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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】光ファイバ接続用クロージャ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20220117BHJP
   G02B 6/24 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G02B6/46
G02B6/24
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018055020
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019168544
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000231936
【氏名又は名称】日本通信電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】石原 竜也
(72)【発明者】
【氏名】早川 峻矢
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特許第5342709(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0226250(US,A1)
【文献】特開2004-126481(JP,A)
【文献】特開2001-42155(JP,A)
【文献】特開2005-315905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/46
G02B 6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光ケーブルの第1光ファイバテープ心線と第2光ケーブルの第2光ファイバテープ心線とを接続する光ファイバ接続用クロージャであって、
支持体と、
前記支持体に手前側に引き出し可能に支持された複数段構造のトレイユニットと、を備え、
前記トレイユニットは、
前記第1光ファイバテープ心線と第1内部ファイバテープ心線との接続部分を収容すると共に、前記第2光ファイバテープ心線と第2内部ファイバテープ心線との接続部分を収容する第1トレイと、
前記第1内部ファイバテープ心線を複数の第1ファイバコードに分岐する第1分岐部を収容すると共に、前記第2内部ファイバテープ心線を複数の第2ファイバコードに分岐する第2分岐部を収容する第2トレイと、
前記複数の第1ファイバコードのうちの第1CATV回線用コードと前記複数の第2ファイバコードのうちの第2CATV回線用コードとの接続部分を収容する第3トレイと、
前記複数の第1ファイバコードのうちの第1監視回線用コードと前記複数の第2ファイバコードのうちの第2監視回線用コードとの接続部分を収容する第4トレイと、
前記複数の第1ファイバコードのうちのFTTH回線用コードとFTTH専用の光ファイバコードとの接続部分を収容する第5トレイと、
を有し、
前記第1トレイ、前記第2トレイ、前記第3トレイ、前記第4トレイ及び前記第5トレイは、上下方向に回動可能である光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項2】
前記第1トレイは、前記トレイユニットの最上段に配置されており、
前記第2トレイは、前記第1トレイの1段下に配置されており、
前記第3トレイ及び前記第4トレイは、前記第2トレイの下段側に配置されており、
前記第5トレイは、前記第3トレイ及び前記第4トレイの下段側に配置されている請求項1記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項3】
前記第1トレイの手前側には、前記第1光ファイバテープ心線及び前記第2光ファイバテープ心線が導入される第1導入部が設けられており、
前記第1トレイの奥側には、前記第1内部ファイバテープ心線及び前記第2内部ファイバテープ心線が導入される第2導入部が設けられており、
前記第2トレイの手前側には、前記第1内部ファイバテープ心線及び前記第2内部ファイバテープ心線が導出される第1導出部が設けられており、
前記第2トレイの奥側には、前記第1ファイバコード及び前記第2ファイバコードが導出される第2導出部が設けられており、
前記第3トレイ、前記第4トレイ及び前記第5トレイの手前側には、前記第1ファイバコード及び前記第2ファイバコードが導入される第3導入部が設けられている請求項2記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項4】
前記トレイユニットは7段構造である請求項2または3記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項5】
前記第3トレイ及び前記第4トレイの段数は、2段であり、
前記第1CATV回線用コードと前記第2CATV回線用コードとは、構成が異なる複数種類の第1光部品モジュールを介して接続されており、
前記複数種類の第1光部品モジュールは、異なる段の前記第3トレイに収容されており、
前記第1監視回線用コードと前記第2監視回線用コードとは、第2光部品モジュール及び光コネクタアダプタを介して接続されており、
