(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるサイドリンク識別子変更のための方法及び機器
(51)【国際特許分類】
H04W 92/18 20090101AFI20220117BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20220117BHJP
H04W 76/23 20180101ALI20220117BHJP
【FI】
H04W92/18
H04W80/02
H04W76/23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020213361
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2021-02-16
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】潘 立▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 豊旗
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520588(JP,A)
【文献】特表2017-530650(JP,A)
【文献】特表2016-536820(JP,A)
【文献】特開2017-103750(JP,A)
【文献】InterDigital,TS 23.287 Unicast for V2X communication over PC5 reference point[online],3GPP TSG SA WG2 #131 S2-1901749,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_131_Tenerife/Docs/S2-1901749.zip>,2019年03月01日,1-4頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ機器(UE)がレイヤ2 ID(アイデンティティ)を更新する方法であって、当該方法は、
第2のUEとのユニキャストリンクを確立するステップであって、前記第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び前記第2のUEの第2のレイヤ2 IDが、前記ユニキャストリンクでのデータ送受信に使用される、確立するステップと、
前記ユニキャストリンクのリンク識別子更新要求メッセージを前記第2のUEに送信するステップであって、前記リンク識別子更新要求メッセージには、前記第1のUEの新しい第1のレイヤ2 IDが含まれる、送信するステップと、
前記第2のUEから前記ユニキャストリンクのリンク識別子更新受入れメッセージを受信するステップであって、前記リンク識別子更新受入れメッセージには、前記第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる、受信するステップと、
前記リンク識別子更新受入れメッセージの受信に応答して、リンク識別子更新肯定応答(ACK)メッセージが送信のために下位層に渡された後に、前記第1のUEの前記新しい第1のレイヤ2 ID及び前記第2のUEの前記新しい第2のレイヤ2 IDを前記下位層に渡すステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記ユニキャストリンクの前記リンク識別子更新ACKメッセージを、前記第1のUEの前記第1のレイヤ2 ID及び前記第2のUEの前記第2のレイヤ2 IDを用いて前記第2のUEに送信するステップをさらに含み、前記リンク識別子更新ACKメッセージには、前記第2のUEの前記新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リンク識別子更新要求メッセージは、直接リンク識別子更新要求(DIRECT LINK
UPDATE REQUEST)メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リンク識別子更新受入れメッセージは、直接リンク識別子更新受入れ(DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACCEPT)メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リンク識別子更新ACKメッセージは、直接リンク識別子更新ACK(DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACK)メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記下位層は、前記第1のUEの無線リンク制御(RLC)層、媒体アクセス制御(MAC)層、及び/又は物理(PHY)層である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レイヤ2 ID(アイデンティティ)を更新する第1のUE(ユーザ機器)であって、当該第1のUEは、
制御回路と、
該制御回路に取り付けられたプロセッサと、
前記制御回路に取り付けられ、且つ前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリと、を有しており、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されたプログラムコードを実行して、
第2のUEとのユニキャストリンクを確立することであって、当該第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び前記第2のUEの第2のレイヤ2 IDが、前記ユニキャストリンクでのデータ送受信に使用される、前記確立することと、
前記ユニキャストリンクのリンク識別子更新要求メッセージを前記第2のUEに送信することであって、前記リンク識別子更新要求メッセージには、前記第1のUEの新しい第1のレイヤ2 IDが含まれる、前記送信することと、
前記第2のUEから前記ユニキャストリンクのリンク識別子更新受入れメッセージを受信することであって、前記リンク識別子更新受入れメッセージには、前記第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる、前記受信することと、
前記リンク識別子更新受入れメッセージの受信に応答して、リンク識別子更新肯定応答(ACK)メッセージが送信のために下位層に渡された後に、前記第1のUEの前記新しい第1のレイヤ2 ID及び前記第2のUEの前記新しい第2のレイヤ2 IDを前記下位層に渡すことと、を行うように構成される、
第1のUE。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記メモリに格納された前記プログラムコードを実行して、
前記ユニキャストリンクの前記リンク識別子更新ACKメッセージを、前記第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの第2のレイヤ2 IDを用いて前記第2のUEに送信することを行うようにさらに構成され、前記リンク識別子更新ACKメッセージには、前記第2のUEの前記新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる、請求項7に記載の第1のUE。
【請求項9】
前記リンク識別子更新要求メッセージは、直接リンク識別子更新要求(DIRECT LINK
UPDATE REQUEST)メッセージである、請求項7に記載の第1のUE。
【請求項10】
前記リンク識別子更新受入れメッセージは、直接リンク識別子更新受入れ(DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACCEPT)メッセージである、請求項7に記載の第1のUE。
【請求項11】
前記リンク識別子更新ACKメッセージは、直接リンク識別子更新ACK(DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACK)メッセージである、請求項7に記載の第1のUE。
【請求項12】
前記下位層は、前記第1のUEの無線リンク制御(RLC)層、媒体アクセス制御(MAC)層、及び/又は物理(PHY)層である、請求項7に記載の第1のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年3月18日に出願された米国仮特許出願第62/991,266号の利益を主張するものであり、この文献の開示全体は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、無線通信ネットワーク、より具体的には、無線通信システムにおけるサイドリンク識別子変更のための方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信装置同士の間の大量のデータの通信に対する需要の急速な増大に伴い、従来の移動音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットを使用して通信するネットワークに進化している。このようなIPデータパケット通信は、モバイル通信装置のユーザにVoice over IP、マルチメディア、マルチキャスト、及びオンデマンド通信サービスを提供できる。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のVoice over IP及びマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供できる。次世代の新しい無線技術(例えば、5G)は、現在3GPP規格化団体によって議論されている。従って、3GPP規格の現在の主要部への変更が現在提出されており、3GPP規格を進化させて完成させることを検討している。
