(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】フィルタ取付構造
(51)【国際特許分類】
G03B 11/00 20210101AFI20220114BHJP
【FI】
G03B11/00
(21)【出願番号】P 2020189062
(22)【出願日】2020-11-13
【審査請求日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】202010352203.2
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519341050
【氏名又は名称】深▲せん▼市鋭麗瓏精密光学有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】廖 熹
(72)【発明者】
【氏名】陸 ▲ウェイ▼
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0018918(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0052332(US,A1)
【文献】特開2000-275492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ取付構造であって、
レンズ接続プレートと第1のフィルタフレームとを含み、
前記レンズ接続プレートには、回転調節リングと取付リングとが設けられており、前記取付リングと前記回転調節リングとが固着接続され、前記取付リングには、位置制限溝が設けられており、前記第1のフィルタフレームには、位置制限ブロックが設けられており、前記第1のフィルタフレームは、前記取付リングに吸着され、前記位置制限ブロックは、前記位置制限溝内に収容され、前記回転調節リングは、回動することで前記取付リングの回動を駆動し、前記取付リングは、回動することで前記第1のフィルタフレームの回動を駆動し、
前記フィルタ取付構造は、第2のフィルタフレームをさらに含み、前記第2のフィルタフレームは、前記第1のフィルタフレームの前記取付リングから離れた一方の端に可動に吸着され、前記第1のフィルタフレームに対して回動可能であることを特徴とする、フィルタ取付構造。
【請求項2】
前記取付リングには、前記回転調節リング内に収容されて前記回転調節リングにネジ接続される取付部がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ取付構造。
【請求項3】
前記第1のフィルタフレームには、前記取付リング内に収容される第1のロケートリングがさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ取付構造。
【請求項4】
前記レンズ接続プレートは、第1の取付溝が設けられたハウジングをさらに含み、前記回転調節リングは、前記取付リングとともに前記第1の取付溝内に可動に収容され、前記回転調節リングは、前記ハウジングと前記取付リングとの間に位置することを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ取付構造。
【請求項5】
前記ハウジングには、前記第1の取付溝に連通して前記回転調節リングの一部を前記ハウジングから露出させる少なくとも1つの調節溝がさらに設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のフィルタ取付構造。
【請求項6】
前記フィルタ取付構造は、位置制限板をさらに含み、前記ハウジングには、前記第1の取付溝に連通する第2の取付溝がさらに設けられており、前記位置制限板の一部は、前記第2の取付溝内に収容され、前記ハウジングに可動に接続され、前記位置制限板を回動させて、前記位置制限板を前記回転調節リングに当接させることで、前記回転調節リングの回動が制限されることを特徴とする、請求項4に記載のフィルタ取付構造。
【請求項7】
前記位置制限板は、第1の部分、第2の部分、及び位置制限部を含み、前記第1の部分が前記第2の取付溝内に収容されるまで前記位置制限板を回動させると、前記第2の部分が前記第2の取付溝から突出し、前記位置制限部が前記回転調節リングに当接することを特徴とする、請求項6に記載のフィルタ取付構造。
【請求項8】
前記第2の部分には、第1の磁性素子が設けられており、前記ハウジングは、前記第2の取付溝内に固定して取り付けられた第2の磁性素子をさらに含み、前記第2の部分が前記第2の取付溝内に収容されるまで前記位置制限板を回動させると、前記第1の磁性素子と前記第2の磁性素子とが互いに吸着することを特徴とする、請求項7に記載のフィルタ取付構造。
【請求項9】