前記第2光部品モジュール及び前記光コネクタアダプタは、異なる段の前記第4トレイに収容されており、
前記第5トレイは、前記トレイユニットの最下段に配置されている請求項4記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項6】
前記第3トレイの段数は、1段であり、
前記第1CATV回線用コードと前記第2CATV回線用コードとは、光部品を介して接続されており、
前記第4トレイの段数は、2段であり、
前記第1監視回線用コードと前記第2監視回線用コードとは、光部品モジュール及び光コネクタアダプタを介して接続されており、
前記光部品モジュール及び前記光コネクタアダプタは、異なる段の前記第4トレイに収容されており、
前記トレイユニットの最下段には、前記複数の第2ファイバコードのうちの保留回線用コードが収容された第6トレイが配置されている請求項4記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【請求項7】
前記第1CATV回線用コードと前記光部品の入力部とは融着接続されており、
前記第2CATV回線用コードと前記光部品の出力部とは融着接続されている請求項6記載の光ファイバ接続用クロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続用クロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ファイバ接続用クロージャとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の光ファイバ接続用クロージャは、光ケーブルから引き落とされる光ファイバとテープ心線とのコネクタ接続部を収納する下部伸ばし成端トレイと、光ケーブルから引き落とされる光ファイバとDS/R・TDケーブルとのコネクタ接続部を収納するDS/R・TD成端トレイと、光ケーブルから引き落とされる光ファイバとドロップケーブルとのコネクタ接続部を収納するドロップ成端トレイと、スプリッタモジュールを収納するスプリッタトレイとを備えている。これらの成端トレイ及びスプリッタトレイは、重ねた状態でトレイ固定ベースに摺動自在に設けたトレイ取付部に回動自在に枢着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-121603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、必要な数のコネクタ接続部を収容するために、コネクタ接続部を複数の成端トレイに分散させている。しかし、CATV回線及び監視回線といった種別が異なる複数の回線が使用される場合、光スプリッタ等の光部品及びコネクタ接続部が回線種別毎に分離して収容されていないと、回線の識別性に劣り、切替接続作業等が行いにくくなる。
【0005】
本発明の目的は、回線の識別性を向上させることができる光ファイバ接続用クロージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、第1光ケーブルの第1光ファイバテープ心線と第2光ケーブルの第2光ファイバテープ心線とを接続する光ファイバ接続用クロージャであって、支持体と、支持体に手前側に引き出し可能に支持された複数段構造のトレイユニットと、を備え、トレイユニットは、第1光ファイバテープ心線と第1内部ファイバテープ心線との接続部分を収容すると共に、第2光ファイバテープ心線と第2内部ファイバテープ心線との接続部分を収容する第1トレイと、第1内部ファイバテープ心線を複数の第1ファイバコードに分岐する第1分岐部を収容すると共に、第2内部ファイバテープ心線を複数の第2ファイバコードに分岐する第2分岐部を収容する第2トレイと、複数の第1ファイバコードのうちの第1CATV回線用コードと複数の第2ファイバコードのうちの第2CATV回線用コードとの接続部分を収容する第3トレイと、複数の第1ファイバコードのうちの第1監視回線用コードと複数の第2ファイバコードのうちの第2監視回線用コードとの接続部分を収容する第4トレイと、複数の第1ファイバコードのうちのFTTH回線用コードとFTTH専用の光ファイバコードとの接続部分を収容する第5トレイと、を有し、第1トレイ、第2トレイ、第3トレイ、第4トレイ及び第5トレイは、上下方向に回動可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回線の識別性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ接続用クロージャを示す略正面図である。
図2図1に示されたトレイユニットの配線形態を全体的に示す概念図である。
図3図1に示された光ファイバ接続用クロージャを上方から見た斜視図である。
図4図1に示されたテープ接続トレイの平面図である。
図5図1に示された光ファイバ接続用クロージャにおいて分岐トレイが露出した状態を示す斜視図である。
図6図1に示された光ファイバ接続用クロージャにおいて上側のCATV回線トレイが露出した状態を示す斜視図である。
図7図6に示された光カプラモジュールがポップアップした状態を示す拡大斜視図である。
図8図2に示された分岐トレイとCATV回線トレイとの間におけるCATV回線用コードの配線形態を示す図である。
図9図1に示された光ファイバ接続用クロージャにおいて上側の監視回線トレイが露出した状態を示す斜視図である。
