(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】改良型圧力変換器
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
G01L19/00 A
(21)【出願番号】P 2019538499
(86)(22)【出願日】2018-01-24
(86)【国際出願番号】 US2018014961
(87)【国際公開番号】W WO2018144274
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2019-09-11
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ファデル,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ノップ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シェルドルフ,ジェイ
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0003183(US,A1)
【文献】実開平07-014346(JP,U)
【文献】特表2008-511831(JP,A)
【文献】特表平11-504710(JP,A)
【文献】特表2001-511883(JP,A)
【文献】特開平10-148593(JP,A)
【文献】特開昭62-019151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単回使用容器;
前記単回使用容器に結合するように構成された、撓み可能なダイアフラムを有する使い捨てプロセスコネクタ;及び
前記使い捨てプロセスコネクタに取り外し可能に結合された圧力変換器を含み、
前記圧力変換器が、
前記使い捨てプロセスコネクタの前記撓み可能なダイアフラムに隣接して位置付けられた隔離ダイアフラムを有する基部;
前記基部に結合され、前記隔離ダイアフラムに動作可能に結合された圧力センサモジュール;
前記圧力センサモジュールに結合され、前記単回使用容器内で検出された圧力の表示を送信するように構成された制御装置;
前記制御装置が内部に配置されたポリマーハウジングであって、前記基部に結合されるように構成された壁を有するポリマーハウジング
を含み、
前記隔離ダイアフラムが金属ダイアフラムであり、前記撓み可能なダイアフラムがポリマーダイアフラムであり、
前記金属ダイアフラムが、前記金属ダイアフラム及び前記ポリマーダイアフラムが一緒に動かされるときに、前記金属ダイアフラムの中心がまず前記ポリマーダイアフラムの中心に接触するように、凸状形状を有する、圧力感知システム。
【請求項2】
前記圧力変換器が、前記圧力センサを含む
圧力センサモジュールに結合するように構成された回路板を含む、請求項1記載の圧力感知システム。
【請求項3】
前記使い捨てプロセスコネクタが、インラインのフロースルーコネクタである、請求項1記載の圧力感知システム。
【請求項4】
前記使い捨てプロセスコネクタが、前記単回使用容器に直接結合するように構成されている、請求項1記載の圧力感知システム。
【請求項5】
単回使用容器のための圧力変換器であって、
壁を含むポリマーハウジング;
隔離ダイアフラムを有する基部であって、前記ポリマーハウジングの壁に結合されるように構成された基部;
前記基部に結合された、前記隔離ダイアフラムに動作可能に結合された圧力センサを有するセンサモジュール;及び
前記ポリマーハウジング内に配置されて前記圧力変換器に結合された回路、を含み、
前記回路が、前記圧力センサからの圧力測定値を得て、前記圧力測定値に基づく出力信号を提供するように構成されたマイクロプロセッサを含み、
前記隔離ダイアフラムが金属ダイアフラムであり、
前記金属ダイアフラムが、前記金属ダイアフラム及び単回使用容器の使い捨てプロセスコネクタのポリマーダイアフラムが一緒に動かされるときに、前記金属ダイアフラムの中心がまず前記ポリマーダイアフラムの中心に接触するように、凸状形状を有する、圧力変換器。
【請求項6】
前記圧力センサが、歪みゲージ圧力センサである、請求項5記載の圧力変換器。
【請求項7】
前記回路が、ホール効果スイッチを含む、請求項5記載の圧力変換器。
【請求項8】
前記ホール効果スイッチが、ユーザ起動の機能を生成するように構成されている、請求項7記載の圧力変換器。
【請求項9】
