(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置及び貼合方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220117BHJP
B29C 65/48 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G09F9/00 342
B29C65/48
(21)【出願番号】P 2020537610
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2018111276
(87)【国際公開番号】W WO2019200865
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】201810362551.0
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】318017899
【氏名又は名称】ユング(グアン)テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン ロン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン ショウユウ
(72)【発明者】
【氏名】チィアォ グエヂョウ
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特許第5852244(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0263492(US,A1)
【文献】国際公開第2014/021198(WO,A1)
【文献】特開2011-003537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
B29C 65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置であって、
前記異形曲面カバープレートは、平坦領域と、前記平坦領域の反対する両側辺に設けられているとともに前記平坦領域と滑らかに繋がっているフック状円弧領域とを含み、
前記異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、
外周に第一の圧着面が設けられている第一の貼合半体であって、前記第一の圧着面は第一の曲面圧着面と第一の平面圧着面とを含み、前記第一の曲面圧着面は前記異形曲面カバープレートの一方側辺におけるフック状円弧領域の内面形状に合致し、前記第一の平面圧着面は前記第一の曲面圧着面と滑らかに繋がっている、第一の貼合半体と、
外周に第二の圧着面が設けられている第二の貼合半体であって、前記第二の圧着面は第二の曲面圧着面と第二の平面圧着面とを含み、前記第二の曲面圧着面は前記異形曲面カバープレートの他方側辺におけるフック状円弧領域の内面形状に合致し、前記第二の平面圧着面は前記第二の曲面圧着面と滑らかに繋がっている、第二の貼合半体と、を含み、
前記第一の貼合半体及び前記第二の貼合半体は、前記第一の平面圧着面と前記第二の平面圧着面とが同じ平面において隣接する閉位置と、前記第一の平面圧着面と前記第二の平面圧着面とが分離する開位置とを有し、前記閉位置において、前記第一の平面圧着面及び前記第二の平面圧着面は、前記フレキシブルスクリーンの中間部を前記異形曲面カバープレートの前記平坦領域の内面に圧着し、前記開位置において、前記第一の曲面圧着面及び前記第二の曲面圧着面は、前記フレキシブルスクリーンの縁部を前記異形曲面カバープレートのフック状円弧領域の内面に圧着し、
前記異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体とを相対移動を行うように駆動し、前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体とを前記閉位置と前記開位置との間で切り替える駆動アセンブリをさらに含む、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項2】
位置決め治具をさらに含み、前記位置決め治具には、前記異形曲面カバープレートを収容するための位置決め溝が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項3】
前記第一の曲面圧着面は、前記第一の貼合半体の、前記第二の貼合半体から離れる方向へ延びている第一のフランジに設けられ、
前記第二の曲面圧着面は、前記第二の貼合半体の、前記第一の貼合半体から離れる方向へ延びている第二のフランジに設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項4】
前記駆動アセンブリは、第一のプラグ部材及び第二のプラグ部材を含み、
前記第一の貼合半体には、前記第一のプラグ部材の構造に合う第一のスロットが設けられ、前記第一のスロットの延在方向は、前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体との相対移動方向に対して傾斜し、
前記第二の貼合半体には、前記第二のプラグ部材の構造に合う第二のスロットが設けられ、前記第二のスロットの延在方向は、前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体との相対移動方向に対して傾斜し、
前記第一のプラグ部材は、前記第一のスロットに差し込まれることが可能であるとともに前記相対移動方向に直交する方向において移動可能であり、前記第二のプラグ部材は、前記第二のスロットに差し込まれることが可能であるとともに前記相対移動方向に直交する方向において移動可能であり、前記第一の貼合半体及び前記第二の貼合半体を前記閉位置と前記開位置との間で切り替えるように駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項5】
