(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ハイブリッド駆動回路
(51)【国際特許分類】
H03K 17/567 20060101AFI20220114BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H03K17/567
H02M1/08 A
(21)【出願番号】P 2020027739
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】201910491216.5
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
【住所又は居所原語表記】No.3,Tungyuan Road,Chungli Industrial Zone,Chungli City,Taoyuan County Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 雷鳴
(72)【発明者】
【氏名】林 信晃
【審査官】橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026367(WO,A1)
【文献】特開2016-225696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/567
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号により並列に連結されている第1特徴トランジスタと第2特徴トランジスタを駆動するハイブリッド駆動回路であって、
前記入力信号の立ち上がりエッジにより前記第1特徴トランジスタを導通する第1導通経路と、前記入力信号の立ち下がりエッジにより前記第1特徴トランジスタを遮断する第1遮断経路と、を含む第1分岐回路と、
前記立ち上がりエッジにより前記第2特徴トランジスタを導通する第2導通経路と、前記立ち下がりエッジにより前記第2特徴トランジスタを遮断する第2遮断経路と、を含む第2分岐回路と、を含み、
前記第1特徴トランジスタと前記第2特徴トランジスタとは、導通損失とスイッチング損失が互いに異なり、
前記第1分岐回路は、直列に連結された第1ダイオードと第1抵抗、直列に連結された第2ダイオードと第2抵抗を含み、
前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとは、電流の導通方向が異なるように設置され、
前記第1ダイオードと前記第1抵抗は、前記第1導通経路を構成し、
前記第2ダイオードと前記第2抵抗は、前記第1遮断経路を構成し、
前記第2分岐回路は、直列に連結された第3ダイオードと第3抵抗、及び放電回路を含み、
前記放電回路は、前記第3ダイオードと前記第3抵抗に連結されている第4抵抗と、前記第4抵抗に連結されている第1コンデンサと、前記第4抵抗と前記第1コンデンサに連結されている第5抵抗と、前記第5抵抗に連結されている第4ダイオードと、を含み、
前記第3ダイオードと前記第4ダイオードとは、電流の導通方向が異なるように設置され、
前記第3ダイオードと前記第3抵抗は、第2導通経路を構成し、
前記第3抵抗、前記第4抵抗、前記第5抵抗及び前記第4ダイオードは、前記第2遮断経路を構成し、
前記第1導通経路と第2導通経路は、第1特徴トランジスタの導通を遅延させる第1遅延時間を生成し、
前記第1遮断経路と前記第2遮断経路は、第2特徴トランジスタの遮断を遅延させる第2遅延時間を生成する、
ことを特徴とするハイブリッド駆動回路。
【請求項2】
前記第1抵抗の抵抗値は、前記第3抵抗の抵抗値より大きく、前記第1抵抗により提供される充電時間を前記第3抵抗より長くすることにより、第1遅延時間を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項3】
前記第3抵抗、前記第4抵抗及び前記第5抵抗の合計抵抗値は、前記第2抵抗の抵抗値より大きく、前記第3抵抗、前記第4抵抗、前記第5抵抗と前記第1コンデンサにより提供される放電時間を前記第2抵抗より長くすることにより、第2遅延時間を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項4】
前記第1特徴トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、
前記第2特徴トランジスタは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項5】
フォトカプラ駆動モジュールを含み、
前記フォトカプラ駆動モジュールは、
前記第1分岐回路に連結されている第1フォトカプラドライバと、前記第1フォトカプラドライバと前記第1特徴トランジスタに連結されている第1勾配調整回路と、を含む第1フォトカプラ駆動回路と、
前記第2分岐回路に連結されている第2フォトカプラドライバと、前記第2フォトカプラドライバと前記第2特徴トランジスタに連結されている第2勾配調整回路と、を含む第2フォトカプラ駆動回路と、を含み、
前記第1フォトカプラドライバは、前記入力信号により第1駆動信号を提供し、
前記第1勾配調整回路は、前記第1駆動信号の第1立ち上がりエッジと第1立ち下がりエッジの勾配を緩やかに調整し、
前記第2フォトカプラドライバは、入力信号により第2駆動信号を提供し、
前記第2勾配調整回路は、前記第2駆動信号の第2立ち上がりエッジと第2立ち下がりエッジの勾配を緩やかに調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項6】
前記第1フォトカプラドライバと前記第2フォトカプラ
