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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】画素構造及びOLED表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20220114BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220114BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220114BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220114BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019563355
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2018090495
(87)【国際公開番号】W WO2019041958
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2019-11-15
(31)【優先権主張番号】201721111056.X
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェン ダンダン
(72)【発明者】
【氏名】ズ ジウジアン
(72)【発明者】
【氏名】フ キアオク
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-135333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0293084(US,A1)
【文献】特表2016-513334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の画素群を備える画素構造であり、各画素群が、第1方向においては隣り合いその第1方向に対し垂直な第2方向においては互い違い形態にて配置された、第1画素及び第2画素を備え、
第1画素が、第2方向に沿いに配列された第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素を備え、第2画素が、第2方向に沿いに配列された第3サブ画素、第1サブ画素及び第2サブ画素を備え、第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素はそれぞれ赤色、緑色及び青色から選択され、
第1の方向に沿った第1画素と第2画素との間の間隙は、第1画素及び第2画素それぞれの同色サブ画素2個の中心の間の第1方向における距離が、第2方向におけるそれに等しくなるようにされており、
前記画素群内で、赤サブ画素の面積が緑サブ画素の面積と同一であり且つ青サブ画素の面積が赤サブ画素の面積より大きい画素構造。
【請求項2】
第1方向沿いに延びる第2画素内第1サブ画素中心線が第1画素内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重なっているか、
第1方向沿いに延びる第1画素内第1サブ画素中心線が第2画素内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重なっている、
請求項1記載の画素構造。
【請求項3】
各サブ画素の開口の長さ対幅比が1~1.5の範囲内である請求項1記載の画素構造。
【請求項4】
隣り合う2個のサブ画素の第2方向における中心間距離が同一な請求項1記載の画素構造。
【請求項5】
第1画素内同色サブ画素の形状及び面積が第2画素内のそれとそれぞれ同一な請求項1記載の画素構造。
【請求項6】
サブ画素が赤サブ画素、緑サブ画素及び青サブ画素を含み、
第1方向がロー方向であり第2方向がカラム方向であるか、
第1方向がカラム方向であり第2方向がロー方向である、
請求項1乃至のうちいずれか一項記載の画素構造。
【請求項7】
請求項1乃至のうちいずれか一項記載の画素構造を備える有機発光ダイオード(OLED)表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はディスプレイテクノロジの分野に関し、具体的には画素構造及びその画素構造を有する有機発光ダイオード(OLED)表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は能動発光デバイスである。従来の液晶表示(LCD)ディスプレイとは対照的に、OLEDディスプレイテクノロジはバックライト源が必要なく自己発光特性がある。OLEDでは、比較的薄い有機素材膜層と、比較的薄いガラス基板とが用いられている。電流を流すとその有機素材膜層が発光する。従って、OLED表示パネルではかなり電気エネルギを節約でき、LCD表示スクリーンに比べて、軽量且つ薄手に製造すること、より広い温度変動域に耐えること、並びにその可視角をより大きくすることができる。OLED表示パネルは、LCD後の次世代パネルディスプレイテクノロジになるものと期待されており、現存するパネルディスプレイテクノロジのなかで最も関心を引いているテクノロジの一つである。
