(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220128BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220128BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220128BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220128BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20220128BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20220128BHJP
H05K 5/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G02B7/02 Z
G03B15/00 V
G03B17/02
H04N5/225 700
H05K7/14 C
H05K9/00 C
H05K9/00 L
H05K5/00 A
(21)【出願番号】P 2019517812
(86)(22)【出願日】2017-10-18
(86)【国際出願番号】 KR2017011494
(87)【国際公開番号】W WO2018074829
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2016-0134860
(32)【優先日】2016-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ボムスク
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-231375(JP,A)
【文献】特開2013-211493(JP,A)
【文献】特開2009-283280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G02B 7/02
G03B 15/00
G03B 17/02
H05K 7/14
H05K 9/00
H05K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ部と、
前記レンズ部を収容するフロントボディー(front body)と、
前記フロントボディーと結合されるリアボディー(rear body)と、
前記リアボディーの内部に収容され、複数のプリント基板を含む基板部と、
前記基板部と電気的に連結されるケーブルと、
前記
リアボディーの内部に配置され、前記ケーブルと前記基板部を連結するコネクター部と、
前記リアボディーと前記コネクター部の間に配置され、導電性素材から構成さ
れる第1遮蔽部と、
を含
み、
前記リアボディーの内壁は前記第1遮蔽部と接触する第1導電性部分を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記コネクター部は、
前記基板部と結合される第1コネクターと、
一側が前記第1コネクターと結合され、他側に前記第1遮蔽部が結合される第2コネクターと、
を含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1遮蔽部はリング形に形成され、前記ケーブルの外周面を取り囲むように構成される、請求項1
又は2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1遮蔽部は前記リアボディー
の内壁の前記第1導電性部分に接地される、請求項1
~3のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記リアボディーと結合され、前記ケーブルが貫通するホルダーと、
導電性素材から構成され、前記リアボディーと前記ホルダーの間に配置され、前記基板部又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する第2遮蔽部とをさらに含む、請求項1
~4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記リアボディーは前記ケーブルが貫通する第1突出部が形成され、
前記ホルダーは前記第1突出部に結合され、
前記第2遮蔽部は前記第1突出部と前記ホルダーの間に配置される、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記第2遮蔽部は前記第1突出部に形成される装着溝に配置される、請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記ホルダーは前記装着溝に挿入される第2突出部を含み、
前記第2遮蔽部は前記装着溝、前記第2突出部及び前記ケーブルがなす空間に配置される、請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記基板部は、
前記レンズ部と向き合うように配置される第1基板と、
前記第1基板から光軸方向に離隔して配置される第3基板と、
前記第1基板と前記第3基板の間に、前記第1基板と前記第3基板からそれぞれ離隔するように配置される第2基板と、
を含む、請求項1
~8のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記基板部を取り囲むように構成されるシールド部材をさらに含む、請求項1
