(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】格納式ゲートシステム
(51)【国際特許分類】
A63G 31/00 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A63G31/00
(21)【出願番号】P 2020502352
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(86)【国際出願番号】 US2018041466
(87)【国際公開番号】W WO2019018162
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-01-17
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】マッダムマ マイケル
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03724527(US,A)
【文献】実公昭52-010852(JP,Y1)
【文献】米国特許第04865110(US,A)
【文献】特表2001-504560(JP,A)
【文献】実開昭54-115138(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144597(US,A1)
【文献】実開昭58-177466(JP,U)
【文献】特表2009-513846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
E06B 3/04- 3/52
E06B 3/90- 3/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートシステムであって、
それぞれの通路を定める複数の固定レールを含む第1の固定支持構造と、
開位置と閉位置との間で前記第1の固定支持構造に対して移動するように構成されたゲートと、
を含み、前記ゲートは、
前記ゲートが前記開位置と前記閉位置との間を移動するときに前記それぞれの通路内で
スライドするように構成された複数のゲートレール
であって、全体として、前記ゲートの一般的形状を形成する平面にわたっている、複数のゲートレールと、
前記複数のゲートレールに結合された1又は2以上の圧縮性シートと、
を含み、前記1又は2以上の圧縮性シートは、前記ゲートが前記開位置から前記閉位置に移動するときに、圧縮位置から拡張位置に移動するように構成され
、
前記ゲートシステムは複数の付勢部材を含み、該複数の付勢部材の各付勢部材は、前記複数のゲートレールのそれぞれのゲートレールの第1の端部に軸方向の力を及ぼすことによって、前記ゲートを前記開位置に向かって付勢するように構成され、該複数の付勢部材の各々は前記通路のそれぞれに含まれる、
ゲートシステム。
【請求項2】
第2の固定支持構造に結合されたロック部材であって、該ロック部材がロック位置にある間は前記ゲートを前記閉位置に維持するように構成されたロック部材を含む、請求項
1に記載のゲートシステム。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記第2の固定支持構造上に配置された電磁石と、前記ゲート上に配置された電機子プレートと、を含む電磁ロックであり、前記電磁石は、前記ロック部材が前記ロック位置にあるときに電流を受けるように構成される、請求項
2に記載のゲートシステム。
【請求項4】
前記1又は2以上の圧縮性シートの第1の圧縮性シートに結合され、前記複数のゲートレールのそれぞれのゲートレールを円周方向に囲む1又は2以上の留め具を含み、前記それぞれのゲートレールは、前記ゲートが前記開位置から前記閉位置に移動するときに、前記1又は2以上の留め具に対して、前記圧縮位置と前記拡張位置との間の前記第1の圧縮性シートの移行を容易にするように移動するよう構成される、請求項1に記載のゲートシステム。
【請求項5】
前記第1の圧縮性シートの第1の横方向端部は、前記第1の固定支持構造に結合され、前記第1の圧縮性シートの第2の横方向端部は、前記ゲートの垂直支持ビームに結合される、請求項
4に記載のゲートシステム。
【請求項6】
前記複数のゲートレールの第1のゲートレール及び第2のゲートレールは、床に平行に向けられ、垂直距離だけ互いに分離される、請求項1に記載のゲートシステム。
【請求項7】
前記1又は2以上の圧縮性シートのうちの第1の圧縮性シートは、前記垂直距離によって定められるギャップを少なくとも部分的に横切って延びる、請求項
6に記載のゲートシステム。
【請求項8】
前記複数のゲートレールのうちの1つのゲートレールに固定されたホイールを含み、前記ホイールは、前記開位置と前記閉位置との間の前記ゲートの移動を容易にするために、床の溝に沿って転動するように構成される、請求項1に記載のゲートシステム。
【請求項9】
ゲートシステムであって、
それぞれの通路を定める複数の固定レールを含む第1の固定支持構造と、
開位置と閉位置との間で前記第1の固定支持構造に対して移動するように構成されたゲートであって、該ゲート
は前記開位置と前記閉位置との間を移動するときに前記それぞれの通路内で
スライドするように構成された複数のゲートレールを含
み、
該複数のゲートレールは、全体として、該ゲートの一般的形状を形成する平面にわたっている、ゲートと、
前記複数のゲートレールに結合された1又は2以上の圧縮性シートと、
前記ゲートを前記開位置に向かって付勢するように構成された1又は2以上の付勢部材
であって、該1又は2以上の付勢部材の各々は、前記複数のゲートレールのそれぞれのゲートレールの第1の端部に軸方向の力を及ぼすことによって、前記ゲートを前記開位置に向かって付勢するように構成され、該1又は2以上の付勢部材の各々は前記通路のそれぞれに含まれる、1又は2以上の付勢部材と、
第2の固定支持構造に結合されたロック部材であって、該ロック部材がロック位置にある間は前記ゲートを前記閉位置に維持するように構成されたロック部材と、
を含む、ゲートシステム。
【請求項10】
前記1又は2以上の圧縮性シートは、前記ゲートが前記閉位置から前記開位置に移動するときに、拡張位置から圧縮位置に移動するように構成される、請求項
9に記載のゲートシステム。
【請求項11】