前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体とは対称に設けられ、前記第一のプラグ部材と前記第二のプラグ部材とは、対称に設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項6】
前記第一のスロットの延在方向と前記第二のスロットの延在方向とがなす角度の範囲は45°~60°である、ことを特徴とする請求項4に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項7】
前記第一のプラグ部材は前記第一のスロットに隙間嵌めされ、前記第二のプラグ部材は前記第二のスロットに隙間嵌めされ、及び/または、前記第一のプラグ部材及び/または前記第二のプラグ部材は、伸縮可能な構造である、ことを特徴とする請求項4に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項8】
前記駆動アセンブリは接続部材をさらに含み、前記第一のプラグ部材及び前記第二のプラグ部材は前記接続部材に取り付けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項9】
前記接続部材に接続されている第一の伸縮シリンダをさらに含み、前記第一の伸縮シリンダは、前記第一のプラグ部材及び前記第二のプラグ部材の、前記相対移動方向に直交する方向における移動を制御し、及び/または、前記接続部材に操作部が設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項10】
前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面のいずれにも複数の真空吸着孔が設けられ、及び/または、前記駆動アセンブリは前記第一の貼合半体に接続されている第二の伸縮シリンダと、前記第二の貼合半体に接続されている第三の伸縮シリンダとを含み、前記第二の伸縮シリンダ及び前記第三の伸縮シリンダは、前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体との相対移動を駆動し、及び/または、前記異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、前記第一の貼合半体及び前記第二の貼合半体を前記異形曲面カバープレートの内部まで移動させ、または前記異形曲面カバープレートの内部から取り出す動力アセンブリをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置を用いた、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合方法であって
、
前記第一の貼合半体と前記第二の貼合半体とを閉合し、前記フレキシブルスクリーンを前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面に付着させて、仮組立体を得るステップと、
前記仮組立体を前記異形曲面カバープレートの内部に差し込み、前記第一の平面圧着面及び前記第二の平面圧着面により前記フレキシブルスクリーンの中間部を前記異形曲面カバープレートの
前記平坦領域の内面に圧着し、前記第一の貼合半体及び前記第二の貼合半体が
前記閉位置にあるようにするステップと、
前記駆動アセンブリを駆動することにより、前記第一の貼合半体及び前記第二の貼合半体をそれぞれ前記異形曲面カバープレートの
前記フック状円弧領域へ向かって
前記開位置まで移動させるステップと、を含むことを特徴とする異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合方法。
【請求項12】
前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面のいずれにも複数の真空吸着孔が設けられ、
前記フレキシブルスクリーンを前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面に付着させるステップは、真空吸着により前記フレキシブルスクリーンを前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面に付着させることを含み、
前記駆動アセンブリを駆動するステップは、真空吸着の吸着圧力を弱めることにより、前記フレキシブルスクリーンと、前記第一の圧着面及び前記第二の圧着面との間の吸着力を弱めて、前記駆動アセンブリを駆動することを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合方法。
【請求項13】
前記フレキシブルスクリーンまたは前記異形曲面カバープレートに、前記フレキシブルスクリーンと前記異形曲面カバープレートとを接着するための接着剤層が貼り付けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルスクリーンの貼合の技術分野に関し、特に異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置及び貼合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルスクリーンは将来の業界の新しい成長点であり、フレキシブルスクリーンの可撓性について開発・活用が進められている。例えば、フレキシブルスクリーンを3D固定曲面カバープレート(両側が四分の一の円弧となっているカバープレート)に貼り付けることにより、製品の正面及び側辺での表示を実現できる。
【0003】
従来、フレキシブルスクリーンを貼合方法として、シリコーンパッドを用いてフレキシブルスクリーンをガラス製カバープレートの内側に圧着するのが活用されている。
【0004】