【0003】
OLEDスクリーン本体発色方法は多数ある。現在、比較的成熟していて成功裏に大量生産されているOLED発色テクノロジはOLED蒸着テクノロジである。OLED蒸着テクノロジでは、従来のRGBストライプ配列形態が蒸着向けに採用されている。横並び配列は最良のピクチャ効果を有するものである。横並び配列では3個のサブ画素、即ち赤、緑及び青(R、G及びB)サブ画素が画素域内に存在する。各サブ画素は四辺形であり、独立な有機発光デバイスを有している。有機発光デバイスは、アレイ基板上の対応する画素位置に、蒸着膜形成を用いファインメタルマスク(FMM)を介し形成されており、通常はそのFMMがメタルマスク及び蒸着マスクと略称されている。PPI(1インチ(約2.5cm)当たり画素数(Pixel Per Inch))が高いOLED表示パネルを生産するテクノロジでは、微細で機械的に安定なFMM及び画素(サブ画素)配列が主に注目されている。
【0004】
図1は、従来技術におけるOLED表示パネルの画素配列の模式図である。図1に示すように、OLED表示パネルでは横並び画素配列が用いられている。各画素は、Rサブ画素領域101、Gサブ画素領域103及びBサブ画素領域105を有している。それらのうちRサブ画素領域101はR発光領域102及びR非発光領域(付番せず)を有している。Gサブ画素領域103はG発光領域104及びG非発光領域(付番せず)を有している。Bサブ画素領域105はB発光領域106及びB非発光領域(付番せず)を有している。図1に示したR、G及びBサブ画素領域の面積はそれぞれその発光領域の面積と等しく、それらR、G及びBサブ画素が直線をなして配列されている。具体的には、各サブ画素領域の発光領域はカソード、アノード及び電界発光層(有機放射層とも称する)を有している。その電界発光層はカソード・アノード間に所在しており、所定色の光を生成して表示を実現するよう構成されている。従来技術における表示パネルを準備する際には、通常、蒸着プロセスを3回実行することで、対応色(赤、緑又は青)の電界発光層をその対応色の画素領域の発光領域内にそれぞれ形成することが、必要となる。
【0005】
通常、図1に示したOLED表示パネルにおける蒸着には図2に示すFMMが用いられる。このFMMは、遮蔽領域107と、幾つかの蒸着開口108とを有している。同じカラム内で隣り合う2個の蒸着開口108間の遮蔽領域はブリッジ(連結ブリッジ)と呼ばれている。蒸着中にサブ画素に対する遮蔽効果が生じることを避けるには、サブ画素・ブリッジ間を十分な距離に保つ必要がある。その結果として、サブ画素の垂直長が縮まり、各サブ画素の開口比が影響を受ける。従来のRGB画素横並び配列では200~300PPIにしか到達できず、この形態で高分解能表示効果を達成するのは難しい。OLED表示パネルの分解能に関するユーザの要請が高まるなか、こうしたRGB画素横並び配列では、高PPI製品設計条件を満足させることができない。
【0006】
図3は、従来技術における他のOLED表示パネルの画素配列の模式図である。図3に示すように、各画素のGサブ画素しか専用されておらず、R及びBサブ画素はそれぞれ隣り合う画素により共有されている。例えば、画素201及び画素202がRサブ画素を共有している。こうした方法であれば表示スクリーンのPPIを高めることができるが、この配列に従いR及びBサブ画素を隣り合う画素で共有させると、全体的な表示効果に歪みが入り込みかねず、また本当の意味でフルカラー表示にならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の主目的は、画素構造及びOLED表示パネルを提供することで、従来技術に存する諸問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成すべく、本願の諸実施形態の第1態様により提供される画素構造は複数個の画素群を有し、その画素群が、それぞれ、第1方向においては隣り合いその第1方向に対し垂直な第2方向においては互い違い形態にて配置された、第1画素及び第2画素を有する。
【0009】
第1画素及び第2画素は、それぞれ、第2方向に沿い配列された相異なる三色のサブ画素を有し、第1画素及び第2画素それぞれの同色サブ画素2個間の第1方向における距離が、第2方向におけるそれに等しい。
【0010】
付随的には、第1方向沿いに延びる第2画素内第1サブ画素中心線を第1画素内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重ねるか、第1方向沿いに延びる第1画素内第1サブ画素中心線を第2画素内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重ねる。
【0011】
