(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】トルク伝達および機械的操作を伴う高関節運動リストアセンブリを含むロボット手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20220117BHJP
【FI】
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2020537012
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(86)【国際出願番号】 US2019012017
(87)【国際公開番号】W WO2019136041
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-08-25
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】トレイナ, ザッカリー
【審査官】家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0066937(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0296216(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械手術器具であって、前記
電気機械手術器具は、
筐体と、
縦軸を画定
する細長いシャフトであって、前記筐体から遠位に延びている細長いシャフトと、
前記細長いシャフト上で支持され
ているリストアセンブリであって、前記リストアセンブリは、第2の継手に結合され
ている第1の継手を含む、リストアセンブリと、
前記リストアセンブリに結合され
ているエンドエフェクタと、
前記リストアセンブリ内で支持され
ている自在継手アセンブリであって、前記自在継手アセンブリは、前記エンドエフェクタの機能を作動させるために回転可能であ
り、前記自在継手アセンブリは、
駆動シャフトと、
前記駆動シャフトから遠位に延びているボールシャフトと、
前記ボールシャフトを回転可能に支持するために前記ボールシャフト上で支持されている第1の軸受と、
前記ボールシャフトの遠位部分に結合されている第1のボール筐体と、
前記第1のボール筐体に結合されている第1の二重ボールシャフトであって、前記第1の二重ボールシャフトを回転可能に支持する第2の軸受を支持する第1の二重ボールシャフトと、
前記第1の二重ボールシャフトの遠位部分に結合されている第2のボール筐体と、
前記第2のボール筐体の遠位部分に結合されている第2の二重ボールシャフトであって、前記第2の二重ボールシャフトを回転可能に支持する第3の軸受を支持する第2の二重ボールシャフトと、
前記第2の二重ボールシャフトの遠位部分上で支持されている駆動結合器と
を含む、自在継手アセンブリと、
前記リストアセンブリに結合され
ている複数のケーブル
であって、前記複数のケーブルは、前記第1
の継手および
前記第2の継手を操作
することにより、前記自在継手アセンブリおよび前記リストアセンブリが
前記縦軸に対して関節運動することを可能にするために移動可能である
、複数のケーブルと
を備え
る、電気機械手術器具。
【請求項2】
前記第1
の継手および
前記第2の継手は、前記縦軸の周りに互いに対して角度変位させられている、請求項1に記載の
電気機械手術器具。
【請求項3】
前記第1
の継手および
前記第2の継手の
それぞれは、近位セグメントと遠位セグメントとを有し、前記近位
セグメントおよび
前記遠位セグメントは、前記細長いシャフトの前記縦軸に対する前記リストアセンブリの関節運動を促進するため
に互いに対する移動のために支持されている、請求項1に記載の
電気機械手術器具。
【請求項4】
前記第1の継手の前記近位
セグメントおよび
前記遠位セグメントは、互いに回転接触して支持され
ている結合器を含む、請求項3に記載の
電気機械手術器具。
【請求項5】
前記第2の継手の前記近位
セグメントおよび
前記遠位セグメントは、互いに回転接触して支持され
ている結合器を含む、請求項4に記載の
電気機械手術器具。
【請求項6】
前記第1の継手の前記近位
セグメントおよび
前記遠位セグメントは、第1の対のリンクによって一緒に結合され
ており、前記第2の継手の前記近位
セグメントおよび
前記遠位セグメントは、第2の対のリンクによって一緒に結合されている、請求項3に記載の
電気機械手術器具。
【請求項7】
前記リストアセンブリの前記第1の継手は、第1の管状インターフェースによって前記細長いシャフトに結合され
ており、前記リストアセンブリの前記第2の継手は、第2の管状インターフェースによって前記エンドエフェクタに結合されている、請求項1に記載の
電気機械手術器具。
【請求項8】
前記第1の継手は、前記第1の管状インターフェースに回転係止され、前記第2の継手は、前記第2の管状インターフェースに回転係止されている、請求項7に記載の
電気機械手術器具。
【請求項9】
前記第1
の継手および
前記第2の継手は、それらを通した中心開口部を画定し、前記中心開口部は、その中に前記自在継手アセンブリを受け取る
ように位置付けられている、請求項1に記載の
電気機械手術器具。
【請求項10】
前記自在継手アセンブリは、複数の自在継手を含み、前記複数の自在継手のうちの少なくとも2つの自在継手は、前記自在継手アセンブリに沿って縦方向に間隔を置かれた場所に位置付けられている、請求項1に記載の
電気機械手術器具。
【請求項11】
ロボット手術システムであって、前記ロボット手術システムは、
ロボット手術アセンブリと、
請求項1~10のいずれか一項に記載の電気機械手術器具
であって、前記ロボット手術アセンブリに選択的に搭載されている電気機械手術器具と
を備え
る、ロボット手術システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロボット手術システムが、低侵襲医療手技で使用されている。いくつかのロボット手術システムは、手術ロボットアームを支持するコンソールと、ロボットアームに搭載される少なくとも1つのエンドエフェクタ(例えば、鉗子またはステープル留め固定デバイス)を有する手術器具とを含む。ロボットアームは、その動作および移動のために、機械力を手術器具に提供する。各ロボットアームは、手術器具に動作可能に接続された器具駆動ユニットを含み得る。手術器具は、手術器具のエンドエフェクタを動作させるためにモータ駆動されるケーブルを含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、外科的手技での使用のための手術器具に関する。より具体的には、本開示は、低侵襲外科的手技を行うために使用されるロボット手術システムのための関節運動可能なロボット手術器具に関する。本開示は、増加した関節運動、トルク伝達、および機械的操作を提供するロボット手術システムのためのより小型の手術器具を提供する。
【0003】
本開示の側面によると、ロボット電気機械手術器具が、提供される。手術器具は、筐体と、筐体から遠位に延びている細長いシャフトと、細長いシャフト上で支持されるリストアセンブリと、リストアセンブリに結合されるエンドエフェクタと、リストアセンブリ内で支持される自在継手アセンブリと、リストアセンブリに結合されるケーブルとを含む。
