(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】グルカゴン受容体結合タンパク質及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20220128BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20220128BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20220128BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20220128BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20220128BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20220128BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20220128BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220128BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220128BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220128BHJP
A61K 38/28 20060101ALI20220128BHJP
A61K 31/155 20060101ALI20220128BHJP
A61K 31/18 20060101ALI20220128BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20220128BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220128BHJP
A61K 51/10 20060101ALI20220128BHJP
G01N 33/531 20060101ALI20220128BHJP
C07K 1/13 20060101ALN20220128BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20220128BHJP
A61K 47/68 20170101ALN20220128BHJP
A61K 47/64 20170101ALN20220128BHJP
A61K 47/54 20170101ALN20220128BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P3/10
A61K45/00
A61K38/28
A61K31/155
A61K31/18
A61K31/426
A61K39/395 N
A61K39/395 D
A61K51/10 200
G01N33/531 A
C07K1/13
C12P21/08
A61K47/68
A61K47/64
A61K47/54
(21)【出願番号】P 2019540056
(86)(22)【出願日】2018-01-26
(86)【国際出願番号】 US2018015452
(87)【国際公開番号】W WO2018140729
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-22
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514002695
【氏名又は名称】エヌジーエム バイオファーマシューティカルス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ウェンヤン シェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ワング
(72)【発明者】
【氏名】ヒューゴ マテルン
(72)【発明者】
【氏名】ズホングハオ リウ
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/059531(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/044337(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/161154(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/189698(WO,A2)
【文献】特表2016-520058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/13
C07K 16/28
C07K 16/46
C12N 15/63
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
A61P 43/00
A61P 3/10
A61K 45/00
A61K 38/28
A61K 31/155
A61K 31/18
A61K 31/426
A61K 39/395
A61K 51/10
A61K 47/68
A61K 47/64
A61K 47/54
A61K 47/52
G01N 33/531
C07K 1/13
C12P 21/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号25のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有する重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号26のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有する軽鎖可変領域(VL)、を含むヒトグルカゴン受容体(GCGR、配列番号223)と特異的に結合する抗体。
【請求項2】
(a)前記VH-CDR1は配列番号1のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号2のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号3のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号4のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号5のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(b)前記VH-CDR1は配列番号7のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号8のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号9のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号10のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(c)前記VH-CDR1は配列番号12のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号2のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号3のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号4のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号5のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(d)前記VH-CDR1は配列番号13のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号14のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号15のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号16のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号17のアミノ酸配列を含む、
(e)前記VH-CDR1は配列番号18のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号19のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号20のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号21のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号22のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号23のアミノ酸配列を含む、または
(f)前記VH-CDR1は配列番号1のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号24のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号3のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号4のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号5のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
ものである、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記VHが配列番号25のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号26のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
前記VHが配列番号25のアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号26のアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載の抗体。
【請求項5】
前記VHが配列番号220のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号221のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載の抗体。
【請求項6】
前記VHが配列番号220のアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号221のアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項5に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体はヒト化抗体である、請求項1~3、5及び6のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体はキメラ抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、IgG抗体、または、少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である、請求項1~7のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項9】
配列番号234のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%である重鎖、及び、配列番号236のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%である軽鎖を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項10】
配列番号234のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号236のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、ヒトグルカゴン受容体(GCGR)と特異的に結合する抗体。
【請求項11】
前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項12】
下記を含むヒトグルカゴン受容体(GCGR、配列番号223)と特異的に結合する抗体、
(a)配列番号51のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号52のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(b)配列番号71のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号72のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(c)配列番号97のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号98のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(d)配列番号122のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号123のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(e)配列番号144のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号145のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(f)配列番号164のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号165のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(g)配列番号188のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号189のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、
(h)配列番号203のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号204のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL、または
(i)配列番号218のアミノ酸配列からのVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を有するVH、及び配列番号219のアミノ酸配列からのVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を有するVL。
【請求項13】
請求項12に記載の抗体であって、
(i)(1)前記VH-CDR1は配列番号27のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号28のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号29のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号30のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号33のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号34のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号35のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号36のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号37のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号38のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号28のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号29のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号30のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号39のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号40のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号41のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号42のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号37のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号43のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号44のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号45のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号46のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号47のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号48のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号49のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号27のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号50のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号29のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号30のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(ii)(1)前記VH-CDR1は配列番号53のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号54のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号55のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号56のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号57のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号58のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号59のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号60のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号37のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号61のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号54のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号55のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号56のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号62のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号40のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号63のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号64のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号37のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号43のアミノ酸配列を含む43、
(5)前記VH-CDR1は配列番号65のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号66のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号67のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号68のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号69のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号49のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号53のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号70のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号55のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号56のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号31のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号32のアミノ酸配列を含む、
(iii)(1)前記VH-CDR1は配列番号73のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号74のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号75のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号76のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号77のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号78のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号79のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号80のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号81のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号82のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号83のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号78のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号84のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号74のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号75のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号76のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号77のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号78のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号85のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号86のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号87のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号88のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号83のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号89のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号90のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号91のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号92のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号93のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号94のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号95のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号73のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号96のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号75のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号76のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号77のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号78のアミノ酸配列を含む、
(iv)(1)前記VH-CDR1は配列番号99のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号100のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号101のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号102のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号103のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号104のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号105のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号106のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号107のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号108のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号109のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号104のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号110のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号100のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号101のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号102のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号103のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号104のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号111のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号86のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号112のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号113のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号109のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号114のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号115のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号116のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号117のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号118のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号119のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号120のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号99のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号121のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号101のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号102のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号103のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号104のアミノ酸配列を含む、
(v)(1)前記VH-CDR1は配列番号124のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号125のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号126のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号127のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号129のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号130のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号131のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号132のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号133のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号125のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号126のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号127のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号134のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号135のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号136のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号137のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号17のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号138のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号139のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号140のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号141のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号142のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号23のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号124のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号143のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号126のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号127のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(vi)(1)前記VH-CDR1は配列番号146のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号147のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号148のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号149のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号150のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号151のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号152のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号153のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号154のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号147のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号148のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号149のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号155のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号156のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号157のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号158のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号17のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号159のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号160のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号161のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号162のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号142のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号23のアミノ酸配列を含む、
(6)前記VH-CDR1は配列番号146のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号163のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号148のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号149のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、または
(vii)(1)前記VH-CDR1は配列番号166のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号167のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号168のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号170のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号171のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号172のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号173のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号174のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号175のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号171のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号176のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号167のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号168のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号170のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号171のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号177のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号178のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号179のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号180のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号181のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号182のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号183のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号184のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号185のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号142のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号186のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号166のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号187のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号168のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号170のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号171のアミノ酸配列を含む、