~9のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記第2遮蔽部は前記リアボディーの前記ケーブル貫通部位をシール(sealing)する、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記第2遮蔽部はリング状に形成されて前記ケーブルの外周面を取り囲むように構成される、請求項11に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記第2遮蔽部は前記リアボディーと電気的に連結される、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記コネクター部は前記第3基板と電気的に連結される、請求項9に記載のカメラモジュール。
【請求項15】
前記リアボディーの内壁は前記第2遮蔽部と接触する第2導電性部分を含む、請求項5に記載のカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、電磁適合性(ElectroMagnetic Compatibility、EMC)を向上させることができる構造を有するカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は単に実施例についての背景情報を提供するだけで従来技術を構成するものではない。
【0003】
自動車にはさまざまな用途のカメラモジュールが装着されることができる。例えば、自動車をパーキングする場合、後方の視野を確保することができるカメラモジュールが自動車の後方部に装着されることができる。
【0004】
また、近年になって、交通事故が発生した場合、事故経緯、事故原因などを追跡するのに非常に有用に使われる自動車用ブラックボックスの場合にもカメラモジュールが使われることができる。また、自動車の運転者又は搭乗客が肉眼で確認しにくい死角地帯の状況を明確で容易に把握するための認識装置としてカメラモジュールが使われる場合も徐々に増加する趨勢にある。
【0005】
近年には、いわゆるスマートカー、すなわち自動車の走行時に前後方の衝突可能性を予め探知し、これに備えるようにする衝突警告システム、自動車に搭載される制御装置によって走行する自動車間の衝突を運転者の運転によらず前記制御装置が直接回避することができる衝突回避システムなどが装着される自動車の製作が増加しており、関連技術の開発が増加している趨勢である。
【0006】
このようなスマートカーの外部状況認識手段としてカメラモジュールの使用が増加しており、これによって自動車用カメラモジュールの生産と技術開発も増加している趨勢である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施例は、電磁適合性(ElectroMagnetic Compatibility、EMC)を向上させることができる構造を有するカメラモジュールに関する。
【0008】
実施例が達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及しなかった他の技術的課題は下記の記載から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
カメラモジュールの一実施例は、レンズ部と、前記レンズ部を収容するフロントボディー(front body)と、前記フロントボディーと結合されるリアボディー(rear body)と、前記リアボディーの内部に収容され、複数のプリント基板を含む基板部と、前記基板部と電気的に連結されるケーブルと、前記ケーブルと前記基板部を連結するコネクター部と、導電性素材から構成され、前記コネクター部の後方に配置され、前記基板部又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する第1遮蔽部とを含むことができる。
【0010】
カメラモジュールの他の実施例は、レンズ部と、前記レンズ部を収容するフロントボディーと、前記フロントボディーと結合されるリアボディーと、前記リアボディーの内部に収容され、複数のプリント基板を含む基板部と、前記基板部を取り囲むように構成されるシールド部材と、前記基板部と電気的に連結されるケーブルと、前記ケーブルと前記基板部を連結するコネクター部と、導電性素材から構成され、前記コネクター部の後方に配置され、前記基板部又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する第1遮蔽部と、前記リアボディーと結合され、前記ケーブルが貫通するホルダーと、導電性素材から構成され、前記リアボディーと前記ホルダーの間に配置され、前記基板部又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する第2遮蔽部とを含み、前記リアボディーは導電性素材から構成され、前記第1遮蔽部と前記第2遮蔽部は前記リアボディーと電気的に連結されることができる。
【発明の効果】
【0011】
実施例において、ケーブルが配置される部位に近くに第1遮蔽部と第2遮蔽部を配置することにより、ケーブルが配置される部位を介して伝播される電磁気ノイズを効果的に遮蔽してカメラモジュール又はカメラモジュール周辺の電子機器の電磁適合性を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例によるカメラモジュールを示した斜視図である。