前記ハウジングは、押さえリングをさらに含み、前記ハウジングには、前記取付リングの上方に配置されるロケート部がさらに設けられており、前記押さえリングは、前記ロケート部にネジ接続され、前記押さえリングは、前記取付リングに当接することを特徴とする、請求項4に記載のフィルタ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影・撮像機器の分野に関し、特にフィルタ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
写真やビデオを撮影する時に、より良い撮影効果を得るために、レンズの前にフィルタが付けられることがあり、撮影効果に対するユーザーの要求がますます高くなるにつれて、1枚のフィルタではユーザーの撮影の需要を満たすことができなくなり、ユーザーは、レンズの前に2枚以上のフィルタを取り付けて撮影する場合が多い。
現在市販されている2枚のフィルタの取付構造には、以下の2種類がある。
【0003】
第1種では、第1フィルタがレンズに固定接続され、第2フィルタが第1フィルタに可動に接続され、第1フィルタがレンズに対して回動することができないため、ユーザーは第2フィルタしか回動できず、第1フィルタを回動するというユーザーの要求は、満たすことができない。
【0004】
第2種では、第1フィルタがレンズに可動に接続され、第1フィルタがレンズに対して回動可能であり、第2フィルタが第1フィルタに可動に接続されるが、第2フィルタは、回動すると、第1フィルタの回動を引き起こしてしまい、第1フィルタまたは第2フィルタの回動を単独に制御するというユーザーの要求は、満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するために、フィルタを自在に回動できるフィルタ取付構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術的手段によって達成される。
【0007】
本発明は、フィルタ取付構造を提出する。前記フィルタ取付構造は、レンズ接続プレートと第1のフィルタフレームとを含み、前記レンズ接続プレートには、回転調節リングと取付リングとが設けられており、前記取付リングと前記回転調節リングとが固着接続され、前記取付リングには、位置制限溝が設けられており、前記第1のフィルタフレームには、位置制限ブロックが設けられており、前記第1のフィルタフレームは、前記取付リングに吸着され、前記位置制限ブロックは、前記位置制限溝内に収容され、前記回転調節リングは、回動することで前記取付リングの回動を駆動し、前記取付リングは、回動することで前記第1のフィルタフレームの回動を駆動する。
【0008】
さらに、前記取付リングには、前記回転調節リング内に収容されて前記回転調節リングにネジ接続される取付部がさらに設けられている。
【0009】
さらに、前記第1のフィルタフレームには、前記取付リング内に収容され前記取付リングに当接する第1のロケートリングがさらに設けられている。
【0010】
さらに、前記レンズ接続プレートは、第1の取付溝が設けられたハウジングをさらに含み、前記回転調節リングは、前記取付リングとともに前記第1の取付溝内に可動に収容され、前記回転調節リングは、前記ハウジングと前記取付リングとの間に位置する。
【0011】
さらに、前記ハウジングには、前記第1の取付溝に連通して前記回転調節リングの一部を前記ハウジングから露出させる少なくとも1つの調節溝がさらに設けられている。
【0012】
さらに、前記フィルタ取付構造は、位置制限板をさらに含み、前記ハウジングには、前記第1の取付溝に連通する第2の取付溝がさらに設けられており、前記位置制限板の一部は、前記第2の取付溝内に収容され、前記ハウジングに可動に接続され、前記位置制限板を回動させて、前記位置制限板を前記回転調節リングに当接させることで、前記回転調節リングの回動が制限される。
【0013】
さらに、前記位置制限板は、第1の部分、第2の部分、及び位置制限部を含み、前記第1の部分が前記第2の取付溝内に収容されるまで前記位置制限板を回動させると、前記第2の部分が前記第2の取付溝から突出し、前記位置制限部が前記回転調節リングに当接する。
【0014】
さらに、前記第2の部分には、第1の磁性素子が設けられており、前記ハウジングは、前記第2の取付溝内に固定して取り付けられた第2の磁性素子をさらに含み、前記第2の部分が前記第2の取付溝内に収容されるまで前記位置制限板を回動させると、前記第1の磁性素子と前記第2の磁性素子とが互いに吸着する。
【0015】
さらに、前記ハウジングは、押さえリングをさらに含み、前記ハウジングには、前記取付リングの上方に配置されるロケート部がさらに設けられており、前記押さえリングは、前記ロケート部にネジ接続され、前記押さえリングは、前記取付リングに当接する。
【0016】
さらに、前記フィルタ取付構造は、前記第1のフィルタフレームの前記取付リングから離れた一方の端に可動に吸着される、前記第1のフィルタフレームに対して回動可能な第2のフィルタフレームをさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以下の有利な作用効果を奏する。