(viii)(1)前記VH-CDR1は配列番号190のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号191のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号192のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号193のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号172のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号194のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号195のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号175のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号193のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号154のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号191のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号192のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号193のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号177のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号156のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号196のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号180のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号197のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号198のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号199のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号200のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号185のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号142のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号201のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号190のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号202のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号192のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号169のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号193のアミノ酸配列を含む、
(ix)(1)前記VH-CDR1は配列番号190のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号205のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号206のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号207のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(2)前記VH-CDR1は配列番号172のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号208のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号209のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号210のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(3)前記VH-CDR1は配列番号154のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号205のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号206のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号207のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、
(4)前記VH-CDR1は配列番号177のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号211のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号212のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号213のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号11のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号17のアミノ酸配列を含む、
(5)前記VH-CDR1は配列番号198のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号214のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号215のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号216のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号142のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号23のアミノ酸配列を含む、または
(6)前記VH-CDR1は配列番号190のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR2は配列番号217のアミノ酸配列を含む、前記VH-CDR3は配列番号206のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR1は配列番号207のアミノ酸配列を含む、前記VL-CDR2は配列番号128のアミノ酸配列を含む、及び前記VL-CDR3は配列番号6のアミノ酸配列を含む、前記抗体。
【請求項14】
請求項12または13に記載の抗体であって、
(a)前記VHが配列番号51のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号52のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(b)前記VHが配列番号71のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号72のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(c)前記VHが配列番号97のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号98のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(d)前記VHが配列番号122のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号123のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(e)前記VHが配列番号144のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号145のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(f)前記VHが配列番号164のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号165のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(g)前記VHが配列番号188のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号189のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、
(h)前記VHが配列番号203のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号204のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、または、
(i)前記VHが配列番号218のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含み、かつ、前記VLが配列番号219のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも90%であるアミノ酸配列を含む、前記抗体。
【請求項15】
請求項12または13に記載の抗体であって、
(a)前記重鎖可変領域は配列番号51のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号52のアミノ酸配列を含む、
(b)前記重鎖可変領域は配列番号71のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号72のアミノ酸配列を含む、
(c)前記重鎖可変領域は配列番号97のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号98のアミノ酸配列を含む、
(d)前記重鎖可変領域は配列番号122のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号123のアミノ酸配列を含む、
(e)前記重鎖可変領域は配列番号144のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号145のアミノ酸配列を含む、
(f)前記重鎖可変領域は配列番号164のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号165のアミノ酸配列を含む、
(g)前記重鎖可変領域は配列番号188のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号189のアミノ酸配列を含む、
(h)前記重鎖可変領域は配列番号203のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号204のアミノ酸配列を含む、または
(i)前記重鎖可変領域は配列番号218のアミノ酸配列を含み、かつ、前記軽鎖可変領域は配列番号219のアミノ酸配列を含む、前記抗体。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の抗体をコードする、1または複数のポリヌクレオチド。
【請求項17】
請求項16に記載の1若しくは複数のポリヌクレオチドを含む、1または複数のベクター。
【請求項18】
請求項16に記載の1若しくは複数のポリヌクレオチド、または請求項17に記載の1若しくは複数のベクターを含む、細胞。
【請求項19】
請求項1~15のいずれか1項に記載の抗体を産生する、請求項18に記載の細胞。
【請求項20】
請求項1~15のいずれか1項に記載の抗体を作製する方法であって、(a)請求項18または19に記載の細胞を培養すること、及び
(b)抗体を単離すること、を含み、任意で、更に単離された抗体を滅菌した医薬組成物へ製剤化することを含む、前記方法。
【請求項21】
請求項1~15のいずれか1項に記載の抗体を含む医薬組成物。
【請求項22】
対象におけるブドウ糖利用障害またはそれに関連する後遺症を治療するための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記ブドウ糖利用障害またはそれに関連する後遺症は、真性糖尿病、成人潜在性自己免疫性糖尿病、妊娠糖尿病、インスリン抵抗性、前糖尿病、糖代謝異常に関連する疾患、高血糖症、または高血糖状態に関連するかまたは原因とする生理学的障害である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記ブドウ糖利用障害またはそれに関連する後遺症は、1型糖尿病または2型糖尿病である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
対象におけるメタボリック症候群、またはメタボリック症候群に関連する疾患若しくは障害を治療するための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記メタボリック症候群に関連する疾患または障害は、肥満及び体格指数高値、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、高血圧、心血管疾患、脳卒中、または心不全である、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
対象における異脂肪血症またはそれに関連する後遺症を治療するための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記それに関連する後遺症は、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、または脳血管障害である、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
対象における血糖値を低減または低下させるための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項30】
対象の血中C-ペプチドレベルを上昇させるための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項31】
対象の血中インスリンレベルを上昇させるための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項32】
対象のベータ細胞機能を改善するための、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記医薬組成物は、少なくとも1つのさらなる治療剤と組み合わせて前記対象に投与するためのものである、請求項22~32のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1つのさらなる治療剤は、糖尿病用または高血糖症用の薬物である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記糖尿病用または高血糖症用の薬物は、ビグアナイド薬、スルホニル尿素薬、メグリチニド誘導体、アルファ-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジンジオン(TZD)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬、選択的ナトリウム-グルコース輸送体-2(SGLT-2)阻害薬、インスリンもしくはインスリン様薬、アミリン模倣薬、胆汁酸捕捉薬、及び/またはドーパミンアゴニストである、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記対象はヒトである、請求項22~34のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書での参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年1月27日に出願された米国仮特許出願第62/451,603号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は一般に、ヒトGCGRなどグルカゴン受容体(GCGR)に結合する、抗体などのタンパク質、ならびにかかる結合タンパク質を疾患の治療及び/または予防に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
グルカゴンは、膵臓のアルファ細胞により分泌されるアミノ酸29個のペプチドホルモンである。グルカゴン分泌は一般に、例えば、空腹時など、血糖値の低下に応答して上昇する。グルカゴンは、肝臓のグリコーゲン分解及び糖新生を刺激することによって血液中のグルコース濃度を高めることができる。対照的に、インスリンは膵臓ベータ細胞により産生される。インスリン分泌を刺激するのは高血糖である。膵臓により常に少量のインスリンが分泌されているが、血液中への分泌量は血糖が上昇するにつれ増加する。同様に血糖が低下すると、膵臓ベータ細胞により分泌されるインスリン量は減少する。グルカゴンとインスリンは、共に作用することによって正常な血糖値の維持に役立っている。
【0004】
グルカゴンはグルカゴン受容体(GCGR)に結合し、かつそれを活性化させる。GCGRは、クラスBのGタンパク質共役受容体(GPCR)のメンバーである。GPCRは、N末端の細胞外ドメイン、中心部のアルファヘリックス7本の膜貫通領域、及び細胞質内C末端領域を特徴とする。典型的に、GPCRは、エフェクタータンパク質を介して1つ以上の細胞内シグナル伝達経路と関連している。エフェクタータンパク質は、Gα(Gαs、Gαi、及びGαo)、Gβ、及びGγのようなヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)である。
【0005】
Gタンパク質共役により、GCGRの刺激は、アデニル酸シクラーゼ及びcAMP依存性細胞内シグナル伝達経路ならびにホスホイノシトール介在性シグナル伝達の活性化をもたらすことができる。それに続く、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、及びグルコース-6-ホスファターゼなど糖新生酵素の発現増加により糖新生が促進される。さらに、GCGRシグナル伝達は、グリコーゲンホスホリラーゼの活性化及びグリコーゲン合成酵素の阻害をもたらし、それによりグリコーゲン分解を促進することができる。
【0006】
健常な個体では、膵臓ベータ細胞は、インスリンの貯蔵及び放出の機能を司る。典型的に、ベータ細胞は、血液中のグルコース濃度の急上昇にすばやく応答して細胞が貯蔵しているインスリンを分泌する一方で、さらなるインスリンを同時に産生する。問題が生じるのは血糖値が効率的に制御されない場合である。
【0007】
血糖値の制御不能に関連する疾患、障害、または病態には、1型糖尿病及び2型糖尿病のように、高血糖症及び高血糖症の結果生じる健康問題が含まれる。ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態には、1型糖尿病及び2型糖尿病のような高血糖症及び代謝性疾患が含まれる。対象が、ベータ細胞機能障害に関連した疾患に罹患している場合、その対象がインスリンを産生して血液中に分泌し、かつ血糖調節を行う能力は、重度に障害され得る。血糖値の制御不能、高血糖症、及び/またはベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、もしくは病態を治療するための新たな方法及び治療剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、抗体のような結合タンパク質など、グルカゴン受容体(GCGR)に結合するタンパク質、及びそれらを使用する方法を提供する。そのような結合タンパク質(「GCGR結合タンパク質」)(例えば、抗体)は、GCGRポリペプチド、GCGR断片、及び/またはGCGRエピトープに結合してよい。GCGR結合タンパク質は、アンタゴニスト(例えば、グルカゴンのGCGRへの結合を阻害するもの、GCGRのグルカゴン誘導性シグナル伝達を阻害するもの、またはグルカゴン/GCGR複合体を阻害するもの)であってよい。本開示は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を、本明細書に記載のGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の有効量を用いて治療または予防する方法も提供する。いくつかの実施形態では、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態には、血糖の制御不能、高血糖症、代謝性疾患(例えば、1型糖尿病及び2型糖尿病)、及び/またはベータ細胞機能の低下のあるあらゆる疾患が含まれる。
【0009】
本開示は、抗体またはその断片などの結合タンパク質で、(i)ヒトGCGRに結合するもの、(ii)グルカゴンシグナル伝達を阻害するもの、(iii)GCGRシグナル伝達を阻害するもの、及び/または(iv)GCGRとの相互作用をグルカゴンと競合するもの(例えば、表1~10に示す、CDR、重鎖可変領域、及び/または軽鎖可変領域の配列を含む抗体)も提供する。
【0010】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRポリペプチド、GCGR断片、またはGCGRエピトープに結合する抗体もしくはヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、本明細書に記載する6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、または14E9と表記されるモノクローナル抗体の、少なくとも1つの重鎖CDR及び/または少なくとも1つの軽鎖CDR(例えば、表1~10)またはそのヒト化変異型を含む。ある実施形態では、抗GCGR抗体はさらに、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列の少なくとも1つのフレームワーク領域またはその変異型を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1~10で定義されている抗体の6つのCDRまたは6つ未満のCDRを含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1~10で定義されている抗体の重鎖CDR1、CDR2、CDR3及び/または軽鎖CDR1、CD2、CDR3から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載する6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、もしくは14E9と表記されるモノクローナル抗体の、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDRまたはそのヒト化変異型を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)はさらに、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列の足場領域もしくはフレームワーク領域(複数可)またはその変異型を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、抗原結合性断片、またはその任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、GCGRポリペプチド(例えば、細胞表面に発現するかまたは可溶性のGCGR)、GCGR断片、またはGCGRエピトープに結合するヒト化モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性または多重特異性の抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体はIgG抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1抗体、IgG2抗体、またはIgG4抗体である。
【0013】
本開示は、抗体またはその断片などの結合タンパク質で、(i)配列番号25を含む重鎖可変領域と配列番号26を含む軽鎖可変領域とを含む抗体によって認識されるヒトGCGRのエピトープ及びカニクイザル(「cyno」)GCGRのエピトープに結合するもの、または(ii)配列番号25を含む重鎖可変領域と配列番号26を含む軽鎖可変領域とを含む抗体と、ヒトGCGRへの結合を競合するものも提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、ヒトGCGRまたはcynoGCGRのエピトープなどの領域に結合する、抗体またはその断片などの結合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、ヒトGCGRを発現する細胞において、グルカゴンシグナル伝達を阻害すること、GCGRシグナル伝達を阻害すること、またはグルカゴン/GCGR複合体を阻害することができる。さらに、いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体であり、その抗体は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及び/またはキメラ抗体である。
【0014】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する抗体であり、ここで、かかる抗体は、(a)GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1、DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2、及びHTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3、及び/または(b)RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1、KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2、及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する抗体であり、ここで、かかる抗体は、(a)配列番号25に対する配列同一性が少なくとも90%である重鎖可変領域及び配列番号26に対する配列同一性が少なくとも90%である軽鎖可変領域、または(b)配列番号220に対する配列同一性が少なくとも90%である重鎖可変領域及び配列番号221に対する配列同一性が少なくとも90%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する抗体であり、ここで、かかる抗体は、(a)配列番号25に対する配列同一性が少なくとも95%である重鎖可変領域及び配列番号26に対する配列同一性が少なくとも95%である軽鎖可変領域、または(b)配列番号220に対する配列同一性が少なくとも95%である重鎖可変領域及び配列番号221に対する配列同一性が少なくとも95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する抗体であり、ここで、かかる抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する抗体であり、ここで、かかる抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。
【0015】
別の態様では、本開示は、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)で、(i)本明細書に記載する抗GCGR抗体(例えば、表1で定義されているCDR配列を有する抗体6B5)が、GCGRポリペプチド(例えば、細胞表面に発現するかまたは可溶性のGCGR)、GCGR断片、もしくはGCGRエピトープに結合しないよう競合的に遮断する(例えば、用量依存的に)もの、及び/または(ii)本明細書に記載する抗GCGR抗体(例えば、抗体6B5)が結合するGCGRエピトープに結合するものを提供する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載するモノクローナル抗体6B5もしくはそのヒト化変異型が、GCGRポリペプチド(例えば、細胞表面に発現するかまたは可溶性のGCGR)、GCGR断片、またはGCGRエピトープに結合しないよう競合的に遮断する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載するモノクローナル抗体6B5またはそのヒト化変異型が結合する(例えば、認識する)GCGRエピトープに結合する。
【0016】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の少なくとも1つとGCGRへの特異的結合を競合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号27を含む重鎖CDR1、配列番号28を含む重鎖CDR2、配列番号29を含む重鎖CDR3、配列番号30を含む軽鎖CDR1、配列番号31を含む軽鎖CDR2、及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号53を含む重鎖CDR1、配列番号54を含む重鎖CDR2、配列番号55を含む重鎖CDR3、配列番号56を含む軽鎖CDR1、配列番号31を含む軽鎖CDR2、及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号73を含む重鎖CDR1、配列番号74を含む重鎖CDR2、配列番号75を含む重鎖CDR3、配列番号76を含む軽鎖CDR1、配列番号77を含む軽鎖CDR2、及び配列番号78を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号99を含む重鎖CDR1、配列番号100を含む重鎖CDR2、配列番号101を含む重鎖CDR3、配列番号102を含む軽鎖CDR1、配列番号103を含む軽鎖CDR2、及び配列番号104を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号124を含む重鎖CDR1、配列番号125を含む重鎖CDR2、配列番号126を含む重鎖CDR3、配列番号127を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号146を含む重鎖CDR1、配列番号147を含む重鎖CDR2、配列番号148を含む重鎖CDR3、配列番号149を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号166を含む重鎖CDR1、配列番号167を含む重鎖CDR2、配列番号168を含む重鎖CDR3、配列番号169を含む軽鎖CDR1、配列番号170を含む軽鎖CDR2、及び配列番号171を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号190を含む重鎖CDR1、配列番号191を含む重鎖CDR2、配列番号192を含む重鎖CDR3、配列番号169を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号193を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号190を含む重鎖CDR1、配列番号205を含む重鎖CDR2、配列番号206を含む重鎖CDR3、配列番号207を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、GCGRへの結合を競合する抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGRへの結合を競合する抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGRへの結合を競合する抗体は、(a)配列番号51を含む重鎖可変領域及び配列番号52を含む軽鎖可変領域、(b)配列番号71を含む重鎖可変領域及び配列番号72を含む軽鎖可変領域、(c)配列番号97を含む重鎖可変領域及び配列番号98を含む軽鎖可変領域、(d)配列番号122を含む重鎖可変領域及び配列番号123を含む軽鎖可変領域、(e)配列番号144を含む重鎖可変領域及び配列番号145を含む軽鎖可変領域、(f)配列番号164を含む重鎖可変領域及び配列番号165を含む軽鎖可変領域、(g)配列番号188を含む重鎖可変領域及び配列番号189を含む軽鎖可変領域、(h)配列番号203を含む重鎖可変領域及び配列番号204を含む軽鎖可変領域、または(i)配列番号218を含む重鎖可変領域及び配列番号219を含む軽鎖可変領域を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本明細書に記載する抗体の少なくとも1つが結合するGCGRのエピトープと同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本明細書に記載する抗体の少なくとも1つが結合するGCGR上のエピトープと重複するGCGR上のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、Hz6B5、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、Hz6B5、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する。
【0019】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号234のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号236のアミノ酸配列を有する軽鎖を含むヒト化抗体である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を、診断用物質、検出可能物質、もしくは治療剤と、組み合わせるか、複合体化させるか、または組換えにより結合させる。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、検出可能マーカーと複合体化される抗体である。いくつかの実施形態では、検出可能物質は、放射性同位元素、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物、または化学発光化合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、治療剤は、ビグアナイド系薬剤及びスルホニル尿素類(例えば、メトホルミン、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリベンクラミド、及びグリピジド)、チアゾリジンジオン系薬剤(例えば、ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)、GLP-1アナログ、PPARガンマアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤(例えば、ジャヌビア(JANUVIA)及びオングリザ(ONGLYZA))、ブロモクリプチン、胆汁酸捕捉薬(例えば、コレセベラム)、インスリン(例えば、追加インスリンアナログ及び基礎インスリンアナログ)、アルファグルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ログリボース(roglibose))、SGLT-2阻害剤、ならびに食欲抑制薬または体重減少用薬(例えば、ゼニカル(XENICAL))からなる群から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRを発現している細胞においてGCGRシグナル伝達を阻害する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、グルカゴン誘導性GCGRシグナル伝達を阻害する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、細胞においてGCGR活性を阻害する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、cAMP活性を阻害する。
【0022】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(i)血糖値を低減させる、(ii)C-ペプチドのレベルを上昇させる、及び/または(iii)インスリンのレベルを上昇させる。いくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でC-ペプチドレベルを測定する。いくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でインスリンレベルを測定する。
【0023】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含むかまたは産生する細胞を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載する抗体(例えば、表1~10のCDR配列により定義される抗体)を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、6B5と表記される抗体またはHz6B5と表記されるヒト化バージョンを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載する抗体(例えば、表1~10のCDR配列により定義される抗体)を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、6B5と表記される抗体またはHz6B5と表記されるヒト化バージョンを産生する。
【0024】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含む医薬組成物及び薬理学的に許容される担体を提供する。
【0025】
上記態様の各々のうちいくつかの実施形態、ならびに本明細書の他の箇所に記載のある他の態様及び/または実施形態では、GCGR結合タンパク質を単離する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は実質的に純粋である。
【0026】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド分子を提供する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、GCGR、GCGR断片、もしくはGCGRエピトープに結合するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の、免疫グロブリン重鎖、免疫グロブリン軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖CDR、及び/または軽鎖CDRをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載する6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、もしくは14E9と表記されるモノクローナル抗体(例えば、表1~10を参照のこと)の重鎖可変領域及び/または軽鎖可変領域、またはそのヒト化変異型をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子はさらに、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列の足場領域もしくはフレームワーク領域またはその変異型をコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド分子は、配列番号233、配列番号234、配列番号235、または配列番号236のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド分子は、配列番号233及び配列番号235を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド分子は、配列番号234及び配列番号236を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを単離する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。
【0027】
また、本明細書は、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)をコードする核酸分子を含むベクター、ならびにかかるベクター及び/またはポリヌクレオチドを含む細胞も提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、GCGR結合タンパク質の産生が促進される条件下で本明細書で提供する宿主細胞を培養することによってGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を作製する方法を提供する。
【0028】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞におけるGCGRシグナル伝達を阻害する方法は、細胞を、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞はヒトGCGRを発現する。いくつかの実施形態では、GCGRシグナル伝達はグルカゴンにより誘導される。
【0029】