しかし、従来の貼合装置は、3D固定曲面カバープレートへの貼合を実現できるだけで、カバープレートの曲面が内側へ曲がるように設計された場合、即ち、カバープレートが異形曲面カバープレートである場合、従来の貼合装置では貼合を実現できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、新たな貼合装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置において、異形曲面カバープレートは、平坦領域と、平坦領域の反対する両側辺に設けられているとともに平坦領域と滑らかに繋がっているフック状円弧領域とを含み、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、外周に第一の圧着面を有する第一の貼合半体であって、第一の圧着面は第一の曲面圧着面と第一の平面圧着面とを含み、第一の曲面圧着面は異形曲面カバープレートの一方側辺におけるフック状円弧領域の内面形状に合致し、第一の平面圧着面は第一の曲面圧着面と滑らかに繋がっている、第一の貼合半体と、外周に第二の圧着面を有する第二の貼合半体であって、第二の圧着面は第二の曲面圧着面と第二の平面圧着面とを含み、第二の曲面圧着面は異形曲面カバープレートの他方側辺におけるフック状円弧領域の内面形状に合致し、第二の平面圧着面は第二の曲面圧着面と滑らかに繋がっている、第二の貼合半体と、を含み、第一の貼合半体及び第二の貼合半体は、第一の平面圧着面と第二の平面圧着面とが同じ平面において隣接する閉位置と、第一の平面圧着面と第二の平面圧着面とが分離する開位置とを有し、閉位置において、第一の平面圧着面及び第二の平面圧着面は、フレキシブルスクリーンの中間部を異形曲面カバープレートの平坦領域の内面に圧着し、開位置において、第一の曲面圧着面及び第二の曲面圧着面は、フレキシブルスクリーンの縁部を異形曲面カバープレートのフック状円弧領域の内面に圧着し、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、第一の貼合半体と第二の貼合半体とを相対移動を行うように駆動し、第一の貼合半体と第二の貼合半体とを閉位置と開位置との間で切り替える駆動アセンブリをさらに含む。
【0007】
さらに、第一の貼合半体と第二の貼合半体とは対称に設けられている。
【0008】
さらに、この異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、位置決め治具をさらに含み、位置決め治具には、異形曲面カバープレートを収容するための位置決め溝が設けられている。
【0009】
さらに、第一の曲面圧着面は、第一の貼合半体の、第二の貼合半体から離れる方向へ延びている第一のフランジに設けられ、第二の曲面圧着面は、第二の貼合半体の、第一の貼合半体から離れる方向へ延びている第二のフランジに設けられている。
【0010】
さらに、駆動アセンブリは、第一のプラグ部材及び第二のプラグ部材を含み、第一の貼合半体には、第一のプラグ部材の構造に合う第一のスロットが設けられ、第一のスロットの延在方向は、第一の貼合半体と第二の貼合半体との相対移動方向に対して傾斜し、第二の貼合半体には、第二のプラグ部材の構造に合う第二のスロットが設けられ、第二のスロットの延在方向は、第一の貼合半体と第二の貼合半体との相対移動方向に対して傾斜し、第一のプラグ部材は、第一のスロットに差し込まれることが可能であるとともに相対移動方向に直交する方向において移動可能であり、第二のプラグ部材は、第二のスロットに差し込まれることが可能であるとともに相対移動方向に直交する方向において移動可能であり、第一の貼合半体及び第二の貼合半体を閉位置と開位置との間で切り替えるように駆動する。
【0011】
さらに、第一のプラグ部材と第二のプラグ部材とは対称に設けられている。
【0012】
さらに、第一のスロットの延在方向と第二のスロットの延在方向とがなす角度の範囲は45°~60°である。
【0013】
さらに、第一のプラグ部材は第一のスロットに隙間嵌めされ、第二のプラグ部材は第二のスロットに隙間嵌めされている。
【0014】
さらに、第一のプラグ部材及び/または第二のプラグ部材は、伸縮可能な構造である。
【0015】
さらに、駆動アセンブリは、接続部材をさらに含み、第一のプラグ部材及び第二のプラグ部材は接続部材に取り付けられている。
【0016】
さらに、この異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、接続部材に接続されている第一の伸縮シリンダをさらに含み、第一の伸縮シリンダは、第一のプラグ部材及び第二のプラグ部材の、相対移動方向に直交する方向における移動を制御する。
【0017】
さらに、接続部材に操作部が設けられている。
【0018】
さらに、第一の圧着面及び第二の圧着面のいずれにも複数の真空吸着孔が設けられている。
【0019】
さらに、駆動アセンブリは第一の貼合半体に接続されている第二の伸縮シリンダと、第二の貼合半体に接続されている第三の伸縮シリンダとを含み、第二の伸縮シリンダ及び第三の伸縮シリンダは、第一の貼合半体と第二の貼合半体との相対移動を駆動する。
【0020】
さらに、この異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置は、第一の貼合半体及び第二の貼合半体を異形曲面カバープレートの内部まで移動させ、または異形曲面カバープレートの内部から取り出す動力アセンブリをさらに含む。
【0021】
