IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシップ,エルエルシーの特許一覧

特許7005812室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法
<>
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図1
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図2
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図3
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図4A
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図4B
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図4C
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図5
  • 特許-室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
G06F3/01 570
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178034
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2020550592の分割
【原出願日】2018-12-03
(65)【公開番号】P2022009771
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】15/835,264
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/835,021
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520198454
【氏名又は名称】カシップ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マウンツ,ミシェル,シー
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-284168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0136775(US,A1)
【文献】特開2007-266772(JP,A)
【文献】特開2019-61334(JP,A)
【文献】特表2017-513418(JP,A)
【文献】特開2000-231427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内位置及びベクトル追跡のための方法であって、
壁アンカーの第1の位置でウェアラブル移動無線周波数識別(RFID)タグのジェスチャーを促すことであって、前記ジェスチャーは、(1)移動の位置及び方向、又は(2)屋内空間内の前記ウェアラブルRFIDタグの移動状態を表す第1のパーソナル運動ベクトルを含む、促すことと、
前記壁アンカーから取得された位置データを使用して、前記ウェアラブルRFIDタグの前記ジェスチャーを検出することと、
インテリジェントコントローラにより、前記壁アンカーの前記第1の位置を仮想マップに追加することにより、前記検出されたジェスチャーに基づいて前記屋内空間の前記仮想マップを構築することと、
第2のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記インテリジェントコントローラによって、前記第2のパーソナル運動ベクトル及び前記壁アンカーの前記第1の位置を使用して、前記ウェアラブルRFIDタグに近接するネットワーク型装置の第2の位置を学習することと、
前記インテリジェントコントローラによって、前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を前記仮想マップに追加することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記インテリジェントコントローラは、
前記ネットワーク型装置の前記第2の位置が不明であると決定することに応答して、前記ネットワーク型装置の状態変化を検出し、
前記状態変化を前記第2のパーソナル運動ベクトルと関連付け、
前記壁アンカーの前記第1の位置および前記状態変化の前記第2のパーソナル運動ベクトルへの前記関連付けに基づいて、複数の候補位置から前記第2の位置を選択することによって、前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を学習する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワーク型装置に関連付けられた第3のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記第3のパーソナル運動ベクトルを前記ネットワーク型装置の前記第2の位置に関連付けることと、
前記第3のパーソナル運動ベクトルに基づいて、前記ネットワーク型装置の動作を選択することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のパーソナル運動ベクトルに基づいて、前記ネットワーク型装置に対する候補位置のリストを構築することと、
第3のパーソナル運動ベクトルに関連付けられた前記ネットワーク型装置の状態変化を検出することに基づいて、前記候補位置のリストから前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を選択することと、をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記位置データは、第1の位置データ及び第2の位置データを含み、前記方法は、
前記壁アンカーから、前記ウェアラブルRFIDタグの第1の検出に対応する前記第1の位置データを受信することと、
前記壁アンカーから、前記ウェアラブルRFIDタグの第2の検出に対応する前記第2の位置データを受信することと、
前記第1の位置データおよび前記第2の位置データから前記第1のパーソナル運動ベクトルを計算することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワーク型装置の1つ以上の第1の状態変化を、前記ウェアラブルRFIDタグに関連付けられた固有のアイデンティティ及び第3のパーソナル運動ベクトルと相関させることと、
前記固有のアイデンティティ及び前記相関された1つ以上の第1の状態変化に対応する前記第3のパーソナル運動ベクトルを検出することに基づいて、第2の状態変化を予測することと、
前記インテリジェントコントローラによって、前記固有のアイデンティティ及び前記第3のパーソナル運動ベクトルに基づいて、前記ネットワーク型装置の前記第2の状態変化を引き起こす動作を選択することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記インテリジェントコントローラによって、制御命令を前記ネットワーク型装置に送信することであって、前記制御命令は、前記ネットワーク型装置の1つ以上の状態変化を前記ウェアラブルRFIDタグの固有のアイデンティティ及び第3のパーソナル運動ベクトルと相関させることによって取得される嗜好データのセットに基づいて選択される、送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
室内位置及びベクトル追跡のためのシステムであって、
ウェアラブルRFIDタグに関連付けられた位置データを送信するように構成されている壁アンカーと、
前記壁アンカーに通信可能に結合されたプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
前記ウェアラブルRFIDタグに関連付けられた前記位置データを受信することと、
前記ウェアラブルRFIDタグの第1のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記計算された第1のパーソナル運動ベクトルを使用して、前記壁アンカーの第1の位置で前記ウェアラブルRFIDタグのジェスチャーを検出することと、
前記壁アンカーの前記第1の位置を仮想マップに追加することによって、屋内空間の仮想マップを構築することと、
第2のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記第2のパーソナル運動ベクトル及び前記壁アンカーの前記第1の位置を使用して、前記ウェアラブルRFIDタグに近接するネットワーク型装置の第2の位置を学習することと、
前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を前記仮想マップに追加することと、行うように動作可能である、システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、さらに、
前記第1の位置で前記ジェスチャーを促すことによって、前記壁アンカーの前記第1の位置で前記ウェアラブルRFIDタグの前記ジェスチャーを検出することを行うように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、さらに、
前記ネットワーク型装置の前記第2の位置が不明であると決定することに応答して、前記ネットワーク型装置の状態変化を検出し、
前記状態変化を前記第2のパーソナル運動ベクトルに関連付け、
前記壁アンカーの前記第1の位置及び前記状態変化の前記第2のパーソナル運動ベクトルへの前記関連付けに基づいて、複数の候補位置から前記第2の位置を選択することによって、前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を学習することを行うように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、さらに、
前記ネットワーク型装置に関連付けられた第3のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記第3のパーソナル運動ベクトルを、前記ネットワーク型装置の前記第2の位置に関連付けることと、
前記第3のパーソナル運動ベクトルに基づいて、前記ネットワーク型装置の動作を選択することと、を行うように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、さらに、
前記第2のパーソナル運動ベクトルに基づいて、前記ネットワーク型装置に対する候補位置のリストを構築することと、
第3のパーソナル運動ベクトルに関連付けられた前記ネットワーク型装置の状態変化を検出することに基づいて、前記候補位置のリストから前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を選択することと、を行うように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、さらに、
制御命令を前記ネットワーク型装置に送信することであって、前記制御命令は、前記ネットワーク型装置の1つ以上の状態変化を前記ウェアラブルRFIDタグの固有のアイデンティティ及び第3のパーソナル運動ベクトルと相関させることによって取得される嗜好データのセットに基づいて選択される、送信することを行うように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
第1の位置の壁アンカーから、ウェアラブルRFIDタグに関連付けられた位置データを受信することと、
前記壁アンカーに関連付けられた前記ウェアラブルRFIDタグの第1のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