いくつかの実施形態では、対象の血糖値を低減または低下させる方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血中インスリンレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血糖値を低減または低下させ、血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でC-ペプチドレベルを測定する。いくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でインスリンレベルを測定する。
【0030】
いくつかの実施形態では、対象の1型糖尿病を治療する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、1型糖尿病は成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)である。いくつかの実施形態では、対象の2型糖尿病を治療する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の高血糖症を治療する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、対象のベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害もしくは病態を治療または予防する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象においてベータ細胞に欠陥のある疾患、障害もしくは病態、またはその症状を治療または予防する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患、障害または病態は高血糖症である。いくつかの実施形態では、疾患、障害または病態は1型糖尿病である。いくつかの実施形態では、疾患、障害または病態は2型糖尿病である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により、(i)血糖値が低減する、(ii)血中C-ペプチドレベルが上昇する、(iii)膵臓のC-ペプチドレベルが上昇する、(iv)血糖値が低減し、血中C-ペプチドが上昇する、及び/または(v)血糖値が低減し、膵臓のC-ペプチドが上昇する。いくつかの実施形態では、対象のベータ細胞機能を改善する方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能の改善は、血糖の減少、C-ペプチドの増加、及び/またはインスリンの増加により示される。
【0032】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、インスリンの1日用量の投与を受ける。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、インスリンの1日用量の投与を受けない。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、1型糖尿病に罹患しているかまたはその症状がある。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、2型糖尿病に罹患しているかまたはその症状がある。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は高血糖症に罹患している。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象はインスリン抵抗性である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象はインスリン依存性糖尿病に罹患している。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象はインスリン非依存性糖尿病に罹患している。
【0033】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態に罹患しているかまたはその症状がある。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態は、1型糖尿病である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態は、2型糖尿病である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態は、代謝性疾患である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、1つ以上の症状を予防または治療する。
【0034】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質の投与の後、血清グルカゴン、血清インスリン、及び/またはC-ペプチドの増加を有する。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質の投与の後、血液中のグルコース(例えば、全血グルコース、血清グルコース、または血漿グルコース)の減少を有する。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、対象は、血糖の減少及びC-ペプチドの増加(例えば、血清C-ペプチド、膵臓C-ペプチド、またはその両方)を有する。
【0035】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つのさらなる治療剤を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、糖尿病用または高血糖症用の薬物である。いくつかの実施形態では、糖尿病用または高血糖症用の薬物は、ビグアナイド薬、スルホニル尿素薬、メグリチニド誘導体、アルファ-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジンジオン(TZD)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬、選択的ナトリウム-グルコース輸送体-2(SGLT-2)阻害薬、インスリンもしくはインスリン様薬、アミリン模倣薬(amylinomimetic)、胆汁酸捕捉薬、及び/またはドーパミンアゴニストである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、肥満用薬物、食欲抑制剤、または体重減少用薬物である。いくつかの実施形態では、対象は、インスリンの日用量の投与を受ける。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の投与後、インスリンの1日用量を減量する。
【0036】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の有効量は、約1mg/kg~約100mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、対象において血液中のグルコース(例えば、全血グルコース、血清グルコースまたは血漿グルコース)レベルを減少させるのに必要とされる量より約2倍~約10倍多い量である。いくつかの実施形態では、かかる量は、対象において血液中のグルコースレベルを減少させるのに必要とされる量より約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍または約10倍多い。
【0037】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、有効量のGCGR結合タンパク質を、4用量以上、例えば、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれ以上の用量に分けて、またはそれらの任意の間隔で投与する。いくつかの実施形態では、有効量を、週1回、4週間以上、例えば、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約4か月、約5か月、約6か月、約1年、約2年もしくはそれ以上、またはそれらの任意の間隔で送達する。いくつかの実施形態では、有効量を、約2週間に1回、約3週間に1回、または約4週間に1回送達する。
【0038】
対象がそれまでに、ある用量のGCGR結合タンパク質の投与を受けたことがある、本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、結合タンパク質の投与量は、以前の抗体用量よりも約2倍~約10倍多い。いくつかの実施形態では、以前の用量は個々別々の用量であった。
【0039】
本開示の態様もしくは実施形態がマーカッシュ群または他の分類の代替物に関して記載されている場合、本開示では、総括して列挙されている群全体だけではなく、その群の個々別々の各要素及び主要群の下位分類として考えられるあらゆる下位分類も包含され、かつ主要群でその要素が1つ以上欠如しているものも包含される。また、本開示では、特許請求する発明において、かかる群要素のいずれかの1つ以上が明白に排除されることも想定される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9と表記される抗GCGR抗体の重鎖可変領域の配列アラインメントを示す。CDRの境界は、Kabat、AbM、Chothia、Contact、及びIMGTの番号付けにより示される。
【0041】
【
図1B】6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9と表記される抗GCGR抗体の軽鎖可変領域の配列アラインメントを示す。CDRの境界は、Kabat、AbM、Chothia、Contact、及びIMGTの番号付けにより示される。
【0042】
【
図2】アラニンスキャニング実験の代表的結果のセットを示し、単一アミノ酸の置換を含むGCGR細胞外ドメイン変異型3つに対する抗GCGR抗体6B5の結合を示す。
【0043】
【
図3】TET-DTAマウスモデルでの抗GCGR抗体3H5、6B5、及び5B11の投与を含む実験の結果を示す。
【0044】
【
図4】4A~4Cは、TET-DTAマウスモデルでの抗GCGR抗体3H5、6B5、及び5B11の投与を含む実験の結果を示す。(A)はインスリンの血漿濃度、(B)は血漿C-ペプチド、及び(C)は膵臓インスリン含量である。
【0045】
【
図5】5A~5Cは、TET-DTAマウスモデルでのヒト化キメラ抗GCGR抗体Hz6B5.07mcの投与を含む実験の結果を示す。(A)は血糖、(B)はC-ペプチド、及び(C)は膵臓インスリン含量である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示は、グルカゴン受容体(GCGR)と結合するタンパク質を提供する。GCGR結合タンパク質には抗体が含まれ得、完全長GCGR、GCGR断片(例えば、細胞外ドメイン)、及び/またはGCGRエピトープと結合し得る。結合タンパク質(例えば、抗体)は、(i)グルカゴンのGCGRへの結合を阻害する能力、(ii)GCGRのグルカゴン誘導性シグナル伝達を阻害する能力、(iii)グルカゴン/GCGR複合体を阻害する能力、または(iv)GCGRシグナル伝達を阻害する能力を有するアンタゴニストであってよい。結合タンパク質(例えば、抗体)は、高血糖症、糖尿病、肥満、及び/またはベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を治療または予防するための方法において有用であり得る。
【0047】
本明細書に開示する結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を互いに競合し合うという共通の特徴を共有する。この競合から、各タンパク質はGCGRの同じ領域(例えば、同じエピトープまたは重複エピトープ)に結合することが示唆される。本明細書に記載の結果から、抗体6B5に由来するかもしくは基づく抗GCGR抗体または6B5のエピトープビンに属する抗体で観察される効果は、エピトープ特異性が同じであるかまたは類似する他の抗GCGR抗体に外挿可能であることが示唆される。例えば、実施例2~4のいくつかの例示的抗体のインビトロ活性、ならびに実施例6の例示的抗体のインビボ効果は、本明細書に記載する抗GCGR抗体のさまざまな活性及び効果を代表するものである。
【0048】
I.定義
本明細書中で特に明記しない限り、本開示で使用される技術用語及び科学用語は、当業者が共通して理解する意味を持つ。本明細書を解釈するために、以下の用語説明が適用され、必要な場合には常に、単数形で使用されている用語には複数形も含まれ、逆に複数形で使用されている用語には単数形も含まれる。記載の用語説明と、参照により本明細書に組み込まれる文書との間に矛盾がある場合は、以下に記載する用語説明が優先する。
【0049】
本明細書で使用する用語「結合剤」とは、特定の抗原または標的(例えば、GCGR)と結合する分子を指す。結合剤は、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、または低分子量化合物を含んでよい。いくつかの実施形態では、結合剤は結合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は結合タンパク質である。いくつかの実施形態では、結合剤は抗体またはその抗原結合性断片を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は抗体またはその抗原結合性断片である。いくつかの実施形態では、結合剤は、代替的タンパク質足場または人工的足場、及びCDRまたはCDR誘導体を含む抗原結合部位を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、抗原結合部位を含む融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、結合剤は、少なくとも1つの抗原結合部位を含む二重特異性または多重特異性の分子である。
【0050】
本明細書で使用する用語「抗体」とは、少なくとも1つの抗原結合部位を介して標的を認識し、標的と結合する免疫グロブリン分子を指す。本明細書において「抗体」は最も広い意味で使用され、多種多様な抗体構造を包含し、それらとしては、ポリクローナル抗体、組換え抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、ダイアボディ、トリボディ、テトラボディ、一本鎖Fv(scFv)抗体、単一ドメイン抗体(例えば、ラクダ類/ラマの抗体)、及び抗体断片が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0051】
用語「無傷抗体」または「完全長抗体」とは、天然型抗体構造と実質的に同様の構造を有する抗体を指す。これには、可変領域及び軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖を2本、ならびに可変領域及び少なくとも重鎖定常領域CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を2本含んでいる抗体が含まれる。
【0052】
本明細書で使用する用語「抗体断片」とは、抗体の一部分及び一般に抗原結合部位を含む、無傷抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd、線状抗体、一本鎖抗体分子(例えば、scFv)、ダイアボディ、トリボディ、テトラボディ、ミニボディ、二重可変領域(DVD)、単一可変領域抗体、及び抗体断片で形成された多重特異性抗体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0053】
本明細書で使用する用語「可変領域」とは、その抗体が抗原に結合する際に関与する抗体軽鎖の領域または抗体重鎖の領域を指す。抗体重鎖及び抗体軽鎖の可変領域は類似した構造をしており、一般に、4つのフレームワーク領域及び3つの相補性決定領域(CDR)(超可変領域としても知られる)を含む。
【0054】
用語「フレームワーク領域」は、可変領域内のCDR残基以外のアミノ酸残基を指す。一般に、可変領域は、4つのフレームワーク領域、FR1、FR2、FR3、及びFR4を含む。
【0055】
本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」とは、単一の抗原決定基またはエピトープを高特異的に認識して結合させる際に使用される実質的に均一な抗体集団を指す。かかる集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在し得る天然に生じる可能性のある変異を除いては、同一である。用語「モノクローナル抗体」は、無傷及び完全長のモノクローナル抗体ならびに抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(scFv)抗体、抗体断片を含む融合タンパク質、及び抗原結合部位を含む他の任意の修飾免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル抗体」とは、任意の数の技術を用いて作製されるような抗体を指し、そのような技術には、ハイブリドーマ作製法、ファージライブラリーディスプレイ、組換え発現、及びトランスジェニック動物が含まれるが、これに限定されない。
【0056】
本明細書で使用する用語「キメラ抗体」とは、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の供給源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖のそれ以外の部分は異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
【0057】
本明細書で使用する用語「ヒト化抗体」とは、一般に、ヒト免疫グロブリン(例えば、レシピエント抗体)を含むキメラ抗体であって、その際に、天然型CDR残基が、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(例えば、ドナー抗体)の対応CDRからの残基で置換されているものを指し、ここで、ドナー抗体は、所望の特異性、親和性、及び/または活性を有する。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンの1つ以上のフレームワーク領域内の1つ以上の残基は、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体でもドナー抗体でも見られない残基を含むことができる。抗体特性をさらに精密化及び/または最適化するためにこれらの修飾を行ってよい。ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンのCDRに対応するCDRの全部または実質的に全部を含有する可変領域、及びヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域に対応するフレームワーク領域の全部または実質的に全部を含んでよい。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、免疫グロブリンFc領域(例えば、ヒンジ領域、CH1、CH2、及び/またはCH3)、典型的にヒト免疫グロブリンのFc領域の少なくとも一部分を含む。
【0058】
本明細書で使用する用語「ヒト抗体」とは、ヒトが産生する抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体、及び/またはヒト抗体作製分野の当業者に公知である任意の技術を使用して作製されている抗体を指す。これらの技術には、ファージディスプレイライブラリー、酵母ディスプレイライブラリー、トランスジェニック動物、及びB細胞ハイブリドーマ技術が含まれるが、これに限定されない。ここで定義されるヒト抗体では、非ヒト供給源からの残基を含むヒト化抗体は除外される。
【0059】
用語「エピトープ」及び「抗原決定基」は本明細書では同じ意味で使用され、抗原または標的の部分で、特定の結合剤または結合タンパク質(例えば、抗体)により認識され、結合されることができる部分を指す。抗原または標的がポリペプチドである場合、エピトープは、連続アミノ酸によっても、また、タンパク質の三次元の折り畳みにより並列する不連続アミノ酸によっても形成され得る。連続アミノ酸(線状エピトープとも呼ばれる)で形成されるエピトープは典型的に、タンパク質変性の際に保持されるが、三次元の折り畳みにより形成されるエピトープ(立体構造エピトープとも呼ばれる)は典型的に、タンパク質変性の際に失われる。エピトープには典型的に、少なくとも3つ、より一般には、少なくとも5つ、6つ、7つ、または8~10のアミノ酸が特有の空間的コンホメーションで含まれる。エピトープは、インターネット上で利用可能な多数のソフトウェアのバイオインフォマティックスツールのいずれか1つを使用して予測することができる。X線結晶解析を使用して、抗原/抗体複合体のアミノ酸残基の相互作用を分析することにより、標的タンパク質上のエピトープの特徴を明らかにしてよい。
【0060】
本明細書で使用する用語「特異的に結合する」とは、特定の抗原、エピトープ、タンパク質、または標的分子に対し、代替的物質との場合よりも、より頻繁に、より短時間で相互作用し、持続時間が長い、親和性がより高い、または上記のいくつかの組み合わせを示す結合タンパク質(例えば、抗体)を指す。いくつかの実施形態では、抗原(例えば、ヒトGCGR)と特異的に結合するタンパク質(例えば、抗体)は、関連抗原(例えば、cynoGCGR)と結合してよい。抗原と特異的に結合する抗体は、例えば、イムノアッセイ、ELISA、Biacoreアッセイ、FACS、または当業者に公知の他の技術により同定することができる。
【0061】
用語「ポリペプチド」及び「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書では同じ意味で使用され、あらゆる長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖であっても分岐であってもよく、また修飾アミノ酸を含んでよく、さらに非アミノ酸により中断されてよい。かかる用語には、非人工的修飾または介入による修飾、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または他の任意の操作もしくは修飾を受けているアミノ酸ポリマーも包含される。この定義内には、例えば、限定するたけではないが非天然型アミノ酸などアミノ酸の類似体を1つ以上のほか、当該技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。本開示のポリペプチドは抗体に基づき得るため、用語「ポリペプチド」には、一本鎖としてのポリペプチド及び2本以上の鎖が会合したポリペプチドが包含されると理解される。
【0062】
用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」及び「核酸分子」は本明細書では同じ意味で使用され、あらゆる長さのヌクレオチドのポリマーを指し、それにはDNA及びRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドもしくは塩基、及び/またはそれらの類似体、またはDNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼによってポリマー内に組み込み可能な任意の基質であり得る。
【0063】
2つ以上の核酸またはポリペプチドにおいて用語「同一な」または「同一性」パーセントとは、保存的アミノ酸置換は配列同一性の一部としてみなさずに最大一致度について比較及びアラインメントを行った場合(必要に応じギャップを導入)に、同一であるか、または同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを明示された割合で有している、2つ以上の配列またはサブ配列を指す。同一性パーセントは、配列比較用ソフトウェアもしくはアルゴリズムを使用するかまたは目視確認により測定してよい。アミノ酸またはヌクレオチドの配列アラインメントを得るために使用してよい各種アルゴリズム及びソフトウェアは、当該技術分野で周知である。これらには、BLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Package、及びその変形が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、本開示の2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドが実質的に同一であるとは、最大一致度について比較及びアラインメントを行い、配列比較アルゴリズムを使用するかまたは目視確認により測定した場合に、二者間のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の同一性が少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、また実施形態によっては、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%であることを意味する。いくつかの実施形態では、同一性は、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約40~60のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基長、少なくとも約60~80のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基長、またはそれらの間にある任意の整数値の長さの配列領域にわたり存在する。いくつかの実施形態では、同一性は、60~80のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基よりも長い領域、例えば、少なくとも約80~100のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の領域にわたり存在し、いくつかの実施形態では、配列は、比較対象配列、例えば、(i)ヌクレオチド配列のコード領域または(ii)アミノ酸配列などの配列全長にわたり実質的に同一である。
【0064】
本明細書で使用する語句「保存的アミノ酸置換」とは、1つのアミノ酸残基が、類似側鎖を有する別のアミノ酸残基で置き換えられる置換を指す。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において一般に定義されており、それらには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷を持たない極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ-分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。例えば、チロシンからフェニルアラニンへの置換は保存的置換とみなされる。一般に、ポリペプチド及び/または抗体の配列における保存的置換では、標的結合部位に対するポリペプチドまたは抗体の結合は抑止されない。結合を排除しない、ヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は当該技術分野で周知である。
【0065】
本明細書で使用する用語「ベクター」は、対象の1つ以上の遺伝子(複数可)または配列(複数可)を宿主細胞内に送達することができ、通常、それらを発現させることができる構成体を意味する。ベクターの例としては、ウイルスベクター、裸のDNAもしくはRNAの発現ベクター、プラスミド、コスミド、またはファージベクター、カチオン性縮合剤と会合させたDNAもしくはRNAの発現ベクター、及びリポソームに封入したDNAもしくはRNAの発現ベクターが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0066】
本明細書で使用する用語「単離された」とは、天然では見られない形態にある、ポリペプチド、可溶性タンパク質、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物を指す。「単離された」抗体は、それが由来する細胞供給源の物質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、単離されたポリペプチド、可溶性タンパク質、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、天然で見られる形態ではなくなる程度まで精製されているものである。いくつかの実施形態では、単離されたポリペプチド、可溶性タンパク質、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は実質的に純粋である。ポリペプチド、可溶性タンパク質、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、天然供給源または改変細胞株などの供給源から単離され得る。
【0067】
本明細書で使用する用語「実質的に純粋」とは、少なくとも50%純粋(すなわち、汚染物質不含)である、少なくとも90%純粋である、少なくとも95%純粋である、少なくとも98%純粋である、または少なくとも99%純粋である材料を指す。
【0068】
用語「対象」は、治療または療法のレシピエント対象となる任意の動物(例えば、哺乳類)を指し、これには、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、げっ歯類等が含まれるがこれに限定されない。一般に、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象に関して使用する場合は本明細書では同じ意味で使用される。
【0069】
本明細書で使用する用語「薬理学的に許容される」とは、ヒトを含めた動物での使用について、規制当局による承認を受けたかもしくは承認可能な物質、または米国薬局方、欧州薬局方、もしくは一般に認識されている他の薬局方に収載されている物質を指す。
【0070】
本明細書で使用する用語「薬理学的に許容される添加剤、担体、またはアジュバント」または「許容される医薬担体」とは、少なくとも1つの治療剤(例えば、抗体)と共に対象に投与可能であり、かかる治療剤の薬理活性に対し影響を与えない添加剤、担体、またはアジュバントを指す。一般に、当業者及び米国FDAは、薬理学的に許容される添加剤、担体、またはアジュバントは、任意の製剤の不活性成分であるとしている。
【0071】
本明細書で使用する用語「医薬製剤」または「医薬組成物」とは、薬剤(例えば、抗体)の生物学的活性が有効性を示すことができるような形態にある調製物を指す。医薬製剤または組成物は一般に、さらなる構成成分、例えば、薬理学的に許容される添加剤、担体、アジュバント、緩衝剤などを含む。
【0072】
本明細書で使用する用語「有効量」または「治療的有効量」とは、対象において、疾患、障害、もしくは病態及び/または症状の重症度及び/または罹患期間を低減及び/または改善するのに十分な結合タンパク質(例えば、抗体)の量を指す。かかる用語は、(i)所与の疾患、障害、もしくは病態の進行または悪化の軽減または改善、(ii)所与の疾患、障害、もしくは病態の再発、発症、または発現の軽減または改善、及び/または(iii)別の薬剤もしくは治療薬(例えば、本明細書で提供する結合タンパク質以外の薬剤)の予防効果または治療効果(複数可)の改善または増強のために必要な結合タンパク質の量をも包含する。
【0073】
本明細書で使用する用語「治療効果」とは、結合タンパク質(例えば、抗体)が対象において疾患、障害、もしくは病態及び/または症状の重症度及び/または罹患期間を低減及び/または改善する効果及び/または能力を指す。かかる用語は、結合タンパク質が、(i)所与の疾患、障害、もしくは病態の進行または悪化を軽減または改善する能力、(ii)所与の疾患、障害、もしくは病態の再発、発症、または発現を軽減または改善する能力、及び/または(iii)別の薬剤もしくは治療薬(例えば、本明細書で提供する結合タンパク質以外の薬剤)の予防効果または治療効果(複数可)を改善または増強する能力をも包含する。
【0074】
本明細書で使用する用語「治療する(treat)」または「治療(treatment)」または「治療する(treating)」または「治療する(to treat)」または「緩和する(alleviate)」または「緩和(alleviation)」または「緩和する(alleviating)」または「緩和する(to alleviate)」とは、(1)病態もしくは障害の症状の治癒、緩徐化、減少、及び/または病態もしくは障害の悪化の阻止を目標とする治療処置、ならびに(2)標的とする病態もしくは障害の発症の予防または緩徐化を目標とする予防的(prophylactic)または予防的(preventative)処置の2つを指す。したがって、治療を必要とする対象には、すでに障害がある対象、障害に罹患する/発症するリスクがある対象、及び障害が予防されるべき対象が含まれる。
【0075】
本明細書で使用する用語「予防する(prevent)」または「予防(prevention)」または「予防する(preventing)」とは、対象において、疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の発症、再発、発現、または拡大を部分的または全体的に阻害することを指す。
【0076】
本明細書で使用する用語「予防薬」とは、対象において、疾患、障害もしくは病態、またはその症状の発症、再発、発現、または拡大を部分的または全体的に阻害する薬剤を指す。
【0077】
本明細書で使用する場合、「約(about)」または「約(approximately)」への言及では、値またはパラメータには、その値またはパラメータを対象とする実施形態が含まれる(かつ記述される)。例えば、「約X」に言及する記載には「X」の記述が含まれる。
【0078】
本開示及び請求項で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈で特に明確に指示されない限り、複数形が含まれる。
【0079】
本明細書において実施形態が用語「含む(comprising)」を用いて記載されている場合、用語「からなる(consisting of)」及び/または「本質的に~からなる(consisting essentially of)」で記載される他の類似の実施形態も提供されると理解される。また、本明細書において実施形態が語句「本質的に~からなる(consisting essentially of)」を用いて記載されている場合、用語「からなる(consisting of)」で記載される他の類似の実施形態も提供されることも理解される。
【0080】
本明細書で「A及び/またはB」のような語句で使用される用語「及び/または」は、A及びB;AまたはB;A(単独);ならびにB(単独)のいずれも含まれることを意図する。同様に、「A、B、及び/またはC」のような語句で使用される用語「及び/または」は、以下の実施形態:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)の各々を包含することを意図する。
【0081】
II.GCGR結合タンパク質
ヒトGCGR(例えば、UniProtKB番号P47871)、カニクイザル(「cyno」)GCGR(例えば、NCBIリファレンス番号XP_005585314.1)、マウスGCGR(例えば、UniProtKB番号Q61606)、及びラットGCGR(例えば、UniProtKB番号P30082)の各アミノ酸(aa)配列は当業者に公知であり、代表的配列はそれぞれ、本明細書では配列番号222、配列番号227、配列番号228、及び配列番号229として提供されている。本明細書で使用する場合、GCGRのアミノ酸位置への言及は、シグナル配列を含め、アミノ酸配列の番号付けを指す。
【0082】
本開示は、GCGRと特異的に結合する薬剤を提供する。いくつかの実施形態では、GCGRと結合する薬剤はタンパク質である。一般に、これらのタンパク質は、本明細書では「GCGR結合タンパク質」と呼ぶ。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの断片と特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの細胞外ドメインと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの細胞外ドメインの一部分または断片と特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGR上のエピトープと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、cynoGCGRと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGR及びcynoGCGRと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、マウスGCGRと特異的に結合する。GCGR結合タンパク質の非限定的な例は、米国特許公開第2009/0041784号、第2009/0252727号、第2012/0128679号;第2014/0335091号、及び国際公開公報第WO2011/030935号に見出すことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRのアミノ酸26~136内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRのアミノ酸28~123内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRのアミノ酸80~119内で結合する。
【0084】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号222のアミノ酸26~136内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号222のアミノ酸28~123内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号222のアミノ酸80~119内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号224内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号225内で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号226内で結合する。
【0085】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号222のL38、L85、R94、及びW106の少なくとも1つを含むエピトープと結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号222のY84、W106、及び/またはR111を含まないエピトープと結合する。
【0086】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、組換え抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMである。いくつかの実施形態では、抗体はIgG1である。いくつかの実施形態では、抗体はIgG2である。いくつかの実施形態では、抗体はIgG4である。いくつかの実施形態では、抗体は、抗原結合部位を含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体または多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は一価抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は単一特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は二価抗体である。
【0087】
いくつかの実施形態では、抗体を単離する。いくつかの実施形態では、抗体は実質的に純粋である。
【0088】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はポリクローナル抗体である。ポリクローナル抗体は、公知の任意の方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、ポリクローナル抗体は、頻回の皮下注射または腹腔内注射を使用して動物(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ヤギ、ロバ)を対象抗原(例えば、精製ペプチド断片、組換えタンパク質、または融合タンパク質)で免疫することにより作製される。いくつかの実施形態では、抗原を、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、または大豆トリプシン阻害因子などの担体と複合体化させる。抗原(担体タンパク質の有無を問わない)を滅菌生理食塩水で希釈し、通常、アジュバント(例えば、完全フロイントアジュバントまたは不完全フロイントアジュバント)と合わせて安定なエマルジョンを形成させる。十分な時間が経過した後、免疫動物からポリクローナル抗体を回収し、通常、血液または腹水から回収する。ポリクローナル抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、及び透析を含むがこれに限定されない当該技術分野で標準的な方法に従って、血清または腹水から精製することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、当業者に公知のハイブリドーマ法を使用してモノクローナル抗体を調製する。例えば、ハイブリドーマ法を使用して、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、または他の適切な宿主動物を上記のように免疫し、抗体産生を誘発させる。いくつかの実施形態では、リンパ球をインビトロで免疫する。いくつかの実施形態では、免疫抗原は、ヒトタンパク質またはその断片である。いくつかの実施形態では、免疫抗原は、マウスタンパク質またはその断片である。
【0090】