付随的には、第1画素を、第2方向に沿いその順で配列された第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素を有するものとし、第2画素を、第2方向に沿いその順で配列された第3サブ画素、第1サブ画素及び第2サブ画素を有するものとする。
【0012】
付随的には、各サブ画素の開口の長さ対幅比を1~1.5の範囲内とする。
【0013】
付随的には、隣り合う2個のサブ画素の第2方向における中心間距離を同一にする。
【0014】
付随的には、第1画素内同色サブ画素の形状及び面積を第2画素内のそれとそれぞれ同一にする。
【0015】
付随的には、サブ画素のなかに赤サブ画素、緑サブ画素及び青サブ画素を含める。
【0016】
付随的には、画素群内のサブ画素の形状及び面積それぞれを同一にする。
【0017】
付随的には、画素群内で、赤サブ画素の面積を緑サブ画素の面積と同一にし、青サブ画素の面積を赤サブ画素の面積より大きくする。
【0018】
付随的には、第1方向をロー方向、第2方向をカラム方向とするか、第1方向をカラム方向、第2方向をロー方向とする。
【0019】
加えて、上掲の目的を発生すべく、本願の諸実施形態の第2態様により提供されるOLED表示パネルは、第1態様に係るいずれかの画素構造を有する。
【発明の効果】
【0020】
本願の諸実施形態により提供される画素構造及びOLED表示パネルでは、第1画素及び第2画素が第1方向に沿い隣り合わせに配置されていてそれぞれ相異なる三色のサブ画素を有すること、サブ画素が第2方向に沿い順次配列されること、第1方向に沿い延びる第2画素内第3サブ画素中心線が第1画素内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重なること、第1画素及び第2画素それぞれの同色サブ画素2個間の第1方向における距離が第2方向におけるそれに等しいこと、という諸特徴により、本当の意味でフルカラー表示を達成することができ、且つコンパクトに配列して画素間スペースを減らし高いPPIを達成することができる。隣り合うサブ画素を共有することで、1個の画素により画素2個分の表示効果を提供することができるため、スクリーンの表示分解能と製造歩留まりとを更に改善すること、並びに蒸着マスク製造プロセス及び蒸着プロセスにおける難度を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来技術におけるOLED表示パネルの画素配列の模式図である。
図2図1に対応するFMMの模式図である。
図3】従来技術における他のOLED表示パネルの画素配列の模式図である。
図4】本願の実施形態に係る画素構造の模式図である。
図5】本願の実施形態に係る画素構造中の画素群の模式的構造図である。
図6】本願の実施形態に係る画素構造中の画素群でありある画素開口長さ対幅比を有するものの模式的構造図である。
図7】本願の実施形態に係る画素構造中の画素群であり別の画素開口長さ対幅比を有するものの模式的構造図である。
図8】本願の実施形態に係る画素構造のディスプレイの模式図である。
図9a】本願の他の実施形態に係る画素構造の模式図である。
図9b】本願の他の実施形態に係る画素構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照し本願をより詳細に記述する。個々の添付図面では、同じ要素が同様の参照符号を用い表されている。明瞭性のため、添付図面中の個々の部分は等比的に描かれていない。加えて、幾つかの周知部分が図面には示されていない。
【0023】
[第1実施形態]
以下、図4図6を参照して本実施形態について記述するところ、第1方向をX方向(ロー方向又は水平方向とも称する)、第2方向をY方向(カラム方向又は垂直方向とも称する)とし、第1方向が第2方向に対し垂直であるとする。簡潔性のため、添付図面には画素構造の一部分のみを示してある。実製品では画素の量がこのようには限定されず、画素の量は実表示条件に従い相応に変わりうる。本願中の第1ロー、第2ロー、第1カラム、第2カラム等は、図面中の描写を参照標準として用いて本願を記述するために用いられており、実製品におけるロー及びカラムを指すものではない。
【0024】
注記すべきことに、本実施形態では、第1方向及び第2方向を互いに垂直にする必要がない。便宜上、第1方向及び第2方向が互いに垂直であるケースを用いることで、以下、記述が提供されている。
【0025】
図4及び図5に示すように、本願の第1実施形態により提供される画素構造は複数個の画素群を有しており、その画素群それぞれが、第1方向においては隣り合わせに配列され第2方向においては互い違い形態にて配置された第1画素30及び第2画素31を有しており、その第1画素30及び第2画素31それぞれが、相異なる三色のサブ画素を備えている。第2画素31内第1サブ画素(最上位置に所在するサブ画素)の第1方向沿い延伸中心線が、第1画素30内第1サブ画素・第2サブ画素(中庸位置に所在するサブ画素)間境界線と重なっている。
【0026】
図9a及び図9bに示すように、他の実施形態では、第1画素内第1サブ画素30の第1方向沿い延伸中心線が、第2画素31内第1サブ画素・第2サブ画素間境界線と重なっている。
【0027】