図10図1に示された光ファイバ接続用クロージャにおいて下側の監視回線トレイが露出した状態を示す斜視図である。
図11図10に示された監視回線トレイにおける光コネクタアダプタを含む領域を示す拡大斜視図である。
図12図2に示された上下の監視回線トレイの間における監視回線用コードの配線形態を示す図である。
図13図1に示された光ファイバ接続用クロージャにおいてFTTH回線トレイが露出した状態を示す斜視図である。
図14図2に示された分岐トレイとFTTH回線トレイとの間におけるFTTH回線用コード及びFTTH専用コードの配線形態を示す図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ接続用クロージャを示す略正面図である。
図16図15に示されたトレイユニットの配線形態を全体的に示す概念図である。
図17図15に示されたCATV回線トレイの斜視図である。
図18図16に示された分岐トレイとCATV回線トレイ及び保留トレイとの間におけるCATV回線用コード及び保留回線用コードの配線形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態を列記して説明する。
【0010】
本発明の一側面は、第1光ケーブルの第1光ファイバテープ心線と第2光ケーブルの第2光ファイバテープ心線とを接続する光ファイバ接続用クロージャであって、支持体と、支持体に手前側に引き出し可能に支持された複数段構造のトレイユニットと、を備え、トレイユニットは、第1光ファイバテープ心線と第1内部ファイバテープ心線との接続部分を収容すると共に、第2光ファイバテープ心線と第2内部ファイバテープ心線との接続部分を収容する第1トレイと、第1内部ファイバテープ心線を複数の第1ファイバコードに分岐する第1分岐部を収容すると共に、第2内部ファイバテープ心線を複数の第2ファイバコードに分岐する第2分岐部を収容する第2トレイと、複数の第1ファイバコードのうちの第1CATV回線用コードと複数の第2ファイバコードのうちの第2CATV回線用コードとの接続部分を収容する第3トレイと、複数の第1ファイバコードのうちの第1監視回線用コードと複数の第2ファイバコードのうちの第2監視回線用コードとの接続部分を収容する第4トレイと、複数の第1ファイバコードのうちのFTTH回線用コードとFTTH専用の光ファイバコードとの接続部分を収容する第5トレイと、を有し、第1トレイ、第2トレイ、第3トレイ、第4トレイ及び第5トレイは、上下方向に回動可能である。
【0011】
このような光ファイバ接続用クロージャにおいては、複数の第1光ファイバコードのうちの第1CATV回線用コードと複数の第2光ファイバコードのうちの第2CATV回線用コードとの接続部分は、第3トレイに収容されている。複数の第1光ファイバコードのうちの第1監視回線用コードと複数の第2光ファイバコードのうちの第2監視回線用コードとの接続部分は、第4トレイに収容されている。複数の第1光ファイバコードのうちのFTTH回線用コードとFTTH専用の光ファイバコードとの接続部分は、第5トレイに収容されている。このようにCATV回線、監視回線及びFTTH回線は、回線種別毎に異なるトレイに分離して収容されている。これにより、回線の識別性が向上する。
【0012】
第1トレイは、トレイユニットの最上段に配置されており、第2トレイは、第1トレイの1段下に配置されており、第3トレイ及び第4トレイは、第2トレイの下段側に配置されており、第5トレイは、第3トレイ及び第4トレイの下段側に配置されていてもよい。光ファイバ接続用クロージャの設置時には、第1トレイにおいてのみ接続作業が行われることになるが、第1トレイをトレイユニットの最上段に配置することにより、広い作業空間が確保されるため、接続作業が行いやすくなる。また、第1トレイをトレイユニットの最上段に配置することにより、第1光ファイバテープ心線及び第2光ファイバテープ心線と第1ファイバコード及び第2ファイバコードとが交錯することがない。
【0013】
第1トレイの手前側には、第1光ファイバテープ心線及び第2光ファイバテープ心線が導入される第1導入部が設けられており、第1トレイの奥側には、第1内部ファイバテープ心線及び第2内部ファイバテープ心線が導入される第2導入部が設けられており、第2トレイの手前側には、第1内部ファイバテープ心線及び第2内部ファイバテープ心線が導出される第1導出部が設けられており、第2トレイの奥側には、第1ファイバコード及び第2ファイバコードが導出される第2導出部が設けられており、第3トレイ、第4トレイ及び第5トレイの手前側には、第1ファイバコード及び第2ファイバコードが導入される第3導入部が設けられていてもよい。このような構成では、第1トレイ及び第2トレイにおいて、異なる種類の光ファイバが混在して輻輳することが防止される。
【0014】
トレイユニットは7段構造であってもよい。このような構成では、CATV回線、監視回線及びFTTH回線を使用形態に応じて適切に配線することができる。
【0015】
第3トレイ及び第4トレイの段数は、2段であり、第1CATV回線用コードと第2CATV回線用コードとは、構成が異なる複数種類の第1光部品モジュールを介して接続されており、複数種類の第1光部品モジュールは、異なる段の第3トレイに収容されており、第1監視回線用コードと第2監視回線用コードとは、第2光部品モジュール及び光コネクタアダプタを介して接続されており、第2光部品モジュール及び光コネクタアダプタは、異なる段の第4トレイに収容されており、第5トレイは、トレイユニットの最下段に配置されていてもよい。このような構成では、CATV回線及び監視回線を必要な数だけ効率良く配線することができる。また、FTTH回線は、CATV回線及び監視回線に比べて接続切替作業を行う頻度が低い。従って、第5トレイをトレイユニットの最下段に配置するのが妥当である。