【発明の概要】
【0005】
レイヤ2 ID(アイデンティティ)を更新する第1のUE(ユーザ機器)の観点からの方法及び機器を開示する。一実施形態では、この方法は、第1のUEが第2のUEとのユニキャストリンクを確立するステップを含み、第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの第2のレイヤ2 IDが、ユニキャストリンクでのデータの送受信に使用される。この方法は、第1のUEがユニキャストリンクのリンク識別子更新要求メッセージを第2のUEに送信するステップをさらに含み、リンク識別子更新要求メッセージには、第1のUEの新しい第1のレイヤ2 IDが含まれる。この方法は、第1のUEが第2のUEからユニキャストリンクのリンク識別子更新受入れ(accept)メッセージを受信するステップも含み、リンク識別子更新受入れメッセージには、第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる。さらに、この方法は、リンク識別子更新受入れメッセージの受信に応答して、リンク識別子更新肯定応答(ACK)メッセージが送信のために下位層に渡された後に、第1のUEが第1のUEの新しい第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDを下位層に渡すステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的な一実施形態による無線通信システムの図である。
【
図2】例示的な一実施形態による、送信機システム(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム(ユーザ機器又はUEとしても知られている)のブロック図である。
【
図3】例示的な一実施形態による通信システムの機能ブロック図である。
【
図4】例示的な一実施形態による
図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
【
図5】3GPP TS 24.587 V2.0.0の
図6.1.2.2の写しである。
【
図6】3GPP TS 24.587 V2.0.0の
図6.1.2.5.2.1の写しである。
【
図7】例示的な一実施形態によるUE1とUE2との間のユニキャストリンク上のレイヤ2 ID変更を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態によるプライバシータイマーを考慮に入れた、(
図7に示される例示的なシナリオに加えて)両方のUEの別のシナリオを示すフローチャートである。
【
図9】例示的な一実施形態によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する例示的な無線通信システム及び装置は、ブロードキャストサービスをサポートする無線通信システムを使用している。無線通信システムは、音声及びデータ等の様々なタイプの通信を提供するために広く展開されている。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(Long Term Evolution)無線アクセス、3GPP LTE-A又はLTE-Advanced(Long Term Evolution Advanced)、3GPP2 UMB(Ultra
Mobile Broadband)、WiMax(登録商標)、3GPP NR(New Radio)、又はいくつかの他の変調技術に基づき得る。
【0008】
特に、以下に説明する例示的な無線通信システム装置は、本明細書で3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」と名付けられたコンソーシアムによって提供される規格等の1つ又は複数の規格をサポートするように設計され得、その規格は、TS 24.587 v2.0.0、“Vehicle-to-Everything (V2X) services in 5G
System (5GS) Stage 3”を含む。上記の規格及び文書は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による多元接続無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、1つのグループが104及び106を含み、別のグループが108及び110を含み、更なるグループが112及び114を含む。
図1では、各アンテナグループに対して2つのアンテナのみが示されているが、各アンテナグループに対してより多い又はより少ないアンテナを利用してもよい。アクセス端末116(AT)が、アンテナ112及び114と通信しており、アンテナ112及び114は、順方向リンク120を介してアクセス端子116に情報を送信し、逆方向リンク118を介してアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端子(AT)122は、アンテナ106及び108と通信しており、アンテナ106及び108は、順方向リンク126を介してアクセス端末(AT)122に情報を送信し、逆方向リンク124を介してアクセス端末(AT)122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118、120、124、及び126が、通信のために異なる周波数を使用することができる。例えば、順方向リンク120は、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用することができる。
【0010】
アンテナの各グループ及び/又はそれらアンテナが通信するように設計される領域は、大抵の場合に、アクセスネットワークのセクターと呼ばれる。一実施形態では、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされる領域のセクター内のアクセス端末と通信するように設計される。
【0011】
順方向リンク120及び126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122の順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用することができる。また、アクセスネットワークがビームフォーミングを使用して、カバレッジ全体にランダムに分散したアクセス端末に送信することによって、単一のアンテナを介して全てのアクセス端末に送信するアクセスネットワークよりも、隣接するセル内のアクセス端末への干渉が少なくなる。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するために使用される固定局又は基地局であり得、アクセスポイント、ノードB、基地局、拡張型基地局、進化型ノードB(eNB)、又は他の用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信装置、端末、アクセス端末、又は他の用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム250(アクセス端末(AT)又はユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡略化したブロック図である。送信機システム210では、いくつかのデータストリームに関するトラフィックデータが、データソース212から送信(TX)データプロセッサ210に提供される。
【0014】
一実施形態では、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、そのデータストリームに対して選択された特定のコード化スキームに基づいて、各データストリームに関するトラフィックデータをフォーマット、コード化、及びインターリーブして、コード化したデータを提供する。
【0015】
各データストリームに関するコード化したデータは、OFDM技術を使用してパイロットデータと共に多重化され得る。パイロットデータは、典型的に、既知の方法で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するために使用できる。次に、各データストリームに関する多重化したパイロットデータ及びコード化したデータは、そのデータストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK、又はM-QAM等)に基づいて変調(つまり、シンボルマッピング)され、変調シンボルを提供する。各データストリームのデータレート、コード化、及び変調は、プロセッサ230によって実行される命令によって決定され得る。