ドライバは、それぞれ、フォトカプラユニットと、フォトカプラユニットに連結されている駆動ユニットと、を含み、
前記フォトカプラユニットは、立ち上がりエッジにより第1トリガーポイントに上がって高レベル信号を提供し、立ち下がりエッジにより第2トリガーポイントに下がって低レベル信号を提供し、
前記駆動ユニットは、前記第1特徴トランジスタ又は第2特徴トランジスタを導通するために、前記高レベル信号により駆動電圧を提供し、前記第1特徴トランジスタ又は第2特徴トランジスタを遮断するために、前記低レベル信号により前記駆動電圧を提供しない、
ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項7】
前記第1勾配調整回路と前記第2勾配調整回路は、それぞれ、第8抵抗と、前記第8抵抗に直列に連結されている第7ダイオードと、前記第8抵抗と前記第7ダイオードに並列に連結されている第9抵抗と、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項8】
フォトカプラ駆動モジュールを含み、
前記フォトカプラ駆動モジュールは、前記入力信号に連結されている第1フォトカプラ駆動回路と、前記入力信号に連結されている第2フォトカプラ駆動回路と、を含み、
第1フォトカプラドライバの出力は、前記第1分岐回路に連結され、
第2フォトカプラドライバの出力は、前記第2分岐回路に連結される、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項9】
入力信号により並列に連結されている第1特徴トランジスタと第2特徴トランジスタを駆動するハイブリッド駆動回路であって、
前記入力信号の立ち上がりエッジにより前記第1特徴トランジスタを導通する第1導通経路と、前記入力信号の立ち下がりエッジにより前記第1特徴トランジスタを遮断する第1遮断経路と、を含む第1分岐回路と、
前記立ち上がりエッジにより前記第2特徴トランジスタを導通する第2導通経路と、前記立ち下がりエッジにより前記第2特徴トランジスタを遮断する第2遮断経路と、を含む第2分岐回路と、を含み、
前記第1特徴トランジスタと前記第2特徴トランジスタとは、導通損失とスイッチング損失が互いに異なり、
前記第1導通経路と第2導通経路は、第1特徴トランジスタの導通を遅延させる第1遅延時間を生成し、
前記第1遮断経路と前記第2遮断経路は、第2特徴トランジスタの遮断を遅延させる第2遅延時間を生成し、
前記第1分岐回路は、第5ダイオードと、前記第5ダイオードに並列に連結されている第6抵抗と、前記第5ダイオードと第6抵抗に連結されている第2コンデンサと、を含み、
前記第2分岐回路は、前記第5ダイオードと電流の導通方向が異なるように設置されている第6ダイオードと、前記第6ダイオードに並列に連結されている第7抵抗と、前記第
6ダイオードと第7抵抗に並列に連結されている第3コンデンサと、を含み、
前記第6抵抗は、前記第1導通経路であり、
前記第5ダイオードは、前記第1遮断経路であり、
前記第6ダイオードは、前記第2導通経路であり、
前記第7抵抗は、前記第2遮断経路である、
ことを特徴とするハイブリッド駆動回路。
【請求項10】
前記第6抵抗と前記第2コンデンサにより提供される充電時間を前記第3コンデンサより長くすることにより、前記第1遅延時間を生成し、
前記第7抵抗と前記第3コンデンサにより提供される放電時間を前記第2コンデンサより長くすることにより、前記第2遅延時間を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項11】
前記第1特徴トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、
前記第2特徴トランジスタは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである、
ことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項12】
フォトカプラ駆動モジュールを含み、
前記フォトカプラ駆動モジュールは、
前記第1分岐回路に連結されている第1フォトカプラドライバと、前記第1フォトカプラドライバと前記第1特徴トランジスタに連結されている第1勾配調整回路と、を含む第1フォトカプラ駆動回路と、
前記第2分岐回路に連結されている第2フォトカプラドライバと、前記第2フォトカプラドライバと前記第2特徴トランジスタに連結されている第2勾配調整回路と、を含む第2フォトカプラ駆動回路と、を含み、
前記第1フォトカプラドライバは、前記入力信号により第1駆動信号を提供し、
前記第1勾配調整回路は、前記第1駆動信号の第1立ち上がりエッジと第1立ち下がりエッジの勾配を緩やかに調整し、
前記第2フォトカプラドライバは、入力信号により第2駆動信号を提供し、
前記第2勾配調整回路は、前記第2駆動信号の第2立ち上がりエッジと第2立ち下がりエッジの勾配を緩やかに調整する、
ことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項13】
前記第1フォトカプラドライバと前記第2フォトカプラ
ドライバは、それぞれ、フォトカプラユニットと、フォトカプラユニットに連結されている駆動ユニットと、を含み、
前記フォトカプラユニットは、立ち上がりエッジにより第1トリガーポイントに上がって高レベル信号を提供し、立ち下がりエッジにより第2トリガーポイントに下がって低レベル信号を提供し、
前記駆動ユニットは、前記第1特徴トランジスタ又は第2特徴トランジスタを導通するために、前記高レベル信号により駆動電圧を提供し、前記第1特徴トランジスタ又は第2特徴トランジスタを遮断するために、前記低レベル信号により前記駆動電圧を提供しない、
