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特許7005846映像表示装置、映像表示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】映像表示装置、映像表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4725 20110101AFI20220117BHJP
   H04N 21/231 20110101ALI20220117BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20220117BHJP
   H04N 21/239 20110101ALI20220117BHJP
【FI】
H04N21/4725
H04N21/231
H04N21/433
H04N21/239
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017200756
(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2019075705
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 康夫
(72)【発明者】
【氏名】照内 拓之
(72)【発明者】
【氏名】村田 聡隆
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123069(JP,A)
【文献】特開2008-078997(JP,A)
【文献】特開2016-127401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する記録映像データ取得部と、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する表示制御部と、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、
当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える再生切替処理部と、を備え
前記表示制御部は、当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データのデータ末尾における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させる、映像表示装置。
【請求項2】
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する記録映像データ取得部と、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する表示制御部と、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、
当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える再生切替処理部と、を備え
前記表示制御部は、当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データの前記位置情報より後における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させる、映像表示装置。
【請求項3】
再生中の記録映像データにおける映像中に、再生切替えの履歴を表示する、請求項1または2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得するステップと、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示するステップと、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替えるステップと、
当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データのデータ末尾における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させるステップと、を映像表示装置が実行する、映像表示方法。
【請求項5】
映像表示のためのプログラムであって、
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する処理手順と、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する処理手順と、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える処理手順と、
当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データのデータ末尾における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させる処理手順と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得するステップと、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示するステップと、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替えるステップと、
当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データの前記位置情報より後における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させるステップと、を映像表示装置が実行する、映像表示方法。
【請求項7】
映像表示のためのプログラムであって、
複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する処理手順と、
取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する処理手順と、
当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える処理手順と、
当該映像中に表示されている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データの前記位置情報より後における位置に関する情報を、当該映像中に表示されている位置情報の近傍にそれぞれ表示させる処理手順と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置、映像表示システム、映像表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像手段を搭載した複数の車両においてそれぞれ撮影された記録映像データを共用する技術の開発が進められている。特許文献1には、現在位置測位手段で現在位置を測位し、経路設定手段で経路設定し、位置指定手段で位置を指定することにより、先行する他車より、経路中の指定した位置で撮影された映像を映像受信手段で受信し、表示手段で表示するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2005/054783号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1における映像表示装置では、走行中の任意の車両が撮影した記録映像データを視聴することはできるが、複数の車両によってそれぞれ撮影された映像記録データを、統合的に、ユーザが使い勝手良く扱うことができなかった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、複数の車両によってそれぞれ撮影された映像記録データを、統合的に、ユーザが使い勝手良く扱うことができる映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、映像表示装置であって、複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する記録映像データ取得部と、取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する表示制御部と、当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える再生切替処理部と、を備えるものである。
【0007】
本発明は、端末装置とサーバ装置とから構成される映像表示システムであって、前記サーバ装置は、複数の車両において、各々、撮影され、送信された車両外部の動画映像である記録映像データを受信する記録映像データ受信部と、前記記録映像データを、それぞれ、当該記録映像データが撮影された時刻情報および位置情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記端末装置から取得要求のあった記録映像データを前記端末装置に提供する記録映像データ提供部と、を備え、前記端末装置は、記録映像データ提供部に対して所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有する記録映像データの取得要求を行い、当該記録映像データを取得する記録映像データ取得部と、取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する表示制御部と、当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える再生切替処理部と、を備えるものである。
【0008】
本発明は、映像表示方法であって、複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得するステップと、取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示するステップと、当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替えるステップと、を備えるものである。
【0009】
本発明は、映像表示のためのプログラムであって、複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する処理手順と、取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なように表示する処理手順と、当該映像中に表示されている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える処理手順と、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の車両によってそれぞれ撮影された映像記録データを、統合的に、ユーザが使い勝手良く扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかる映像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】再生中の記録映像データにおける再生映像の一例を示す図である。
図3】再生中の記録映像データにおける再生映像中において、ピンとともに行き先情報がプロットしたものの一例を示す模式図である。
図4】実施の形態1にかかる映像表示装置における、記録映像データの再生を切替えする処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2にかかる映像表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態1]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
まず、本実施の形態にかかる映像表示装置10の概略構成について説明する。
図1は、映像表示装置10の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、映像表示装置10は、記録映像データ取得部11と、表示制御部12と、再生切替処理部13と、を備える。
【0013】
映像表示装置10は、サービスサーバに通信ネットワーク等を介して接続可能な各種端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、携帯端末、ゲーム機、テレビなどである。
【0014】
記録映像データ取得部11は、複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得するものである。複数の車両には、それぞれ、車両外部の動画映像である記録映像データを撮影するための車両用記録装置(一例としてドライブレコーダ)が設けられている。
【0015】
複数の車両のドライブレコーダには、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される電波を受信する受信部を搭載したビデオカメラが設置されている。それぞれのビデオカメラは車両の外部を撮影する。ビデオカメラは、例えば、車両前方の車両が走行する道路を撮影する。ここでは動画像を撮影するのに好適なビデオカメラとしたが、動画像撮影機能を有するスチルカメラであってもよい。
【0016】
ドライブレコーダにおいて撮影された記録映像データは、当該記録映像データに対応する、走行映像を撮影した地点の位置を示す位置情報、および、走行映像を取得した時刻情報が付加される。記録映像データは、音声を含まない状態でサービスサーバにアップロードされるか、サービスサーバで音声が消去されることが好ましい。なお、位置情報は、GPS衛星からドライブレコーダの受信部に送られて来た電波より自己の車両のいる場所を示す緯度と経度を算出することにより取得される。なお、記録映像データには、位置情報、時刻情報に加えて、ドライブレコーダのビデオカメラ(即ち、車両)が向いている方角を示す方角情報が付加されていてもよい。また、ドライブレコーダは、上記情報に加えて、記録映像データにID(Identification)情報を付加してもよい。
【0017】
対応する位置情報及び時刻情報が付加された記録映像データは、ドライブレコーダからサービスサーバに逐次アップロードされ、サービスサーバより記録映像データ取得部11に送信される。記録映像データ取得部11は、サービスサーバと通信回線やネットワークNWを介して接続される。なお、対応する位置情報及び時刻情報が紐付けされた記録映像データは、サービスサーバを介さずに、直接、記録映像データ取得部11に送信されてもよい。
【0018】
表示制御部12は、取得した記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なようにプロットするものである。再生中の記録映像データ以外のものの位置情報のプロットは、サービスサーバ側で行い、表示制御部12は位置情報がプロットされた記録映像データを再生することとしてもよい。記録映像データ取得部11による記録映像データの取得および表示制御部12による記録映像データの再生は、サービスサーバからストリーミング再生することが好ましい。
【0019】
再生切替処理部13は、当該映像中にプロットされている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合には、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替えるものである。つまり、再生切替処理部13は、当該映像中にプロットされている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合には、選択された位置情報に対応する記録映像データをサービスサーバに要求して、再生を切り替える。
【0020】
図2は、再生中の記録映像データにおける再生映像の一例を示す図である。図2に示すように、再生中の記録映像データにおける再生映像中には、取得した記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を示すマークとしてのピン51が重畳表示されている。すなわち、再生映像の領域内における緯度・経度は分かるので、再生映像の領域内に、取得した記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報(緯度・経度)をピン51でプロットすることができる。なお、取得した記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を示すマークは、ピン以外のものの表示、例えば矢印など任意の表示や表現が適用可能である。
【0021】
上述したようにピン51を再生映像中にプロットすると、結果として、再生映像の領域内に登場する車両のうち、所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報が付加された記録映像データを有するものがピン51によって指し示される。なお、再生映像中においてピン51によりプロットされる位置情報を、再生中の記録映像データの位置情報(緯度・経度)から所定の範囲(例えば、半径10m未満の範囲)に限定するようにしてもよい。
【0022】
記録映像データに、ドライブレコーダのビデオカメラ(即ち、車両)が向いている方角を示す方角情報が付加されている場合、再生中の記録映像データと方角情報が反対である記録映像データの位置情報に限定してピン51をプロットするようにしてもよい。このようにすると、ピン51によって指し示される他車両は、再生中の記録映像データを撮影した車両と対向するものに限定される。
【0023】
ピン51は、ユーザが選択可能なようにプロットされている。すなわち、ユーザは、映像表示装置10における、再生映像中のピン51を、直接指でタッチする(この場合、記録映像データを表示するディスプレイはタッチパネル式である)、マウスポインタによってクリックする、などにより特定のピン51を選択することができる。
【0024】
ユーザにより再生映像中の特定のピン51が選択された場合、再生切替処理部13は、現在再生中の記録映像データから、ユーザにより選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える。つまり、ユーザは、再生映像中においてピン51によって指し示されている他車両に仮想的に乗り換えすることが可能になる。ここで、仮想的な乗り換えとは、乗り換え操作によって、現在再生している記録映像から、ピン51によって指し示されている他車両の記録映像データの再生に切り替えることである。仮想的な乗り換えが行われた場合、乗り換えが行われた時点から、ユーザによって選択された記録映像データに再生映像が切り替わる。このように、本実施の形態にかかる映像表示装置10は、再生映像中の特定のピン51を選択するだけでスムーズに再生の切り替えができるのでユーザに使い勝手が良く、ユーザはゲーム感覚で仮想的な乗り換えを楽しむことができる。
【0025】
再生映像中においてピン51によりプロットされている位置情報にそれぞれ対応する記録映像データのデータ末尾における位置の地名情報や施設情報(行き先情報)を、当該再生映像中にプロットされている位置情報の近傍にそれぞれ表示させるようにしてもよい。図3は、再生中の記録映像データにおける再生映像中において、ピン51とともに行き先情報がプロットしたものの一例を示す模式図である。図3に示すように、ピン51によりプロットされている位置情報の近傍には、○○県○○市、道の駅○○などといった、行き先情報53がプロットされている。このようにすると、ユーザは行きたい場所までのルートを再生映像で確認することができる。
【0026】
また、再生映像中においてピン51によりプロットされている位置情報に対応する記録映像データの途中における位置の地名情報や施設情報(通過地点情報)を、当該再生映像中にプロットされている位置情報の近傍にそれぞれ表示させるようにしてもよい。例えば、図3に示すようにピン51によりプロットされている位置情報より後の位置情報として、通過した地名や施設の情報がプロットされている。通過した地名は、ピン51によりプロットされている位置情報に対応する記録映像データで次に通過する都市名や、政令指定都市や都道府県庁所在地などである。また、通過した施設名は、ピン51によりプロットされている位置情報に対応する記録映像データで有名な施設の近傍を通過した場合などである。
【0027】
さらに、再生映像中において、ユーザが、ここまでにどのような乗り換え、すなわち再生の切替えを行ったか、が分かるように再生切替え履歴を表示するようにしてもよい。
【0028】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる映像表示装置10における、記録映像データの再生を切替えする処理の流れについて説明する。なお、以下の説明において、映像表示装置10の構成については図1を適宜参照する。
【0029】
図4は、映像表示装置10における、記録映像データの再生を切替えする処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、複数の車両で各々撮影された車両外部の動画映像である記録映像データのうちで所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有するものを取得する(ステップS101)。ステップS101に続いて、取得した前記記録映像データの1つの再生を行い表示装置に表示させ、かつ、再生中の記録映像データにおける映像中に、取得した前記記録映像データであって当該再生中の記録映像データ以外のものの位置情報を、ユーザが選択可能なようにプロットする(ステップS102)。
【0030】
ステップS101で、最初に取得する記録映像データは、自己のID情報によって特定される、自己の車両の走行時に記録した記録映像データを選択的に取得するようにしてもよい。また、他の車両の走行時に記録された任意の記録映像データを選択的に取得するようにしてもよい。記録映像データの選択は、例えば、地図上の任意の地点における任意の日時の指定により選択するようにしてもよい。
【0031】
続いて、当該映像中にプロットされている位置情報のうちの1つがユーザによって選択されたか否かを判断する(ステップS103)。ステップS103で当該映像中にプロットされている位置情報のうちの1つがユーザによって選択された場合(YESの場合)には、当該再生中の記録映像データから、ユーザによって選択された位置情報に対応する記録映像データに再生を切り替える(ステップS104)。
【0032】
以上のように、本実施の形態にかかる映像表示装置10によれば、再生映像中の特定のピン51を選択するだけでスムーズに再生の切り替えができるので、複数の車両によってそれぞれ撮影された映像記録データを、統合的に、ユーザが使い勝手良く扱うことができる。
【0033】
[実施の形態2]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1と共通の部分には共通の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図5は、本実施の形態にかかる映像表示システム200の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施の形態にかかる映像表示システム200は、サーバ装置220と、端末装置210と、から構成される。
【0035】
サーバ装置220は、記録映像データ受信部221と、記憶部222と、記録映像データ提供部223と、を備える。記録映像データ受信部221は、複数の車両において、各々、撮影され、送信された車両外部の動画映像である記録映像データを受信する。記録映像データ受信部221は、各車両のドライブレコーダから記録映像データを受信するために通信回線やネットワークNWに接続されている。記憶部222は、記録映像データ受信部221において受信した記録映像データを、それぞれ、当該記録映像データが撮影された時刻情報および位置情報と対応付けて記憶する。記録映像データ提供部223は、端末装置210から取得要求のあった記録映像データを端末装置210に提供する。記録映像データ提供部223は、端末装置210に記録映像データを供給するために通信回線やネットワークNWに接続されている。
【0036】
端末装置210は、記録映像データ取得部211と、表示制御部12と、再生切替処理部13と、を備える。端末装置210は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末、ゲーム機、テレビなどである。記録映像データ取得部211は、記録映像データ提供部223に対して所定の時刻範囲の時刻情報及び所定の位置範囲の位置情報を有する記録映像データの取得要求を行い、当該記録映像データを取得する。記録映像データ取得部211は、サーバ装置220と通信回線やネットワークNWを介して接続される。
【0037】
各車両ドライブレコーダにおいて、記録映像データを、音声を含まない形式に変換してからサーバ装置220に送信するようにしてもよい。または、サーバ装置220の記録映像データ提供部223において、ドライブレコーダより音声付きで送信された記録映像データを、音声を含まない形式に変換してから端末装置210に提供するようにしてもよい。
【0038】
各車両ドライブレコーダにおいて、記録映像データを、各車両のドライブレコーダにおいて、車両を特定する情報(例えば、ナンバープレート、車両のドア等に表示された会社名、搭乗者)や、歩行者、個人住宅の標識等の個人情報は判別不可能な状態にしてサーバ装置220に送信するようにしてもよい。または、サーバ装置220の記録映像データ提供部223において、記録映像データを、各車両のドライブレコーダにおいて、車両を特定する情報や、歩行者、個人住宅の標識等の個人情報は判別不可能な状態にして記録映像データ取得部11に提供するようにしてもよい。
【0039】
端末装置210は、まず、サーバ装置220に接続して自己のID情報を照合することによりサーバ装置220にログインする。サーバ装置220は、ログインした端末装置210に対し、地図上において記憶部222に記憶された記録映像データの位置情報が付加された地図データを提供するようにしてもよい。この地図データは、地図上に表示された記録映像データの位置情報をユーザが選択することが可能に構成されている。
【0040】
端末装置210において、ユーザが、時刻情報を指定するとともに、地図データにおける地図上の任意の地点を選択すると、該当する記録映像データが再生される。なお、端末装置210において、記録映像データの再生を切替えする処理の流れは、図4を用いて説明した、実施の形態1にかかる映像表示装置10における、記録映像データの再生を切替えする処理の流れと同じである。
【0041】
以上より、本実施の形態にかかる映像表示システムに拠れば、複数の車両によってそれぞれ撮影された映像記録データを、統合的に、ユーザが使い勝手良く扱うことができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0043】
本発明にかかる映像表示装置の各部における処理は、コンピュータなどにプログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、車両用表示制御装置において、プログラムメモリに格納されたプログラムを主記憶装置にロードし、CPUの制御によって当該プログラムを実行して実現する。ここで、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。また、車両用表示制御装置の各部における処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現しても良い。
【符号の説明】
【0044】
10 映像表示装置
11、211 記録映像データ取得部
12 表示制御部
13 再生切替処理部
51 ピン
200 映像表示システム
210 端末装置
220 サーバ装置
221 記録映像データ受信部
222 記憶部
223 記録映像データ提供部
図1
図2
図3
図4
図5