【0016】
第3トレイの段数は、1段であり、第1CATV回線用コードと第2CATV回線用コードとは、光部品を介して接続されており、第4トレイの段数は、2段であり、第1監視回線用コードと第2監視回線用コードとは、光部品モジュール及び光コネクタアダプタを介して接続されており、光部品モジュール及び光コネクタアダプタは、異なる段の第4トレイに収容されており、トレイユニットの最下段には、複数の第2ファイバコードのうちの保留回線用コードが収容された第6トレイが配置されていてもよい。このような構成でも、CATV回線及び監視回線を必要な数だけ効率良く配線することができる。また、保留回線用コードは設置当初は通常使用されないため、第6トレイをトレイユニットの最下段に配置するのが好ましい。
【0017】
第1CATV回線用コードと光部品の入力部とは融着接続されており、第2CATV回線用コードと光部品の出力部とは融着接続されていてもよい。このような構成では、クロージャ内のCATV回線を伝送する際のロスが低下するため、信号到達距離を改善することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ接続用クロージャを示す略正面図である。図1において、本実施形態の光ファイバ接続用クロージャ1(以下、単にクロージャ1という)は、例えばHFC(Hybrid fiber-coaxial)の配線方式に適用される。クロージャ1は、架空において局側の光ケーブル2(第1光ケーブル)の光ファイバテープ心線3(第1光ファイバテープ心線)と加入者側の光ケーブル4(第2光ケーブル)の光ファイバテープ心線5(第2光ファイバテープ心線)とを接続する。
【0020】
クロージャ1は、支持体6と、この支持体6に手前側(正面側)に引き出し可能に支持された7段構造のトレイユニット7とを備えている。支持体6及びトレイユニット7は、クロージャケース(図示せず)に収容されている。クロージャケースの両端部には、シール部材8がそれぞれ取り付けられている。光ケーブル2,4は、シール部材8を貫通してクロージャ1の内部に導入される。
【0021】
トレイユニット7は、図2にも示されるように、テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、2段のCATV回線トレイ12,13、2段の監視回線トレイ14,15及びFTTH回線トレイ16からなるトレイ群17を有している。
【0022】
テープ接続トレイ10は、トレイユニット7の最上段に配置されている。分岐トレイ11は、テープ接続トレイ10の1段下、つまりトレイユニット7の上から2段目に配置されている。CATV回線トレイ12は、分岐トレイ11の1段下、つまりトレイユニット7の上から3段目に配置されている。CATV回線トレイ13は、CATV回線トレイ12の1段下、つまりトレイユニット7の上から4段目に配置されている。監視回線トレイ14は、CATV回線トレイ13の1段下、つまりトレイユニット7の上から5段目に配置されている。監視回線トレイ15は、監視回線トレイ14の1段下、つまりトレイユニット7の上から6段目に配置されている。FTTH回線トレイ16は、監視回線トレイ15の1段下、つまりトレイユニット7の最下段に配置されている。
【0023】
テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、CATV回線トレイ12,13、監視回線トレイ14,15及びFTTH回線トレイ16は、それぞれ独立して2つの軸部18を介して上下方向に回動可能となっている。なお、図示はしないが、支持体6には、テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、CATV回線トレイ12,13、監視回線トレイ14,15及びFTTH回線トレイ16を上方に回動させた状態に保持する紐状の留め具が取り付けられている。
【0024】
トレイユニット7は、図3に示されるように、トレイ群17の後部に配置された突起19を有している。なお、図3では、テープ接続トレイ10を省略している。突起19の上面には、ガイド部20が設けられている。支持体6には、ガイド部20が嵌まるガイドレール21が設けられている。ガイドレール21は、前後方向に延びている。ガイド部20がガイドレール21に沿って移動することで、トレイユニット7が前後方向に進退する。これにより、トレイユニット7を全体的に手前側に引き出すことが可能となる。
【0025】
テープ接続トレイ10は、図4に示されるように、光ファイバテープ心線3と内部ファイバテープ心線23(第1内部ファイバテープ心線)との接続部分を収容すると共に、光ファイバテープ心線5と内部ファイバテープ心線24(第2内部ファイバテープ心線)との接続部分を収容する第1トレイである。ここでは、光ファイバテープ心線3,5及び内部ファイバテープ心線23,24の心数は、何れも4心である。
【0026】