ことを特徴とする請求項12に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項14】
前記第1勾配調整回路と前記第2勾配調整回路は、それぞれ、第8抵抗と、前記第8抵抗に直列に連結されている第7ダイオードと、前記第8抵抗と前記第7ダイオードに並列に連結されている第9抵抗と、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のハイブリッド駆動回路。
【請求項15】
フォトカプラ駆動モジュールを含み、
前記フォトカプラ駆動モジュールは、前記入力信号に連結されている第1フォトカプラ駆動回路と、前記入力信号に連結されている第2フォトカプラ駆動回路と、を含み、
第1フォトカプラドライバの出力は、前記第1分岐回路に連結され、
第2フォトカプラドライバの出力は、前記第2分岐回路に連結される、
ことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド駆動回路に関し、特に、異なる特徴トランジスタを駆動するハイブリッド駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電力電子分野において、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;IGBT)と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor;MOSFET)は一般的なパワースイッチ素子である。スイッチング周波数を考える場合、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは通常20kHz以下のスイッチング回路に適用されるが、スイッチング周波数が20kHz以上である場合、通常は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタをスイッチング回路として使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スイッチング周波数をパワースイッチ素子の選択基準とするが、その主な原因は異なるスイッチ素子の特徴の効率に対する影響である。具体的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタの導通損失(conduction losses)が低く、スイッチング損失(switching losses)が高い。高周波スイッチングに利用される場合、高いスイッチング損失はより多くのパワーを消耗し(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの場合はちょうど逆である)、効率が降下する。しかしながら、スイッチング回路の設計において、多くの場合は、単一種類のパワースイッチ素子のみを選択する。回路の体積を縮小するために、より高いスイッチング周波数を選択することが趨勢であるが、単一特徴のパワー素子はパワー損失を効果的に降下することができない。
【0004】
本発明の目的とするところは、異なる特徴のパワースイッチ素子を駆動し、2種類のパワースイッチ素子の利点を兼備するハイブリッド駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のハイブリッド駆動回路は、入力信号により並列に連結されている第1特徴トランジスタと第2特徴トランジスタを駆動し、該ハイブリッド駆動回路は、入力信号の立ち上がりエッジにより第1特徴トランジスタを導通する第1導通経路及び入力信号の立ち下がりエッジにより第1特徴トランジスタを遮断する第1遮断経路を含む第1分岐回路と、立ち上がりエッジにより第2特徴トランジスタを導通する第2導通経路及び立ち下がりエッジにより第2特徴トランジスタを遮断する第2遮断経路を含む第2分岐回路と、を含む。ここで、第1導通経路と第2導通経路は、第1特徴トランジスタの導通を遅延させる第1遅延時間を生成し、第1遮断経路と第2遮断経路は、第2特徴トランジスタの遮断を遅延させる第2遅延時間を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は本発明のハイブリッド駆動回路の第1実施例の回路のブロック図である。
【
図2A】
図2Aは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する波形を示す図である。
【
図2B】
図2Bは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを遮断する波形を示す図である。
【
図3A】
図3Aは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する導通経路を示す図である。
【
図3B】
図3Bは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する遮断経路を示す図である。
【
図4】
図4は本発明のハイブリッド駆動回路の第2実施例の回路のブロック図である。
【
図5A】
図5Aは本発明のフォトカプラ駆動モジュールを有するハイブリッド駆動回路の第1実施例のブロック図である。
【
図5B】
図5Bは本発明のフォトカプラ駆動モジュールを有するハイブリッド駆動回路の第2実施例のブロック図である。
【
図6】
図6は本発明のフォトカプラ駆動モジュールの回路のブロック図である。
【
図7】
図7は本発明の勾配調整回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、図面に合わせて本発明の技術的内容及び詳細を説明する。
【0008】
