(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】安定化酸素を含む組成物およびその作製方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/26 20060101AFI20220117BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G01N27/26 381D
G01N27/416 338
(21)【出願番号】P 2020533834
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 US2018066398
(87)【国際公開番号】W WO2019126266
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-10
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー・サンプローニ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ホラン
(72)【発明者】
【氏名】ムルリ・ナラヤン
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04853091(US,A)
【文献】特開昭60-093952(JP,A)
【文献】特表2005-534031(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00689050(EP,A1)
【文献】実開昭63-105072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素、
グルコース、マルトース、ラクトース、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロース、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される糖あるいは糖アルコール、および
オルニチン、アルギニン、またはそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸を含有し、
該アミノ酸は糖または糖アルコールと酸素の間の化学反応を阻害し、該アミノ酸は
、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない対照組成物と比較して、長期室温貯蔵のために、該酸素
(p0
2
)を安定させるのに十分な量で存在する、
液体溶液組成物。
【請求項2】
前記アミノ酸が、オルニチ
ンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アミノ酸が、
アルギニンである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
約0.5mmol/l~約11mmol/lの前記アミノ酸を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
約25mmHg~約650mmHgの前記酸素を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
約27mg/dl~約750mg/dlのグルコースを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
約4.5mg/dl~約200mg/dlの血中尿素窒素(BUN)をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
ナトリウム、塩化物、カリウム、カルシウム、マグネシウム、またはそれらの任意の組
み合わせをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、約6.6~約7.7のpHを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が閉鎖系に配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物を備えた、水性診断品質管理または較正の試薬。
【請求項12】
分析機器の、酸素センサー、グルコースセンサー、または酸素センサーおよびグルコースセンサーの両方を較正するように適合された、請求項11に記載の水性診断品質管理または較正の試薬。
【請求項13】
液体溶液中の酸素を安定化させる方法であって、
安定化量のアミノ酸を該液体溶液に添加
することを含み、
該液体溶液は、該酸素と
、グルコース、マルトース、ラクトース、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロース、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される糖あるいは糖アルコールとを含
み、
該アミノ酸は、オルニチン、アルギニン、またはそれらの組み合わせからなる群より選択され、
ここで、安定化量のアミノ酸は、糖または糖アルコールと酸素の間の化学反応を阻害し、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない対照組成物と比較して、長期室温貯蔵のために、該酸素(p0
2
)を安定させる、方法。
【請求項14】
前記アミノ酸が、オルニチ
ンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アミノ酸が
、アルギニンである、請求項1
3に記載の方法。
【請求項16】
前記液体溶液が、約0.5mmol/l~約11mmol/lの前記アミノ酸を含有する、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記液体溶液が、約25mmHgから約650mmHgの前記酸素を含む、請求項13~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記液体溶液が、約27mg/dl~約750mg/dlのグルコースを含有する、請求項13~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記液体溶液が、診断センサーと共に使用するための、水性診断品質管理または較正の試薬である、請求項13~18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、安定化酸素を含む組成物およびその作製方法を開示する。