【0016】
次に、全てのデータストリームに関する変調シンボルがTX MIMOプロセッサ220に提供され、TX MIMOプロセッサ220は、変調シンボルを(例えば、OFDMのために)さらに処理することができる。次に、TX MIMOプロセッサ220は、NT変調シンボルストリームをNT送信機(TMTR)222a~222tに提供する。特定の実施形態では、TX MIMOプロセッサ220は、データストリームのシンボル及びシンボルを送信しているアンテナにビームフォーミングの重みを適用する。
【0017】
各送信機122は、それぞれのシンボルストリームを受信及び処理して1つ又は複数のアナログ信号を提供し、さらにアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。次に、送信機222a~222tからのNT変調信号は、それぞれNTアンテナ224a~224tから送信される。
【0018】
受信機システム250において、送信された変調信号は、NRアンテナ252a~252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)254a~254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調整(例えば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)し、調整した信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにサンプルを処理して、対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
次に、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、NR受信機254からNR受信シンボルストリームを受信及び処理して、NT「検出」シンボルストリームを提供する。次に、RXデータプロセッサ260は、検出した各シンボルストリームを復調、デインターリーブ、及びデコードして、データストリームに関するトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210におけるTX MIMOプロセッサ220及びTXデータプロセッサ210によって実行される処理を補完するものである。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディング・マトリックスを使用するかを定期的に決定する(以下で説明する)。プロセッサ270は、マトリックス・インデックス部分及びランク値部分を含む逆方向リンクメッセージを作成する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信したデータストリームに関する様々なタイプの情報を含み得る。次に、逆方向リンクメッセージは、データソース236からいくつかのデータストリームに関するトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a~254rによって調整され、送信機システム210に送り返される。
【0022】
送信機システム210において、受信機システム250からの変調信号は、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータプロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信された予備リンクメッセージを抽出する。次に、プロセッサ230は、ビームフォーミングの重みを決定するためにどのプリコーディング・マトリックスを使用するかを決定し、次に、抽出したメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信装置の代替の簡略化した機能ブロック図を示している。
図3に示されるように、無線通信システムにおける通信装置300は、
図1のUE(又はAT)116及び122又は
図1の基地局(又はAN)100を実現するために利用され得、無線通信システムは、好ましくはLTE又はNRシステムである。通信装置300は、入力装置302、出力装置304、制御回路306、中央処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及びトランシーバ314を含むことができる。制御回路306は、CPU308によってメモリ310内のプログラムコード312を実行し、それにより通信装置300の動作を制御する。通信装置300は、キーボード又はキーパッド等の入力装置302を介してユーザが入力した信号を受信し、画像を出力し、モニタ又はスピーカ等の出力装置304を通して音を出すことができる。トランシーバ314は、無線信号を送受信し、受信信号を制御回路306に配信し、制御回路306によって生成された信号を無線で出力するために使用される。無線通信システムにおける通信装置300は、
図1のAN100を実現するためにも利用され得る。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による
図3に示されるプログラムコード312の簡略化したブロック図である。この実施形態では、プログラムコード312は、アプリケーション層400、レイヤ(層)3部分402、及びレイヤ2部分404を含み、レイヤ1部分406に結合される。レイヤ3部分402は、一般に無線リソース制御を実行する。レイヤ2部分404は、一般にリンク制御を実行する。レイヤ1部分406は、一般に物理的接続を実行する。
【0025】
3GPP TS 24.587は、PC5インターフェースを介したV2X(Vehicle-to-Everything)通信のための以下の手順を導入した。
6.1 PC5を介したV2X通信
6.1.1 概略
この項では、PC5を介したV2X通信に関するUEにおける及びUE同士の間の手順について説明する。
UEは、PC5を介したV2X通信を保護するための要件をサポートする必要がある。
[・・・]
PC5を介したIPベースと非IPベースとの両方のV2X通信がサポートされる。IPベースのV2X通信の場合に、IPv6のみが使用される。現在の文書のこのリリースでは、IPv4はサポートされていない。
PC5を介して伝送されるV2Xメッセージは、ユーザプレーンを使用して交換され、且つユーザ機器(UE)が新しい無線(NR-PC5)又は進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E-UTRA-PC5)を使用しているかに依存して、ブロードキャスト、ユニキャスト、又はグループキャストを介して送受信され得る。
注:PC5を介してブロードキャスト、ユニキャスト、又はグループキャストを使用できるかどうかに関する更なる詳細については、3GPP TS 23.287[3]の5.2.1項に記載される。
6.1.2 NRベースのPC5を介したユニキャストモード通信
6.1.2.1 概略
この項では、V2X通信のユニキャストモードでの2つのUEの間のPC5シグナリングプロトコル手順について説明する。次のPC5シグナリングプロトコル手順が規定される:
a)PC5ユニキャストリンクの確立;
b)PC5ユニキャストリンクの変更;
c)PC5ユニキャストリンクのリリース;
d)PC5ユニキャストリンクの識別子更新;
e)PC5ユニキャストリンクの認証;
f)PC5ユニキャストリンクのセキュリティモード制御;及び
g)PC5ユニキャストリンクのキープアライブ(keep-alive)。
6.1.2.2 PC5ユニキャストリンクの確立手順
6.1.2.2.1 概略
PC5ユニキャストリンクの確立手順を使用して、2つのUEの間にPC5ユニキャストリンクを確立する。要求メッセージを送信するUEは「開始UE」と呼ばれ、他方のUEは「ターゲットUE」と呼ばれる。
[・・・]
6.1.2.2.2 開始UEによるPC5ユニキャストリンクの確立手順の開始
[・・・]
開始UEは、この手順を開始する前に、次の前提条件を満たす必要がある:
a)上位層からの、PC5を介したV2Xサービスのパケットを送信する要求;
b)開始UEのリンク層識別子(つまり、ユニキャスト通信に使用されるレイヤ2 ID)が利用可能である(例えば、事前構成又は自己割り当てされる);
c)ユニキャスト初期シグナリングのリンク層識別子(つまり、ユニキャスト初期シグナリングに使用される宛先レイヤ2 ID)が、開始UEで使用できる(例えば、事前構成される、5.2.3項で指定されるように取得される、又は以前のV2X通信を介して既知である);
d)開始UEは、サービングPLMNのNRでPC5を介したV2X通信を許可されているか、又はE-UTRANがサービスを提供しておらず、且つNRがサービスを提供していない場合にNRでPC5を介したV2X通信の有効な許可を有している;及び