図1は本発明のハイブリッド駆動回路の第1実施例の回路のブロック図である。ハイブリッド駆動回路100は、コントローラ200から入力信号Sinを受信し、入力信号Sinにより並列に連結されている第1特徴トランジスタと第2特徴トランジスタを駆動する。説明しやすくするために、ここで、第1特徴トランジスタは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を例とし、第2特徴トランジスタは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を例とするが、それに限定されず、例えば、第2特徴トランジスタはシリコンカーバイド金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(SiC-MOSFET)又は窒化ガリウム(Gallium nitride)などの特徴の異なるパワー半導体素子であってもよい。ハイブリッド駆動回路100は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結されている第1分岐回路10と、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に連結されている第2分岐回路20と、を含む。第1分岐回路10は、直列に連結されている第1ダイオードD1と第1抵抗R1、直列に連結されている第2ダイオードD2と第2抵抗R2を含み、第1ダイオードD1の陽極と第2ダイオードD2の陰極は入力信号Sinに連結され、第1抵抗R1と第2抵抗R2は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結され、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2は電流の導通方向が異なるように設置され、ここで方向はトランジスタに流入又は流出する方向を示す。
【0009】
第2分岐回路20は、直列に連結されている第3ダイオードD3と第3抵抗R3、及び放電回路202を含む。放電回路202は第3ダイオードD3、第3抵抗R3及び入力信号Sinに連結され、第4抵抗R4、第1コンデンサC1、第5抵抗R5及び第4ダイオードD4を含む。第4抵抗R4の一端は第3ダイオードD3と第3抵抗R3の間に連結され、第4抵抗R4の他端は第1コンデンサC1の一端に連結され、第1コンデンサC1の他端は接地点に連結されている。第5抵抗R5の一端は第4抵抗R4と第1コンデンサC1の間に連結され、第5抵抗R5の他端は第4ダイオードD4の陽極に連結されている。第3ダイオードD3の陽極と第4ダイオードD4の陰極は入力信号Sinに連結され、第3抵抗R3は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に連結されており、同様に、第3ダイオードD3と第4ダイオードD4は電流の導通方向が異なるように設置されている。
【0010】
具体的に、第1ダイオードD1と第1抵抗R1は第1導通経路を構成し、第1導通経路は入力信号Sinの立ち上がりエッジにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を導通する。第2ダイオードD2と第2抵抗R2は第1遮断経路を構成し、第1遮断経路は入力信号Sinの立ち下がりエッジにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を遮断する。第3ダイオードD3と第1抵抗R3は第2導通経路を構成し、第2導通経路は入力信号Sinの立ち上がりエッジにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタ400を導通する。第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5及び第4ダイオードD4は第2遮断経路を構成し、第2導通経路は入力信号Sinの立ち下がりエッジにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタ400を遮断する。
【0011】
図2Aは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する波形を示す図であり、
図2Bは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを遮断する波形を示す図であり、
図1に合わせて
図2A~
図2Bを繰り返して参照する。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300の導通損失は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400より低いが、スイッチング損失は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400より高く、そのため、入力信号Sinの立ち上がりエッジにおいて、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300より速く導通可能であり、効果的にスイッチング損失を低減することができる。逆に、入力信号Sinの立ち下がりエッジにおいて、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300より遅く遮断されることができ、同じく効果的にスイッチング損失を低減することができる。説明しやすくするために、本発明の一実施例において、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の波形を点線で表示し、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300の波形を実線で表示する。