本発明は、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置を用いた、異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合方法を提供し、貼合装置は、第一の貼合半体と、第二の貼合半体と、駆動アセンブリとを含み、第一の貼合半体は第一の平面圧着面を有する第一の圧着面を含み、第二の貼合半体は第二の平面圧着面を有する第二の圧着面を含み、異形曲面カバープレートは平坦領域とフック状円弧領域とを備え、前記方法は、第一の貼合半体と第二の貼合半体とを閉合し、フレキシブルスクリーンを第一の圧着面及び第二の圧着面に付着させて、仮組立体を得るステップと、仮組立体を異形曲面カバープレートの内部に差し込み、第一の平面圧着面及び第二の平面圧着面でフレキシブルスクリーンの中間部を異形曲面カバープレートの平坦領域の内面に圧着し、第一の貼合半体及び第二の貼合半体が閉位置にあるようにするステップと、駆動アセンブリを駆動することにより、第一の貼合半体及び第二の貼合半体をそれぞれ異形曲面カバープレートのフック状円弧領域へ向かって開位置まで移動させるステップとを含む。
【0022】
さらに、第一の圧着面及び第二の圧着面のいずれにも複数の真空吸着孔が設けられ、フレキシブルスクリーンを第一の圧着面及び第二の圧着面に付着させるステップは、真空吸着によりフレキシブルスクリーンを第一の圧着面及び第二の圧着面に付着させることを含み、駆動アセンブリを駆動するステップは、真空吸着の吸着圧力を弱めることにより、フレキシブルスクリーンと、第一の圧着面及び第二の圧着面との間の吸着力を弱めて、駆動アセンブリを駆動することを含む。
【0023】
さらに、フレキシブルスクリーンまたは異形曲面カバープレートに、フレキシブルスクリーンと異形曲面カバープレートとを接着するための接着剤層が貼り付けられている。
【0024】
本発明に係る貼合装置では、第一の貼合半体及び第二の貼合半体はそれぞれ、異形曲面カバープレートを圧着するための第一の平面圧着面及び第二の平面圧着面を備え、かつ、異形曲面カバープレートのフック状円弧領域を圧着するための第一の曲面圧着面及び第二の曲面圧着面を備える。駆動アセンブリにより第一の貼合半体と第二の貼合半体とをそれぞれ両側へ移動するように駆動することにより、フレキシブルスクリーンの異なる領域の貼合を順次行う。これにより、異形曲面カバープレートのフック状円弧領域への貼合を十分に行うことができ、貼合の効果をさらに高める。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係る異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置の断面模式図である。
【
図2】
図1に示す貼合装置が閉状態にある時の断面模式図である。
【
図3】フレキシブルスクリーンを
図2に示す貼合装置に貼り付けて形成した仮組立体の断面図である。
【
図4】
図3に示す仮組立体と異形曲面カバープレートとの、予備的圧着時の断面図である。
【
図5】
図1に示す貼合装置を用いてフレキシブルスクリーンと異形曲面カバープレートとの貼合を完成した時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下は図面及び実施例を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。なお、ここで記述する具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0027】
なお、一要素が他要素に「設置」されると記載する場合、該一要素が前記他要素に直接に設置され、或いは、中間要素を介して設置されることを意味する。また、一要素が他要素に「接続」されると記載する場合、該一要素が前記他要素に直接に接続され、或いは、中間要素を介して接続されることを意味する。また、本明細書で使用する「垂直」、「水平」、「左」、「右」などの用語及び類似する表現は説明のためのものに過ぎず、唯一の実施形態であることを意味しない。
【0028】
特段に定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語と科学用語の意味は、本発明の技術分野の当業者に一般的に理解されている意味とする。本願明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本明細書における「及び/または」は、挙げられた一または複数の関連項目の任意及び全ての組合せを含む意味とする。
【0029】
図1~
図5に示すように、本発明の一実施例に係る異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置100は、フレキシブルスクリーン2を異形曲面カバープレート3の内面に貼ることに用いられる。ここで、異形曲面カバープレート3は、平面状の平坦領域31、及び平坦領域31の反対する両側辺に設けられているとともに平坦領域31と滑らかに繋がっているフック状円弧領域33を含む。換言すれば、平坦領域31は中間部に設けられ、その反対する両側辺には、曲がり返して形成されたフック状円弧領域33が一つずつ設けられている。好ましくは、本実施例において、フック状円弧領域33は、平坦領域31に接する半円状となっている。なお、本実施例において、平坦領域31の反対する両側辺は仮想の縁であり、平坦領域31とフック状円弧領域33の仮想境界線でもある。
【0030】
異形曲面カバープレートとフレキシブルスクリーンとの貼合装置100は、フレキシブルスクリーン2の内面に圧着するのに適する、第一の平面圧着面112を有する第一の貼合半体110、及び第二の平面圧着面132を有する第二の貼合半体130、並びに、第一の貼合半体110の第一の平面圧着面112と第二の貼合半体130の第二の平面圧着面132とを同じ平面において相対移動するように駆動するための駆動アセンブリ150を含む。
【0031】