インテリジェントコントローラによって、前記壁アンカーの前記第1の位置を仮想マップに追加することによって、屋内空間の前記仮想マップを構築することと、
第2のパーソナル運動ベクトルを計算することと、
前記インテリジェントコントローラによって、前記第2のパーソナル運動ベクトル及び前記壁アンカーの前記第1の位置を使用して、前記ウェアラブルRFIDタグに近接するネットワーク型装置の第2の位置を学習することと、
前記インテリジェントコントローラによって、前記ネットワーク型装置の前記第2の位置を前記仮想マップに追加することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記インテリジェントコントローラによって、前記第1の位置で前記ウェアラブルRFIDタグのジェスチャーを促すことをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワーク型装置の将来の動作を決定するために、1つ以上の他のパーソナル運動ベクトルを、前記ネットワーク型装置の1つ以上の以前の動作状態と相関させることをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記ネットワーク型装置の選択された動作状態を環境要因と相関させることによって、前記ネットワーク型装置の動作に対する嗜好を決定することをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記ネットワーク型装置に関して要求された動作を促すユーザ装置にインターフェース命令を提供することと、
前記要求された動作に応答してジェスチャーを取得することと、
前記ジェスチャー及び第3のパーソナル運動ベクトルを前記要求された動作に関連付けることと、
前記関連付けの後に、前記ジェスチャー及び前記第3のパーソナル運動ベクトルを検出することに応答して、前記ネットワーク型装置で前記要求された動作を実行することと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記仮想マップを構築することは、
前記計算された第1のパーソナル運動ベクトルを使用して、前記壁アンカーの前記第1の位置で前記ウェアラブルRFIDタグのジェスチャーを検出することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記屋内空間内の複数のパーソナル運動ベクトルを観察することにより前記仮想マップを構築することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、制御システムに関し、より詳細には、室内位置およびベクトル追跡システムを使用するためのシステムおよび方法、ならびにホームオートメーションシステムの動作を改善するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホームオートメーションシステムは、照明を起動したり、家の中の温度を調節したりするような日常的なタスクを自動化することによって、家の居住者にサービスを提供しようとする。しかしながら、今日まで、ホームオートメーションシステムは、ホームオートメーションシステムの性能を居住者の固有の要求に完全に合わせることができないフィードバックおよび制御のために、初歩的な制御機構を利用してきた。
【発明の概要】
【0003】
本開示の教示によれば、ホームオートメーションシステムに関連する欠点および問題は、実質的に低減または除去されている。特に、室内位置およびベクトル追跡システムおよび方法は、ホームオートメーション技術における実質的な改良を提供する。
【0004】
本開示の別の実施形態によれば、位置追跡のためのシステムは、屋内空間に配置されたアンカーを含み、アンカーは、無線周波数(RF)波形を送信するように各々動作可能な複数の無線周波数送信機を表す。システムはまた、RF波形に応答するウェアラブル移動無線周波数識別(RFID)タグと、アンカーに接続されたインテリジェントコントローラと、ネットワーク型装置とを含む。インテリジェントコントローラは、アンカーから、ウェアラブル移動RFIDタグの第1の検出に対応する第1の位置データを受信し、複数のアンカーから、ウェアラブル移動RFIDタグの第2の検出に対応する第2の位置データを受信するように動作可能である。インテリジェントコントローラは、第1の位置データおよび第2の位置データから、移動RFIDタグのパーソナル運動ベクトルを計算するように動作可能であり、パーソナル運動ベクトルは、(1)移動の位置および方向、または(2)移動RFIDタグのジェスチャーのうちの少なくとも1つを表す。インテリジェントコントローラは、ウェアラブルRFIDタグを固有のアイデンティティに関連付け、少なくともパーソナル運動ベクトルおよび固有のアイデンティティに基づいてネットワーク型装置に関する動作を選択し、ネットワーク型装置に対して選択された動作を引き起こすように動作可能なネットワーク型装置に制御命令を送信するようにさらに動作可能である。
【0005】
本開示の一実施形態によれば、室内位置追跡およびベクトル追跡のための方法は、インテリジェントコントローラが、屋内空間に配置された1つ以上のアンカーから位置データを受信することを含み、アンカーは、RF波形を送信するように動作可能な無線周波数送信機を含み、位置データは、RF波形を用いたウェアラブル移動無線周波数識別(RFID)タグの検出に対応する。本方法は、さらに、位置データに基づいて、移動RFIDタグのパーソナル運動ベクトルを計算することを含み、パーソナル運動ベクトルは、(1)移動の位置および方向、または(2)移動RFIDタグのジェスチャーを表す。本方法は、ウェアラブルRFIDタグを固有のアイデンティティに関連付けることと、少なくともパーソナル運動ベクトルおよび固有のアイデンティティに基づいてネットワーク型装置に関する動作を選択することと、ネットワーク型装置に対して選択された動作を引き起こすように動作可能な制御命令をネットワーク型装置に送信することと、を含む。
【0006】
本発明の特定の実施形態の技術的利点は、制御決定を行うときにウェアラブルタグのパーソナル運動ベクトルを検出し、考慮することができる改良された制御システムを含む。インテリジェントコントローラ内の技術の改善を含むホームオートメーションシステムのフィードバックおよび制御機構を改善することにより、様々な他の利点を達成することができる。本開示の他の技術的利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、特定の利点は上述したが、様々な実施形態は、それらの利点のいくつか、すべて、または全く含まない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明ならびにその特徴および利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0008】
図1】本開示の教示によるホームオートメーションのためのシステムの例示的実施形態を示すブロック図である。
図2】本開示の教示によるインテリジェントコントローラの例示の実施形態を示すブロック図である。
図3】本開示の教示によるホームオートメーションのためのシステムにおける制御動作の例示の実施形態を示すブロック図である。
図4A】本開示の教示によるホームオートメーション制御のための例示のジェスチャーを示す斜視図である。
図4B】本開示の教示によるホームオートメーション制御のための例示のジェスチャーを示す斜視図である。
図4C】ジェスチャーを検出する例示の実施形態の図示である。
図5】本開示の教示によるホームオートメーションのための方法の例示の実施形態を示すフローチャートである。
図6】適応学習モジュールを備えたホームオートメーションシステムを構成するための方法の例示の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態およびその利点は、図1図6を参照することによって最もよく理解され、同様の数字は、種々の図面の同様の部分および対応する部分を指す。
【0010】
家のような伝統的な環境は、これまで多くの自動化された装置およびアプリケーションに直面しているが、ホームオートメーションシステムの高度化は、歴史的に他の産業よりも遅れている。しかし、近年、消費者が利用可能な接続されるモノのインターネット(IoT)装置およびアプリケーションの数が増加している。これらの装置およびアプリケーションは、センサ入力を受け、その入力に基づいてアクションをとることによって、居住者に役立つ。例えば、運動検出器は、運動が検出される場合、照明をオンにすることができる。これらの基本的な制御機構は、多くの欠陥に悩まされている。前の例を使用すると、居住者があまりにも長く静止したままでいる場合(またはモーションセンサーの視線の外側に位置している場合)、タイマーは、居住者が室内にいて、照明をオンにしたままにすることを希望しても、照明をオフさせることがある。これらの基本的なコントローラは、個人がどこにいるのかを知るため、個人が部屋に入るときに照明をオンしたいのかどうかを知るため、または別の例を使用すると、家用空調システムの温度設定を個人が上げたいのか下げたいのかを個人からそうするように指令を受けずに知るための必要なメカニズムを欠いている。具体的には、これらのメカニズムはまた、異なるアクションを取ることを望む個人を区別する能力を欠いており、どのアクションを取るべきかを決定するために使用されるであろう室内のそれら個人の移動方向を決定する能力を欠いている。
【0011】
本開示は、このようなシステムは、誰が家にいるか、部屋のどこにいるか、どの方向に、どのような速度で現在移動しているのかを決定するメカニズムを欠いていることを認識している。これらおよび他の欠点を改善するホームオートメーションシステムを提供するために、本開示は、この情報を追跡し、それを使用するために、改善された制御機構とその制御アルゴリズムが必要であることを認識する。例えば、本開示は、個人的な動きベクトルに基づいて個々の居住者の好みを利用および/または学習することができる高度な制御アルゴリズムと同様に、個々の家の居住者の個人的な動きベクトルを取得および計算するためのメカニズムを認識し、開示する。家の周囲の様々な場所に配置されたアンカーは、UWBのような無線周波数技術を利用して、家の居住者が着用し得る無線周波数識別子の位置を計算することができる。ウェアラブルタグは、リストバンドまたはネックレスとして都合よく具体化することができ、またはスマートウォッチまたは同様の装置内に含めることができる。ウェアラブルタグに関連する位置データは、ウェアラブルタグの装着者に関連する個人的な運動ベクトルを計算するために連続的に分析され得る。これらの個人的な運動ベクトルは、居住者の移動の位置および方向を明らかにし、さらに、居住者が行っている正確なジェスチャーを検出するために計算することができる。この情報は、個人的な動きベクトルを観察し、それらのベクトルを好ましい制御アクティビティと関連付けることによって、ユーザの好みを学習することができる制御アルゴリズムをエンパワーし、およびIoTおよび他の装置のネットワークに関してアクションをとる入力として利用することができる。
【0012】
図1は、本開示の教示によるホームオートメーションのための制御システム10の例示の実施形態を示すブロック図である。制御システム10は、複数のアンカー100a~100d(個々にまたは集合的に、本明細書においてアンカー100と称することがある)と、1つ以上のウェアラブルタグ102a~102b(個々にまたは集合的に、本明細書においてウェアラブルタグ102と称することがある)、インテリジェントコントローラ104、ネットワーク108、ユーザ機器装置(UE)110、およびネットワーク型装置112a~112d(個々にまたは集合的に、本明細書においてネットワーク型装置112と称することがある)。
【0013】
制御システム10は、インテリジェントコントローラ104の制御下にある様々なネットワーク型装置112を含む、家、オフィス、または他の屋内空間の1つ以上の部屋を含むことができる。アンカー100は、1つ以上のウェアラブルタグ102の位置データを集合的に検出し、位置データをインテリジェントコントローラ104に送信する。インテリジェントコントローラ104は、位置データを使用して、1つ以上のウェアラブルタグ102の位置およびパーソナル運動ベクトル(ウェアラブルタグ102aに関するベクトル