【0004】
細長いシャフトは、縦軸を画定する。リストアセンブリは、第2の継手に結合された第1の継手を含む。自在継手は、エンドエフェクタの機能を作動させるために回転可能である。ケーブルは、第1および第2の継手を操作し、自在継手アセンブリおよびリストアセンブリが縦軸に対して関節運動することを可能にするために、移動可能である。
【0005】
いくつかの実施形態において、第1および第2の継手は、縦軸の周りに互いに対して角度変位させられ得る。
【0006】
ある実施形態において、第1および第2の継手の各々は、近位セグメントと遠位セグメントとを有し得る。近位および遠位セグメントは、細長いシャフトの縦軸に対するリストアセンブリの関節運動を促進するための互いに対する移動のために支持され得る。第1の継手の近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器(例えば、歯車)を含み得る。第2の継手の近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器(例えば、歯車)を含み得る。第1の継手の近位および遠位セグメントは、第1の対のリンクによって一緒に結合され得、第2の継手の近位および遠位セグメントは、第2の対のリンクによって一緒に結合され得る。
【0007】
さらに、種々の歯車/結合器が、本明細書に説明されるが、そのような歯車/結合器は、結合器、歯車、歯車様幾何学形状、他の好適な交互配置幾何学形状、および/またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、そのような歯車/結合器は、継手の別の部分に対する継手の一部分の決定論的転動運動を実施するように構成され得、および/または、別様に高摩擦係合のために構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、リストアセンブリの第1の継手は、第1の管状インターフェースによって細長いシャフトに結合され得、リストアセンブリの第2の継手は、第2の管状インターフェースによってエンドエフェクタに結合され得る。第1の継手は、第1の管状インターフェースに回転係止され得、第2の継手は、第2の管状インターフェースに回転係止され得る。
【0009】
ある実施形態において、第1および第2の継手は、その中に自在継手アセンブリを受け取るように位置付けられたそれを通した中心開口部を画定し得る。
【0010】
ある実施形態において、自在継手アセンブリは、自在継手アセンブリに沿って縦方向に間隔を置かれた場所に位置付けられた2つ以上の自在継手を含み得る。
【0011】
別の側面によると、ロボット手術システムが、提供される。ロボット手術システムは、ロボット手術アセンブリと、ロボット手術器具に選択的に搭載された電気機械手術器具とを含む。
【0012】
手術器具は、筐体と、筐体からリストアセンブリまで遠位に延びている細長いシャフトと、リストアセンブリを通して延び、複数の自在継手を含む発射アセンブリと、リストアセンブリ上で支持され、発射アセンブリに固定されたエンドエフェクタと、ケーブル駆動アセンブリとを含む。
【0013】
細長いシャフトは、縦軸を画定する。リストアセンブリは、第2の継手に結合される第1の継手を含む。ケーブル駆動アセンブリは、第1および第2の継手を操作し、発射アセンブリおよびリストアセンブリが縦軸に対して関節運動することを可能にするために、ロボット手術アセンブリによって作動可能である。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1および第2の継手は、縦軸の周りに互いに対して角度変位させられる。第1および第2の継手の各々は、近位セグメントと遠位セグメントとを有し得る。近位および遠位セグメントは、細長いシャフトの縦軸に対するリストアセンブリの関節運動を促進するために、互いに対する移動のために支持され得る。第1の継手の近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器(例えば、歯車)を含み得る。第2の継手の近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器(例えば、歯車)を含み得る。
【0015】
第1の継手の近位および遠位セグメントは、第1の対のリンクによって一緒に結合され得、第2の継手の近位および遠位セグメントは、第2の対のリンクによって一緒に結合され得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、リストアセンブリの第1の継手は、第1の管状インターフェースによって細長いシャフトに結合され得、リストアセンブリの第2の継手は、第2の管状インターフェースによってエンドエフェクタに結合され得る。第1の継手は、第1の管状インターフェースに回転係止され得、第2の継手は、第2の管状インターフェースに回転係止され得る。
【0017】
ある実施形態において、第1および第2の継手は、その中に発射アセンブリを受け取るために位置付けられたそれを通した中心開口部を画定し得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、2つ以上の自在継手が、発射アセンブリに沿って縦方向に間隔を置かれた場所に位置付けられ得る。
【0019】
有利なこととして、本開示される手術器具は、(例えば、患者生体構造からの)外部荷重が駆動システムに影響を及ぼすことに抵抗しながら、決定論的エンドエフェクタ位置を提供する。加えて、本開示される手術器具は、歯車の間の回転接触を維持し、エンドエフェクタ場所が非決定論的であろう継手の「S」条件を防止する相互係止幾何学形状を伴うナックル歯車装置(または結合)を含む。
【0020】
本開示される手術器具は、最小屈曲半径を維持しながら、2つの次元で高関節運動(例えば、+/-70度)も提供する。いくつかの実施形態において、追加のケーブルが、エンドエフェクタにおいて追加の機械的機能性(例えば、専用把持機能)を提供するように通されることができる。
【0021】
本明細書に説明される例証的実施形態のうちのいくつかまたは全てによって提供される他の側面、特徴、および利点が、説明、図面、および以下に続く請求項から明白であろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ロボット電気機械手術器具であって、前記ロボット電気機械手術器具は、
筐体と、
縦軸を画定し、前記筐体から遠位に延びている細長いシャフトと、
前記細長いシャフト上で支持されたリストアセンブリであって、前記リストアセンブリは、第2の継手に結合された第1の継手を含む、リストアセンブリと、
前記リストアセンブリに結合されたエンドエフェクタと、
前記リストアセンブリ内で支持された自在継手アセンブリであって、前記自在継手アセンブリは、前記エンドエフェクタの機能を作動させるために回転可能である、自在継手アセンブリと、
前記リストアセンブリに結合された複数のケーブルと
を備え、
前記複数のケーブルは、前記第1および第2の継手を操作し、前記自在継手アセンブリおよび前記リストアセンブリが縦軸に対して関節運動することを可能にするために移動可能である、ロボット電気機械手術器具。
(項目2)