【0018】
本発明に供されるフィルタ取付構造では、回転調節リングを回動させることによって、第1のフィルタフレームを回動させることができ、第2のフィルタフレームを回動させたい場合、位置制限板を回動させて位置制限部を回転調節リングに当接させることで、回転調節リングが回動できないように位置制限され、この時、第1のフィルタフレームを回動させることなく第2のフィルタフレームを回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明のフィルタ取付構造のハウジングの部分斜視図である。
【
図3】本発明のフィルタ取付構造のハウジングの別の部分斜視図である。
【
図5】本発明のフィルタ取付構造のレンズ接続プレートの斜視図である。
【
図6】本発明のフィルタ取付構造の位置制限板の斜視図である。
【
図7】本発明のフィルタ取付構造の取付リングの斜視図である。
【
図8】本発明のフィルタ取付構造の第1のフィルタフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術的手段をより明確かつ完全に説明するために、以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0021】
図1から
図8に示すように、本発明は、フィルタ取付構造を提出する。当該フィルタ取付構造は、レンズ接続プレート10と第1のフィルタフレーム20とを含み、前記レンズ接続プレート10には、回転調節リング11と取付リング12とが設けられており、前記取付リング12と前記回転調節リング11とが固着接続され、前記取付リング12には、位置制限溝121が設けられており、前記第1のフィルタフレーム20には、位置制限ブロック21が設けられており、前記第1のフィルタフレーム20は、前記取付リング12に吸着され、前記位置制限ブロック21は、前記位置制限溝121内に収容され、前記回転調節リング11は、回動することで前記取付リング12の回動を駆動し、前記取付リング12は、回動することで前記第1のフィルタフレーム20の回動を駆動する。
【0022】
本実施形態では、前記回転調節リング11は、前記レンズ接続プレート10に対して回動可能であり、前記取付リング12と前記回転調節リング11とが固着接続され、前記回転調節リング11は、回動することで前記取付リング12の回動を駆動し、前記第1のフィルタフレーム20内に磁石が配置されており、前記取付リング12は、鉄質材料で構成されており、前記第1のフィルタフレーム20がマグネット吸着によって前記取付リング12に吸着されると、前記位置制限ブロック21は、前記位置制限溝121内に収容され、前記第1のフィルタフレーム20は、前記取付リング12に対して回動できないように位置制限される。
さらに、前記取付リング12には、前記回転調節リング11内に収容されて前記回転調節リング11にネジ接続される取付部122がさらに設けられている。
【0023】
本実施形態では、前記取付部122と前記回転調節リング11とがネジ接続され、これらを取り付けるときに、前記取付リング12と前記回転調節リング11とが固着接続されるように、前記取付部122を前記回転調節リング11内にねじ込む。
【0024】
さらに、前記第1のフィルタフレーム20には、前記取付リング12内に収容されて前記取付リング12に当接する第1のロケートリング22がさらに設けられている。
【0025】
本実施形態では、前記第1のロケートリング22は、前記取付リング12内に収容され、前記取付リング12に当接し、前記第1のフィルタフレーム20は、前記取付リング12に対して摺動できないように位置制限される。
【0026】
さらに、前記レンズ接続プレート10は、第1の取付溝131が設けられたハウジング13をさらに含み、前記回転調節リング11は、前記取付リング12とともに、前記第1の取付溝131内に可動に収容され、前記回転調節リング11は、前記ハウジング13と前記取付リング12との間に位置する。
【0027】
本実施形態では、前記回転調節リング11は、前記取付リング12とともに、前記第1の取付溝131内に可動に収容され、前記回転調節リング11、前記取付リング12はいずれも前記ハウジング13に対して回動可能であり、前記ハウジング13には、環状のロケート板137がさらに設けられており、環状のロケート板137によって、前記レンズ接続プレート10が外部レンズに取り付けられる。
【0028】
さらに、前記ハウジング13には、前記第1の取付溝131に連通して前記回転調節リング11の一部を前記ハウジング13から露出させる少なくとも1つの調節溝132がさらに設けられている。
【0029】
本実施形態では、前記調節溝132の数は2つであり、前記調節溝132によって、前記回転調節リング11を回動させることができる。
【0030】