前記1又は2以上の圧縮性シートの少なくとも1つに結合され、前記複数のゲートレールのそれぞれのゲートレールを円周方向に囲む1又は2以上の留め具を含み、前記それぞれのゲートレールは、前記ゲートが前記開位置から前記閉位置に移動するときに、前記1又は2以上の留め具に対して、前記圧縮位置と前記拡張位置との間の前記1又は2以上の圧縮性シートのうちの前記少なくとも1つの圧縮性シートの移行を容易にするように移動するよう構成される、請求項
10に記載のゲートシステム。
【請求項12】
前記1又は2以上の付勢部材は、ばね、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又はこれらの何れかの組み合わせを含む、請求項
9に記載のゲートシステム。
【請求項13】
前記ロック部材を前記ロック位置からアンロック位置に調整するための制御信号を提供して、これにより前記1又は2以上の付勢部材が前記ゲートを前記開位置に駆動できるように構成されたコントローラを含む、請求項
9に記載のゲートシステム。
【請求項14】
前記ロック部材が電磁ロックである、請求項
9に記載のゲートシステム。
【請求項15】
前記ロック部材は、前記第2の固定支持構造上に配置された電磁石と、前記ゲート上に配置された電機子プレートとを含み、前記電磁石は、前記ロック部材が前記ロック位置にあるときに電流を受けるように構成される、請求項
14に記載のゲートシステム。
【請求項16】
ゲートシステムであって、
遊園地の来園者の列の待ち行列経路を定める複数のゲートであって、該複数のゲートの各ゲートは、開位置と閉位置との間で対応する固定支持構造に対して移動するように構成され、該複数のゲートの各ゲートは、該対応する固定支持構造のそれぞれの通路内で
スライドするように各々が構成された複数のゲートレールを含
み、
該複数のゲートレールは、全体として、該ゲートの一般的形状を形成する平面にわたっている、複数のゲートと、
複数の付勢部材であって、該複数の付勢部材の各付勢部材は、前記複数のゲートレールのそれぞれのゲートレールの第1の端部に軸方向の力を及ぼすことによって、前記複数のゲートのそれぞれのゲートを前記開位置に向かって付勢するように
構成され
、該複数の付勢部材の各々は前記通路のそれぞれに含まれる、複数の付勢部材と、
ロック位置にある間前記それぞれのゲートを前記閉位置に維持するように各々が構成された複数のロック部材と、
を含む、ゲートシステム。
【請求項17】
前記複数のロック部材を前記ロック位置からアンロック位置に同時に調整するための制御信号を提供して、これにより前記複数の付勢部材が前記複数のゲートを前記開位置に駆動できるように構成されたコントローラを含む、請求項
16に記載のゲートシステム。
【請求項18】
前記複数のゲートレールに結合された1又は2以上の圧縮性シートを含み、前記1又は2以上の圧縮性シートは、前記ゲートが前記閉位置にある間、前記ゲートを通る来園者の通過を阻止するように構成され、前記1又は2以上の圧縮性シートは、前記ゲートが前記開位置から前記閉位置に移動するときに圧縮するように構成される、請求項
16に記載のゲートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ゲートシステムに関し、より具体的には、遊園地の来園者が待ち行列に出入りできるようにする格納式ゲートシステム(retractable gate system)に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの遊園地は、来園者の種々の様々な観客の興味に訴えるアトラクションを含む。アトラクションは、アニメのキャラクター、遊園地の乗り物、ライブショー、テレビ番組、ジェットコースター、及びウォータースライド、その他の様々な遊園地のアトラクションを含む。ピーク時(例えば、週末、祝日、及び/又は新しいアトラクションのグランドオープン)の間、来園者は、遊園地のアトラクションに参加するために長い時間期間の間行列をなして待機する可能性がある。場合によっては、待ち行列の経路が常に適切に定められているとは限らず、列の始まり及び/又は終わりがどこであるかについて混乱が生じる。例えば、待ち行列の経路は、簡単に取り除くことのできるコーン又は簡単に横断することのできるチェーンによって定められ、待ち行列の保全性が損なわれる可能性がある。場合によっては、待ち行列の経路を定めるゲートは、来園者の移動経路に向かって旋回することができるスイングゲートを含むことができ、これにより来園者が待ち行列にすぐに出入りするのを妨げ、及び/又は来園者が待ち行列に出入りできる速度を低下させることができる。
【0003】
来園者が待ち行列の経路を識別する効率、来園者が待ち行列を出入り及び/又は通過する速さ、又は一列になっているスポットを人々がジャンプするのを阻止するための待ち行列の整合性を高めることが有利とすることができる。従って、来園者が待ち行列の保全性を維持(例えば、一列になっているスポットをジャンプをするのを困難にすることによって)しながら、遊園地のアトラクションにつながる待ち行列に来園者が出入りする効率を高めることができるゲートシステムを提供することが望ましいと認識される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最初に特許請求の範囲に記載された主題と同じ範囲にある幾つかの実施形態について、以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示する幾つかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に記載する実施形態と同様の又は異なることができる様々な形態を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、ゲートシステムは、それぞれの通路を定める複数の固定レールを含む第1の固定支持構造(fixed support structure)と、開位置と閉位置との間で第1の固定支持構造に対して移動するゲートとを含む。ゲートは、ゲートが開位置と閉位置との間を移動するときにそれぞれの通路内で滑動する(スライドする)(slide)複数のゲートレールを含む。更に、ゲートは、複数のゲートレールに結合された1又は2以上の圧縮性シート(compressible sheets)を含み、1又は2以上の圧縮性シートは、ゲートが開位置から閉位置に移動するときに圧縮位置(compressed position)から拡張位置(expanded position)に移動するように構成される。