第1画素30は第1サブ画素301、第2サブ画素303及び第3サブ画素305を有しており、第2方向に沿いそれらがその順で配列されている。第2画素31は第3サブ画素311、第1サブ画素313及び第2サブ画素315を有しており、第2方向に沿いそれらがその順で配列されている。
【0028】
注記すべきことに、本実施形態では、第1画素30及び第2画素31内サブ画素の配列構造が図4図8中の構成に限定されない。サブ画素配列には様々な順列及び組合せが含まれうる。例えば、図9a及び図9bには、図4の構成とは異なる構成が示されている。記述の便宜上、以下の記述では図4図8のサブ画素配列構造が用いられている。
【0029】
本実施形態では、各サブ画素の形状を長方形や卵形にすることができる。本実施形態では何ら制限が課されていない。
【0030】
本実施形態では、第1画素30及び第2画素31それぞれのなかの第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素に、赤(R)サブ画素、緑(G)サブ画素及び青(B)サブ画素が含まれている。即ち、本願の本実施形態では、第1サブ画素が赤(R)サブ画素、緑(G)サブ画素及び青(B)サブ画素のうち一つ、第2サブ画素が赤(R)サブ画素、緑(G)サブ画素及び青(B)サブ画素のうち一つ、第3サブ画素が赤(R)サブ画素、緑(G)サブ画素及び青(B)サブ画素のうち一つとされている。第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素の色は互いに異なっている。
【0031】
一例として図5を用いると、第1画素30では、第1サブ画素301が赤(R)サブ画素、第2サブ画素303が緑(G)サブ画素、第3サブ画素305が青(B)サブ画素となっている。従って、第1サブ画素301は赤(R)発光領域302及び赤(R)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また赤色光を放射する有機放射層を有している。第2サブ画素303は緑(G)発光領域304及び緑(G)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また緑色光を放射する有機放射層を有している。第3サブ画素305は青(B)発光領域306及び青(B)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また青色光を放射する有機放射層を有している。第2画素31では、第1サブ画素313が赤(R)サブ画素、第2サブ画素315が緑(G)サブ画素、第3サブ画素311が青(B)サブ画素となっている。従って、第1サブ画素313は赤(R)発光領域314及び赤(R)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また赤色光を放射する有機放射層を有している。第2サブ画素315は緑(G)発光領域316及び緑(G)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また緑色光を放射する有機放射層を有している。第3サブ画素311は青(B)発光領域312及び青(B)非発光領域(図中で付番せず)を有しており、また青色光を放射する有機放射層を有している。
【0032】
第2画素31内第3サブ画素311の第1方向沿い延伸中心線(図4及び図5中にAで示されているもの)は、第1画素30内第1サブ画素301・第2サブ画素303間境界線と重なっている。
【0033】
注記すべきことに、第1画素30では第1サブ画素301及び第2サブ画素303が一辺を共有しているため、その共有辺が第1サブ画素301・第2サブ画素303間境界線となっている。しかしながら、ご理解頂くべきことに、本願記載の「境界」又は「境界線」は物理的な「境界」又は「境界線」を定めるものではなく、画素内の2個のサブ画素間の仮想的な「境界」又は「境界線」を指すこともある。
【0034】
第1画素30及び第2画素31それぞれの同色サブ画素2個間の第1方向における距離は、第2方向におけるそれに等しい。即ち、画素群内の同色サブ画素2個間の第1方向における距離が、第2方向におけるそれに等しい。
【0035】
一例として図6を用いると、第1カラムのRサブ画素と、第2カラム内のRサブ画素との間の距離は、ロー方向においてはx、カラム方向においてはyであり、xがyに等しくなっている。第1カラム内のGサブ画素と、第2カラム内のGサブ画素との間の距離は、ロー方向においてはx、カラム方向においてはyであり、xがyに等しくなっている。Bサブ画素の構成は上掲のものと同様であるので(図中に示さず)、ここでは詳細について再述しない。こうした画素配列を用いることで、画素をよりコンパクトに配列することができ、画素間スペースが減るので、PPIが高まることとなる。
【0036】