さらに、前記フィルタ取付構造は、位置制限板30をさらに含み、前記ハウジング13には、前記第1の取付溝131に連通する第2の取付溝133がさらに設けられており、前記位置制限板30の一部は、前記第2の取付溝133内に収容され、前記ハウジング13に可動に接続され、前記位置制限板30を回動させて前記位置制限板30を前記回転調節リング11に当接させることで、前記回転調節リング11の回動が制限される。前記位置制限板30は、第1の部分31、第2の部分32、及び位置制限部33を含み、前記第1の部分31が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させると、前記第2の部分32が前記第2の取付溝133から突出し、前記位置制限部33が前記回転調節リング11に当接する。
【0031】
本実施形態では、ネジによって前記ハウジング13及び前記位置制限板30を貫通することで、前記位置制限板30と前記ハウジング13とが可動に接続され、前記回転調節リング11の回動を制限したい場合、前記第1の部分31を押圧して、前記第1の部分31が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させると、前記第2の取付溝133の溝壁によって前記第1の部分31が挾持され、前記第1の部分31が回動されて前記第2の取付溝133から露出することが制限され、前記位置制限部33が前記回転調節リング11に当接して、前記回転調節リング11が回動できないように位置制限される。
【0032】
さらに、前記第2の部分32には、第1の磁性素子321が設けられており、前記ハウジング13は、前記第2の取付溝133内に固定して取り付けられた第2の磁性素子134をさらに含み、前記第2の部分32が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させると、前記第1の磁性素子321と前記第2の磁性素子134とが互いに吸着する。
【0033】
本実施形態では、前記第2の部分32を押圧して、前記第2の部分32が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させると、前記第1の磁性素子321と前記第2の磁性素子134とが互いに吸着して、前記第2の部分32が回動されて前記第2の取付溝133から露出することが制限され、前記位置制限部33と前記回転調節リング11とが間隔をあけて、前記回転調節リング11が前記ハウジング13に対して回動可能である。
【0034】
さらに、前記ハウジング13は、押さえリング135をさらに含み、前記ハウジング13には、前記取付リング12の上方に配置されるロケート部136がさらに設けられており、前記押さえリング135は、前記ロケート部136にネジ接続され、前記押さえリング135は、前記取付リング12に当接する。
【0035】
本実施形態では、前記押さえリング135と前記ハウジング13とが固定して接続されるように、前記押さえリング135が前記ロケート部136にネジ接続され、前記押さえリング135と前記ロケート部136とをネジ接続することで、前記押さえリング135の取付けが容易になり、前記押さえリング135が前記取付リング12に当接することで、前記取付リング12の位置が制限され、前記取付リング12が前記第1の取付溝131から離脱することが防止される。
【0036】
さらに、前記フィルタ取付構造は、前記第1のフィルタフレーム20の前記取付リング12から離れた一方の端に可動に吸着される、前記第1のフィルタフレーム20に対して回動可能な第2のフィルタフレーム40をさらに含む。
【0037】
本実施形態では、前記第1のフィルタフレーム20及び前記第2のフィルタフレーム40内に、いずれもレンズを取り付けて用いることができ、前記第2のフィルタフレーム40内にも、前記第1のフィルタフレーム20内にも磁石が配置されており、前記第2のフィルタフレーム40は、磁気によって、前記第1のフィルタフレーム20の前記取付リング12から離れた一方の端に可動に吸着され、使用時、前記第1のフィルタフレーム20を回動させたい場合、前記第2の部分32を押圧して、前記第2の部分32が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させて、前記回転調節リング11の回動によって、前記第1のフィルタフレーム20の回動を引き起こし、第1のフィルタフレーム20を回動させることなく第2のフィルタフレーム40を回動させたい場合、前記第1の部分31を押圧して、前記第1の部分31が前記第2の取付溝133内に収容されるまで前記位置制限板30を回動させ、この時、前記第2のフィルタフレーム40を回動させると、前記回転調節リング11が回動できないように位置制限されるため、前記第1のフィルタフレーム20も回動できないように位置制限される。
【0038】
無論、本発明は、その他の多くの実施形態を有してもよく、本実施形態に基づいて、当業者が何ら創造的な働きをせずに得た他の実施形態は全て、本発明が保護する範囲に属する。