【0006】
一実施形態では、ゲートシステムは、それぞれの通路を定める複数の固定レールを含む第1の固定支持構造と、開位置と閉位置との間で第1の固定支持構造に対して移動するゲートとを含む。ゲートは、ゲートが開位置と閉位置との間を移動するときにそれぞれの通路内で滑動する複数のゲートレールを含む。更に、ゲートシステムは、複数のゲートレールに結合された1又は2以上の圧縮性シートと、ゲートを開位置に向かって付勢する1又は2以上の付勢部材(biasing members)と、第2の固定支持構造に結合されたロック部材であって、ロック部材がロック位置(locking member)にある間はゲートを閉位置に維持するように構成されたロック部材と、を含む。
【0007】
一実施形態では、ゲートシステムは、遊園地の来園者の列の待ち行列経路(queue path)を定める複数のゲートを含む。複数のゲートの各ゲートは、開位置と閉位置の間で対応する固定支持構造に対して移動し、複数のゲートの各ゲートは、対応する固定支持構造のそれぞれの通路内を滑動する複数のゲートレールを含む。更に、ゲートシステムは、複数の付勢部材を含み、複数の付勢部材の各付勢部材は、複数のゲートのそれぞれのゲートを開位置に向かって付勢する。更に、ゲートシステムは、ロック位置にある間それぞれのゲートを閉位置に各々が維持する複数のロック部材を含む。
【0008】
全体を通じて同じ要素を同じ参照符号によって示す添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の態様による、ゲートシステムによって定められた待ち行列経路に沿って移動する来園者の平面図を示す。
【
図2】本開示の態様による、
図1のゲートシステムにより定められた待ち行列経路に沿って移動する来園者の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】本開示の態様による、
図1のゲートシステムの実施形態の正面斜視図を示す。
【
図4】本開示の態様による、閉位置にある
図1のゲートシステムの実施形態の立面図及び断面図を示す。
【
図5】本開示の態様による、開位置にある
図1のゲートシステムの実施形態の立面図及び断面図を示す。
【
図6】本開示の態様による、
図1のゲートシステムのゲートの実施形態の側断面図を示す。
【
図7】本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の上部の実施形態の側断面図を示す。
【
図8】本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の中央部分の実施形態の断面図を示す。
【
図9】本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の下部の実施形態の断面図を示す。
【
図10】本開示の態様による、
図1のゲートシステムのロック部材の実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実施構成の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実施構成毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0011】
通常、遊園地は、特にピーク時の間、大量の来園者の往来を生じる。そのため、来園者は、遊園地のアトラクションに参加する前に、一列になって待機している(以下「待ち行列」と呼ぶ)時間の大部分を費やす可能性がある。遊園地のアトラクションは、ジェットコースターの乗り物、ウォータースライド、デジタルメディアの上映、双方向ショー、他の様々なアトラクションを含むことができる。一実施形態では、遊園地のアトラクションに通じる待ち行列は、チェーン、取り外し可能なコーン、ロープ又は他の特徴物によって定められた経路を辿ることができる。更に、一実施形態では、来園者の入場及び/又は退出を可能にするゲートを挿入することができるが、ゲートはヒンジ作動することができ、旋回して開き、一部の来園者の移動経路を妨げることができる。このため、来園者が待ち行列に出入りする効率を高めることが有利とすることができる。
【0012】
開示されたゲートシステムは、来園者の経路を効果的に定めることができ、開位置と閉位置との間を効率的に調整することができる。現在開示されている主題は、遊園地の設定におけるゲートシステムについて記載しているが、本明細書に記載されているゲートシステムは、待ち行列を生じることができ、及び/又はゲートの使用から恩恵を得ることができるあらゆる環境に適用できる点に留意されたい。このため、本明細書で開示される主題は、レストラン、コンサート会場、銀行、ショッピングセンター、大学、カフェテリアなどに適用することができる。
【0013】
図1は、本開示の態様による、ゲートシステム14によって定められた待ち行列経路4に沿って移動する来園者12の待ち行列10の平面図を示す。図示の実施形態は、遊園地のアトラクション入口17を通過することによって遊園地アトラクションに参加する前に待ち行列10に並んで待機することができる来園者12を含む。議論を促進させるために、待ち行列10、ゲートシステム14、及び他の構成要素は、順方向1、横方向2、及び垂直方向3を含む座標系を基準として説明することができる。待ち行列10に並んで待機している間、図示のように、待ち行列10内の来園者12は、待ち行列経路4が左右に曲がりくねるような、曲がりくねった(例えば、蛇状、ジグザグ、転回)経路を辿ることができる。待ち行列経路4は、あらゆる構成を有することができる点を理解されたい。
【0014】
一実施形態では、ゲートシステム14は、来園者12が待ち行列10にアクセスし、待ち行列出口20を通って効率的に出ることを可能にすることができる。図示のように、ゲートシステム14は、来園者12の通過を可能にする開位置と、来園者12の通過を阻止する閉位置との間の横方向2に沿って滑動するゲート16を含むことができる。閉位置では、ゲート16は更に、待ち行列経路4を定めることができる。開位置におけるゲートシステム14は、