【数1】
など)を決定する。ウェアラブルタグ102の装着者のアイデンティティおよびウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルは、装置を直接制御するための入力として、および/または1つ以上のネットワーク型装置112を制御するための予測および/または学習アルゴリズムへの入力として使用され得る。ホームオートメーションシステム10は、ウェアラブルタグ102の装着者のアイデンティティおよびそれぞれのパーソナル運動ベクトルを使用して、ネットワーク型装置112の制御を、個々の乗員の正確な要求および嗜好により細かく合わせることができる。
【0014】
アンカー100は、ウェアラブルタグ102の位置を特定するために、無線周波数(RF)パルスを送受信することができる適切なアンテナに結合された無線トランシーバモジュールを含む。アンカー100は、ウェアラブルタグ102から発せられたおよび/または反射されたRF信号の飛行時間(ToF)を測定することによって、ウェアラブルタグ102の2次元または3次元位置を三角測量して、ウェアラブルタグ102の位置を計算することができる。追加的または代替的に、ウェアラブルタグ102が、様々なアンカー100から受信された信号のToFを測定し、位置データをアンカー100に送信することができる。様々なアンカー100またはウェアラブルタグ102へのRF信号の到着時間差(TDOA)が利用されて、三角測量を使用したウェアラブルタグ102の正確な位置を計算することができる。この計算は、ウェアラブルタグ102またはアンカー100の1つ以上によって行うことができる。アンカー100a~100dが図示の実施形態において示されているが、システム10は、必要に応じて任意の適切な数のアンカーを含むことができることに留意されたい。例えば、アンカー100のサブセットが屋内空間の各部屋で利用されて、各部屋内でウェアラブルタグ102を十分に三角測量することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、アンカー100および/またはウェアラブルタグ102が、直交周波数分割多重化(OFDM)変調スキームを利用して、超広帯域(UWB)信号RFパルスを送信および/または受信することができる。UWBは、広い周波数キャリア信号(3.1~10.6GHz)で、-41.3 dBm/MHzの範囲の低エネルギー信号を、毎秒1~100メガパルスの短パルスに対して使用できる無線技術である。いくつかの実施形態において、UWBは、2次元または3次元空間におけるウェアラブルタグ102の位置を、誤差の5~10cmのマージン内で毎秒1~10回検出するアンカー100および/またはウェアラブルタグ102によって有益に利用され得る。いくつかの実施形態では、アンカー100は、ToFおよび/またはTDOAデータを互いに通信し、および/またはウェアラブルタグ102の位置データをインテリジェントコントローラ104に通信する第2の無線トランシーバモジュールを含み得る。位置データは、ウェアラブルタグ102の{x,y,z}座標と、ウェアラブルタグ102のアイデンティティとを、ウェアラブルタグ102がその座標に位置する時間を表すタイムスタンプとともに含み得る。アンカー100によって提供される座標は、必ずしも絶対位置である必要はないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、アンカー100によって報告される座標は、いくつかの特定の開始位置からの相対値、および/または互いに対する相対値であり得る。例えば、1つのアンカー100aが、{0,0,0}の座標を有するように任意に設定されてもよく、他のアンカー100および装置が、アンカー100aの位置に対して決定されてもよい。また、アンカー100の第1の無線モジュールに関してUWBを説明したが、ウェアラブルタグ102の十分な位置分解能を提供することができる限り、任意の適切な屋内位置決め技術(Wi-Fi、RFID、超音波、またはGPSなど)を利用することができることにも留意されたい。第2の無線モジュールは、Wi-Fi、赤外線、Bluetooth(登録商標)などの無線プロトコル、または他の適切な無線プロトコルを利用して、位置データをインテリジェントコントローラ104に通信することができる。いくつかの実施形態では、アンカー100は、メッシュネットワークを形成することができる。
【0016】
ウェアラブルタグ102は、アンカー100にRF信号を発することができるロケータタグを含む。ウェアラブルタグ102が、無線周波数識別子(RFID)タグを含んでもよく、ウェアラブルタグが、アンカー100から受信したRF信号の反射器を含んでもよい。ウェアラブルタグ102は、アンカー100が、ウェアラブルタグ102の固有の識別子として、変調された信号を解釈することができるように、反射信号を変調することができる。代替的には、ウェアラブルタグ102が、アンカー100から様々なRF信号を受信し、位置データを1つ以上のアンカー100に送信することができるトランシーバモジュールを含み得る。このような実施形態では、ウェアラブルタグ102が、アンカー100からのRF信号のTDOAを測定し、TDOAを使用して、ウェアラブルタグ102の3次元座標を三角測量するための回路を含み得る。アンカー100からの同期RFパルスの受信に応答して、ウェアラブルタグ102は、位置データを1つ以上のアンカー100に送信することによって応答することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルタグ102が、アンカー100からのRFパルスの反射器として動作してもよく、このような実施形態では、アンカー100が、インテリジェントコントローラ104への送信のための位置データを生成する責任を負うことがある。ウェアラブルタグ102が、時計、リストバンド、ネックレスなどの装着可能なアクセサリを含むか、または装着可能なアクセサリに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルタグ102が、スマートウォッチ内に含まれるか、スマートウォッチ上に含まれるか、またはスマートウォッチの一部として含まれ得る。特に、ウェアラブルなタグ102および/またはアンカー100は、アンカー100からの信号が適切な時間および/または間隔で不連続とされる不連続受信モード(DRX)で動作することができる。例えば、DRXモードは、ウェアラブルタグ102の座標が実質的に変化していない(すなわち、ウェアラブルタグ102は概ね静止している)という決定に基づいてトリガされ得る。次いで、DRXモードは、アンカー100および/またはウェアラブルタグ102に、ウェアラブルタグ102が能動的に移動しているときよりも長いサイクルでRF信号を送信/発せさせることができる。DRXモードは、ウェアラブルタグ102の座標が変化したことを検出すると、無効にすることができる。
【0017】
インテリジェントコントローラ104は、システム10内の1つ以上のウェアラブルタグ102の位置データを受信し、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトル
【数2】
を計算することができ、システム10内の1つ以上のネットワーク型装置112の動作を制御するための集中フィードバックベースのコントローラを含む。例えば、図示の実施形態では、パーソナル運動ベクトル
【数3】
は、ウェアラブルタグ102aの位置データ(x、y、および/またはz座標)およびウェアラブルタグ102aの移動方向を含み得る。いくつかの実施形態では、パーソナル運動ベクトル
【数4】
はまた、ウェアラブルタグ102aの速度を含み得る。インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のユーザの移動方向としてパーソナル運動ベクトル
【数5】
を解釈することができ得る。パーソナル運動ベクトル
【数6】
は、ウェアラブルタグ102aの運動状態を追加的または代替的に示すことができる。例えば、速度ゼロのパーソナル運動ベクトル
【数7】
は、ウェアラブルタグ102aの移動またはがアクティビティがないことを示すことができる。インテリジェントコントローラ104はまた、ウェアラブルタグ102bおよび任意の数の追加のウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを、一度に、および/または、ウェアラブルタグ102aと並列に、計算することができる。インテリジェントコントローラ104は、プログラマブル・ロジック・コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および/またはコンピュータプロセッサを、1つ以上のメモリおよび制御ロジックと共に含むか、またはそれらを備え得る。インテリジェントコントローラ104は、非一時的コンピュータ読取可能媒体に実装された制御ロジックを含んでもよい。インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ10に関連する固有のアイデンティティ、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトル、ネットワーク型装置112のステータス、およびネットワーク型装置112の動作について知的な決定を行うための他の適切なインテリジェンスを利用するための1つ以上のフィードバックベースの制御アルゴリズムを含む。
【0018】
インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102の特定のユーザからのジェスチャーとして、1つ以上のパーソナル運動ベクトルを追加的にまたは代替的に解釈することができる。インテリジェントコントローラ104は、ジェスチャーとしてパーソナル運動ベクトルのセットを解釈するパターン認識ロジックを含み得る。ジェスチャーは、1つ以上のネットワーク型装置112の制御動作を開始するインテリジェント制御ハブによって利用され得る。追加的または代替的に、ジェスチャーは、インテリジェントコントローラ104による1つ以上のネットワーク型装置の動作に関するフィードバックとしてインテリジェントコントローラ104によって使用され得る。別の例として、インテリジェントコントローラ104は、ジェスチャーベースのフィードバックに基づいて様々な装置112の位置を学習する訓練・ロジックを含み得る。ジェスチャーベースのフィードバックはまた、装置112の設定のためのユーザの嗜好を更新し学習することができる人工知能アルゴリズムへの入力として使用され得る。例えば、インテリジェントコントローラ104が、特定の部屋に向かって移動するウェアラブルタグ102の存在に基づいて照明を起動させることを決定する場合、ジェスチャーは、ユーザが照明を起動させることを望まないインテリジェントコントローラ104への命令として利用され得る。インテリジェントコントローラ104は、時刻、時期、および/または他のウェアラブルタグ102の位置のような、照明起動フィードバックが提供された状況(コンテキスト)を記録することができる。これらの状況は、ウェアラブルタグ102のユーザの優先度プロファイルを更新するため、および/またはインテリジェントコントローラ104の予測制御アルゴリズムを更新するために利用され得る。例えば、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のユーザが、子供の他のウェアラブルタグ102が隣接する部屋に存在するときには、夜間に廊下の照明をオンにしないことを好むが、子供が隣接する部屋に存在しないときには、廊下の照明をオンにすることを好むという状況に基づいて、経時的に学習することができる。インテリジェントコントローラ104によって利用されるフィードバック制御アルゴリズムの追加の例示の実施形態は、インテリジェントコントローラ104の動作の例示の実施形態に関して以下に説明する。インテリジェント制御ハブのより詳細な実施形態を、図2に関して以下に説明する。インテリジェントコントローラ104が、パーソナル運動ベクトルのセットをジェスチャーとしてどのように解釈し得るのかについての例示の実施形態を図3に関して以下に説明する。