テープ接続トレイ10の一端部の手前側には、光ファイバテープ心線3が導入される導入部25(第1導入部)が設けられている。テープ接続トレイ10の他端部の手前側には、光ファイバテープ心線5が導入される導入部26(第1導入部)が設けられている。テープ接続トレイ10の一端部の奥側には、内部ファイバテープ心線23が導入される導入部27(第2導入部)が設けられている。テープ接続トレイ10の他端部の奥側には、内部ファイバテープ心線24が導入される導入部28(第2導入部)が設けられている。
【0027】
光ファイバテープ心線3と内部ファイバテープ心線23とは、融着接続されている。光ファイバテープ心線5と内部ファイバテープ心線24とは、融着接続されている。テープ接続トレイ10には、光ファイバテープ心線3と内部ファイバテープ心線23との融着接続部29と、光ファイバテープ心線5と内部ファイバテープ心線24との融着接続部30とが、光ファイバテープ心線3,5及び内部ファイバテープ心線23,24の余長と共に収容されている。なお、図示はしないが、テープ接続トレイ10には、透明のカバーが被せられている。
【0028】
分岐トレイ11は、図3及び図5に示されるように、内部ファイバテープ心線23を複数本(ここでは4本)のファイバコード31(第1ファイバコード)に分岐する分岐部32(第1分岐部)を収容すると共に、内部ファイバテープ心線24を複数本(ここでは4本)のファイバコード33(第2ファイバコード)に分岐する分岐部34(第2分岐部)を収容する第2トレイである。分岐部32としては、例えば現用系が1つ又は2つ存在し、FTTH(Fiberto the Home)用が1つ存在している。分岐部34としては、例えば8つ存在している。
【0029】
分岐トレイ11の中央部の一方側には、分岐部32を固定する分岐部固定部35が設けられている。分岐トレイ11の中央部の他方側には、分岐部34を固定する分岐部固定部36が設けられている。分岐部固定部35,36は、例えば4列2段構造を有している。また、分岐トレイ11の中央部には、2つのRガイド部37が設けられている。分岐トレイ11の両端部には、Rガイド部38がそれぞれ設けられている。
【0030】
分岐トレイ11の一端部の手前側には、内部ファイバテープ心線23が導出される導出部39(第1導出部)が設けられている。分岐トレイ11の他端部の手前側には、内部ファイバテープ心線24が導出される導出部40(第1導出部)が設けられている。分岐トレイ11の両端部の奥側には、各ファイバコード31,33が導出される導出部41(第2導出部)がそれぞれ設けられている。
【0031】
分岐トレイ11には、内部ファイバテープ心線23,24及びファイバコード31,33がRガイド部37,38に沿って収容されている。
【0032】
ファイバコード31は、図2に示されるように、CATV(Common Antenna Television)回線として使用されるCATV回線用コード31a,31bと、監視回線として使用される監視回線用コード31cと、FTTH回線として使用されるFTTH回線用コード31dとを含んでいる。CATV回線用コード31a,31bは、例えばNo 1、No 2のファイバコード31である。監視回線用コード31cは、No 3のファイバコード31である。FTTH回線用コード31dは、No 4のファイバコード31である。なお、上記Noは、光ファイバ(コード)の識別番号を便宜的に示している。
【0033】
ファイバコード33は、図2に示されるように、CATV回線として使用されるCATV回線用コード33aと、監視回線として使用される監視回線用コード33b,33cと、使用されない保留回線用コード33dとを含んでいる。CATV回線用コード33aは、例えばNo 1のファイバコード33である。監視回線用コード33b,33cは、No 2、No 3のファイバコード33である。保留回線用コード33dは、No 4のファイバコード33である。
【0034】
CATV回線トレイ12,13は、CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード33aとの接続部分を収容する第3トレイである。CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード33aとは、光カプラモジュール43、パッチコード44及び光スプリッタモジュール45を介して接続されている。光カプラモジュール43及び光スプリッタモジュール45は、種類が異なる第1光部品モジュールである。光カプラモジュール43及び光スプリッタモジュール45は、構成及び機能が異なっている。
【0035】
光カプラモジュール43は、CATV下り回線を構成する光カプラが最小単位でモジュール化されている。光カプラは、例えば2×2カプラである。光スプリッタモジュール45は、CATV下り回線を構成する光スプリッタが最小単位でモジュール化されている。光スプリッタは、例えば1×4スプリッタである。光カプラモジュール43及び光スプリッタモジュール45は、パッチコード44を介して直列に接続されている。パッチコード44は、両端に光コネクタ(ここではLCコネクタ)が取り付けられた光ファイバコードである。
【0036】
図6に示されるように、CATV回線トレイ12の一端側には、光カプラモジュール43が収容されている。光カプラモジュール43は、最大2つの光カプラを有している。CATV回線トレイ12の他端側には、空の保留用モジュール46が収容されている。CATV回線トレイ12の中央部には、Rガイド部47が設けられている。
【0037】
