405)と当接することにより、制限される。
【0055】
[0054]加えて、スリーブ(409)のより長い円弧面アーム(411)の端部は鉤状部(414)を含み、鉤状部は、型枠要素が動いて拡張構成になる際に、ソケット部分(420)上の隆起部(415)と係合して、拡張構成においてスナップロック係合を提供し、要素が容易に折り畳まれないようになる。当然のことながら、この要素は、人間の介入によって折り畳み可能であり得ることが理解されよう(すなわち、スナップロックを解除するために)。
【0056】
[0055]本発明の更なる実施形態を
図14から
図25に示す。この実施形態における要素(100)は、
図1から
図7に示す要素(1)と同様に機能するが、いくつかの構造上の違いがある。
【0057】
[0056]特に、向かい合う側壁パネル(102、103)は、コネクタ部材(104)を受け入れるためのスロット(109)の間に延びる支え付き内壁(119)を含む。内壁(119)は、主コンクリート充填空洞(118)とパネルの外壁(113)との間を分離する。内壁(119)は、スロット(109)の壁に隣接して、かつその支え用脚部(119a)を介して、パネル(102、103)の外壁(113)に連結される。支え用脚部(119a)は、側壁パネル(102、103)の外壁(113)から実質的に直交して延び、内壁(119)と外壁(113)との間の領域を分割して複数のチャネル/空隙(114)を提供する。チャネル/空隙(114)は、スロット(109)と同じ方向に要素(100)の頂部から底部まで至ることが理解されよう。支え付き内壁(119)は、収容したコンクリートから受ける圧力を外壁(113)に沿って向きを変え、かつ/または分散させ、膨らみを最小化する手助けをする。
【0058】
[0057]いくつかの形態では、チャネル/空隙(114)は、断熱発泡体などの断熱材料(190)で充填されてもよい(例えば、
図25を参照)。断熱材料は、様々な方法でチャネル/空隙(114)の中に堆積させることができる。
【0059】
[0058]一例では、側壁パネル(102、103)は押出プロセスによって作製され、主パネル材料(典型的にはポリ塩化ビニルのようなポリマー材料)は、金型を介して押出成形される。そのような例では、断熱材料(190)を押出プロセス中にチャネル空隙(114)の中に堆積させることができる。これを可能にするために、出口/パイプがモールドヘッドに組み込まれ、それを通して断熱材料が主パネル材料と同じ押出速度で射出される。押出し後、冷却プロセスがあり、それにより主パネル材料が硬化し、断熱材料が膨張してチャネル/空隙を充填する。典型的には、冷却プロセスは冷却水タンクによって実現される。
【0060】
[0059]PVCが主パネル材料である場合、冷却中に硬化するには典型的には約3分かかり、典型的には断熱材料のあらゆる膨張は、よりゆっくりと起こり、側面パネルの形状を変形させるようには作用しない。
【0061】
[0060]いくつかの形態では、要素(100)の側面パネル(102、103)の外壁(113)も複数の穴(200)を含む。典型的には、これら穴は機械的打抜きによって実現される。穴(200)は、下塗りのような、パネル(102、103)の外面に塗布されたあらゆるコーティング/材料がパネルに、より効果的に結合する手助けをする。改善された結合は、表面コーティング/材料がパネル(102、103)を部分的に貫通し、穴(200)を介して「把持」することにより提供される。穴(200)は平面と比較して、より効果的な結合をもたらす。
【0062】
[0061]パネル(102、103)の押出し後に、いったんパネル(102、103)を冷却タンクに通し乾燥させると、典型的には穴(200)が含まれる。典型的には、生産ラインではパネル(102、103)は別個の穴打抜機械を通過する。穴(200)は一般に等間隔であり、いくつかの例では20mm毎の間隔を空ける。
【0063】
[0062]穴(200)を含むことに代えてまたは加えて、側壁パネル(102、103)の外面は、結合を改善するために粗面化されてもよい。例えば、パネルは、例えば適切な溶媒または酸などのエッチング/粗面化配合物で処理することができる。パネルの外面の平滑度を減らすこと(または粗面化)により、結合を改善するための追加の手段が提供される。典型的には、生産ラインでは、押出成形後に別個の機械でエッチング/粗面化ファンデーションを適用する(かつそれを洗い流す)。
【0064】
[0063]別の例では、断熱材料(190)を射出プロセスによってチャネル/空隙(114)の中に堆積させることができ、その場合、断熱材料は打ち抜かれた穴(200)を通して注入される。
【0065】
[0064]要素(100)のコネクタ部材(104)も、
図1から
図7の要素(1)のコネクタ部材(4)と比較したときにいくつかの相違点を有する。
図16から
図19に最も明瞭に示すように、コネクタ部材(104)は回転対称性を有し、フック状タブ(120)が両端に設けられる。更に、コネクタ(104)のヒンジ付き端部(111)はまた、(パネル(102、103)の平面に対して横方向に)、実質的に「M」字形の断面を有し、その遠位/外側の頂点は尖った先端部(111a)まで延びる。「M」字形の端部は、4点接触/摩擦係合で、向かい合う側壁(102、103)のスロット(109)内にスライド係合するように構成される。