【0002】
本件出願は、2017年12月21日に提出された米国仮出願第62/608,677号の35USC§119(e)に基づく利益を主張する。上記で参照した特許出願の内容全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
室温では酸素(p02)が不安定であるため、水性診断品質管理および校正の試薬は通常2~8℃で保存する必要がある。ユーザーは、近辺で冷蔵を利用できない場所でアッセイを実行する必要があり、保管温度範囲を2~30℃に拡大することが好ましい場合がある。したがって、2~8℃での保管では、診断品質管理や校正の試薬の保管には不十分な場合がよくある。
【0004】
本明細書に開示されるのは、酸素、糖あるいは糖アルコール、およびアミノ酸を含有し、アミノ酸は、酸素を安定化するのに十分な量で存在する組成物である。
【0005】
開示された組成物のいずれかを含む水性診断品質管理または較正の試薬も提供される。
【0006】
さらに提供されるのは、液体溶液中の酸素を安定化する方法であり、この方法は、安定化量のアミノ酸を液体溶液に添加することを含み、液体溶液は酸素および糖あるいは糖アルコールを含む。
【0007】
概要および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとさらに理解される。開示された組成物、試薬、および方法を例示する目的で、組成物、試薬、および方法の例示的な実施形態が図面に示されている;しかしながら、組成物、試薬、および方法は、開示された特定の実施形態に限定されない。図面では、以下が示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、45℃で2週間保管された溶液のグルコース濃度に対するp02分解のパーセント(%)を示している。
【
図2】
図2は、ゼロ時間(ベースライン)と比較した、25℃で12週間保存されたアミノ酸含有溶液中の酸素回収率パーセント(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示された組成物、試薬、および方法は、本開示の一部を構成する添付の図面と関連して行われる以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。開示された組成物、試薬、および方法は、本明細書に記載および/または示される特定の組成物、試薬、および方法に限定されないことと、本明細書で使用される用語は、例として特定の実施形態を説明することのみを目的とし、特許請求される組成物、試薬、および方法を限定することを意図するものではないこととが、理解されるべきである。
【0010】
特に明記されていない限り、可能なメカニズムまたは作用モードまたは改善の理由に関するいかなる説明も、例示のみを目的とするものであり、開示された組成物、試薬、および方法は、そのような提案されたメカニズムあるいはアクションのモードまたは改善の理由の正確性または不正確さによって制約されるものではない。
【0011】
このテキスト全体を通して、説明は、安定化された酸素を含有する組成物、および液体溶液中の酸素を安定化させる方法に言及している。開示が組成物に関連する特徴または実施形態を説明または主張する場合、そのような特徴または実施形態は、開示された方法に等しく適用可能である。同様に、開示が、開示された方法に関連する特徴または実施形態を説明または主張する場合、そのような特徴または実施形態は、組成物に等しく適用可能である。
【0012】
本明細書で数値の範囲が列挙または確立されている場合、その範囲は、その端点と、範囲内のすべての個々の整数および分数を範囲内に含み、そして、これらの端点と内部の整数および分数の全てのさまざまな可能な組み合わせによって形成される、その中のより狭い範囲のそれぞれも、指定された範囲内の値のより大きなグループのサブグループを形成するために、それらのより狭い範囲のそれぞれが明示的に列挙されているかのようにと同じ程度に、含む。本明細書で数値の範囲が所定の値よりも大きいと述べられている場合でも、範囲は有限であり、その上限は、本明細書に記載の本発明の文脈内で動作可能な値によって制限される。本明細書では、数値の範囲が所定の値未満であると記載されている場合でも、その範囲は、その下限が非ゼロ値によって制限されている。本発明の範囲が、範囲を定義するときに列挙された特定の値に限定されることは意図されていない。すべての範囲は包括的で結合可能である。
【0013】
先行詞「約」を使用することによって値が近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。特定の数値への言及は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、少なくともその特定の値を含む。
【0014】
明確にするために別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている開示された組成物、試薬、および方法の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供することもできることを理解されたい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている、開示された組成物、試薬、および方法の様々な特徴は、別々にまたは任意のサブコンビネーションで提供することもできる。
【0015】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形を含む。
【0016】
説明の態様に関連する様々な用語が、明細書および特許請求の範囲全体で使用されている。そのような用語は、他に示されない限り、当技術分野におけるそれらの通常の意味を与えられるべきである。他の具体的に定義された用語は、ここで提供された定義と一致するように解釈される。
【0017】