図5の説明について以下で詳細に説明される。閉位置にあるゲートシステム14は、
図4の説明について以下で詳細に説明される。
【0015】
一実施形態では、図示のゲート16は、全て開位置にあり、これにより順方向1に沿った経路6(例えば、出口経路)を定め、待ち行列10における来園者12が待ち行列出口20を介して待ち行列10を迅速に出ることを可能にする。例えば、待ち行列10に関連付けられた遊園地アトラクションが運用を停止又はシャットダウンした場合、来園者12は、待ち行列10から迅速に退出することを望む可能性がある。長くなる可能性のある待ち行列経路4を辿るのではなく、来園者12は、開位置にあるときに順方向1に沿って経路6を辿り、ゲート16が待ち行列10から効率的に退出することができる。
【0016】
図示の実施形態は、待ち行列10の領域によって形成された周囲の一部に配置された(positioned)アテンダントレーン22を含む。一実施形態において、アテンダントレーン22は、壁を介して待ち行列10から分離することができる。加えて、壁は、遊園地の係員がアテンダントレーン22から待ち行列10を監視するのを可能にする窓を含むことができる。一実施形態において、ゲートシステム14を制御することができるコントローラ30が、アテンダントレーン22に配置される。一実施形態において、アテンダントレーン22の遊園地の係員は、コントローラ30がゲートシステム14のゲート16を作動させるために処理することができる命令(例えば、コントローラ30のユーザーインターフェースを介して、又はコントローラ30に無線結合するなど、コントローラ30に通信可能に結合される)を送ることができる。例えば、遊園地の係員は、ゲート16を開位置から閉位置に変更する命令を送ることができる。コントローラ30は、ゲート16に近接するか、又はゲート16から遠隔にある様々な位置の何れかに配置することができる点を理解されたい。更に、コントローラ30は、1又は2以上のセンサー(例えば、乗り物がシャットダウンすることになることを示す雨又は風センサーからの信号、或いは待ち行列経路4、アトラクション、環境、又は遊園地のステータス又は状態を示す信号を提供する他の何れかの好適なセンサー)からの入力など、ゲート16を制御するのに使用できる様々な入力を受信することができる。
【0017】
一実施形態では、コントローラ30は、プロセッサ34(例えば、マイクロプロセッサ)及びメモリ32を含む。プロセッサ34は、ゲートシステム14を制御するソフトウェアなどのソフトウェア(例えば、メモリ32に記憶される)を実行するのに使用することができる。更に、プロセッサ34は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の汎用マイクロプロセッサ、1又は2以上の専用マイクロプロセッサ、及び/又は1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はこれらの何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ34は、1又は2以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことができる。
【0018】
メモリ32は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリデバイス、及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含むことができる。メモリ32は、様々な情報を記憶することができ、様々な目的に使用することができる。例えば、メモリ32は、ゲートシステム14を制御するための命令など、プロセッサ34が実行するプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を記憶することができる。メモリ32(例えば、不揮発性記憶装置)は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又はその他の適切な光学、磁気、又はソリッドステートの記憶媒体、又はこれらの組み合わせを含むことができる。メモリ32は、データ(例えば、画像データ及び音声データ)、命令(例えば、ゲートシステム14を制御するためのソフトウェア又はファームウェア)、及び他の何れかの好適なデータを記憶することができる。
【0019】
更に、図示の実施形態は、コントローラ30に通信可能に結合することができ、ゲートシステム14への電力出力を調節することができる電源36を含む。電源36は、閉位置と開位置との間でゲート16を移動させるのに必要な電力を供給できる何れかの好適なデバイスとすることができる。例えば、電源36は、バッテリー(例えば、鉛酸、及び/又はリチウム)、発電機などとすることができ、動力(例えば、電力)は、交流(AC)電源プラグ又はソケット介してゲートシステム14に伝達されるようになる。一実施形態では、ゲート16の位置は、コントローラ30を介して電源36の電力出力を調節することに基づいて(例えば、閉位置と開位置との間で)調整することができる。
【0020】
図2は、本開示の態様による、
図1のゲートシステム14によって定められた待ち行列経路4に沿って移動する来園者12の実施形態の斜視図を示す。図示の実施形態は、閉鎖構成のゲートシステム14を含む。すなわち、ゲートシステム14は、来園者12がゲート16を通り抜けること、又は順方向1に沿って移動し続けることを阻止することによって待ち行列経路4を定め、待ち行列経路4の方向を横方向2に向けてシフトする。
【0021】
図に示すように、ゲートシステム14は、第1のゲートレール40、第2のゲートレール42、及び第3のゲートレール44を含み、以下これらをまとめて「ゲートレール」と呼ぶ。ゲートレール40、42、及び44は各々、横方向2に沿って床と実質的に平行に配向される。ゲートレール40、42、及び44は、全体として、ゲート16の一般的形状を形成する平面にわたっている。更に、ゲートレール40、42、及び44は、鋼、アルミニウム、鉄、プラスチック、及び/又は同様のものなどの材料で形成することができる。図示の実施形態は、3つのゲートレールを含むが、一実施形態では、ゲート16は、あらゆる数のゲートレールを含むことができる。例えば、ゲート16は、2本、4本、6本、8本、10本、20本、又はあらゆる数のゲートレールを含むことができる。図示のように、ゲート16は、ゲートレール40、42、及び44に結合された垂直支持ビーム45を含む。