光カプラモジュール43の後端部(光コネクタ挿抜側とは反対側の端部)は、CATV回線トレイ12に軸部を介して回動可能に取り付けられている。これにより、図7に示されるように、光カプラモジュール43の前端側(光コネクタ挿抜側)をポップアップさせることができる。従って、CATV回線用コード31a,31b及びパッチコード44の光コネクタを挿抜するための空間が確保されるため、光カプラモジュール43に対するCATV回線用コード31a,31b及びパッチコード44の挿抜が行いやすくなる。
【0038】
CATV回線トレイ12の一端部の手前側には、CATV回線用コード31a,31bが導入される導入部48(第3導入部)が設けられている。CATV回線トレイ12の他端部の手前側には、保留回線用コード33dが導入される導入部49(第3導入部)が設けられている。CATV回線トレイ12の両端部の奥側には、パッチコード44が導出される導出部50がそれぞれ設けられている。
【0039】
CATV回線トレイ13の一端側には、光スプリッタモジュール45が収容されている。光スプリッタモジュール45は、最大2つの光スプリッタを有している。光スプリッタモジュール45は、光カプラモジュール43と同様にポップアップ可能となるようにCATV回線トレイ13に回動可能に取り付けられている。CATV回線トレイ13の中央部には、Rガイド部51が設けられている。
【0040】
CATV回線トレイ13の一端部の手前側には、パッチコード44が導入される導入部52が設けられている。CATV回線トレイ13の他端部の手前側には、CATV回線用コード33aが導入される導入部53(第3導入部)が設けられている。
【0041】
図8に示されるように、CATV回線用コード31a,31bは、分岐トレイ11からCATV回線トレイ12に導かれ、光カプラモジュール43にコネクタ接続されている。このとき、CATV回線用コード31a,31bは、CATV回線トレイ12にRガイド部47に沿って収容されている。また、CATV回線トレイ12には、光カプラモジュール43にコネクタ接続されたパッチコード44がRガイド部47に沿って収容されている。パッチコード44は、CATV回線トレイ12からCATV回線トレイ13に導かれ、光スプリッタモジュール45にコネクタ接続されている。このとき、パッチコード44は、CATV回線トレイ13にRガイド部51に沿って収容されている。
【0042】
CATV回線用コード33aは、分岐トレイ11からCATV回線トレイ13に導かれ、光スプリッタモジュール45にコネクタ接続されている。このとき、CATV回線用コード33aは、CATV回線トレイ13にRガイド部51に沿って収容されている。
【0043】
また、保留回線用コード33dは、分岐トレイ11からCATV回線トレイ12に導かれ、保留用モジュール46にコネクタ接続されている。このとき、保留回線用コード33dは、CATV回線トレイ12にRガイド部47に沿って収容されている。
【0044】
監視回線トレイ14,15は、監視回線用コード31cと監視回線用コード33b,33cとの接続部分を収容する第4トレイである。監視回線用コード31cと監視回線用コード33b,33cとは、光カプラモジュール55(第2光部品モジュール)、パッチコード56及び光コネクタアダプタ57を介して接続されている。光カプラモジュール55は、監視回線を構成する光カプラが最小単位でモジュール化されている。光カプラは、例えば2×2カプラ及び1×2カプラである。
【0045】
図9に示されるように、監視回線トレイ14の一端側には、光カプラモジュール55が収容されている。光カプラモジュール55は、最大2つの光カプラを有している。光カプラモジュール55は、ポップアップ可能となるように監視回線トレイ14に回動可能に取り付けられている。切替接続を行う場合には、監視回線内に光部品を割り入れる作業を伴う。このため、監視回線トレイ14の他端側には、必要に応じて増設できるように空スペースが設けられている。監視回線トレイ14の中央部には、Rガイド部58が設けられている。
【0046】
監視回線トレイ14の両端部の手前側には、監視回線用コード31cが導入される導入部59(第3導入部)が設けられている。監視回線トレイ14の両端部の奥側には、パッチコード56が導出される導出部60がそれぞれ設けられている。
【0047】
図10及び図11に示されるように、監視回線トレイ15の中央部には、複数組の光コンクタをそれぞれ接続可能な3つの光コネクタアダプタ57が直列に並んで収容されている。監視回線トレイ15の両端部には、Rガイド部61がそれぞれ設けられている。監視回線トレイ15の両端部の手前側には、監視回線用コード33b,33c及びパッチコード56が導入される導入部62(第3導入部)が設けられている。
【0048】
光コネクタアダプタ57には、監視回線用コード33b,33c及びパッチコード56がコネクタ接続される。光コネクタアダプタ57は、通常はフタ63で覆われている。フタ63は、監視回線トレイ15に回動可能に取り付けられている。監視回線トレイ15の底板には、光コネクタアダプタ57を押し出して取り出すための3つの穴64が設けられている。従って、光コネクタアダプタ57に対する光コネクタの挿抜を容易に行うことができる。
【0049】
図12に示されるように、監視回線用コード31cは、分岐トレイ11から監視回線トレイ14に導かれ、光カプラモジュール55にコネクタ接続されている。このとき、監視回線用コード31cは、監視回線トレイ14にRガイド部58に沿って収容されている。また、監視回線トレイ14には、光カプラモジュール55にコネクタ接続されたパッチコード56がRガイド部58に沿って収容されている。パッチコード56は、監視回線トレイ14から監視回線トレイ15に導かれ、光コネクタアダプタ57にコネクタ接続されている。このとき、パッチコード56は、監視回線トレイ15にRガイド部61に沿って収容されている。