【0012】
具体的に、本発明のハイブリッド駆動回路100は、如何に金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を効果的に事前に導通し遮断を遅延させて、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通させるが、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300が導通していない場合(
図2Aに示すように)、スイッチング損失の低い金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400のみを電流が流れるようにすることにより、スイッチング損失を効果的に低減することを主要目的とする。強調すべきことは、
図2Bに示すように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を先に遮断する場合の操作も同じであるため、ここで繰り返した説明を省略する。
図2A~2Bに示すように、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400と絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300が全て導通された場合、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300の導通インピーダンスが低いため、大部分の電流を絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を流れるようにし、少ない一部の電流のみが金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を流れるため、効果的に導通損失を低減することができる。このため、ハイブリッド駆動回路100は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の導通と遮断時間を制御しなければならない。
【0013】
図3Aは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する導通経路を示す図であり、
図1~
図2Bに合わせて参照する。ハイブリッド駆動回路100の第1導通経路Pc1は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を導通し、第2導通経路Pc2は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通する。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通する時点が絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300より速くなければならないため、第1抵抗R1の抵抗値は第3抵抗R3の抵抗値より大きく設計しなければならず(例えば、第1抵抗R1は70オームであり、第3抵抗R3は40オームであるがこれに限定されない)、よって第1抵抗R1と絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300における寄生容量により構成されたRC回路の時定数を大きくし、充電時間を長くする(第3抵抗R3と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400における寄生容量(点線でコンデンサを表示)により構成されたRC回路の時定数に比べて)。充電時間が異なるため、第1導通経路Pc1の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を導通することと第2導通経路Pc2の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通することとの間に第1遅延時間が生成し、よって
図2Aに示すような導通順序を提供する。強調すべきことは、本発明の一実施例において、充電時間は第1抵抗R1又は第3抵抗R3の抵抗値を調整する以外に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の寄生容量の静電容量を選定することにより調整することができる。
【0014】
図3Bは本発明のハイブリッド駆動回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを導通する遮断経路を示す図であり、
図1~
図2Bに合わせて参照する。ハイブリッド駆動回路100の第1遮断経路Ps1は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を遮断し、第2遮断経路Ps2は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断する。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断する時点が絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300より遅くなければならないため、第3抵抗R3、第4抵抗R4及び第5抵抗R5の合計抵抗値を第2抵抗R2の抵抗値(例えば、第3抵抗R3は40オームであり、第4抵抗R4は40オームであり、第5抵抗R5は50オームであり、第2抵抗R2は50オームであるがこれに限定されない)より大きく設計しなければならず、よって絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を遮断する場合、単一の抵抗値の小さい第2抵抗R2のみにより放電させ、放電時間が短い。