前記第1および第2の継手は、前記縦軸の周りに互いに対して角度変位させられている、項目1に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目3)
前記第1および第2の継手の各々は、近位セグメントと遠位セグメントとを有し、前記近位および遠位セグメントは、前記細長いシャフトの前記縦軸に対する前記リストアセンブリの関節運動を促進するための互いに対する移動のために支持されている、項目1に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目4)
前記第1の継手の前記近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器を含む、項目3に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目5)
前記第2の継手の前記近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器を含む、項目4に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目6)
前記第1の継手の前記近位および遠位セグメントは、第1の対のリンクによって一緒に結合され、前記第2の継手の前記近位および遠位セグメントは、第2の対のリンクによって一緒に結合されている、項目3に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目7)
前記リストアセンブリの前記第1の継手は、第1の管状インターフェースによって前記細長いシャフトに結合され、前記リストアセンブリの前記第2の継手は、第2の管状インターフェースによって前記エンドエフェクタに結合されている、項目1に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目8)
前記第1の継手は、前記第1の管状インターフェースに回転係止され、前記第2の継手は、前記第2の管状インターフェースに回転係止されている、項目7に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目9)
前記第1および第2の継手は、それらを通した中心開口部を画定し、前記中心開口部は、その中に前記自在継手アセンブリを受け取るために位置付けられている、項目1に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目10)
前記自在継手アセンブリは、複数の自在継手を含み、前記複数の自在継手のうちの少なくとも2つの自在継手は、前記自在継手アセンブリに沿って縦方向に間隔を置かれた場所に位置付けられている、項目1に記載のロボット電気機械手術器具。
(項目11)
ロボット手術システムであって、前記ロボット手術システムは、
ロボット手術アセンブリと、
前記ロボット手術器具に選択的に搭載される電気機械手術器具と
を備え、
前記手術器具は、
筐体と、
縦軸を画定し、前記筐体からリストアセンブリまで遠位に延びている細長いシャフトであって、前記リストアセンブリは、第2の継手に結合された第1の継手を含む、細長いシャフトと、
前記リストアセンブリを通して延び、複数の自在継手を含む発射アセンブリと、
前記リストアセンブリ上で支持され、前記発射アセンブリに固定されたエンドエフェクタと、
ケーブル駆動アセンブリと
を含み、
前記ケーブル駆動アセンブリは、前記第1および第2の継手を操作し、前記発射アセンブリおよび前記リストアセンブリが前記縦軸に対して関節運動することを可能にするために、前記ロボット手術アセンブリによって作動可能である、ロボット手術システム。
(項目12)
前記第1および第2の継手は、前記縦軸の周りに互いに対して角度変位させられている、項目11に記載のロボット手術システム。
(項目13)
前記第1および第2の継手の各々は、近位セグメントと遠位セグメントとを有し、前記近位および遠位セグメントは、前記細長いシャフトの前記縦軸に対する前記リストアセンブリの関節運動を促進するための互いに対する移動のために支持されている、項目11に記載のロボット手術システム。
(項目14)
前記第1の継手の前記近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器を含む、項目13に記載のロボット手術システム。
(項目15)
前記第2の継手の前記近位および遠位セグメントは、互いに回転接触して支持される結合器を含む、項目14に記載のロボット手術システム。
(項目16)
前記第1の継手の前記近位および遠位セグメントは、第1の対のリンクによって一緒に結合され、前記第2の継手の前記近位および遠位セグメントは、第2の対のリンクによって一緒に結合されている、項目13に記載のロボット手術システム。
(項目17)
前記リストアセンブリの前記第1の継手は、第1の管状インターフェースによって前記細長いシャフトに結合され、前記リストアセンブリの前記第2の継手は、第2の管状インターフェースによって前記エンドエフェクタに結合されている、項目11に記載のロボット手術システム。
(項目18)
前記第1の継手は、前記第1の管状インターフェースに回転係止され、前記第2の継手は、前記第2の管状インターフェースに回転係止されている、項目17に記載のロボット手術システム。
(項目19)
前記第1および第2の継手は、それらを通した中心開口部を画定し、前記中心開口部は、その中に前記発射アセンブリを受け取るために位置付けられている、項目11に記載のロボット手術システム。
(項目20)
前記複数の自在継手のうちの少なくとも2つの自在継手は、前記発射アセンブリに沿って縦方向に間隔を置かれた場所に位置付けられている、項目11に記載のロボット手術システム。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する付随する図面は、ロボット手術システムのための本手術器具の実施形態を図示し、上で挙げられる本開示の一般的説明とともに、下で挙げられる実施形態の詳細な説明は、本開示の原理を解説する役割を果たす。
【0023】
【
図1】
図1は、本開示による、ロボット手術システムの概略図である。
【0024】
【
図2】
図2は、非関節運動位置における
図1のロボット手術システムの手術器具の斜視図である。
【0025】
【
図3】
図3は、
図2に示される詳細の指示エリアの拡大斜視図である。
【0026】
【
図4】
図4は、手術器具の細長いシャフトアセンブリのリストアセンブリから分離されて示される
図2の手術器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【0027】
【
図5】
図5および6は、
図4のリストアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5および6は、
図4のリストアセンブリの斜視図である。
【0028】
【
図7】
図7は、
図4の細長いシャフトアセンブリの部品が分離された斜視図である。
【0029】
【
図8】
図8は、
図5の切断線8-8に沿って得られるような
図5のリストアセンブリの拡大断面図である。
【0030】
【
図9】
図9は、その部分が明確にするために想像線で示された
図5のリストアセンブリの拡大図である。