【0066】
[0065]先端部(111a)は尖っており/鋭利であり、それにより、スロット(109)への最初の挿入時に、それらが摺り減ってスロットの内面に入り、更なる摩擦係合がもたらされる。摩耗係合はまた、いったんスロット(109)内に配置された場合に(例えば要素(1)の端部(11)と比較して)、コネクタ部材(104)の「遊び」を最小にする。「M」字形断面はまた、スロット(109)内の対応する内部チャネル(150)の内部に嵌合するように構成された脚部(111b)を提供する。
【0067】
[0066]要素(100)のコネクタ(104)では、ヒンジ部分(106)は、一般にはパネル/ウェブ(104a)内の薄肉化によって実現されないが、いくつかの形態ではそうであってもよい(例えば
図18を参照)。典型的には、要素(100)のヒンジ部分(106)は、ヒンジ部分に可撓性がより高い第2の材料を組み込むことによって設けられる。コネクタ部材(104)の大部分が実質的に硬質の材料(例えば、PVC)で形成されるのに対して、ヒンジ部分(106)は、ヒンジの様な動きまたは曲げを可能にするために、比較的、可撓性がより高い材料によって設けられる。一般に、可撓性がより高い第2の材料は、共押出を使用することによって組み込まれる。更に、パネル/ウェブの開口部(107)は、要素(1)からのコネクタ部材(4)の円形に近い開口部(7)と比較した場合に、本質的に矩形に近く、変動する周縁部を有する。
【0068】
[0067]類似する要素の間の連結のための代替の連結手段を
図14から
図25にも示す。示すように、要素(100)は、側壁パネル(102、103)の側端部に係合部分(131、132)を含む。一方の側端部では、側壁パネル(102、103)はスロット(132)を含み、他方の端部では、パネル(102、103)は矢印形状の断面(パネルの平面に対して横方向)を有する突起(131)を含む。1つの要素の突起(131)は、隣接する要素のスロット(132)の中にスナップロック式に挿入(およびその逆)されるように構成される。連結の際、矢印型突起(131)はスロットの中に押し込まれ、矢印型突起の傾斜した頭部がスロットの壁(132a)を一時的に離した後に、スロットが矢印型突起の周りにスナップ式に戻る。
【0069】
[0068]フック状タブ(120)とスナップ係合するように構成された(拡張構成でスナップロックを提供するための)突起状留め具(121)も、要素(1)と比較したときに、型枠要素(100)において修正される。型枠要素(100)において、突起状留め具(121)は挿入されるときに、反対側からフック状タブ(100)に係合する支持または締付け突起(122)によって補完される。
【0070】
[0069]本明細書に記載の折り畳み式型枠要素は、従来の型枠要素に対していくつかの利点を提供することが理解されよう。特に、それらはそれらの拡張サイズの何分の一か(例えば、最小で拡張サイズの1/3、1/4、1/5、または1/10)に折り畳むことができ、輸送中および現場でのスペース節約が可能になる。更に、それらの構成要素は、別々の部品として、また射出成形ではなく費用効果の高い押出機械を使用して製造することができる。
【0071】
[0070]典型的には、本明細書に記載の型枠要素の構成要素は、押出成形材料のみから形成される。一例では、型枠要素は、一回の動作で、折り畳み構成から、最大で6倍大きい拡張構成位置まで拡張することができる。本明細書に記載の要素はまた、一般に拡張すると自動的に拡張構成に機械的に維持され、コネクタ部材パネル/ウェブは、いかなる追加の締結具、挿入物または支えもなしに、側壁パネルに対して垂直に(90度で)固定される。
【0072】
[0071]加えて、要素の間のスナップロック連結は、より大型の型枠構造の迅速で簡単な構築に寄与する。典型的にはポリプロピレンまたはPVCなどのポリマーである構成要素の材料ゆえに、付属品、またはアドオン構成要素、例えばフロアトラック、ウィンドウヘッド、コーナー、ストップエンド等への高強度の結合を作り出すために適用できる粘着剤/接着剤の使用が可能になる。
【0073】
[0072]また、型枠要素の様々な態様を修正してもよいことが理解されよう。例えば、拡張した幅は、より広いコネクタ部材を選択することによって調整することができる。同様に、向かい合う側壁パネルは大きさが異なっていてもよい。従って、型枠要素の全体としてのサイズ/寸法は、必要に応じて構成/選択することができる。
【0074】
[0073]本発明の任意選択の実施形態はまた、概して本明細書で個別にまたは一括して参照するか、または示す部分および特徴に対して、2つ以上の部分または特徴のいずれか、または全ての組み合わせにあると言うことができ、本発明で特定の整数が言及され、本発明が関連する技術分野において既知の均等物が存在する場合は、そのような既知の均等物は、あたかも個別に述べたかのように本明細書に組み込まれると見なされる。
【0075】
[0074]好ましい実施形態を詳細に説明してきたが、様々な変化、置換、および変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得ることを理解すべきである。本発明の様々な形態を、個別にまたは組み合わせて使用してよいこともまた理解されよう。