しかしながら、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断する場合、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5と第1コンデンサC1により構成されたRC回路の時定数が大きいため、放電時間が長い(第2抵抗R2と絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300の時定数に比べて)。放電時間が異なるため、第1遮断経路Ps1の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を遮断することと第2遮断経路Ps2の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断することとの間に第2遅延時間が生成し、よって
図2Bに示す遮断順序を提供する。強調すべきことは、本発明の一実施例において、放電時間は第2抵抗R2又は第3抵抗R3、第4抵抗R4又は第5抵抗R5の抵抗値を調整する以外に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の寄生容量(点線で表示されたコンデンサ)又は第1コンデンサC1の静電容量を選定することにより調整することもできる。
【0015】
図4は本発明のハイブリッド駆動回路の第2実施例の回路のブロック図であり、
図1~
図3Bに合わせて参照する。ハイブリッド駆動回路100’は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結されている第1分岐回路10’と、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に連結されている第2分岐回路20’と、を含む。第1分岐回路10’は第5ダイオードD5、第6抵抗R6及び第2コンデンサC2を含み、第5ダイオードD5の陰極は入力信号Sinに連結され、第5ダイオードD5の陽極は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結されている。第6抵抗R6は第5ダイオードD5に並列に連結され、第2コンデンサC2の一端は第5ダイオードD5、第6抵抗R6及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結され、第2コンデンサC2の他端は接地点に連結されている。第2分岐回路20’は、第6ダイオードD6、第7抵抗R7及び第3コンデンサC3を含み、第6ダイオードD6の陽極は入力信号Sinに連結され、第6ダイオードD6の陰極は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に連結され、第5ダイオードD5と第6ダイオードD6は電流の導通方向が異なるように設置されている。第7抵抗R7は第6ダイオードD6に並列に連結され、第3コンデンサC3の一端は第6ダイオードD6、第7抵抗R7及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に並列に連結され、第3コンデンサC3の他端は接地点に連結されている。
【0016】
具体的に、第6抵抗R6は第1導通経路であり、第5ダイオードD5は第1遮断経路である。第6ダイオードD6は第2導通経路であり、第7抵抗R7は第2遮断経路である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400が導通される場合、第6抵抗R6と第2コンデンサC2はRC回路を構成し、入力信号Sinの立ち上がりエッジは直接第3コンデンサC3を充電する。従って、第6抵抗R6と第2コンデンサC2を構成するRC回路の充電時間は第3コンデンサC3の充電時間より長い。充電時間が異なるため、第1導通経路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を導通することと第2導通経路Pc2の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通することとの間に第1遅延時間が生成し、よって
図2Aに示すような導通順序を提供する。強調すべきことは、本発明の一実施例において、充電時間は抵抗値を調整する以外に、静電容量を調整することもできる。
【0017】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400が遮断される場合、第7抵抗R7と第3コンデンサC3はRC回路を構成し、第2コンデンサC2は直接放電する。従って、第7抵抗R7と第3コンデンサC3により構成されたRC回路の充電時間は第2コンデンサC2の充電時間より長い。充電時間が異なるため、第1遮断経路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300を遮断することと第2遮断経路の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断することとの間に第2遅延時間が生成し、よって
図2Bに示すような遮断順序を提供する。強調すべきことは、本発明の一実施例において、充電時間は抵抗値を調整する以外に、静電容量を調整することもできる。
【0018】
図5Aは本発明のフォトカプラ駆動モジュールを有するハイブリッド駆動回路の第1実施例のブロック図であり、
図1~