【0050】
監視回線用コード33b,33cは、分岐トレイ11から監視回線トレイ15に導かれ、光コネクタアダプタ57にコネクタ接続されている。このとき、監視回線用コード33b,33cは、監視回線トレイ15にRガイド部61に沿って収容されている。監視回線用コード33b,33c同士は、光コネクタアダプタ57を介してカスケード接続されている。
【0051】
FTTH回線トレイ16は、FTTH回線用コード31dとFTTH専用コード66との接続部分を収容する第5トレイである。FTTH回線用コード31dとFTTH専用コード66とは、光コネクタアダプタ67を介して接続されている。FTTH専用コード66は、FTTH用の分岐部32と接続されたFTTH専用の光ファイバコードである。
【0052】
図13に示されるように、FTTH回線トレイ16の中央部には、光コネクタアダプタ67が収容されている。光コネクタアダプタ67には、FTTH回線用コード31dとFTTH専用コード66とがコネクタ接続されている。光コネクタアダプタ67は、通常はフタ68で覆われている。FTTH回線トレイ16の両端部には、Rガイド部69がそれぞれ設けられている。FTTH回線トレイ16の両端部の手前側には、FTTH回線用コード31d及びFTTH専用コード66が導入される導入部70(第3導入部)が設けられている。
【0053】
図14に示されるように、FTTH回線用コード31d及びFTTH専用コード66は、分岐トレイ11からFTTH回線トレイ16に導かれ、光コネクタアダプタ67にコネクタ接続されている。このとき、FTTH回線用コード31d及びFTTH専用コード66は、FTTH回線トレイ16にRガイド部69に沿って収容されている。
【0054】
以上のようなクロージャ1を現地に設置したときは、光ケーブル2の被覆を除去して露出された光ファイバテープ心線3と内部ファイバテープ心線23とを融着接続すると共に、光ケーブル4の被覆を除去して露出された光ファイバテープ心線5と内部ファイバテープ心線24とを融着接続する。つまり、クロージャ1の設置時には、テープ接続トレイ10においてのみ作業が行われることになる。その後、加入者の数が一定の水準を超えたときは、CATV回線トレイ12,13及び監視回線トレイ14,15において切替接続が実施される。
【0055】
以上のように本実施形態にあっては、複数のファイバコード31のうちのCATV回線用コード31a,31bと複数のファイバコード33のうちのCATV回線用コード33aとの接続部分は、CATV回線トレイ12,13に収容されている。複数のファイバコード31のうちの監視回線用コード31cと複数のファイバコード33のうちの監視回線用コード33b,33cとの接続部分は、監視回線トレイ14,15に収容されている。複数のファイバコード31のうちのFTTH回線用コード31dとFTTH専用コード66との接続部分は、FTTH回線トレイ16に収容されている。このようにCATV回線、監視回線及びFTTH回線は、回線種別毎に異なるトレイに分離して収容されている。これにより、回線の識別性が高くなるため、回線の切替接続作業が行いやすくなる。
【0056】
また、本実施形態では、トレイユニット7は、支持体6に手前側に引き出し可能に支持されており、テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、CATV回線トレイ12,13、監視回線トレイ14,15及びFTTH回線トレイ16は、上下方向に回動可能である。このため、例えば引き出し式のトレイを使用する場合と異なり、内部ファイバテープ心線23,24及びファイバコード31,33が手前側に引っ張られることがない。従って、異なるトレイ間における内部ファイバテープ心線23,24及びファイバコード31,33の引き連れが防止される。
【0057】
また、本実施形態では、テープ接続トレイ10がトレイユニット7の最上段に配置されているので、広い作業空間が確保される。従って、クロージャ1の設置時の接続作業が行いやすくなる。また、内部ファイバテープ心線23,24とファイバコード31,33とが交錯することがない。
【0058】
また、本実施形態では、テープ接続トレイ10の手前側には、光ファイバテープ心線3,5が導入される導入部25,26がそれぞれ設けられ、テープ接続トレイ10の奥側には、内部ファイバテープ心線23,24が導入される導入部27,28がそれぞれ設けられている。分岐トレイ11の手前側には、内部ファイバテープ心線23,24が導出される導出部39,40がそれぞれ設けられ、分岐トレイ11の奥側には、ファイバコード31,33が導出される導出部41が設けられている。このような構成により、テープ接続トレイ10及び分岐トレイ11において、異なる種類の光ファイバが混在して輻輳することが防止される。
【0059】
また、本実施形態では、トレイユニット7は7段構造であるので、CATV回線、監視回線及びFTTH回線を使用形態に応じて適切に配線することができる。
【0060】