【0031】
【0032】
【0033】
【
図12】
図12は、そのリストアセンブリが関節運動位置に示された
図2の手術器具の遠位部分の上面図である。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【
図16】
図16は、その部分が明確にするために除去された
図15に示される詳細の指示エリアの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ロボット手術システムのための本手術器具の実施形態は、同様の参照番号が、いくつかの図の各々において同じまたは対応する要素を指定する図面を参照して詳細に説明される。本明細書で使用されるように、用語「遠位」は、患者により近い構造を指す一方で、用語「近位」は、患者からより遠い構造を指す。
【0039】
本明細書で使用されるように、用語「臨床医」は、医師、看護師、または他の介護提供者を指し、支援要員を含み得る。以下の説明において、周知の機能または構造は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを回避するために、詳細に説明されない。
【0040】
最初に
図1を参照すると、例えば、ロボット手術システム1等の手術システムは、概して、1つ以上の手術ロボットアーム2、3と、制御デバイス4と、制御デバイス4と結合される動作コンソール5とを含む。手術ロボットアーム2、3のうちのいずれかは、ロボット手術アセンブリ100と、それに結合される電気機械手術器具200とを有し得る。電気機械手術器具200は、その遠位部分に配置されるエンドエフェクタ300を含む。いくつかの実施形態において、ロボット手術アセンブリ100は、手術ロボットアーム2、3のうちの1つ以上のもののスライドレール40に除去可能に取り付けられ得る。ある実施形態において、ロボット手術アセンブリ100は、手術ロボットアーム2、3のうちの1つ以上のもののスライドレール40に固定して取り付けられ得る。
【0041】
ロボット手術システム1の動作コンソール5は、3次元画像を表示するように設定されたディスプレイデバイス6と、手動入力デバイス7、8とを含み、手動入力デバイス7、8を用いて、臨床医(図示せず)が、原則として当業者に公知であるように、第1の動作モードでロボット手術システム1のロボットアーム2、3を遠隔操作することができる。ロボットアーム2、3のうちの各ロボットアームは、任意の数の継手を通して接続され得る任意の数の部材から成り得る。ロボットアーム2、3は、制御デバイス4に接続される電気駆動部(図示せず)によって駆動され得る。ロボット手術システム1の制御デバイス4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2、3、取り付けられたロボット手術アセンブリ100、したがって、ロボット手術システム1の電気機械手術器具200(エンドエフェクタ300を含む)が、手動入力デバイス7、8を用いて画定される移動に従って、所望の移動を実行するような方法で、例えば、コンピュータプログラムを用いて、駆動部をアクティブにするように設定される。制御デバイス4は、ロボットアーム2、3および/または駆動部の移動を調整するような方法で設定され得る。
【0042】
ロボット手術システム1は、手術器具、例えば、電気機械手術器具200、より具体的には、電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300を用いて、低侵襲様式で治療されるべき手術台「ST」上に位置付けられる(例えば、横たわる)患者「P」への使用のために構成される。ロボット手術システム1は、3つ以上のロボットアーム2、3を含み得、追加のロボットアームは、同様、制御デバイス4に接続され、動作コンソール5を用いて遠隔操作可能である。手術器具、例えば、電気機械手術器具200(そのエンドエフェクタ300を含む)も、任意の追加のロボットアームに取り付けられ得る。
【0043】
ロボット手術システム1の制御デバイス4は、1つ以上のモータ(図示せず)を制御し得、各モータは、任意の数の方向にロボットアーム2、3の移動を駆動するように構成される。制御デバイス4は、1つ以上のモータ50(もしくはモータパック)を含む器具駆動ユニット110を制御し得る。モータ50は、電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300の種々の動作を駆動する。モータ50は、例えば、キャニスタモータ等の回転モータを含み得る。モータ50のうちの1つ以上のもの(もしくは異なるモータ、図示せず)は、その縦軸「L-L」に対する電気機械手術器具200またはその構成要素の回転を駆動するように構成され得る。1つ以上のモータは、電気機械手術器具200の電気機械エンドエフェクタ300の動作および/または移動をもたらすように構成されることができる。
【0044】
ここで
図2を参照すると、ロボット手術システム1の電気機械手術器具200は、その近位端部分における筐体202と、筐体202から遠位に延びている細長いシャフト204とを含む。細長いシャフト204は、エンドエフェクタ300を細長いシャフト204に結合する細長いシャフト204の遠位端部分上で支持されるリストアセンブリ206を含む。
【0045】
電気機械手術器具200の筐体202は、例えば、ロボット手術アセンブリ100の滅菌インターフェースモジュール112への側面負荷を介して、ロボット手術アセンブリ100の器具駆動ユニット110に選択的に結合し、ロボット手術アセンブリ100の器具駆動ユニット110のモータ50が電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300を動作させることを可能にするように構成される。電気機械手術器具200の筐体202は、駆動アセンブリ203を支持し、駆動アセンブリ203は、ロボット手術アセンブリ100の器具駆動ユニット110のモータ50と機械的および/または電気的に協働する。
【0046】
電気機械手術器具200の駆動アセンブリ203は、駆動力/移動を達成するための任意の好適な電気的および/または機械的構成要素を含むことができ、その構成要素は、2016年9月21日に出願された共同所有された国際出願公開第WO2017053358号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される駆動アセンブリの構成要素に類似し得る。特に、
図3および4で見られるように、電気機械手術器具200の駆動アセンブリ203は、ケーブル駆動アセンブリ203aと、発射アセンブリ203bとを含む。ケーブル駆動アセンブリ203aは、2015年10月22日に出願され、「Adapter Assembly with Gimbal for Interconnecting Electromechanical Surgical Devices and Surgical Loading Units, and Surgical Systems Thereof」と題された共同所有された米国特許出願公開第2015/0297199号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものに類似する。
【0047】