図4に合わせて参照する。駆動回路を隔離しなければならない場合、隔離素子を使用し、該隔離素子は、フォトカプラ式、コンデンサ式又は磁気結合式などの素子を含んでもよい。説明しやすくするために、以下にフォトカプラタイプを例とし、ハイブリッド駆動回路100はフォトカプラ駆動モジュール30を含み、フォトカプラ駆動モジュール30は第1分岐回路10、第2分岐回路20、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の間に連結され、フォトカプラ駆動モジュール30は第1フォトカプラ駆動回路302と第2フォトカプラ駆動回路304を含む。第1フォトカプラ駆動回路302は、第1フォトカプラドライバ302-1と第1勾配調整回路302-2を含み、第1フォトカプラドライバ302-1は第1分岐回路10に連結され、第1勾配調整回路302-2は第1フォトカプラドライバ302-1と絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に連結されている。第2フォトカプラ駆動回路304は第2フォトカプラドライバ304-1と第2勾配調整回路304-2を含み、第2フォトカプラドライバ304-1は第2分岐回路20に連結され、第2勾配調整回路304-2は第1フォトカプラドライバ304-1と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に連結されている。
【0019】
具体的に、第1フォトカプラ駆動回路302は、第1分岐回路10により提供される信号により第1駆動信号を絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300に提供し、第2フォトカプラ駆動回路304は、第2分岐回路20により提供される信号により第2駆動信号を金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400に提供する。第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1は立ち上がりエッジがトリガーポイントに上がって高レベル信号にトリガーされ、立ち下がりエッジがトリガーポイントに下がって低レベル信号にトリガーされる特徴を有するため、
図2Aと
図2Bにおいて、勾配を有する波形は第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1を経過した後、Aポイントで得られた第1駆動信号又は第2駆動信号が方形波に近い波形(I)になり、このように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400の遅延時間を制御することができ、導通と遮断過程の持続時間が長すぎて過大な損耗が発することがない。しかしながら、方形波に近い波形(I)は急勾配の立ち上がりエッジと立下りエッジを有するため、高い電磁干渉(EMI)を生成し、従って、Bポイントで得られた第1駆動信号又は第2駆動信号が台形波の波形(II)になるように、第1勾配調整回路302-2と第2勾配調整回路304-2を利用して波形(I)の立ち上がりエッジと立下りエッジの勾配を少し緩やかに調整することができる。ここで、
図5Aに示すように、第1勾配調整回路302-2と第2勾配調整回路304-2は勾配調整抵抗RS1、RS2であってもよく、抵抗を利用して抵抗値の特徴を提供し、急勾配の立ち上がりエッジと立下りエッジを有する波形(I)を緩やかに立ち上がる立ち上がりエッジと緩やかに立ち下がる立下りエッジを有する波形(II)に調整する。
【0020】
図5Bは本発明のフォトカプラ駆動モジュールを有するハイブリッド駆動回路の第2実施例のブロック図であり、
図1~
図5Aに合わせて参照する。本実施例と
図5Aの第1実施例との区別は、フォトカプラ駆動モジュール30’が入力信号Sin、第1分岐回路10、第2分岐回路20に連結されることである。入力信号Sinは第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1を経過した後、入力信号Sinが同じであるため、Aポイントで得られた信号はほぼ同じであり、また、それぞれ第1分岐回路10、第2分岐回路20を経過して遅延効果を達成する。具体的に、
図5Aと
図5Bのフォトカプラ駆動モジュール30の設置位置の区別は、第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1の導通又は遮断のスイッチング時間が速いため、フォトカプラ駆動モジュール30が
図5Aの位置に設置される場合、遅延時間を生成しスイッチングの過程を長くさせないことができ、このように、必要のない損耗を減少させることができることである。従って、フォトカプラ駆動モジュール30は
図5Aの位置に設置されることが好ましく、回路全体の損耗を降下することができる。
【0021】
図6は本発明のフォトカプラ駆動モジュールの回路のブロック図であり、
図1~
図5Bに合わせて参照する。第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1はフォトカプラユニット306と駆動ユニット308を含む。
図5Aの回路構造と接続関係を例とし、フォトカプラユニット306が立ち上がりエッジに沿って第1トリガーポイントに上がる場合、高レベル信号を提供し、立下りエッジに沿って第2トリガーポイントに下がる場合、低レベル信号を提供する。具体的に、フォトカプラユニット306の出力はスイッチング速度が速い特徴を有するため、立ち上がりエッジの電圧値がトリガーポイントの電圧値に徐々に上昇された場合、フォトカプラユニット306は迅速にスイッチングされて導通される(立ち下がりエッジも同じである)。従って、フォトカプラユニット306は緩やかに立ち上がり又は緩やかに立ち下がる波形を急勾配の立ち上がり又は立ち下がりを有する波形に調整することができる。しかしながら、フォトカプラユニット306は立ち上がりエッジ又は立下りエッジがトリガーポイントに達しなければ、導通にスイッチングされ又は遮断にスイッチングされない。従って、フォトカプラユニット306は、同時に、入力波形と出力波形を少し遅延させる。