【0019】
ネットワーク108は、スマートフォン、テーブルなどのUE110がネットワーク108を使用してインテリジェントコントローラ104と通信することを可能にするハブ、スイッチ、ルータ、および関連シグナリングの任意の適切な組み合わせを含む。ネットワーク108はホームネットワーク(例えばWi-Fiネットワーク)を表すことができ、および/またはインターネットを含むことができる。
【0020】
UE110は、インターフェースを表示し、ネットワーク108を利用してインテリジェントコントローラ104との間でデータを通信することができる任意の装置を含む。いくつかの実施形態では、UEは、インテリジェント制御ハブ108と対話するためのアプリケーションインターフェース(スマートフォンアプリなど)を含むスマートフォンまたはタブレットを備え得る。UE110は、ネットワーク108を利用して、例えば、ネットワーク型装置112を構成し、ウェアラブルタグ102に関連するユーザプロファイルをセットアップし、ユーザプロファイルに関連する優先度データを入力し、および/またはシステム10内の装置112のレイアウトに関するデータを入力するために、インテリジェント制御ハブ108と対話することができる。
【0021】
ネットワーク型装置112は、IoT装置のようなインテリジェントコントローラ104に接続可能なネットワーク型装置を備える。ネットワーク型装置112は、インテリジェントコントローラ104からコマンドおよび/または信号を受信する伝送モジュールと、それらの信号および/またはコマンドに基づいて適切なアクションをとる論理または回路とを含む任意の装置を含み得る。ネットワーク型装置112は、Wi-Fi、制御エリア・ネットワーク(CAN)、Bluetooth、赤外線、X10、他の有線もしくは無線プロトコルなどいずれかの適切な通信プロトコルの1つ以上を使用して、インテリジェントコントローラ104と通信することができる。ネットワーク型装置112は、照明および/または照明制御モジュール、自動窓およびドアロック、セキュリティシステム、ビデオ監視システム、空調および加熱システムおよび/またはサーモスタット(スマートサーモスタットを含む)、冷蔵庫、ガレージドア、空気清浄器、加湿器、またはインテリジェントコントローラ104に接続可能であり、インテリジェントコントローラ104からのコマンドまたは信号に適切なアクションをとることによって応答することが可能な他の家庭用機器または事務用機器を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーク型装置112は、装置ステータスまたは装置112の動作に関する他の情報などのデータをインテリジェントコントローラ104に送信することができ得る。
【0022】
動作において、インテリジェントコントローラ104は、1つ以上のアンカー100から受信した位置データに基づいて、1つ以上のウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを計算する。いくつかの実施形態において、位置データは、それらの座標に関連する位置座標およびタイムスタンプを含み得る。タイムスタンプは、アンカー100によって座標が検出された時間を表すことができる。インテリジェントコントローラ104は、いくつかの実施形態では、ウェアラブルタグ102の位置、方向、および速度を含む、計算されたパーソナル運動ベクトルを利用して、1つ以上のネットワーク型装置112の動作に関するインテリジェントな決定を行う。
【0023】
インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトル、ウェアラブルタグ102に関連するユーザ嗜好プロファイル、および/または他のウェアラブルタグ102に基づいて、ネットワーク型装置112に制御命令を送信することができる。ウェアラブルタグ102に関連するユーザプロファイルは、時刻、天候、または他の嗜好などの、ユーザの固有の状況に基づいて、選択されたネットワーク型装置112に関するアクションの好みを含み得る。例えば、ウェアラブルタグ102aのユーザは、調光可能なライト112を、時刻または天候に基づいて特定の設定に設定することを望み得る。別の例として、ウェアラブルタグ102aの装着者は、インテリジェントコントローラ104が、そのウェアラブルタグ102aのパーソナル運動ベクトルに基づいて夜間に照明をオンにしないことを決定することができるような家庭用ペットであり得る。別の例として、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102bが部屋に継続して存在することに基づいて、ウェアラブルタグ102aが部屋を離れても照明をオンのままにすることを決定することができる。
【0024】
アンカー100は、アンカー100および/またはウェアラブルタグ102から送信されたRFパルスに基づいて、アンカー100がその空間内のウェアラブルタグ102の位置を三角測量することができるように、屋内空間内に配置され得る。アンカー100は、内部空間の1つ以上の部屋の周囲に沿って、またはウェアラブルタグ102からの信号を三角測量するのに有効な他の任意の適切な位置に配置され得る。いくつかの実施形態では、アンカー100は、ウェアラブルタグ102から反射された信号のTDOAを測定するために、規則的な間隔でRFパルスを送信する。RFパルスは、UWB波形であり得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルタグ102はまた、ウェアラブルタグ102の固有の識別子で送信されたRFパルスを変調することによって、送信されたRFパルスに応答する能力を含み得る。アンカー100は、ウェアラブルタグ102の固有のアイデンティティについて変調された信号を分析することができ、反射された信号のTDOAを分析してウェアラブルタグ102の3次元空間における位置を決定することができる。アンカー100は、ウェアラブルタグ102と共に装着者が部屋から部屋へ移動するにつれて、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルが実質的に連続的に監視され得るように、家の様々な部屋に設置することができる。
【0025】
インテリジェントコントローラ104は、複数のアンカー100およびネットワーク型装置112に接続され得る。インテリジェントコントローラ104は、周期的な間隔でウェアラブルタグ102の位置データを受信するように構成され得る。例えば、インテリジェントコントローラ104は、アンカー100のうちの1つ以上から、ウェアラブルタグ102aの第1の検出に対応する第1の位置データを受信することができる。インテリジェントコントローラ104は、その後、他のアンカー100のうちの1つ以上から、ウェアラブル移動RFIDタグの第2の検出に対応する第2の位置データを受信することができる。第1位置データおよび第2位置データは、ウェアラブルタグ102のアイデンティティ、ウェアラブルタグ102の(x、y、および/または、z)座標、および/または、これらの座標が検出された時間にウェアラブルタグ102が位置していた時間に関連するタイムスタンプを含み得る。第1および第2位置データに基づいて、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを計算し、ウェアラブルタグ102の固有のアイデンティティをベクトルに関連付ける。パーソナル運動ベクトルは、ウェアラブルタグ102の位置、移動方向、および速度を含み得る。
【0026】
インテリジェントコントローラ104がアンカー100から位置データを受信し続けると、インテリジェント制御ハブはウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを継続的に更新することができる。インテリジェントコントローラ104はまた、複数の連続するパーソナル運動ベクトルをセットに収集することができる。これらのセットは、ウェアラブルタグ102のユーザがインテリジェントコントローラ104への制御フィードバックの形態として意図されたジェスチャーを行っているかどうかを決定するために、既知のジェスチャーとパターン整合され得る。パーソナル運動ベクトル、ジェスチャー、ウェアラブルタグ102のアイデンティティ、および/または1つ以上の他の選択基準に基づいて、インテリジェントコントローラ104は、ネットワーク型装置112の1つ以上に関する動作を選択することができる。ネットワーク型装置112に選択された動作を実行させるのに有効な制御命令は、インテリジェントコントローラ104によって、選択されたネットワーク型装置112に送信することができる。インテリジェントコントローラ104は、制御アルゴリズムを実行して、1つ以上のウェアラブル装置102のパーソナル運動ベクトルに応答してシステム10の状態をどのように変化させるべきかを決定することができる。これらの決定は、ウェアラブル装置102の固有のアイデンティティに関連する嗜好プロファイルに基づいてもよい。本開示の教示によれば、インテリジェントコントローラ104は、ジェスチャーが検出された位置に基づいて、同じジェスチャーを異なるように解釈することができる。例えば、台所で手首を回転させることは、台所のステレオオーディオレベルを下げる制御命令として解釈することができ、一方、同じジェスチャーが、寝室で検出されたときには、テレビの音を小さくする制御命令として解釈することができる。
【0027】
インテリジェントコントローラ104は、多くの方法のうちの任意の1つ以上の方法で、好みのプロファイルを適応的に更新することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104は、パーソナル運動ベクトルのセットが、インテリジェントコントローラ104によって取られたアクションがウェアラブル装置102のユーザのパーソナル嗜好内にあったかどうかを示すジェスチャーを表すことを計算することに基づいて、嗜好プロファイルを更新することができる。インテリジェントコントローラ104は、ジェスチャーベースのフィードバックを、アクションが取られた状況、例えば、時刻、時期、天候、およびウェアラブルタグ102aの近傍における他のウェアラブルタグ102bの存在などと結合させることができる。この情報は、インテリジェントコントローラ104によって使用され、将来、同様の状況下で取られるアクションを修正するために、その予測分析エンジンおよびウェアラブルタグ102aおよび/または102bの1つ以上の嗜好プロファイルを更新する。
【0028】