図1および15を参照すると、電気機械手術器具200のケーブル駆動アセンブリ203aは、被駆動部材209a、209b、209c、209d(
図15)等の1つ以上の被駆動部材209を含み、それらは、ロボット手術アセンブリ100が、ロボット手術アセンブリ100のモータ50から電力および作動力を移し、最終的に電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300の構成要素の移動を駆動することを可能にする。
【0048】
図3および4で見られるように、電気機械手術器具200のケーブル駆動アセンブリ203aは、ケーブル205a、205b、205c、および205d等のケーブル205を含み、それらは、その近位端部分において電気機械手術器具200のそれぞれの被駆動部材209a、209b、209c、209d(
図15)に結合される。ケーブル駆動アセンブリ203aのケーブル205は、その遠位端部分まで遠位に延び、フェルール205x(
図4)を含み得、フェルール205xは、縦軸「L-L」の周りに円周方向に間隔を置かれた場所(例えば、角度変位させられる)において細長いシャフト204のリストアセンブリ206に結合することによって、ケーブル205が、ケーブル205のうちの1つ以上のものの作動時、電気機械手術器具200のリストアセンブリ206および電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300の関節運動/回転/ピッチ/ヨーを達成することを可能にする。ケーブル駆動アセンブリ203aは、1つ以上の滑車、摩擦車輪、歯車、結合器、ラックアンドピニオン配列等を含むことができ、それらは、被駆動部材209および/またはケーブル205に直接もしくは間接的に結合され、被駆動部材209および/またはケーブル205を通して与えられる駆動移動を促進する。ケーブル205は、対角のケーブル(例えば、ケーブル205d、205bまたはケーブル205a、205c、
図4参照)が、複数の軸(例えば、2つ)において関節運動を提供するために、反対方向に駆動されるように位置付けられ得るように、配列されることができる。4本のみのケーブルが示されているが、ケーブル駆動アセンブリ203aは、例えば、エンドエフェクタ300において追加の機能性を提供するための任意の数のケーブルを含むことができる。
【0049】
図5および6を参照すると、電気機械手術器具200の細長いシャフト204のリストアセンブリ206は、近位から遠位に、細長いシャフト204の外側管204aの遠位部分に結合される第1のインターフェース208と、第1のインターフェース208の遠位部分に結合される第1の継手210と、第1の継手210の遠位部分に結合され、それから角度変位させられる(例えば、90度オフセットされる)第2の継手212と、第2の継手212の遠位部分に結合される第2のインターフェース214とを含む。
【0050】
図7を参照すると、リストアセンブリ206の第1のインターフェース208は、管状インターフェースの形態であり、近位筐体208aと、近位筐体208aから遠位に延びている遠位筐体208bと、駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bを受け取るためにそれを通して画定される中心開口208cとを含む。第1のインターフェース208の近位筐体208aは、外側管204aの遠位に延びているタブ204bを受け取る一対の側面スロット208d(1つだけの側面スロット208dが示され、他方は近位筐体208aの反対側に同じく配置される)を画定する。近位筐体208aは、近位筐体208aの周りに円周方向に間隔を置かれた場所に配置された複数のケーブルチャネル208f(例えば、4つ)をさらに画定する(1つのみのケーブルチャネル208fが明示的に示されている)。遠位筐体208bは、第1のレッジ208gおよび第2のレッジ208hを画定し、第1および第2のレッジ208g、208hは、それらの間に横断チャネル208iを画定する。第1および第2のレッジ208g、208hは、ケーブル開口208j(例えば、2つずつ)を画定し、ケーブル開口208jは、ケーブルチャネル208fと整列し、ケーブルチャネル208fを通して駆動アセンブリ203のケーブル駆動アセンブリ203aのケーブル205を受け取る。第1および第2のレッジ208g、208hは、それから遠位に延びている遠位タブ208k、208Lをさらに含む。
【0051】
リストアセンブリ206の第1の継手210は、近位セグメント210aおよび遠位セグメント210bを含み、それらは、リンクまたはキャップ210c、210dによって一緒に旋回結合され、リンクまたはキャップ210c、210dは、軸方向荷重(ケーブル205からの張力によって生成される)および横断方向における不整列に抵抗することに役立つ。加えて、リンク210c、210dは、例えば、噛合させられる歯車の歯の遊隙を維持することに役立つ(例えば、歯車の歯210jおよび210qが接合しないように、歯車の歯210jと210qとの間に十分な距離または軸方向分離を維持するリンク210dを図示する
図9参照)。
【0052】
第1の継手210の近位セグメント210aは、第1のインターフェース208の横断チャネル208i内で受け取られた近位タブ210e(1つだけが示され、同じタブ210eが近位セグメント210aの反対側に示される)を含む。近位セグメント210aは、横断陥凹210fを画定し(例えば、凸部および溝型相互接続)、横断陥凹210fは、近位タブ210eから(例えば、90度)角度変位させられ、第1のインターフェース208の遠位タブ208k、208Lを受け取り、第1の継手210の近位セグメント210aが縦軸「L-L」(
図2)の周りに第1のインターフェース208に対して回転することを防止するように位置付けられる。近位セグメント210aは、第1の結合器または歯車210gと、第2の結合器または歯車210hとを含み、それらは、近位セグメント210aの反対側で近位セグメント210から遠位に延びている。第1および第2の歯車210g、210hは、複数の間隔を置かれた歯210jを有する。第1および第2の歯車210g、210hは、第1の継手210のリンク210d、210cとの係合のためにそれらから側方に(例えば、垂直に)延びているピン210kを含む。本開示されるピンのうちのいずれかは、リベット等を含み得る。歯車210h、210gは、第1の継手210の近位セグメント210aの側面から奥まった所に置かれ、遠位セグメント210bが近位セグメント210aに対して関節運動するとき、近位セグメント210aに対する第1の継手210のリンク210c、210dおよび第1の継手210の遠位セグメント210bの移動を促進する。第1の継手210の近位セグメント210aは、それを通して駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bを受け取るための中心開口部210m、およびそれを通して駆動アセンブリ203のケーブル駆動アセンブリ203aのケーブル205を受け取るための複数のケーブル開口210n(例えば、4つ)をさらに画定する。
【0053】