具体的には、第一の貼合半体110の外周に第一の圧着面111が設けられている。第一の圧着面111は、異形曲面カバープレート3の一方側辺のフック状円弧領域33の内面形状に合致する第一の曲面圧着面114、及び、第一の曲面圧着面114と滑らかに繋がっているとともに、異形曲面カバープレート3の平坦領域31の内面形状に合致する前記第一の平面圧着面112を含む。具体的には、第一の平面圧着面112は、第一の貼合半体110の底部に設けられ、フレキシブルスクリーン2を異形曲面カバープレート3の平坦領域31に圧着することに用いられる。第一の曲面圧着面114は、第一の貼合半体110において第二の貼合半体130から離れた側の端部に設けられ、フレキシブルスクリーン2の縁部を異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33の内面に圧着することに用いられる。
【0032】
本実施例では、第一の平面圧着面112は平面状となっており、第一の曲面圧着面114は、フック状円弧領域33の内面形状に合致する半円状となっている。好ましくは、第一の曲面圧着面114は、第一の貼合半体110の、第二の貼合半体130と反対の方向へ延びている第一のフランジ(図中においては符号が付けられていない)に設けられている。即ち、第一の曲面圧着面114にフレキシブルスクリーン2を貼り付けた後、第一の曲面圧着面114をフック状円弧領域33内に差し込み、第一の曲面圧着面114とフック状円弧領域33の内面との間に位置するフレキシブルスクリーン2をフック状円弧領域33の内面にぴったり圧着することができる。換言すれば、フック状円弧領域33の内面の半径と第一の曲面圧着面114の半径との差は、フレキシブルスクリーン2の厚さに等しい。
【0033】
第二の貼合半体130の外周に、第二の圧着面131が設けられている。第二の圧着面131は、異形曲面カバープレート3の他方側辺におけるフック状円弧領域33の内面形状に合致する第二の曲面圧着面134、及び、第二の曲面圧着面134と滑らかに繋がっているとともに、異形曲面カバープレート3の平坦領域31の内面形状に合致する前記第二の平面圧着面132を含む。具体的には、第二の平面圧着面132は、第二の貼合半体130の底部に設けられ、フレキシブルスクリーン2を異形曲面カバープレート3の平坦領域31に圧着することに用いられる。第二の曲面圧着面134は、第二の貼合半体130において第一の貼合半体110から離れた側の端部に設けられ、フレキシブルスクリーン2の縁部を異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33の内面に圧着することに用いられる。
【0034】
本実施例では、第二の平面圧着面132は平面状となっており、第二の曲面圧着面134はフック状円弧領域33の内面形状に合致する半円状となっている。即ち、第二の曲面圧着面134の構造は第一の曲面圧着面114の構造と同じであり、かつ、第二の曲面圧着面134及び第一の曲面圧着面114は互いに反対側に設けられている。好ましくは、第二の曲面圧着面134は、第二の貼合半体130の、第一の貼合半体110から離れる方向へ延びている第二のフランジ(図中においては符号が付けられていない)に設けられている。なお、平坦領域31の両側のフック状円弧領域33の構造が異なる場合に、第二の曲面圧着面134及び第一の曲面圧着面114の構造を従って調整してよいことは無論である。
【0035】
第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130は、第一の平面圧着面112と第二の平面圧着面132とが同じ平面で隣接する閉位置、及び、第一の平面圧着面112と第二の平面圧着面132とが分離する開位置を有する。閉位置において、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132は、フレキシブルスクリーン2の中間部分を異形曲面カバープレート3の平坦領域の内面に圧着するのに適する。開位置において、第一の曲面圧着面114及び第二の曲面圧着面134は、フレキシブルスクリーン2の縁部を異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33の内面に圧着するのに適する。
【0036】
駆動アセンブリ150は、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とを例えば同じ平面において互いに離間するまたは寄り合うような相対移動を行うように駆動し、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とを、互いに当接する閉位置にし、またはそれぞれが異形曲面カバープレートの両側辺へ移動した開位置にすることに用いられる。第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130が閉位置にある時、第一の平面圧着面112と第二の平面圧着面132とは隣接して同じ平面にある。このように、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とが閉位置から開位置へと移動する時、フレキシブルスクリーン2は、中間部から図面の左右両側の縁部までが順次、第一の圧着面111及び第二の圧着面131からの圧着力を受け、異形曲面カバープレート3の平坦領域31の内面及びフック状円弧領域33の内面に確実に圧着される。
【0037】
本実施例では、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132は、いずれも長方形であることが好ましい。第一の貼合半体110と第二の貼合半体1と30は互いに隣接するまで移動すると、第一の平面圧着面112の側辺と第二の平面圧着面132の対向する側辺が重なり合う。他の実施例では、第一の平面圧着面112及び第一の曲面圧着面114は一体の面であってよく、第二の平面圧着面132及び第二の曲面圧着面134は一体の面であってよい。
【0038】