インテリジェントコントローラ104はまた、ウェアラブルタグ102を装着者によって取られる手動アクティビティを同様の方法で観察することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104は、1つ以上のネットワーク型装置112の手動動作を、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルと結合することができる。インテリジェントコントローラ104はまた、検出された手動アクティビティおよび運動ベクトルを利用して、ネットワーク型装置112が内部空間内にある地図を動的に構築することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104は、コントローラ104がスイッチがオンまたはオフにされる状態変化情報を受信したときに、その位置におけるパーソナル運動ベクトルの一貫した存在に基づいて、照明スイッチが特定のx、y、z座標にあると決定することができる。複数のウェアラブルタグ102がシステム10内に位置しているときに、インテリジェント制御ハブ112は、ネットワーク型装置112の連続動作にわたる同じ位置でのパーソナル運動ベクトルの有無に基づいて候補位置を除去するプロセスを介して、種々のネットワーク型装置の位置を学習することができる。例えば、ネットワーク型装置112aが初めて動作し、ウェアラブルタグ102aが位置{1,2,10}にあり、ウェアラブルタグ102bが{3,5,10}にある場合、インテリジェントコントローラ104は、ネットワーク型装置112aの可能な位置としてこれら2つの位置を指定することができる。2回目のネットワーク型装置112aの動作時に、ウェアラブルタグ102aが位置{1,2,10}にあり、ウェアラブルタグ102bが{6,11,20}に位置する場合、インテリジェントコントローラ104は、位置{3,5,10}および{6,11,20}を可能な位置として削除し、位置{1,2,10}をネットワーク型装置112aの位置として選択することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、インテリジェントコントローラ104は、複数の壁アンカーのそれぞれの位置でジェスチャーを促すことによって、様々なネットワーク型装置112の位置および対応する仮想マップを生成することができる訓練モードを含んでもよい。仮想マップ訓練モードは、仮想マップのための複数の部屋を識別することを含み得る。マップ内の各部屋は、各部屋内の装置112に対する特定の嗜好プロファイル設定と関連付けられ得る。また、ネットワーク型装置112は、システム10内のネットワーク型装置112の位置の各々においてジェスチャーを促すインテリジェントコントローラ104によってマップに追加され得る。訓練モードが、UE110でのインターフェースアプリケーションによって実行されてもよく、このアプリケーションは、インテリジェントコントローラ104によって利用されて、仮想マップを構築するために様々なジェスチャーを促すことができる。追加的に、いくつかの実施形態では、UE110でのインターフェースアプリケーションを使用して、インターフェースアプリケーションを介したユーザからのフィードバックを使用して、仮想マップを補完し、表示し、更新することができる。
【0030】
ネットワーク型装置112のマップおよびパーソナル運動ベクトルに基づいて、インテリジェントコントローラ104は、これらの装置を予測的に制御することを開始することができる。インテリジェントコントローラ104によるこれらの装置の予測制御は、装置112の制御に関連するパーソナル運動ベクトルが検出された状況を検出し、記録することによってさらに強化することができる。これらの検出された状況は、ネットワーク型装置112を制御するために使用される予測アルゴリズムを更新するために、インテリジェントコントローラ104によって記録され、使用され得る。将来同様の状況が検出されるときに、インテリジェントコントローラ104は、そのパーソナル運動ベクトルに基づいて装着者の予測されるアクティビティに従ってネットワーク型装置112を予測的に動作させることができる。例えば、ウェアラブルタグ102のユーザが、典型的に、特定の時刻、時期、および/または季節に部屋に入った後に、調光スイッチ112を特定の設定に設定する場合、インテリジェントコントローラ104は、そのアクティビティに基づいて、調光スイッチ112の位置を決定することができる。追加的または代替的に、インテリジェントコントローラ104は、その時刻に部屋に入るパーソナル運動ベクトルを計算すると、調光スイッチをその特定の設定に設定を開始することができる。
【0031】
上述のように、インテリジェントコントローラ104は、同じ近傍に複数のウェアラブルタグ102が存在することに基づいて、ネットワーク型装置112に関してアクションをとることができる。インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102aおよび102bの嗜好プロファイルを相互相関させて、両方のタグが同じ近傍にある場合および/または類似の動きを有する場合に、組み合わされた嗜好データを決定することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102a単独の場合、ウェアラブルタグ102aのユーザに好まれる第1の温度設定を有してもよいが、ウェアラブルタグ102b単独の場合には、ウェアラブルタグ102bのユーザに好まれる第2の温度設定を有し得る。しかし、ウェアラブルタグ102aとウェアラブルタグ102bが同じ部屋に一緒にいる場合、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102aと102bのユーザが一緒にいるときには、第3の温度設定が好ましいと判断することができる。ウェアラブルタグ102が離れているときに選ばれるものから、ウェアラブルタグ102aと102bが一緒にあるときに、一貫して固有の、または異なるアクティビティを選択することに基づいて、インテリジェント制御ハブ102は、複数のウェアラブルタグが一緒になっているときに使用するために、各ユーザプロファイル内で組み合わされた嗜好プロファイルまたは特別なケースを生成することを決定することができる。インテリジェントコントローラ104はまた、複数のウェアラブルタグ102の存在が同じ部屋内で検出されたときに、グループ設定において固有の設定を選択することができる。
【0032】
インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102の予測されるアクティビティに基づいてネットワーク型装置112の動作を選択することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104の予測制御アルゴリズムは、ウェアラブルタグ102が部屋に入ったときに照明を起動する、ウェアラブルタグ102が向かう部屋の照明を起動するなど、特定のネットワーク型装置112に関してとるべき最初のアクションを予測することができる。ウェアラブルタグ102のユーザは、ジェスチャーの形態でインテリジェントコントローラ104にフィードバックを提供することができる。インテリジェントコントローラ104は、アンカー100からの位置データを利用して、ジェスチャーに基づいて計算されたベクトルのセットを検出する。次いで、インテリジェントコントローラ104は、パターンのセットを、承認または否認アクションコマンドのような特定のフィードバック値に関連する既知のジェスチャーにマッチさせることができる。フィードバックに基づいて、インテリジェントコントローラ104は、時刻、天候、他のタグ102の存在、または任意の他の適切な状況など、ジェスチャーがなされた状況に基づいて、ウェアラブルタグ102のユーザの嗜好プロファイルを更新することができる。更新された嗜好データに基づいて、インテリジェントコントローラ104は、その予測分析エンジンを利用して、次回同様の状況およびパーソナル運動ベクトルが発生したときに、ウェアラブル102のユーザの予想されるアクションをより正確に予測することができる。更新された嗜好データに基づいて、および同様の状況下で、インテリジェントコントローラ104は、ネットワーク型装置112を制御するために別のアクションをとることができる。いくつかの実施形態において、インテリジェントコントローラ104は、ユーザが第2のアクションを承認することを確認するために、ウェアラブルタグ102から追加のジェスチャーをスキャンすることができる。代替的には、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102からのジェスチャーの欠如を、第2のアクションの承認として解釈することができる。従って、承認ジェスチャーの検出または不承認ジェスチャーの欠如は、そのアクションがユーザの好みに従ったことを示すことができる。
【0033】
ジェスチャーはまた、インテリジェントコントローラ104にシステム10に関して特定のアクションを実行させることを要求するために使用され得る。例えば、特定のジェスチャーは、照明スイッチ112を起動すること、またはサーモスタット112の温度を調節することに関連することができる。このようなジェスチャーを検出すると、インテリジェントコントローラ104は、ジェスチャーを所望のアクティビティに関連付けることができ、適切な動作コマンドを適切なネットワーク型装置112に送ることができる。
【0034】
図2は、本開示の教示によるインテリジェントコントローラ104の例示の実施形態を示すブロック図である。インテリジェントコントローラ104は、プロセッサ200、インターフェース202、制御アルゴリズム204、およびデータベース206を含む。インテリジェントコントローラ104によって実行され得る制御アルゴリズム204は、ベクトル計算モジュール208、ベクトル分析モジュール210、認証モジュール212、装置制御モジュール214、学習モジュール216、予測モジュール218、およびインターフェースモジュール220を含む。データベース206は、ユーザプロファイル222、構成された装置224、様々なウェアラブルタグ226の状態、および様々な装置228の状態を含む、システム10内の様々な要素の状態を記憶することができる。動作中、インテリジェント制御ハブは、アンカー100a~nから様々な位置データ(φ、φとして示される)を受信し、
様々な制御アルゴリズム204を利用して、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを計算し、種々のネットワーク型装置112a~nへの制御出力(d1、として示される)を生成するためにそれらのベクトルを利用することができる。。
インテリジェントコントローラ104はまた、UE108によって実行されるインターフェースアプリケーションと対話するためのロジックを含むインターフェースモジュール220を含み得る。
【0035】
プロセッサ200は、インターフェース202を介してアンカー100から受信した位置情報φ,φ...φ、データベース206に記憶された情報、および/またはネットワーク型装置112から受信した情報(装置ステータス、センサ情報または設定情報など)に基づいて、制御アルゴリズム204を実行するのに適したハードウェア、ソフトウェア、およびコンピュータコンポーネントの組み合わせを含む。制御アルゴリズム204の実行により、プロセッサ200は、ネットワーク型装置112のうちの1つ以上を選択し、1つ以上の制御命令d,d...dNを選択されたネットワーク型装置112に発行することができる。プロセッサ200は、プログラマブル論理コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または他の適切なコンピュータプロセッサの全部または一部を表すことができる。
【0036】
インターフェース202は、通信ネットワーク108を介してアンカー100、UE108、および/またはネットワーク型装置112と情報を送受信するのに適したインターフェースモジュールを含む。インターフェース202は、ネットワークインターフェースカード(NIC)、イーサネット(登録商標)カード、ポートASIC、Wi-Fi、または他の無線モジュール、または任意の適切な有線および/または無線通信プロトコルに従って通信するためのモジュールを表すことができる。いくつかの実施形態では、インターフェース202は、アンカー100、ネットワーク型装置112、またはUE108との通信に必要な通信プロトコルの任意の数および組み合わせに従って情報を送受信することができる複数のインターフェースカードを表すことができる。
【0037】
ベクトル計算モジュール208は、アンカー100から受信した位置データφ、φ...φに基づいて1つ以上のウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルを決定するためのアルゴリズムを実行するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。例えば、ベクトル計算モジュール208は、ウェアラブルタグ102がどこにあるか、どの方向に、そしてどの速度で、ウェアラブルタグ102が家または屋内空間の仮想マップに対して移動しているかを決定するために、適切な計算を行うことができる。例えば、ベクトル計算モジュール208は、システム10内のウェアラブルタグ102(例えば、ウェアラブルタグ102a、102b)の各々について、パーソナル運動ベクトルのシーケンスを計算するために、図1に関して上述した計算を利用することができる。
