IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェンテックス コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図1
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図1A
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図2
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図3
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図4
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図5
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図6
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図7
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図8
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図9
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図10
  • 特許-折り畳み式外部表示ミラー 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】折り畳み式外部表示ミラー
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20220114BHJP
   B60R 1/28 20220101ALI20220114BHJP
【FI】
B60R1/06 D
B60R1/28 100
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019531119
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2017066576
(87)【国際公開番号】W WO2018112292
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2019-06-10
(31)【優先権主張番号】62/435,290
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ベーム ニール ジェイ
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-037109(JP,A)
【文献】特開平10-297375(JP,A)
【文献】特開2001-055100(JP,A)
【文献】特開2016-035521(JP,A)
【文献】特開2010-188902(JP,A)
【文献】特開2016-199266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/06
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部バックミラー組立品であって、
車両ドアと枢動可能に結合され、拡張位置と収縮位置との間で動作可能なハウジングと、
前記ハウジングと動作可能に結合される調光可能な電気光学素子と、
前記調光可能な電気光学素子に近接して配置される表示モジュールであって、前記ハウジングが前記収縮位置にある時に起動し、前記ハウジングが前記拡張位置にある時に作動停止する表示モジュールと、
前記ハウジングと動作可能に結合され、前記ハウジングが前記収縮位置にある時に画像データを捕捉し、前記起動した表示モジュール上に前記画像データを表示するように構成される撮像装置と、を備え、前記表示モジュールによって表示される視野は、前記調光可能な電気光学素子によって提供される反射画像の視野と同じであり、前記調光可能な電気光学素子は、前記ハウジングが前記拡張位置にある時に暗くなり、前記ハウジングが前記収縮位置にある時に明るくなるように構成される、ことを特徴とする外部バックミラー組立品。
【請求項2】
前記撮像装置が前記ハウジング内に配置され、前記ハウジング上に位置付けられた撮像素子レンズと光通信する、請求項1に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項3】
前記撮像装置が、前記調光可能な電気光学素子によって提供される視野よりも広いかまたはそれより狭い後方視野を提供するように調節可能である、請求項1または請求項2に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項4】
前記調光可能な電気光学素子および前記表示モジュールが、前記ハウジング内部のキャリアプレート内に入れ子にされる、請求項1~3のいずれか1項に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項5】
前記撮像装置が、前記キャリアプレートの周縁部に隣接するレンズバレルを含む、請求項4に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項6】