第1の継手210の遠位セグメント210bは、ナックルまたは歯車210p(1つだけが示され、第2の同じ結合器または歯車210pが遠位セグメント210bの反対側に示される)を伴う結合器を含み、ナックルまたは歯車210pは、遠位セグメント210bから近位に延び、第1の継手210の近位セグメント210aの第1および第2の歯車210g、210hと噛み合い、または幾何学的に相互係止するように位置付けられ、(例えば、その歯210p)、それぞれの相互係止された歯車(例えば、210p、210h、
図7、9、および13参照)間の回転接触を維持し、継手の「S」条件(その場合、エンドエフェクタ場所が非決定的であろう)を防止する。遠位セグメント210bは、歯車210pから側方に(例えば、それから垂直に)延びているピンまたは隆起210r(1つだけが示され、第2の同じピン210rが遠位セグメント210bの反対側に示される)をさらに含む。遠位セグメント210bは、陥凹210tをさらに画定し、遠位に延びているタブ210uを含み、それらは、遠位端セグメント210bの遠位端部分の周りに角度変位させられた場所に(例えば、90度離れて)交互に点在および配置される。遠位セグメント210bは、それを通して発射アセンブリ203bを受け取るための中心開口210v、およびそれを通してケーブル駆動アセンブリ203aのケーブル205を受け取るための複数のケーブル開口210w(例えば、4つ)を画定する。
【0054】
第1の継手210の近位および遠位セグメント210a、210bの各々は、一対のテーパ状表面210xを含み、一対のテーパ状表面210xは、第1の継手210の遠位および近位セグメント210a、210b間に空間を提供し、近位および遠位セグメント210a、210bの歯210j、210qが互いに噛み合うにつれて、遠位セグメント210bが近位セグメント210aに対して関節運動することを可能にする。近位セグメント210aのテーパ状表面210xは、遠位セグメント210bのテーパ状表面に接触し、近位セグメント210aに対する遠位セグメント210bの関節運動を限定する(例えば、所与の方向に最大関節運動を画定する)ように構成される。
【0055】
第1の継手210のリンク210c、210dは、それぞれ、近位および遠位セグメント210a、210bのピン210k、210rを受け取り、第1の継手210の近位および遠位セグメント210a、210bを一緒に固定し、遠位セグメント210bが近位セグメント210aに対して関節運動することを可能にする近位および遠位ピン開口210y、210zを画定する。
【0056】
リストアセンブリ206の第2の継手212は、リストアセンブリ206の第1の継手210と同じであるが、第1および第2の継手210、212が、互いに対して相互接続および関節運動/旋回し得るように、第1の継手210に対して(例えば、90度)角度変位させられる。特に、第2の継手212は、第2の継手212の近位セグメント212a、遠位セグメント212b、およびリンク212c、212dが、それぞれ、第1の継手210の近位セグメント210a、遠位セグメント210b、およびリンク210c、210dと同じであるように、リンク212c、212dによって一緒に旋回して結合された近位セグメント212aおよび遠位セグメント212bを含む。第2の継手212の近位セグメント212aは、第2の継手212の近位セグメント212aが、第1の継手210の遠位セグメント210bに回転係止されるように、第1の継手210の遠位セグメント210bに結合される(例えば、凸部および溝型相互接続)。このように、第2の継手212の近位および遠位セグメント212a、212bは、互いに対して関節運動/旋回することができる一方で、第1の継手210の遠位セグメント210bは、第1の継手210の近位セグメント210aに対して関節運動/旋回する。
【0057】
リストアセンブリ206の第2のインターフェース214は、管状インターフェースの形態であり、それぞれ、互いに対応する、および/または互いに整列させられた近位および遠位陥凹214a、214bを画定する。第2のインターフェース214は、それぞれ、互いに対応する、および/または互いに整列させられた近位および遠位タブ214c、214dを含む。第2のインターフェース214の近位陥凹214aおよび近位タブ214cは、第2の継手212の遠位に延びているタブ210uおよび陥凹210tに係合し(例えば、凸部および溝型接続)、第2のインターフェース214を第2の継手212の遠位セグメント210bに回転係止するように構成される。第2のインターフェース214は、その中にフェルール205xおよびケーブル205を受け取り、ケーブル205を第2のインターフェース214に固定するように位置付けられた第2のインターフェース214の周りに円周方向に間隔を置かれた場所においてケーブルスロット214eをさらに画定する。第2のインターフェース214は、それを通して駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bを受け取るように構成された中心開口214fをさらに画定する。第2のインターフェース214は、整列孔214gも画定し、電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300へのリストアセンブリ206の整列および固定を促進する。
【0058】
図7-14を参照すると、多段自在継手アセンブリの形態である電気機械手術器具200の駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bは、駆動シャフト220と、駆動シャフト220から遠位に延びているボールシャフト222と、ボールシャフト222を回転可能に支持するためにボールシャフト222上で支持された第1の軸受224と、ボールシャフト222の遠位部分に結合された第1のボール筐体226と、第1のボール筐体226に結合され、第1の二重ボールシャフト228を回転可能に支持する第2の軸受230を支持する第1の二重ボールシャフト228と、第1の二重ボールシャフト228の遠位部分に結合される第2のボール筐体232と、第2のボール筐体232の遠位部分に結合され、第2の二重ボールシャフト234を回転可能に支持する第3の軸受236を支持する第2の二重ボールシャフト234と、第2の二重ボールシャフト234の遠位部分上で支持される駆動結合器238とを含む。
【0059】
駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの駆動シャフト220は、ロボット手術アセンブリ100のモータ50のうちの1つ以上のものに動作可能に結合し(
図1および15参照)、駆動シャフト220が、矢印「A」(
図7)によって示されるように、縦軸「L-L」の周りに回転することを可能にする駆動アセンブリ203の被駆動部材211(
図15)に結合される近位端部分を有する。駆動シャフト220は、ボールシャフト222の近位部分によって受け取られるように構成されたキー状遠位部分220aまで延びている。キー状遠位部分220aは、長方形構成を伴って示されるが、三角形、正方形、星形等の任意の好適な非円形構成を有し得る。キー状遠位部分220aは、その中にピン220dを受け取るように構成されたピンホール220cを画定する。
【0060】
発射アセンブリ203bのボールシャフト222は、その中に駆動シャフト220のキー状遠位部分220aを受け取り、ボールシャフト222が駆動シャフト220と一緒に回転することを可能にするように構成されたキー状ボア222b(
