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特許7005617原子力発電所の蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法
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  • 特許-原子力発電所の蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】原子力発電所の蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/30 20060101AFI20220114BHJP
   G21F 9/00 20060101ALI20220114BHJP
   G21F 9/28 20060101ALI20220114BHJP
   G21F 9/34 20060101ALI20220114BHJP
   G21D 1/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G21F9/30 535C
G21F9/00 C
G21F9/28 521D
G21F9/28 531Z
G21F9/30 531H
G21F9/34 Z
G21D1/00 S
G21D1/00 Q
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019527456
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2017079961
(87)【国際公開番号】W WO2018095925
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】102016122513.4
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518150493
【氏名又は名称】フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・ベック
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク・クレーマー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ガーナー
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-113398(JP,A)
【文献】特開2014-106048(JP,A)
【文献】米国特許第05819186(US,A)
【文献】特開平09-297197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/30
G21D 1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器(10)または熱交換器を分解するための方法であって、
蒸気発生器(10)または熱交換器は、複数の主要な循環用の管(11)を含み、該管の内表面は、汚染されていて、
管(11)の1以上が、該管の両方の端部(12)において、プラグ(13)でシールされていて、
当該方法は、以下の工程:
a) 各プラグ(13)に開孔(14)を形成することによって、または各プラグ(13)を除去することによって、それぞれシールされた管(11)の片方または両方の端部(12)を開ける工程、
b) シールされた後に開けられた1以上の管(11)に、粘性のポリマー(24)を導入する工程であって、ポリマー(24)は、管(11)の内側で硬化するものであり、ポリマー(24)は、少なくとも管(11)の端部(12)の領域において、管(11)の全断面にわたって、管(11)を充填し、管(11)の内側の充填された部分において、汚染を固定する、工程、
c) ポリマー(24)が硬化した後、ポリマー(24)が供された管(11)を分離する工程であって、分離された管(11)は、硬化したポリマー(24)によってシールされている、工程、
d) ポリマー(24)が供されて分離されている管(11)をポリマー(24)が供されていない主要な循環用の管(11)から分ける工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、原子力発電所の蒸気発生器(10)または熱交換器を分解するための方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
架橋ポリマー(24)を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
架橋ポリマー(24)を使用し、重付加によって架橋を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記架橋ポリマー(24)が、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂からなるか、あるいは、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂を含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記管の内部(16)が、ポリマー(24)で完全に充填されているか、または
前記管の内部(16)が、前記管の両方の端部(12)の領域において、ポリマー(24)で充填されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記管の内部(16)が、前記管の両方の端部(12)の領域において、前記管の端部(12)から、管板を超えて、最大で0.5メートルまでポリマー(24)で充填されていることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポリマー(24)は、1以上のライン(15)を用いて導入され、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)を通して、管(11)に挿入されるか、または、各ライン(15)が、管(11)のそれぞれ開けられた端部(12)のそれぞれを通して、管(11)に挿入されることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
管(11)は、U形状の管(11)であり、管(11)の両方の端部(12)が、管板(17)において終了し、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)の一方を通して挿入され、次いで、U形状の管(11)のターニング・ポイント(18)に導かれ、
次いで、ポリマー(24)が、ライン(15)を通して、管(11)に注入され、
管(11)の対応する半分の内部(16)がポリマー(24)で充填されるまで、ポリマー(24)を注入する一方で、ライン(15)が、管(11)から回収されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
管(11)は、U形状の管(11)であり、管(11)の両方の端部(12)が、管板(17)において終了し、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)の一方を通して、管(11)に挿入され、次いで、管(11)において、管板を超えて、約0.5メートルまで導かれ、
次いで、ポリマー(24)は、ライン(15)を通して、管(11)に注入され、
管(11)の対応する部分がポリマー(24)で充填されるまで、ポリマー(24)を注入する一方で、ライン(15)が、管(11)から回収されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項11】
U形状の管(11)の対応する半分または対応する部分へのポリマー(24)の注入と同時または注入後に、管(11)の第2の半分または第2部分が、管(11)の開けられた第2端部(12)を通して、同様の様式で、ポリマー(24)で充填されることを特徴とする、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてを除染することを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてをメカニカル・クリーニング・プロセスまたはケミカル・クリーニング・プロセスによって除染することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてをアブレーシブ・プロセスによって除染することを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてをブラスティング・プロセスによって除染することを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてを、溶媒を用いるスカベンジング・プロセスによって除染することを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
プラグ(13)の開孔(14)は、ルーズ・ピースを回避するために、ドリリングによって形成されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
プラグ(13)の開孔(14)は、ルーズ・ピースを回避するために、2ステージ・ドリリング・プロセスを用いて形成されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ポリマー(24)が供された管(11)の分離は、ポリマー(24)が供された管(11)をポリマー(24)が供されていない主要な循環用の管(11)から分ける前に、プラグ(13)が供されずに開いている管(11)を分離することをさらに含むことを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ポリマー(24)が供された管(11)および/またはプラグ(13)が供されずに開いている管(11)を、管板(17)において、または管板(17)の近くで、あるいは管板(17)のレベルで、直接的に分離し、該分離は、提示のセパレーション・ライン(A)に沿って行われていることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ポリマー(24)が供された管(11)および/またはプラグ(13)が供されずに開いている管(11)を、管板(17)において、または管板(17)の近くで、あるいは管板(17)のレベルで、直接的にソーイングによって分離し、該分離は、提示のセパレーション・ライン(A)に沿って行われていることを特徴とする、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ポリマー(24)が供された管(11)および/またはプラグ(13)が供されずに開いている管(11)を、管板(17)において、または管板(17)の近くで、あるいは管板(17)のレベルで、直接的に分離し、該分離は、垂直に延在する管(11)に対して直交する提示のセパレーション・ライン(A)に沿って行われていることを特徴とする、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
ポリマー(24)で完全に充填された管(11)は、複数のピースにセグメント化され、該セグメント化は、カッティングおよび/またはソーイングおよび/またはサーマル・セパレーション・プロセスによって行われることを特徴とする、第1の代替である、請求項に記載の方法。
【請求項24】
ポリマー(24)で完全に充填された管(11)が、分離後に複数のピースにセグメント化されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項25】
ポリマー(24)が供されて分離されている管(11)は、放射性廃棄物として処分および/または廃棄され、そして/または
プラグ(13)が供されずに開いている管(11)は、分解後、低放射性廃棄物または非放射性廃棄物として、処分および/または廃棄されることを特徴とする、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(説明)
本発明は、蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法に関し、特に、原子力発電所の蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような蒸気発生器または熱交換器は、複数の主要な(又は一次側の)循環用(又は回路用)の管(プライマリー・サーキット・チューブ(又はパイプ))を含み(管の内表面(又は管の内側の表面又は内側の管の表面又はインナー・チューブ・サーフェス)は、汚染(又はコンタミネーション)されている)、1以上の管が、その両方の端部において、それぞれプラグで閉じられている。
【0003】
原子力発電所の原子炉(又はリアクタ)は、燃料エレメントを含む炉心を含み、ここで、制御(又はコントロール)された核分裂および放射性崩壊によって、核エネルギーが放出され、熱へと変換される。この熱は、クーラント(又は冷却剤)を加熱する。クーラントは、リアクタを通して、ポンピング(又はポンプ輸送)され、それにより、リアクタからのエネルギーを運ぶものである。次いで、クーラントは、蒸気発生器に供され、発生した蒸気が発電所のタービンを駆動する。
【0004】
蒸気発生器は、リアクタ・クーラントの熱を、水-蒸気のサーキット(又は回路)に供給(又は輸送)する。かかる蒸気発生器は、管束(又はチューブ・バンドル)の熱交換器として構成されていて、かかる蒸気発生器は、供給水(又はフィード・ウォーター)を、タービンを駆動させるための生蒸気(ライブ・スチーム)に変換する。
【0005】
コレクティング・チャンバは、インレット・ノズルおよびアウトレット・ノズルを介して、リアクタの冷却系(又はクーリング・システム)のメイン・クーラント・ラインに接続されている。リアクタ・クーラントは、コレクティング・チャンバから出て、このリアクタ・クーラントは、熱を放出しながら、管を通して流れ、アウトレット・チャンバに到達し、このリアクタ・クーラントは、アウトレット・チャンバから、メイン・クーラント・ポンプへと供給される。
【0006】
管束(又はチューブ・バンドル)は、蒸気発生器の管板に接続され(てい)る。蒸気発生器の管は、その長さが最大で20メートル(m)であってよい。自然循環(又はナチュラル・サーキュレーション)では、流入する供給水(又はフィード・ウォーター)は、管束の内側で上方に流れる。管束の上方に配置された蒸気ドーム(又はスチーム・ドーム)において、残りの蒸気の水分(又はモイスチャ)が分離され、次いで、乾燥した蒸気が、アウトレット・ノズルを介して、放出される。
【0007】
原子力発電所において、蒸気発生器の管の内表面(又は内側の表面又はインナー・サーフェス)は、発電所(又はプラント)の操作(又は操業又はオペレーション)の間において、汚染(又はコンタミネーション)され(てい)る。管の完全性(又はインテグリティ)は、定期点検(又は定期検査又はレギュラー・インスペクション)を通して確保され(てい)る。点検により、ダメージ(管壁の厚みの減少など)が明らかとなった場合、ダメージを受けた管の両方の端部(又は側部又はサイド)(すなわち、入口端部(又はインレット・エンド)および出口端部(アウトレット・エンド))は、管板の領域(又は部分又はリージョン)において、用心のため、プラグでシール(又はシーリング又は密封又は密閉)され(てい)る。また、結果として、この内表面の汚染(又はコンタミネーション)を封止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
蒸気発生器を分解する場合、管は、先行する(又は従来)の工程(又はステップ)によって、例えば、メカニカル・プロセス(又は機械的なプロセス(又は方法)またはケミカル・プロセス(又は化学的なプロセス(又は方法))によって、除染(又はデコンタミネーション)される。しかし、プラグでシール(又はシーリング又は密封又は密閉)されている管では、このような除染は利用(又はアクセス)できないので、これらの管を、追加の工程(又はステップ)なしで、さらに処理(すなわち、分解)することができないという問題が生じる。
【0009】
従って、本発明の目的は、管の内表面(又は内側の表面又はインナー・サーフェス)に存在する汚染(又はコンタミネーション)が、蒸気発生器または熱交換器の分解の間に、管から漏れる(又はこぼれる又はエスケープする)ことを防止(又は抑制)する方法を提供することにある。
【0010】
この目的は、蒸気発生器または熱交換器を分解するための方法(請求項1に記載の特徴(又はフィーチャ)を含む)により達成される。有利な構成(又はコンフィギュレーション)および改変(又はモディフィケーション)は、それぞれの従属の請求項において特定されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従う方法は、以下の工程(又はステップ)を含む:
a) 各プラグに開孔を形成(又は作製)することによって、または各プラグを除去することによって、それぞれシール(又はシーリング又は密封又は密閉)された管の片方または両方の端部を開ける(又は開放する又はオープンする)工程、
b) シールされた後に開けられた管に、粘性のポリマーを導入する工程であって、このポリマーは、管の内側で硬化するものであり、上記ポリマーは、少なくとも管の端部の領域において、管の全断面(又は全管断面又はフル・チューブ・クロスセクション)にわたって、管を充填し(又は満たし)、管の内側の充填された部分(又はポーション)において、汚染(又はコンタミネーション)を固定(又は不動化又は停止又はイモビライズ)する、工程、
c) ポリマーが硬化した後、ポリマーが供された(又は提供又は供給された)管を分離(又は取り外す又は切り離す又は分割又はデタッチ)する(detaching)工程であって、分離された管は、硬化したポリマーによってシールされている、工程
d) ポリマーが供されて(又は提供又は供給されて)分離されている管を分類(又は分別又は処理又はソート・アウト)する(sorting out)工程。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、蒸気発生器10の簡略化した概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
管の内側で硬化するポリマーを導入することによって、遊離した(又はルーズな)汚染(物)(又はコンタミネーション)を管の内側で保持し、管を分離(又はデタッチ)するとき、漏れる(又はこぼれる又はエスケープする)ことができないようにする。
【0014】
原子力発電所の作業停止において、シャットダウン前の最終の工程(又はラスト・ステップ)として、いわゆる「系統除染(又はフル・システム・デコンタミネーション)」を行うことが、広く確立した習慣(又はプラクティス)となっている。放射性廃棄物は、非常に費用がかかるので、「高放射性廃棄物(highly radioactive waste)」を最小量にする(又は留める)ことに注意を払う必要がある。プラグが供されていない開いている(又は開放している)管、およびポリマーで充填された(又は満たされた)シールされている管は、異なる廃棄物のカテゴリー(又は分類)に属する。その結果、このポリマーで充填されてシールされた管は、プラグが供されていない開いている(又は開放している)管とは別のものとして、分類(又は分別又は処理又はソート・アウト)され(sorted out)、そして廃棄される。
【0015】
本発明の利点(又は効果)は、特に、汚染された管の任意のタイプ(又は種類)の化学的または機械的な処置(又はトリートメント)が、本発明に従う方法によって回避(又は省略)できるという事実に存する。管に既に存在するダメージに起因して、このような管の処置は、常に、管が破損するリスク、そして、それにより、二次側(又はセカンダリー・サイド)に持ち越される汚染(又はキャリー・オーバーの汚染)を引き起こすリスクを含む。二次側は、汚染(又はコンタミネーション)が全くないので、このようなキャリー・オーバーの汚染は、是が非でも、回避されるべきである。
【0016】
本発明のさらなる利点(又は効果)は、当該方法が、一方で、公知の代替の方法と比べて、かなり多くの費用効果があり(又は経済的であり)、そして、その一方で、高レベルの安全性を提供することである。
【0017】
本発明の有利な改変(又はモディフィケーション)によると、架橋ポリマーを使用し、特に、重付加によって架橋を行うポリマーを使用し、かかるポリマーは、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂からなるか、あるいは、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂を含む。
【0018】
本発明の実施形態のバリエーション(又は変形態様又はバリアント)によると、管の内部(又はインテリア)は、ポリマーで完全に充填されて(又は満たされて)よい。さらに、本発明の代替の実施形態のバリエーション(又は変形態様又はバリアント)によると、管の内部は、2つの管の端部の領域(又は管の両方の端部の領域)において、ポリマーで充填されて(又は満たされて)よく、例えば、管の端部から、管板を超えて、最大で0.5メートル(m)まで、ポリマーで充填されてよい。
【0019】
「完全に」(completely)とは、管の一方の端部から、他方の端部まで、管の完全な内部(又は内部の全体)が、ポリマーで充填されている(又は満たされている)ことを意味すると理解され得る。換言すると、中空の空間(又はホロー・スペース)または空の領域(又はエンプティ・リージョン)は、管の内側に残っていない。
「管の端部の領域において」(in the region of the tube ends)とは、導入(又は注入)されたポリマーが、管の端部から、管の内部に延在すること、例えば、両方の端部において、管板を超えて、最大で0.5メートル(m)まで延在することを意味すると理解され得る。換言すると、中空の空間(又はホロー・スペース)または空の領域(又はエンプティ・リージョン)は、2つの充填された領域の間に残っている。
【0020】
ポリマーは、1以上のラインを用いて導入されてよい。ここで、ラインは、開いている(又は開放されている)管の端部を通して、管(の内部)に挿入されるか、あるいは、各ラインは、それぞれ開いている(又は開放されている)管の端部(又は管端)のそれぞれを通して、挿入される。例えば、上記ラインは、ホースまたは可撓性(又はフレキシブル)の管(又はチューブ)であってよい。
【0021】
1以上の管の端部(単数または複数)に、1以上のライン(単数または複数)を送達するために、マンホール(複数)またはループ・ライン(複数)を介して、蒸気発生器または熱交換器にライン(複数)が送達されてよい。
【0022】
このようなラインは、ポリマーの最小の摩擦抵抗を得るために、最大の可能な内側の直径(又は内径)を有するべきであり、ポリマーは、この時点で、ラインを通して注入されている一方で(又は同時に)、依然として、低粘度を有するものである。
【0023】
特に、圧力を用いて、ポリマーを導入する。圧力は、好ましくは、プレッシャー・ユニットによって発生されているものであり、このプレッシャー・ユニットは、ポリマー・ブレンダーに接続されている。このプレッシャー・ユニットによって適用(又は付与)される圧力は、1barの過圧と、150barの過圧との間の範囲であってよい。これは、管の直径および/または長さ、およびラインの直径および/または長さなどの条件に依存する。
【0024】
実施形態のバリエーション(又は変形態様又はバリアント)によると、管は、U形状の管である。その両方の端部は、管板(内)において、終了(又は終端)する。ここで、管の開いている(又は開放されている)端部の一方を通してラインが挿入され、次いで、U形状の管のターニング・ポイントに導かれる(又は到達する)。ここで、次いで、このラインを通して、管(内)にポリマーが注入される。管の対応(又は該当又は相当)する半分(又はハーフ)の内部がポリマーで充填される(又は満たされる)まで、ポリマーを注入し、その一方で(又は同時に)、このラインは、管から回収(又は収納又は格納又はリトラクト(retract))される。
【0025】
代替の実施形態のバリエーション(又は変形態様又はバリアント)によると、管は、U形状の管であり、その両方の端部が、管板(内)において、終了(又は終端)する。ここで、ラインは、管の開いている(又は開放されている)端部の一方を通して、挿入され、次いで、管板を超えて、約0.5メートル(m)まで、管(内)に導かれる(又は到達する)。ここで、次いで、このラインを通して、管(内)にポリマーが注入される。管の対応(又は該当又は相当)する部分(又はポーション)がポリマーで充填される(又は満たされる)まで、ポリマーを注入し、その一方で(又は同時に)、ラインは、管から回収(又は収納又は格納又はリトラクト(retract))される。
【0026】
上記の実施形態のバリエーションの両方において、管の第2の半分(又はハーフ)または管の第2の部分(又はポーション)は、U形状の管の上記の対応する半分または上記の対応する部分へのポリマーの注入と同時または注入の後において、同様の様式で、管の第2の開いている(又は開放している)端部を通して、ポリマーで充填されてよい(又は満たされてよい)。
【0027】
本発明の改変(又はモディフィケーション)によると、シールされた管を開ける(又は開放する又は開孔を設ける)前に、プラグでシールされていない管の全てが、除染(又はデコンタミネーション)されてよく(又は汚染が除去され又は汚染が浄化されてよく)、特に、メカニカル・クリーニング・プロセス(又は機械的な清浄プロセス(又は方法))またはケミカル・クリーニング・プロセス(又は化学的な清浄プロセス(又は方法))によって(例えば、ブラスティング・プロセス(又は噴射プロセス(又は方法))などのアブレーシブ・プロセス(又は研磨プロセス(又は方法))によって)、除染(又はデコンタミネーション)されてよく(又は汚染が除去され又は汚染が浄化されてよく)、あるいは、溶媒を用いるスカベンジング・プロセス(又は捕集プロセス(又は方法))によって、除染(又はデコンタミネーション)されてよい(又は汚染が除去される又は汚染が浄化されてよい)。
【0028】
開孔(又は孔又はオープニング)は、ルーズ・ピース(又は屑又は抜き型子)を回避するために、ドリリング(又は穿孔)によって、プラグ(中)に形成されてよく、特に、2ステージ(又は2段階)のドリリング・プロセス(又は方法)を用いることによって形成されてよい。また、開孔は、ミリング(又は摩砕)・プロセス(又は方法)またはエローディング(又は浸食)・プロセス(又は方法)または他の適切なプロセス(又は方法)によって形成されてよい。開孔は、最小(例えば、5mm)の直径を有してよい。最大の直径は、好ましくは、管の内側の直径(又は内径)に概ね対応(又は相当)する(すなわち、プラグが完全に除去されている)。管は、約10~20mmの内側の直径(又は内径)を有してよい。
【0029】
また、ポリマーが供された(又は提供又は供給された)管の分離(又は取り外す又は切り離す又は分割又はデタッチング(detaching))は、好ましくは、プラグが供されていない管であって開いている(又は開放している)管を分離することを含み、その後、ポリマーが供されている(又は提供又は供給)されている)管を分類(又は分別又は処理又はソート・アウト(sorting out))することも含む。
【0030】
本発明の好ましく適切な改変(又はモディフィケーション)によると、ポリマーが供された(又は提供又は供給された)管および/またはプラグが供されてない開いている(又は開放している)管は、管板において、又は管板の近くで、又は管板のレベル(又は面)で、直接的に分離(又は取り外す又は切り離す又は分割又はデタッチ(detach))され、特に、ソーイング(又は鋸断(sawing))によって分離される。この分離(又はデタッチング)は、提示の(又は供された又は提供された又は示された又は図示する)セパレーション・ライン(又は分割ライン)に沿って行われるものであり、このセパレーション・ラインは、好ましくは、垂直に延在する管に対して、直交するものである(又はオルソゴナル(orthogonal))。代替として、ライニング・ポジション(又は横になっている位置(lying position))で管を分離(又はデタッチ)することも可能である。しかし、このセパレーション・ラインは、管板を通して(又は管板を通過して)延在するように提供されてもよい。
【0031】
ポリマーで完全に充填された(又は満たされた)管は、好ましくは、分離(又はデタッチメント)の後、好ましくは、複数のピース(又は片(pieces))に分けられる(セグメント化される(segmented))。このセグメント化(又はセグメンティング(segmenting))は、カッティング(又は切断(cutting))および/またはソーイング(又は鋸断(sawing))および/またはサーマル・セパレーション・プロセス(又は熱分割方法)によって行われるものである。このようなセグメント化は、さらなる処理(又は加工又はプロセシング(processing))(すなわち、管の輸送(又はトランスポート))を促進し、これには、最大で20メートル(m)(セグメント化されていない状態)の長さが考慮されている。
【0032】
ポリマーが供された(又は提供又は供給された)管であって分離および分類(又は分別又は処理又はソート・アウト)された管は、放射性廃棄物(radioactive waste)として、処分および/または廃棄されてよい。
【0033】
さらに、または代わりに、プラグが供されていない管であって開いている(又は開放している)管は、分解後、低放射性廃棄物(又はレス・レディオアクティブ・ウエイスト(less radioactive waste))または非放射性廃棄物(又はノン・レディオアクティブ・ウエイスト(non-radioactive waste))として、処分および/または廃棄されてよい。
【0034】
ポリマーが供された管であって分離および分類された管、ならびに、プラグが供されていない管であって開いている(又は開放している)管は、廃棄物の異なるカテゴリー(又は分類)に属してよく、そして、別のものとして(又は別々に)廃棄されてよい。
【0035】
本発明は、実施形態の説明によって、そして添付の図面を参照することによって、さらなる特徴および利点についても、以下において、より詳細に説明する。図1は、蒸気発生器10の簡略化した概略図を示す。これにより、蒸気発生器10を分解するための本発明に従う方法を実施することができる。記載を明確にするために、この蒸気発生器は、主要な(又は一次側の)循環用(又は回路用)の管(プライマリー・サーキット・チューブ(又はパイプ))11を、単に1本だけ含むように示され、この管11は、拡大して示されているものである。しかし、通常、蒸気発生器は、複数の管11を含み、例えば、このような管11を数千本含む。
【0036】
図1は、原子力発電所(図示せず)の蒸気発生器10を示し、この蒸気発生器10は、複数の主要な(又は一次側の)循環用(又は回路用)の管(プライマリー・サーキット・チューブ(又はパイプ))11を含み(図1は、例示のため、このような管11は単に1本だけ示す)、この管の内表面は、汚染(又はコンタミネーション)されている。ここで、1以上の管11は、この管の両方の端部において、プラグ13で予めシール(又はシーリング又は密閉又は密封)されている。最初の段階(又はステージ)において、すなわち、当該方法が開始する状態(又はステート)において、管の端部12は、依然として、プラグ13でシールされている。
【0037】
本発明に従う方法は、まず(最初)、各プラグ13に開孔14を形成することによって、または各プラグ13を除去することによって、それぞれシールされた管11の片方または両方の端部12を開けること(又は開放すること)を含む。図1は、管11を示し、その両方の端部12が開いていて(又は開放されていて)、右側の端部12では、プラグ13に開孔14が形成されていて、左側の端部12では、プラグ13が除去されている。
【0038】
プラグ13の開孔14は、ルーズ・ピース(又は屑又は抜き型子)を回避するために、好ましくはドリリング(又は穿孔)によって形成され、特に2ステージ(又は2段階)のドリリング・プロセスを使用することによって形成される。しかし、また、ドリリングの代わりに、ミリング(又は摩砕)・プロセス(又は方法)またはエローディング(又は浸食)・プロセス(又は方法)も可能である。
【0039】
シールされた管11を開ける(又は開放する又は開孔を設ける)前に、プラグ13が供されていない管11の全てが、好ましくは、メカニカル・クリーニング・プロセス(又は機械的な清浄プロセス(又は方法))またはケミカル・クリーニング・プロセス(又は化学的な清浄プロセス(又は方法))によって(例えば、ブラスティング・プロセス(又は噴射プロセス(又は方法))などのアブレーシブ・プロセス(又は研磨プロセス(又は方法))によって)、除染され(又はデコンタミネーション又は汚染が除去され又は汚染が浄化され(decontaminated))、または溶媒を用いるスカベンジング・プロセス(又は捕集プロセス(又は方法))によって除染される(又はデコンタミネーション又は汚染が除去される又は汚染が浄化される)。
【0040】
それぞれシールされた管11の片方または両方の端部12を開けた(又は開放した)後、管11の内側で硬化する粘性のポリマー24を、(最初に)シールした後に(ここで)開けられた(又は開放された)1以上の管(単数又は複数)11に導入する。ポリマー24は、少なくとも管の端部12の領域において、管の全断面にわたって、管11を充填し、管11の内側の充填された部分において、汚染(又はコンタミネーション)を固定(又は不動化又はイモビライズ(immobilize))する。
【0041】
使用されるポリマーは、ポリマー24であり、これは、重付加により架橋を行うものであり、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂からなるか、あるいは、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂を含むものである。
【0042】
ポリマーを導入するための2つのバリエーション(又は変形態様又はバリアント)を、本開示中、以下に説明する。
【0043】
第1バリエーション(又は第1変形態様又はバリアント)によると、管の内部16をポリマー24で完全に充填する(又は満たす)。これは、ホースとして構成されるライン15を用いて、ポリマー24を導入することによって行わる。ここで、このホース15は、開けられた(又は開放された)管の端部12を通して挿入される。
【0044】
管の端部12にホース15を送達するために、マンホール20および/またはループ・ライン21を介して、ホース15は、蒸気発生器10に送達されてよい。ポリマー24は、特に、圧力を用いて導入され、この圧力は、プレッシャー・ユニット23によって発生されるものであり、このプレッシャー・ユニット23は、ポリマー・ブレンダー22に接続されている。
【0045】
蒸気発生器10の管11は、U形状の管11であり、その両方の端部12は、管板17(中)において、終了(又は終端)する。ホース15は、開けられた(又は開放された)管の端部12の一方(図1では、右側の管の端部12)を通して挿入され、次いで、U形状の管11のターニング・ポイント18に送られる(又は到達する)。次いで、ポリマー24は、ホース15を介して、管11に注入され、このホース15は、管11の対応する(又は該当する又は相当する)半分(又はハーフ)の内部16がポリマー24で充填される(又は満たされる)までポリマー24を注入し、その一方で(又は同時に)、管11から回収(又は収納又は格納又はリトラクト(retract))されることになっている。図1は、注入プロセス(又は注入方法又は注入工程又はインジェクション・プロセス)の開始(状態)を示す。管11の一部には、ポリマーが既に供されていて(又は提供又は供給されていて)、ホース15は、ある程度まで、管11から既に回収されている。
【0046】
U形状の管の対応する(又は該当する又は相当する)半分(又はハーフ)へのポリマー24の注入と同時、または注入後(図1では、注入後)、管11の第2の半分は、管の第2の開けられた(又は開放された)端部12を通して、同様の様式で、ポリマー24で充填される(又は満たされる)。
【0047】
第2バリエーション(又は第2変形態様又は第2バリアント)によると(これは、図1には示されていないものである)、管の内部16は、管の両方の端部12の領域において、例えば、管板のアッパー・エンド(又は上方の端面(又は端部))から測定して、約0.5メートル(m)の長さにわたって、ポリマー24で満たされる。これは、2本のホース15を用いて、ポリマー24を導入することによって行われる(又は実施される)。ここで、それぞれのホース15は、管11のそれぞれ開けられた(又は開放された)管の端部12のそれぞれを通して、管11(内)に挿入される。
【0048】
管11は、U形状の管11であり、その両方の端部12は、管板17(中)において、終了(又は終端)する。ここで、ホース15は、開けられた(又は開放された)管の端部12の一方を通して、管11(内)に挿入され、次いで、管11(内)において、管板のアッパー・エンド(又は上方の端面(又は端部))から測定して、約0.5メートル(m)まで導かれる。次いで、ホース15を介して、管11にポリマー24を注入し、ホース15は、管11の対応する(又は該当する又は相当する)部分(又はポーション)がポリマー24で満たされるまでポリマー24を注入し、その一方で(又は同時に)、管11から回収されることになっている。
【0049】
U形状の管11の対応する(又は該当する又は相当する)部分(又はポーション)へのポリマー24の注入と同時、または注入の後、同様の様式で、管の第2の開けられた(又は開放された)端部12を通して、管11の第2部分は、ポリマー24で満たされる。
【0050】
一旦、ポリマー24が硬化すると、ポリマー24が供された(又は提供又は供給された)管11は、分離(又は取り外す又は切り離す又は分割又はデタッチ(detach))される。この時点で、分離された管11は、硬化したポリマー24でシール(又はシーリング又は密閉又は密封)されている。
【0051】
ポリマー24が供された(又は提供又は供給された)管11の分離(又はデタッチング(detaching))は、好ましくは、プラグ13が供されていない開いている(又は開放している)管11の分離(又はデタッチング(detaching))も含む。
【0052】
ポリマー24が供されている(又は提供又は供給されている)管11、ならびにプラグ13が供されていない開いている(又は開放している)管11は、管板17において、または管板17の近くにおいて、直接的に、ソーイング(又は鋸断(sawing))によって分離(又はデタッチ(detach))される。かかる分離は、提示の(又は供された又は提供された又は示された又は図示する)セパレーション・ラインA(又は分割ラインA)に沿って行われるものである。このセパレーション・ラインAは、垂直方向に延在する管11に対して、直行するものである(又はオルソゴナル(orthogonal))。しかし、代替(の態様)として、セパレーション・ライン(又は分割ライン)は、管板を通して延在するように提供されてもよい(図示せず)。
【0053】
次いで、ポリマー24が供されている(又は提供又は供給)されている)管11であって分離された管11は、分類(又は分別又は処理又はソート・アウト(sort out))される。
【0054】
分離(又はデタッチメント)後、ポリマー24で完全に充填された(又は満たされた)管11は、複数のピース(又は片(pieces))に分けられる(セグメント化される(segmented))。このセグメント化(又はセグメンティング(segmenting))は、ソーイング(又は鋸断(sawing))または他のセパレーション・プロセス(又は分割方法又は分割工程)によって行われる。
【0055】
ポリマー24が供されている(又は提供又は供給されている)管11であって分離(又はデタッチ)および分類(又は分別又は処理又はソート・アウト)された管11は、放射性廃棄物(radioactive waste)として処分または廃棄される。プラグ13が供されていない開いている(又は開放している)管11は、分解(又はディスマントリング(dismantling))した後、低放射性廃棄物(又はレス・レディオアクティブ・ウエイスト(less radioactive waste))または非放射性廃棄物(又はノン・レディオアクティブ・ウエイスト(non-radioactive waste))として、処分または破棄される。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
蒸気発生器(10)または熱交換器を分解するための方法、特に原子力発電所の蒸気発生器(10)または熱交換器を分解するための方法であって、
蒸気発生器(10)または熱交換器は、複数の主要な循環用の管(11)を含み、該管の内表面は、汚染されていて、
管(11)の1以上が、該管の両方の端部(12)において、プラグ(13)でシールされていて、
当該方法は、以下の工程:
a) 各プラグ(13)に開孔(14)を形成することによって、または各プラグ(13)を除去することによって、それぞれシールされた管(11)の片方または両方の端部(12)を開ける工程、
b) シールされた後に開けられた1以上の管(11)に、粘性のポリマー(24)を導入する工程であって、ポリマー(24)は、管(11)の内側で硬化するものであり、ポリマー(24)は、少なくとも管(11)の端部(12)の領域において、管(11)の全断面にわたって、管(11)を充填し、管(11)の内側の充填された部分において、汚染を固定する、工程、
c) ポリマー(24)が硬化した後、ポリマー(24)が供された管(11)を分離する工程であって、分離された管(11)は、硬化したポリマー(24)によってシールされている、工程、
d) ポリマー(24)が供されて分離されている管(11)を分類する工程
を含む、方法。
(態様2)
架橋ポリマー(24)を使用し、特に、重付加によって架橋を行い、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂からなるポリマー(24)、あるいは、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンおよび/またはエポキシ樹脂を含むポリマー(24)を使用することを特徴とする、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記管の内部(16)が、ポリマー(24)で完全に充填されているか、または
前記管の内部(16)が、前記管の両方の端部(12)の領域において、ポリマー(24)で充填されている、例えば、管の端部から、管板を超えて、最大で0.5メートルまで充填されていることを特徴とする、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
ポリマー(24)は、1以上のライン(15)を用いて導入され、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)を通して、管(11)に挿入されるか、または、各ライン(15)が、管(11)のそれぞれ開けられた端部(12)のそれぞれを通して、挿入されることを特徴とする、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様5)
管(11)は、U形状の管(11)であり、管(11)の両方の端部(12)が、管板(17)において終了し、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)の一方を通して挿入され、次いで、U形状の管(11)のターニング・ポイント(18)に導かれ、
次いで、ポリマー(24)が、ライン(15)を通して、管(11)に注入され、
管(11)の対応する半分の内部(16)がポリマー(24)で充填されるまで、ポリマー(24)を注入する一方で、ライン(15)が、管(11)から回収されることを特徴とする、態様4に記載の方法。
(態様6)
管(11)は、U形状の管(11)であり、管(11)の両方の端部(12)が、管板(17)において終了し、
ライン(15)は、管(11)の開けられた端部(12)の一方を通して、管(11)に挿入され、次いで、管(11)において、管板を超えて、約0.5メートルまで導かれ、
次いで、ポリマー(24)は、ライン(15)を通して、管(11)に注入され、
管(11)の対応する部分がポリマー(24)で充填されるまで、ポリマー(24)を注入する一方で、ライン(15)が、管(11)から回収されることを特徴とする、態様4に記載の方法。
(態様7)
U形状の管(11)の対応する半分または対応する部分へのポリマー(24)の注入と同時または注入後に、管(11)の第2の半分または第2部分が、管(11)の開けられた第2端部(12)を通して、同様の様式で、ポリマー(24)で充填されることを特徴とする、態様5または6に記載の方法。
(態様8)
シールされた管(11)を開ける前に、プラグ(13)が供されていない管(11)のすべてを除染すること、特に、メカニカル・クリーニング・プロセスまたはケミカル・クリーニング・プロセス、例えば、ブラスティング・プロセスなどのアブレーシブ・プロセスによって、または溶媒を用いるスカベンジング・プロセスによって除染することを特徴とする、態様1~7のいずれか1項に記載の方法。
(態様9)
プラグ(13)の開孔(14)は、ルーズ・ピースを回避するために、ドリリングによって形成され、特に2ステージ・ドリリング・プロセスを用いて形成されることを特徴とする、態様1~8のいずれか1項に記載の方法。
(態様10)
ポリマー(24)が供された管(11)の分離は、ポリマー(24)が供された管(11)を分類する前に、プラグ(13)が供されずに開いている管(11)を分離することをさらに含むことを特徴とする、態様1~9のいずれか1項に記載の方法。
(態様11)
ポリマー(24)が供された管(11)および/またはプラグ(13)が供されずに開いている管(11)を、管板(17)において、または管板(17)の近くで、あるいは管板(17)のレベルで、直接的に分離し、特にソーイングによって分離し、該分離は、提示のセパレーション・ライン(A)に沿って、好ましくは、垂直に延在する管(11)に対して直交するセパレーション・ライン(A)に沿って行われていることを特徴とする、態様1~10のいずれか1項に記載の方法。
(態様12)
ポリマー(24)で完全に充填された管(11)は、複数のピースにセグメント化され、好ましくは分離後にセグメント化され、該セグメント化は、カッティングおよび/またはソーイングおよび/またはサーマル・セパレーション・プロセスによって行われることを特徴とする、第1の代替である、態様3に記載の方法。
(態様13)
ポリマー(24)が供されて分離および分類されている管(11)は、放射性廃棄物として処分および/または廃棄され、そして/または
プラグ(13)が供されずに開いている管(11)は、分解後、低放射性廃棄物または非放射性廃棄物として、処分および/または廃棄されることを特徴とする、態様1~12のいずれか1項に記載の方法。
【符号の説明】
【0056】
符号(又は参照番号)のリスト
10 蒸気発生器
11 管
12 管の端部(又は管端)
13 プラグ
14 プラグの開孔
15 ホース
16 内部
17 管板
18 ターニング・ポイント
19 ハンド・ホール
20 マンホール
21 ループ・ライン
22 ポリマー・ブレンダー
23 プレッシャー・ユニット
24 ポリマー

A セパレーション・ライン(又は分割ライン)
図1