【0022】
以下を念頭に置いて、図示の実施形態は、何れかの2つの連続的に離間したゲートレール間の垂直距離(例えば、垂直方向3に沿った距離)によって形成されるそれぞれのギャップに配置された圧縮性シート50(例えば、折り畳み可能なシート、又はパネル)を含む。例えば、図示の実施形態は、第1のゲートレール40と第2のゲートレール42との間に第1の圧縮性シート51を含む。加えて、図示の実施形態は、第2のゲートレール42と第3のゲートレール44との間に第2の圧縮性シート53を含む。一実施形態では、ゲート16がより多くのゲートレールを含む場合、より多くの圧縮性シート50が存在することができる。例えば、ゲート16が、横方向2に沿って床に平行に配向されて、対応する垂直距離だけ他のゲートレールから分離された5本のゲートレールを含む場合、ゲート16は、4枚の圧縮性シート50を含むことができる。一実施形態では、圧縮性シート50は含まれない(例えば、ゲート16は、圧縮性シート50がない)。
【0023】
一実施形態では、ゲート16は、圧縮性シート50を含まない何れかの2つのゲートレール間にギャップを含むことができる。例えば、第1のゲートレール40と第2のゲートレール42との間に圧縮性シート51と、第2のゲートレール42と第3のゲートレール44との間に圧縮性シート53を含むのではなく、ゲート16は、第1のゲートレール40と第2のゲートレール42との間に圧縮性シート50のみを含むことができる。このため、第2のゲートレール42と第3のゲートレール44との間に開放ギャップが存在することができる(例えば、圧縮性シート50は、省略することができる)。
【0024】
一実施形態では、コントローラ30は、例えば電源36を調節することにより、プロセッサ34を介して、ゲート16を閉位置と開位置との間で移動させるメモリ32に記憶された命令を実行することができる。圧縮性シート50は、ゲートレール40、42、及び44が開位置と閉位置との間を移動するにつれて移動(例えば、平行移動、折り畳み、及び/又は圧縮)することができる。このため、圧縮性シート50は、(例えば、ゲートシステム14が閉位置から開位置に移動する場合に)横方向2に沿って圧縮することができる何れかの材料のものとすることができる。例えば、一実施形態では、圧縮性シート50は、ナイロン、綿、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PET)、又はこれらの何れかの組み合わせから作ることができる。一実施形態では、圧縮性シート50は、ウレタンでコーティングされた又はポリエチレンなどのプラスチックで作られた布(例えば、キャンバス又はポリエステルなど)を更に含むことができる防水布などの実質的に耐水性又は防水性材料から作ることができる。更に、圧縮性シート50は、横方向2に沿った圧縮を促進する何れかの好適なポリマーで作られた織物材料を含むことができる。
【0025】
図3に移ると、本開示の態様による、ゲートシステム14の実施形態の正面斜視図が示される。図示の実施形態は、ゲートレールによって形成された垂直ギャップ内に圧縮性シート50を備えた上述のゲートレール40、42、及び44を含む。更に、図示の実施形態は、それぞれのゲートレールの周囲をループ状にすることができる留め具(clasp)54(例えば、クリップ、リング、環状又はC字型構造)を受けることができるシート開口部52(例えば、孔)を備えた圧縮性シート50を含む。一実施形態では、シート開口部52は、シート開口部52と係合する留め具54によって圧縮性シート50の引き裂けを防止するために、各シート開口部52の外周を辿るそれぞれの金属要素(例えば、グロメット)を含むことができる。
【0026】
更に、留め具54は、それぞれの圧縮性シート50のシート開口部52と係合することによって、圧縮性シート50のセットを垂直方向3に沿って互いに結合することができる。例えば、図示の実施形態は、第2のゲートレール42の周囲に配置され且つ第1及び第2の圧縮性シート51及び53(例えば、第2のゲートレール42の上下の圧縮性シート)に対応するシート開口部52と係合する留め具54を含む。一実施形態では、留め具54は、何れかの他の材料(例えば、プラスチック)のものとすることができる。留め具54は、ゲートレールをそれぞれの圧縮性シート50のシート開口部52に結合することができる。例えば、図示のように、第3のゲートレール44は、第3のゲートレール44の周囲にループ状にするのではなく、第3のゲートレール44の内側に結合される4つの留め具54を含む。
【0027】
一実施形態では、圧縮性シート50は、圧縮性シート50をゲート16の周囲に結合することができるクリップ56を含むことができる。図示の実施形態では、これらのクリップ56は、圧縮性シート50に横方向に係合する(例えば、圧縮性シート50の側縁部に係合する)。一実施形態では、クリップ56は、圧縮性シート50を拡張位置に維持し、ゲート16が閉位置にある間は圧縮性シート50がそれぞれのゲートレール40、42、44に沿って滑動するのを阻止する。
【0028】
ゲートシステム14の図示の実施形態は、保護部材62(例えばブラケット)を備えたホイール60を含み、ホイール60が床66の線状開口部64に沿って転動する(roll)ことができるようにする。他の実施形態では、ゲートシステム14は、横方向2に沿ったゲート16の移動を容易にするため、何れかの数のホイール60又は転動部材を含むことができる。例えば、ゲートシステム14は、横方向2に沿ったゲート16の移動を容易にすることができる、2個、4個、6個、10個、又は何れかの好適な数のホイール、転動部材、及び/又は滑動部材を含むことができる。図示のように、ホイール60は、第1のゲートレール40に結合され、ホイール60は、横方向2に沿って転動し、閉位置から開位置への横方向2に沿ったゲート16の移動を容易にすることができる。
【0029】
すなわち、ホイール60は、横方向2に沿ってゲートレール16及びそのゲートレール40、42、及び44の移動を容易にすることができ、ゲート16が閉位置(例えば、
図3に示すように)から横方向2に沿って開位置まで、移動するときに、第1、第2、及び第3のゲートレール40、42、及び44が各々、それぞれの通路を定めるそれぞれの固定レール内に滑動することができるようになる。図示の実施形態は、第1の通路76を定める第1の固定レール70と、第2の通路78を定める第2の固定レール72と、第3の通路86を定める第3の固定レール74とを含む第1の固定支持構造69を含む。ゲート16が閉位置から開位置に移動するときに、第1の通路76は、第1のゲートレール40を受け入れるように構成され、第2の通路78は、第2のゲートレール42を受け入れるように構成され、第3の通路86は、第3のゲートレール44を受け入れるように構成される。
【0030】
図示したゲートシステム14は、1つのゲートを含むが、一実施形態では、ゲートシステム14は、横方向2に沿ってそれぞれの固定レール70、72、及び74に各々が滑動することができるゲート16を含むことができる。一実施形態では、それぞれの固定レール70、72、及び74は、それぞれのゲート16を受け入れるそれぞれの通路76、78、及び86を定めることができ、これによりゲート16が閉位置から開位置まで滑動できるようにする。このような構成は、待ち行列10の通過及び/又は待ち行列10からの退出に干渉しない(例えば、ゲート16は、来園者12の経路にまで回転又は旋回しない)コンパクトなゲートシステム14を提供することができる。
【0031】
図4は、本開示の態様による、閉位置にある
図1のゲートシステム14の実施形態の立面図及び断面図を示す。図示の実施形態は、横方向2に沿って移動するように構成することができる第1のゲートレール40と、第2のゲートレール42と、第3のゲートレール44とを有するゲート16を含み、ゲートレール40、42、及び44が、対応する固定レール70、72、及び74によって定められたそれぞれの通路76、78、及び86に滑動することができるようになる。対応する固定レール70、72、及び74は各々、床66に実質的に平行に配置され、各々が第1の固定支持構造69(例えば、床66に対して固定)に当接する。ホイール60は、床66上の線状開口部64に沿って転動し、横方向2に沿って閉位置から開位置及び/又は開位置から閉位置へのゲート16の移動を容易にすることができる。一実施形態では、これらの線状開口部64は、湾曲した(又は可撓性の)ゲートレール40、42、及び44並びに湾曲した通路76、78、及び86に対して湾曲することができる。上述のように、コントローラ30は、プロセッサ34を介して、メモリ32に記憶された命令を実行し、ゲートシステム14を閉位置と開位置との間で変更することができる。一実施形態では、閉位置と開位置との間のゲートシステム14の変更は、電源36を調節することを含むことができる。
【0032】
更に、図示の実施形態は、ゲートシステム14を閉位置に維持するために、図示した横方向2と反対の力を及ぼすことができるロック部材80(例えば、ロック)を含む。以下でより詳細に説明するように、ロック部材80は、電源36を介して電流(例えば、好適な周波数の交流電流)の供給を受けることができる電磁ロック(electromagnetic lock)とすることができる。一実施形態では、電磁ロックが及ぼすことができる力の大きさは、電源36によって供給される電流に関連している。例えば、電源36によってロック部材80(例えば、電磁ロック)に供給される電流の大きさが大きいほど、ロック部材80によって横方向2とは反対の方向にゲート16に及ぼされる力の大きさがより大きくなる。
【0033】
ロック部材80は、何れかの好適な構成を有することができる。例えば、ロック部材80は、第2の固定支持構造100上のフック開口部と係合することができるゲート16上のフックを含むラッチシステムとすることができる。このため、ゲートシステム14が閉位置にあるときには、ゲート16上のフックは、図示した第2の固定支持構造100の開口部に結合され、ゲートシステム14が閉位置にとどまるように(例えば、
図4に示されるように)することができる。フックは、コントローラ30によって手動で操作及び/又は制御されて、開口部からラッチ解除し、ゲートシステム14が閉位置から開位置まで移動できるようにすることができる。ゲートシステム14は、第2の固定支持構造100上に何れかの数のロック部材80を含むことができる点に留意されたい。例えば、例示の実施形態は、1つのロック部材80を含むが、更なる実施形態では、ゲートシステム14は、2、4、6、10、又は何れかの好適な数のロック部材80を含むことができる。このため、一実施形態では、ロック部材80は全て、各々がコントローラ30及び電源36に通信可能に結合することができる電磁ロックとすることができ、コントローラ30及び電源36が同じ電流供給を独立して受け取ることができるようになる。従って、ロック部材80の一部又は全ては、コントローラ30を介して同時に作動することができ、これにより、来園者の経路を迅速に調整又は提供することができる。一実施形態では、ロック部材80は各々、同じ力を及ぼすことができ、或いは別の実施形態では、ロック部材80は、異なる力を及ぼすことができる(例えば、電源36か送給されてコントローラ30によって調節される電力/電流に基づいて)。
【0034】
更に、図示の実施形態は、第1の結合要素94を介して1又は2以上のゲートレール40、42、44に結合することができる付勢システム90を含む。より具体的には、図示の実施形態では、第1の固定レール70の第1の通路76、第2の固定レール72の第2の通路78、及び第3の固定レール74の第3の通路86は各々、それぞれの付勢部材92を含む。付勢部材92は、第1の結合要素94及び第2の結合要素96を含む。図示の実施形態では、第1及び第2の結合要素94及び96は、フック及びラッチシステム、チェーン、溶接部などの何れかの好適な結合要素とすることができる。更に詳細には、第1の結合要素94は、付勢部材92をそれぞれのゲートレール40、42、及び/又は44に結合する。更に、第2の結合要素96は、付勢部材92を固定通路構造98(例えば、床66に対して固定された)に結合する。一実施形態では、固定通路構造98は、固定レールによって形成された通路の内側に配置することができ、固定レールとすることができ、又は壁とすることができ、第2の結合要素96が壁と直接係合して壁を付勢部材92に結合するようにする。図示の実施形態は、各固定レール70、72及び74に対応する付勢部材92を含むが、一実施形態では、一部の固定レールが付勢部材を含むが、他は含まない点に留意されたい。
【0035】
図示の実施形態は、付勢部材92としてばねを含み、ゲートシステム14が閉位置にあるときには、ばねが固定通路構造98及びゲート16に固定されていることに起因して、ばねが延伸されるようになる。従って、付勢部材92は、付勢部材92の力に反作用するロック部材80からの力が存在しないときには、
図5に関して以下で論じられる開位置内にゲート16を駆動することができる力(例えば、フックの法則による)を及ぼす。ゲート16が図示した閉位置にあるときには、ばね(例えば、付勢部材92)が伸びることができる。代替の実施形態では、付勢部材92は、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。
【0036】
一実施形態では、ロック部材80は、付勢部材92によって及ぼされる力と反対の力を及ぼすことができる。一実施形態において、ロック部材80によって及ぼされる力(例えば、図示の横方向2と反対の方向に)は、付勢部材92によって及ぼされる力(例えば、横方向2に沿って)よりも大きくすることができ、
図4に示すように、ゲートシステム14が閉位置にとどまるようになる。
【0037】
更に、図示の実施形態は、ゲートシステム14が閉位置にあるときには、圧縮されていない(例えば、折り畳まれていない、及び/又は伸びている)圧縮性シート50を含む。更に、ゲートシステム14が閉位置にあるときには、ゲート16は、ロック部材80、又は第2の固定支持構造100に当接するように配置される。前述のように、ゲートシステム14が閉位置にあるときには、ロック部材80によって及ぼされる力は、付勢システム90の付勢部材92によって及ぼされる力とは反対方向で、且つそれよりも大きくすることができる。
【0038】
図5に移ると、本開示の態様による、開位置にある
図1のゲートシステム14の一実施形態の立面断面図が示されている。すなわち、
図4は、閉位置にあるゲートシステム14を示すが、
図5は、開位置にあるゲートシステム14を示している。ゲートシステム14は、コントローラ30のプロセッサ34からの制御信号に応答して、閉位置から図示の開位置に移動することができる。例えば、プロセッサ34は、メモリ32に記憶された命令を実行して、電源36からロック部材80に送給される電流を低減又は阻止し、これによりロック部材80をロック位置からアンロック位置に移動させて、付勢システム90がゲート16を開位置に駆動できるようになる。
図4に示した実施形態と同様に、
図5は、第1の固定レール70の第1の通路76内に滑動するように構成された第1のゲートレール40と、第2の固定レール72の第2の通路78内に滑動するように配置された第2のゲートレール42と、更に第3の固定レール74の第3の通路86内に滑動するように構成された第3のゲートレール44とを有するゲート16を含むゲートシステム14を示している。ゲートシステム14は、第1の固定支持構造69及び第2の固定支持構造100を含むことができ、第2の固定支持構造100がロック部材80(例えば、電磁ロック)を含むようになる。更に、ゲートシステムのホイール60は、床66の線状開口部64に沿って転動することによって、閉位置から開位置(及び開位置から閉位置)へのゲート16の移動を容易にすることができる。
【0039】
更に、図示の実施形態は、ゲート16を開位置に向かって付勢する付勢システム90を含む。付勢システム90は、付勢部材92と、対応する付勢部材92を対応するゲートレール40、42、及び/又は44に結合するそれぞれの第1の結合要素94と、対応する付勢部材92を固定通路構造98に結合するそれぞれの第2の結合要素96とを含む。前述のように、一実施形態では、付勢部材92はばねとすることができ、ばねが伸びたとき(例えば、ゲート16が図示した開位置にないとき)には、力が常にゲートレール40、42、及び/又は44に加えられるようになる。ゲート16が図示の開位置にあるときには、ばね(例えば、付勢部材92)は、圧縮(例えば、収縮)することができる。
【0040】
ゲート16が閉位置から開位置に移行するときには、ゲートレール40,42、及び44は、対応する固定レール70、72、及び74によって定められたそれぞれの通路76,78、及び86内へ横方向2に沿って滑動することができる。この動きは、ホイール60によって促進される。更に、ゲート16が開位置にあるときには、圧縮性シート50は、移動方向(例えば、横方向2)に沿って圧縮される(例えば、折り畳まれる)。一実施形態では、圧縮性シート50は、圧縮性シート50をゲート16の垂直支持ビーム45及び第1の固定支持構造69に結合することができるクリップ56を含むことができる。一実施形態では、クリップ56は、ゲート16が開位置にある間に、圧縮性シートがそれぞれのゲートレール40、42、及び44に沿って滑動することを防止することができる。
【0041】
図6は、本開示の態様による、
図1のゲートシステム14のゲート16の実施形態の側断面
図105を示す。図示の実施形態は、上記で議論された図において説明されたものと同じ座標系を含む。より具体的には、図示の実施形態は、第3のゲートレール44と、クリップ56と、第3のゲートレール44の周りをループして第3のゲートレール44を第1の圧縮性シート51に結合する留め具54と、を有する上部110を含む。更に、図示の実施形態は、第2のゲートレール42と、クリップ56と、第2のゲートレール42の周りをループして第2のゲートレール42を第1及び第2の圧縮性シート51及び53に結合する留め具54と、を有する中間部130を含む。更に、図示の実施形態は、第1のゲートレール40と、クリップ56と、第1のゲートレール40の周りをつなぎ、第1のゲートレール40を第2の圧縮性シート53に結合する留め具54と、を有する下部150を含む。図示の実施形態は、4つのクリップ56のみを含むが、ゲートシステム14は、2、6、10、15、20などの何れかの数のクリップ56を含むことができる点に留意されたい。図示の実施形態は、圧縮性シート50と横方向に係合するクリップ56を含むが、一実施形態では、クリップ56は、圧縮性シート50と垂直及び/又は長手方向に係合することができる(例えば、圧縮性シート50の上縁又は下縁に係合する)。
【0042】
更に、第3のゲートレール44と第2のゲートレール42との間の第2の圧縮性シート53は、高さH1を有する。第1のゲートレール40と第2のゲートレール42との間の第1の圧縮性シート51は、H2の高さを有する。一実施形態では、H1は、H2と同じとすることができるが、他の実施形態では、H1及びH2は異なることができる点に留意されたい。更に、一実施形態では、H1はまた、第3のゲートレール44と第2のゲートレール42との間の距離とすることができる。このため、H2はまた、第1のゲートレール40と第2のゲートレール42との間の距離とすることができる。更に、ゲート16の高さH3は、床66からの何れかの好適な高さとすることができる。
【0043】
図7は、本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の上部110の実施形態の側断面図を示す。図示のように、留め具54は、第3のゲートレール44の内側に配置されて、留め具54を第3のゲートレール44に結合するために第3のゲートレール44の内面に係合する上部T字形部分112を含む。このため、一実施形態では、留め具54は、第3のゲートレール44に沿って滑動することができる。
【0044】
図示の実施形態は、留め具54を受けることができるシート開口部52の断面図を更に示す。より詳細には、シート開口部52は、シート開口部52の周囲を辿る布製アイレット114(例えば、グロメット)を含むことができる。一実施形態では、布製アイレット114は、シート開口部52に強度を付加し、これにより圧縮性シート50の耐久性を高めることができる金属材料製とすることができる。図示の実施形態は、圧縮性シート50をゲート16の周辺に固定することができるクリップ56を示す。
【0045】
図8は、本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の中間部分130の実施形態の断面図を示す。より詳細には、図示の実施形態は、第2のゲートレール42を含み、留め具54は、第2のゲートレール42の周囲に配置される。上述のように、第1及び第2の圧縮性シート51及び53は、シート開口部52の周囲を辿る布製アイレット114(例えば、グロメット)を備えたシート開口部52を含むことができる。更に、クリップ56は、圧縮性シート50を横方向2に沿ってゲート16に固定することができる。
【0046】
図9は、本開示の態様による、
図6のゲートの断面図の下部150の一実施形態の断面図を示す。より詳細には、図示の実施形態は、クリップ56を介して横方向2に沿って固定された圧縮性シート50を含む。更に、圧縮性シート50は、シート開口部の周囲を辿る布製アイレット114(例えば、グロメット)を含むことができるシート開口部52を含む。シート開口部52は、留め具54を受け入れて、圧縮性シート50を第1のゲートレール40に結合することができる。
【0047】
加えて、図示の実施形態は、ゲート16の閉位置から開位置への移動を容易にするために線状の開口部64に沿って転動することができるホイール60を含む。更に、ホイール60は、順方向1に沿ってホイール60の前方及び後方に位置付けられた保護部材62を含む。更に、保護部材62は、ホイール60のハブを受け入れるように構成された開口部を含むことができる。追加の実施形態において、ホイール60は省略することができる点に留意されたい。更なる実施形態において、ホイール60は、横方向2に沿ってゲートの移動を容易にすることができる何れかの要素によって置き換えることができる。
【0048】
図10は、本開示の態様による、
図1のゲートシステム14のロック部材80の実施形態の斜視図を示す。図示の実施形態は、それぞれのシート開口部52を介して圧縮性シート50と係合する複数の留め具54を介して第2のゲートレール42に結合された圧縮性シート50を含む。シート開口部52は、複数の留め具54からシート開口部を保護することができる布製アイレット114を含むことができる。更に、圧縮性シート50は、クリップ56を介して垂直支持ビーム45に結合される。
【0049】
更に、図示の実施形態は、コントローラ30に通信可能に結合された電磁ロックであるロック部材80を含む。コントローラ30は、ゲートシステム14のゲート16の位置を制御するためにメモリ32に記憶された命令を実行することができるプロセッサ34を含む。例えば、プロセッサ34は、ゲート16を開位置から閉位置に移動させるためのユーザー入力を受けることができる。これに加えて又はこれとは別に、コントローラ30は、ゲート16の位置(例えば、閉位置と開位置との間)を制御することができる制御信号をロック部材80に送信する自動制御方式を実行することができる。一実施形態では、コントローラ30は、電源36からロック部材80に供給される電流を制御することができる。
【0050】
より具体的には、ロック部材80は、第2の固定支持構造100に取り付けられた電磁ロックの電磁部82と、ゲート16に取り付けられた電機子プレート(armature plate)84とを含む。ゲート16が閉位置にあるときには、本実施形態に示されているように、電磁部82(例えば、電磁石)及び電機子プレート84は、互いに接触することができる。或いは、及び/又はこれに加えて、ゲート16が開位置にあるときには、電磁部82(例えば、電磁石)及び電機子プレート84は、互いに接触することができない。更に、電磁部82(例えば、電磁石)が励磁されたとき(例えば、電源36を形成する電流供給を介して)、電磁部82を通過する電流は、電機子プレート84を電磁部82に引き付ける磁束を生成し、ゲート16を閉位置に保持することができる力(例えば、ロック作用)を生成する。一実施形態では、電磁部82(例えば、電磁石)及び電機子プレート84との嵌合領域は、比較的大きくすることができる。このため、磁束に関連する力(例えば、ロック動作)は、付勢部材92によって生成された応力(例えば、軸方向の力)下であっても、ゲート16を閉位置に保持するのに十分強い可能性がある。
【0051】
本明細書では、幾つかの実施形態のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の実際の趣旨に該当するような全ての修正及び変更を含むものであると理解されたい。