図10)を画定する近位部分222aを有する。キー状ボア222bは、任意の好適な非円形構成を有することができ、駆動シャフト220のキー状遠位部分220aを補完し、ボールシャフト222と駆動シャフト220とが一緒に回転するように、ボールシャフト222と駆動シャフト220との間の回転可能に係止された接続を促進するように構成され得る。ボールシャフト222は、その中にピン220dを受け取り、駆動シャフト220をボールシャフト222に回転可能に結合するピンホール222cをさらに画定する(
図7および11参照)。ボールシャフト222は、その外面内に環状クリップチャネル222eを画定する。環状クリップチャネル222eは、クリップ222f(例えば、E-クリップ)を受け取り、第1の軸受224の軸方向移動を妨害し、発射アセンブリ203bの第1の軸受224がボールシャフト222の軸受表面222g上で軸方向に固定して維持されることを可能にするように構成される。ボールシャフト222は、ボールシャフト222の遠位端部分上で支持されるボール部材222hをさらに含む。ボールシャフト222のボール部材222hは、その中にピンホール222kを画定するボールピン222jを受け取るように構成されたそれを通した横断開口部222iを画定する。ボール部材222hは、ボールピン222jのピンホール222kと整列するように構成された細長いスロット222mをさらに画定する。
【0061】
駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの第1のボール筐体226は、その中にボールシャフト222のボール部材222hを回転可能に受け取る近位ボア226bをその中に画定する近位シェル226aを有する。近位シェル226aは、それを通してピン226dを受け取るピン通路226cをさらに画定する。ピン226dは、ボールシャフト222のボール部材222hを第1のボール筐体226の近位シェル226aに回転可能に結合し(
図7および8参照)、自在継手を画定するように、かつ第1のボール筐体226がボール部材222hの周りに関節運動/旋回する(例えば、
図16の矢印「D」によって示される関節運動/旋回を参照)につれて、ピン226dがボール部材222hの細長いスロット222mを通して移動することを可能にするように、第1のボール筐体226の近位シェル226aを通して受け取られている間、ボールシャフト222のボール部材222hの細長いスロット222m内で受け取り可能である。
【0062】
発射アセンブリ203bの第1のボール筐体226は、第1の二重ボールシャフト228に結合するように構成される遠位シェル226iも含む。遠位シェル226iは、遠位ボア226j、およびその中にピン226mを受け取り、(例えば、別の自在継手を画定するために)第1の二重ボールシャフト228を遠位シェル226iに回転可能/関節運動可能に結合するそれを通したピン通路226kを画定する。
【0063】
発射アセンブリ203bの第1の二重ボールシャフト228は、軸受支持表面228bから近位に延びている近位ボール部材228aと、第2の軸受230を回転可能に支持する軸受支持表面228bから遠位に延びている遠位ボール部材228cとを含む。近位および遠位ボール部材228a、228cは、それぞれ、それを通した横断開口部228d、228e、および、それぞれ、それを通した細長いスロット228n、228pを画定する。近位および遠位ボール部材228a、228cの横断開口部228d、228eは、それぞれ、その中にボールピン228j、228kを受け取るように構成される。各ボールピン228j、228kは、その中にピンホール228mを画定する。ボールピン228kのピンホール228mおよびボール部材228aの細長いスロット228nは、第1のボール筐体226のピン226mを受け取り、(例えば、別の自在継手を画定するために)第1の二重ボールシャフト228を第1のボール筐体226の遠位シェル226iに回転可能/関節運動可能に結合するように構成される。
【0064】
駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの第2のボール筐体232は、発射アセンブリ203bの第1のボール筐体226と同じであり、近位シェル232aと、近位シェル232aから遠位に延びている遠位シェル232bと、それぞれ、近位および遠位シェル232a、232b内に受け取られるピン232c、232dとを含む。第2のボール筐体232のピン232c、232dは、第1のボール筐体226と、それぞれ、ボールシャフト222および第1の二重ボールシャフト228のボール部材222h、228aとに関して上で説明された回転可能/関節運動可能な結合と同様、(例えば、別の自在継手を画定するために)第2のボール筐体232を第1の二重ボールシャフト228および第2の二重ボールシャフト234のボール部材228c、234aに回転可能に結合する。
【0065】
駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの第2の二重ボールシャフト234は、発射アセンブリ203bの第1の二重ボールシャフト228に類似し、第3の軸受236を支持する軸受支持表面234bから近位に延びている近位ボール部材234aと、軸受支持表面234bから遠位に延びている遠位ボール部材234cとを含む。軸受支持表面234bは、クリップ234e(例えば、E-クリップ)を受け取り、第3の軸受236の軸方向移動を妨害し、第2の二重ボールシャフト234の軸受支持表面234b上で第3の軸受236を軸方向に支持するように構成された環状クリップチャネル234dをさらに画定する。第2の二重ボールシャフト234は、ボールピン234f、234gをさらに含む。第2の二重ボールシャフト234の近位ボール部材234aは、第2のボール筐体232の遠位シェル232bに回転可能に結合され(例えば、自在継手)、第2の二重ボールシャフト234の遠位ボール部材234cは、その上で駆動結合器238を回転可能に支持する。
【0066】
発射アセンブリ203bの駆動結合器238は、第2の二重ボールシャフト234の遠位ボール部材234cを回転可能に受け取る近位ボア238a(
図8)、および電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300に結合するように構成される遠位ボア238bを画定する。駆動結合器238の遠位ボア238bは、D字形構成等の非円形構成を含んで示されているが、遠位ボア238bは、エンドエフェクタ300またはその構成要素が駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bと一緒に回転し得るように、発射アセンブリ203bとエンドエフェクタ300との間の回転可能に係止された接続を促進するための任意の非円形構成(例えば、三角形、長方形、五角形等)を有することができる。駆動結合器238は、ピン238dを受け取り、駆動結合器238を第2の二重ボールシャフト234の遠位ボール部材234cに回転可能に結合するピンホール238cをさらに画定する。
【0067】
図3を参照すると、電気機械手術器具200のエンドエフェクタ300は、その近位端部分上の搭載部分302と、搭載部分302に結合される第1のジョー部材304(例えば、アンビル)および第2のジョー部材306(例えば、カートリッジアセンブリ)とを含む。第1および第2のジョー部材304、306は、開放(