免疫化後、リンパ球を単離し、例えば、ポリエチレングリコールを使用して適切な骨髄腫細胞株と融合させる。当該技術分野で公知の特化培地を使用してハイブリドーマ細胞を選択し、融合しなかったリンパ球及び骨髄腫細胞はこの選択過程で生き残らない。選択された抗原に対して特異的に指向されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、免疫沈降法、免疫ブロット法、及びインビトロ結合アッセイ(例えば、フローサイトメトリー、FACS、ELISA、Biacore、及びラジオイムノアッセイ)を含むがこれに限定されない多種多様なスクリーニング方法によって同定可能である。所望の特異性、親和性、及び/または活性のある抗体を産生するハイブリドーマ細胞が一旦同定されたら、限界希釈法によってクローンをサブクローニングしてよい。ハイブリドーマは、標準的な方法を使用するインビトロ培養でも、または動物の腹水腫瘍としてインビボでも増殖可能である。モノクローナル抗体は、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、及び透析を含むがこれに限定されない当該技術分野で標準の方法に従って、培地または腹水液から精製することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、当業者に公知の組換えDNA技術を使用してモノクローナル抗体を作製する。例えば、モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを成熟B細胞またはハイブリドーマ細胞から単離する際、例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅させるオリゴヌクレオチドプライマーを使用するRT-PCRによって単離し、その抗体の配列を、標準的な技術を使用して決定する。その後、重鎖及び軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチドを適切な発現ベクター内にクローニングし、これを、他では免疫グロブリンタンパク質を産生しないE.coli、シミアンCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトすると、モノクローナル抗体が産生される。
【0092】
いくつかの実施形態では、組換え型モノクローナル抗体またはその断片を、所望の種の可変領域またはCDRを発現しているファージディスプレイライブラリーから単離する。ファージライブラリーのスクリーニングは、当該技術分野で公知のさまざまな技術によって達成可能である。
【0093】
いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体を、例えば、組換えDNA技術の使用などにより修飾して、代替抗体を作製する。いくつかの実施形態では、マウスモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の定常領域でヒト抗体定常領域を置換してキメラ抗体を作製するか、または非免疫グロブリンポリペプチドを置換して融合抗体を作製する。いくつかの実施形態では、定常領域を切断または除去してモノクローナル抗体の所望の抗体断片を作製する。可変領域(複数可)の部位特異的変異導入または高密度変異導入を使用して、例えば、モノクローナル抗体の特異性及び親和性を最適化することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はヒト化抗体である。ヒト化抗体を作製するさまざまな方法は当該技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、非ヒト供給源から導入されている1つ以上のアミノ酸残基を含む。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「ドナー」残基と呼ばれ、それらは典型的に「ドナー」の可変領域から得られる。いくつかの実施形態では、ヒト化は、1つ以上の非ヒトCDR配列で対応するヒト抗体CDR配列を置換することにより実施する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、CDR移植により構築され、その際、親非ヒト抗体(例えば、げっ歯類)の6つのCDRすべてのアミノ酸配列は、ヒト抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域配列に移植される。
【0095】
ヒト化抗体作製用にヒトのどの重鎖可変領域及び/または軽鎖可変領域を選択するかは、さまざまな因子及び多種多様な方法に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、「ベストフィット」法を使用し、既知のヒト可変領域配列のライブラリー全体に対して非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の可変領域配列のスクリーニングを行う。げっ歯類配列に最も類似するヒト配列を、ヒト化抗体用のヒト可変領域配列として選択する。いくつかの実施形態では、特定のサブグループの軽鎖または重鎖のうち、全ヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定の可変領域配列を選択するという方法を使用する。いくつかの実施形態では、可変領域配列は、最も豊富なヒトサブクラスのコンセンサス配列に由来する。いくつかの実施形態では、ヒト生殖細胞系列遺伝子を可変領域配列の供給源として使用する。
【0096】
ヒト化するための他の方法には、ヒト生殖細胞系列フレームワークにCDRを直接導入する方法として記載される「超ヒト化」と呼ばれる方法、「抗体のヒトらしさ」の計量に基づくHuman String Content(HSC)と呼ばれる方法、ヒト化変異型(ファージ、リボソーム、及び酵母によるディスプレイライブラリーを含む)の大きなライブラリーに基づく方法、及びフレームワーク領域シャッフリングに基づく方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0097】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で公知のさまざまな技術を使用して直接調製することができる。いくつかの実施形態では、インビトロで免疫した、不死化ヒトBリンパ球からヒト抗体を作製する。いくつかの実施形態では、免疫した個体から単離されたリンパ球からヒト抗体を作製する。いずれの場合も、標的抗原に対して指向される抗体を産生する細胞を作製し、単離することができる。いくつかの実施形態では、ヒト抗体はファージライブラリーから選択され、その場合、そのファージライブラリーはヒト抗体を発現する。別法として、ファージディスプレイ技術を使用して、ヒト抗体及び抗体断片をインビトロで、例えば、未免疫ドナーの免疫グロブリン可変領域遺伝子レパートリーから作製してよい。抗体ファージライブラリーの作製及び使用に関する技法は当該技術分野において周知である。一旦抗体が同定されたら、鎖のシャッフリング及び部位特異的変異導入を含むがこれに限定されない当該技術分野で公知の親和性成熟戦略を利用して親和性のより高いヒト抗体を作製してよい。いくつかの実施形態では、ヒト免疫グロブリン座位を含有するトランスジェニックマウスでヒト抗体を産生させる。免疫すると、これらのマウスは、内因性の免疫グロブリン産生がなくてもヒト抗体の全レパートリーを産生することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は二重特異性抗体である。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原またはエピトープを認識して結合することができる。異なるエピトープは、同一分子内(例えば、GCGR上にエピトープが2つ)または異なる分子上(例えば、1つのエピトープはGCGR上、1つのエピトープは異なる標的上)のいずれでもあり得る。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、個々の抗体と、または2つ以上の抗体の組み合わせと比較して力価が増強されている。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、個々の抗体と、または2つ以上の抗体の組み合わせと比較して毒性が低減されている。いかなる治療剤でも、固有の薬物動態(PK)(例えば、循環血中半減期)を有し得ることは当業者に公知である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、個々のPKプロファイルが異なる活性結合剤2剤のPKを同調させる能力がある。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの薬剤の作用を対象の、ある共通領域(例えば、組織)に集中させる能力がある。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの薬剤の作用を、ある共通標的(例えば、特定の細胞型)に集中させる能力がある。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの薬剤の作用を、2つ以上の生物学的な経路または機能に指向させる能力がある。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの異なる細胞を標的とし、それらを互いに近づける能力がある。
【0099】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、毒性及び/または副作用が低い。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、別個の2つの抗体の混合物または単剤としての複数の抗体と比較して毒性及び/または副作用が低い。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は治療指数が高い。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、別個の2つの抗体の混合物または単剤としての複数の抗体と比較して治療指数が高い。
【0100】
二重特異性抗体を作製するいくつかの技法が当業者に知られている。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2本の重鎖間の界面の一部である、アミノ酸が修飾された重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、knobs-into-holes(KIH)戦略を使用して二重特異性抗体を作製する。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、重鎖間でジスルフィド結合を形成することができない変異型ヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、静電的相互作用が改変されるようアミノ酸が変更されている重鎖を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、疎水性/親水性の相互作用が改変されるようアミノ酸が変更されている重鎖を含む。二重特異性抗体は、抗原結合部位を含む無傷抗体または抗体断片であり得る。
【0101】
2価以上の抗体も意図される。例えば、三重特異性または四重特異性の抗体を調製することができる。したがって、いくつかの実施形態では、GCGRに対する抗体は多重特異性である。
【0102】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、cynoGCGRと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGR及びcynoGCGRと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、マウスGCGRと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの一部分または断片と結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの細胞外ドメインと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRの細胞外ドメインの断片または一部分と結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、GCGRエピトープと結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GCGRエピトープは線状エピトープである。いくつかの実施形態では、GCGRエピトープは立体構造エピトープである。
【0103】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本明細書に記載する抗体のいずれか1つの抗体のCDRを1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、及び/または6つ含む抗体である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、(i)表1~10の重鎖CDRを1つ、2つ、及び/または3つ、及び/または(ii)表1~10の軽鎖CDRを1つ、2つ、及び/または3つ含む。CDRは、当業者によりさまざまな方法/システムで定義される。これらのシステム及び/または定義は何年もかけて開発及び精密化されたもので、これらには、Kabat、Chothia、IMGT、AbM、及び「Contact」が含まれる。Kabatの定義は配列変化性に基づき、一般に、最もよく使用されている。Chothia定義は、構造ループ領域の位置に基づく。IMGTシステムは、可変領域の構造内の配列変化性及び位置に基づく。AbM定義はKabat及びChothia間の折衷である。「Contact」定義は、利用可能な抗体結晶構造の解析に基づく。表1~10に含まれるような例示的システムは、KabatとChothiaの組み合わせである。
【0104】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表2のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表3のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表4のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表5のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表6のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表7のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表8のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表9のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10の例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10のKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10のChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10のIMGTの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにIMGTの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10のContactの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにContactの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表10のAbMの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびにAbMの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに6B5と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに3H5と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに5B11と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに1C1と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに1C3と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに1H2と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに4F8と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに13G9と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに14F4と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに14E9と表記される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、CDR3を含む。
表1:抗体6B5の配列
【表1】
表2:抗体3H5の配列
【表2】
表3:抗体5B11の配列
【表3】
表4:抗体1C1の配列
【表4】
表5:抗体1C3の配列
【表5】
表6:抗体1H2の配列
【表6】
表7:抗体4F8の配列
【表7】
表8:抗体13G9の配列
【表8】
表9:抗体14F4の配列
【表9】
表10:抗体14E9の配列
【表10】
【0115】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号1、7、12、13、または18を含む重鎖CDR1;配列番号2、8、14、19、または24を含む重鎖CDR2;及び配列番号3、9、15、または20を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号4、10、16、または21を含む軽鎖CDR1;配列番号5、11、または22を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6、17、または23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1;DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2;及びHTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はさらに、RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1;KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2;及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1;KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2;及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1;DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2;HTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3;RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1;KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2;及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むもの;DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むもの;HTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むもの;RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むもの;KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むもの;及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3またはその変異型でアミノ酸置換を1つ、2つ、3つ、もしくは4つ含むものを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は保存的置換である。いくつかの実施形態では、ヒト化工程の一部として置換を行う。いくつかの実施形態では、生殖細胞系列のヒト化工程の一部として置換を行う。いくつかの実施形態では、親和性成熟法の一部として置換を行う。いくつかの実施形態では、最適化工程の一部として置換を行う。
【0117】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号7を含む重鎖CDR1:配列番号8を含む重鎖CDR2;及び配列番号9を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号10を含む軽鎖CDR1;配列番号11を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号12を含む重鎖CDR1:配列番号2を含む重鎖CDR2;及び配列番号3を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号4を含む軽鎖CDR1;配列番号5を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号13を含む重鎖CDR1:配列番号14を含む重鎖CDR2;及び配列番号15を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号16を含む軽鎖CDR1;配列番号11を含む軽鎖CDR2;及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号18を含む重鎖CDR1:配列番号19を含む重鎖CDR2;及び配列番号20を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号21を含む軽鎖CDR1;配列番号22を含む軽鎖CDR2;及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号1を含む重鎖CDR1:配列番号24を含む重鎖CDR2;及び配列番号3を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号4を含む軽鎖CDR1;配列番号5を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、配列番号8を含む重鎖CDR2、及び配列番号9を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、配列番号14を含む重鎖CDR2、及び配列番号15を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、配列番号19を含む重鎖CDR2、及び配列番号20を含む重鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号24を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0119】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号16を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号21を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0120】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、配列番号8を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、配列番号14を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、配列番号16を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、配列番号19を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、配列番号21を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号24を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0121】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、配列番号8を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、配列番号14を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、配列番号19を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号24を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0122】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、配列番号8を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、配列番号14を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、配列番号19を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号24を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0123】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、配列番号16を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、配列番号21を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0124】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、配列番号16を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、配列番号21を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0125】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号9を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、DIX
1
GGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号15を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号20を含む重鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号11を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX
3
NYNX4KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、及び配列番号3を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X1はY、H、F、またはSである。いくつかの実施形態では、X1はYである。別の実施形態では、X1はHである。いくつかの実施形態では、X1はFである。他の実施形態では、X1はSである。いくつかの実施形態では、X2はY、G、F、またはDである。いくつかの実施形態では、X2はYである。別の実施形態では、X2はGである。いくつかの実施形態では、X2はFである。他の実施形態では、X2はDである。いくつかの実施形態では、X
3
はI、T、D、N、またはSである。いくつかの実施形態では、X
3
はIである。別の実施形態では、X
3
はTである。いくつかの実施形態では、X
3
はDである。他の実施形態では、X
3
はNである。いくつかの実施形態では、X
3
はSである。いくつかの実施形態では、X
4
はE、K、D、G、またはAである。いくつかの実施形態では、X
4
はEである。別の実施形態では、X4はKである。いくつかの実施形態では、X4はDである。他の実施形態では、X4はGである。いくつかの実施形態では、X
4
はAである。いくつかの実施形態では、X
5
はG、S、またはDである。いくつかの実施形態では、X
5
はGである。別の実施形態では、X
5
はSである。いくつかの実施形態では、X
5
はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0126】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、配列番号16を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、配列番号21を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X1はY、H、F、またはSである。いくつかの実施形態では、X1はYである。別の実施形態では、X1はHである。いくつかの実施形態では、X1はFである。他の実施形態では、X1はSである。いくつかの実施形態では、X
2
はY、G、F、またはDである。いくつかの実施形態では、X
2
はYである。別の実施形態では、X2はGである。いくつかの実施形態では、X2はFである。他の実施形態では、X2はDである。いくつかの実施形態では、X
3
はI、T、D、N、またはSである。いくつかの実施形態では、X
3
はIである。別の実施形態では、X
3
はTである。いくつかの実施形態では、X
3
はDである。他の実施形態では、X
3
はNである。いくつかの実施形態では、X
3
はSである。いくつかの実施形態では、X4はE、K、D、G、またはAである。いくつかの実施形態では、X4はEである。別の実施形態では、X4はKである。いくつかの実施形態では、X
4
はDである。他の実施形態では、X
4
はGである。いくつかの実施形態では、X
4
はAである。いくつかの実施形態では、X
5
はG、S、またはDである。いくつかの実施形態では、X
5
はGである。別の実施形態では、X
5
はSである。いくつかの実施形態では、X
5
はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0127】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、X1はY、H、F、またはSである。いくつかの実施形態では、X1はYである。別の実施形態では、X1はHである。いくつかの実施形態では、X1はFである。他の実施形態では、X1はSである。いくつかの実施形態では、X2はY、G、F、またはDである。いくつかの実施形態では、X2はYである。別の実施形態では、X2はGである。いくつかの実施形態では、X2はFである。他の実施形態では、X2はDである。いくつかの実施形態では、X3はI、T、D、N、またはSである。いくつかの実施形態では、X3はIである。別の実施形態では、X3はTである。いくつかの実施形態では、X3はDである。他の実施形態では、X3はNである。いくつかの実施形態では、X3はSである。いくつかの実施形態では、X4はE、K、D、G、またはAである。いくつかの実施形態では、X4はEである。別の実施形態では、X4はKである。いくつかの実施形態では、X4はDである。他の実施形態では、X4はGである。いくつかの実施形態では、X4はAである。いくつかの実施形態では、X5はG、S、またはDである。いくつかの実施形態では、X5はGである。別の実施形態では、X5はSである。いくつかの実施形態では、X5はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0128】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X6はS、T、またはHである。いくつかの実施形態では、X6はSである。別の実施形態では、X6はTである。いくつかの実施形態では、X6はHである。いくつかの実施形態では、X7はD、H、またはYである。いくつかの実施形態では、X7はDである。別の実施形態では、X7はHである。いくつかの実施形態では、X7はYである。いくつかの実施形態では、X8はYまたはDである。いくつかの実施形態では、X8はYである。別の実施形態では、X8はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0129】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、配列番号8を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、配列番号14を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、配列番号19を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号24を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X6はS、T、またはHである。いくつかの実施形態では、X6はSである。別の実施形態では、X6はTである。いくつかの実施形態では、X6はHである。いくつかの実施形態では、X7はD、H、またはYである。いくつかの実施形態では、X7はDである。別の実施形態では、X7はHである。いくつかの実施形態では、X7はYである。いくつかの実施形態では、X8はYまたはDである。いくつかの実施形態では、X8はYである。別の実施形態では、X8はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0130】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X6はS、T、またはHである。いくつかの実施形態では、X6はSである。別の実施形態では、X6はTである。いくつかの実施形態では、X6はHである。いくつかの実施形態では、X7はD、H、またはYである。いくつかの実施形態では、X7はDである。別の実施形態では、X7はHである。いくつかの実施形態では、X7はYである。いくつかの実施形態では、X8はYまたはDである。いくつかの実施形態では、X8はYである。別の実施形態では、X8はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0131】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号7を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号9を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号12を含む重鎖CDR1、DIX1PGGX2YX3NYNX4KHKX5(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号13を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号15を含む重鎖CDR3、RSSQX
6
IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号17を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号18を含む重鎖CDR1、DIX
1
PGGX
2
YX
3
NYNX
4
KHKX
5
(配列番号237)を含む重鎖CDR2、配列番号20を含む重鎖CDR3、RSSQX6IVX7SX8GNTYLE(配列番号238)を含む軽鎖CDR1、配列番号22を含む軽鎖CDR2、及び配列番号23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、X1はY、H、F、またはSである。いくつかの実施形態では、X1はYである。別の実施形態では、X1はHである。いくつかの実施形態では、X1はFである。他の実施形態では、X1はSである。いくつかの実施形態では、X2はY、G、F、またはDである。いくつかの実施形態では、X2はYである。別の実施形態では、X2はGである。いくつかの実施形態では、X2はFである。他の実施形態では、X2はDである。いくつかの実施形態では、X3はI、T、D、N、またはSである。いくつかの実施形態では、X3はIである。別の実施形態では、X3はTである。いくつかの実施形態では、X3はDである。他の実施形態では、X3はNである。いくつかの実施形態では、X3はSである。いくつかの実施形態では、X4はE、K、D、G、またはAである。いくつかの実施形態では、X4はEである。別の実施形態では、X4はKである。いくつかの実施形態では、X4はDである。他の実施形態では、X4はGである。いくつかの実施形態では、X4はAである。いくつかの実施形態では、X5はG、S、またはDである。いくつかの実施形態では、X5はGである。別の実施形態では、X5はSである。いくつかの実施形態では、X5はDである。いくつかの実施形態では、X6はS、T、またはHである。いくつかの実施形態では、X6はSである。別の実施形態では、X6はTである。いくつかの実施形態では、X6はHである。いくつかの実施形態では、X7はD、H、またはYである。いくつかの実施形態では、X7はDである。別の実施形態では、X7はHである。いくつかの実施形態では、X7はYである。いくつかの実施形態では、X8はYまたはDである。いくつかの実施形態では、X8はYである。別の実施形態では、X8はDである。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。別の実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0132】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号27、33、38、39、または44を含む重鎖CDR1;配列番号28、34、40、45、または50を含む重鎖CDR2;及び配列番号29、35、41、または46を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号30、36、42、または47を含む軽鎖CDR1;配列番号31、37、または48を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32、43、または49を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号27を含む重鎖CDR1;配列番号28を含む重鎖CDR2;及び配列番号29を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号30を含む軽鎖CDR1;配列番号31を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号53、57、61、62、または65を含む重鎖CDR1;配列番号54、58、40、66、または70を含む重鎖CDR2;及び配列番号55、59、63、または67を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号56、60、64、または68を含む軽鎖CDR1;配列番号31、37、または69を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32、43、または49を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号53を含む重鎖CDR1;配列番号54を含む重鎖CDR2;及び配列番号55を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号56を含む軽鎖CDR1;配列番号31を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号73、79、84、85、または90を含む重鎖CDR1;配列番号74、80、86、91、または96を含む重鎖CDR2;及び配列番号75、81、87、または92を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号76、82、88、または93を含む軽鎖CDR1;配列番号77、83、または94を含む軽鎖CDR2;及び配列番号78、89、または95を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号73を含む重鎖CDR1;配列番号74を含む重鎖CDR2;及び配列番号75を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号76を含む軽鎖CDR1;配列番号77を含む軽鎖CDR2;及び配列番号78を含む軽鎖CDR3を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号99、105、110、111、または115を含む重鎖CDR1;配列番号100、106、86、116、または121を含む重鎖CDR2;及び配列番号101、107、112、または117を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号102、108、113、または118を含む軽鎖CDR1;配列番号103、109、または119を含む軽鎖CDR2;及び配列番号104、114、または120を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号99を含む重鎖CDR1;配列番号100を含む重鎖CDR2;及び配列番号101を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号102を含む軽鎖CDR1;配列番号103を含む軽鎖CDR2;及び配列番号104を含む軽鎖CDR3を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号124、129、133、134、または138を含む重鎖CDR1;配列番号125、130、135、139、143を含む重鎖CDR2;及び配列番号126、131、136、または140を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号127、132、137、または141を含む軽鎖CDR1;配列番号128、11、または142を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6、17、または23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号124を含む重鎖CDR1;配列番号125を含む重鎖CDR2;及び配列番号126を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号127を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号146、150、154、155、または159を含む重鎖CDR1;配列番号147、151、156、160、または163を含む重鎖CDR2;及び配列番号148、152、157、または161を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号149、153、158、または162を含む軽鎖CDR1;配列番号128、11、または142を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6、17、または23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号146を含む重鎖CDR1;配列番号147を含む重鎖CDR2;及び配列番号148を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号149を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号166、172、176、177、または182を含む重鎖CDR1;配列番号167、173、178、183、または187を含む重鎖CDR2;及び配列番号168、174、179、または184を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号169、175、180、または185を含む軽鎖CDR1;配列番号170、11、または142を含む軽鎖CDR2;及び配列番号171、181、または186を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号166を含む重鎖CDR1;配列番号167を含む重鎖CDR2;及び配列番号168を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号169を含む軽鎖CDR1;配列番号170を含む軽鎖CDR2;及び配列番号171を含む軽鎖CDR3を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号190、172、154、177、または198を含む重鎖CDR1;配列番号191、194、156、199、または202を含む重鎖CDR2;及び配列番号192、195、196、または200を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号169、175、180、または185を含む軽鎖CDR1;配列番号128、11、または142を含む軽鎖CDR2;及び配列番号193、197、または201を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号190を含む重鎖CDR1;配列番号191を含む重鎖CDR2;及び配列番号192を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号169を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号193を含む軽鎖CDR3を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号190、172、154、177、または198を含む重鎖CDR1;配列番号205、208、211、214、または217を含む重鎖CDR2;及び配列番号206、209、212、または215を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号207、210、213、または216を含む軽鎖CDR1;配列番号128、11、または142を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6、17、または23を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、(a)配列番号190を含む重鎖CDR1;配列番号205を含む重鎖CDR2;及び配列番号206を含む重鎖CDR3、及び/または(b)配列番号207を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号25に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号26に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号26に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号26に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び/または配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号25からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号26からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25からなる重鎖可変領域及び配列番号26からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗原結合性抗体断片である。