e)ピアアプリケーション層IDのペアに既存のPC5ユニキャストリンクがなく、このPC5ユニキャストリンクのネットワーク層プロトコルが、このV2Xサービスの開始UEの上位層に必要なものと同じである。
PC5ユニキャストリンクの確立手順を開始するために、開始UEは、DIRECT LINK
ESTABLISHMENT REQUEST(直接リンク確立要求)メッセージを作成する必要がある。開始UEは:
a)上位層から受信した開始UEのアプリケーション層IDに設定された送信元(source:ソース)ユーザ情報を含めるものとする;
b)上位層から受信したV2Xサービス識別子を含めるものとする;
c)上位層から受信した場合に、ターゲットUEのアプリケーション層IDに設定されたターゲットユーザ情報を含めることができる;及び
d)セキュリティ確立情報を含めるものとする。
[・・・]
DIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージが生成された後に、開始UEは、ユニキャスト通信のための開始UEのレイヤ2 ID及びユニキャスト初期シグナリングに使用される宛先レイヤ2 IDとともに、このメッセージを送信のために下位層に渡し、タイマーT5000を開始する。UEは、タイマーT5000の実行中に、同じアプリケーション層IDで識別される同じターゲットUEに新しいDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージを送信してはならない。
[“PC5 unicast link establishment procedure”という表題の3GPP TS 24.587 V2.0.0の
図6.1.2.2.2を、
図5として再現する]
6.1.2.2.3 ターゲットUEによって受け入れられるPC5ユニキャストリンクの確立手順
DIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージを受信すると、ターゲットUEは、このPC5ユニキャストリンクにレイヤ2 IDを割り当て、この割り当てられたレイヤ2 ID及び下位層によって提供されるこのメッセージの転送に使用される送信元ソースレイヤ2 IDを格納する。このレイヤ2 IDのペアは、PC5ユニキャストリンクコンテキストに関連付けられる。
a)ターゲットユーザ情報IEがDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージに含まれ、このIEにはターゲットUEのアプリケーション層IDが含まれる、又は
b)ターゲットユーザ情報IEがDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージに含まれておらず、ターゲットUEがDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージのV2Xサービス識別子によって識別されるV2Xサービスに関心がある場合に、
次に、ターゲットUEは、開始UEとの既存のセキュリティコンテキストを識別するか、又は6.1.2.6項で指定される1つ又は複数のPC5ユニキャストリンク認証手順を実行し、且つ6.1.2.7項で指定されるPC5ユニキャストリンクのセキュリティモード制御手順を実行して、新しいセキュリティコンテキストを確立する必要がある。
PC5ユニキャストリンクのセキュリティモード制御手順が成功裏に完了すると、DIRECT LINK
ESTABLISHMENT REQUESTメッセージを受け入れることができるか否かを判定するために、IP通信の場合に、ターゲットUEは、開始UEとターゲットUEとの両方でサポートされる少なくとも1つの共通IPアドレス構成オプションがあるかどうかをチェックする。
ターゲットUEがPC5ユニキャストリンクの確立手順を受け入れる場合に、ターゲットUEは、DIRECT
LINK ESTABLISHMENT ACCEPT(直接リンク確立受入れ)メッセージを作成する必要がある。ターゲットUEは:
a)上位層から受信したターゲットUEのアプリケーション層IDに設定された送信元ユーザ情報を含めるものとする;
b)PQFI及び対応するPC5 QoSパラメータを含めるものとする;
c)IP通信が使用されている場合に、次のいずれかの値に設定されたIPアドレス構成IEを含めることができる:
1)IPv6アドレス割当てメカニズムのみがターゲットUEによってサポートされている場合、つまりIPv6ルーターとして機能している場合に、「IPv6ルーター」;又は
2)IPv6アドレス割当てメカニズムがターゲットUEによってサポートされていない場合に、「IPv6アドレス割当てがサポートされていない」;
d)IPアドレス構成IEが「IPv6アドレス割当てがサポートされていない」に設定され、且つ受信したDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージにリンクローカルIPv6アドレスIEが含まれている場合に、IETF RFC4862[16]に基づいてローカルに形成されたリンクローカルIPv6アドレスIEを含めることができる。
6.1.2.2.4 開始UEによるPC5ユニキャストリンクの確立手順の完了
DIRECT LINK ESTABLISHMENT ACCEPTメッセージを受信すると、開始UEは、タイマーT5000を停止し、下位層によって提供されるこのメッセージの転送に使用される送信元レイヤ2 ID及び宛先レイヤ2 IDを格納する必要がある。このレイヤ2 IDのペアは、PC5ユニキャストリンクコンテキストに関連付けられる必要がある。この時点以降、開始UEは、PC5を介したV2X通信ために確立されたリンクを使用し、追加のPC5シグナリングメッセージをターゲットUEに送信するものとする。
[・・・]
6.1.2.5 PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順
6.1.2.5.1 概略
PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を使用して、新しい識別子を使用する前に、PC5ユニキャストリンクの2つのUEの間で新しい識別子(例えば、アプリケーション層ID、レイヤ2 ID、セキュリティ情報、及びIPアドレス/プレフィックス(prefix))を更新及び交換する。DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUEST(直接リンク識別子更新要求)メッセージを送信するUEは「開始UE」と呼ばれ、他方のUEは「ターゲットUE」と呼ばれる。
6.1.2.5.2 開始UEによるPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順の開始
開始UEは、
a)開始UEは、上位層からアプリケーション層IDを変更する要求を受信し、このアプリケーション層IDに関連付けられた既存のPC5ユニキャストリンクがある;又は
b)既存のPC5ユニキャストリンクに対して、開始UEのレイヤ2 IDのプライバシータイマーが時間切れになる;場合に、手順を開始するものとする。
[・・・]
PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が開始UEのアプリケーション層IDの変更によってトリガーされた場合に、開始UEは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージを作成する必要がある。このメッセージでは、開始UEは:
a)上位層から受信した開始UEの新しいアプリケーション層IDを含めるものとする;
b)それ自体によって割り当てられた開始UEの新しいレイヤ2 IDを含めるものとする;
c)新しいセキュリティ情報を含めるものとする;及び
d)IP通信が使用されている場合に、新しいIPアドレス/プレフィックスを含めることができる。
PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が、5.2.3項で指定される開始UEのプライバシータイマーの時間切れによってトリガーされた場合に、開始UEは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージを作成する必要がある。このメッセージでは、開始UEは:
a)それ自体によって割り当てられた開始UEの新しいレイヤ2 IDを含めるものとする;
b)新しいセキュリティ情報を含めるものとする;
c)上位層から受信した開始UEの新しいアプリケーション層IDを含めることができる;及び
d)IP通信が使用されている場合に、新しいIPアドレス/プレフィックスを含めることができる。
[・・・]
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージが生成された後に、開始UEは、このメッセージを、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEのレイヤ2 IDとともに送信するために下位層に渡し、タイマーT5003を開始する。UEは、タイマーT5003の実行中に、同じターゲットUEに新しいDIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージを送信してはならない。