前記機能が、前記圧力変換器のゼロイングである、請求項8記載の圧力変換器。
【請求項10】
前記圧力変換器が、有線プロセス通信を可能にするように構成されたケーブルコネクタを含む、請求項5記載の圧力変換器。
【請求項11】
前記回路がさらに、前記マイクロプロセッサに結合されて無線プロトコルにしたがった前記出力信号を送信するように構成された通信モジュールを含む、請求項5記載の圧力変換器。
【請求項12】
前記通信モジュールが、4-20mA通信ループを使用して前記出力信号を提供するように構成されている、請求項
11記載の圧力変換器。
【請求項13】
前記通信モジュールが、電圧出力を使用して前記出力信号を提供するように構成されている、請求項
11記載の圧力変換器。
【請求項14】
前記通信モジュールが、デジタル通信ループを使用して前記出力信号を提供するように構成されている、請求項
11記載の圧力変換器。
【請求項15】
前記回路が、前記圧力センサと前記マイクロプロセッサとの間に動作可能に配置されたアナログ・デジタル変換器を含む、請求項5記載の圧力変換器。
【請求項16】
単回使用容器を有する圧力変換器を使用する方法であって、
使い捨てプロセスコネクタを前記単回使用容器に直接据え付けること、
前記圧力変換器を前記使い捨てプロセスコネクタに結合すること、
前記圧力変換器における圧力センサで、前記単回使用容器内の圧力を測定すること、そして
前記測定された圧力に基づいて遠隔装置に出力を提供すること
を含み、
前記圧力変換器が凸状形状を有する金属ダイアフラムを含み、前記使い捨てプロセスコネクタがポリマーダイアフラムを含み、前記圧力変換器を前記使い捨てプロセスコネクタに結合することは、空気が放射状に外側へ向かうよう強制されるように、前記金属ダイアフラムが前記凸状形状を有することによって最初に前記金属ダイアフラムの中心を前記ポリマーダイアフラムの中心に結合し、
前記金属ダイアフラムが、前記金属ダイアフラム及び前記ポリマーダイアフラムが一緒に動かされるときに、前記金属ダイアフラムの中心がまず前記ポリマーダイアフラムの中心に接触するように、前記凸状形状を有することを含む、方法。
【請求項17】
前記圧力変換器を前記使い捨てプロセスコネクタに結合することは、前記圧力変換器がさらなる使い捨てプロセスコネクタで再使用可能であるように可逆的な結合を含む、請求項16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
容器は、多数の目的のために生体反応を生成及びサポートするのに有用である。生体反応は、温度及び/又は圧力の変化に影響を受けやすい。さらに、生体反応が進行するにつれ、反応自体が、生体反応容器内の様々なパラメータ、例えば圧力を変え得る。
【0002】
生命科学産業は、大きな、所定の場所での洗浄(CIP)基盤を有するステンレス鋼から作られた資本集約的な大設備から、容器として役目を果たすポリマーの袋又は容器を使用する、より小さな設備に移行している。容器は、一度使用されたらその後廃棄される。この単回使用容器技術は、工場の資本コストを著しく低減させる。例えば、ステンレス鋼のCIP洗浄基盤を使用する既存の設備では、設備を作動するコストの90%までが、蒸気洗浄サイクルに耐えるように設計された非常に高級な機器装備を含むCIP洗浄基盤によるものであり得る。使い捨て単回使用容器袋に移行することによって、資本のCIP部分は取り除かれ得るし、設備はより柔軟ではるかに小さくなり得、ひいては、より標的を定められた薬物療法や他の小規模な適用に必要とされる、より小さなバッチの生産を可能にする。使い捨て単回使用生体反応技術の使用及び採用を促進する機器装備設計を提供することは、このような生体反応を生成する他の産業及びプロセスと同様、生命科学産業にとって極めて有益になり得る。
【発明の概要】
【0003】
圧力感知システムが示される。圧力感知システムは、単回使用容器を含む。圧力感知システムは、単回使用容器に直接結合するように構成された使い捨てプロセスコネクタを含む。使い捨てプロセスコネクタは、撓み可能なダイアフラムを含む。圧力感知システムは、圧力変換器を含む。圧力変換器は、使い捨てプロセスコネクタに取り外し可能に結合される。圧力変換器は、使い捨てプロセスコネクタの撓み可能なダイアフラムに隣接して位置付けられた隔離ダイアフラムを含む。圧力変換器は、隔離ダイアフラムに動作可能に結合された圧力センサモジュールを含む。圧力変換器はまた、圧力センサに結合された制御装置を含む。制御装置は、単回使用容器内の検出された圧力の表示を送信するように構成される。
【0004】
単回使用容器に対する圧力変換器は、ポリマーのハウジングと、隔離ダイアフラムを有する基部とを含む。センサモジュールは基部に結合され、隔離ダイアフラムに動作可能に結合された圧力センサを有する。回路は、ポリマーのハウジング内に配置され、圧力変換器に結合される。回路は、圧力センサからの圧力測定を得て、測定された圧力に基づいた出力信号を提供するように構成されたマイクロプロセッサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本発明の実施態様が有用であり得る単回使用容器の概略図である。
【
図1B】本発明の実施態様にしたがった小型圧力変換器のブロック図である。
【
図2A】本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタを示す。
【
図2B】本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタを示す。
【
図2C】本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタを示す。
【
図3A】本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器ハウジングと回路の図を示す。
【
図3B】本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器ハウジングと回路の図を示す。
【
図3C】本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器ハウジングと回路の図を示す。
【
図4A】本発明の実施態様にしたがった例示的な基部部分を示す。
【
図4B】本発明の実施態様にしたがった例示的な基部部分を示す。
【
図5】本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタとの間の結合の概略図である。
【
図6A】本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器とプロセスコネクタの斜視図である。
【
図6B】本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器とプロセスコネクタの斜視図である。
【
図7】本発明の実施態様にしたがった圧力変換器を使用する方法の流れ図である。
【
図8】本発明の別の実施態様にしたがった使い捨てプロセスコネクタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的実施態様の詳細な説明
精密な圧力変換器及び/又はトランスミッタは、典型的に比較的重いので、ポリマーフィルム容器のような単回使用バイオプロセス機器と、容易に及び費用効果的にインターフェース接続できない。このような圧力変換器は、設備内での永続的な据え付けを要求することが多い。使い捨て圧力変換器は一方、単回使用産業専用であり、軽くて、ポリマーから作られる。しかしながら、これらの使い捨て圧力変換器は、より重くて精密な圧力変換器の性能品質を提供しない。例えば、使い捨て圧力変換器は、経時的にドリフトするか又はそうでなければ誤差を示すことで知られている。
【0007】
本明細書中で示される実施態様は、より重くて精密な圧力変換器で典型的に使用される構成要素、技術、及び技法を活用して、生体反応袋のような単回使用容器に直接結合できる新たな圧力変換器を提供する。1つの実施態様で、非常に小さな形状因子において、単回使用容器、例えばプラスチック生体反応袋に直接据え付けられ得るポリマーハウジングにより、信頼できる精密な圧力変換器からのコア技術が、著しい重さの低減と精密さとを達成するようにリパッケージされる。さらに、いくつかの例で、改良型圧力変換器との通信が無線で実行される。
【0008】
図1Aは、本発明の実施態様が有用であり得る単回使用容器内検体の可変プロセスを測定するセンサの概略図である。圧力センサモジュール40は、任意の適切な分析器若しくは他の電気機器若しくは制御システムであり得る分析器又は制御装置54に、電気的に結合される。圧力センサモジュール40は、単回使用容器51の壁50に、例えば発酵槽に、物理的に結合される。試料52は、単回使用容器50内に配置されて監視され、又はそうでなければ圧力センサモジュール40によって測定される。本発明の実施態様は一般的に、圧力センサモジュールが単回使用容器で効率的に使用され得る多数の構成を含む。
【0009】
図1Bは、本発明の実施態様にしたがった小型圧力変換器100のブロック図を示す。変換器100は、信号通信出力、例えば構成要素132によって提供されるIEC62591にしたがったWirelessHART通信出力を提供するのが好ましい。信号通信出力はまた、他のタイプの出力、例えば(構成要素134によって提供される)4-20mA出力、(構成要素136によって提供される)FOUNDATION(商標)フィールドバス、及び/又は(構成要素138によって提供される)電圧出力を含み得る。
【0010】
圧力変換器100は、制御装置110に結合された信号調整モジュール120に結合された圧力センサ104を含む。信号調整モジュール120は、アナログセンサ信号をデジタル表示に変換するように構成されたアナログ・デジタル変換器122を含み得る。また、信号調整モジュール120は、受信された1つ以上の信号を増幅するように構成された増幅器124も含み得る。信号調整器120は、1つ以上のフィルタ126及び/又は他の信号調整機能性128を含み得る。
図1Bに示されるプロトコルは、適切なプロトコルのほんの実例であることを理解されたい。他の適切なプロトコル、例えば有線のHART、NFC、Bluetooth(登録商標) LE、及びWIFIもまた、他の適切なプロトコルと同様に構想される。
【0011】
圧力センサ104は、非常に精密なソリッドステート歪みゲージ圧力センサであることが好ましい。本明細書中で説明される小型圧力変換器を含む圧力センサモジュールは、液圧伝達流体充填と非常に高い感度の最終隔離ダイアフラムとを有する、金属の、重み最適化された、最小のプロセスインターフェースに直接溶接され得る。エレクトロニクス及びポリマーのハウジングは、以前使用された永続的に据え付けられた圧力センサモジュールインスタレーションと比較して、非常に小型化される。圧力変換器と単回使用容器との間の主要なインターフェースは、圧力変換器に圧力を伝達するが、それを容器の内容物から封止して、変換器が容器に対する圧力測定システムの再使用可能な構成要素になることを可能にする単回使用プロセスコネクタである。
【0012】
図2A~
図2Cは、本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタの概略図である。トランスミッタ200は、結合フューチャー212及び222を使用してプロセスコネクタに結合するように構成されたトランスミッタハウジング210を含む。結合フューチャー212及び222は、
図2A及び
図2Bに示されるように、互いに取り外し可能に受けるように構成された対応するフィッティングを含む。管(図示せず)の長さは、ホースバーブフィッティングであり得るフィッティング230に渡って伸長することが好ましい。使い捨てプロセスコネクタ220は、容器に封止を提供するが圧力に応答して動くポリマーダイアフラム224を有する。変換器210は、変換器210が使い捨てプロセスコネクタ220に据え付けられるとき、ダイアフラム224と接触して配置されるダイアフラム226を有する。変換器210は、金属ダイアフラムを含む。したがって、容器内の圧力が変化するにつれて、両方のダイアフラムが動き、その動きは、動きを圧力信号として検出する変換器210内のソリッドステート歪みゲージ圧力センサ(図示せず)に伝達される。
【0013】
図2Bに示されるように、変換器210は、変換器210を使い捨てプロセスコネクタ220に向かって軸方向にずらすことによって、プロセスコネクタ220に結合され得る。部分的な回転は、結合フューチャー222及び212が、ロッキングプロセスコネクタ220を変換器210に係合させるようにする。一例において、結合フューチャー222及び212は、変換器210をプロセスコネクタ220にロックするように構成されたL形状の棚を含む。
【0014】
図2Cは、変換器210に対する、ハウジング240とクランプアセンブリ250の斜視図である。
図2Cに示されるように、上述の結合フューチャー212をより良く示すために、クランプアセンブリ250が、変換器210から取り外されて示される。ハウジング240は、約1インチ(2.54cm)の直径を有する円筒形であるのが好ましい。クランプアセンブリ250は、変換器210の本体240に渡ってスライドして、コネクタ220のような使い捨てプロセスコネクタに結合するように構成される。
【0015】
図3A~
図3Cは、本発明の1つの実施態様にしたがった、圧力変換ハウジングと回路を示す。
図3Aは、回路カード310を含むハウジング300の部分的な破断斜視図である。回路カード310はスイッチ314を含み、これはホール効果ゼロスイッチであるのが好ましい。回路カード310は、マイクロプロセッサ316も含む。回路カード310は、工場インターフェースヘッダ312を含み得る。ハウジング300はまた、ケーブルコネクタ302が回路カード310に結合できるように構成される。ケーブルコネクタ302の使用は、有線プロセス通信も可能にする。本明細書中で提供されるいくつかの実施態様は、小型ケーブルインターフェースに対して、歪み軽減された2線式有線接続を可能にする。
【0016】
図3Bは、1つの実施態様で、回路カード310及び関係付けられた構成要素がどのように配置されるかを示すハウジング300の拡張された横断面図を示す。ハウジング300の壁は、モジュール340内に置かれた圧力センサを含む基部330に結合するように構成される。基部330は、金属であり、例えば既存のセンサ溶接タイプを使用して、モジュール340に溶接されるのが好ましい。示される例において、圧力センサはソリッドステート歪みゲージ圧力センサである。マイクロプロセッサ316は、信号調整モジュール120を介して、センサ104のような圧力センサからの圧力信号を読み取って、電圧出力のような適切な出力を提供するように構成される。さらに、マイクロプロセッサ316は、有線又は無線通信を介して別のデバイスに測定圧力を伝えるために、適切な通信回路に結合され得る。ハウジング300内のエレクトロニクスにはまた、ユーザ又は技術者が、圧力変換器に関して1つ以上の機能を実行することができるようにするためのユーザインターフェース要素も備わり得る。例えば、ユーザがハウジングの外部表面に近接してマグネットを置くときに、ゼロイング機能がトランスミッタに実施されるように、ホール効果ゼロスイッチ314は構成され得る。ホール効果ゼロスイッチ314が示されるが、さらなる機能性を提供するために、他の実施態様で、さらなるスイッチが他の位置に置かれ得る。さらに、ハウジング300の表面は、特定の位置に近接するマグネットの配置が、変換器のゼロイングのような特定の機能を発動することを示して、印を付けられるか、又は表面表示を提供し得る。
【0017】
図3Bに示されるように、圧力変換器は、電力チップ316も含む。電力チップ316は、充電可能なバッテリのようなバッテリに結合され得るか、又はそれを含み得る。しかしながら、変換器がケーブルに結合された実施態様において、例えばケーブル接続302を使用して、マイクロプロセッサ及び/又は通信回路のような圧力変換器内の他の構成要素に対する提供のために、電力チップ316は、ケーブルから受けた電力を調整するための適切な回路を含み得る。本明細書中で説明されるいくつかの実施態様は、(NFC、Bluetooth(登録商標) LE、WIFI、WirelessHART(登録商標)を含む)無線信号送信を提供し、電力チップ316に結合されたバッテリから電力供給される。
【0018】
図3Cは、回路カード310の上面図である。
図3Cに示されるように、回路カード310は、センサモジュールからの電気接続及び/又は流体接続を受けるように構成された複数のスルーホール320を含む。
図3Cに示されるように、回路カードは5つのスルーホール320を含む。しかしながら、他の構成と同様、より多くの、又はより少ないスルーホール320も使用されることが理解されよう。
図3は、圧力センサモジュールの導体を通過して、センサモジュールから回路カード310に直接、半田付け接続がなされ得るようにするスルーホール320のうちの1つを示す。回路カード310の使用は、特に小型のアセンブリを提供する。示された構成で回路カード310を使用して達成可能な小型のアセンブリは、単回使用反応チャンバに対する回路カード310を有する変換器の結合を可能にする一方で、非常に正確な測定を達成する。
【0019】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施態様にしたがった、使い捨てコネクタのダイアフラムに対して位置付けられるように構成されたアイソレータダイアフラムを有する基部部分を示す。基部部分400は、金属基部部分であり、使い捨てコネクタの対応するポリマーダイアフラムに対して位置付けられるように構成されたアイソレータダイアフラムを含む。
図4A及び
図4Bに示される例において、基部400は直径がおおよそ1.5インチ(3.81cm)である。しかしながら、本発明の実施態様は、直径0.75インチ(1.905cm)である基部400を含むがこれに限定されない、より大きな又はより小さな寸法で実施され得る。
【0020】
基部400が、そこに据え付けられた圧力センサモジュール402とともに
図4Bに提示される。見てわかるように、圧力センサモジュール402は、上に向かって突出する複数のフューチャー410及び404を含み、これらは、例えば回路カード310のスルーホール320を使用して、回路カードのスルーホールを通過するように構成される。フューチャー404は、ソリッドステート圧力センサモジュールに基準圧力を提供するのに使用され得る流動性の突出である。基準圧力に依存して、圧力変換器からの圧力の表示全体は、例えば基準圧力が真空である実施態様で絶対圧力として示され得る。表示全体は、例えば、基準圧力が大気圧である場合、ゲージ圧力も含み得る。さらに、他の適切な圧力表示が、異なる基準に基づいて提供され得る。
【0021】
図5は、本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタとの間の結合の概略図である。
図5に示される例において、変換器504の金属ダイアフラム520は、2つが一緒に動かされるときに、ダイアフラム520の中心がまずプロセスコネクタ502のポリマーダイアフラム510の中心に接触するように、凸状形状を有する。第1結合点は、参照数字530によって示される。結合が進むにつれて、接触エリアは、矢印532によって示されるように中心530から大きくなる。空気は、結合の間、放射状に外側へ向うように強制され、エアポケットが発達してダイアフラム510と520の間に閉じ込められる可能性を低減する。さらに、通気孔534は、空気除去をさらに促進するために、ポリマーダイアフラム510とアイソレータ520との間に提供され得る。
【0022】
図6A及び
図6Bは、本発明の実施態様にしたがった、小型圧力変換器と使い捨てプロセスコネクタの斜視図である。
図6Aは、使い捨てプロセスコネクタ630から切り離された小型圧力変換器ハウジング620を示し、金属基部部分610と、そこへ結合された金属隔離ダイアフラム612を示している。変換器ハウジング620は、有線通信が可能になるようにケーブル640に結合される。
図6Bにおいて、圧力変換器ハウジング620は、プロセスコネクタ630に結合される。ダイアフラム612は、直径がおおよそ1インチ(2.54cm)である。しかしながら、他の実施態様で、管の寸法及び関係付けられたダイアフラム直径は、より小さく、例えば1/2インチ(1.27cm)直径、又は3/8インチ直径(0.9525cm)でさえあり得る。センサは、センサエレクトロニクスと一体化され得、これは、回路板に配置された温度センサがセンサに比較的近接しているので、熱変動の補償も促進する。本明細書中で説明された少なくともいくつかの実施態様は、非常に正確な圧力読み取りのために、生体反応チャンバに対する圧力変換器の直接結合を可能にするように構成される。
【0023】
本明細書中で説明された実施態様は、小型圧力変換器に関係付けられた以下の例示的な仕様のいくつかを示し得る。本明細書中の少なくともいくつかの圧力センサ変換器は、0.005psig(重量ポンド毎平方インチゲージ圧)の分解能と0.03psigの精度で、0~40psigの圧力範囲に渡って有用である。本明細書中で説明された圧力変換器は、21日間で0.01psigよりも小さなドリフトを示し得、5℃から50℃の間の温度範囲で使用され得る。本明細書中で説明された実施態様は、温度補償とともに、継続的なサンプルレートを提供するように構成され得る。完全な工場較正は、USPクラスVI材料から作られた実施態様で達成され得る。
【0024】
図7は、本発明の実施態様にしたがった、圧力変換器を使用する方法の流れ図である。方法700は、非常に正確な圧力センサモジュール信号が検出されて、本明細書中に説明されたような使い捨てプロセスコネクタに結合された小型の圧力センサ変換器を使用して伝送され得るように、圧力変換器が単回使用容器に結合できるようにし得る。
【0025】
ブロック710で、バイオリアクタのような単回使用容器が準備される。例えば、単回使用容器は使用前に滅菌される。しかしながら、他の具体例において、試料を容器に入れて反応を開始し得る。
【0026】
ブロック720で、変換器が準備される。例えば、圧力変換器は、ブロック714で示されるように準備され得る。準備は、圧力変換器の組立と較正を含む。内部で記憶された(非揮発性の)較正パラメータが工場較正の間提供されて、精度の証明があれば利用可能になる。較正はまた、必要に応じてエンドユーザによって検証され得る。
【0027】
準備は、圧力変換器を使い捨てプロセスコネクタに取り外し可能に結合することも含み得る。圧力センサモジュールは、容器と直接インターフェース接続するように構成された小型の単回使用構成要素を含み得る。
【0028】
ブロック730で、圧力変換器は単回使用容器に結合される。結合は、ブロック722で示されるように、一時的な結合である。別の例において、結合は容器の単回使用の間続くように構成され得る。ブロック724で示されるように、他の結合も構想される。本明細書中に示されるように、いくつかの例は、信号を制御システムに送るために、送信ボックスのような付加的な機器を要求することなく、完全に一体化された解決策を含む。
【0029】
ブロック740で、検出された圧力測定値が送信される。小型の圧力変換器は、ブロック732で示されるように、非常に正確な測定値を提供する。測定値は、ブロック734で示されるように、無線で、及び/又は、ブロック736で示されるように有線通信ループを通して送信され得る。圧力読み取りのオンボードデジタル補正は、一体化された温度センサからの信号に基づいた温度誤差の判断に対して提供され得る。本明細書中で説明された少なくともいくつかの例は、0.02psiよりも良好な精度を提供する。
【0030】
ブロック750で、構成要素が廃棄される。単回使用構成要素の使用は、以前に要求されたCIP基盤なしで反応が進行できるようにする。さらに、感度の良好な圧力測定値のために以前要求された、従来の定位置に据え付けられた機械を必要とせずに、正確な測定値が得られる。単回使用容器は、ブロック752で示されるように、使用後に廃棄され得る。
【0031】
矢印760によって示されるように、圧力変換器は再使用可能であり、さらなる単回使用容器における反応を監視するために、新たな使い捨てプロセスコネクタに結合される。
【0032】
図8は、本発明の別の実施態様にしたがった、使い捨てプロセスコネクタの概略図である。プロセスコネクタ800は、例えばインラインのフロースルーの態様において、トランスミッタ200又は同様のトランスミッタで使用され得る。例えば、フューチャー822は、トランスミッタ200のフューチャー212に結合するように構成され得る。
【0033】
管(図示せず)の長さは、フィッティング830に渡って伸長し、これはホースバーブフィッティングであり得る。使い捨てプロセスコネクタ800は、ポリマーのダイアフラムを有し、これは流体フロー経路に封止を提供するが、圧力に応答して動く。プロセスコネクタ800のポリマーダイアフラムは、変換器200のダイアフラム226と接触するように構成され得る。
【0034】
本明細書中で説明された実施態様は、単回使用容器内の圧力、又は単回使用容器に関係付けられた圧力を監視するための、生命科学分野にとって非常に有用であると考えられる多数の特徴を提供する。本明細書中で説明された例は、単回使用容器に直接結合され得る再使用可能な圧力トランスミッタを提供する。再使用可能な圧力トランスミッタは、デジタル処理された圧力信号を提供し得、かつ/又は、埋め込まれたマイクロコントローラを用い得る。
【0035】
本明細書中で説明されたシステムは、1年あたり0.01%FS未満のドリフトを有する高い安定性を示す。本明細書中で説明された一体化された変換器は、軽量様式、例えば概ね2~3オンス(56.699g~85.049g)の重さで生産され得るが、高い精度を提供する。本明細書中で説明されたポリマーハウジングは、軽量と、無線信号侵入を可能にする。さらに、単回使用適用のためのポリマー壁とより良好にインターフェース接続するために、アイソレータは非常に感度が良く、平型であるように設計される。
【0036】
本明細書中で説明された実施態様は、ヘッドスペース適用、インラインの圧力測定適用、フローフィッティグ等のために使用され得る。さらに、本明細書中で説明された実施態様は、単回使用容器又は器に焦点をあててきたが、医療分野のような他の分野や産業が、本発明の実施態様から恩典を受け得ることが明示的に意図される。加えて、他のプロセス接続は、軽量圧力変換器が、柔軟なチューブ、パイプ、又は任意の数の他のプロセスインターフェースに直接据え付けられ、(さらなるハードウェア据え付けを要求することなく)支えのないままにし得る。軽量特性及び潜在的な無線通信は、はるかに小規模での感知アプリケーション普及を可能にし得る。