もちろん、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132は、長方形に限らない。例えば、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132は、重なり合う側辺が互いに合致する曲線状となっていてもよい。また、第一の平面圧着面112または第二の平面圧着面132の、上記した重なり合う側辺に隣接する側辺は、異形曲面カバープレート3の縁部を超えていることが好ましい。
【0039】
第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130は、左右両側へ移動する余裕があるように、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130が閉位置にあるとき、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132からなる全体の
図2~
図4の左右方向上の長さが異形曲面カバープレート3の平坦領域31の長さより短く構成されている。好ましくは、異形曲面カバープレート3とフレキシブルスクリーン2とを貼り合わせる時、閉状態にある貼合装置を異形曲面カバープレート3の開口から異形曲面カバープレート3の内部に差し込むことを可能にするために、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132からなる全体の
図2~
図4の左右方向の長さは、異形曲面カバープレート3により形成された開口の左右方向の長さより短く構成されている。
【0040】
好ましくは、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とは対称に設けられ、操作されやすい。
【0041】
好ましくは、前記貼合装置は、位置決め治具4をさらに含む。位置決め治具4には、異形曲面カバープレート3を収容する位置決め溝41が設けられている。位置決め溝41は、異形曲面カバープレート3の位置決めを行うとともに、圧着力による異形曲面カバープレート3の変形を回避する役割を果たす。
【0042】
本実施例では、駆動アセンブリ150は、第一のプラグ部材151及び第二のプラグ部材153を含む。これに対し、第一の貼合半体110には、第一のプラグ部材151の構造に合う第一のスロット113が設けられ、第一のスロット113の延在方向は、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130との相対移動方向(図面における左右方向)に対して傾斜している。第二の貼合半体130には、第二のプラグ部材153の構造に合う第二のスロット133が設けられている。第二のスロット133の延在方向は、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130との相対移動方向に対して傾斜している。第一のプラグ部材151は、第一のスロット113に差し込まれることができるとともに、上記相対移動方向に直交する方向において移動可能であり、即ち、第一のプラグ部材151は図面における上下方向に移動可能である。第二のプラグ部材153は、第二のスロット133に差し込まれることができるとともに、上記相対移動方向に直交する方向において移動可能である。これにより、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130を閉位置と開位置との間で切り替えるように駆動する。
【0043】
好ましくは、第一のプラグ部材151は、第一のスロット113に隙間嵌めされている。第二のプラグ部材153は、第二のスロット133に隙間嵌めされている。
【0044】
本実施例では、第一のプラグ部材151と第二のプラグ部材153は対称に設けられている。このように、第一のプラグ部材151及び第二のプラグ部材153をそれぞれ第一のスロット113及び第二のスロット133内に容易に差し込むことができ、駆動アセンブリ150を逆向きに置いたら差し込むことができなくなるようなことを回避できる。
【0045】
好ましくは、駆動アセンブリ150の構造を簡略化するために、第一のプラグ部材151の第一の貼合半体110から離れた側の端部の延長線と、第二のプラグ部材153の第二の貼合半体130から離れた側の端部の延長線とが交差するように構成されている。好ましくは、第一のスロットの延在方向と第二のスロットの延在方向とがなす角度の範囲は45°~60°である。このように、第一のプラグ部材151と第二のプラグ部材153を適切な距離だけ移動されば第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とを移動させることができ、一方、駆動アセンブリ150の左右方向(即ち、第一の貼合半体と第二の貼合半体との相対移動方向)において占める空間を小さくすることができる。
【0046】
具体的には、駆動アセンブリ150は、接続部材155をさらに含む。第一のプラグ部材151及び第二のプラグ部材153は接続部材155に固定的に接続され、即ち、第一のプラグ部材151の第一の貼合半体110から離れた側の端部と第二のプラグ部材153の第二の貼合半体130から離れた側の端部とは、接続部材155を介して接続されている。プラグ部材と接続部品とはヒンジ接続、取り外し可能な接続等により接続されてよい。もちろん、第一のプラグ部材151の上端と第二のプラグ部材153の上端とを直接に固定的に接続してもよく、または、他の形態で第一のプラグ部材151と第二のプラグ部材153とを互いに固定してもよい。
【0047】
駆動アセンブリ150の上下移動により、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とはそれぞれ異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域へ移動するように駆動される。具体的には、駆動アセンブリ150が上方へ移動する時、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130はそれぞれ両側へ移動させられ、駆動アセンブリ150が下方へ移動する時、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130はいずれも中間へ移動させられる。