【
図4】一実施例によるカメラモジュールを示した側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳細に説明する。実施例は多様に変更することができ、さまざまな形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、実施例による思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0014】
“第1”、“第2”などの用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。また、実施例による構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は実施例を説明するためのものであるだけ、実施例による範囲を限定するものではない。
【0015】
実施例による説明において、各要素(element)の“上又は下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上又は下(on or under)は二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するかあるいは一つ以上の他の要素(element)が前記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものを全て含む。また“上又は下(on or under)”と表現される場合、一つの要素(element)を基準に上方のみではなく下方の意味も含むことができる。
【0016】
また、以下で使われる“上/上部/上の”及び“下/下部/下の”などの関係的用語は、そのような実体又は要素間のある物理的又は論理的関係又は手順を必ずしも要求するか内包しなく、ある一つの実体又は要素を他の実体又は要素と区別するために用いることもできる。
【0017】
また、図面には直交座標系(x、y、z)を使うことができる。図面で、x軸及びy軸は光軸に対して垂直な平面を意味するものであり、便宜上、光軸方向(z軸方向)は第1方向、x軸方向は第2方向、y軸方向は第3方向と指称することができる。
【0018】
図1は一実施例によるカメラモジュールを示した斜視図である。
図2は
図1のリアボディー300を除去した図である。
図3は
図2の側面図である。
【0019】
実施例によるカメラモジュールは、レンズ部100、フロントボディー(front body)200、リアボディー(rear body)300、基板部400(
図4参照)、ケーブル500、第1遮蔽部700、ホルダー800、第2遮蔽部900及びシールド部材1000を含むことができる。
【0020】
レンズ部100は外部の光が入射する部位であり、少なくとも一つのレンズが装着されるレンズバレル10(
図4参照)を含むことができる。ここで、レンズバレル10は単品のレンズから構成されることもできるが、複数のレンズが光軸方向、すなわち第1方向に整列される形態に構成されることもできる。他の実施例として、レンズバレルなしに単一レンズ又は複数のレンズがフロントボディー200に直接結合されることもできる。
【0021】
また、レンズ部100はフロントボディー200とネジ結合、形状嵌合又は締まりばめなどの方法で結合されることができるので、レンズ部100とフロントボディー200の結合部位の隙間に、水分、ほこりその他の異物がカメラモジュールの内部に流入することを遮断するためのシーリング部材(
図4参照)を備えることもできる。
【0022】
レンズ部100をフロントボディー200に安定的に結合するために、例えば
図1に示したように、レンズ部100をフロントボディー200に締結する締結部材110を備えることもできる。締結部材110は中空を有し、前記中空にレンズ部100が装着され、また締結部材110をフロントボディー200にネジ結合、接着剤による結合方式などで結合することによってレンズ部100をフロントボディー200に結合することができる。
【0023】
フロントボディー200は前記レンズ部100を内部空間に収容する中空型に構成されることができる。フロントボディー200の前方部には前記レンズ部100が装着されることができる。このために、フロントボディー200には前記レンズ部100が装着される中空が形成されることができる。
【0024】
前記フロントボディー200はリアボディー300と結合されることができる。フロントボディー200とリアボディー300の結合は、例えば結合器具によってなされることができる。このために、
図1に示したように、前記フロントボディー200の角部には結合器具が挿入される通孔が形成されることができる。
【0025】
また、前記結合器具が配置される空間を確保するために、
図1に示したように、前記リアボディー300の角部、すなわち前記結合器具が配置される部位には逃避部が形成されることができる。
【0026】
また、前記リアボディー300に逃避部が形成されることにより、前記リアボディー300に収容される基板部400は、
図2に示したように、前記リアボディー300の逃避部に対応する部位に逃避部が形成されることができる。
【0027】
ただ、これは一実施例に過ぎず、他の実施例として結合器具を使わず、フロントボディー200とハウジングを接着、形状嵌合、締まりばめ方式で結合することもできる。
【0028】
リアボディー300は前記フロントボディー200と結合し、前記基板部400を収容することができる。よって、前記リアボディー300は前記基板部400を収容するための内部空間が形成されることができる。
【0029】
また、前記リアボディー300はケーブル500が貫通する通路の役割をし、ホルダー800が結合する第1突出部310(
図4参照)が後方に形成されることができる。リアボディー300の具体的な構造は
図4などを参照して以下で具体的に説明する。
【0030】
基板部400は前記リアボディー300の内部に収容され、複数のプリント基板を含むことができる。基板部400は、
図1に示したように、光軸方向に前記レンズ部100から離隔して配置されることができる。
【0031】
前記基板部400は、前記レンズ部100を通過した光が入射し、入射する光をイメージに変換するイメージセンサー411(
図6参照)などを含むことができる。前記基板部400の具体的な構造は
図4などを参照して具体的に説明する。
【0032】
ケーブル500は前記基板部400と電気的に連結され、外部電源から前記基板部400に電力を供給する通路の役割をすることができる。また、基板部400は前記ケーブル500を介して外部装置と電気的信号をやり取りすることができる。
【0033】
前記ケーブル500は複数本の導線が保護層で包まれている形態のものであってもよい。前記ケーブル500はコネクター部600を介して前記基板部400と連結されることができる。
【0034】
コネクター部600は前記ケーブル500と前記基板部400を連結する役割をし、
図3に示したように、第1コネクター610と第2コネクター620を含むことができる。
【0035】
第1コネクター610は前記基板部400と直接結合され、第2コネクター620は前記第1コネクター610とケーブル500を電気的に連結する役割をすることができる。すなわち、前記第2コネクター620は一側が前記第1コネクター610と結合され、他側に前記第1遮蔽部700が結合されることにより、第1コネクター610とケーブル500を連結することができる。
【0036】
図4を参照すると、第1コネクター610は、例えば基板部400のうち最後方に配置される第3基板430と結合され、第2コネクター620は前記第1コネクター610と結合され、前記ケーブル500は第2コネクター620と結合されることができる。このような構造によって基板部400とケーブル500は互いに電気的に連結されることができる。
【0037】
第1遮蔽部700は、
図2及び
図3に示したように、導電性素材から構成され前記コネクター部600の後方に配置され、前記基板部400又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する役割をすることができる。第1遮蔽部700については
図4などを参照して以下で具体的に説明する。
【0038】
ホルダー800は前記リアボディー300と結合され、前記ケーブル500が貫通することができる。前記ホルダー800はリアボディー300の第1突出部310に結合され、前記ケーブル500を支持する役割をすることができ、さらに以下で説明する第2遮蔽部900を支持する役割をすることもできる。前記ホルダー800は前記第1突出部310に接着剤などによって結合されることができる。
【0039】
第2遮蔽部900は導電性素材から構成され、前記リアボディー300と前記ホルダー800の間に配置され、前記第1遮蔽部700とともに、前記基板部400又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する役割をすることができる。第2遮蔽部900については
図4などを参照して以下で具体的に説明する。
【0040】
シールド部材1000は、
図2に示したように、前記基板部400を取り囲むように構成されることができる。前記シールド部材1000は、前記基板部400が前記リアボディー300の内壁にぶつかって破損されることを防止する役割をすることができる。
【0041】
また、前記シールド部材1000は金属などの導電性素材から構成され、前記第1遮蔽部700及び前記第2遮蔽部900とともに、前記基板部400又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する役割をすることができる。
【0042】
すなわち、前記シールド部材1000は、前記基板部400で発生する電磁気ノイズがカメラモジュールの外部に伝播されることを遮断するか、反対にカメラモジュールの外部で発生するノイズが前記基板部400に伝播されることを遮断することができる。
【0043】
図4は一実施例によるカメラモジュールを示した側面断面図である。
図5は
図4のA部の拡大図である。
【0044】
基板部400に電力が供給され、基板部400に備えられたイメージセンサー411その他の素子が作動すれば、基板部400に備えられた各素子から電磁気ノイズが発生することがある。
【0045】
基板部400で発生するノイズが電磁波の形態でカメラモジュールの外部に伝播されれば、カメラモジュールの周辺に配置される他の電子機器に電磁干渉(ElectroMagnetic Interference、EMI)を引き起こして前記他の電子機器の性能を低下させることがある。
【0046】
反対に、カメラモジュールの周辺に配置される他の電子機器で発生するノイズがカメラモジュールの内部に伝播されれば、カメラモジュールの内部の基板部400に電磁干渉を引き起こし、カメラモジュールの画質低下などの性能低下が発生することがある。
【0047】
したがって、カメラモジュール周辺の他の電子機器で発生するノイズがカメラモジュールの内部の基板部400に伝播される場合、電磁干渉によってカメラモジュールの電磁適合性(ElectroMagnetic Compatibility、EMC)を低下させることがある。
【0048】
反対に、基板部400で発生するノイズがカメラモジュールの外部に伝播される場合、カメラモジュール周辺の他の電子機器の電磁適合性を低下させることがある。
【0049】
このような電磁干渉を抑制するために、カメラモジュールのリアボディー300の内部に配置される基板部400はカメラモジュールの外部から電磁的に遮蔽する必要がある。すなわち、カメラモジュールには基板部400又はこの部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する遮蔽手段が必要である。
【0050】
このために、実施例において、導電性素材に備えられ、基板部400を取り囲むシールド部材1000はノイズ遮蔽手段となることができる。また、基板部400を収容するリアボディー300とリアボディー300に結合されるフロントボディー200は導電性素材から構成され、基板部400の接地手段として使用されてノイズ遮蔽手段になることができる。
【0051】
しかし、
図4を参照すると、基板部400に連結されるケーブル500が配置される部分には隙間が発生することがあり、このような隙間を通してノイズは電磁波の形態で基板部400から外部に又はその反対に伝播されることがあり、また、ノイズはケーブル500を介して伝播されることもある。このように伝播されるノイズはカメラモジュール又はカメラモジュール周辺の電子機器の電磁適合性を害することがある。
【0052】
したがって、実施例において、ケーブル500が配置される部分に電磁気ノイズ遮蔽のために第1遮蔽部700と第2遮蔽部900を備えることができる。一方、
図4及び
図5では第1遮蔽部700と第2遮蔽部900が他の構成要素と重なるように示されているが、第1遮蔽部700と第2遮蔽部900が変形可能であり、重なるように示されたことは第1遮蔽部700と第2遮蔽部900の原形を示すためである。
【0053】
第1遮蔽部700は金属などの導電性素材から構成され、第2コネクター620と第1突出部310の段差部の間に配置されることができる。第1遮蔽部700は導電性素材から構成されるので、基板部400又はカメラモジュールの外部から電磁波の形態で伝播されるノイズを吸収することができる。
【0054】
ここで、前述したように、カメラモジュールの内部から外部にあるいはその反対に伝播されるノイズはケーブル500が配置される部分の隙間又はケーブル500を介して伝播されることがあるので、第1遮蔽部700は前記ケーブル500に隣接して配置されることができる。
【0055】
一方、前記リアボディー300は金属などの導電性素材から構成され、前記第1遮蔽部700は前記リアボディー300と電気的に連結されることができる。
【0056】
前記リアボディー300は、耐久性を高めるために、外壁と内壁の少なくとも一部に非導電性素材の塗布物質で塗装されることができる。実施例において、リアボディー300の内壁のうち第1遮蔽部700と接触する部位でリアボディー300に塗装されなくてもよい。他の実施例において、リアボディー300の内壁のうち第1遮蔽部接触部位に導電性素材の塗布物質で塗装されることができる。
【0057】
このような構造により、第1遮蔽部700とリアボディー300が電気的に連結され、リアボディー300は接地手段として使われるので、第1遮蔽部700に吸収されるノイズはリアボディー300に伝播され、接地によって消滅することができる。
【0058】
一方、
図3及び
図5に示したように、前記第1遮蔽部700はリング形に形成され、前記ケーブル500の外周面を取り囲むように構成されることができる。このような構造により、前記ケーブル500が配置される部位に沿って伝播されるノイズは効果的に第1遮蔽部700に吸収されることができる。
【0059】
前記第1遮蔽部700は例えばワッシャから構成されることができる。ここで、前記ワッシャは平ワッシャ、スプリングワッシャ、ワッシャの内周面又は外周面に歯部が形成される歯付きワッシャ、
図5に示したように一面に突出する皿形ワッシャその他の多様な種類のものを使うことができる。
【0060】
第2遮蔽部900は金属などの導電性素材から構成され、前記第1突出部310と前記ホルダー800の間に配置されることができる。
図3に示したように、前記リアボディー300の後方部には前記ケーブル500が貫通する第1突出部310が形成されることができる。前記第1突出部310にはケーブル500が挿入される貫通部が形成され、前記貫通部の一部に第2遮蔽部900が配置されることができる。
【0061】
すなわち、前記リアボディー300の後方部にケーブル500が貫通する第1突出部310が形成され、前記第1突出部310のケーブル500が貫通する貫通部の一部に装着溝311が形成され、前記装着溝311に前記第2遮蔽部900が配置されることができる。
【0062】
前記ホルダー800は前記装着溝311に挿入される第2突出部810を含み、前記ホルダー800が前記第1突出部310に結合されれば、前記第2突出部810は前記装着溝311に挿入されることができる。前記ホルダー800が前記第1突出部310に結合されれば、前記第2遮蔽部900は、前記装着溝311、前記第2突出部810及び前記ケーブル500がなす空間に配置されることができる。
【0063】
ここで、前述したように、カメラモジュールの内部から外部に、あるいはその反対に伝播されるノイズはケーブル500が配置される部分の隙間又はケーブル500を介して伝播されることがあるので、第2遮蔽部900は前記ケーブル500に隣接して配置されることができる。
【0064】
例えば、
図5に示したように、前記第2遮蔽部900はリング形に形成され、前記ケーブル500の外周面を取り囲むように構成されることができる。このような構造により、前記ケーブル500が配置される部位に沿って伝播されるノイズは効果的に第2遮蔽部900に吸収されることができる。
【0065】
第2遮蔽部900は導電性素材から構成されるので、基板部400又はカメラモジュールの外部から電磁波の形態で伝播されるノイズを吸収することができる。
【0066】
また、前記第2遮蔽部900は導電性素材から構成される前記リアボディー300と電気的に連結されることができる。すなわち、前記第1突出部310と前記第2遮蔽部900は電気的に連結されることができる。このような電気的連結方式は前述した第1遮蔽部700とリアボディー300の電気的連結方式と同一又は類似である。
【0067】
前記第2遮蔽部900とリアボディー300が電気的に連結され、リアボディー300は接地手段として使われるので、第2遮蔽部900に吸収されるノイズはリアボディー300に伝播されて接地によって消滅することができる。
【0068】
一方、前記第2遮蔽部900は前記リアボディー300の前記ケーブル500の貫通部位をシーリング(sealing)する役割をすることができる。シーリングのために、前記第2遮蔽部900は光軸方向にシーリングに十分な幅を有するように形成されることができる。
【0069】
前記第2遮蔽部900はノイズ遮蔽の役割とともに、ケーブル500の貫通部位の隙間を通してカメラモジュールの内部に水分、ほこりその他の異物が流入することを防止するシーリング部材の役割をすることができる。
【0070】
前記第2遮蔽部900は、ノイズ遮蔽及びシーリングのために、例えばアルミニウム、銅(copper)又はこれらの中で少なくとも一つを含む素材から構成されることが適切であり得る。
【0071】
前述したように、ケーブル500の貫通部位に光軸方向に第1遮蔽部材700と第2遮蔽部材900を一定の間隔で配置することにより、前記基板部400又は外部で発生する電磁気ノイズを効果的に遮蔽することができる。
【0072】
実施例において、ケーブル500が配置される部位の近くに第1遮蔽部700と第2遮蔽部900を配置することにより、ケーブル500が配置される部位を介して伝播される電磁気ノイズを効果的に遮蔽し、カメラモジュール又はカメラモジュール周辺の電子機器の電磁適合性を効果的に向上させることができる。
【0073】
図6は一実施例による基板部400を示した図である。
図7は
図6からシールド部材1000を除去した図である。
図8は
図7の背面斜視図である。実施例による基板部400は、第1基板410、第2基板420、第3基板430、連結部440、離隔部材450及びシールド部材1000を含むことができる。
【0074】
前記第1基板410は前記レンズ部100と向き合うように配置されることができる。前記第3基板430は前記第1基板410から光軸方向に離隔して配置されることができる。前記第2基板420は前記第1基板410と前記第3基板430の間に、かつ前記第1基板410と前記第3基板430からそれぞれ離隔するように配置されることができる。
【0075】
前記第1基板410は前記レンズ部100と対向して前記レンズ部100に近くに配置されることができ、前記レンズ部100と向き合う面、すなわち前面にイメージセンサー411が装着されることができ、その他の各種の回路素子などが備えられる電磁気回路が形成されることができる。
【0076】
レンズ部100を介して入射する光を前記イメージセンサー411でセンシングし、前記第1基板410はセンシングされたイメージを電気的信号に変換して外部のイメージ保存装置又はイメージ再生装置に伝送する役割をすることができる。ただ、センシングされたイメージを電気的信号に変換することは他の基板でも行うことができる。
【0077】
前記第2基板420は前記第1基板410と第3基板430の間に配置され、前記第1基板410及び前記第3基板430と電気的に連結されて電磁気回路をなすことができる。
【0078】
前記第2基板420は前記第1基板410に必要な電力を供給する電気的通路の役割をすることができ、前記第1基板410から伝送されるセンシングされたイメージに対する電気的信号を外部のイメージ保存装置又はイメージ再生装置に伝達する役割をすることができる。
【0079】
例えば、前記第2基板420は第1基板410から伝送されるセンシングされたイメージを電気的信号に変換して外部のイメージ保存装置又はイメージ再生装置に伝送するか、あるいは第3基板430から入力される電力を整流して第1基板410に伝送する役割をすることができる。
【0080】