[“PC5 unicast link identifier update procedure”という表題の3GPP TS 24.587 V2.0.0の
図6.1.2.5.2.1を、
図6として再現する]
6.1.2.5.3 ターゲットUEによって受け入れられるPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージを受信する際に、ターゲットUEが:
a)この要求メッセージに関連するPC5ユニキャストリンクが引き続き有効であり;及び
b)この要求メッセージで識別されるPC5ユニキャストリンクのタイマーT5004が実行されていないと判定した場合に、
次に、ターゲットUEは、この要求を受け入れ、DIRECT LINK IDENTIFIER
UPDATE ACCEPT(直接リンク識別子更新受入れ)メッセージで応答する。
ターゲットUEが5.2.3項で指定されるプライバシー構成を有しており、その識別子を変更すると決定した場合に、ターゲットUEは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを作成する必要がある。このメッセージでは、ターゲットUEは:
a)それ自体によって割り当てられたターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを含めるものとする;
b)新しいセキュリティ情報を含めるものとする;
c)上位層から受信したターゲットUEの新しいアプリケーション層IDを含めることができる;及び
d)IP通信が使用されている場合に、新しいIPアドレス/プレフィックスを含めることができる。
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージが生成された後に、ターゲットUEは、このメッセージを、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEの古いレイヤ2 IDとともに送信するために下位層に渡し、タイマーT5004を開始する。UEは、タイマーT5004の実行中に、同じ開始UEに新しいDIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを送信してはならない。
ターゲットUEが新しいレイヤ2 IDを使用してトラフィックを受信する前に、ターゲットUEは、開始UEから古いレイヤ2 ID(つまり、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEの古いレイヤ2 ID)を含むトラフィックを引き続き受信する必要がある。
ターゲットUEが開始UEからDIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACK(直接リンク識別子更新肯定応答)メッセージを受信する前に、ターゲットUEは、古いレイヤ2 ID(つまり、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEの古いレイヤ2 ID)を使用して開始UEにトラフィックを送信し続ける必要がある。
6.1.2.5.4 開始UEによって肯定応答されるPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを受信すると、開始UEは、タイマーT5003を停止し、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージで応答する。このメッセージでは、開始UEは:
a)受信した場合に、ターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを含めるものとする;
b)受信した場合に、ターゲットUEの新しいセキュリティ情報を含めるものとする;
c)受信した場合に、ターゲットUEの新しいアプリケーション層IDを含めることができる;及び
d)受信した場合に、新しいIPアドレス/プレフィックスを含めることができる。
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを受信すると、開始UEは、関連するPC5ユニキャストリンクコンテキストを新しい識別子で更新し、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡す。
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージが生成された後に、開始UEは、このメッセージを、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEの古いレイヤ2 IDとともに送信するために下位層に渡す。
開始UEは、新しいレイヤ2 ID(つまり、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 ID)を含むトラフィックをターゲットUEから受信するまで、古いレイヤ2 ID(つまり、開始UEの古いレイヤ2 ID及びターゲットUEの古いレイヤ2 ID)を含むトラフィックをターゲットUEから受信し続ける必要がある。
6.1.2.5.5 ターゲットUEによるPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順の完了
DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージを受信すると、ターゲットUEは、関連するPC5ユニキャストリンクコンテキストを新しい識別子で更新し、開始UEの新しいレイヤ2 IDとターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡し、タイマーT5004を停止する必要がある。
[・・・]
【0026】
3GPP TS 24.587において、L2 IDを更新するために使用される手順(すなわち、PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順)が導入された。この手順は、このユニキャストリンクに使用される識別子の差し迫った変更のユニキャスト通信でピアUEを更新するために使用される。プライバシー要件により、eV2Xの使用では、UEは、サードパーティによる追跡を回避するために、その識別子を頻繁に変更する必要がある。識別子の変更が発生した場合に、全てのレイヤ、つまりアプリケーション層IDからL2 IDまでの全ての識別子を変更する必要がある。このシグナリングは、サービスの中断を防ぐために、識別子の変更が発生する前に必要となる。
【0027】
おそらく、PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順は、開始UEがアプリケーション層IDを変更する要求を上位層から受信したとき、又は開始UEのレイヤ2 IDのプライバシータイマーが時間切れになったときに、開始UEによって初期化され得る。ユニキャストリンクでは、ユニキャストリンクでの送受信に使用されるレイヤ2 IDがUE自体によって割り当てられるため、ユニキャストリンクの両方のUEは、レイヤ2 IDのそのプライバシータイマーを維持する。
【0028】
図7は、一実施形態によるUE1とUE2との間のユニキャストリンクを介したレイヤ2 ID変更を示す例示的なフローチャートである。最初に、UE1は、UE2とのユニキャストリンクを確立したいと考えている。こうして、UE1は、リンク確立要求メッセージ(例えば、3GPP TS 24.587におけるDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUEST)をUE2に送信する。このユニキャストリンクの場合に、UE1は、それ自体でレイヤ2 ID(L2 ID)「ID1-1」を割り当て、このL2 IDを使用してリンク確立要求メッセージを送信する。
【0029】
リンク確立要求メッセージを受信すると、UE2は、UE1とのユニキャストリンクを確立すると決定する。従って、UE2は、リンク確立受入れメッセージ(例えば、3GPP TS 24.587におけるDIRECT LINK ESTABLISHMENT ACCEPT)でUE1に応答する。同様に、UE2は、このユニキャストリンクにL2 ID「ID2-1」を割り当て、このL2 IDを使用してリンク確立受入れメッセージメッセージを送信する。
【0030】
このユニキャストリンクに関するUE1のプライバシータイマーが時間切れになると、UE1は、その古いL2 ID「ID1-1」を新しいL2 ID「ID1-2」に変更すると決定する。この変更のために、UE1は、PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を初期化する。UE1は、リンクID更新要求メッセージ(例えば、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUEST)をUE2に送信する。リンクID更新要求メッセージには、UE1の新しいL2 ID「ID1-2」が含まれている。
【0031】
リンクID更新要求メッセージを受信すると、UE2はまた、その古いL2 ID「ID2-1」を新しいL2 ID「ID2-2」に変更し、次に、リンクID更新受入れメッセージ(例えば、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPT)でUE1に応答する。リンクID更新受入れメッセージには、UE2の新しいL2 ID「ID2-2」が含まれている。
【0032】
リンクID更新受入れメッセージを受信すると、UE1は、リンクID更新ACKメッセージ(例えば、DIRECT
LINK IDENTIFIER UPDATE ACK)でUE2に応答する。3GPP TS 24.587によれば、UE1は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1の新しいL2 ID「ID1-2」及びUE2の新しいL2 ID「ID2-2」に更新し、更新したL2 IDをユニキャストリンクでのサイドリンクの送受信のために下位層に渡す。リンクID更新ACKメッセージには、UE2のL2 ID「ID2-2」が含まれている。
【0033】
リンクID更新ACKメッセージを受信すると、UE2は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1の新しいL2 ID「ID1-2」及びUE2の新しいL2 ID「ID2-2」に更新し、更新したL2 IDをユニキャストリンクでのサイドリンク送受信のために下位層に渡す。
【0034】
図8は、一実施形態によるプライバシータイマーを考慮に入れた、両方のUEの(
図7に示される例示的なシナリオに加えて)別のシナリオを示す例示的なフローチャートである。UE1のプライバシータイマーが時間切れになると、UE1は、UE2との第1のPC5リンク識別子更新手順を初期化する。こうして、UE1は、リンクID更新要求#1メッセージをUE2に送信する。リンクID更新要求#1メッセージには、UE1の新しいL2 ID「ID1-2」が含まれている。おそらく、この時点で、UE2のプライバシータイマーも期限切れになり、UE2は、UE1との第2のPC5リンク識別子更新手順を初期化する。こうして、UE2は、リンクID更新要求#2メッセージをUE1に送信する。リンクID更新要求#2メッセージには、UE2の新しいL2 ID「ID2-2」が含まれている。UE2がUE1からリンクID更新要求#1メッセージを未だ受信していないため、UE2は、UE1が第1のPC5リンク識別子更新手順を実行したことを認識していない。
【0035】
PC5リンク識別子更新手順の概念が3GPP TS 24.587で導入され、
図7に示されている場合に、続いて、リンクID更新要求メッセージを受信したときに新しいレイヤ2 IDを割り当て、リンクID更新要求メッセージの受信に応答して、リンクID更新受入れメッセージを送信する必要がある。従って、UE2は、リンクID更新要求#1メッセージを受信すると、ユニキャストリンクの新しいL2 ID「ID2-3」を再び変更し、リンクID更新要求#1メッセージの受信に応答して、新しいL2 ID「ID2-3」を含むリンクID更新受入れ#1メッセージをUE1に送信する。同様に、UE1は、リンクID更新要求#2メッセージを受信すると、ユニキャストリンクの新しいL2 ID「ID1-3」を再び変更し、リンクID更新要求#2メッセージの受信に応答して、新しいL2 ID「ID1-3」を含むリンクID更新受入れ#2メッセージをUE2に送信する。
【0036】
リンクID更新受入れ#1メッセージの受信に応答して、UE1は、リンクID更新ACK#1メッセージをUE2に送信する。リンクID更新ACKメッセージには、ターゲットUEが送信した対応するリンクID更新受入れメッセージに含まれるターゲットUEの新しいレイヤ2 IDが含まれるため、UE1は、リンクID更新受入れ#1メッセージに含まれるL2 ID「ID2-3」をリンクID更新ACK#1メッセージに含める。同様に、リンクID更新受入れ#2メッセージの受信に応答して、UE2は、リンクID更新ACK#2メッセージをUE1に送信する。UE2は、リンクID更新受入れ#2メッセージに含まれるL2 ID「ID1-3」をリンクID更新ACK#2メッセージに含める。
【0037】
リンクID更新ACK#1メッセージを受信すると、UE2は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1のL2 ID「ID1-2」(リンクID更新要求#1メッセージに含まれる)及びUE2のL2 ID「ID2-3」(リンクID更新受入れ#1メッセージに含まれる)に更新する。一方、リンクID更新ACK#2メッセージを受信すると、UE1は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1のL2 ID「ID1-3」(リンクID更新受入れ#2メッセージに含まれる)及びUE2のL2 ID「ID2-2」(リンクID更新要求#2メッセージに含まれる)に更新する。その結果、両方のUEが、ユニキャストリンクで互いに通信するために異なるL2 IDペアを使用し、間違ったL2 IDペアを使用した再送信は、無線リンク障害を引き起こす下位層(例えば、RLC層、MAC層、PHY層)で最大の再送信の機会に達する。
【0038】
3GPP TS 24.587によれば、開始UEは、送信のためにリンクID更新要求メッセージが生成されたときにタイマーT5003を開始し、リンクID更新要求メッセージに対応するリンクID更新受入れメッセージがターゲットUEから受信されたときにタイマーT5003を停止しなければならない。
【0039】
L2 IDペアの不整合(misalignment:ミスアラインメント)問題に対処するために、UE2は、リンクID更新要求#2メッセージに関してUE2のそのようなタイマーT5003が実行されている場合に、リンクID更新要求#2メッセージに含まれているL2 ID「ID2-2」をリンクID更新受入れ#1メッセージに含めることができる。換言すると、リンクID更新要求#1メッセージがUE1から受信されたが、リンクID更新要求#2メッセージに関するUE2のそのようなタイマーT5003が依然として実行中であるときに、UE2は、第2の新しいレイヤ2 ID(例えば、「ID2-3」)を割り当てることができない。
【0040】
UE1の観点から、UE1は、リンクID更新要求#1メッセージに関するUE1のそのようなタイマーT5003が実行されている場合に、リンクID更新要求#1メッセージに含まれているL2 ID「ID1-2」をリンクID更新受入れ#2メッセージに含めることができ、これは、リンクID更新要求#2メッセージがUE2から受信されたが、リンクID更新要求#1メッセージに関するUE1のタイマーT5003が依然として実行中である場合に、UE1は、第2の新しいレイヤ2 ID(例えば、「ID1-3」)を割り当てることができないことを意味する。
【0041】
上記の解決策では、リンクID更新ACK#1メッセージを受信すると、UE2は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1のL2 ID「ID1-2」(リンクID更新要求#1メッセージに含まれる)及びUE2のL2 ID「ID2-2」(リンクID更新受入れ#1メッセージ及びリンクID更新要求#2メッセージに含まれる)に更新することができる。一方、リンクID更新ACK#2メッセージを受信すると、UE1は、ユニキャストリンクのL2 IDを、UE1のL2 ID「ID1-2」(リンクID更新受入れ#2メッセージ及びリンクID更新要求#1メッセージに含まれる)及びUE2のL2 ID「ID2-2」(リンクID更新要求#2メッセージに含まれる)に更新できる。このようにして、一方のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が一方の側で実行され、他方のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が他方の側で依然として進行中である場合でも、両方のUEは、両方の手順が完了した後に、ユニキャストリンクに関して同じL2 IDペアを有することができる。
【0042】
あるいはまた、一方のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が一方の側で初期化され、他方のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順が他方の側で既に進行中である場合に、それらの1つは、進行中のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を終了又は中止することができる。どのUEが進行中のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を終了又は中止するかは、どのUEがユニキャストリンクの確立を要求するかに基づき得る(例えば、このUEがDIRECT LINK ESTABLISHMENT REQUESTメッセージを送信する)。例えば、UE2のタイマーT5003の実行中に、UE2がUE1からリンクID更新要求#1メッセージを受信すると、(UE2がユニキャストリンクの確立を要求するUEではないため)UE2は、UE2のタイマーT5003を停止できる。UE2は、引き続きリンクID更新受け入れ#1メッセージでUE1に応答する。この場合に、UE2は、L2 ID「ID2-2」(リンクID更新要求#2メッセージに含まれる)又はL2 ID「ID2-3」(リンクID更新要求#1メッセージの受信により新たに割り当てられる)をリンクID更新受入れ#1メッセージに含めることができる。一方、UE1のタイマーT5003の実行中に、UE1がUE2からリンクID更新要求#2メッセージを受信すると、(UE1がユニキャストリンクの確立を要求するUEであるため)UE1は、リンクID更新要求#2メッセージに対応するメッセージでUE2に応答しない場合がある。
【0043】
あるいはまた、UE1のタイマーT5003の実行中に、UE1がUE2からリンクID更新要求#2メッセージを受信すると、UE1は、リンクID更新拒否メッセージ(例えば、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REJECT)でUE2に応答することができる。リンクID更新拒否メッセージには、UE1がPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を開始したことを示す原因値が含まれ得る。この状況では、リンクID更新拒否メッセージがUE1から受信されると、UE2は、UE2のタイマーT5003を停止できる。
【0044】
上記の代替案では、UE1は、別の新しいL2 ID、例えばリンクID更新要求#2メッセージの受信による「ID1-3」を新たに割り当てない。いつものように、UE1がリンクID更新受入れ#1メッセージを受信すると、UE1は、リンクID更新受入れ#1メッセージに含まれるUE2の新しいL2 IDを含むリンクID更新ACK#1メッセージでUE2に応答できる。
【0045】
どのUEが進行中のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を終了又は中止するかは、どのUEがユニキャストリンクの確立を受け入れるか又は完了するかに基づき得る(例えば、このUEは、DIRECT LINK ESTABLISHMENT ACCEPTメッセージを送信する)。従って、上記の例/代替案の動作の概念は、この可能性にも適用できる。
【0046】
3GPP TS 24.587によれば、開始UEとターゲットUEとの両方は、PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順中にそれらのレイヤ2 IDを更新する必要がある。換言すると、PC5ユニキャストリンクの識別子更新手順を介して他方がレイヤ2 IDを更新するときに、一方が常にそのレイヤ2 IDを更新するため、このようなプライバシータイマーを両側で維持する必要はない。従って、1つの代替案は、両方のUEの一方がユニキャストリンクのプライバシータイマーを維持することであり得る。例えば、開始UE又はターゲットUEは、ユニキャストリンクのL2 IDペアを更新するためのプライバシータイマーを維持できる。
図8に示されるシナリオがこの代替案に適用される場合に、第1のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順の進行中に、第2のPC5ユニキャストリンクの識別子更新手順は、プライバシータイマーの時間切れのために実行されないであろう。こうして、このシナリオでのL2 IDペアの不整合にも対処できる。
【0047】
より具体的には、開始UEは、ユニキャストリンク確立を要求する(例えば、DIRECT LINK
ESTABLISHMENT REQUESTを送信する)UEであり得る。また、ターゲットUEは、ユニキャストリンクの確立を受け入れる又は完了する(例えば、DIRECT LINK ESTABLISHMENT ACCEPTを送信する)UEであり得る。
【0048】
3GPP TS 24.587の6.1.2.5.4節によれば、DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを受信すると、開始UEは、関連するPC5ユニキャストリンクコンテキストを新しい識別子で更新し、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡す必要がある。これは、開始UEの下位層が、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージを受信した後に、新しいL2 IDを使用してデータパケット送信を開始できることを意味する。
【0049】
さらに、3GPP TS 24.587の6.1.2.5.5節は、DIRECT LINK
IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージを受信すると、ターゲットUEが、関連するPC5ユニキャストリンクコンテキストを新しい識別子で更新し、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡すことを指定する。こうして、ターゲットUEの下位層は、DIRCET LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージを受信した後に、新しいL2 IDを使用してデータパケット受信を開始することができる。DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージが開始UEによって受信される場合に、開始UEの下位層に送信のために格納されたデータパケットが存在する可能性があるため、開始UEから送信されたデータパケットは、DIRCET LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージの前にターゲットUEに到着する可能性がある。この状況では、下位層が新しいレイヤ2 IDを受信していないため、これらのデータパケットは、ターゲットUEの下位層によって破棄される可能性がある。
【0050】
上記の問題を解決するための1つの潜在的な解決策は、一般に、DIRCET LINK
IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージが生成されるか、又は送信のために下位層に渡された後に、開始UEが、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡すことである。新しいレイヤ2 IDを使用するために両方のUEのタイミングを調整する別の方法は、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージが生成されるか、又は送信のために下位層に渡された後に(及び、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージが開始UEから受信される前に)、ターゲットUEが、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡すことであり得る。別の代替案では、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージが生成されるか、又は送信のために下位層に渡されるときに、ターゲットUEは、開始UEの新しいレイヤ2 ID及びターゲットUEの新しいレイヤ2 IDを下位層に渡すことができる。
【0051】
図9は、レイヤ2 IDを更新する第1のUEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート905である。ステップ905において、第1のUEは、第2のUEとのユニキャストリンクを確立し、第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの第2のレイヤ2 IDは、ユニキャストリンクでのデータ送受信に使用される。ステップ910において、第1のUEは、ユニキャストリンクのリンク識別子更新要求メッセージを第2のUEに送信し、リンク識別子更新要求メッセージには、第1のUEの新しい第1のレイヤ2 IDが含まれる。ステップ915において、第1のUEは、第2のUEからユニキャストリンクのリンク識別子更新受入れメッセージを受信し、リンク識別子更新受入れメッセージには、第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる。ステップ920において、リンク識別子更新受入れメッセージの受信に応答して、リンク識別子更新ACKメッセージが送信するために下位層に渡された後に、第1のUEは、第1のUEの新しい第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDを下位層に渡す。
【0052】