【0038】
ベクトル分析モジュール210は、ベクトル計算モジュール208によって計算されたパーソナル運動ベクトルを分析するためのアルゴリズムを実行するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。例えば、ベクトル分析モジュール210は、ウェアラブルタグ102によって生成されたベクトルのパターンを検出し、ウェアラブルタグ102が特定のジェスチャーを作成するために装着者によって使用されていることを決定するために、さらなる計算を実行することができる。ベクトル分析モジュール210は、ベクトル計算モジュール208によって生成されたベクトルのセットを、解釈されるべきベクトルの既知のパターンおよび/またはジェスチャーと関連付けられるべきベクトルの既知のパターンのデータベース206内のテーブルまたはデータベースと比較するために、生成されたベクトルの全てまたはサブセットを連続的または半永続的に分析することができる。データベース206は、ジェスチャーおよびそれらに関連するベクトルのセットをユーザプロファイル224または他の適切な位置内に格納することができる。ジェスチャーは、特定のウェアラブルタグ102aに固有であってもよく、および/または任意の数のウェアラブルタグ102に関連付けられてもよい。
【0039】
ベクトル計算モジュール208およびベクトル分析モジュール210は、図示された実施形態ではインテリジェントコントローラ104の一部分として示されているが、それらはシステム10内の任意の適切な位置で実装され得ることに留意されたい。例えば、1つの例示の実施形態では、ベクトル計算モジュール208および/またはベクトル分析モジュール210は、アンカー100の一部分を形成することができる。このような実施形態では、アンカー100は、さらなる分析のために、パーソナル運動ベクトルおよび/または検出されたジェスチャーをインテリジェントコントローラ104に送信することができる。
【0040】
認証モジュール212は、システム10内で適切なユーザ認証および/または認可機能を実行するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。例えば、認証モジュール212を利用して、特定のUE108がインテリジェント制御ハブ204にアクセスして、装置112を設定したり、特定のユーザプロファイル224の嗜好を変更したり、特定の装置プロファイル226に関連する親の制御設定を変更したりすることができるかどうかを決定することができる。認証モジュール212を利用して、特定のウェアラブルタグ102がシステム10内で特定のアクションを取る権限を与えられているかどうかも決定することができる。例えば、ベクトル分析モジュール210は、特定の装置112であって、親または他の制御が、その装置の制御を特定のユーザまたはユーザのグループに制限している特定の装置112を動作させる権限を与えられているかどうかを決定することができる。認証モジュール212は、特定の装置112がウェアラブルタグ102によって制御されることを可能にする前に、ユーザの認可レベルを決定するために、ユーザプロファイル224にアクセスすることができる。例えば、全てのユーザプロファイルの管理制御を有する親は、時刻または他の適切な状況に基づいて特定の装置112へのアクセスを制限することができる。
【0041】
装置制御モジュール214は、予測モジュール218および/またはUE108から受けた命令に応答して、制御命令d,d...dをネットワーク型装置112に送信するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。装置制御モジュール214は、各ネットワーク型装置112をその意図された目的に従って動作させるように動作可能な各ネットワーク型装置112のための装置命令を記憶することができる。例えば、装置制御モジュール214は、遠隔カメラモニタ、セキュリティシステム、窓およびドアロック、照明システム、サーモスタット、または他のネットワーク型装置112を動作させるための命令を含むことができる。また、装置制御モジュール214は、遠隔装置からステータス情報を受信するためのロジックを含んでもよく、データベース206内に装置ステータステーブル230を維持することができる。例えば、装置制御モジュール214は、装置ステータステーブル230内の装置エントリを更新することによって、システム10およびその関連するネットワーク型装置112の状態を制御および/または維持することができる。
【0042】
学習モジュール216は、各ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに基づいて取られるアクティビティを学習するためのアルゴリズムを実行するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。学習モジュール216はまた、家または屋内空間内の装置112のレイアウトを学習するための訓練アルゴリズムを含み得る。
【0043】
学習モジュール216は、ウェアラブルタグ102のユーザの嗜好を学習するためのロジックを含んでもよく、これは、本開示の教示に従って、多数の異なる方法で得ることができる。例えば、学習モジュール112は、ネットワーク型装置112の状態を監視し、装置の状態変化をウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルと相関させることができる。例示すると、学習モジュール216は、ネットワーク型装置112の近傍におけるウェアラブルタグ102の存在を検出することができ、ウェアラブル装置102がネットワーク型装置112に向かって移動しているか、またはネットワーク型装置112のところにいる時間またはその近傍における装置112の第1の状態から第2の状態への状態変化に基づいて、学習モジュール216は、ウェアラブル装置112が状態変化をしたと決定することができる。学習モジュール216は、ユーザプロファイル224において、動作に関連する様々な状況を記録および/または記憶することができる。次いで、学習モジュール216は、これらの状況を、将来の同様の状況においてシステム10の状態を修正するために取られるべきアクションと相関させることができる。このようにして、学習モジュール216は、ウェアラブルタグ102によるネットワーク型装置112の動作のためのユーザ嗜好のプロファイルを構築し、更新することができる。
【0044】
別の例として、装置制御モジュール214によって引き起こされるネットワーク型装置112に関する特定のアクションを実行すると、学習モジュール216は、ベクトル分析モジュール210によって計算されたジェスチャーの形式でフィードバックを受信することができる。このジェスチャーは、アクションが、例えば、正しいか、間違っているか、および/または望ましくないものであったことを示すことができる。次いで、学習モジュール216は、ウェアラブルタグ102に関連するユーザプロファイル224を更新するために、そのフィードバックに関連する状況を取得し、記憶することができる。例えば、学習モジュール216は、時刻、他のウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトル、または他の適切な状況を記憶することができる。これらの状況は、例えば、1つ以上のユーザプロファイル224に記憶されてもよく、予測モジュール218によって使用されて、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルの検出に応答して装置制御モジュール218によって取られる特定のアクションを決定する。
【0045】
予測モジュール218は、1つ以上のウェアラブル装置102のパーソナル運動ベクトルに基づいて、ネットワーク型装置112の予測制御アルゴリズムを実行するハードウェア、ソフトウェア、および/または適切なロジックを含むモジュールを含む。予測モジュール218は、システム10の要素を予測的に制御するために、パーソナル運動ベクトルと関連して任意の数の適切なファクタを考慮するためのロジックを含んでもよい。例えば、予測モジュール218は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルの検出に応答して、ウェアラブルタグ102のユーザプロファイル224にアクセスすることができる。パーソナル運動ベクトルが、特定のネットワーク型装置112に関するユーザの予測されたまたは所望のアクティビティ(例えば、ウェアラブルタグ102が向かっている部屋の照明をオンにするなど)に関連し、そのアクティビティとパーソナル運動ベクトルが相関する状況が存在する場合、予測モジュール218は、装置制御モジュール218に、そのアクティビティをネットワーク型装置112にもたらす適切な命令を送信するように指示することができる。学習モジュール216がユーザプロファイル224を更新し続けるにつれて、予測モジュール218は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに応答して、ネットワーク型装置112の適切なアクティビティをより正確に予測することができる。
【0046】
インターフェースモジュール220は、UE108上で動作するリモートアプリケーションと対話するハードウェア、ソフトウェア、および適切なロジックを含むモジュールを含む。このインターフェースは、UE108のユーザが、スマートフォンアプリのようなグラフィカルユーザインターフェースアプリケーションと対話して、ネットワーク型装置112を制御することができるように使用することができる。例えば、特定の装置112を動作させるためのUE108からの制御命令に応答して、インターフェースモジュール220は、その命令を装置制御モジュール214に中継することができる。インターフェースモジュール220はまた、装置226のステータス230をUE108に表示するためのロジックを含んでもよい。例えば、UE108は、ネットワーク型サーモスタットの設定にアクセスして制御したり、UE108に存在するインターフェースを介してシステム10内のカメラ装置で見たり制御したりすることができる。インターフェースモジュール220は、屋内空間内の種々のネットワーク型装置112の位置を提供するのを支援するために利用されてもよく、および/またはUE108のインターフェースアプリケーション上のマップ構築ツールを用いて屋内空間の仮想マップを生成するのを支援するために使用されてもよい。また、インターフェースモジュール220は、UE108から装置112の動作のためのユーザ嗜好の初期セットを受信するように構成され得る。
【0047】
動作において、インテリジェント制御ハブ204およびその種々の制御アルゴリズム204は、ベクトル計算モジュール208によって計算されたウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに応答して、様々なネットワーク型装置112を動作させる。システム10が初期化されるとき、またはシステムの動作中に随時、UE108のユーザは、インターフェースモジュール220を介して初期ユーザプロファイルを設定することができる。これは、パーソナル運動ベクトルおよび屋内空間におけるそのアクティビティに関連する他の状況に応答して、ネットワーク型装置112の動作のためのユーザ嗜好を設定することを含み得る。システム10内で利用されるように設定された装置は、装置226内に記憶されてもよい。
【0048】
インテリジェント制御ハブ204は、学習モジュール216を実行して、様々な装置がシステム10内で動作するにつれて、ウェアラブルタグ102のユーザの好みを学習することができる。代替的または追加的に、インターフェースモジュール220は、UE108から好みの初期設定のセットおよび/または更新された設定を受信することができる。これらの嗜好は、ユーザプロファイル224に記憶することができる。装置230の状態が変化すると、学習モジュール216は、パーソナル運動ベクトルを状態変化およびそれらの変化の状況に関連付けることができる。装置の変化の特定の状況に基づいて、学習モジュール216は、ユーザプロファイルを更新することができ、予測モジュール218は、その情報を利用して、これらの状態変化に関連するパーソナル運動ベクトルの検出に基づいて装置112を予測的に動作させることができる。
【0049】
ベクトル分析モジュール210は、ウェアラブルタグ102に関連するパーソナル運動ベクトルのセットを検出し、パーソナル運動ベクトルのセットがジェスチャーを含むことを決定することができる。ベクトル分析モジュール210は、ベクトル計算モジュール208によって計算された入力パーソナル運動ベクトルを記憶し、パーソナル運動ベクトルを分析して、ウェアラブルタグ102のジェスチャーに関連するパーソナル運動ベクトルの既知のセットとの相関を探すことができる。これがどのように達成され得るかについての例示的実施形態を含む追加の詳細が、図4に関して後述される。
【0050】
ベクトル分析モジュール210によって検出されたジェスチャーは、インテリジェントコントローラ104の様々な制御動作に関連付けることができる。例えば、特定のジェスチャーは、照明をオンにするか、または温度を上下させる制御命令として解釈され得る。学習モジュール216がこれらのジェスチャーに基づいてユーザプロファイル224を更新すると、予測モジュール218は、いつネットワーク型装置112の特定の制御アクティビティを実行するかを決定するために、従来のジェスチャーベースの制御を利用することができる。
【0051】
本開示の教示により可能とされるいくつかのシナリオが、ここで論じられる。動作の例示の実施形態では、ウェアラブルタグ102のユーザは、部屋に入ることができ、照明は、装置制御モジュール102によって起動されることができる。ベクトル計算モジュール208がウェアラブルタグ102の位置を追跡し続けるので、予測モジュール218は、ユーザプロファイル224に従って、ユーザが部屋にいる間、照明を起動させたままにする。ウェアラブルタグ102のユーザは、部屋の中でテレビがオンになったときに、照明を暗くしたいと望むことがある。ベクトル分析モジュール210によって検出されたジェスチャーを使用して、インテリジェントコントローラ104に照明を暗くするように指示することができる。学習モジュール216は、インテリジェントコントローラ104との対話の状況を、照明を暗くするための命令の時またはその近傍でテレビジョンの装置のステータスが変化したことを含めて、ユーザプロファイル224に記憶する。次にウェアラブルタグ104のユーザが室内のテレビジョンをオンにするとき、予測モジュール218は、ユーザプロファイル224の更新された情報に基づいて、テレビジョンがオンにされ、ウェアラブルタグ104のユーザがその状況下で以前に照明を暗くしたことを検出することができる。予測モジュール218は、ウェアラブルタグ102の更新されたユーザの好みおよびパーソナル運動ベクトルを検出することに応答して、装置制御モジュール214を介して適切な命令を送信することによって、照明を暗くすることを決定することができる。
【0052】
動作の別の例示の実施形態として、学習モジュール216は、ウェアラブルタグ102が、典型的には、照明スイッチにおいてウェアラブルタグ102が存在し、その時点またはその近傍で更新された装置状態を得ることに基づいて、特定の時間に照明を暗くすることを検出することができる。次いで、学習モジュールは、ユーザプロファイル224を適宜更新することができる。予測モジュール218は、応答的に、時刻に基づいて照明を暗くし始めることができる。
【0053】
別の例として、2つ以上のウェアラブルタグ102の存在は、インテリジェントコントローラ104の動作に影響し得る。例えば、予測モジュール104は、ウェアラブルタグ102aのユーザプロファイル224aを利用して、ウェアラブルタグ102aが部屋を出たときに直ちにライトを消灯することができる。しかしながら、ウェアラブルタグ102bが部屋に残っている場合、ウェアラブルタグ102aが部屋を出るとき、予測モジュール104は照明をオフにしない。別の例として、インテリジェント制御モジュール104は、ウェアラブルタグ102aが夜中に浴室に向かって移動していること、およびウェアラブルタグ102bがベッドに残っていることを検出することができる。このような状況では、インテリジェントコントローラ104は、室内のメイン照明ではなく、夜間照明または経路照明を起動することができる。別の例として、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102a、102bなどの複数のウェアラブルタグ102のユーザ間の結合嗜好を記憶することができる。例えば、ウェアラブルタグ102aが家で単独である場合、温度設定の嗜好は68度であり得るが、ウェアラブルタグ102bが家で単独である場合、温度設定の嗜好は72度であり得る。しかし、ウェアラブルタグ102aとウェアラブルタグ102bが共に存在する場合、結合温度の嗜好は70度であり得る。タグ102の装着者が家庭用ペットである別の例では、インテリジェントコントローラ104は、ペットがドギードアを通って移動していることを検出したことに応答して、屋外照明を起動することができる。
【0054】
本開示の改良されたホームオートメーション技術を使用して、これまで利用できなかった追加のユースケースを作成することもできる。例えば、ウェアラブルタグ102の着用者がガレージを離れて台所に入ると、ガレージのドアが自動的に下がる。インテリジェントコントローラ104は、居住者が家中を移動する際に、リアルタイムで省エネモードをトリガすることができる。インテリジェント制御ハブは、ウェアラブルタグ102の全てのユーザが家を離れたことを検出すると、家の警報システムを起動することができる。本開示は、これらの実施例に限定されるものではなく、本開示によって提供される改善されたフィードバックおよび制御メカニズムの使用事例を説明するために提供されるに過ぎないことを理解されたい。
【0055】
図3は、本開示の教示によるホームオートメーションのためのシステム10における制御動作の実施例を示すブロック図である。上述したように、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルで有効にされると、ウェアラブルタグ102の位置だけでなく、ウェアラブルタグ102の方向および速度も考慮に入れることができる。インテリジェント制御ハブは、図1および図2に関して上述した方法でウェアラブルタグ102の位置データを取得し、それを用いてウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトル
【数8】
を計算することができる。インテリジェントコントローラ104は、ユーザプロファイル224、パーソナル運動ベクトル
【数9】
および時刻の時間に基づいて、時刻が夜間であることと、ウェアラブルタグ102の過去のアクティビティに基づいて、ウェアラブルタグ102aのユーザは、ルームAを通過する間に照明302aを起動することを望まないと決定することができる。インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグがルームB内で照明302bを起動することを望むと予測することができる。インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102bがパーソナル運動ベクトルに基づいてルームBに到着する時、または到着する前に、照明302bを予測的に起動することができる。インテリジェントコントローラ104のこのアクティビティは、同様の状況においてウェアラブルタグ102aの以前に検出されたジェスチャーに基づいて学習され得る。例えば、ウェアラブルタグ102が夜間に寝室から台所に行く場合、ウェアラブルタグは、寝室と台所との間で照明を「ウェーブオフ」するが、台所の照明を「ウェーブオン」する。図3は、インテリジェントコントローラ104の動作の1つの有利な実施形態を示すことを意図しているが、本開示の範囲をいかなる方法でも制限することを意図していないことは理解されるべきである。
【0056】
図4Aおよび図4Bは、本開示の教示によるホームオートメーション制御のための例示のジェスチャーを示す斜視図である。図4Aは、どのようにパーソナル運動ベクトルのセット
【数10】
からジェスチャーGを検出され得るかを示す。
特に、ウェアラブルタグ102の装着者がジェスチャーGに従って手を回転すると、アンカー100はウェアラブルタグ102の3次元座標を含む位置データをインテリジェントコントローラ104に送信することができる。ベクトル計算モジュール208は、これらの座標を一連のパーソナル運動ベクトル
【数11】
に分解し、それらをさらなる分析のためにベクトル分析モジュール210に渡す。
次いで、ベクトル分析モジュール210は、システム10の様々な態様を制御する際に使用するように設定された様々なジェスチャーを含むベクトルの既知のパターンに相関させるために受信されると、ベクトル
【数12】
を検査することができる。ベクトル
【数13】
をジェスチャーGに関連する既知のベクトルのセットに相関させることに対して、ベクトル分析モジュール210は、ウェアラブルタグ102のユーザがジェスチャーGを行っていることを決定することができる。ベクトル分析モジュール210は、ウェアラブルタグ102の動きに対応するベクトル計算モジュール208によって生成されるベクトルの全体的なシーケンスからのジェスチャーを含むパーソナル運動ベクトル
【数14】
を識別するために、パーソナル運動ベクトルをリアルタイムで検査するように構成され得ることに留意されたい。例えば、パーソナル運動ベクトルは、新しいパーソナル運動ベクトルがバッファに追加され、古いパーソナル運動ベクトルが除去されるたびに、ジェスチャーをマッチングするために分析されるFIFOバッファまたは他の適切なデータ構造に記憶することができる。
【0057】
図4Bは、どのようにジェスチャーGがパーソナル運動ベクトルのセット
【数15】
および
【数16】
から検出されるかを示す。特に、ウェアラブルタグ102の着用者がジェスチャーGに従って手を上下に動かすと、インテリジェントコントローラ104は、図4AのGに関して上述したのと同様の方法でジェスチャーGを検出することができる。ジェスチャーG、Gなどのジェスチャーのためのパーソナル運動ベクトルのセット
【数17】
を検査するためのFIFOバッファ400の使用の例示の実施形態が図4Cに示されている。しかしながら、図4A~4Cは、単なる例として意図されており、本開示の教示は、ウェアラブルタグ102を用いてなされ、インテリジェントコントローラ104によって検出され得る任意の数およびタイプのジェスチャーを包含することを意図していることに留意されたい。
【0058】
図5は、本開示の教示によるホームオートメーションのための方法500の例示の実施形態を示すフローチャートである。ステップ502および504において、インテリジェントコントローラ104は、アンカー100から第1および第2位置データを受信する。ステップ502および504は、ウェアラブルタグ102の位置データをリアルタイムで更新する位置データの連続的または半永続的ストリームの一部を含み得る。これは、ウェアラブルタグ102の位置データが100ミリ秒(ms)ベースで更新されるアンカー100によるウェアラブルタグ102の位置のサブ秒サンプリングを含み得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルタグ102の位置データは、100~500msごとに更新されてもよい。しかしながら、ウェアラブルタグ102が静止していることおよび/または一定の位置座標を有することの検出に基づいて、ウェアラブルタグ102がDRXモードに入る程度まで、1000ミリ秒から2000ミリ秒毎に一度更新するように、アップデート期間を延ばすことができることに留意されたい。ステップ506において、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102に関連するパーソナル運動ベクトルを計算する。この計算はまた、ステップ502および504において、位置データの受信の繰り返しの同じまたは異なるレートで、連続的または半永続的に実行されてもよい。ステップ502~506は、屋内空間内の任意の他のウェアラブルタグ102と並列に実行することができる。
【0059】
ステップ508において、インテリジェントコントローラ104は、屋内空間におけるウェアラブルタグ102の位置の更新を含む、システム10の状態を更新する。ステップ508は、ネットワーク型装置112から任意のステータス更新(屋内または屋外の温度、任意のウィンドウまたはドアセンサのステータス、およびドアロックまたは照明の任意のステータス変化)を受信することを含み得る。ステップ510において、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに基づいて、何らかの状態変化が必要かどうかを決定する。この決定は、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルおよびシステム10の状態に関連する他の情報に基づいて、状態変化が望まれる任意の装置を選択することを含み得る。例えば、制御する装置112を選択する際に、インテリジェントコントローラ104は、時刻、時期、屋内または屋外の温度などの要因を、ウェアラブルタグ102のユーザの個人的な嗜好とともに考慮に入れることができる。選択は、ユーザプロファイルおよび/またはシステム10内のウェアラブルタグ102の過去のアクティビティの観察に基づいて、ウェアラブルタグ102のユーザの個人的な好みを予測することに基づいてもよい。例えば、選択は、図2に関して上述したように、学習モジュール216によって取得された情報に基づいて予測モジュール218によってなされ得る。
【0060】
ステップ514において、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102に関連するパーソナル運動ベクトルの最近のシーケンスが、ジェスチャーに対応する任意の既知のシーケンスを含むかどうかを検出するように構成され得る。その場合、この方法はステップ514において、ジェスチャーがシステム10への状態変更要求に対応するかどうかを次に決定する。例えば、インテリジェントコントローラ104が、ステップ510に関して上述したようなウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに基づいて、最近システム10に変更を加えた場合、その直後に、ウェアラブルタグ102のユーザによってネットワーク型装置112の異なる動作が望まれるという命令を含むジェスチャーを検出することができる。例えば、ジェスチャーは、照明をオンに戻す命令、または室内の照明の調光設定を変更する命令を含み得る。追加的または代替的に、ジェスチャーは、インテリジェントコントローラ104の事前のアクティビティに関係なく、制御動作を実行するための命令であってもよい。例えば、温度設定を変更したり、警報システムを設定したり、ドアまたは窓をロックしたりするための命令として、特定のジェスチャーがインテリジェントコントローラ104によって使用され得る。
【0061】
ステップ516において、任意の選択されたネットワーク型装置112がそれらの適切な制御命令を受信した後に、インテリジェントコントローラ104は、それに応じてシステム10の状態を更新する。このステップは、システム10内のネットワーク型装置112のステータスを更新することを含み得、また、システム10に関してウェアラブルタグ102の最近のアクティビティによって学習された追加の嗜好を反映するために、ウェアラブルタグ102のユーザプロファイルを更新することを含み得る。例えば、学習モジュール216は、図2に関して上述したように、システム10への状態変化に関する状況を記録することができる。
【0062】
図5のフローチャートに示されている方法500に修正、追加、または省略をなすことができる。例えば、方法500は、図6に関して図1~4または以下に関して上述した機能のいずれかを含んでもよい。従って、図5のステップは、並列で、または任意の適切な順序で実行され得る。
【0063】
図6は、適応学習モジュール(学習モジュール216など)を用いてホームオートメーションシステム10を構成するための方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。ステップ602では、1つ以上のネットワーク型装置112が、システム10内で使用されるように構成されている。これは、インテリジェント制御ハブとネットワーク型装置112との間の接続をセットアップするために必要な任意の装置のセットアップ、インストール、および設定を実行することを含み得る。装置112の位置は、仮想マップ内のインテリジェントコントローラ104に手動で提供されてもよく、または、システム10内の様々なウェアラブルタグ102のアクティビティおよびパーソナル運動ベクトルを観察することによって、インテリジェントコントローラ104によって学習されてもよい。ステップ604において、設定された1つ以上のネットワーク型装置112の位置がインテリジェントコントローラ104に知られている場合、方法600はステップ622に進む。
【0064】
しかし、1つ以上のネットワーク接続された装置112の位置が分からない場合、方法600はステップ606に進む。ステップ606において、インテリジェント制御モジュール104は、ネットワーク型装置112に関連する装置設定の状態変化を、それらの位置を知るために観察することを開始する。ステップ606において、インテリジェント制御ハブは、1つ以上のネットワーク型装置112の第1の状態変化を検出することができる。例えば、照明スイッチがアクティブであるかどうかを示す状態は、アクティブ状態から非アクティブ状態に変化し得る。このアクティビティは、インテリジェントコントローラ104内で装置状態情報が更新される原因となり得る。このような状態変化を検出すると、インテリジェント制御ハブは、ステップ608において、アンカー100からの位置データおよび/またはシステム10内の様々なウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルに基づいて、ウェアラブルタグ102のうちの1つが状態変化に責任があり、状態が変化したネットワーク型装置112のところか、または近傍に位置すると仮定して、ウェアラブルタグ102の位置を計算することができる。様々なウェアラブルタグ102の位置に基づいて、インテリジェントコントローラ104は、1つ以上のネットワーク型装置112の候補位置を識別する。1つの候補位置のみが識別される場合、システムはステップ620に進むことができ、さもなければ、方法600はステップ610に進むことができる。
【0065】
1つ以上のネットワーク型装置112について複数の候補位置がある場合、インテリジェントコントローラ104は、1つ以上のネットワーク型装置の第2の状態変化を検出することができる。次に、ステップ612において、インテリジェントコントローラ104は、システム10内のウェアラブルタグ102の位置を決定することができる。システム内の各ユーザk=i~nに対して、インテリジェントコントローラ104は、それらのウェアラブルタグ102がステップ608で決定された候補位置の1つまたはその近傍に位置するかどうかを決定する。ウェアラブルタグ102が、第2の状態変化後に候補位置の1つに位置していない場合、その候補位置は、ステップ614において除外される。ウェアラブルタグ102が候補位置の1つに位置する場合、その位置は、ステップ616においてネットワーク型装置112の可能な位置として維持される。ステップ618において、1つ以上のネットワーク接続された装置の候補位置の数が依然として1よりも多い場合、方法600はステップ610に戻って、システムの別の状態変化を検出し、候補位置が1以下となるまでステップ612および614において候補位置を除外し続けることができる。候補位置の数が1に下がると、この方法はステップ620に進み、1つ以上のネットワーク型装置112の位置がシステム10の仮想マップに追加される。
【0066】
次いで、この方法はステップ622に進み、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102およびそれらに関連するパーソナル運動ベクトルのユーザによるシステム10の動作の観察に適応学習アルゴリズムを適用することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104は、図2に関して上述したように、学習モジュール216の機能性を適用することができる。インテリジェント制御モジュール104がシステム10のユーザの挙動を学習すると、インテリジェント制御モジュール104は、ステップ626においてユーザ嗜好プロファイルを構築する。ステップ628において、インテリジェント制御モジュール104は、図2に関して上述したような予測モジュール218の機能性など、ウェアラブルタグ102のパーソナル運動ベクトルの検出に応答して予測アルゴリズムの適用を開始することができる。インテリジェントコントローラ104は、ユーザ嗜好プロファイルによって記憶された学習モジュール216によって学習された予測アルゴリズムおよび情報を適用して、ウェアラブルタグ102の特定のパーソナル運動ベクトルを検出することに応答して、ネットワーク型装置112およびそれらの装置の動作を選択することができる。例えば、インテリジェントコントローラ104が、ウェアラブルタグ102の特定のアクティビティを特定の時刻に繰り返し観測するか、またはウェアラブルタグ102が他のウェアラブルタグ102の存在下にあるときの異なるアクティビティを繰り返し観測する場合、インテリジェントコントローラ104は、以前に観測された挙動の状況にマッチしたパーソナル運動ベクトルおよびユーザプロファイルの嗜好を検出すると、これらのアクティビティに関与するネットワーク型装置112の動作の予測的な制御を開始することができる。
【0067】
インテリジェントコントローラ104は、適切なネットワーク型装置112および制御動作を選択した後、ステップ630において、適切な制御命令を選択されたネットワーク型装置112に送ることができる。ステップ632において、インテリジェントコントローラ104は、ウェアラブルタグ102のユーザによって何らかのジェスチャーベースのフィードバックが提供されたかどうかを検出することができる。そうであれば、インテリジェントコントローラ104は、ステップ630に戻って、ネットワーク型装置112に新しいまたは修正命令を送信することができる。ジェスチャーベースのフィードバックが検出されない場合、本方法はステップ634に続き、インテリジェントコントローラ104、装置112、およびウェアラブルタグ102の最近のアクティビティに基づいて、システム10のステータスが更新される。
【0068】
修正、追加、または省略は、図6のフローチャートに示される方法600に対してなされ得る。例えば、方法600は、図1図5に関して上述した機能のいずれかを含み得る。例えば、特定のパーソナル運動ベクトルは、インテリジェントコントローラ104に、ネットワーク型装置112の任意の数および組み合わせを制御させるか、または単一のネットワーク型装置112に複数の命令(もしくは上述のいくつかの組み合わせ)を送信させるようにさせることができる。従って、図6のステップは、並列で、または任意の適切な順序で実行され得る。
【0069】
本発明の特定の実施形態の技術的利点は、制御決定をなす際にウェアラブルタグのパーソナル運動ベクトルを検出し、考慮することができる改良された制御システムを含む。インテリジェントコントローラ104内の技術を改善することを含めて、ホームオートメーションシステム10のフィードバックおよび制御機構を改善することによって、様々な他の利点を達成することができる。本発明をいくつかの実施形態で説明したが、当業者には、無数の変更、変形、変換、および修正を示唆することができ、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるような、そのような変更、変形、変換、および修正を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6