前記撮像装置と動作可能に結合され、前記撮像装置を起動および作動停止するように構成される回路基板をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項7】
前記回路基板と前記調光可能な電気光学素子との間に配置されるヒーターをさらに備える、請求項6に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項8】
前記ヒーターが、前記表示モジュールおよび前記回路基板の背面の実質的に全体にわたって延びる、請求項7に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項9】
車両用の外部バックミラー組立品であって、
車両ドアと枢動可能に結合される近位端を含むハウジングであって、拡張位置と収縮位置との間で動作可能なハウジングと、
前記ハウジングと動作可能に結合される電気光学素子と、
前記電気光学素子に近接して配置される表示モジュールであって、前記ハウジングが前記収縮位置にある時に起動し、前記ハウジングが前記拡張位置にある時に作動停止する表示モジュールと、
前記ハウジングの遠位端上に動作可能に配置され、前記ハウジングが収縮位置にある時に前記車両後方の画像データを捕捉するように構成される撮像装置と、を備え、前記電気光学素子は、前記収縮位置にある時に明るくなるように構成される、ことを特徴とする外部バックミラー組立品。
【請求項10】
前記電気光学素子が、前記ハウジングが前記拡張位置にある時に暗くなるように構成される、請求項9に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項11】
前記電気光学素子および前記表示モジュールが、前記ハウジング内部のキャリアプレート内に入れ子にされる、請求項9または請求項10に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項12】
前記撮像装置と動作可能に結合され、前記撮像装置を起動および作動停止するように構成される回路基板をさらに備える、請求項9~11のいずれか1項に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項13】
前記回路基板と前記電気光学素子との間に配置されるヒーターをさらに備える、請求項12に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項14】
外部バックミラー組立品であって、
車両ドアと枢動可能に結合され、拡張位置と収縮位置との間で動作可能なハウジングと、
前記ハウジングと動作可能に結合される電気光学素子であって、前記収縮位置にある時に明るくなるように構成されている電気光学素子と、
前記電気光学素子に近接して配置される表示モジュールであって、前記ハウジングが前記収縮位置にある時に起動し、前記ハウジングが前記拡張位置にある時に作動停止する表示モジュールと、
画像データを捕捉し、前記画像データを前記起動された表示モジュール上に表示するように構成される撮像装置と、
前記表示モジュールによる画像データ出力を確認するために前記表示モジュールを監視し、前記表示モジュールが画像データを出力しない場合に、前記電気光学素子によって反射した後方視野が提供されるように前記ハウジングを前記拡張位置に自動的に移動させるように構成される安全機能と、を備える、ことを特徴とする外部バックミラー組立品。
【請求項15】
前記撮像装置が前記ハウジング内に配置され、前記ハウジング上に位置付けられた撮像素子レンズと光通信する、請求項14に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項16】
前記撮像装置が、前記電気光学素子によって提供される視野よりも広いかまたはそれより狭い後方視野を提供するように調節可能である、請求項14または請求項15に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項17】
前記撮像装置と動作可能に結合され、前記撮像装置を起動および作動停止するように構成される回路基板をさらに備える、請求項14~16のいずれか1項に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項18】
前記回路基板と前記電気光学素子との間に配置されるヒーターをさらに備える、請求項17に記載の外部バックミラー組立品。
【請求項19】
前記ヒーターが、前記表示モジュールおよび前記回路基板の背面の実質的に全体にわたって延びる、請求項18に記載の外部バックミラー組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、表示ミラーに関連し、より詳細には、折り畳み式外部表示ミラーに関連する。
【発明の概要】
【0002】
本開示の一態様によると、外部バックミラー組立品は、車両ドアと枢動可能に結合され、拡張位置と収縮位置との間で動作可能なハウジングを含む。電気光学素子は、ハウジングと動作可能に結合される。表示モジュールは、電子光学素子の近位に配置される。表示モジュールは、ハウジングが収縮位置にあるときに起動される。表示モジュールは、ハウジングが拡張位置にあるときに作動停止される。撮像装置は、ハウジングと動作可能に結合され、ハウジングが収縮位置にある時に画像データを捕捉し、起動された表示モジュール上に画像データを表示するように構成される。
【0003】
本開示の別の態様によれば、車両用の外部バックミラー組立品は、車両ドアと枢動可能に結合された近位端を有するハウジングを含む。ハウジングは、拡張位置と収縮位置との間で動作可能である。電気光学素子は、ハウジングと動作可能に結合される。表示モジュールは、電子光学素子の近位に配置される。表示モジュールは、ハウジングが収縮位置にあるときに起動される。表示モジュールは、ハウジングが拡張位置にあるときに作動停止される。撮像装置は、ハウジングの遠位端上に動作可能に配置され、ハウジングが収縮位置にある時に前述の車両後方の画像データを捕捉するように構成される。
【0004】
本開示のさらに別の態様によると、外部バックミラー組立品は、車両ドアと枢動可能に結合され、拡張位置と収縮位置との間で動作可能なハウジングを含む。電気光学素子は、ハウジングと動作可能に結合される。表示モジュールは、電子光学素子の近位に配置される。表示モジュールは、ハウジングが収縮位置にあるときに起動される。表示モジュールは、ハウジングが拡張位置にあるときに作動停止される。撮像装置は、画像データを捕捉し、画像データを起動された表示モジュール上に表示するように構成される。
【0005】
本開示のこれらおよびその他の特徴、利点、および目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面を参照することにより、当業者によってさらに理解および認識がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の外部バックミラー組立品の外部前方斜視図である。
図1A】本開示の外部バックミラー組立品の側面分解透視図である。
図2】外部バックミラー組立品が拡張位置にある状態の、本開示の外部バックミラー組立品の正面斜視図である。
図3図1の外部バックミラー組立品の後方斜視図である。
図4図1の外部バックミラー組立品の上部平面図である。
図5図1の外部バックミラー組立品の内部正面斜視図である。
図6】外部バックミラー組立品が収縮位置にある状態の、本開示の外部バックミラー組立品の外部正面斜視図である。
図7図6の外部バックミラー組立品の後方斜視図である。
図8図6の外部バックミラー組立品の上部平面図である。
図9図6の外部バックミラー組立品の内部正面斜視図である。
図10】外部バックミラー組立品のミラー素子の視野を示す、本開示の車両の上面図である。
図11】外部バックミラー組立品の撮像装置の視野を示す、本開示の車両の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図示された本発明の実施形態は、折り畳み式外部表示ミラーに関連する方法ステップおよび装置構成要素の組み合わせに、主として属する。したがって、装置構成要素および方法ステップが説明されており、必要に応じて図面中の慣習的な符号により、本開示の実施形態の理解に関係のある特定の詳細のみを示すことで、当業者が容易に理解して本明細書中の説明の利益を得るであろう詳細な開示が不明瞭にならないようにする。さらに、説明および図面にある同様の数字は同様の要素を表す。
【0008】
本書での説明の目的で、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」といった用語、およびそこから派生したものは、図1で方向付けられたように開示に関連するものとする。別途定めがない限り、「前」という用語は、意図される観察者に近い装置の面を指すものとし、「後」という用語は、意図される観察者から遠い装置の面を指すものとする。ただし、当然のことながら、それに反して明示的に特定された場合を除き、本開示は、これと代わる様々な向きをとることができる。また、当然のことながら、添付した図面に図示し、以下の明細書に記載した特定のデバイスおよびプロセスは、添付した特許請求の範囲に規定された発明の概念の単なる例示的実施形態にすぎない。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な寸法およびその他の物理的特性は、限定とはみなされない。
【0009】
「含む」、「備える」、「含んでいる」という用語またはそれらの他の変形は、非排他的包含を網羅することを目的としており、リストの要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていないか、またはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含みうる。 「...を備える」が前に付く要素は、それ以上の制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置の追加的な同一要素の存在を除外しない。
【0010】
図1~11を参照すると、参照符号10は、車両15の車両ドア14と枢動可能に結合され、拡張位置16と収縮位置18との間で動作可能なハウジング12を含む外部バックミラー組立品を概して示す。電気光学素子20は、ハウジング12と動作可能に結合される。表示モジュール22は、電子光学素子20の近位に配置される。表示モジュール22は、ハウジング12が収縮位置18にあるときに起動される。表示モジュール22は、ハウジング12が拡張位置16にあるときに停止される。撮像装置24は、ハウジング12と動作可能に結合され、ハウジング12が収縮位置18にある時に撮像素子レンズ26を通して画像データを捕捉し、画像データを起動された表示モジュール22上に表示するように構成される。
【0011】
ここで図1および図1Aに示す例示的な実施形態を参照すると、図示された外部バックミラー組立品10は、外部ハウジング12、電気光学素子20、回路基板34、表示モジュール22、キャリアプレート36、および電気光学素子20とキャリアプレート36との間に配置される回路基板34を伴うベゼル37を備える。外部バックミラー組立品10は、スナップ嵌合接続、締まりばめ接続、機械的ファスナー、または接着剤によって結合され得る。電気光学素子20は、ガラスまたは外部ミラー用途で使用するように構成される荷にのその他材料または材料組み合わせから作られてもよい。本発明の構造で使用される電気光学素子20は、所望の反射タイプに応じて、平面、非球面、または凸状を含む任意の外形を有することができる。加えて、電気光学素子20は、前方基材40および後方基材42を有し、その間に電気光学媒体が配置された、エレクトロクロミックミラーであってもよい。また、後方基材42の表面43または裏面44は、電気光学媒体および前方基材40を通して反射を表示するように構成される反射層を含むことができることも意図される。シール46は、第一の基材および第二の基材の周辺の周り、前方基材40と後方基材42との間に延び、それによって基材の間の材料を封止する。バスバー48は、前方基材40および後方基材42の最上部端および底部端に近接して配置される。
【0012】
再び図1Aを参照すると、回路基板34は、可撓性回路基板または剛直な回路基板であってもよい。一例では、プリント回路基板は、その薄い構造のために利用され、外部バックミラー組立品10の垂直形状を減少させ、外部バックミラー組立品10がハウジング12内で占有する空間を最小化する。また、プリント回路基板34の可撓性により、回路基板34が電気光学素子20の外形にスムーズに従うことができ、回路基板34と電気光学素子20との嵌合面の間の良好な接触を確実にする。回路基板34は、一種類のボード材料から形成されるモノリシックな単一構造であってもよく、または任意の公知の手段によって接着または接合された二種類以上のボード材料から作製されてもよい。回路基板34は任意の形状であってもよく、電気光学素子20の任意の部分を占有する。しかしながら、本明細書で説明した理由から、回路基板34は電気光学素子20の実質的に裏面全体を覆う。外部バックミラー組立品10の電子部品60は、構成要素60の質量が外部バックミラー組立品10の重心の近くにあるように回路基板34上に配置され、車両15内への取り付け後に外部バックミラー組立品10の振動が最小化される(図2)。回路基板34はまた、撮像装置24と動作可能に結合され、ハウジング12の位置に応じて、撮像装置24を起動および作動停止するように構成される。ファスナーは、回路基板34の周りに配置され、回路基板34をその他の内部構成要素またはハウジング12に結合してもよい。
【0013】
図1Aに示すように、回路基板34はヒーター70を駆動し、また表示モジュール22および回路基板34の実質的に背面全体にわたって延びる。ヒーター70は、導電性トラック72を含む。電気光学素子20の実質的に裏面全体を占有する領域を有する回路基板34により、回路基板34上にあり、導電性トラック72と連通する熱導体73を作動させる。概して、電気光学素子20および表示モジュール22は、ヒーター70によって回路基板34のための放熱板として作用し得る。同時に、熱導体73は電気光学素子20および表示モジュール22を加熱し、これらのモジュールのより良好な性能をもたらす。この場合、回路基板34は、一方の側面上に導電性トラック72を有し、他方の側面上に電子構成要素60を有する。導電性トラック72の大きな被覆率は、電気光学素子20および表示モジュール22上に改善された熱分布、および回路基板34から電気光学素子20への熱のより効率的な分散を提供する。導電性トラック72を形成するために使用される材料は、金属(例えば、銅)、金属合金、導電インク、またはその他任意の導電性材料とすることができる。印刷された銀インクなどの正の温度係数を有する導電性インクが導電性トラック72を形成するために使用される場合、インクの温度が増加するにつれてインクの抵抗が急速に増大し、導電性トラック72が自己制御されるため、別個のサーモスタットが必要とされない場合がある。導電性トラック72を、電子構成要素60の反対側の表面上に電気光学素子20と接触して回路基板34上に直接配置することにより、導電性トラック72は回路基板34からの熱の効率的な分散が可能となり、また電気光学素子20は同時に放熱板として作用する。さらに、導電性トラック72は、電気光学素子20の前方基材40を加熱し、前記電気光学素子20の前方基材40の第一の表面上の氷または霧の堆積を最小化または除去する。サーモスタットまたはその他のヒーター制御もまた、導電性トラック72を通る熱が、例えばスイッチ機構を介したパルス幅変調によって制御され得るように、回路基板34上の電子構成要素60に提供され、導電性トラック72に接続され得る。また、回路基板34上のマイクロプロセッサが回路の内部で温度制御を提供するのも本開示の範囲内である。電子構成要素60は、撮像装置24と動作可能に結合され得るプラグ74を含む。
【0014】
キャリアプレート36は、成形プラスチックで形成されてもよく、中央空隙82を画定する周辺縁部80を有してもよい。周辺縁部80は、空隙82に近接したモーターパック83の取付けを許容するように提供され、これにより、外部バックミラー組立品10の外部ハウジング12に対する動きを駆動し、運転手によって見える反射の角度を変更する電気光学素子20および表示モジュール22は、ハウジング12内のキャリアプレート36内に入れ子にされる。空隙82はまた、撮像装置24を効率的に許容するようにサイズ設定される。撮像装置24は、ハウジング12内に配置され、ハウジング12上に位置付けられた撮像素子レンズ26と光通信する。撮像装置24は、キャリアプレート36の周辺縁部80に隣接するレンズバレル81を含む。外部バックミラー組立品10の構成要素60を接続するために、接着液または両面フォーム接着テープなどの接着テープまたはフィルム84を、回路基板34とキャリアプレート36との間に提供し、回路基板34上に取り付けてもよい。フィルム84は、撮像装置24上のレシーバ86に取り付けることができるように、プラグ74を収容するように構成された開口部85を含む。電力および/またはデータ回線90は、撮像装置24からキャリアプレート36を通って延び、車両15の電源および/またはデータ源と動作可能に結合される。
【0015】
図1Aを再び参照すると、回路基板34は、電気光学素子20の裏面のほとんどまたは全体を覆う。しかしながら、電子構成要素60は、回路基板34の中心に近くに群がっている。図1Aから分かるように、この配置により、回路基板34の他方の側面上に導電性トラック72があって、電気光学素子20の表面をできるだけ覆うことを許容しながら、電子構成要素60がキャリアプレート36の空隙82内にあることができる。周辺縁部80は、キャリアプレート36上のモーターパック83の取付け位置にある。必要に応じて、周辺縁部80を厚くして、キャリアプレート36の下に電子構成要素60を収容するための追加的な垂直距離を作り出すことができる。
【0016】
ここで図2~5および図10を参照すると、外部バックミラー組立品10は、ドライバに車両15の後方の視界の反射画像を提供するように構成される。外部バックミラー組立品10は、乗客のサイズに基づいて、理想的な視野100を提供するように調整される。ハウジング12は電気光学素子20および撮像装置24を、通常使用の間の要素および損傷の可能性から保護する。外部バックミラー組立品10は、米国特許第7,324,261号、第6,195,194号、および第5,923,457号に記載されているものを含む様々な構成を含むことができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが理解されよう。
【0017】
外部バックミラー組立品10は、拡張位置16(図2~5および図10)と収縮位置18(図6~9および図11)との間の旋回軸X(図2)の周りでも回転可能である。収縮位置18への外部バックミラー組立品10の回転は、車両15の洗浄中に外部バックミラー組立品10を損傷から防ぎ、車両15の駐車中に別の車両が外部バックミラー組立品10に当たる危険性を最小化するのに有用であり得る。典型的には、外部バックミラー組立品10は、車両15が駐車しなければ、収縮位置18に移動しない。これは、外部バックミラー組立品10が車両15に向かって内側に折り畳まれた時に、車両15の後方視野が得られないためである。車両15の内部部分の反射のみが反射され、見ることができる。
【0018】
ここで図6~9および図11を参照すると、本開示では、外部バックミラー組立品10を収縮位置18へ回転させると、撮像装置24が起動する。電気光学素子20は、ハウジング12が拡張位置16内にある時に暗くなるように構成され、ハウジング12が収縮位置18にある時に明るくなる。別の方法として、電気光学素子20はまた、鮮明な画像が運転手に提供され得るように、ハウジング12が収縮位置18内にある時に作動停止され得る。外部バックミラー組立品10が収縮位置18にある時、外部バックミラー組立品10が拡張位置16内にある時に、視野102が外部バックミラー組立品10の電気光学素子20によって提供される視野100に等しいかまたは少なくとも類似しているように、撮像装置24は画像データを取得し、画像データを表示モジュール22に提供する。撮像装置24は、電気光学素子20によって提供される視野よりも広いまたは狭い後方視野を提供するように調節可能であり得る。撮像装置24は、拡張位置16から収縮位置18への外部バックミラー組立品10の回転時に自動的に起動され得ることが概して意図される。しかしながら、車両15が前進または逆進するか、そうでなければ運転手によって手動で起動されない限り、撮像装置24は起動されないことも意図される。例えば、ユーザーが車両15を駐車して外部バックミラー組立品10を拡張位置16から収縮位置18へと移動させたいと思った場合、ユーザーはただ車両15を駐車し、車両15内のインターフェースを介してモーター110(図2)を手動で調整して、外部バックミラー組立品10を回転させる。この場合、車両15は駐車しており、撮像装置24の使用は不要である。しかしながら、運転手が車両15内で走行し、電気光学素子20の反射面を介するのではなく、表示モジュール22を介して車両15の後方視野を所望する場合、運転手はただ、外部バックミラー組立品10を拡張位置16から収縮位置18へと移動させるためのインターフェースを介して、外部バックミラー組立品10のモーター110を起動することができる。回転中、回路基板34上の電子構成要素60のうちの一つであり得る内部スイッチを作動して、撮像装置24および表示モジュール22の両方を起動することができる。したがって、視野100内の車両15の後方視野の表示は、電気光学素子20を介して表示モジュール22上に表示され、ドライバに見える。
【0019】
ここで図10および11を参照すると、電気光学素子20の反射面によって提供される後方視野100が、外部バックミラー組立品10が拡張位置16(図10)にある時に、表示モジュール22上に示される撮像装置24によって得られた後方視野100と概して一致するか少なくとも類似することが概して理解されよう。したがって、表示モジュール22によって提供される視界は、電気光学素子20の反射面によって提供される視界と類似する。この構成は改善された視界をもたらし、車両15の死角位置の改善された表示をも提供し得る。さらに、撮像装置24は、所望の視野が表示モジュール22上に提供されるよう調節可能であり得る。強調(enhanced)ズーム機能が、撮像装置24および表示モジュール22のいずれかまたは両方で可能であり得る。さらに、外部バックミラー組立品10のハウジング12の風圧抵抗が低下するため、外部バックミラー組立品10が収縮位置18内にある時に燃料効率の向上が容易に観察され得る。
【0020】
前述の通り、外部バックミラー組立品10は、本明細書に記載されるように、電気光学素子20によって提供される反射画像が、ハウジング12が収縮位置18内にある時、撮像装置24の視野100と同じまたはそれに類似し得るように、リーンプロファイル(lean profile)を含むように概して構成される。さらに、撮像装置24および表示モジュール22の起動は、運転中に利用可能な反射画像ではなく、表示された画像を望む予め定められた運転手に基づいて自動的に起こり得る。システムの安全機能もまた存在し得る。例えば、外部バックミラー組立品10は、画像データ出力を確認するために表示モジュール22を監視するように構成されてもよい。画像データが表示モジュール22上に表示されていない場合、外部バックミラー組立品10は、反射された後方視野が電気光学素子20によって提供され得るように、ハウジング12を拡張位置16に自動的に移動させる。
【0021】
記述された開示およびその他の構成要素の構造が、任意の特定材料に限定されないことは、当業者であれば理解するであろう。本明細書に開示されたその他の例示的実施形態は、本明細書に別段の記載がない限り、広範な材料から形成されうる。
【0022】
本開示では、用語「結合した(coupled)」(その形態の全てにおいて、結合(couple)、結合している(coupling)、結合の(coupled)、等)は、概ね、互いに直接または間接的な(電気的または機械的な)二つの構成要素の結合(joining)を意味する。こうした結合は、本質的に固定されたものとすることも、本質的に移動可能とすることもできる。こうした結合は、(電気的なまたは機械的な)二つの構成要素および任意の追加的な中間体部材が、互いにまたは二つの構成要素と一つの単一体として一体的に形成されて達成し得る。こうした結合は、特に明記されない限り、本質的に永久的とすることも、本質的に取り外し可能または分離可能とすることもできる。
【0023】
例示的実施形態で図示されている本開示の要素の構成および配置は、例示にすぎないことに注意することも重要である。本開示では、本革新について少数の実施形態のみを詳細に記載してきたが、本開示を検討する当業者は、数多くの変形(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、向き、などの変化)が、詳述されている主題に関する新規性のある教示および利点から大きく逸脱することなく、可能なことを簡単に認識するであろう。例えば、一体的に形成されたように示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよい。インターフェースの操作を逆に行ってもよいし、または、さもなければ変えてもよい。システムの構造および/もしくは部材またはコネクタまたは他の要素の長さまたは幅は、変えられてもよい。要素間に設けられた調整位置の性質または数は変えられてもよい。注目すべきは、システムの要素および/または組立品は、十分な強度または耐久力を提供する任意の広範な材料から、広範な色、質感、および組み合わせの任意のもので構成し得ることである。したがって、こうしたすべての変形は、本革新の範囲内に含まれることが意図される。本革新の精神を逸脱することなく、所望の他の模範的実施形態の設計、動作条件、および配置において、その他の置換、変形、変更、および省略がなされ得る。
【0024】
当然のことながら、任意の記載されたプロセスまたは記載されたプロセス内のステップは、開示されたその他のプロセスまたはステップと組み合わせて、本開示の範囲内での構造を形成し得る。本明細書で開示されている例示的構造体およびプロセスは、図示の目的であり、限定するものとは解釈されないものとする。
【0025】
また当然のことながら、本開示の概念を逸脱することなく、前述の構造および方法に対して変化および変形をすることができ、また当然のことながら、こうした概念は、それらの請求の範囲に文言で明示的に別段の定めをした場合を除き、下記の請求の範囲によって網羅されることが意図されている。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11