図3)位置と閉鎖(図示せず)位置との間の旋回移動のために位置付けられる。第1および第2のジョー部材304、306は、第2のジョー部材306内で支持されるファスナーカートリッジ310を発射するように構成された駆動アセンブリ308を支持する。
【0068】
図4で見られるように、エンドエフェクタ300の搭載部分302は、搭載タブ302aを含み、搭載陥凹302bを画定し、それらは、リストアセンブリ206の第2のインターフェース214のそれぞれの遠位陥凹214bおよび遠位タブ214dに係合する。搭載部分302は、整列ピン302をさらに含み、整列ピン302は、リストアセンブリ206の第2のインターフェース214の整列孔214g内で受け取られる。搭載部分302は、発射アセンブリ203bの駆動結合器238を受け取り、駆動結合器238をエンドエフェクタ300の駆動アセンブリ308に結合するように構成された中心開口部302dをさらに画定する。
【0069】
図10を参照すると、エンドエフェクタ300の駆動アセンブリ308は、被駆動結合器308aを含み、それは、駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの駆動結合器238の遠位ボア238b内で受け取られる。駆動アセンブリ308の被駆動結合器308aは、駆動結合器238が回転するにつれて、被駆動結合器308aおよび駆動結合器238が一緒に回転するように、被駆動結合器308aと駆動結合器238とが互いに対して回転可能に係止されるように、発射アセンブリ203bの駆動結合器238の遠位ボア238bにキー固定される非円形構成(例えば、D字形)を含む。被駆動結合器308aは、駆動ビーム308cを支持する送りねじ308bにピン留めされ、それによって、被駆動結合器308aの回転が、送りねじ308bに回転させ、送りねじ308bに沿って駆動ビーム308cを軸方向に前進させる。エンドエフェクタ300に類似する例示的エンドエフェクタの構成要素のより詳細な説明に関しては、米国特許出願公開第2016/0242779号および第2015/0297199号(それぞれの開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)が、参照されることができる。
【0070】
使用時、電気機械手術器具200が、
図1で見られるようにロボット手術アセンブリ100に結合されると、器具駆動ユニット110の1つ以上のモータ50は、電気手術器具200の被駆動部材209のうちの1つ以上のものを回転させ、電気機械手術器具200の駆動アセンブリ203のケーブル駆動アセンブリ203aの1つ以上のケーブル205を押すように、および/または、引くように作動させられることができる。ケーブル駆動アセンブリ203aのケーブル205が、矢印「B」(
図9)によって示されるように、軸方向に平行移動すると、リストアセンブリ206の第1および第2の継手210、212の一方または両方は、矢印「C」および「D」(
図12-16参照)によって示されるように、縦軸「L-L」に対して、駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの第1のボール筐体226、第1の二重ボールシャフト228、第2のボール筐体232、および/または第2の二重ボールシャフト234のうちの1つ以上のものと一緒に回転および/または関節運動する。第1および第2の継手210、212の各々は、
図16で見られるように、第1の継手210が、最大70度の関節運動角「α」を通して関節運動され得る一方で、第2の継手212が、最大70度の関節運動角「Θ」を通して関節運動されるように、最大70度の関節運動角を通して関節運動するように構成されることができる。理解され得るように、発射アセンブリ203bの1つ以上の構成要素(例えば、第1のボール筐体226、第1の二重ボールシャフト228、第2のボール筐体232、および/または第2の二重ボールシャフト234等)は、第1および第2の継手210、212が、旋回、回転、および/または関節運動するにつれて、旋回、回転、および/または関節運動する。
【0071】
リストアセンブリ206の第1および/または第2の継手210、212は、関節運動(
図12-16)または非関節運動位置(
図2)に配置されるが、発射アセンブリ203bは、器具駆動ユニット110(
図1)のモータ50のうちの1つ以上のものによる被駆動部材211(
図15)の回転に応答して、矢印「A」(
図2および7参照)によって示されるように、縦軸「L-L」の周りに回転させられることができる。駆動アセンブリ203の発射アセンブリ203bの回転は、矢印「F」(
図10)によって示されるように、発射アセンブリ203bの駆動結合器238に、その軸、例えば、軸「Z-Z」の周りに、エンドエフェクタ300の送りねじ308bを回転させる。エンドエフェクタ300の送りねじ308bの回転は、エンドエフェクタ300の第1および第2のジョー部材304、306が、その開放または非接近位置(
図3)からその閉鎖または接近位置(図示せず)まで移動するように、矢印「G」によって示されるように、エンドエフェクタ300の駆動ビーム308cを送りねじ308bに沿って遠位に前進させる。エンドエフェクタ300の駆動ビーム308cが、第1および第2のジョー部材304、306に沿って遠位に前進し続けると、駆動ビーム308cは、上で参照される米国特許出願公開第2015/0297199号に説明されるものと同様、ファスナーカートリッジ310(
図3)を発射し、第1および第2のジョー部材304、306の間で捕捉される組織を留め、および/または切断する。
【0072】
電気機械手術器具200は、ロボット手術システム1に関連して本明細書に説明されるが、本開示される電気機械手術器具200は、手動で駆動および/または動力供給され得る手持ち式電気機械器具の形態で提供されることができる。例えば、上で参照される米国特許出願公開第2015/0297199号は、電動手持ち式電気機械器具の一実施例を説明し、その構成要素のうちの1つ以上のもの(例えば、手術デバイスまたはそのハンドル)は、本開示される手術器具200に関連して利用されることができる。
【0073】
当業者は、具体的に本明細書に説明され、付随する図に示される構造および方法が、非限定的な例示的実施形態であり、説明、開示、および図が、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明される精密な実施形態に限定されず、種々の他の変更および修正が、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によってもたらされ得ることを理解されたい。加えて、ある実施形態に関連して示される、または説明された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、ある他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得、そのような修正および変形例も、本開示の範囲内に含まれる。故に、本開示の主題は、特に示され、説明されたものによって限定されない。