【0022】
ここで、VCCは駆動電圧であり、VEEは参照対地電圧である。フォトカプラユニット306により提供される高レベル信号は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を駆動できる充分な駆動電圧VCCを有していないため、駆動ユニット308を利用して駆動電圧VCCを提供することにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を駆動しなければならない。フォトカプラユニット306により提供される信号が高レベル信号である場合、駆動ユニット308は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を導通するために、高レベル信号により駆動電圧VCCを提供する。その後、フォトカプラユニット306により提供される信号が低レベル信号である場合、駆動ユニット308は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ300又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ400を遮断するために、低レベル信号により駆動電圧VCCを提供しない。強調すべきことは、本発明の一実施例において、第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1は、ヒューレットパッカード製のフォトカプラドライバHCPL-3120を例とするがこれに限定されない。言い換えれば、第1フォトカプラドライバ302-1と第2フォトカプラドライバ304-1はいずれも効果の同様なフォトカプラドライバ又はその他の隔離型ドライバを利用して替代することができる。
【0023】
図7は本発明の勾配調整回路の回路図であり、
図1~
図6に合わせて参照する。
図5Aに示す第1勾配調整回路302-2、第2勾配調整回路304-2は勾配調整抵抗RS1、RS2であり、同時に波形(I)の立ち上がりエッジと立下りエッジの勾配を調整することができる。その回路の構造が簡単であるが、立ち上がりエッジの勾配と立下りエッジの勾配をそれぞれ且つ単独に調整することができない。しかし、
図7の実施例における勾配調整回路302-2’、304-2’は立ち上がりエッジの勾配と立下りエッジの勾配をそれぞれ且つ単独に調整することができる。具体的に、第1勾配調整回路302-2’、第2勾配調整回路304-2’は第8抵抗R8、第7ダイオードD7及び第9抵抗R9を含む。第7ダイオードD7の陰極は第8抵抗R8に直列に連結され、第9抵抗R9は第8抵抗R8と第7ダイオードD7に並列に連結され、第9抵抗R9は第7ダイオードD7の陽極に連結されている。第1駆動信号又は第2駆動信号の立ち上がりエッジの経路は、第9抵抗R9を流れ、第1駆動信号又は第2駆動信号の立下りエッジの経路は、第8抵抗R8と第7ダイオードD7を流れる。第1駆動信号又は第2駆動信号が立ち上がりエッジにおいて、第9抵抗R9は第1立ち上がりエッジ又は第2立ち上がりエッジの勾配を緩やかに調整し、第1駆動信号又は第2駆動信号が立ち下がりエッジにおいて、第8抵抗R8は第1立下りエッジ又は第2立下りエッジの勾配を緩やかに調整する。
【0024】
さらに、第9抵抗R9と第8抵抗R8は立ち上がりエッジの勾配と立下りエッジの勾配をそれぞれ且つ単独に調整することができるため、設計者はスイッチング損失と電磁干渉の二重要素を考慮して、適切な立ち上がりエッジの勾配と立ち下がりエッジの勾配を選定することができる。即ち、第9抵抗R9と第8抵抗R8の抵抗値は最適化設計により異ならせることができる。
【0025】
ところが、上記は本発明の好ましい具体的な実施例の詳細な説明及び図面に過ぎず、本発明の特徴は上記に限定されず、本発明を限定するものではない。本発明のすべての範囲は上記特許請求の範囲に準ずるべきであり、本発明の特許請求の範囲の精神とその類似する変化に適する実施例であれば、いずれも本発明の範囲内に含まれるべきであり、当業者であれば、本発明の範囲内で、容易に想到できる変化又は修飾はいずれも本案の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
100、100’ ハイブリッド駆動回路
10、10’ 第1分岐回路
Pc1 第1導通経路
Ps1 第1遮断経路
20、20’ 第2分岐回路
Pc2 第2導通経路
Ps2 第2遮断経路
202 放電回路
30、30’ フォトカプラ駆動モジュール
302 第1フォトカプラ駆動回路
302-1 第1フォトカプラドライバ
302-2、302-2’ 第1勾配調整回路
304 第2フォトカプラ駆動回路
304-1 第2フォトカプラドライバ
304-2、304-2’ 第2勾配調整回路
306 フォトカプラユニット
308 駆動ユニット
200 コントローラ
300 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
400 金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ
R1~R9 第1抵抗~第9抵抗
RS1、RS2 勾配調整抵抗
D1~D7 第1ダイオード~第7ダイオード
C1~C3 第1コンデンサ~第3コンデンサ
Sin 入力信号
VCC 駆動電圧
VEE 参照対地電圧
(I)~(II) 波形