本実施形態では、各画素がRGB三色のサブ画素を有しており、本当の意味でフルカラー表示を達成することができる。他方で、その画素は、第1方向における分解能と第2方向における分解能とが同じである表示パネルにも、第1方向における分解能と第2方向における分解能とが異なる表示パネルにも適用しうる。隣り合う画素によりサブ画素が共有される形態では、1個の画素で画素2個分の表示効果を提供できるので、スクリーンの仮想表示分解能が更に改善されることとなる。元々の分解能nを一例として用いるなら、第1方向における共有により、画素配列の分解能を2nへと倍加することができる。共有形態に関しては、図4中の破線三角形を参照されたい。例えば、図4では、第3カラム内Rサブ画素及びGサブ画素が、第2カラム内及び第4カラム内にありそれらRサブ画素及びGサブ画素と隣り合うBサブ画素によって、共有されている。第3カラムのBサブ画素が、第2カラム内及び第4カラム内にありそのBサブ画素と隣り合うRサブ画素及びGサブ画素によって、共有されている。
【0037】
ある実施形態では、第1画素30及び第2画素31それぞれの同色サブ画素2個の個別開口長さ対幅比の値域が、1~1.5とされる。
【0038】
図6及び図7を参照頂ける通り、Rサブ画素の開口長さ対幅比はd:zであり、d:zの値域は1~1.5である。Gサブ画素及びBサブ画素の構成はRサブ画素と同様である。ここでは詳細について再述しない。サブ画素の開口長さ対幅比が1.5である場合、満足させうる設計マージンは比較的広くなる。或いは、長さ対幅比を調整することで、同色サブ画素間ブリッジ(図6にてb、図7にてb1により示されているもの)を調整してもよい。ブリッジ値の増大により機械的安定性を高め、ファインメタルマスクの製造プロセス及び蒸着プロセスにおける難度を下げることができ、ひいては製造歩留まりを高めることができる。図6及び図7を例として用いると、図7におけるブリッジ値b1は図6におけるブリッジ値bより大きい。従って、図6に比べ、図7の方が機械的安定性が高く、ファインメタルマスクの製造プロセス及び蒸着プロセスにおける難度が低く、且つ製造歩留まりが高い。
【0039】
ある実施形態では、第2方向にて、隣り合う2個のサブ画素の中心間距離が同一とされる。この実施形態により、画素をよりコンパクトに配列し、画素間スペースを減らすことが可能になるため、PPIが高まる。
【0040】
ある実施形態では、第1画素30及び第2画素31それぞれの同色サブ画素2個の形状及び面積が共に同一とされる。同色サブ画素全てが同形状且つ同面積であるので、メタルマスクに係る製造プロセス及び蒸着プロセスの難度を更に下げることができる。更に、画素群内のサブ画素全ての形状及び面積を同一に保つこともできる。
【0041】
Bサブ画素の発光効率が最も低いので、他の実施形態の画素群では、赤サブ画素の面積が緑サブ画素の面積と同一とされること並びに青サブ画素の面積が赤サブ画素の面積より大きくされることがありうる。
【0042】
[第2実施形態]
本願の第2実施形態ではOLED表示パネルが提供される。本OLED表示パネルは第1実施形態に係る画素構造を有している。
【0043】
第1実施形態でその画素構造を指すことができる。ここでは詳細について再述しない。
【0044】
本実施形態について更に記述するため、OLED表示パネル内画素構造の表示分解能について図8を参照し記述する。
【0045】
図8に示すように、ロー方向における実画素の長さ対幅比は2:1とすることができる。各カラムのサブ画素により画素のカラムが相応に表される。次の如く二通りのディスプレイ駆動方法を用いることができる。
【0046】
第1のディスプレイ駆動方法は、対応する画像のうち破線ボックス内に所在するRGBサブ画素の諸部分を表示させないものである。
【0047】
第2のディスプレイ駆動方法は、対応する画像のうち破線ボックス内に所在するRGBサブ画素の諸部分を低い輝度比率(例えば30%)で表示させ、且つ対応する画像のうち破線ボックス内に所在していないRGBサブ画素の諸部分を高い輝度比率(例えば70%)で表示させるものである。このやり方では、水平方向に隣り合うカラム間の輝度差を確保できるだけでなく、単一点の表示が過剰に歪まなくなる。確かなことに、輝度表示比率を半々にする(即ち、破線ボックス内に所在するサブ画素の諸部分を50%の輝度で表示させ且つ破線ボックスに所在していないサブ画素の諸部分を50%の輝度で表示させる)のでもよい。このやり方では、隣り合う2個のカラムが同輝度となり、表示細部がブラーする(ぶれる)。本方法は高PPIディスプレイに適用可能である。
【0048】
本願に係る諸実施形態について上述した。それら実施形態の詳細全てが具体的に記述されてはいないし、本願がそれら具体的実施形態のみに限定されるものでもない。自明な通り、上掲の記述に従い、多くの修正及び変更をなすことができる。本明細書にて選択され具体的に記述された諸実施形態は、本願の原理及び実適用をより良好に説明するために用いられており、それにより、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)が本願並びに本願に基づく修正物を好適に用いることが可能となる。本願は、特許請求の範囲と、特許請求の範囲の全技術的範囲及び均等物によってのみ、限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b