すなわち、前記第2基板420は第1基板410と第3基板430の間に配置され、第1基板410と第3基板430の役割を部分的に分担して行うこともできる。
【0081】
前記第3基板430は前記第2基板420後方に配置され、前記第2基板420と電気的に連結されて電磁気回路をなすことができる。前述したように、第3基板430はコネクター部600及びケーブル500と電気的に連結されることができる。
【0082】
第3基板430は、主に前記カメラモジュールの作動に必要な電力を外部から受けて前記第1基板410及び第2基板420に伝送し、前記第1基板410及び第2基板420から伝送されるセンシングされたイメージに対する電気的信号を外部のイメージ保存装置又はイメージ再生装置に伝達する役割をすることができる。
【0083】
したがって、第3基板430には、カメラモジュールの作動に必要な適切な電圧及び電流を有する電力を供給するためのコンデンサー、整流器、変圧器などの素子が装着されることもできる。
【0084】
また、第3基板430には、外部のイメージ保存装置、イメージ再生装置、カメラモジュール制御装置などとの電気的連結のために、前述したようにコネクター部600と電気的に連結されることができる。すなわち、
図8に示したように、第3基板430にはコネクター部600の第1コネクター610が結合されることができる。
【0085】
連結部440は前記基板を互いに電気的に連結し、柔軟な素材からなることができる。すなわち、前記連結部440は前記第1基板410、第2基板420及び第3基板430を電気的に連結し、よって前記基板の数より一つ少ない数で備えられることができる。実施例では全部で三つの基板が備えられるので、前記連結部440は、第1基板410と第2基板420を連結するものと、第2基板420と第3基板430を連結するものの二つが備えられることができる。
【0086】
実施例ではそれぞれの基板を互いに連結する連結部440が各基板の側面に一つずつ備えられたが、これに限られず、各基板の回路構造、カメラモジュールの全体構造を考慮して連結部440の数及び配置位置を選択することができる。
【0087】
連結部440は、各基板との結合作業の容易性、カメラモジュールの外部から加わる衝撃や振動に破損されないように、このような衝撃や振動を吸収する必要がある点を考慮すれば、柔軟な素材から形成することが適切である。したがって、連結部440はフレキシブル回路基板から形成されることができる。
【0088】
ただ、これに限られず、衝撃や振動に強いものであれば堅固な素材を使うこともでき、電線束を使って連結部440を形成することもできる。
【0089】
また、連結部440と各基板の結合のために、半田付け、電気伝導性接着剤による接着方式などを用いることができる。他の実施例において、前記連結部440は前記第1基板410ないし第3基板430との積層によって一体に形成されることもできる。このような連結部440は各基板を電気的に連結するB2B(board to board)コネクターの役割をすることができる。
【0090】
離隔部材450は、
図7に示したように、前記第1基板410、第2基板420及び第3基板430の間を設定間隔で互いに離隔させる役割をすることができる。前記離隔部材450は前記基板と、例えばネジ結合方式で結合されることができ、各基板において素子又は回路が配置されていない部位に結合されることができる。
【0091】
離隔部材450は適切な数が選択されることができるが、各基板の離隔状態を安定的で堅固に維持するために、少なくとも二つ配置されることが適切であり得る。
【0092】
シールド部材1000は、前述したように、前記基板部400を取り囲むように構成されることができ、前記基板部400が前記リアボディー300の内壁にぶつかって破損されることを防止し、導電性素材から構成され、前記基板部400又は外部で発生する電磁気ノイズを遮蔽する役割をすることができる。
【0093】
図7及び
図8を参照すると、基板部400の構成を簡素化し、基板部400に素子又は回路を形成する空間を確保するために、前記離隔部材450を結合する締結ネジ460に前記シールド部材1000をともに結合して前記基板部400にシールド部材1000を配置することが適切であり得る。
【0094】
前記シールド部材1000には突出支持部1100が形成されることができる。前記突出支持部1100は前記シールド部材1000とリアボディー300の内壁を互いに離隔させることで、基板部400がリアボディー300の内壁にぶつかることを防止することができる。ここで、突出支持部1100は弾性変形可能であるので、リアボディー300の内部にシールド部材1000がぶつかる場合にも基板部400に加わる衝撃を緩和することができる効果がある。
【0095】
実施例に関連して前述したように幾つかのみを記述したが、その他にも多様な形態の実施が可能である。前述した実施例による技術的内容は互いに両立することができない技術ではない限り、多様な形態に組み合わせられることができ、これによって新しい実施形態に具現されることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
実施例において、ケーブルが配置される部位の近くに第1遮蔽部と第2遮蔽部を配置することにより、ケーブルが配置される部位を介して伝播される電磁気ノイズを効果的に遮蔽し、カメラモジュール又はカメラモジュール周辺の電子機器の電磁適合性を効果的に向上させることができる。