【0048】
好ましくは、第一のプラグ部材151が第一のスロット113に完全に差し込まれ、かつ第二のプラグ部材153が第二のスロット133に完全に差し込まれたとき、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130は閉状態となる。ここで、第一のプラグ部材151が第一のスロット113に完全に差し込まれ、かつ第二のプラグ部材153が第二のスロット133に完全に差し込まれた状態とは、第一のプラグ部材151が第一のスロット113に更に深く差し込こまれることができず、かつ第二のプラグ部材153が第二のスロット133に更に深く差し込こまれることができない状態のことである。もちろん、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とが当接する時、第一のプラグ部材151及び第二のプラグ部材153がそれぞれの対応するスロットに完全に差し込まれていないような構成であってもよい。
【0049】
本実施例では、駆動アセンブリ150は、接続部材155に対して固定されている操作部157をさらに含む。作業者は、操作部157により駆動アセンブリ150を掴んで、駆動アセンブリ150に上下移動を行わせることができる。
【0050】
好ましくは、本実施例において、貼合装置100は、駆動アセンブリ150の上下移動を制御するための第一の伸縮シリンダ(図示せず)をさらに含み、上下移動の速度や時間が効果的に制御され、省人化を図ることができる。前記第一の伸縮シリンダは、エアシリンダであってよい。
【0051】
また、駆動アセンブリ150の構成は、上記に限らず、他の形態で第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130の移動等をそれぞれ制御してもよい。例えば、第一のプラグ部材151及び/または第二のプラグ部材153を伸縮可能に構成してもよい。または、別の実施例において、駆動アセンブリ150は第二の伸縮シリンダ及び第三の伸縮シリンダを含み、第二の伸縮シリンダは第一の貼合半体110に接続され、第三の伸縮シリンダは第二の貼合半体130に接続され、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130との相対移動は第二の伸縮シリンダ及び第三の伸縮シリンダによって駆動される。第二の伸縮シリンダ及び第三の伸縮シリンダは、それぞれエアシリンダであってよい。
【0052】
好ましくは、第一の圧着面111及び第二の圧着面131に、いずれも複数の真空吸着孔(図示せず)が設けられ、真空吸着によりフレキシブルスクリーン2を第一の貼合半体110の第一の圧着面111及び第二の貼合半体130の第二の圧着面131に吸着可能である。なお、他の形態でフレキシブルスクリーン2を第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130に付着させてもよいのは無論である。例えば、フレキシブルスクリーン2の左右の側辺のいずれにも弾性テープを接着し、弾性テープの他端をそれぞれ対応する側の第一の貼合半体110または第二の貼合半体130に固定する。好ましくは、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130は、第一の圧着面111及び第二の圧着面131に真空吸着孔が設けられているだけでなく、第一の貼合半体110における、第一の平面圧着面112の反対側にあって第一の曲面圧着面114に隣接する面にも複数の真空吸着孔が設けられ、かつ、第二の貼合半体130における、第二の平面圧着面132の反対側にあって第二の曲面圧着面134に隣接する面にも複数の真空吸着孔が設けられていてもよい。
図3に示すように、これにより、フレキシブルスクリーン2は、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130に予備的に付着させられる時に、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130の吸着面に完全に付着し、平たいC字形構造となることができる。
【0053】
好ましくは、操作の便利さのために、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132は、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130の図面における左右方向の長さは同じである。好ましくは、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130はほぼ同じな構造で、対称に配置されている。
【0054】
好ましくは、上記貼合装置100は、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130を異形曲面カバープレート3の内部まで移動させ、または異形曲面カバープレート3の内部から取り出すための動力アセンブリ(図示せず)をさらに含む。このように、異形曲面カバープレート3の外部でフレキシブルスクリーン2を第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130のそれぞれの圧着面に吸着し、その後に第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130を異形曲面カバープレート3の内部に入れて、フレキシブルスクリーン2を異形曲面カバープレート3の内面に圧着することを容易にできる。
【0055】