「約(about)」という用語は、数値範囲、カットオフ(cutoffs)、または特定の値に関連して使用される場合、列挙された値がリストされた値から最大10%変動する可能性があることを示すために使用される。したがって、「約(about)」という用語は、指定値から、±10%以下の変動、±5%以下の変動、±1%以下の変動、±0.5%以下の変動、または±0.1%以下の変動を包含するように使用される。
【0018】
「備える、含む(Comprising)」という用語は、「から本質的になる」および「からなる」という用語に含まれる例を含むことを意図している;同様に、「から本質的になる」という用語は、「からなる」という用語に包含される例を含むことを意図している。
【0019】
酸素とさまざまな糖およびグルコースなどの糖アルコールを含む溶液では、糖/糖アルコールは化学反応によって酸素を不安定にする傾向がある。開示された組成物は、酸素安定化量のアミノ酸の添加によりこの問題に対処し、糖または糖アルコールが誘発する酸素の不安定化を防止する。開示された組成物は、酸素、糖あるいは糖アルコール、およびアミノ酸を含み、アミノ酸は、酸素を安定させるのに十分な量で存在する。
【0020】
適切な糖および糖アルコールは、グルコース、マルトース、ラクトース、マルツロース、イソマルツロースラクツロース、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、糖はグルコースである。
【0021】
開示された組成物は、糖/糖アルコールと酸素の間の化学反応を阻害する1つまたは複数のアミノ酸を含む。適切なアミノ酸には、例えば、遊離アミノ、イミノ、またはグアニジノ側鎖を含むものが含まれる。アミノ酸は、オルニチン、タウリン、スレオニン、シトルリン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、トリプトファン、アミノグアニジン誘導体、アンホテリシン、またはそれらの任意の組み合わせのD体またはL体にすることができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸はオルニチンである。
【0022】
アミノ酸は、対照組成物と比較して酸素の安定化を増加させるのに十分な量で存在し、該対照組成物は、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない。対照組成物と比較して酸素の安定性の増加は、任意の温度で起こり得る。例えば、アミノ酸は、4℃、37℃、室温、または組成物の貯蔵に適した任意の温度で、長期保存のために、酸素の安定化を高めるのに十分な量で存在することができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、対照組成物と比較して、室温での長期保存のための酸素を安定化するのに十分な量で存在し、対照組成物は、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない。長期保存は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、または1年より長くすることができる。いくつかの実施形態では、室温での長期保存は、6ヶ月から1年間である。
【0023】
いくつかの実施形態では、pO2損失は、室温で24週間の貯蔵期間にわたって約10mmHg未満である。p02損失は、室温で24週間の保管期間で、約1mmHg、2mmHg、3mmHg、4mmHg、5mmHg、6mmHg、7mmHg、8mmHg、9mmHg、または10mmHgになる可能性がある。いくつかの実施形態では、p02損失は、対照組成物と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%減少する。
【0024】
アミノ酸の適切な濃度には、約0.1mmol/l~約20mmol/l、約0.5mmol/l~約15mmol/l、約1mmol/l~約10mmol/l、または約1.5mmol/l~約5mmol/lが含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.5mmol/l~約11mmol/lのアミノ酸を含む。
【0025】
組成物は、約10mmHg~約1000mmHg、約15mmHg~約850mmHg、約20mmHg~約700mmHg、約50mmHg~約500mmHg、または約100mmHg~約250mmHgの酸素を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、約25mmHgから約650mmHgの酸素を含む。
【0026】
組成物は、約5mg/dl~約1000mg/dl、約15mg/dl~約900mg/dl、約20mg/dl~約800mg/dl、または約50mg/dl~約500mg/dlのグルコースを含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、約27mg/dl~約750mg/dlのグルコースを含む。
【0027】
組成物は、酸素、糖あるいは糖アルコール、およびアミノ酸に加えて、血液尿素窒素(BUN)として測定された尿素、塩、緩衝液、保存剤、および/または界面活性剤をさらに含むことができる。BUNの濃度は、約1mg/dl~約200mg/dl、約2mg/dl~約175mg/dl、約3mg/dl~約150mg/dl、約4mg/dl~約100mg/dl、または約5mg/dl~約50mg/dlであることができる。いくつかの実施形態では、組成物は、約4.5mg/dl~約90mg/dlのBUNを含む。適切な塩には、ナトリウム、塩化物、カリウム、カルシウム、マグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。適切な緩衝液には、リン酸塩、MES、MOPS、MOPSO、HEPES、およびTRISが含まれる。適切な界面活性剤には、トリトン、BRIJ、およびサーフィノールが含まれる。適切な保存剤には、MIT、Cl-MIT、およびアジドが含まれる。
【0028】
組成物は、約6~約9、約6.2~約8.5、または約6.4~約8のpHを有することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、約6.6~約7.7のpHを有することができる。
【0029】
開示された組成物は、閉鎖系に配置することができる。適切な閉鎖系には、例えば、可撓性ポーチ、アンプル、ボトル、チューブ、カートリッジなどが含まれる。閉鎖系はガラスまたはポリプロピレンであり得る。
【0030】
本明細書では、本明細書で開示される任意の組成物を含む水性診断品質管理または較正の試薬も提供される。
【0031】
開示された水性診断品質管理および較正の試薬は、分析機器内の酸素センサー、グルコースセンサー、または酸素センサーとグルコースセンサーの両方を較正するように適合させることができる。開示されている水性診断品質管理および較正の試薬は、疾患状態(高血糖症/低血糖症など)および代謝状態(酸素含有量など)の検出/診断を含むが、これらに限定されずに、食品や飲料のテスト、農業、医薬品の開発やテストと同様に、さまざまな医療診断アプリケーションで使用できる。
【0032】
液体溶液中の酸素を安定化する方法も提供され、この方法は、安定化量のアミノ酸を液体溶液に添加することを含み、液体溶液は酸素と糖あるいは糖アルコールを含む。
【0033】
アミノ酸は、糖/糖アルコールと酸素との間の化学反応を阻害するものである。適切なアミノ酸には、例えば、遊離アミノ、イミノ、またはグアニジノ側鎖を含むものが含まれる。アミノ酸は、オルニチン、タウリン、スレオニン、シトルリン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、トリプトファン、アミノグアニジン誘導体、アンホテリシン、またはそれらの任意の組み合わせのD体またはL体にすることができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸はオルニチンである。
【0034】
アミノ酸の安定化量は、対照組成物と比較して酸素の安定化を高めるのに十分な量であり、対照組成物は、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない。対照組成物と比較した酸素の安定性の増加は、任意の温度で起こり得る。例えば、その方法は、4℃、37℃、室温、または液体溶液の保存に適した任意の温度での、長期保存のために酸素の安定性を高めるのに十分な量でアミノ酸を加えることを含み得る。いくつかの実施形態では、その方法は、対照組成物と比較して、室温での長期保存のために酸素を安定化するのに十分な量のアミノ酸を加えることを含み、対照組成物は、酸素および糖あるいは糖アルコールを含むが、アミノ酸は含まない。長期保存は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、または1年より長くすることができる。いくつかの実施形態では、室温での長期保存は、6ヶ月~1年間である。アミノ酸の適切な濃度には、約0.1mmol/l~約20mmol/l、約0.5mmol/l~約15mmol/l、約1mmol/l~約10mmol/l、または約1.5mmol/l~約5mmol/lが含まれる。いくつかの実施形態では、その方法は、約0.5mmol/l~約11mmol/lのアミノ酸を液体溶液に加えることを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、pO2損失は、室温での24週間の保存期間にわたって約10mmHg未満である。p02の損失は、室温で24週間の保存期間で約1mmHg、2mmHg、3mmHg、4mmHg、5mmHg、6mmHg、7mmHg、8mmHg、9mmHg、または10mmHgになる可能性がある。いくつかの実施形態では、p02損失は、対照組成物と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%減少する。
【0036】
液体溶液は、約10mmHg~約1000mmHg、約15mmHg~約850mmHg、約20mmHg~約700mmHg、約50mmHg~約500mmHg、または約100mmHg~約250mmHgの酸素を含むことができる。いくつかの実施形態では、液体溶液は、約25mmHg~約650mmHgの酸素を含む。
【0037】
液体溶液は、約5mg/dl~約1000mg/dl、約15mg/dl~約900mg/dl、約20mg/dl~約800mg/dl、または約50mg/dl~約500mg/dlのグルコースを含むことができる。いくつかの実施形態では、液体溶液は、約27mg/dl~約750mg/dlのグルコースを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、液体溶液は、診断センサーで使用するための水性診断品質管理または較正の試薬である。診断センサーには、糖あるいは糖アルコールおよび/または酸素のセンサーが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、糖あるいは糖アルコールのセンサーはグルコースセンサーである。
【実施例】
【0039】
以下の実施例は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態をさらに説明するために提供される。実施例は、開示された実施形態を限定することではなく、例示することを意図している。
【0040】
酸素とさまざまな糖およびグルコースなどの糖アルコールを含む溶液では、糖/糖アルコールは化学反応によって酸素を不安定にする傾向がある。これは
図1に例示されており、
図1は、45℃で2週間保管した場合の、グルコース濃度の増加に伴う酸素の損失(p02の分解%)を示している。
図1に示されるように、グルコースの添加は、グルコースの濃度の増加とともに増加するpO2の損失を引き起こす。
【0041】
例示的なアミノ酸であるアルギニンおよびオルニチンが25℃で酸素を安定化させる能力を試験した。アルギニンまたはオルニチンを含むグルコース含有溶液(表1)を酸素とともに散布し、次に閉鎖系内に密封した。25℃で12週間保管したサンプルの酸素回収率を分析し、ゼロ時間(ベースライン)と比較した。表1および
図2に示すように、ゼロ時間と比較して、アルギニンまたはオルニチンのそれぞれを25℃で12週間保存したサンプルから、酸素の93.6%および95.7%が回収された。
【表1】
【0042】
当業者は、本発明の好ましい実施形態に対して多くの変更および修飾を行うことができ、そのような変更および修飾は、本発明の精神から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲に含まれるすべてのそのような同等の変形をカバーすることが意図されている。