一実施形態では、第1のUEは、ユニキャストリンクのリンク識別子更新ACKメッセージを、第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの第2のレイヤ2 IDを用いて第2のUEに送信することができ、リンク識別子更新ACKメッセージには、第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる。リンク識別子更新要求メッセージは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE REQUESTメッセージであり得、リンク識別子更新受入れメッセージは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACCEPTメッセージであり得、リンク識別子更新ACKメッセージは、DIRECT LINK IDENTIFIER UPDATE ACKメッセージであり得る。下位層は、第1のUEの無線リンク制御(RLC)層、媒体アクセス制御(MAC)層、及び/又は物理(PHY)層であり得る。
【0053】
図3及び
図4を再び参照すると、第1のUEの例示的な一実施形態において、第1のUE300は、メモリ310に格納されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、第1のUEが、(i)第2のUEとのユニキャストリンクを確立することであって、第1のUEの第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの第2のレイヤ2 IDが、ユニキャストリンクでのデータ送受信に使用される、確立することと、(ii)ユニキャストリンクのリンク識別子更新要求メッセージを第2のUEに送信することであって、リンク識別子更新要求メッセージには、第1のUEの新しい第1のレイヤ2 IDが含まれる、送信することと、(iii)第2のUEからユニキャストリンクのリンク識別子更新受入れメッセージを受信することであって、リンク識別子更新受入れメッセージには、第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDが含まれる、受信することと、(iv)リンク識別子更新受入れメッセージの受信に応答して、リンク識別子更新ACKメッセージが送信のために下位層に渡された後に、第1のUEの新しい第1のレイヤ2 ID及び第2のUEの新しい第2のレイヤ2 IDを下位層に渡すことと、を行うことができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上記の全てのアクション及びステップ、又は本明細書で説明する他のものを実行することができる。
【0054】
本開示の様々な態様について上で説明している。本明細書の教示は多種多様な形態で具体化することができ、本明細書に開示される任意の特定の構造、機能、又はその両方が単に代表的なものであることは明らかであるはずである。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本明細書に開示される態様が他の態様とは独立して実施でき、これらの態様の2つ以上を様々な方法で組み合わせることができることを理解すべきである。例えば、機器を実現することができ、又は方法を、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して実施することができる。さらに、そのような機器を実現することができ、又はそのような方法を、本明細書に記載の1つ又は複数の態様に加えて、又はそれ以外の他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施することができる。上記の概念のいくつかの例として、いくつかの態様では、同時チャネルが、パルス繰返し周波数に基づいて確立され得る。いくつかの態様では、同時チャネルは、パルス位置又はオフセットに基づいて確立され得る。いくつかの態様では、同時チャネルは、タイムホッピングシーケンスに基づいて確立され得る。いくつかの態様では、同時チャネルは、パルス繰返し周波数、パルス位置又はオフセット、及び時間ホッピングシーケンスに基づいて確立され得る。
【0055】
当業者は、情報及び信号が、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁性粒子、光場又は光粒子、又はそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0056】
本明細書に開示される態様に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア(例えば、デジタル実装、アナログ実装、又はソースコーディング又は他の技術を使用して設計され得る2つの組み合わせ)、命令を組み込んだ様々な形態のプログラム又は設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と呼ばれ得る)、又は両方の組合せとして実現され得ることをさらに理解するであろう。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、一般にそれらの機能の観点から上で説明した。このような機能がハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課せられる特定の用途及び設計上の制約によって異なる。熟練した技能者は、特定のアプリケーション毎に様々な方法で説明した機能を実現することができるが、そのような実現の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせると解釈すべきではない。
【0057】
さらに、本明細書に開示する態様に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、又はアクセスポイント内に実現されるか、又はそれによって実行され得る。ICは、本明細書で説明する機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、又はそれらの任意の組合せであり得、IC内、IC外、又はその両方に存在するコード又は命令を実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態マシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティング装置の組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実現され得る。
【0058】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、サンプルアプローチの例であると理解される。設計の好みに基づいて、プロセスのステップの特定の順序又は階層は、本開示の範囲内にとどまりながら再配置され得ることが理解される。付随する方法は、サンプル順序で様々なステップの要素を提示することを主張し、提示される特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0059】
本明細書に開示する態様に関連して説明する方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はこれら2つの組合せで直接具体化され得る。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能命令及び関連データを含む)及び他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で知られている他の形式のコンピュータ可読記憶媒体等のデータメモリに存在し得る。サンプル記憶媒体は、例えば、コンピュータ/プロセッサ(本明細書では、便宜上、「プロセッサ」と呼ばれ得る)等のマシンに結合することができ、そのようなプロセッサは、記憶媒体から情報(例えば、コード)を読み取り、且つ記憶媒体に情報を書き込むことができる。サンプル記憶媒体は、プロセッサに一体化され得る。プロセッサ及び記憶媒体はASICに存在してもよい。ASICはユーザ機器に存在してもよい。代替構成では、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ機器内の個別のコンポーネントとして存在してもよい。さらに、いくつかの態様では、任意の適切なコンピュータプログラム製品は、本開示の1つ又は複数の態様に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含み得る。いくつかの態様では、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含み得る。
【0060】
本発明について様々な態様に関連して説明してきたが、本発明は更なる修正が可能であることが理解されよう。本願は、一般に、本発明の原理に従い、本発明が関係する当技術分野内の既知の慣習的慣行の範囲内にある本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、又は適合を網羅することを意図している。