上記貼合装置において、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130はそれぞれ、異形曲面カバープレート3の平坦領域31を圧着するための第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132を有し、かつ、異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33へ圧着するための第一の曲面圧着面114及び第二の曲面圧着面134を有する。駆動アセンブリにより第一の貼合半体110と第二の貼合半体130が左右方向において離間するように駆動されることにより、フレキシブルスクリーン2の各領域は順次異形曲面カバープレート3の内面に貼り付けられる。具体的には、フレキシブルスクリーン2を中間から左右両側の縁部まで順次異形曲面カバープレート3の内面に貼り付けることにより、異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33に対する貼り付けを十分に行うことができ、貼合の効果が高まる。フレキシブルスクリーン2が異形曲面カバープレート3に完全に貼り付けられた後、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とが左右方向において寄り合うように駆動されることにより、異形曲面カバープレート3は貼合装置から容易に分離できる。
【0056】
本発明は、異形曲面カバープレート3とフレキシブルスクリーン2との貼合装置を用いて異形曲面カバープレート3とフレキシブルスクリーン2とを貼り合わせる方法をさらに提供する。上述したように、貼合装置100は、第一の貼合半体110、第二の貼合半体130及び駆動アセンブリを含む。第一の貼合半体110は第一の平面圧着面112を有する第一の圧着面111を含み、第二の貼合半体130は第二の平面圧着面132を有する第二の圧着面131を含み、異形曲面カバープレート3は平坦領域31及びフック状円弧領域33を有する。前記方法は以下のステップを含む。
【0057】
S1において、第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とを閉合し、フレキシブルスクリーン2を第一の圧着面111及び第二の圧着面131に付着させて、仮組立体1000を得る。
【0058】
S2において、仮組立体1000を異形曲面カバープレート3の内部に差し込み、第一の平面圧着面112及び第二の平面圧着面132でフレキシブルスクリーン2の中間部を異形曲面カバープレート3の平坦領域31の内面に圧着し、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130が閉位置にあるようにする。
【0059】
S3において、前記駆動アセンブリを駆動することにより、第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130をそれぞれ異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33へ向かって開位置まで移動させる。
【0060】
ここで、フレキシブルスクリーン2は、フレキシブルOLEDスクリーンであることが好ましい。なお、フレキシブルスクリーン2は他の種類のフレキシブルスクリーンであってもよいのは無論である。
【0061】
ステップS1では、まず、第一の貼合半体110の第一の平面圧着面112と第二の貼合半体130の第二の平面圧着面132とが互いに隣接していること、即ち、貼合装置100が閉状態にあることを確認して、フレキシブルスクリーン2の中間部分が吊されてしまうのを回避し、貼付中の気泡の発生を回避する。もちろん、貼合装置100が閉状態ではない場合に、駆動アセンブリにより第一の貼合半体110と第二の貼合半体130とを相対移動させることにより貼合装置100を閉状態にする必要がある。
【0062】
また、接着剤層を用いてフレキシブルスクリーン2と異形曲面カバープレート3とを貼り合わせてよい。接着剤層を予めフレキシブルスクリーン2に貼ってもよく、予め異形曲面カバープレート3に貼ってもよい。接着剤層はOCA接着剤層であることが好ましく、適用可能な他の接着剤から構成されてもよい。
【0063】
好ましくは、ステップS1において、フレキシブルスクリーン2を第一の圧着面111及び第二の圧着面131に付着させることは、真空吸着によりフレキシブルスクリーン2を第一の圧着面111及び第二の圧着面131に付着させることを含む。具体的には、第一の圧着面111及び第二の圧着面131のいずれにも複数の真空吸着孔が設けられ、真空吸着によりフレキシブルスクリーン2を第一の貼合半体110及び第二の貼合半体130に付着させる。好ましくは、真空吸着の吸着圧力は?80kpaとする。
【0064】
好ましくは、ステップS3において、前記駆動アセンブリを駆動することは、真空吸着の吸着圧力を弱めることにより、フレキシブルスクリーン2と、第一の貼合半体110及びその第一の圧着面111並びに第二の貼合半体130及びその第二の圧着面131と、の間の吸着力を弱めながら、前記駆動アセンブリを駆動することを含む。真空吸着の吸着圧力を弱めた後、吸着圧力を?5kpa~?20kpaとすることが好ましく、吸着圧力を?10kpaとすることがより好ましい。
【0065】
上記貼合方法によれば、異形曲面カバープレート3のフック状円弧領域33に対する貼り付けを十分行うことができ、貼合効果がより一層高まる。
【0066】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0067】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱せずに、複数の変形および改良を行うことができ、これら変形や改良もすべて本発明の保護範囲内に含まれる。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるものとする。