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特許7005818生分解性苗トレイに適した気流力式順番に苗を植え付ける苗投げ植え機および苗投げ植えの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】生分解性苗トレイに適した気流力式順番に苗を植え付ける苗投げ植え機および苗投げ植えの方法
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A01C11/02 350Z
A01C11/02 360Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021533323
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2020095150
(87)【国際公開番号】W WO2021109520
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】201911219173.1
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520193507
【氏名又は名称】農業農村部南京農業機械化研究所
【氏名又は名称原語表記】NANJING INSTITUTE OF AGRICULTURAL MECHANIZATION, MINISTRY OF AGRICULTURE AND RURAL AFFAIRS
【住所又は居所原語表記】No.100 Liuying, Xuanwu District, Nanjing, Jiangsu 210014 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】紀 要
(72)【発明者】
【氏名】張 文毅
(72)【発明者】
【氏名】夏 倩倩
(72)【発明者】
【氏名】李 坤
(72)【発明者】
【氏名】胡 敏娟
(72)【発明者】
【氏名】祁 兵
(72)【発明者】
【氏名】扈 凱
(72)【発明者】
【氏名】厳 偉
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特公平3-14402(JP,B2)
【文献】特開昭58-183005(JP,A)
【文献】実開平2-26415(JP,U)
【文献】特開平7-79618(JP,A)
【文献】特許第3778471(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第108260386(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C11/00 - 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機であって、苗投げ植え機シャーシ(1)と、ギアボックス(3)と、苗取り部材(5)と、苗分離部材(6)と、ファン(2)と、分配器(4)と、定植苗立ち管(7)と、苗投げ植え機の動力出力軸(101)と、苗投げ植え機のフレーム(102)と、を備え、前記苗投げ植え機の動力出力軸(101)は、前記ギアボックス(3)を通じて前記苗取り部材(5)および前記苗分離部材(6)に動力を供給し、前記ギアボックス(3)がギアボックスの第1出力軸(301)と、ギアボックスの第2出力軸(302)と、を備え、
前記苗取り部材(5)は、苗取り部材のフレーム(501)と、苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)と、苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)と、苗送りベルト(504)と、駆動歯車(505)と、苗箱(506)と、苗トレイ規制板(507)と、苗取りカッターヘッドセット(508)と、苗規制姿勢調整板(522)と、ベアリングユニット(509)と、ベアリングユニット取り付け板(525)と、備え、
前記苗取り部材のフレーム(501)は、苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)、前記苗規制姿勢調整板(522)、前記苗取りカッターヘッドセット(508)、前記駆動歯車(505)、前記苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)、前記苗箱(506)が前記苗取り部材のフレーム(501)に順次取り付けられ、
前記苗取り部材(5)の動力入力側は、前記ギアボックス(3)を通じて前記苗投げ植え機の動力出力軸(101)と接続し、
前記苗箱(506)の上に前記苗トレイ規制板(507)が固結され、苗トレイは、前記苗トレイ規制板(507)の上に配置され、苗トレイの移送過程中の左右移動を防止するため、前記苗トレイ規制板(507)が苗トレイ鉢体の下の隙間内に位置し、苗トレイが生分解性苗トレイであり、前記苗箱(506)は、前記苗送りベルト(504)上に位置し、前記苗送りベルト(504)が前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)および前記苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)に接続され、前記苗送りベルト(504)の数が作業条数に等しく、各前記苗送りベルト(504)が互いに独立して並列し、
前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)は、前記ベアリングユニット(509)に固結され、前記ベアリングユニット(509)が前記ベアリングユニット取り付け板(525)に接続して前記苗取り部材のフレーム(501)の上に固定され、前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)のギアボックスに近い端に第1歯車(510)および第2スプロケット(511)に固結され、前記第2スプロケット(511)は、2列スプロケットであり、第1チェーン(512)を介して第1スプロケット(513)に接続して時計回り方向に沿って一定速度で回転し、前記第1スプロケット(513)は、前記ギアボックスの第1出力軸(301)に固定され、前記ギアボックス(3)を通じて前記苗投げ植え機の動力出力軸(101)と接続し、
前記第1歯車(510)と第2歯車(514)とが噛み合い、前記第1歯車(510)は、前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)に追従して時計回り方向に沿って一定速度で回転し、前記第2歯車(514)は、前記苗取りカッターヘッドセット(508)の右側に固結され、
前記苗取りカッターヘッドセット(508)は、苗取りカッターヘッドセットの駆動軸(515)と、苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット(516)と、切断刃(517)と、刃規制スペーサー(518)と、を備え、N個の前記苗規制姿勢調整板(522)は、前記刃規制スペーサー(518)および前記苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット(516)を介して前記苗取りカッターヘッドセットの駆動軸(515)に等距離で固定され、前記距離は、苗トレイの横方向に隣り合う2穴の間隔と同じで、苗トレイの横方向の苗ポットの数は、Mで、前記苗規制姿勢調整板(522)の数がN=M-1であり、
前記苗取りカッターヘッドセット(508)の下に左ガイドグリッド(523)および右ガイドグリッド(524)が取り付けられ、前記苗規制姿勢調整板(522)の刃先縁が苗トレイの頂部からはみ出され、各隣り合う2つの前記苗送りベルト(504)の間に前記苗規制姿勢調整板(522)が配置され、
前記左ガイドグリッド(523)および前記右ガイドグリッド(524)は、前記苗分離部材(6)に固定され、
前記苗分離部材(6)は、第1左苗分離部材(601)と、第2左苗分離部材(602)と、第2右苗分離部材(603)と、第1右苗分離部材(604)と、を備え、前記第1左苗分離部材(601)および前記第2左苗分離部材(602)は、左可動ピン(605)と左固定ピン(606)で連結され、前記第1左苗分離部材(601)が前記左固定ピン(606)を中心として回転させて上向きに折り畳むことができ、前記第1右苗分離部材(604)および前記第2右苗分離部材(603)は、右可動ピン(607)と右固定ピン(608)で連結され、前記第1右苗分離部材(604)が前記右固定ピン(608)を中心として回転させて上向きに折り畳むことができ、
前記第1左苗分離部材(601)は、第1苗分離機構左取付フレーム(609)と、2M個のベアリングユニット(610)と、2M個のベアリングユニット取り付け板(611)と、M個の苗分離ベルト(612)と、M個の従動ベルトプーリー(613)と、を備え、前記第2左苗分離部材(602)は、第2苗分離機構左取付フレーム(614)と、前記左固定ピン(606)と、2M個の前記ベアリングユニット(610)と、2M個の前記ベアリングユニット取り付け板(611)と、M個の前記苗分離ベルト(612)と、前記左駆動ベルトプーリー(615)と、M個の前記従動ベルトプーリー(613)と、を備え、前記第1右苗分離部材(604)および前記第2右苗分離部材(603)の構造は、各々前記第1左苗分離部材(601)および前記第2左苗分離部材(602)の構造と同じであり、M+M=M/2、各々の前記苗分離ベルト(612)は、互いに独立し、
前記第2左苗分離部材(602)は、第2苗分離部材左取付フレーム(614)を通じて前記苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、上方が前記苗取り部材(5)に接続され、
前記左駆動ベルトプーリー(615)の両端は、各々前記ベアリングユニット(610)を通じて前記第2苗分離部材左取付フレーム(614)に固定され、前記従動ベルトプーリー(613)は、前記苗分離ベルト(612)を通じて前記左駆動ベルトプーリー(615)に接続され、前記従動ベルトプーリー(613)の両端が各々前記ベアリングユニット(610)に接続されて、前記ベアリングユニット取り付け板(611)に固定され、前記ベアリングユニット取り付け板(611)は、前記第2苗分離機構左取付フレーム(614)に対し等距離で取り付けられ、
前記第2右苗分離部材(603)は、前記第2左苗分離部材(602)と同じ構造であり、第2苗分離機構部材右取付フレーム(616)を通じて前記苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、前記第2右苗分離部材(603)は、前記第2左苗分離部材(602)の斜め上方にずらして配置されることで、全ての隣り合う前記苗分離ベルト(612)の間の縦方向(苗投げ植え機の前進方向)の距離が苗トレイの横方向に隣り合う鉢体の間隔に等しいことを確保し、同時に全ての前記従動ベルトプーリー(613)が正射投影された時、隣り合う投影間の横方向の間隔が所要の苗の条間Lに等しいことを確保し、
前記左駆動ベルトプーリー(615)および右駆動ベルトプーリー(617)は、各々カップリングを通じてギアボックスの第1出力軸(302)およびギアボックスの第2出力軸(301)と連結され、
第1左苗分離ガイドグリッド(618)は、第1苗分離部材左取付フレーム(609)に固定され、第2左苗分離ガイドグリッド(619)が前記第2苗分離部材左取付フレーム(614)に固定され、第1右苗分離ガイドグリッド(620)が第1苗分離機構右取付フレーム(622)に固定され、第2右苗分離ガイドグリッド(621)が第2苗分離部材左取付フレーム(616)に固定され、各苗分離ガイドグリッドは、各々対応する前記苗分離ベルト(612)の真上に位置し、
前記従動ベルトプーリー(613)の下に前記定植苗立ち管(7)が対応して固定され、
前記各定植苗立ち管(7)は、B個の外方突出吸気管(703)と、前記定植苗立ち管(7)の頂端に位置する苗投入口(701)と、前記定植苗立ち管(7)の底端に位置する苗出口(702)と、を備え、前記定植苗立ち管(7)は、上下に貫通する円筒体であり、前記苗投入口(701)と前記苗出口(702)の上下位置に対応し、前記苗投入口(701)が上方に向かって広がるフレア形状であり、前記苗出口(702)の内径が苗鉢体の外径より10~20mm大きく、前記吸気管(703)と前記定植苗立ち管(7)の軸線上の夾角が40~45度であり、前記吸気管(703)は前記定植苗立ち管(7)と連絡し、連通箇所から前記定植苗立ち管(7)入口までの距離が前記定植苗立ち管(7)の高さの1/3であり、Bは、2より大きいかまたは等しく、
前記定植苗立ち管(7)の前記吸気管(703)は、ホースを通じて前記分配器(4)の分配器出口(402)に密接され、
前記分配器(4)は、分配器入口(401)と、K個の前記分配器出口(402)と、を備え、前記分配器入口(401)が前記ファン(2)排気口に密接され、K=M×Bである、
ことを特徴とする、生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項2】
前記苗トレイは、生分解性材料で製造され、苗トレイの縦方向に隣り合う鉢体の上表面接続箇所に専用の横方向の切れ目が入れられることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項3】
前記ギアボックス(3)には、一対のかさ歯車と、一対の互いに噛み合う同一の平歯車が含まれ、一対のかさ歯車が投げ植え機の元の出力を方向変換して、苗取り部材動力伝達の位置要件を満たすために用いられ、前記ギアボックスに一対の互いに噛み合う同一の平歯車が設けられ、前記ギアボックスの第1出力軸(301)および前記ギアボックスの第2出力軸(302)は反対方向に沿って等速度回転させ、両側の前記苗分離ベルト(612)が横方向に沿って反対方向に走行するようにさせることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項4】
前記切断刃(517)は、両面に刃を立て、刃先の長さが10~20mmで、前記苗規制姿勢調整板(522)の刃先縁が苗トレイ頂部から5~10mmはみ出されることで、縦方向に搬送される苗トレイの切断に便利であることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項5】
前記第1苗分離機構左取付フレーム(609)に第1左苗分離規制グリッド(628)が固定され、前記第2苗分離機構左取付フレーム(614)に第2左苗分離規制グリッド(619)が固定され、前記第1苗分離機構右取付フレーム(622)に第1右苗分離規制グリッド(620)が固定され、第2苗分離機構右取付フレーム(616)に第2右苗分離規制グリッド(621)が固定され、
第1左苗分離規制グリッド(618)、前記第2左苗分離規制グリッド(619)、前記第1右苗分離規制グリッド(620)、前記第2右苗分離規制グリッド(621)は、各々真下の前記苗分離ベルト(612)に一対一で対応し、苗分離過程中に苗が隣り合う前記苗分離ベルト(612)に移動するのを防止する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項6】
前記B個の外方突出吸気管(703)は、前記定植苗立ち管(7)の周方向に沿って均一に配置され、螺旋気流を形成し、下向きに定植苗立ちを加速するため、前記B個の外方突出吸気管(703)の軸線が前記定植苗立ち管(7)の軸線に対して偏心して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機。
【請求項7】
請求項1~6に記載のいずれかの生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機の次のステップ1~ステップ6を含むことを特徴とする、苗投げ植え方法であって、
トレイ全体の正確な苗送りステップ1:苗取対象のセル成型苗を有する苗トレイを苗箱(506)上の苗トレイ規制板(507)に置き、複数組の苗送りベルト(504)の駆動下で、苗トレイを苗取りカッターヘッドセット(508)の作業位置に正確に搬送し、各列鉢体の位置が下の苗送りベルト(504)位置に一対一で対応し、
損傷なしで一列分の苗取りステップ2:N個の切断刃(517)で、同時に正確に切断し、高速かつ損傷なしで一列分の苗を一括で取り出し、取り出された一列分の苗が互いに単体になり、切断刃(517)の数は、N=M-1であり、Mが苗トレイの横方向苗ポットの数であり、
正確な一列分の苗送りステップ3:前記単体は、苗送りベルト(504)を介して苗規制姿勢調整板(522)に正確に送られ、単体が苗規制姿勢調整板(522)の位置規制・姿勢調整を通じて、苗を正確な姿勢で苗分離部材(6)に入らせるよう確保し、
一列分の正確な導入ステップ4:苗は、苗規制姿勢調整板(522)で位置規制・姿勢調整された後、一列分の各セル成型苗を各々左ガイドグリッド(523)と右ガイドグリッド(524)内に同時に置かせ、ガイド作用を経た後、一列分の分散する苗単体が下の対応する苗分離ベルト(612)に落下され、
高効率な等距離の条分けステップ5:ギアボックス(3)は、同時に全ての苗分離ベルト(612)を駆動して横方向に沿って伝動させることで、苗分離ベルト(612)上の苗を動かせて等距離の横一列分の苗分離を実現し、定植苗立ちを準備するため各苗が所定間隔で定植苗立ち管(7)に落下され、
気流力による定植苗立ちステップ6:苗は、定植苗立ち管(7)に落下された後、重力と螺旋気流力の二重作用において、定植苗立ち管(7)の正方向に沿って垂直に落下することで、水田内に正確に定植され、
各前記ステップは、連続的に繰り返す作業である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植栽培機械分野に関し、特に、投げ植え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水稲は、我が国の主要な農作物の一つである。現在水稲栽培は、直播栽培と移植栽培に分かれ、移植栽培にも植え付けと投げ植えの2つの方法がある。投げ植え方法は、植え傷み程度が軽く、活着が早く、分げつが早く、安定収量・高収量という特徴を備えているため、応用普及が得られる。現在、在来の苗投げ植え方法は、主に手作業であり、労働集約度が高く、効率が低く、苗の条間・株間が保証されておらず、全体的な規則性が低く、苗の成長とその後の水田管理に役立たない。従来の苗投げ植え機は、構造が複雑で効率が低いため、セル付き移植栽培時に苗トレイの回収が難しいという問題も存在し、苗立性も悪い。また、苗取り機構の多くは、押し出し式と抜き取り式があり、押し出し式苗取りは、押し出し棒を介して苗を押し出し、そして苗送り・投げ機構に入る。この方法は、苗取りプロセスが多く、機構が複雑で、信頼性が低く、育苗の要求が高く、容易に根系と土壌構造に損傷を与え、抜き取り式苗取りは回転機構を介して苗を抜き出した後、苗送り、苗投げプロセスに進む。この方法の回転機構が複雑で、信頼性が低く、容易に苗の根や茎に損傷を与え、後期の活着に不利になり、苗取り後の苗分割プロセス構造が複雑で効率が低く、条間を任意に調整できず、調整が複雑で、信頼性も低く、高速で正確な植え付けを実現できず、かつ苗を単体に分けて苗を投げる時、苗投げ植え方法が完全に自重で水田に落ちるため、苗の直立性が悪く、植え付け深さを制御できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、構造が単純で、製造コストが安く、信頼性が高く、苗取り効率が高くポット苗を損傷させず、条間制御が正確で、定植苗立ち効果が良好な気流力式整然として投げ植えを実現し、従来の苗投げ植え機の苗取り機構が複雑で、精度が高くなく、苗を損傷しやすく、苗分離の安定性に不足し、条間の正確な制御が難しく、苗立ち効果が悪く、植え付け深さが不安定であるという技術的課題を解決する生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機と苗投げ植え方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記技術的課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機であって、苗投げ植え機シャーシ(1)と、ギアボックス(3)と、苗取り部材(5)と、苗分離部材(6)と、ファン(2)と、分配器(4)と、定植苗立ち管(7)と、苗投げ植え機の動力出力軸(101)と、苗投げ植え機のフレーム(102)と、を備え、苗投げ植え機の動力出力軸(101)は、ギアボックス(3)を通じて苗取り部材(5)および苗分離部材(6)に動力を供給し、ギアボックス(3)がギアボックスの第1出力軸(301)と、ギアボックスの第2出力軸(302)と、を備え、
前記苗取り部材(5)は、苗取り部材のフレーム(501)と、苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)と、苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)と、苗送りベルト(504)と、駆動歯車(505)と、苗箱(506)と、苗トレイ規制板(507)と、苗取りカッターヘッドセット(508)と、苗規制姿勢調整板(522)と、ベアリングユニット(509)と、ベアリングユニット取り付け板(525)と、備え、
前記苗取り部材のフレーム(501)は、苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)、苗規制姿勢調整板(522)、苗取りカッターヘッドセット(508)、駆動歯車(505)、苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)、苗箱(506)が苗取り部材のフレーム(501)に順次取り付けられ、
前記苗取り部材(5)の動力入力側は、ギアボックス(3)を通じて苗投げ植え機の動力出力軸(101)と接続し、
前記苗箱(506)の上に苗トレイ規制板(507)が固結され、苗トレイは、苗トレイ規制板(507)の上に配置され、苗トレイの移送過程中の左右移動を防止するため、苗トレイ規制板(507)が苗トレイ鉢体の下の隙間内に位置し、苗トレイが生分解性苗トレイであり、苗箱(506)は、苗送りベルト(504)上に位置し、苗送りベルト(504)が苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)および苗取り部材の従動ベルトプーリー(503)に接続され、苗送りベルト(504)の数は、作業条数に等しく、各苗送りベルト(504)が互いに独立して並列し、
前記苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)は、ベアリングユニット(509)に固結され、ベアリングユニット(509)がベアリングユニット取り付け板(525)に接続して苗取り部材のフレーム(501)の上に固定され、苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)のギアボックスに近い端に第1歯車(510)および第2スプロケット(511)に固結され、第2スプロケット(511)は、2列スプロケットであり、第1チェーン(512)を介して第1スプロケット(513)に接続して時計回り方向に沿って一定速度で回転し、前記第1スプロケット(513)は、ギアボックスの第1出力軸(301)に固定され、ギアボックス(3)を通じて苗投げ植え機の動力出力軸(101)と接続し、
前記第1歯車(510)と第2歯車(514)とが噛み合い、第1歯車(510)は、苗取り部材の駆動ベルトプーリー(502)に追従して時計回り方向に沿って一定速度で回転し、前記第2歯車(514)は、苗取りカッターヘッドセット(508)の右側に固結され、
前記苗取りカッターヘッドセット(508)は、苗取りカッターヘッドセットの駆動軸(515)と、苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット(516)と、切断刃(517)と、刃規制スペーサー(518)と、を備え、N個の切断刃(517)は、刃規制スペーサー(518)および苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット(516)を介して苗取りカッターヘッドセットの駆動軸(515)に等距離で固定され、前記距離は、苗トレイの横方向に隣り合う2穴の間隔と同じで、苗トレイの横方向の苗ポットの数は、Mで、切断刃(517)の数がN=M-1であり、
前記苗取りカッターヘッドセット(508)の下に左ガイドグリッド(523)および右ガイドグリッド(524)が取り付けられ、切断刃(517)の刃先縁が苗トレイの頂部からはみ出され、各隣り合う2つの苗送りベルト(504)の間に切断刃(517)が配置され、
前記左ガイドグリッド(523)および右ガイドグリッド(524)は、苗分離部材(6)に固定され、
前記苗分離部材(6)は、第1左苗分離部材(601)と、第2左苗分離部材(602)と、第2右苗分離部材(603)と、第1右苗分離部材(604)と、を備え、前記第1左苗分離部材(601)および第2左苗分離部材(602)は、左可動ピン(605)と左固定ピン(606)で連結され、第1左苗分離部材(601)が左固定ピン(606)を中心として回転させて上向きに折り畳むことができ、第1右苗分離部材(604)および第2右苗分離部材(603)は、右可動ピン(607)と右固定ピン(608)で連結され、第1右苗分離部材(604)が右固定ピン(608)を中心として回転させて上向きに折り畳むことができ、
前記第1左苗分離部材(601)は、第1苗分離機構左取付フレーム(609)と、2M個のベアリングユニット(610)と、2M個のベアリングユニット取り付け板(611)と、M個の苗分離ベルト(612)と、M個の従動ベルトプーリー(613)と、を備え、前記第2左苗分離部材(602)は、第2苗分離機構左取付フレーム(614)と、左固定ピン(606)と、2M個のベアリングユニット(610)と、2M個のベアリングユニット取り付け板(611)と、M個の苗分離ベルト(612)と、左駆動ベルトプーリー(615)と、M個の従動ベルトプーリー(613)と、を備え、前記第1右苗分離部材(604)および第2右苗分離部材(603)の構造は、各々第1左苗分離部材(601)および第2左苗分離部材(602)の構造と同じであり、M+M=M/2、各々の苗分離ベルト(612)は、互いに独立し
前記第2左苗分離部材(602)は、第2苗分離部材左取付フレーム(614)を通じて苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、上方が苗取り部材(5)に接続され、
前記左駆動ベルトプーリー(615)の両端は、各々ベアリングユニット(610)を通じて第2苗分離部材左取付フレーム(614)に固定され、前記従動ベルトプーリー(613)は、苗分離ベルト(612)を通じて左駆動ベルトプーリー(615)に接続され、従動ベルトプーリー(613)の両端が各々ベアリングユニット(610)に接続されて、ベアリングユニット取り付け板(611)に固定され、前記ベアリングユニット取り付け板(611)は、第2苗分離機構左取付フレーム(614)に等距離で取り付けられ、
前記第2右苗分離部材(603)は、第2左苗分離部材(602)と同じ構造であり、第2苗分離機構部材右取付フレーム(616)を通じて苗投げ植え機のフレーム(102)に取り付けられ、第2右苗分離部材(603)は、第2左苗分離部材(602)の斜め上方にずらして配置されることで、全ての隣り合う苗分離ベルト(612)の間の縦方向(苗投げ植え機の前進方向)の距離が苗トレイの横方向に隣り合う鉢体の間隔に等しいことを確保し、同時に全ての従動ベルトプーリー(613)が正射投影された時、隣り合う投影間の横方向の間隔が所要の苗の条間Lに等しいことを確保し、
前記左駆動ベルトプーリー(615)および右駆動ベルトプーリー(617)は、各々カップリングを通じてギアボックスの第1出力軸(302)およびギアボックスの第2出力軸(301)と連結され、
第1左苗分離ガイドグリッド(618)は、第1苗分離部材左取付フレーム(609)に固定され、第2左苗分離ガイドグリッド(619)が第2苗分離部材左取付フレーム(614)に固定され、第1右苗分離ガイドグリッド(620)が第1苗分離機構右取付フレーム(622)に固定され、第2右苗分離ガイドグリッド(621)が第2苗分離部材左取付フレーム(616)に固定され、各苗分離ガイドグリッドは、各々対応する苗分離ベルト(612)の真上に位置し、
前記従動ベルトプーリー(613)の下に定植苗立ち管(7)が対応して固定され、
前記各定植苗立ち管(7)は、B個の外方突出吸気管(703)と、定植苗立ち管(7)の頂端に位置する苗投入口(701)と、定植苗立ち管(7)の底端に位置する苗出口(702)と、を備え、定植苗立ち管(7)は、上下に貫通する円筒体であり、苗投入口(701)と苗出口(702)の上下位置に対応し、苗投入口(701)が上方に向かって広がるフレア形状であり、苗出口(702)の内径が苗鉢体の外径より10~20mm大きく、吸気管(703)と定植苗立ち管(7)の軸線上の夾角が40~45度であり、吸気管(703)は定植苗立ち管(7)と連絡し、連通箇所から定植苗立ち管(7)入口までの距離が定植苗立ち管(7)の高さの1/3であり、Bは、2より大きいかまたは等しく、
前記定植苗立ち管(7)の吸気管(703)は、ホースを通じて分配器(4)の分配器出口(402)に密接され、
前記分配器(4)は、分配器入口(401)と、K個の分配器出口(402)と、を備え、分配器入口(401)がファン(2)排気口に密接され、K=M×Bである。
【0005】
前記苗トレイは、生分解性材料で製造され、苗トレイの縦方向に隣り合う鉢体の上表面接続箇所に専用の横方向の切れ目が入れられる。
【0006】
前記ギアボックス(3)には、一対のかさ歯車と、一対の互いに噛み合う同一の平歯車が含まれ、一対のかさ歯車が投げ植え機の元の出力を方向変換して、苗取り部材動力伝達の位置要件を満たすために用いられ、前記ギアボックスに一対の互いに噛み合う同一の平歯車が設けられ、ギアボックスの第1出力軸(301)およびギアボックスの第2出力軸(302)は反対方向に沿って等速度回転させ、両側の苗分離ベルト(612)が横方向に沿って反対方向に走行するようにさせる。
【0007】
前記切断刃(517)は、両面に刃を立て、刃先の長さが10~20mmで、切断刃(517)の刃先縁が苗トレイ頂部から5~10mmはみ出されることで、縦方向に搬送される苗トレイの切断に便利である。
【0008】
前記第1苗分離機構左取付フレーム(609)に第1左苗分離規制グリッド(628)が固定され、第2苗分離機構左取付フレーム(614)に第2左苗分離規制グリッド(619)が固定され、第1苗分離機構右取付フレーム(622)に第1右苗分離規制グリッド(620)が固定され、第2苗分離機構右取付フレーム(616)に第2右苗分離規制グリッド(621)が固定され、
第1左苗分離規制グリッド(618)、第2左苗分離規制グリッド(619)、第1右苗分離規制グリッド(620)、第2右苗分離規制グリッド(621)は、各々真下の苗分離ベルト(612)に一対一で対応し、苗分離過程中に苗が隣り合う苗分離ベルト(612)に移動するのを防止する。
【0009】
前記B個の外方突出吸気管(703)は、定植苗立ち管(7)の周方向に沿って均一に配置され、螺旋気流を形成し、下向きに定植苗立ちを加速するため、B個の外方突出吸気管(703)の軸線が定植苗立ち管(7)の軸線に対して偏心して配置される。
【0010】
生分解性苗トレイに適した気流力式の整然として苗投げ植え方法であって、次のステップ1~ステップ六を含むことを特徴とする。すなわち、
トレイ全体の正確な苗送りステップ1:苗取対象のセル成型苗を有する苗トレイを苗箱(506)上の苗トレイ規制板(507)に置き、複数組の苗送りベルト(504)の駆動下で、苗トレイを苗取りカッターヘッドセット(508)の作業位置に正確に搬送し、各列鉢体の位置が下の苗送りベルト(504)位置に一対一で対応し、
損傷なしで一列分の苗取りステップ2:N個の切断刃(517)で、同時に正確に切断し、高速かつ損傷なしで一列分の苗を一括で取り出し、取り出された一列分の苗が互いに単体になり、切断刃(517)の数は、N=M-1であり、Mが苗トレイの横方向苗ポットの数であり、
正確な一列分の苗送りステップ3:前記単体は、苗送りベルト(504)を介して苗規制姿勢調整板(522)に正確に送られ、単体が苗規制姿勢調整板(522)の位置規制・姿勢調整を通じて、苗を正確な姿勢で苗分離部材(6)に入らせるよう確保し、
一列分の正確な導入ステップ4:苗は、苗規制姿勢調整板(522)で位置規制・姿勢調整された後、一列分の各セル成型苗を各々左ガイドグリッド(523)と右ガイドグリッド(524)内に同時に置かせ、ガイド作用を経た後、一列分の分散する苗単体が下の対応する苗分離ベルト(612)に落下され、
高効率な等距離の条分けステップ5:ギアボックス(3)は、同時に全ての苗分離ベルト(612)を駆動して横方向に沿って伝動させることで、苗分離ベルト(612)上の苗を動かせて等距離の横一列分の苗分離を実現し、定植苗立ちを準備するため各苗が所定間隔で定植苗立ち管(7)に落下され、
気流力による定植苗立ちステップ6:苗は、定植苗立ち管(7)に落下された後、重力と螺旋気流力の二重作用において、定植苗立ち管(7)の正方向に沿って垂直に落下することで、水田内に正確に定植され、
各前記ステップは、連続的に繰り返す作業である。
【0011】
本発明の動作原理:苗投げ植え機を起動させ、ファン(2)をオンにしてセル成型苗付き生分解性苗トレイを苗箱(506)に投入し、苗トレイの重力および苗送りベルト(504)の二重作用において、苗取り部材(5)を正確に送り、苗取り部材(5)内の苗取りカッターヘッドセット(508)が苗トレイの苗を一列分の単体ポット苗に分割し、苗規制姿勢調整板(522)の位置規制・姿勢調整を経た後、下の苗分離部材(6)に送られ、複数の苗分離ベルト(612)を通じて分割された一列分の単体ポット苗を高速で各条に送り、苗分離ベルト(612)の一定速度伝動中において、下の定植苗立ち管(7)内に落下し、定植苗立ち管(7)の螺旋気流力の加速を通じて、水田に苗を定植する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、有利な効果を有する。本発明の苗投げ植え機は、生分解性材質の苗トレイに基づき、移植栽培時泥中に持ち込まれ、苗トレイ回収装置がないため、作業効率を効果的に向上する。移植栽培時、苗取り部材は、苗取りカッターヘッドセットを通じて、苗トレイの一列分の苗を切って苗を取り、苗トレイが横方向に移送する必要がないため、苗取り部材の複雑さを軽減し、苗取りの精度を向上し、同時に苗取り部材が苗トレイに作用し、苗と接触せず、苗取りの際の苗損傷の問題を根本的に解決し、本発明の苗分離部材は、一列分の苗取り方式の正確かつ高速で条を分けるのに適し、条間が異なる植え付けの農業要件に基づいて調整でき、従来の投げ植え技術の乱雑さを解決し、本発明の定植苗立ち管は、螺旋気流力で定植苗立ちを加速させ、従来の機具が苗の自重によって水田に落下することで、転び苗・浮き苗が生じやすいという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の上段の生分解性トレイ模型を示す模式図である。
図2】本発明のライニングトレイ模型を示す模式図である。
図3】本発明の2つのトレイ重ね合わせ模型を示す模式図である。
図4】本発明の切断されたセルトレイのセル構造を示す模式図である。
図5】本発明の1株の苗を示す模式図である。
図6】本発明の苗投げ植え機構造の模式図である。
図7】本発明の苗投げ植え機構造の正面図である。
図8】本発明の苗取り部材構造の模式図である。
図9】本発明の苗取りカッターヘッドセット構造の模式図である。
図10】本発明の苗分離部材位置を示す図である。
図11】本発明の苗分離部材構造の模式図である。
図12】本発明の苗分離ベルト位置を示す図である。
図13】本発明の定植苗立ち管構造の模式図である。
図14】本発明の分配器構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面および具体的実施例を参照しつつ本発明の技術的手段を詳細に説明する。
【0015】
本発明の苗投げ植え機に適した生分解性苗トレイは、図1図2および図3に示す。ここで、図1は、上段の生分解性トレイを示す模式図で、図2はライニングトレイを示す模式図で、図3は2つのトレイを重ね合わせて使用する場合の模式図である。育苗時2つを重ね合わせて使用し、移植栽培時下段のライニングトレイを取り外し、苗付き上段の生分解性トレイを苗投げ植え機の苗箱に置き、一列分の苗を切って苗を取った後のセルトレイのセル構造を図4に示し、1株の苗の構造を図5に示す。
【0016】
図6に示すように、本発明の苗投げ植え機構造は、苗投げ植え機シャーシ1と、ファン2と、ギアボックス3と、分配器4と、苗取り部材5と、苗分離部材6と、定植苗立ち管7と、を備える。図7に示すように、苗分離部材6は、苗投げ植え機のフレーム102に固結され、動力が苗投げ植え機の動力出力軸101からギアボックス3を通じて伝達され、苗取り部材5は、苗取り部材のフレーム501を通じて苗分離部材6および苗投げ植え機のフレーム102に接続される。図8に示すように、苗取り部材構造は、苗取り部材の駆動ベルトプーリー502と、苗取り部材の従動ベルトプーリー503と、苗送りベルト504と、苗箱506と、苗トレイ規制板507と、苗取りカッターヘッドセット508と、を備え、図9に示すように、苗取りカッターヘッドセット508の構造は、苗取りカッターヘッドセットの駆動軸515と、苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット516と、切断刃517と、刃規制スペーサー518と、を備え、複数の切断刃517は、刃規制スペーサー518で苗取りカッターヘッドセットの駆動軸515に等距離に固定され、苗取りカッターヘッドセットの駆動軸の一端がステップによって規制され、他端が苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット516でロックして規制される。
【0017】
図10に示すように、移植栽培時、苗送りベルト504で苗トレイを苗トレイ規制板507によって苗取りカッターヘッドセット508に正確に送り、列全体の苗取り後苗規制姿勢調整板522を介して姿勢を調整した後、左ガイドグリッド523および右ガイドグリッド524によって単体に分割されたポット苗をガイドして苗分離部材6に送る。
【0018】
図11に示すように、苗分離部材6の構造は、第1左苗分離部材601と、第2左苗分離部材602と、第2右苗分離部材603と、第1右苗分離部材604と、ベアリングユニット610、苗分離ベルト612と、従動ベルトプーリー613と、右駆動ベルトプーリー617と、を備え、第1左苗分離部材601および第1右苗分離部材604の両方が上向きに折り畳むことができ、左駆動ベルトプーリー615および右駆動ベルトプーリー617は、カップリングを介してギアボックスの第1出力軸302およびギアボックスの第2出力軸301に連結されて、苗分離ベルト612を等速度で逆回転させる。
【0019】
苗分離ベルト612の位置は、図12に示す。列全体を切って苗を取ったポット苗を苗分離ベルト612に正確に落下させるため、各苗分離ベルト612の縦方向位置と苗トレイの横方向鉢体位置とが一対一で対応し、苗分離ベルト612の横方向間隔が苗の植え付け条間に等しい。列全体を切って苗を取った後のポット苗は、苗分離ベルト612を介して高速かつ整然として条を分け、単体ポット苗を下の定植苗立ち管7に送る。
【0020】
図13に示すように、定植苗立ち管7の構造は、頂端にある苗投入口701と、底端にある苗出口702と、周方向に均一に配置された複数の吸気管703と、を備え、螺旋気流を形成するため、各吸気管703の軸線と定植苗立ち管7の軸線は、同一平面になく、吸気管703がホースで分配器4に接続される。
【0021】
図14に示すように、分配器の構造は、分配器入口401と、複数の分配器出口402と、を備え、分配器入口401がファン2の排気口に密接され、ファン2が起動された時、螺旋気力の加速を通じて単体ポット苗を水田に整然として定植・苗立つ。
【0022】
投げ植えプロセス
トレイ全体の正確な苗送りステップ1:苗取対象のセル成型苗を有する苗トレイを苗箱506上の苗トレイ規制板507に置き、複数組の苗送りベルト504の駆動下で、苗トレイを苗取りカッターヘッドセット508の作業位置に正確に搬送し、各列鉢体の位置が下の苗送りベルト504位置に一対一で対応し、
損傷なしで一列分の苗取りステップ2:N個の切断刃517で、同時に正確に切断し、高速かつ損傷なしで一列分の苗を一括で取り出し、取り出された一列分の苗が互いに単体になり、苗トレイの横方向苗ポットの数は14であり、
正確な一列分の苗送りステップ3:前記単体は、苗送りベルト504を介して苗規制姿勢調整板522に正確に送られ、単体が苗規制姿勢調整板522の位置規制・姿勢調整を通じて、苗を正確な姿勢で苗分離部材6に入らせるよう確保し、
一列分の正確な導入ステップ4:苗は、苗規制姿勢調整板522で位置規制・姿勢調整された後、一列分の各セル成型苗を各々左ガイドグリッド523と右ガイドグリッド524内に同時に置かせ、ガイド作用を経た後、一列分の分散する苗単体が下の対応する苗分離ベルト612に落下され、
高効率な等距離の条分けステップ5:ギアボックス3は、同時に全ての苗分離ベルト612を駆動して横方向に沿って伝動させることで、苗分離ベルト612上の苗を動かせて等距離の横一列分の苗分離を実現し、定植苗立ちを準備するため各苗が所定間隔で定植苗立ち管7に落下され、
気流力による定植苗立ちステップ6:苗は、定植苗立ち管7に落下された後、重力と螺旋気流力の二重作用において、定植苗立ち管7の正方向に沿って垂直に落下することで、水田内に正確に定植され、これを繰り返す。
【0023】
圃場試験
2019年、江蘇省常州市遠播機械有限公司は、苗投げ植え機の条数14条、条間25cm、作業幅3.5mの本発明の苗投げ植え機を試作した。苗投げ植え機シャーシは、洋馬社製乗用田植機シャーシで、分配器が1つの入口と、28つの出口と、を備え、定植苗立ち管が1つの苗投入口と、1つの苗出口と、2つの吸気管と、を備える。6月18日にりつ陽市で本発明の苗投げ植え機により圃場試験を行い、試験用苗は育苗日数18日の水稲ポット苗であり、育苗トレイが2段の生分解性苗トレイであり、上段トレイに切り目を事前入れ、苗トレイの仕様が横方向14穴,縦方向28穴である。投げ植え時、苗投げ植え機の運転者1名および苗供給者2名を配置し、機械は水田に入り、指定位置まで運転し、ファンを起動して苗供給者が育苗トレイのライニングトレイを引き剥がし、上段の可生分解性苗トレイを苗箱に置き、機械が前進し、植え付け位置までギアリングして、苗投げ植え機の動力出力軸は苗分離部材および苗取り部材を駆動して動作させ、トイレ全体の苗が苗箱に沿って苗送りベルトの搬送下で苗取りカッターヘッドセット位置まで送られ、列全体を切り、苗取りカッターヘッドセットが列ごとに縦方向に切り目を入れた苗トレイをセルに切断し、左右ガイドグリッドを介して苗分離部材に送り、14本の苗分離ベルトで両側に向けて同時に条を分け、単体ポット苗が苗分離ベルトの駆動下で、従動ベルトプーリー側に到達した時、下の定植苗立ち管内に落下され、螺旋気流力を通じて水田に定植。苗立つ。試験を介して苗を水田に投げた後、転び苗・浮き苗の現象がなく、投げ植え効率は10アール/時間に達した。
【符号の説明】
【0024】
1 苗投げ植え機シャーシ、
101 苗投げ植え機の動力出力軸、
102 苗投げ植え機のフレーム、
2 ファン、
3 ギアボックス、
301 ギアボックスの第1出力軸、
302 ギアボックスの第2出力軸、
4 分配器、
401 分配器入口、
402 分配器出口、
5 苗取り部材、
501 苗取り部材のフレーム、
502 苗取り部材の駆動ベルトプーリー、
503 苗取り部材の従動ベルトプーリー、
504 苗送りベルト、
505 駆動歯車、
506 苗箱、
507 苗トレイ規制板、
508 苗取りカッターヘッドセット、
509 ベアリングユニット、
510 第1歯車、
511 第2スプロケット、
512 第1チェーン、
513 第1スプロケット、
514 第2歯車、
515 苗取りカッターヘッドセットの駆動軸、
516 苗取りカッターヘッドセットの位置規制ナット、
517 切断刃、
518 刃規制スペーサー、
519 第2チェーン、
520 第3スプロケット、
521 駆動歯車、
522 苗規制姿勢調整板、
523 左ガイドグリッド、
524 右ガイドグリッド、
525 ベアリングユニット取り付け板、
6 苗分離部材、
601 第1左苗分離部材、
602 第1左苗分離部材、
603 第2右苗分離部材、
604 第1右苗分離部材、
605 左可動ピン、
606 左固定ピン、
607 右可動ピン、
608 右固定ピン、
609 第1苗分離機構左取付フレーム、
610 ベアリングユニット、
611 ベアリングユニット取り付け板、
612 苗分離ベルト、
613 従動ベルトプーリー
614 第1苗分離機構左取付フレーム、
615 左駆動ベルトプーリー、
616 第2苗分離機構部材右取付フレーム、
617 右駆動ベルトプーリー、
618 第1左苗分離ガイドグリッド、
619 第2左苗分離ガイドグリッド、
620 第1右苗分離ガイドグリッド、
621 第2右苗分離ガイドグリッド、
622 第1苗分離機構右取付フレーム、
7 定植苗立ち管、
701 苗投入口、
702 苗出口、
703 吸気管。
【要約】
【課題】生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機および苗投げ植え方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、生分解性苗トレイに適した気流力式の順番に苗を植え付ける苗投げ植え機および苗投げ植え方法を開示する。苗投げ植え機は、苗投げ植え機シャーシと、苗箱と、ギアボックスと、苗送りベルトと、苗取り部材と、苗分離部材と、ファンと、分配器と、定植苗立ち管と、苗投げ植え機の動力出力軸と、苗投げ植え機のフレームと、を備える。全トレイの水稲ポット苗は、正確に苗箱に置かれ、苗送りベルトで一列分を苗取り部材に送られ、苗取り部材によって一列分の苗を取った後、各列のポット苗が複数のポット苗単体に分割され、一列分を苗分離部材に送り、苗分離部材の作用において、一列分のポット苗単体は所定の条間により正確に複数条に分けられてから各条の下の定植苗立ち管に落下され、定植苗立ち管の軸方向に複数の螺旋気流が吹き込まれ、ポット苗単体は、重力および螺旋気流の作用下で整然と水田に定植・苗立て、このように繰り返す。本発明の機構が単純で、作業効率が高く、苗トレイを回収する必要がなく、苗取りが正確で苗を損傷せず、生分解性苗トレイで育苗するポット苗の移植栽培に適する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14