【0142】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号51に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号52に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号51に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号52に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号51に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号52に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号51を含む重鎖可変領域及び/または配列番号52を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号51を含む重鎖可変領域及び配列番号52を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号51からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号52からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号51からなる重鎖可変領域及び配列番号52からなる軽鎖可変領域を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号71に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号72に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号71に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号72に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号71に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号72に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号71を含む重鎖可変領域及び/または配列番号72を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号71を含む重鎖可変領域及び配列番号72を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号71からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号72からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号71からなる重鎖可変領域及び配列番号72からなる軽鎖可変領域を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号97に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号98に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号97に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号98に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号97に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号98に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号97を含む重鎖可変領域及び/または配列番号98を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号97を含む重鎖可変領域及び配列番号98を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号97からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号98からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号97からなる重鎖可変領域及び配列番号98からなる軽鎖可変領域を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号122に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号123に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号122に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号123に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号122に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号123に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号122を含む重鎖可変領域及び/または配列番号123を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号122を含む重鎖可変領域及び配列番号123を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号122からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号123からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号122からなる重鎖可変領域及び配列番号123からなる軽鎖可変領域を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号144に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号145に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号144に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号145に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号144に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号145に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号144を含む重鎖可変領域及び/または配列番号145を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号144を含む重鎖可変領域及び配列番号145を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号144からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号145からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号144からなる重鎖可変領域及び配列番号145からなる軽鎖可変領域を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号164に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号165に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号164に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号165に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号164に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号165に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号164を含む重鎖可変領域及び/または配列番号165を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号164を含む重鎖可変領域及び配列番号165を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号164からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号165からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号164からなる重鎖可変領域及び配列番号165からなる軽鎖可変領域を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号188に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号189に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号188に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号189に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号188に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号189に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号188を含む重鎖可変領域及び/または配列番号189を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号188を含む重鎖可変領域及び配列番号189を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号188からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号189からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号188からなる重鎖可変領域及び配列番号189からなる軽鎖可変領域を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号203に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号204に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号203に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号204に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号203に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号204に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号203を含む重鎖可変領域及び/または配列番号204を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号203を含む重鎖可変領域及び配列番号204を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号203からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号204からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号203からなる重鎖可変領域及び配列番号204からなる軽鎖可変領域を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号218に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号219に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号218に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号219に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号218に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号219に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号218を含む重鎖可変領域及び/または配列番号219を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号218を含む重鎖可変領域及び配列番号219を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号218からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号219からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号218からなる重鎖可変領域及び配列番号219からなる軽鎖可変領域を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本明細書に開示する抗体のいずれか1つのヒト化型である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、抗体6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、または14E9のヒト化型である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、抗体6B5のヒト化型、例えば、Hz6B5である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、配列番号220に対する配列同一性が少なくとも約80%である重鎖可変領域及び/または配列番号221に対する配列同一性が少なくとも80%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号221に対する配列同一性が少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220に対する配列同一性が少なくとも約95%である重鎖可変領域及び/または配列番号221に対する配列同一性が少なくとも約95%である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び/または配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、本質的に配列番号220からなる重鎖可変領域及び本質的に配列番号221からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220からなる重鎖可変領域及び配列番号221からなる軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含むヒト化抗体である。
【0152】
当業者には公知であるように、抗体(及び他の結合剤)は、エピトープビニングアッセイによって特徴づけを行ってよい。エピトープビニングは、競合的イムノアッセイに基づき、ある標的タンパク質に対する1セットの抗体の特徴付けを行うものである。各抗体を、セット内の他の全抗体と対形式で標的への結合についてスクリーニングし、第1の抗体が、第2の抗体の標的への結合を遮断するかどうかを決定する。スクリーニング後、各抗体で、競合アッセイの結果に基づくプロファイルが作製される。プロファイルが類似する抗体(例えば、類似抗体を遮断する、または遮断しない)は一緒に「分類(bin)」され、同じエピトープ、密接に関連するエピトープ、または重複するエピトープに結合するとみなされる。いくつかの実施形態では、GCGRと特異的に結合する抗体を「エピトープビン」に振り分ける。いくつかの実施形態では、抗体を、本明細書に記載する抗体のエピトープビンに振り分ける。いくつかの実施形態では、抗体を、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群からの少なくとも1つの抗体を含むエピトープビンに振り分ける。
【0153】
いくつかの実施形態では、代替的GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載する抗体の1つ以上とGCGRへの結合を競合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載する抗体の1つが結合するエピトープと同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載する抗体の1つが結合するエピトープと重複するエピトープに結合する。第1の抗体と競合するか、または第1の抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する結合タンパク質(例えば、抗体)は、類似した機能特性を示すことが多い。
【0154】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1~10で定義されている抗体のCDRを1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つすべて含む抗体と競合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、表1~10に記載の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域から選択される重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体と競合する。
【0155】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、本明細書に記載する抗GCGR抗体とGCGRへの結合を競合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、(a)GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1;DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2;及びHTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3;及び(b)RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1;KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2;及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号27を含む重鎖CDR1;配列番号28を含む重鎖CDR2;配列番号29を含む重鎖CDR3;配列番号30を含む軽鎖CDR1;配列番号31を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号53を含む重鎖CDR1;配列番号54を含む重鎖CDR2;配列番号55を含む重鎖CDR3;配列番号56を含む軽鎖CDR1;配列番号31を含む軽鎖CDR2;及び配列番号32を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号73を含む重鎖CDR1;配列番号74を含む重鎖CDR2;配列番号75を含む重鎖CDR3;配列番号76を含む軽鎖CDR1;配列番号77を含む軽鎖CDR2;及び配列番号78を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号99を含む重鎖CDR1;配列番号100を含む重鎖CDR2;配列番号101を含む重鎖CDR3;配列番号102を含む軽鎖CDR1;配列番号103を含む軽鎖CDR2;及び配列番号104を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号124を含む重鎖CDR1;配列番号125を含む重鎖CDR2;配列番号126を含む重鎖CDR3;配列番号127を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号146を含む重鎖CDR1;配列番号147を含む重鎖CDR2;配列番号148を含む重鎖CDR3;配列番号149を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号166を含む重鎖CDR1;配列番号167を含む重鎖CDR2;配列番号168を含む重鎖CDR3;配列番号169を含む軽鎖CDR1;配列番号170を含む軽鎖CDR2;及び配列番号171を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号190を含む重鎖CDR1;配列番号191を含む重鎖CDR2;配列番号192を含む重鎖CDR3;配列番号169を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号193を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、配列番号190を含む重鎖CDR1;配列番号205を含む重鎖CDR2;配列番号206を含む重鎖CDR3;配列番号207を含む軽鎖CDR1;配列番号128を含む軽鎖CDR2;及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRへの結合を参照抗体と競合し、ここで、かかる参照抗体は、(a)配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域、(b)配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域、(c)配列番号51を含む重鎖可変領域及び配列番号52を含む軽鎖可変領域、(d)配列番号71を含む重鎖可変領域及び配列番号72を含む軽鎖可変領域、(e)配列番号97を含む重鎖可変領域及び配列番号98を含む軽鎖可変領域、(f)配列番号122を含む重鎖可変領域及び配列番号123を含む軽鎖可変領域、(g)配列番号144を含む重鎖可変領域及び配列番号145を含む軽鎖可変領域、(h)配列番号164を含む重鎖可変領域及び配列番号165を含む軽鎖可変領域、(i)配列番号188を含む重鎖可変領域及び配列番号189を含む軽鎖可変領域、(j)配列番号203を含む重鎖可変領域及び配列番号204を含む軽鎖可変領域、及び/または(k)配列番号218を含む重鎖可変領域及び配列番号219を含む軽鎖可変領域を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質は、定常領域の少なくともの1つ以上が修飾されているかまたは欠失している抗体(例えば、完全長抗体)を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、3つの重鎖定常領域(CH1、CH2またはCH3)の1つ以上及び/または軽鎖定常領域(CL)に対する修飾を含んでよい。いくつかの実施形態では、修飾抗体の重鎖定常領域は、少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、修飾抗体の重鎖定常領域は、2つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、定常領域に対する修飾は、1つ以上の領域における1つ以上のアミノ酸の付加、欠失、または置換を含む。いくつかの実施形態では、修飾抗体の定常領域から1つ以上の領域を部分的または全体的に欠失させる。いくつかの実施形態では、CH2ドメイン全体が抗体から除去されている(ΔCH2構成体)。いくつかの実施形態では、欠失させた定常領域は、その欠如している定常領域により典型的に付与されていた分子の柔軟性の一部を提供する、短いアミノ酸スペーサーで置き換えられる。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、その抗体のヒンジ領域に直接融合されるCH3ドメインを含む。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、修飾されたCH2及び/またはCH3のドメインとヒンジ領域との間に挿入されるペプチドスペーサーを含む。
【0158】
抗体の定常領域(複数可)がいくつかのエフェクター機能に介在することは当該技術分野で公知である。例えば、補体のC1成分がIgGまたはIgM抗体(抗原に結合している)のFc領域に結合すると、補体系が活性化される。補体の活性化は、オプソニン作用及び細胞病原体の溶解に重要である。補体の活性化も炎症反応を刺激し、自己免疫性過敏症に関与し得る。さらに、抗体のFc領域は、Fc受容体(FcR)を発現している細胞と結合することができる。各種クラスの抗体に特異的なFc受容体は多数あり、それらには、IgG(ガンマ受容体)、IgE(イプシロン受容体)、IgA(アルファ受容体)及びIgM(ミュー受容体)が含まれる。細胞表面のFc受容体に抗体が結合すると、多数の重要かつ多様な生物学的応答が誘発され、それらには、抗体に覆われた粒子の貪食及び破壊、免疫複合体除去、キラー細胞による、抗体に覆われた標的細胞の溶解(抗体依存性細胞傷害またはADCCと呼ばれる)、炎症メディエーターの放出、胎盤移行、ならびに免疫グロブリン産生制御が含まれる。
【0159】
いくつかの実施形態では、抗体は変異型Fc領域を含む。ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のFc領域のアミノ酸配列(例えば、ヒトIgG1-配列番号230)は当業者に公知である。アミノ酸変異のあるFc領域が天然型抗体で同定されている。いくつかの実施形態では、変異型Fc領域は、天然型Fc領域と比較して、特定のアミノ酸位置で置換により改変される(例えば、配列番号231及び配列番号232)。
【0160】
いくつかの実施形態では、修飾抗体は改変されたエフェクター機能を提供し、それにより、投与抗体の生物学的特性に影響を与える。例えば、いくつかの実施形態では、定常領域の欠失または不活化(点変異または他の手段による)により、循環血中修飾抗体のFc受容体結合が抑制され得る。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により抗体の血清中半減期が延長される。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により抗体の血清中半減期が短縮される。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体のADCC及び/または補体依存性細胞傷害(CDC)を増強させるかもしくは高める。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体のADCC及び/またはCDCを低下させるかまたは除去する。例えば、ヒトIgG1のFc領域において特定のアミノ酸を対応するIgG2またはIgG4の残基で置換することにより、修飾抗体におけるエフェクター機能(例えば、ADCC及びCDC)が低下し得る。したがって、いくつかの実施形態では、抗体には1つ以上のエフェクター機能がない。いくつかの実施形態では、抗体には、ADCC活性がない、及び/またはCDC活性がない。いくつかの実施形態では、抗体はFc受容体及び/または補体因子と結合しない。いくつかの実施形態では、抗体にはエフェクター機能(複数可)がない。いくつかの実施形態では、定常領域を修飾して、ジスルフィド結合またはオリゴ糖部分を排除する。いくつかの実施形態では、定常領域を修飾して1つ以上のアミノ酸を付加/置換し、例えば、細胞毒素または炭水化物の1つ以上の結合部位を提供する。これに関し、修飾抗体の構造、結合活性、及び他の所望特性を実質的に維持しつつ、特定の配列または領域により提供される活性もしくはエフェクター機能を攪乱させることが可能であり得る。
【0161】
本明細書に記載する抗体の定常領域に対する修飾は、周知の生化学的技術または分子工学技術を使用して行ってよい。いくつかの実施形態では、抗体変異型は、コードDNAへの適切なヌクレオチド変更の導入、及び/または所望の抗体もしくはポリペプチドの合成によって調製することができる。
【0162】
本開示はさらに、本明細書に記載する、組換え抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びヒト抗体、またはその抗体断片に実質的に相同な、さらなる変異型及び同等物を包含する。いくつかの実施形態では、抗体の結合親和性の改善が望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、抗体の他の生物学的特性の調節が望ましい場合があり、それらには、特異性、熱安定性、発現レベル、エフェクター機能(複数可)、グリコシル化、免疫原性、及び/または溶解性が含まれるが、これに限定されるものではない。アミノ酸のいくつかの変更により、抗体の翻訳後修飾の改変、例えば、グリコシル化部位の数もしくは位置の変更または膜アンカー特性の改変などがあり得ることは、当業者には理解されるであろう。
【0163】
変異は、天然型の抗体またはポリペプチド配列と比較してアミノ酸配列に変更がもたらされるような、抗体またはポリペプチドをコードする1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、または挿入であってよい。アミノ酸置換は、ロイシンからセリンへの置換のように、1つのアミノ酸を、構造特性及び/または化学特性が類似する別のアミノ酸で置き換えた結果、例えば、保存的アミノ酸置換などの結果であり得る。挿入または欠失は、任意選択で、約1~5つのアミノ酸の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、置換、欠失、または挿入は、親分子に対し、アミノ酸置換を25未満、アミノ酸置換を20未満、アミノ酸置換を15未満、アミノ酸置換を10未満、アミノ酸置換を5未満、アミノ酸置換を4未満、アミノ酸置換を3未満、またはアミノ酸置換を2未満含む。生物学的に有用であるアミノ酸配列変異及び/または生物学的に関連するアミノ酸配列変異は、配列において挿入、欠失、または置換を体系的に行い、得られる変異タンパク質を、その活性について親タンパク質と比較して試験することにより決定してよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、変異型には、抗体もしくはポリペプチドのアミノ末端及び/またはカルボキシル末端におけるアミノ酸残基の付加が含まれてよい。付加的アミノ酸残基の長さは、1残基~100残基またはそれ以上の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、変異型はN末端のメチオニル残基を含む。いくつかの実施形態では、変異型は、さらなるポリペプチド/タンパク質、すなわち、融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、変異型は、検出可能な標識及び/またはタンパク質(例えば、酵素)を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗体の適切なコンホメーション維持に関与しないシステイン残基の置換または欠失を行って抗体の特性を調節してよく、例えば、酸化安定性の改善及び/または異常なジスルフィド架橋の予防を行ってよい。逆に、いくつかの実施形態では、1つ以上のシステイン残基を付加してジスルフィド結合(複数可)を作製し安定性を改善してよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体を「脱免疫化」する。抗体の脱免疫化は一般に、結合親和性または他に所望される抗体の活性を有意に低下させることなくT細胞のエピトープを除去するような特定のアミノ酸変異(例えば、置換、欠失、付加)を導入することで構成される。
【0167】
本明細書に記載する変異型の抗体またはポリペプチドは、当該技術分野で公知の方法を使用して作製してよく、それらの方法には、部位特異的変異導入、アラニンスキャニング変異導入、及びPCR変異導入が含まれるが、これに限定されない。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を化学的に修飾する。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、公知の保護基/遮断基、タンパク質分解による切断、及び/または別のタンパク質との連結によるグリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、誘導体化によって化学的に修飾されている抗体である。公知の技法により、多数ある化学修飾のいずれかを実施してもよい。
【0169】
本開示は、非免疫グロブリン骨格の上に構築した結合タンパク質を包含し、ここで、かかるタンパク質は、本明細書に開示する抗GCGR抗体が結合するエピトープと同じエピトープまたは本質的に同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、非免疫グロブリンに基づく結合タンパク質は、競合結合アッセイにおいて本明細書に記載する抗GCGR抗体と競合するタンパク質である。いくつかの実施形態では、代替的結合タンパク質は、足場タンパク質を含む。一般に、足場タンパク質は、その骨格の構造に基づいて、(1)α-ヘリックスからなる足場、(2)α-ヘリックス及びβ-シートの二次構造または不規則構造がほとんどない小足場、ならびに(3)主にβ-シートからなる足場という、3つの群のうち1つの群に割り付けることができる。足場タンパク質には、リポカリン足場に基づくアンチカリン;ヒトフィブロネクチン3型の10番目のドメインに基づくアドネクチン;Staphylococcus aureusのプロテインAのIg結合領域にあるB-ドメインに基づくアフィボディー;アンキリンリピートドメインタンパク質に基づくダルピン(darpin);ヒトFynプロテインキナーゼのSH3ドメインに基づくフィノマー(fynomer);Sulfolobus acidocaldarius由来Sac7dに基づくアフィチン(affitin);ヒトγ-Β-クリスタリンまたはヒトユビキチンに基づくアフィリン(affilin);膜受容体タンパク質のA-ドメインに基づくアビマー(avimer);30アミノ酸の安定な逆平行β鎖タンパク質の折り畳みに基づくノッチン(knottin)(システインノットミニタンパク質);及び3つのジスルフィド結合と3本のループを含有する構造に基づくKunitzドメイン阻害剤足場が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表1~10で定義されている抗体からの1つ以上のCDRを含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表1からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表1からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表1からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表2からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表2からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表2からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表3からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表3からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表3からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表4からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表4からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表4からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表5からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表5からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表5からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表6からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表6からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表6からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表7からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表7からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表7からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表8からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表8からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表8からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表9からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表9からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表9からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表10からの例示的な重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびに例示的な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表10からのKabatの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにKabatの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、表10からのChothiaの重鎖CDR1、CDR2、及びCD3ならびにChothiaの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む改変足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、抗体6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、または14E9の6つのCDRを含む改変足場タンパク質を含む。
【0170】
一般的に言えば、抗原-抗体相互作用は、非共有結合による可逆的なものであり、水素結合、疎水性相互作用、静電力及びファンデルワールス力の組み合わせにより形成される。抗原抗体複合体の強度を記載する場合は、通常、親和性及び/または結合力のことを言う。抗体とその抗原の結合は可逆過程であり、その結合の親和性は典型的に平衡解離定数(K
D
)として報告される。K
D
は、抗体の解離速度(koff)(抗体がその抗原からどのくらいすばやく解離するか)と抗体の会合速度(kon)(抗体がその抗原にどのくらいすばやく結合するか)の比である。いくつかの実施形態では、特定の抗体/抗原相互作用のkon速度とkoff速度を測定し、その後、これらの値の比を使用してK
D
値を計算することによりK
D
値を決定する。K
D
値を使用して個々の抗体/抗原相互作用の強さを評価し、順位付けを行ってよい。抗体のK
D
が低いほど、抗体のその標的に対する親和性は高い。結合力から、抗体抗原複合体の全体的な強度尺度が得られる。これは、(i)エピトープに対する抗体の親和性、(ii)抗体及び抗原両者の価数、及び(iii)相互作用する部分の構造上の構成という、3つの主要パラメータに依存する。
【0171】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRと約1μΜ以下、約100nM以下、約40nM以下、約20nM以下、約10nM以下、約1nM以下、約0.1nM以下、50pM以下、10pM以下、または1pM以下の解離定数(K
D
)で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約20nM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約10nM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約1nM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約0.5nM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約0.1nM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約50pM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約25pM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約10pM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質はGCGRと約1pM以下のK
D
で結合する。いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、抗体)のGCGRに対する解離定数は、Biacoreチップ上に固定化した、GCGRの少なくとも一部分または断片を含むGCGR融合タンパク質を使用して決定される解離定数である。いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、抗体)のGCGRに対する解離定数は、Biacoreチップ上に固定化したGCGR細胞外ドメイン(またはその細胞外ドメインの一部分/断片)を使用して決定される解離定数である。いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、抗体)のGCGRに対する解離定数は、Biacoreチップ上で抗ヒトIgG抗体で捕捉した結合タンパク質及び可溶性GCGRまたはその断片を使用して決定される解離定数である。
【0172】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGRと約1μΜ以下、約100nM以下、約40nM以下、約20nM以下、約10nM以下、約1nM以下、または約0.1nM以下の半数効果濃度(EC50)で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、ヒトGCGRと約1μΜ以下、約100nM以下、約40nM以下、約20nM以下、約10nM以下、約1nM以下、または約0.1nM以下のEC50で結合する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、マウスGCGR及び/またはヒトGCGRと約40nM以下、約20nM以下、約10nM以下、約1nM以下または約0.1nM以下のEC50で結合する。
【0173】
本明細書に記載する結合タンパク質(例えば、抗体)は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法で作製することができる。そのような方法は、タンパク質の直接合成法をはじめ、ポリペプチド配列をコードするDNA配列を構築し、それらの配列を適切な宿主内で発現させるものまである。いくつかの実施形態では、対象の野生型タンパク質をコードするDNA配列の単離または合成による組換え技術を使用してDNA配列を構築する。任意選択で、配列に、部位特異的変異導入により変異を導入し、その機能的変異型を得ることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド合成装置を使用する化学合成により、対象のポリペプチドをコードするDNA配列を構築する。オリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列を基にし、対象の組換えポリペプチドが産生される宿主細胞内で好都合となるコドンを選択することで設計することができる。標準的な方法を適用して、対象の単離ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を合成することができる。例えば、完全なアミノ酸配列を使用して、逆翻訳された遺伝子を構築することができる。さらに、特定の単離ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードするいくつかの小オリゴヌクレオチドを合成し、その後、連結させることができる。個々のオリゴヌクレオチドは典型的に、相補的組立て用に5’または3’の突出末端を含有する。
【0174】
一旦組立てられたら(合成、部位特異的変異導入、または別の方法で)、対象の特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入し、かかるタンパク質を所望の宿主で発現させるために適切な発現制御配列に機能的に連結させることができる。適切に組立てが行われていることは、ヌクレオチド配列決定、制限酵素マッピング、及び/または適切な宿主内での生物学的活性ポリペプチドの発現により確認することができる。当業者に周知であるように、宿主内でトランスフェクト遺伝子の高発現レベルを得るためには、遺伝子が、その選択した発現用宿主内で機能する転写及び翻訳の発現制御配列に機能的に連結されている必要がある。
【0175】
いくつかの実施形態では、組換え発現ベクターを使用して、ヒトGCGRに対する抗体、またはその断片をコードするDNAを増幅させ、発現させる。例えば、組換え発現ベクターは複製可能なDNA構成体であり得、これは、哺乳類、微生物、ウイルス、または昆虫の遺伝子に由来する、転写及び/または翻訳の適切な調節エレメントに機能的に連結されている、抗GCGR抗体のようなGCGR結合タンパク質またはその抗原結合性断片のポリペプチド鎖をコードする人工もしくはcDNA由来のDNA断片を有する。転写ユニットは一般に、(1)遺伝子発現において調節的役割を担う遺伝要素(複数可)、例えば、転写のプロモーターまたはエンハンサー、(2)mRNAに転写されタンパク質に翻訳される構造配列またはコード配列、及び(3)転写及び翻訳を開始及び終結させる適切な配列という3つをアセンブリしたものを含む。調節エレメントには、転写を制御するオペレーター配列が含まれ得る。通常は複製起点により付与される宿主内での複製能、及び形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子をさらに組み込むことができる。DNA領域が「機能的に連結され」ているのは、それらが互いに機能的に関連している場合である。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)が、あるポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現している場合は、そのシグナルペプチド(分泌リーダー)のDNAは、そのポリペプチドのDNAに機能的に連結されている;プロモーターが配列の転写を制御している場合は、そのプロモーターはコード配列に機能的に連結されている;またはリボソーム結合部位が、翻訳を可能にするような位置にある場合は、リボソーム結合部位はコード配列に機能的に連結されている。いくつかの実施形態では、酵母発現系での使用が意図される構造要素には、宿主細胞が、翻訳されたタンパク質を細胞外に分泌できるようにするリーダー配列が含まれる。いくつかの実施形態では、リーダー配列または輸送配列を用いずに組換えタンパク質を発現させる状況では、ポリペプチドにN末端メチオニン残基が含まれてよい。この残基をその後、任意選択で、発現した組換えタンパク質から切り出して最終産物を得ることができる。
【0176】
発現制御配列及び発現ベクターにどれを選択するかは、一般に、どの宿主を選択するかによって異なる。多種多様な発現宿主/ベクターの組み合わせを利用することができる。真核生物宿主に有用な発現ベクターには、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス、及びサイトメガロウイルスに由来する発現制御配列を含むベクターが含まれる。細菌宿主に有用な発現ベクターには、pCR1、pBR322、pMB9及びその誘導体などのE.coli由来プラスミドのような既知の細菌プラスミド、ならびにM13及び他の繊維状1本鎖DNAファージのような広宿主域プラスミドが含まれる。
【0177】
本開示のGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、1つ以上のベクターから発現させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドを1つのベクターで発現させ、軽鎖ポリペプチドを第2のベクターで発現させる。いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドを1つのベクターで発現させる。
【0178】
抗原または免疫原として使用するためのGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)またはGCGRタンパク質もしくはその断片を発現させるのに適切な宿主細胞には、適切なプロモーター制御下の原核生物、酵母細胞、昆虫細胞、または高等真核細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性の生物、例えば、E.coliまたはBacillusが含まれる。高等真核細胞には、本明細書に記載する哺乳類由来の樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系を利用してもよい。細菌、真菌、酵母、及び哺乳類の細胞宿主と共に使用する適切なクローニング及び発現ベクター、ならびに抗体産生などタンパク質を産生させる方法は、当該技術分野において周知である。
【0179】
組換えポリペプチドを発現させるためにさまざまな哺乳類培養系を使用してよい。哺乳類細胞で組換えタンパク質を発現させることが望ましい場合があるが、これは、これらのタンパク質が概して正しく折り畳まれ、適切に修飾され、生物学的に機能性があるためである。適切な哺乳類宿主細胞株の例には、COS-7(サル腎臓由来)、L-929(マウス線維芽細胞由来)、C127(マウス乳房腫瘍由来)、3T3(マウス線維芽細胞由来)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣由来)、HeLa(ヒト子宮頸癌由来)、BHK(ハムスター腎臓線維芽細胞由来)、HEK-293(ヒト胎児由来腎臓由来)といった細胞株及びその変異型が挙げられるが、これに限定されるものではない。哺乳類の発現ベクターは、非転写要素、例えば、複製起点、発現させるべき遺伝子に連結された適切なプロモーターとエンハンサー、及び5’または3’に隣接する他の非転写配列など、ならびに5’または3’の非翻訳配列、例えば、必要な、リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位とスプライスアクセプター部位、及び転写終結配列などを含むことができる。
【0180】
昆虫細胞培養系(例えば、バキュロウイルス)での組換えタンパク質の発現でも、正しく折り畳まれ、生物学的に機能性のあるタンパク質を産生させる頑健な方法が提供される。昆虫細胞での異種タンパク質産生用のバキュロウイルス系は当業者に周知である。
【0181】
したがって、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含む細胞を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒトGCGRと結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、cynoGCGRと結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒトGCGR及びcynoGCGRと結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、または14E9と表記される抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、6B5と表記される抗体を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、Hz6B5と呼ばれる、抗体6B5のヒト化型を産生する。いくつかの実施形態では、細胞はハイブリドーマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳類の細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は原核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。
【0182】
宿主細胞により産生されるタンパク質は、適切な任意の方法に従って精製可能である。標準的な方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、及びサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、分別溶解法、または他の任意の標準的なタンパク質精製法が含まれる。精製を容易にできるよう、適切なアフィニティーカラムを通過させることにより、ヘキサヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列、及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどのアフィニティータグをタンパク質に結合させることができる。免疫グロブリンの精製に使用されるアフィニティークロマトグラフィーには、プロテインA、プロテインG、及びプロテインLのクロマトグラフィーが含まれ得る。単離されたタンパク質は、タンパク質分解、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、質量分析法(MS)、核磁気共鳴法(NMR)、等電点電気泳動(IEF)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及びX線結晶解析のような技法を使用して物理特性を明らかにすることができる。単離されたタンパク質の純度は、SDS-PAGE、SEC、キャピラリーゲル電気泳動、IEF、及びキャピラリー等電点電気泳動(cIEF)が含まれるが、これに限定されない当業者に公知の技法を使用して決定することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、市販のタンパク質濃縮用フィルター、例えば、Amicon(登録商標)またはMillipore Pellicon(登録商標)限外ろ過ユニットなどを使用して、組換えタンパク質を培地に分泌する発現系から得た上清を最初に濃縮する。濃縮ステップ後、濃縮物を適切な精製マトリックスに適用することができる。いくつかの実施形態では、イオン交換樹脂を利用し、例えば、ペンダントのジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基質を使用する。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製によく用いられる他の種類のマトリックスであり得る。いくつかの実施形態では、陽イオン交換ステップを使用する。適切な陽イオン交換体には、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含むさまざまな不溶性マトリックスが含まれる。いくつかの実施形態では、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)が含まれるがこれに限定されないヒドロキシアパタイト媒体を使用する。いくつかの実施形態では、疎水性RP-HPLC媒体、例えば、ペンダントのメチル基または他の脂肪族基を有するシリカゲルを使用する1つ以上の逆相HPLCステップを使用して組換えタンパク質をさらに精製する。いくつかの実施形態では、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を使用して、組換えタンパク質の疎水性に基づいてそれらを分離する。HICは、他の一部の技法よりも変性が少ない条件下で機能する条件及びマトリックスを使用することにより、生物学的活性を維持しながらタンパク質を精製する有用な分離法である。上述の精製ステップの一部または全部をさまざまに組み合わせて使用し、均一な組換えタンパク質を得ることができる。
【0184】
当該技術分野で公知の各種アッセイにより、本開示のGCGR結合タンパク質を、その物理的/化学的特性及び/または生物学的活性について分析してよい。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)をそのGCGR結合能について評価する。結合アッセイには、Biacore、ELISA、及びFACSが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0185】
いくつかの実施形態では、GCGRに対して作製された抗体を、その結合特性に基づいて特徴づけを行う。いくつかの実施形態では、個々の各抗体が認識するエピトープ及び/または個々の各抗体が結合するエピトープに基づいて抗体を一緒のグループにまとめるが、この方法は「エピトープビニング」として知られる。一般に、エピトープビニングでは、抗体を1対に組み合わせて試験し、互いに競合する(すなわち、同一または類似のエピトープに結合する)抗体を一緒に各ビンにグループ化する。例えば、ビニングアッセイでは、第1の抗体を表面に固定化し、第2の抗体と抗原/標的タンパク質との事前混合溶液を、先に固定化されている第1の抗体上に流す。タンデムでは、抗原/標的タンパク質を表面に固定化し、固定化した抗原上に2つの抗体を流し、先に固定化されている抗原/標的タンパク質への結合を競合させる。これらの手法の各々において、互いに遮断する抗体を同定することができる。各抗体について他の抗体に対する競合的遮断プロファイルを作成する。結果から、各抗体がどのビンに入るかが決定される。エピトープビニングのハイスループットの方法は当該技術分野で公知であり、これにより、大量の抗体のスクリーニング及び特性解析を短時間で行うことができる。類似するエピトープに結合する抗体は類似する機能を共有することが多い。逆に、異なるエピトープに結合する抗体は機能活性が異なる場合がある。
【0186】
エピトープマッピングは、抗体(または他の結合物質)が結合する、標的タンパク質上の結合部位(例えば、エピトープ)を同定する工程である。標的タンパク質上の結合部位及び/またはエピトープをマッピングする技術分野では多種多様な方法が公知である。これらの方法には、ショットガン変異導入、部位特異的変異導入、及びアラニンスキャニングによる変異導入が含まれるがこれに限定されない変異導入;ドメインまたは断片スキャニング;ペプチドスキャニング(例えば、Pepscan法);ディスプレイ法(例えば、ファージディスプレイ、微生物ディスプレイ、及びリボソーム/mRNAディスプレイ);タンパク質分解及び質量分析法を使用する方法;及び構造測定(例えば、X線結晶解析及びNMR)が含まれる。
【0187】
いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は各種アッセイにより特徴づけが行われ、それらには、N末端配列分析、アミノ酸分析、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析法、イオン交換クロマトグラフィー、及びパパイン消化が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0188】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)を、そのGCGR活性調節能について試験する。いくつかの実施形態では、GCGR活性を高める抗GCGR抗体を同定するアッセイを提供する。いくつかの実施形態では、GCGR活性を阻害する抗GCGR抗体を同定するアッセイを提供する。サイクリックAMP(cAMP)は、最も重要なGPCR細胞内メディエーターの1つである。多くの細胞型において、cAMP産生は、Gタンパク質のGαサブユニットによるアデニル酸シクラーゼの調節の結果生じる。例えば、グルカゴンによるGCGRの活性化によりcAMPの産生がもたらされる。いくつかの実施形態では、GCGR活性化はcAMPの産生をアッセイすることにより評価することができ、GCGRアンタゴニストについては、それらのcAMP産生阻害能のスクリーニングを行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、細胞を調製してプレートに分注した後、GCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)と共にインキュベートする。適切な時間の経過後、細胞/GCGR結合タンパク質混合物をグルカゴンと共にインキュベートする。最後に、GCGR結合タンパク質で処理した細胞でcAMPレベルを決定し、適切な対照細胞でのcAMPレベルと比較する。いくつかの実施形態では、GCGRアンタゴニスト(例えば、抗GCGR抗体)のIC50を決定する。「IC50」とは薬剤の50%阻害濃度を指し、これは、特定の生物学的または生化学的機能の阻害における薬剤の有効性尺度である。
【0189】
本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質のいずれか1つを含む複合体も提供する。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体を第2の分子と結合させる。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体を、細胞障害性の薬物または部分と複合体化させる。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体を細胞障害性薬物と複合体化させ、ADC(抗体-薬物複合体)を形成させる。いくつかの実施形態では、細胞障害性薬物は化学療法薬であり、それらには、メソトレキセート、アドリアマイシン/ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ズオカルマイシン、ダウノルビシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、または他の挿入剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、細胞障害性薬物は微小管インヒビターであり、それらには、アウリスタチン、メイタンシノイド(例えば、DMI及びDM4)、及びチューブリシンが挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、細胞障害性薬物は、細菌、真菌、植物、もしくは動物に由来する酵素活性毒素、またはその断片であり、それらには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、Momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、Sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセンが挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を1つ以上の低分子毒素、カリケアマイシン、メイタンシノイド、トリコテン(trichothene)、及びCC1065などと複合体化させる。これらの毒素のいずれの誘導体もまた、その誘導体が細胞傷害活性を保持する限り使用することができる。
【0190】
タンパク質(例えば、抗体)を含む複合体は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して作製してよい。いくつかの実施形態では、さまざまな二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジピミド酸ジメチルHClなど)、活性エステル(ジスクシニミジルスベラートなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアナート(トルエン2,6-ジイソシアナートなど)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)などを使用して複合体を作製する。
【0191】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)を、診断及び/または検出のためにこのタンパク質を使用できるようにする検出可能な物質または分子と複合体化させる。検出可能物質は、酵素、例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼなど;補欠分子族、例えば、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンなど;蛍光物質、例えば、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシナート(fluorescein isothiocynate)、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン(dichlorotriazinylamine fluorescein)、ダンシルクロリド、及びフィコエリスリンなど;生物発光材料、例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンなど;化学発光材料、例えば、ルミノール及びアクリジニウムなど;放射性物質、例えば、131I、125I、123I、121I、14C、35S、3H、115In、113In、112In、111In、99mTc、201Ti、68Ga、67Ga、103Pd、
99
Mo、133Xe、18F、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、67Cu、212Bi、及び117Snなど;ポジトロン放出金属;ならびに非放射性常磁性金属イオンが含まれるが、これに限定されない群から選択されてよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)を第2の抗体と複合体化させて抗体ヘテロ複合体を形成させることができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)を固体支持体に結合させ、イムノアッセイで使用するかまたは標的抗原の精製に使用してよい。そのような固体支持体には、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0194】
III.ポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを包含する。用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチドのコード配列のみが含まれるポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列及び/または非コード配列が含まれるポリヌクレオチドを包含する。本開示のポリヌクレオチドは、RNA形態またはDNA形態であり得る。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが含まれ、これらは二本鎖または一本鎖であり得、一本鎖の場合は、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号220、221、25、26、51、52、71、72、97、98、122、123、144、145、164、165、188、189、203、204、218、及び219からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号233、234、235、及び236からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号220、221、25、26、51、52、71、72、97、98、122、123、144、145、164、165、188、189、203、204、218、及び219からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号233、234、235、及び236からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号233と配列番号235とを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号234と配列番号236とをコードするポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)を含むポリペプチドを含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号220、221、25、26、51、52、71、72、97、98、122、123、144、145、164、165、188、189、203、204、218、及び219からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドに対し、少なくとも約80%同一である、少なくとも約85%同一である、少なくとも約90%同一である、少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、また実施形態によっては、少なくとも約96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号233、234、235、及び236からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドに対し、少なくとも約80%同一である、少なくとも約85%同一である、少なくとも約90%同一である、少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、また実施形態によっては、少なくとも約96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。また、配列番号220、221、25、26、51、52、71、72、97、98、122、123、144、145、164、165、188、189、203、204、218、219、233、234、235、及び236からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドも提供される。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、当業者に公知のように、高ストリンジェンシー条件下で行う。
【0197】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、同じ読み枠内で、例えば、宿主細胞からのポリペプチドの発現及び分泌に役立つようなポリヌクレオチド(例えば、ポリペプチドの輸送を制御する分泌配列として機能するリーダー配列)と融合させたポリペプチド(例えば、抗体)のコード配列を含む。ポリペプチドは、宿主細胞により切断されてポリペプチドの「成熟」形態を形成するリーダー配列を有し得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、同じ読み枠内でマーカー配列またはタグ配列と融合させたポリペプチド(例えば、抗体)のコード配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、マーカー配列は、ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり、これにより、細菌宿主の場合は、マーカーと融合させたポリペプチドの効率的な精製が可能になる。いくつかの実施形態では、マーカー配列は、哺乳類の宿主(例えば、COS-7細胞)を使用する場合はインフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来のヘマグルチニン(HA)タグである。いくつかの実施形態では、マーカー配列はFLAGタグである。いくつかの実施形態では、マーカーを他のアフィニティータグと併せて使用してよい。
【0199】
本開示はさらに、本明細書に記載するポリヌクレオチド変異型に関し、ここで、かかる変異型は、例えば、ポリペプチドの断片、アナログ、及び/または誘導体をコードする。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対し、少なくとも約80%同一である、少なくとも約85%同一である、少なくとも約90%同一である、少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、また実施形態によっては、少なくとも約96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。
【0200】
本明細書で使用する場合、「参照ヌクレオチド配列に対し少なくとも、例えば、95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド」という語句は、そのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は参照配列と同一ではあるが、そのポリヌクレオチド配列には、参照ヌクレオチド配列の100のヌクレオチドにつき最高で5か所の変異が含まれ得ることを意味することが意図される。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列に対し少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るためには、参照配列内の最高5%のヌクレオチドを欠失させる、もしくは別のヌクレオチドで置換することができるか、または参照配列内の総ヌクレオチド数の最高5%の数のヌクレオチドを参照配列内に挿入することができる。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’末端もしくは3’末端の位置、またはそれらの末端に挟まれた位置で、参照配列内のヌクレオチドの中に個々別々に、または参照配列内部に1つ以上の連続する群で散在して現われ得る。
【0201】
ポリヌクレオチド変異型は、コード領域、非コード領域、またはその両方に変更を含有することができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異型は、サイレントな置換、付加、もしくは欠失を生じさせるがコードされたポリペプチドの特性または活性は変化させない変更を含有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異型は、ポリペプチドのアミノ酸配列に全く変化をもたらさない(遺伝暗号の縮重のため)サイレント置換を含む。ポリヌクレオチド変異型は、例えば、特定の宿主のコドン発現を最適化する(すなわち、ヒトmRNAのコドンをE.coliなどの細菌宿主に好ましいコドンに変更する)ためなど、さまざまな理由で作製され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異型は、配列の非コード領域またはコード領域に少なくとも1つのサイレント変異を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドの発現(または発現レベル)を調節または改変するためにポリヌクレオチド変異型を作製する。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドの発現を増加させるためにポリヌクレオチド変異型を作製する。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドの発現を減少させるためにポリヌクレオチド変異型を作製する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異型は、コードされたポリペプチドの発現が親ポリヌクレオチド配列よりも増加している。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異型は、コードされたポリペプチドの発現が親ポリヌクレオチド配列よりも減少している。
【0203】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを単離する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。
【0204】
また、本明細書に記載するポリヌクレオチドを含むベクター及び細胞も提供される。いくつかの実施形態では、発現ベクターはポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は発現ベクターを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞はポリヌクレオチド分子を含む。
【0205】
IV.使用方法及び医薬組成物
本開示のGCGR結合タンパク質は、例えば、インビトロ、エキソビボ、及びインビボでの治療方法で使用してよい。いくつかの実施形態では、本開示は、インビボまたはインビトロでの方法を提供し、細胞をGCGR結合タンパク質(例えば、抗GCGR抗体)に曝露させることを含む。
【0206】
本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、さまざまな症候群、障害、及び/または疾患の治療的処置が含まれるがこれに限定されない、多種多様な用途において有用である。いくつかの実施形態では、方法は、対象における疾患、障害または病態の治療を提供し、ここで、かかる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の有効量を対象に投与することを含む。ある実施形態では、対象における疾患、障害、または病態を治療するための方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体を含む医薬製剤の有効量、及び任意選択で、少なくとも1つのさらなる治療剤を対象に投与することを含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を治療を目的としてヒトに投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を非ヒト哺乳類(例えば、霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ラット、またはマウス)に投与する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質を、獣医目的またはヒト疾患動物モデルでの試験を目的として非ヒト哺乳類に投与する。いくつかの実施形態では、動物モデルは、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質の治療有効性の評価(例えば、投与の用量及び/または経時変化の試験)に有用である。
【0208】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、GCGR活性を阻害する方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、グルカゴン活性を阻害する方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、血糖値の低減または低下させる方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、血中インスリンレベルを上昇させる方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、インスリンの膵臓でのレベルを上昇させる方法において有用である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、高血糖症を治療するための方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、糖尿病を治療するための方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、1型糖尿病を治療するための方法において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、2型糖尿病を治療するための方法において有用である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態の治療に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態に有用である。語句「ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態」は、語句「ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、または病態」と同じ意味で使用される。本明細書で使用する場合、「ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態」とは、完全または部分的に、ベータ細胞の異常または欠損が原因で生じる、または結果として生じる、あらゆる疾患を指す。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態は、真性糖尿病である。ある実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態は、インスリン依存性または1型糖尿病(例えば、若年性糖尿病、ブリットル型糖尿病、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM))である。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態は、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)/2型糖尿病である。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態は、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)である。ある実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態は、異脂肪血症とその後遺症の1つ(例えば、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、及び脳血管障害)、高脂血症、高血糖症、高血糖関連障害(例えば、腎障害(例えば、尿細管障害または腎症)、肝変性、眼障害(例えば、糖尿病網膜症または白内障)、及び糖尿病性足障害)、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血圧、心血管疾患、脳卒中、心不全、高インスリン血症、糖尿病合併症、ブドウ糖不耐性、インスリン抵抗性、糖代謝異常、「前糖尿病」(空腹時血糖異常または耐糖能異常)、肥満(肥満の合併症、例えば、閉塞性睡眠時無呼吸、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、及び多嚢胞性卵巣症候群を含むがこれに限定されない)、または望ましくない体重もしくは体格(例えば、正常な体格指数、すなわち比較可能な年齢、性、人種等の適切な一致する対象に関する「BMI」より大きい)、または上記の2つ以上の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態はNAFLDである。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態はNASHである。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法には、疾患、障害、または病態の治療、予防、または軽減が含まれ、対象における疾患、障害、または病態の1つ以上の症状を治療、予防、または軽減することが含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、ブドウ糖利用障害とそれに関連する後遺症が含まれ、それらには、真性糖尿病(1型及び2型)、妊娠性糖尿病、高血糖症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、「前糖尿病」、または他の生理学的障害で、例えば、膵臓ベータ細胞破壊のような組織病理学的変化など、高血糖状態に関連するかまたは原因とする障害が含まれる。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態に罹患している、治療を必要とする対象は、空腹時血糖値が約100mg/dLより大きい。他の高血糖関連障害には、腎障害(例えば、尿細管障害または腎症)、肝変性、眼障害(例えば、糖尿病網膜症または白内障)、及び糖尿病性足障害が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、異脂肪血症及びそれに関連する後遺症、例えば、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、脳血管障害等が含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態は、メタボリック症候群に関連しており、それらには、肥満及び体格指数高値、NAFLD、NASH、PCOS、血栓症、凝固亢進状態及び血栓形成促進状態(動脈及び静脈)、高血圧、心血管疾患、脳卒中、ならびに心不全が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態は、肥満である。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態は、NAFLDである。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態は、NASHである。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、アテローム性動脈硬化、慢性炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、喘息、エリテマトーデス、関節炎、または他の炎症性リウマチ性疾患が含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、脂肪細胞腫瘍、脂肪様癌(lipomatous carcinoma)、例えば脂肪肉腫など、固形腫瘍、及び新生物が含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、神経変性疾患及び/または中枢神経系及び末梢神経系の脱髄性疾患及び/または神経炎症過程が関与する神経疾患及び/または他の末梢神経障害が含まれ、それらには、アルツハイマー病、多発性硬化症、パーキンソン病、進行性多巣性白質脳症、及びギラン-バレー症候群が含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、皮膚及び皮膚科的疾患及び/または創傷治癒過程障害、例えば、紅斑落屑性皮膚疾患(erythemato-squamous dermatoses)が含まれる。いくつかの実施形態では、治療または予防の対象となる疾患、障害、または病態には、シンドロームX、変形性関節症、及び急性呼吸促迫症候群が含まれる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を使用して疾患、障害、または病態を治療または予防し、それらには、例えば、高血糖症、1型糖尿病、2型糖尿病、肥満、異脂肪血症、NASH、心血管疾患、メタボリック症候群またはグルカゴンの生体内の影響を阻害することが望ましい広義のあらゆる疾患、障害、もしくは病態が含まれる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗体である。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。
【0213】
いくつかの実施形態では、対象の1型糖尿病を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。1型糖尿病は、膵臓ベータ細胞の細胞量及び/または機能の低下ならびにインスリン産生の低下により生じる高血糖値を特徴とする自己免疫疾患の病態である。1型糖尿病の症状は一般に、高血糖症及び体脂肪の分解の結果である。症状としては、口渇(多飲症)、頻尿(多尿症)、極度の空腹(過食症)、極度の疲労、体重減少、及び尿中のケトン体の存在が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、1型糖尿病は成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0214】
いくつかの実施形態では、対象の2型糖尿病を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。一般に、2型糖尿病は、インスリン抵抗性及び/またはインスリンの低分泌により生じる。しかしながら、2型糖尿病の対象の多くは、膵臓ベータ細胞の細胞量及び機能の有意な低下もあり、最終的にインスリン欠乏になる。2型糖尿病の症状としては、高血糖症、疲労、皮膚の乾燥とかゆみ、霧視、口渇、頻尿、治癒の遅い切り傷または擦り傷、高い感染率、及び足のしびれ感もしくは刺痛が挙げられるが、これに限定されるものではない。未治療で放置した場合、重度高血糖症(例えば、血糖値600mg/dL超)、嗜眠、錯乱、ショック、及び/または高血糖性高浸透圧性非ケトン性昏睡など、より重篤な症状になり得る。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0215】
いくつかの実施形態では、対象の高血糖症を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。本明細書で使用する場合、用語「高血糖症」または「高血糖性」とは、対象の疾患、障害、または病態に関して使用する場合、対象の血中ブドウ糖レベルが一過性または慢性的に異常に高いことを指す。疾患、障害、または病態は、糖の代謝または吸収の遅延によって生じ得、そのような対象は、正常対象では典型的に見られることのないブドウ糖不耐性または高ブドウ糖状態を示す。空腹時血糖値は、約100mg/dL未満で「正常」範囲内とみなされ、約100~126mg/dLであれば糖代謝異常、約126mg/dL超は糖尿病とみなされる。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0216】
いくつかの実施形態では、対象の肥満もしくは望ましくない体格(肥満の合併症、例えば、閉塞性睡眠時無呼吸、関節炎、がん(例えば、乳癌、子宮内膜癌、及び結腸癌)、胆石、または高血糖症など)を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、体格指数が25超、例えば、25~30、30~35、35~40、または40以上である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0217】
いくつかの実施形態では、対象のベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害、または病態を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を治療する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は1型糖尿病である。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は2型糖尿病である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0218】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により、(i)血糖値が低減する、(ii)血中C-ペプチドレベルが上昇する、(iii)膵臓のC-ペプチドレベルが上昇する、(iv)血糖値が低減し、血中C-ペプチドが上昇する、及び/または(v)血糖値が低減し、膵臓のC-ペプチドが上昇する。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により血糖値を低減させる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により血中C-ペプチドレベルを上昇させる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により膵臓のC-ペプチドレベルを上昇させる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により血糖値を低減させ、血中C-ペプチドを上昇させる。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、治療により血糖値を低減させ、膵臓のC-ペプチドを上昇させる。いくつかの実施形態では、治療により血中インスリンレベルを上昇させる。いくつかの実施形態では、治療により膵臓のインスリンレベル/含量を上昇させる。
【0219】
いくつかの実施形態では、対象のベータ細胞機能を改善する方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、ベータ細胞機能の改善は、血糖の減少、C-ペプチドの増加、及び/またはインスリンの増加により示される。いくつかの実施形態では、当業者に公知の直接的または間接的な任意の方法を使用してインスリン産生を評価する。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0220】
いくつかの実施形態では、対象の血糖値を低減または低下させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血中インスリンレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の膵臓インスリンレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血中インスリンレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象の血糖値を低減または低下させ、血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法は、本明細書に記載する抗GCGR抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でC-ペプチドのレベルを測定する。本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料でインスリンのレベルを測定する。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0221】
ある実施形態では、方法は、対象において、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における本明細書に記載する抗GCGR抗体の有効性を評価することを含み、ここで、かかる方法は、対象のベータ細胞機能を抗体の投与前と投与後で比較することを含む。いくつかの実施形態では、抗体投与前と比較した場合の抗体投与後のベータ細胞機能の亢進は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における抗体の有効性を示す。いくつかの実施形態では、方法は、対象において、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における本明細書に記載する抗GCGR抗体の有効性を評価することを含み、ここで、かかる方法は、対象の血清または血漿のC-ペプチドを抗体の投与前と投与後で比較することを含む。いくつかの実施形態では、抗体投与前と比較した抗体投与後の血清または血漿のC-ペプチド上昇は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における抗体の有効性を示す。いくつかの実施形態では、方法は、対象において、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における本明細書に記載する抗GCGR抗体の有効性を評価することを含み、ここで、かかる方法は、対象における膵臓のIns1、Ins2、及び/またはNgn3遺伝子発現を抗体の投与前と投与後で比較することを含む。いくつかの実施形態では、抗体投与前と比較した抗体投与後のIns1、Ins2、及び/またはNgn3の膵臓での発現増加は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の予防または治療における抗体の有効性を示す。いくつかの実施形態では、抗体投与前と比較した抗体投与後の血糖の減少は、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害もしくは病態、またはその症状の予防または治療における抗体の有効性を示す。いくつかの実施形態では、方法はさらに、有効性評価後、対象に対し1回以上の抗体の後続投与を行うことを含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0222】
いくつかの実施形態では、方法は、臨床反応の予測、臨床反応のモニタリング、または本明細書に記載する抗GCGR抗体を用いた投与を対象が遵守しているかどうかのモニタリングを目的として、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を有する一群の対象を、ベータ細胞機能に基づいて選択することを含む。本明細書で提供するさまざまな方法のいくつかの実施形態では、対象は、処置後にベータ細胞機能が亢進している。ある実施形態では、方法は、臨床反応の予測、臨床反応のモニタリング、または本明細書に記載する抗GCGR抗体を用いた投与を対象が遵守しているかどうかのモニタリングを目的として、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を有する一群の対象を、血清C-ペプチド、血中インスリン、膵臓インスリン、及び/または血糖に基づいて選択することを含む。本明細書で提供するさまざまな方法のいくつかの実施形態では、対象は、処置後に、血清C-ペプチドが上昇している、血清インスリンが上昇している、膵臓インスリンが上昇している、及び/または血糖が低下している。ある実施形態では、方法は、臨床反応の予測、臨床反応のモニタリング、または本明細書に記載する抗GCGR抗体を用いた投与を対象が遵守しているかどうかのモニタリングを目的として、ベータ細胞に欠陥のある疾患、障害、もしくは病態、またはその症状を有する一群の対象を、膵臓でのIns1、Ins2、及び/またはNgn3の遺伝子発現に基づいて選択することを含む。本明細書で提供するさまざまな方法のいくつかの実施形態では、対象は、処置後にIns1、Ins2、及び/またはNgn3の膵臓での発現が増加している。ある実施形態では、各レベルを正常集団と比較する。本明細書で提供するさまざまな方法のいくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体はHz6B5である。
【0223】
本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を少なくとも1つのさらなる治療剤または治療法と組み合わせて投与することを含む。2剤以上の治療剤を用いる治療ではしばしば異なる作用機序で作用する薬剤が使用されるが、必要というわけではない。作用機序の異なる薬剤を使用する併用療法では、相加効果または相乗効果がもたらされ得る。併用療法により、各薬剤の用量は単剤療法で使用する場合よりも低用量にすることができ得るため、薬剤(複数可)の毒性副作用の低減及び/または治療指数の上昇を可能にし得る。併用療法により、薬剤抵抗性が発生する可能性が低下し得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)と少なくとも1つのさらなる治療剤の併用により相加的または相乗的な結果がもたらされる。いくつかの実施形態では、併用療法により、GCGR結合タンパク質の治療指数が上昇する。いくつかの実施形態では、併用療法により、さらなる治療剤(複数可)の治療指数が上昇する。いくつかの実施形態では、併用療法により、GCGR結合タンパク質の毒性及び/または副作用が軽減される。いくつかの実施形態では、併用療法により、さらなる治療剤(複数可)の毒性及び/または副作用が軽減される。
【0225】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤を、GCGR結合タンパク質の投与より前、同時、及び/または後に投与することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのさらなる治療剤は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のさらなる治療剤を含む。
【0226】
併用投与としては、単一の医薬製剤にするか、もしくは別個の製剤にして使用する同時投与、または何れかの順序で行うが、一般に全活性薬剤がそれぞれの生物学的活性を発揮できるような時間内に行う連続投与が含まれ得る。さらなる治療剤の調製及び投与スケジュールは、製造者の指示に従って、または、熟練医師により経験的に決定されたように使用することができる。
【0227】
さらなる治療剤は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質と組み合わせて投与してよい。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、高血糖症用または糖尿病用の薬物である。高血糖症または糖尿病用の薬物には、インスリン及びインスリン類似物質;PPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)γアゴニスト、例えば、ピオグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、及び他の2,4-チアゾリジンジオン誘導体など;DPP-4阻害薬、例えば、シタグリプチン(ジャヌビア(JANUVIA))、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン(トラゼンタ(TRADJENTA))、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、及びアログリプチン(ネシーナ(NESINA))など;GLP-1アナログ、例えば、エキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド、及びリキシセナチドなど;ビグアニジン誘導体、例えば、メトホルミン(GLUMETZA、GLUCOPHAGE)、ブホルミン、及びフェンホルミンなど;ATP感受性カリウムチャネル調節薬、例えば、ミチグリニド、レパグリニド、及びナテグリニドなど;スルホニル尿素誘導体、例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリピジド、グリクラジド、グリメピリド、グリキドン、グリボルヌリド、グリソキセピド、グリベンクラミド、グリセンチド、グリソラミド、グリブゾール、及びグリクロピラミドなど;α-グルコシダーゼ阻害剤、例えば、ミグリトール(GLYSET)、アカルボース(PRECOSE)、及びボグリボースなど;ならびにSGLT2阻害薬、例えば、カナグリフロジン(INVOKANA)、ダパグリフロジン(FARXIGA)、及びエンパグリフロジン(JARDIANCE)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0228】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は肥満用薬物である。肥満用薬物には、オルリスタット(ゼニカル(XENICAL))、フェンテルミン/トピラマート(QSYMIA)、ロルカセリン(BELVIQ)、ナルトレキソン/ブプロピオン(CONTRAVE)及びリラグルチド(SAXENDA)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0229】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、脂質低下薬またはコレステロール低下薬である。脂質低下薬には、フィブラート、スタチン、オメガ3脂肪酸、及びナイアシンが挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はフィブラートである。フィブラートは両親媒性カルボン酸に分類され、それらには、クロフィブラートアルミニウム、ベザフィブラート、シプロフィブラート、コリンフェノフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート(例えば、ATROMID-S)、クロフィブリド、フェノフィブラート(例えば、FIBRICOR、LOFIBRA、トライコア(TRICOR))、ゲムフィブロジル(例えば、LOPID)、ロニフィブラート、シンフィブラート、及びフェノフィブリン酸が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はスタチンである。スタチンはHMG-CoA還元酵素阻害剤であり、それらには、アトルバスタチン(リピトール(LIPITOR))、フルバスタチン(LESCOL)、ロバスタチン(MEVACOR)、プラバスタチン(PRAVACHOL)、ロスバスタチン(ZOCOR)、及びピタバスタチン(リバロ(LIVALO))が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はナイアシン(ビタミンB3)である。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はオメガ3脂肪酸である。
【0230】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、グルカゴン受容体アンタゴニスト;GLP-1、GLP-1模倣物質、及びGLP-1受容体アゴニスト;GIP、GIP模倣物質、及びGIP受容体アゴニスト;PACAP、PACAP模倣物質、及びPACAP受容体の3つのアゴニスト;コレステロール低下薬、例えば、HMG-CoA還元酵素阻害剤、捕捉薬、ニコチニルアルコール、ニコチン酸とその塩、PPARアルファアゴニスト、PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、コレステロール吸収の阻害剤、アシルCoAコレステロールアシル転移酵素阻害剤、抗酸化剤、及びLXR調節薬など;PPARデルタアゴニスト;抗肥満化合物;回腸胆汁酸輸送体阻害剤;グルココルチコイドを除く抗炎症剤;プロテインチロシンホスファターゼ1B(PTP-1B)阻害剤、ならびにCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストが含まれるが、これに限定されない群から選択される。
【0231】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、鎮痛薬、抗生物質、または免疫調節薬、または他に米国薬局方及び/またはPhysician’s Desk Referenceに収載されている任意の薬剤が含まれるが、これに限定されない群から選択される。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、イブプロフェンの他、プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フイロフェナク(fuirofenac)、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、及びゾメピラク)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカン(tenoxican))、サリチル酸塩(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、ならびにピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ステロイド、例えば、プレドニゾロン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、またはヒドロコルチゾンなどである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID)、または他のヒトサイトカインもしくは増殖因子、例えば、TNF、LT、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-7、IL-8、IL-15、IL-16、IL-18、EMAP-II、GM-CSF、FGF、及びPDGFなどに対する抗体もしくはそれらのアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、TNFアンタゴニスト、例えば、TNF抗体(例えば、レミケード(REMICADE))、抗TNF抗体断片(例えば、CDP870)、可溶性p55TNF受容体もしくはp75TNF受容体またはその誘導体、エンブレル(ENBREL)、レネルセプト(LENERCEPT)、可溶性IL-13受容体、TNF-α変換酵素(TACE)阻害剤、IL-1阻害剤、インターロイキン11、抗P7s、p-セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、インターフェロンベータ-1a(AVONEX)、インターフェロンベータ-1b(BETASERON)、コパキソン(Copaxone)、高圧酸素、静脈内免疫グロブリン、またはクラブリビン(clabribin)などである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はベータトロフィンである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は毛様体神経栄養因子(CNTF)である。
【0232】
疾患の治療の場合、本開示のGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の適切な用量は、治療対象の障害または疾患、障害または疾患の重症度及び経過、障害または疾患の反応性、薬剤投与目的が治療であるのか予防であるのか、それまでに受けた治療、患者の病歴などに依存する。GCGR結合タンパク質は、1回投与する、もしくは数日から数か月続く一連の治療にわたって投与する、または治癒がもたらされるまで投与する、もしくは疾患の状態の減退が達成されるまで投与することができる。
【0233】
本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)と少なくとも1つのさらなる治療剤との組み合わせを、任意の順序で投与しても同時期に投与してもよいことは認識されよう。いくつかの実施形態では、それまでに何らかの治療剤を用いた治療を受けたことがある対象にGCGR結合タンパク質を投与する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質及び第2の治療剤を実質的に同時または同時期に投与する。例えば、対象は、GCGR結合タンパク質の投与を受ける一方で、第2の治療剤(例えば、抗糖尿病性薬剤)を用いた治療コースを受けてよい。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質を、第2の治療剤を用いた治療の1年以内に投与する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質を、第2の治療剤を用いた任意の治療の10か月、8か月、6か月、4か月、または2か月以内に投与する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質を、第2の治療剤を用いた任意の治療の4週間、3週間、2週間、または1週間以内に投与する。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質を、第2の治療剤を用いた任意の治療の5日、4日、3日、2日、または1日以内に投与する。2つ(またはそれ以上)の薬剤または治療剤を数時間または数分以内(すなわち、実質的に同時)に対象に投与してよいことをさらに理解されよう。
【0234】
本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の用量は、疾患もしくは障害の性質及び/または重症度、ならびに対象の状態に応じて異なってよい。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は、0.01μg~100mg/kg体重、0.1μg~100mg/kg体重、1μg~100mg/kg体重、1mg~100mg/kg体重、1mg~80mg/kg体重、10mg~100mg/kg体重、10mg~75mg/kg体重、または10mg~50mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は、約0.1mg~約20mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約0.5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約1mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約1.5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約2mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約2.5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約7.5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約10mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約12.5mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質の用量は約15mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、タンパク質を1日1回以上、週1回以上、月1回以上、または年1回以上投与する。いくつかの実施形態では、タンパク質を週1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与する。
【0235】
本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質を含む組成物(例えば、抗体)を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、抗GCGR抗体Hz6B5を含む。本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を含む医薬組成物、及び薬理学的に許容される賦形剤も提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号2を含む重鎖CDR2、配列番号3を含む重鎖CDR3、配列番号4を含む軽鎖CDR1、配列番号5を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む抗GCGR抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗GCGR抗体Hz6B5を含む。
【0236】
本開示の精製したタンパク質または抗体と薬理学的に許容される賦形剤(例えば、担体または添加剤)とを合わせて、保存及び/または使用するために製剤を調製する。当業者は一般に、薬理学的に許容される担体、添加剤、及び/または安定化剤は、製剤または医薬組成物の不活性成分であると考える。結合タンパク質の保存用に調製した製剤は、対象で使用するために調製した製剤または組成物、例えば、静脈内注射用調製物とは異なるかまたは別個のものであってよい。
【0237】
薬理学的に許容される適切な賦形剤としては、無毒性緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸など;塩、例えば、塩化ナトリウムなど;アスコルビン酸及びメチオニンなどの抗酸化剤;防腐剤、例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えば、メチルパラペンもしくはプロピルパラベンなど、カテコール、レゾルシン、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm‐クレゾールなど;低分子量ポリペプチド(例えば、アミノ酸残基が約10未満);タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど;親水性ポリマー、例えば、ポルビニルピロリドンなど;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなど;炭水化物、例えば、単糖類、二糖類、グルコース、マンノース、またはデキストリンなど;キレート剤、例えば、EDTAなど;糖類、例えば、ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなど;塩形成対イオン、例えば、ナトリウムなど;金属錯体、例えば、Zn-タンパク質錯体など;ならびに非イオン性界面活性剤、例えば、TWEENまたはポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,2012,Pharmaceutical Press,London.)。いくつかの実施形態では、製剤は水溶液の形態である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結乾燥形態または代替的乾燥形態である。
【0238】
治療製剤は単位剤形であり得る。そのような製剤には、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、顆粒、水もしくは非水性媒体の溶液もしくは懸濁液、または坐剤が含まれる。錠剤のような固形組成物では、主要活性成分を医薬担体と混合する。従来の打錠供給源には、コーンスターチ、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム、及び希釈剤(例えば、水)が含まれる。これらを使用して、本開示化合物の均一な混合物、またはその無毒性の薬理学的に許容される塩を含有する、固形予備処方組成物を形成することができる。その後、固形予備処方組成物を、上記の種類の単位剤形に細分する。製剤または組成物の錠剤、丸剤等は、持続性作用という利点が得られる剤形を提供するよう、コーティングするかまたは他の方法で配合することができる。例えば、錠剤または丸剤は、外層構成成分で被覆した内層組成物を含むことができる。さらに、2つの構成成分を、耐崩壊の役割を果たして内層成分が完全な状態で胃を通過できるかまたは遅延放出されるようにする腸溶性の層で仕切ることができる。そのような腸溶性の層またはコーティングにはさまざまな材料を使用することができ、そのような材料には、多数の高分子酸ならびにセラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースと高分子酸との混合物が含まれる。
【0239】
本開示の結合タンパク質は、標的細胞/組織への送達に好適な任意の形態で配合してよい。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を、リポソーム、微小粒子、マイクロカプセル、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、ナノカプセル、またはマクロエマルジョンとして配合する。いくつかの実施形態では、医薬製剤には、リポソームと複合体化させた本開示のタンパク質が含まれる。リポソームの作製方法は当業者に公知である。例えば、いくつかのリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、及びPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いる逆相蒸発法により作製される。
【0240】
いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を徐放性調製物として配合する。徐放性調製物の適切な例には、薬剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが含まれ、その場合、マトリックスは成形物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。徐放性マトリックスには、ポリエステル、ヒドロゲル、例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)など、ポリ乳酸、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタマートとのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーとリュープロリド酢酸塩で構成される注射用マイクロスフェア)など、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0241】
本開示の医薬組成物または製剤は、局所治療または全身治療のいずれにもあらゆる方法で投与することができる。投与は、表皮または経皮吸収パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点滴、坐剤、スプレー、液剤及び粉末による局所投与;ネブライザー、気管内、及び鼻腔内を含む、吸入または粉末もしくはエアロゾルの吹送による肺内投与;経口投与;または静脈内、動脈内、腫瘍内、皮下、腹腔内、筋肉内(例えば、注射または注入)、もしくは頭蓋内(例えば、髄腔内または脳室内)への投与を含む非経口投与であり得る。
【0242】
さまざまな送達システムが公知であり、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の投与に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)または組成物を、放出制御システムまたは徐放性システムで送達する。いくつかの実施形態では、ポンプを使用して放出制御または徐放性を達成する。いくつかの実施形態では、高分子材料を使用して、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)の放出制御または徐放性を達成する。徐放性製剤に使用するポリマーの例としては、ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリエチレン-コ-酢酸ビニル、ポリメタクリル酸、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリN-ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチド-コ-グリコリド(PLGA)、及びポリオルトエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。徐放性製剤に使用するいかなるポリマーも、不活性であること、浸出性不純物を含まないこと、保存時に安定していること、滅菌されていること、及び生物分解性であることが必要である。
【0243】
いくつかの実施形態では、さらなる送達システムを使用して本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を投与し、それらには、注射用薬物送達デバイス及び浸透圧ポンプが含まれるが、これに限定されるものではない。注射用薬物送達デバイスには、例えば、携帯用デバイス(例えば、自己注射装置)またはウェアラブルデバイスが含まれる。各種の浸透圧ポンプシステムには、単一コンパートメントシステム、二重コンパートメントシステム、及び複数コンパートメントシステムが含まれ得る。
【0244】
V.アッセイ及び/またはGCGR結合タンパク質を含むキット
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する抗GCGR抗体及びその断片は、生体試料でGCGRを検出するのに有用である。そのような抗GCGR抗体には、ヒト及び/またはcynoGCGRに結合はするがGCGR活性を阻害しないものが含まれ得る。本明細書で使用する用語「検出する」は、定量的または定性的検出を包含する。いくつかの実施形態では、生体試料は、細胞、組織、血液、または他の体液を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、生体試料でGCGRを検出する方法は、生体試料と抗GCGR抗体とを、抗GCGR抗体のGCGRへの結合を可能にする条件下で接触させること、及び抗GCGR抗体とGCGRの間で複合体が形成されたかどうかを検出することを含む。方法には、当業者に公知のアッセイ、例えば、ウェスタンブロット解析、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、「サンドイッチ」免疫測定法、免疫沈降法、蛍光免疫測定法、プロテインA免疫測定法、及び免疫組織染色(IHC)などが含まれ得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、抗GCGR抗体に検出可能な標識でタグを付ける。検出可能標識は、蛍光分子、化学発光分子、生物発光分子、酵素、または放射性同位元素であってよい。
【0247】
本開示は、本明細書に記載するGCGR結合タンパク質(例えば、抗体)を含み、かつ、本明細書に記載する方法を実施するために使用することができるキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の容器に入った少なくとも1つの精製GCGR結合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、GCGR-タンパク質タンパク質は、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗GCGR抗体である。いくつかの実施形態では、GCGR結合タンパク質は抗GCGR抗体Hz6B5である。いくつかの実施形態では、キットは、検出アッセイを実施するために必要及び/または十分な構成成分をすべて含有し、全対照、アッセイ実施のための説明書、ならびに結果の分析及び提示用に必要な任意のソフトウェアなどが含まれる。当業者は、本開示に記載されている開示GCGR結合タンパク質は、当該技術分野において周知の確立されたキットフォーマットの1つに容易に組み込むことができることを容易に認識するであろう。さらに、GCGR結合タンパク質(例えば、抗体)及び少なくとも1つのさらなる治療剤を含むキットを提供する。
【実施例】
【0248】
実施例1
抗体の作製
(i)細胞を発現しているヒトGCGRまたは(ii)ヒトGCGRの細胞外ドメインを含むHisタグ付き可溶性タンパク質をマウスに注射することにより、グルカゴン受容体(GCGR)に対する抗体を作製した。
【0249】
GCGR発現細胞を以下のとおり調製した。ヒトGCGRをコードする核酸配列をCHO-3E7細胞にトランスフェクトした。GCGRの発現について細胞をFACSで分析し、陽性細胞を単離した。ヒトGCGRの細胞外ドメインを含む可溶性タンパク質を標準的な組換え技法により作製し、Hisタグを使用して精製した。GCGR発現細胞の膜調製物または可溶性GCGRタンパク質でマウスを免疫した。マウスに追加免疫して高力価を誘導した。血清中の抗体価をELISA及びFACSで測定した。抗体価が適切なマウスの脾臓及び流入領域リンパ節からリンパ球の単一細胞懸濁液を得た。リンパ球をSP2/0骨髄腫細胞と1:1の比で電気融合により融合させた。融合細胞を、HAT選択培地の存在下で384ウェルプレートに播種した。培養10~14日後、上清を採取し、最初に(i)GCGR発現細胞を使用したFACSまたは(ii)可溶性GCGR(例えば、GCGRの細胞外ドメイン)を使用したBiacoreによりスクリーニングを行い、バインダーを同定した。
【0250】
実施例2
GCGR結合のスクリーニング
実施例1で記載したハイブリドーマ融合体から得た上清を、ヒトGCGRへの結合についてスクリーニングし、その際、完全長GCGRを安定発現したCHO細胞を、FACS系結合アッセイまたはCelllnsight(商標)HCSプラットフォーム(ThermoFischer Scientific)で使用して行った。簡単に言えば、ハイブリドーマ上清をヒトGCGR発現細胞と共に4℃で30分間インキュベートした。PBS/1%BSA/0.1%アジドを用いて洗浄した後、細胞を、標識済み抗マウスFc抗体(Jackson Immunoresearch)と共に4℃で30分間インキュベートした。PBS/1%BSA/0.1%アジドを用いて洗浄した後、フローサイトメーター(BD FACSCalibur instrument)及びサイトメトリー解析用ソフトウェア(Flow Jo)またはCelllnsight(商標)プラットフォームを使用して細胞を分析した。
【0251】
いくつかの実験では、Biacore SPRシステムを使用して、上清をヒトGCGRへの結合についてスクリーニングした。簡単に言えば、アミンカップリング試薬(GE Healthcare Life Sciences)を使用して抗マウスFc抗体(Sigma-Aldrich)をCM5チップの4つのフローセルすべてに固定化した。ハイブリドーマの上清をPBS-P緩衝液(0.005% P20を含有するPBS)で3倍希釈し、フローセル2、3及び4の上から30秒注入して被験抗体を捕捉させ、フローセル1は参照として使用した。次のステップでは、可溶性のヒトGCGR細胞外ドメイン(PBS-P緩衝液中100nM)を50μL/分の流量で注入し、25℃で結合動態をモニタリングした。動態データを経時的に収集し、同時グローバルフィット方程式を使用して適合させ、各抗体の親和定数(KD値)を得た。
【0252】
1500以上の抗体が、ヒトGCGRに結合する抗体として同定された。陽性バインダーのサブセットを精製し、その後、ヒトGCGR及びcynoGCGRに対するそれらの結合親和性を再度試験した。Biacoreで決定した、それらの抗体のヒトGCGRに対する結合親和性に基づき抗体の順位付けを行った。
【0253】
表11に示すように代表的結果をKD(nM)値で報告する。
表11
【表11】
【0254】
実施例3
さらなる結合及び競合結合アッセイ
実施例2に記載のようにGCGRへの結合が同定された抗体を、競合結合アッセイ及び/またはエピトープビニング実験で評価した。
【0255】
ヒトGCGR細胞外ドメイン上の抗体の結合部位を評価するため、Octet(登録商標)QK 384 System(ForteBio)でエピトープビニング実験を準備した。例示的抗体のKD値はForteBioソフトウェアを使用して得たものであった。例示的抗体6B5、13G9、14E9、14F4、4F8、1G7、1A8、1H7、1A2、1B4、1C1、1H2、1C3、及び1D2をバイオセンサー先端に固定化した。可溶性のヒトGCGR細胞外ドメイン(500nM)を抗体と共に3分間インキュベートした。これにより、バイオセンサー先端で抗体-GCGR複合体の形成がもたらされた。その後、抗体-GCGR複合体が結合しているバイオセンサー先端を抗体6B5、5B11、または3H5の溶液に浸し、シグナル変化をシフト(nm)として測定した。代表的実験の結果を表12に示す。溶液中の抗体が、チップ表面に固定化した抗体と同じエピトープを認識した場合、シグナル(Octet(登録商標)のノイズレベル)には0.1nm未満のシフトが観察されると思われた。溶液中の抗体が、固定化した抗体とは別個のエピトープを認識した場合、0.15nm超シフトするシグナル増加が観察されると思われた。後者の状況の場合、溶液中の抗体は、固定化した抗体-GCGR複合体に結合することができた(恐らく異なるエピトープに)ために、観察されたシグナル増加がもたらされたと考えられる。
【0256】
Octetシステムを使用した競合結合実験では、抗体6B5は、GCGRへの結合を自身と競合した他、抗体13G9、14E9、14F4、4F8、1G7、1A8、1H7、1A2、1B4、1C1、1H2、1C3及び1D2とも競合した。表12に示すように、抗体5B11及び3H5はまた、抗体6B5、13G9、14E9、14F4、4F8、1G7、1A8、1H7、1A2、1B4、1C1、1H2、1C3及び1D2とも競合した。これらの結果から、これらの抗体はすべて、同じエピトープ、類似エピトープ、及び/または重複エピトープに結合することが示唆された。したがって、これらの抗体を、6B5エピトープビンのメンバーとしてグループ化した。
表12
【表12】
【0257】
実施例4
機能解析
実施例1~3に記載のようにGCGRに結合する例示的抗体を、細胞を用いるアッセイでその機能活性について試験した。グルカゴンはGCGRを活性化させることによってcAMPを刺激することから、抗GCGR抗体がグルカゴン誘導性cAMP産生を阻害する能力について試験した。これらの実験では、cAMP細胞を用いるアッセイキットを製造者(Cisbio)の使用説明書に従って使用し、細胞内cAMPレベルを測定した。簡単に言えば、完全長ヒトGCGR cDNAをトランスフェクトしたCHO細胞を384ウェルプレートに1,000細胞/ウェルで播種した。抗GCGR抗体を5nMグルカゴン(Sigma)含有培地を使用して段階希釈し、各ウェルに5μLずつ加えた。細胞を暗所で1時間インキュベートした。各アッセイプレートを蛍光マイクロプレートリーダーを使用して615nm/665nmで読み取った。
【0258】
抗GCGR抗体6B5、5B11、3H5、1H7、1A2、1B4、1C1、1H2、1C3、13G9、13E9、14F4、及び4F8を用いたいくつかの代表的cAMPアッセイの結果を表13に示す。結果は各抗体のIC50測定値として示されている。
表13
【表13】
【0259】
実施例5
ヒト化抗体
実施例1~4に記載の多数の抗GCGR抗体を配列解析用に選択した。CDR及び重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を表1~10に示し、重鎖及び軽鎖の可変領域配列のアラインメントを行い
図1A-1及び1A-2にした。例示的な抗GCGR抗体6B5をヒト化用に選択した。マウス6B5の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の配列に有意に類似していたヒト生殖細胞系列配列を同定した。重鎖可変領域用の適切なヒトフレームワークアクセプターには、IGHV1-46、IGHV1-2、IGHV1-69及びIGHV5-51が含まれた。軽鎖可変領域用の適切なアクセプター配列には、IGKV2-30、IGKV3-20、IGKV3-11またはIGKV1-39が含まれた。配列類似性、生物物理特性、及び潜在的免疫原性など、因子の多重性を考慮した結果、IGHV1-69及びIGKV2-30をヒトフレームワーク配列に選択することにした。その後、同様の方法を使用してフレームワーク4配列を選択した。Immunogeneticsデータベース(IMGT)で、ヒト免疫グロブリン配列に対してマウス6B5の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の配列を検索した。IGHJ6-1ならびにIGKJ2-1をヒトドナー配列として選択した。その後、マウス6B5のCDR配列を、IGHV1-69及びIGKV2-30の対応する位置に導入(例えば、移植)し、フレームワーク4に相当するJ-領域残基を加えた。得られたタンパク質配列をDNA配列に逆翻訳し、哺乳類細胞での発現用にコドンを最適化して合成した(GeneArt/LifeTechnologies)。その後、合成したDNA断片を、In-Fusion(Clontech)を使用してpTT5ベクター(NRC Biotechnology Research Institute)にクローニングし、hIgGKシグナルペプチド-ヒト化6B5vH-hIgG1定常領域及びhIgGKシグナルペプチド-ヒト化6B5VK-hIgGK定常領域の各発現構成体(それぞれ、HC-199-69a及びLC-199-30a)を作製した。次に、フレームワーク領域内の個々の残基を経験的に選択し、QuikChange部位特異的変異導入(Agilent)を使用してマウス残基に復帰変異させた。選択した復帰変異が、GCGR由来マウス6B5配列に対するヒト化抗体の結合親和性にとって有益であるかどうかを決定するため、さまざまな変異重鎖配列をキメラ6B5軽鎖と発現させ、その逆も行った(変異軽鎖配列をキメラ6B5重鎖と発現させた)。驚くべきことに、復帰変異が全くない完全ヒト化配列は、完全マウス抗体、及びさらなるいくつかのヒト化配列と比較して同様の結合親和性を示した。対照的に、ほとんどのヒト化軽鎖変異型は低結合性を示した。驚くべきことに、軽鎖変異型の1つ(F42Y復帰変異を有するLC-199-30e)は比較できるほどの結合親和性を示し、第2の変異型(R52L変異を有するLC-199-30g)は有益な変異であることを示した。さらなるアッセイでは、LC-199-30e、及びこれらの2つの復帰変異を有するさらなる軽鎖変異型(LC-199-30i)を、ヒト化重鎖変異型と組み合わせて試験した。実施例2~4に記載のようなさらなるアッセイ(例えば、結合、親和性及びcAMPアッセイ)で試験した後、HC-199-69f及びLC-199-30iをヒト化重鎖可変領域及びヒト化軽鎖可変領域配列として選択した。
【0260】
実施例6
アラニンスキャニング解析
6B5ビニング群が結合したGCGRエピトープに関する情報収集を補助するため、「アラニンスキャニング変異導入」を実施した。アラニンスキャニング変異導入プラットフォームは、標的タンパク質を通して点変異の効果を評価することにより、線状及び立体構造の両抗原エピトープのマッピングに使用される手法である。標的タンパク質にある単一残基を1回1残基ずつアラニンで置換し、変異体ライブラリーを構築する。各変異型を、対象抗体に対するその結合能についてアッセイする。結合失敗は、そのアミノ酸が、その結合部位またはエピトープにとって重要である、または一部になっていることを示唆する。GCGRの細胞外ドメインにわたるアミノ酸をアラニンに変異させ、アラニン変異体への結合について抗GCGR抗体Hz6B5を試験した。Hz6B5抗体は、配列番号220を含む重鎖可変領域(HC-199-69fとも呼ばれる)及び配列番号221を含む軽鎖可変領域(LC-199-30iとも呼ばれる)を含む。
【0261】
野生型GCGRの細胞外ドメイン及びアラニン変異体をそれぞれ293XP細胞にトランスフェクトし、24時間インキュベートした。抗体Hz6B5をトランスフェクトした細胞と共に4℃で30分間インキュベートした。PBS/1%BSA/0.1%アジドを用いて洗浄した後、細胞を、標識済み抗マウスFc抗体(Jackson Immunoresearch)と共に4℃で30分間インキュベートした。PBS/1%BSA/0.1%アジドを用いて洗浄した後、フローサイトメーターBD(FACSCalibur装置)及びサイトメトリー解析用ソフトウェア(Flow Jo)を使用して細胞を分析した。ヒトGCGRで免疫したマウスから得た血清試料を陽性対照として使用し、アラニン変異体の発現を確認した。
【0262】
結果の代表的セットを表14及び
図2に示す。
表14
【表14】
【0263】
実施例7
動物試験
例示的な抗GCGR抗体5B11、3H5、及び6B5を動物試験で評価した。抗GCGR抗体を、血糖に対するその効果についてTET-DTAマウスモデルで試験した。
【0264】
2つのトランスジェニック系統、すなわち、1)テトラサイクリンオペレーター(tetOは、テトラサイクリン応答因子(TRE)またはtet-オペレーターとも呼ばれる)及びサイトメガロウイルス最小プロモーターの制御下でジフテリア毒素A(DTA)を発現するB6.Cg-Tg(tetO-DTA)と、2)ラットインスリン2{Ins2)プロモーターの制御下でリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子(rtTA)タンパク質を発現するIns2-rtTAとの交配により、TET-DTAトランスジェニックマウスを作製した。得られる二重トランスジェニックTET-DTAマウスにおいて、テトラサイクリン類似体であるドキシサイクリン(dox)により膵臓ベータ細胞でのジフテリア毒素Aの発現を調節する。ドキシサイクリンにより誘導されると、ジフテリア毒素Aの産生により膵臓ベータ細胞の破壊が生じる。
【0265】
TET-DTAトランスジェニックマウスに固形飼料給餌(2000mg/kg)によりドキシサイクリン投与した。5~6週齢雄マウスをドキシサイクリンで4日間処置し、血糖値をモニタリングした。約1週間以内に血糖値は約500mg/dLまで上昇した。
【0266】
ドキシサイクリン処置から1週間後、マウスを抗GCGR抗体3H5、6B5、もしくは5B11または対照の抗KLH抗体で処置した。抗体は、10mg/kgの用量を週1回、4週間、腹腔内注射した。週1回、ACCU-CHEK Active試験紙及びACCU-CHEK Activeメーター(Roche Diagnostics)を製造者の使用説明書に従って使用し非絶食時血糖値を尾の血液で測定した。
【0267】
図3に示すように、抗GCGR抗体5B11、3H5、または6B5を用いた処置により、処置マウスでの血糖値は有意に低減した。特に、4週目までには、抗GCGR抗体6B5で処置したマウスから得た血液中の血糖は約200mg/dL、すなわち、ベータ細胞が破壊される前のマウスでの血糖値と同等レベルまで低減していた。
【0268】
4週間の処置の終了時、血漿インスリンレベル、血漿C-ペプチドレベル、及び膵臓インスリン含量を測定し、ベータ細胞機能を評価した。血中インスリン及びC-ペプチドの測定では、4時間絶食後の尾の血液を処置群4群のマウスから採取した。マウス尾切片から全血(約50μl/マウス)をプレーンのキャピラリー管に採血した。Autocrit Ultra(商標)3 centrifuge(Becton Dickinson)で管を高速回転させることにより血清と血液細胞を分離した。血中インスリン及びC-ペプチドの分析には市販のELISAキット(ALPCO)を製造者の使用説明書に従って使用した。膵臓インスリン含量の測定では、マウスを安楽死させた後、Tissue Lyser(商標)(QIAGEN)を使用して約50mgの膵臓組織を酸アルコール中で均質化した。試料を冷蔵室内の回転装置上で一晩インキュベートした。試料を12,000rpmで15分間スピンダウンした後、上清をELISAによるインスリン含量分析に使用した。試料を1:20から1:200まで段階希釈し、ELISAで分析した。
【0269】
図4A及び4Bに示すように、抗GCGR抗体3H5、5B11、及び6B5を用いた処置により、インスリン及びC-ペプチドのいずれの血漿濃度も上昇した。例えば、抗体6B5での処置後、血漿インスリンレベルは、対照抗体で処置した場合と比較して約4倍上昇した。同様に、抗体6B5での処置後、血漿C-ペプチドは、対照抗体で処置した場合と比較して約2倍上昇した。さらに、
図4Cに示すように、抗GCGR抗体3H5、5B11、または6B5での処置により、膵臓インスリン含量が増加した。この実験では、抗GCGR抗体6B5での処置により、膵臓インスリン含量は対照抗体で処置した場合と比較して10倍以上増加した。
【0270】
これらの結果から、抗GCGR抗体を用いた処置は、ベータ細胞破壊後のTET-DTAマウスにおいてベータ細胞機能を改善することが示唆される。
【0271】
抗GCGR抗体6B5のヒト化型であるHz6B5.07mcを評価するため、上記と同様の実験をTET-DTAマウスモデルで実施した。抗体Hz6B5.07mcは、ヒト化重鎖可変領域、ヒト化軽鎖可変領域、及びマウスの重鎖定常領域と軽鎖定常領域を含むキメラ抗体である。
【0272】
図5A及び5Bに示すように、抗GCGR抗体Hz6B5.07mcでの処置により血糖が有意に低減し、血液C-ペプチドが有意に上昇した。さらに、
図5Cに示すように、抗GCGR抗体Hz6B5.07mcでの処置により膵臓インスリン含量が有意に増加した。
【0273】
これらの結果から、抗GCGR抗体のヒト化型は親抗GCGR抗体と類似する機能的能力を有することが実証された。
【0274】
上述した本開示では、より明確に理解するために例示及び例により詳述してきたが、その記載及び例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に記載する本開示の実施形態はあくまで例示を意図しており、当業者は、本明細書に記載する具体的な手順の同等物を多数認識するであろう。そのような同等物はすべて本開示の範囲内であり、実施形態に含まれる。
【0275】
本明細書で引用した、刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、ならびにポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を含めた受託番号/データベース配列はいずれも、個々の刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、または受託番号/データベース配列が各々参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかの如く同程度に、あらゆる目的のために参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0276】
以下は、表1~10で定義する配列以外の本明細書で開示されている配列である。
Hz6B5重鎖可変領域(配列番号220)
【化1】
Hz6B5軽鎖可変領域(配列番号221)
【化2】
予測シグナル配列(下線)のあるヒトCGCRアミノ酸配列(配列番号222)
【化3】
予測シグナル配列のないヒトCGCRアミノ酸配列(配列番号223)
【化4】
ヒトCGCR細胞外ドメイン(アミノ酸26~136)(配列番号224)
【化5】
ヒトCGCR細胞外ドメイン(アミノ酸28~123)(配列番号225)
【化6】
ヒトCGCR細胞外ドメイン(アミノ酸80~119)(配列番号226)
【化7】
カニクイザルGCGR(配列番号227)
【化8】
マウスGCGR(配列番号228)
【化9】
ラットGCGR(配列番号229)
【化10】
ヒトIgG1(配列番号230)
【化11】
ヒトIgG1 E233A/L235A(配列番号231)
【化12】
ヒトIgG1 L234A/L235A(配列番号232)
【化13】
シグナル配列(下線)のあるHz6B5重鎖アミノ酸配列(配列番号233)
【化14】
シグナル配列のないHz6B5重鎖アミノ酸配列(配列番号234)
【化15】
シグナル配列(下線)のあるHz6B5軽鎖(配列番号235)
【化16】
シグナル配列のないHz6B5軽鎖(配列番号236)
【化17】
重鎖CDR2コンセンサス配列(配列番号237)
DI
X
1
PGG
X
2
Y
X
3
NYN
X
4
KHK
X
5
ここで、
X
1
は、Y、H、F、またはS;
X
2
は、Y、G、F、またはD;
X
3
は、I、T、D、N、またはS;
X
4
は、E、K、D、G、またはA;
X
5
は、G、S、またはDである
軽鎖CDR1コンセンサス配列(配列番号238)
RSSQX
6IVX
7SX
8GNTYLE
ここで、
X
6
は、S、T、またはH;
X
7
は、D、H、またはY;
X
8
は、YまたはDである。
【0277】
配列表
本明細書は、コンピュータで読み取り可能な形式(CRF)の配列表コピーと共に提出されている。2018年1月25日に作成されたサイズ108,270バイトの13370-070-228_SEQ_LISTING.txtと題されたCRFは、紙原稿の配列表と同一であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
(a)GFTFTNHWLG(配列番号1)を含む重鎖CDR1、DIYPGGYYINYNEKFKG(配列番号2)を含む重鎖CDR2、及びHTNYGSDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3、及び/または
(b)RSSQSIVDSYGNTFLE(配列番号4)を含む軽鎖CDR1、KVSNRLS(配列番号5)を含む軽鎖CDR2、及びFQGSHVPWT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3
を含む、ヒトグルカゴン受容体(GCGR)と特異的に結合する抗体。
(態様2)
(a)配列番号25に対する配列同一性が少なくとも90%である重鎖可変領域及び配列番号26に対する配列同一性が少なくとも90%である軽鎖可変領域、または
(b)配列番号220に対する配列同一性が少なくとも90%である重鎖可変領域及び配列番号221に対する配列同一性が少なくとも90%である軽鎖可変領域
を含む、態様1に記載の抗体。
(態様3)
(a)配列番号25に対する配列同一性が少なくとも95%である重鎖可変領域及び配列番号26に対する配列同一性が少なくとも95%である軽鎖可変領域、または
(b)配列番号220に対する配列同一性が少なくとも95%である重鎖可変領域及び配列番号221に対する配列同一性が少なくとも95%である軽鎖可変領域を含む、態様1または態様2に記載の抗体。
(態様4)
配列番号25を含む重鎖可変領域及び配列番号26を含む軽鎖可変領域を含む、態様3に記載の抗体。
(態様5)
配列番号220を含む重鎖可変領域及び配列番号221を含む軽鎖可変領域を含む、態様3に記載の抗体。
(態様6)
GCGRへの特異的結合を態様1~5のいずれか1項に記載の抗体と競合する抗体。
(態様7)
(a)配列番号27を含む重鎖CDR1、配列番号28を含む重鎖CDR2、配列番号29を含む重鎖CDR3、配列番号30を含む軽鎖CDR1、配列番号31を含む軽鎖CDR2、及び配列番号32を含む軽鎖CDR3、
(b)配列番号53を含む重鎖CDR1、配列番号54を含む重鎖CDR2、配列番号55を含む重鎖CDR3、配列番号56を含む軽鎖CDR1、配列番号31を含む軽鎖CDR2、及び配列番号32を含む軽鎖CDR3、
(c)配列番号27を含む重鎖CDR1、配列番号73を含む重鎖CDR2、配列番号74を含む重鎖CDR3、配列番号75を含む軽鎖CDR1、配列番号76を含む軽鎖CDR2、及び配列番号77を含む軽鎖CDR3、
(d)配列番号99を含む重鎖CDR1、配列番号100を含む重鎖CDR2、配列番号101を含む重鎖CDR3、配列番号102を含む軽鎖CDR1、配列番号103を含む軽鎖CDR2、及び配列番号104を含む軽鎖CDR3、
(e)配列番号124を含む重鎖CDR1、配列番号125を含む重鎖CDR2、配列番号126を含む重鎖CDR3、配列番号127を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3、
(f)配列番号146を含む重鎖CDR1、配列番号147を含む重鎖CDR2、配列番号148を含む重鎖CDR3、配列番号149を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3、
(g)配列番号166を含む重鎖CDR1、配列番号167を含む重鎖CDR2、配列番号168を含む重鎖CDR3、配列番号169を含む軽鎖CDR1、配列番号170を含む軽鎖CDR2、及び配列番号171を含む軽鎖CDR3、
(h)配列番号190を含む重鎖CDR1、配列番号191を含む重鎖CDR2、配列番号192を含む重鎖CDR3、配列番号169を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号193を含む軽鎖CDR3、または
(i)配列番号190を含む重鎖CDR1、配列番号205を含む重鎖CDR2、配列番号206を含む重鎖CDR3、配列番号207を含む軽鎖CDR1、配列番号128を含む軽鎖CDR2、及び配列番号6を含む軽鎖CDR3
を含む、態様6に記載の抗体。
(態様8)
(a)配列番号51を含む重鎖可変領域及び配列番号52を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号71を含む重鎖可変領域及び配列番号72を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号97を含む重鎖可変領域及び配列番号98を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号122を含む重鎖可変領域及び配列番号123を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号144を含む重鎖可変領域及び配列番号145を含む軽鎖可変領域、
(f)配列番号164を含む重鎖可変領域及び配列番号165を含む軽鎖可変領域、
(g)配列番号188を含む重鎖可変領域及び配列番号189を含む軽鎖可変領域、
(h)配列番号203を含む重鎖可変領域及び配列番号204を含む軽鎖可変領域、または
(i)配列番号218を含む重鎖可変領域及び配列番号219を含む軽鎖可変領域
を含む、態様6に記載の抗体。
(態様9)
態様1~8のいずれか1項に記載の抗体が結合するGCGR上のエピトープと同じエピトープに結合する抗体。
(態様10)
態様1~8のいずれか1項に記載の抗体が結合するGCGR上のエピトープと重複するGCGR上エピトープに結合する抗体。
(態様11)
6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体の、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗体。
(態様12)
Hz6B5、6B5、3H5、5B11、1C1、1C3、1H2、4F8、13G9、14F4、及び14E9からなる群から選択される抗体に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体。
(態様13)
前記抗体はモノクローナル抗体である、態様1~12のいずれか1項に記載の抗体。
(態様14)
前記抗体はヒト化抗体である、態様1~13のいずれか1項に記載の抗体。
(態様15)
前記抗体はヒト抗体である、態様1~13のいずれか1項に記載の抗体。
(態様16)
前記抗体はキメラ抗体である、態様1~13のいずれか1項に記載の抗体。
(態様17)
前記抗体は二重特異性または多重特異性抗体である、態様1~16のいずれか1項に記載の抗体。
(態様18)
前記抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である、態様1~17のいずれか1項に記載の抗体。
(態様19)
前記抗体はIgG抗体である、態様1~17のいずれか1項に記載の抗体。
(態様20)
前記抗体は、IgG1抗体、IgG2抗体、またはIgG4抗体である、態様19に記載の抗体。
(態様21)
配列番号234のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号236のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、GCGRと特異的に結合する抗体。
(態様22)
検出可能マーカーと複合体化されている、態様1~21のいずれか1項に記載の抗体。
(態様23)
前記検出可能マーカーは、放射性同位元素、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物、及び化学発光化合物からなる群から選択される、態様22に記載の抗体。
(態様24)
GCGRを発現している細胞においてGCGRシグナル伝達を阻害する、態様1~21のいずれか1項に記載の抗体。
(態様25)
細胞においてGCGR活性を阻害する、態様1~21のいずれか1項に記載の抗体。
(態様26)
前記GCGRシグナル伝達またはGCGR活性はグルカゴンにより誘導される、態様24または態様25に記載の抗体。
(態様27)
cAMP活性を阻害する、態様1~21のいずれか1項に記載の抗体。
(態様28)
(i)血糖値を低減させる、
(ii)C-ペプチドレベルを上昇させる、及び/または
(iii)インスリンレベルを上昇させる、
態様1~21のいずれか1項に記載の抗体。
(態様29)
C-ペプチドのレベルを血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料で測定する、態様28に記載の抗体。
(態様30)
インスリンレベルを血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料で測定する、態様28に記載の抗体。
(態様31)
態様1~21のいずれか1項に記載の抗体を含むかまたは産生する細胞。
(態様32)
態様1~21のいずれか1項に記載の抗体を含む組成物。
(態様33)
態様1~21のいずれか1項に記載の抗体及び薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(態様34)
態様1~21のいずれか1項に記載の抗体をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド分子。
(態様35)
配列番号233、配列番号234、配列番号235、または配列番号236のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド分子。
(態様36)
態様34または態様35に記載のポリヌクレオチド分子を含むベクター。
(態様37)
態様35または態様36に記載のポリヌクレオチド分子を含む細胞。
(態様38)
態様36に記載のベクターを含む細胞。
(態様39)
細胞におけるGCGRシグナル伝達を阻害する方法であって、前記細胞を、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体と接触させることを含む、前記方法。
(態様40)
前記細胞はヒトGCGRを発現する、態様39に記載の方法。
(態様41)
前記GCGRシグナル伝達はグルカゴンにより誘導される、態様37または態様38に記載の方法。
(態様42)
対象において血糖値を低減または低下させる方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様43)
対象の血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様44)
対象の血中インスリンレベルを上昇させる方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様45)
対象の血糖値を低減または低下させ、血中C-ペプチドレベルを上昇させる方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様46)
C-ペプチドのレベルを血液試料、血清試料、血漿試料、または膵臓試料で測定する、態様43または態様44に記載の方法。
(態様47)
対象において1型糖尿病を治療する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様48)
前記1型糖尿病は成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)である、態様47に記載の方法。
(態様49)
対象において2型糖尿病を治療する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様50)
対象において高血糖症を治療する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様51)
対象においてベータ細胞機能障害に関連する疾患、障害または病態を治療する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様52)
対象においてベータ細胞に欠陥のある疾患、障害もしくは病態、またはその症状を治療する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様53)
前記疾患、障害または病態は1型糖尿病である、態様51または態様52に記載の方法。
(態様54)
前記疾患、障害または病態は2型糖尿病である、態様51または態様52に記載の方法。
(態様55)
前記治療は、
(i)血糖値を低減させる、
(ii)血中C-ペプチドレベルを上昇させる、
(iii)膵臓のC-ペプチドレベルを上昇させる、
(iv)血糖値を低減させ、血中C-ペプチドを上昇させる、及び/または
(v)血糖値を低減させ、膵臓のC-ペプチドを上昇させる、
態様47~54のいずれか1項に記載の方法。
(態様56)
対象のベータ細胞機能を改善する方法であって、前記対象に、態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様57)
前記ベータ細胞機能の改善は、血糖の減少、C-ペプチドの増加、及び/またはインスリンの増加により示される、態様56に記載の方法。
(態様58)
前記対象に、少なくとも1つのさらなる治療剤を投与することを含む、態様42~57のいずれか1項に記載の方法。
(態様59)
前記少なくとも1つのさらなる治療剤は、糖尿病用または高血糖症用の薬物である、態様58に記載の方法。
(態様60)
前記糖尿病用または高血糖症用の薬物は、ビグアナイド薬、スルホニル尿素薬、メグリチニド誘導体、アルファ-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジンジオン(TZD)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬、選択的ナトリウム-グルコース輸送体-2(SGLT-2)阻害薬、インスリンもしくはインスリン様薬、アミリン模倣薬(amylinomimetic)、胆汁酸捕捉薬、及び/またはドーパミンアゴニストである、態様59に記載の方法。
(態様61)
前記少なくとも1つのさらなる治療剤は、肥満用薬物、食欲抑制剤、または体重減少用薬物である、態様58に記載の方法。
(態様62)
前記対象は、インスリンの日用量の投与を受ける、態様42~57のいずれか1項に記載の、方法。
(態様63)
前記インスリンの日用量は、前記抗体の投与後に減量される、態様62に記載の方法。
(態様64)
医薬品製造における態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の使用であって、前記医薬品は、糖尿病治療で使用するためのものである、前記使用。
(態様65)
医薬品製造における態様1~21または24~30のいずれか1項に記載の抗体の使用であって、前記医薬品は、ベータ細胞機能の改善で使用するためのものである、前記使用。
【配列表】