また、本実施形態では、CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード32aとは、光カプラモジュール43及び光スプリッタモジュール45を介して接続され、光カプラモジュール43はCATV回線トレイ12に収容され、光スプリッタモジュール45はCATV回線トレイ13に収容されている。監視回線用コード31cと監視回線用コード33b,33cとは、光カプラモジュール55及び光コネクタアダプタ57を介して接続され、光カプラモジュール55は監視回線トレイ14に収容され、光コネクタアダプタ57は監視回線トレイ15に収容されている。このような構成により、CATV回線及び監視回線を必要な数だけ効率良く配線することができる。また、FTTH回線は、CATV回線及び監視回線に比べて接続切替作業を行う頻度が低い。従って、FTTH回線トレイ16をトレイユニット7の最下段に配置するのが妥当である。
【0061】
なお、上記の第1実施形態では、CATV回線トレイ13の一端側に、光スプリッタを有する光スプリッタモジュール45が収容されているが、特にその形態には限られず、例えば1×2カプラを有する光カプラモジュールがCATV回線トレイ13の両端側に収容されていてもよい。なお、1×2カプラを有する光カプラモジュールは、2×2カプラを有する光カプラモジュール43とは構成が異なっている。
【0062】
また、上記の第1実施形態では、CATV回線トレイ12,13は、トレイユニット7の上から3段目及び4段目に配置され、監視回線トレイ14,15は、トレイユニット7の上から5段目及び6段目に配置されているが、特にその形態には限られず、トレイユニット7の上から3段目及び4段目に監視回線トレイ14,15が配置され、トレイユニット7の上から5段目及び6段目にCATV回線トレイ12,13が配置されていてもよい。
【0063】
図15は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバ接続用クロージャを示す略正面図である。図15において、本実施形態のクロージャ1は、上記の第1実施形態におけるトレイユニット7に代えて、トレイユニット77を備えている。
【0064】
トレイユニット77は、図16にも示されるように、テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、CATV回線トレイ78、監視回線トレイ14,15、FTTH回線トレイ16及び保留トレイ79からなるトレイ群80を有している。
【0065】
CATV回線トレイ78は、トレイユニット77の上から3段目に配置されている。監視回線トレイ14,15は、トレイユニット77の上から4段目及び5段目に配置されている。FTTH回線トレイ16は、トレイユニット77の上から6段目に配置されている。保留トレイ79は、トレイユニット77の最下段に配置されている。テープ接続トレイ10、分岐トレイ11、監視回線トレイ14,15及びFTTH回線トレイ16については、上記の第1実施形態と同様である。
【0066】
CATV回線トレイ78は、CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード33aとの接続部分を収容する第3トレイである。CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード33aとは、光スプリッタ81(光部品)を介して接続されている。光スプリッタ81は、例えば1×8スプリッタである。光スプリッタ81の入力部81a(図18参照)は、CATV回線用コード31a,31bと融着接続されている。光スプリッタ81の入力部81aは、光スプリッタ81の入力側の光ファイバである。光スプリッタ81の出力部81b(図18参照)は、CATV回線用コード33aと融着接続されている。光スプリッタ81の出力部81bは、光スプリッタ81の出力側の光ファイバである。
【0067】
図17に示されるように、CATV回線トレイ78の中央部には、光スプリッタ81を固定するスプリッタ固定部82が設けられている。スプリッタ固定部82は、例えば3列構造を有している。CATV回線トレイ78の一端側には、CATV回線用コード31a,31bと光スプリッタ81の入力部81aとの融着接続部83(図18参照)を固定する融着固定部84が設けられている。CATV回線トレイ78の他端側には、CATV回線用コード33aと光スプリッタ81の出力部81bとの融着接続部85(図18参照)を固定する融着固定部86が設けられている。融着固定部84,86は、例えば4列2段構造を有している。また、CATV回線トレイ78の中央部には、Rガイド部87がスプリッタ固定部82に隣接して設けられている。CATV回線トレイ78の両端部には、Rガイド部88が融着固定部84,86に隣接してそれぞれ設けられている。
【0068】
CATV回線トレイ78には、補助トレイ90が開閉可能に連結されている。補助トレイ90が閉じた状態では、Rガイド部87が補助トレイ90に覆われる(図15参照)。補助トレイ90には、伝送トラフィック増大時の負荷分散を目的として使用される予備の光スプリッタの入力側及び出力側の光ファイバが収容されている。
【0069】
CATV回線トレイ78の一端部の手前側には、CATV回線用コード31a,31bが導入される導入部91(第3導入部)が設けられている。CATV回線トレイ78の他端部の手前側には、CATV回線用コード33aが導入される導入部92(第3導入部)が設けられている。
【0070】
保留トレイ79は、保留回線用コード33dを収容する第6トレイである。保留トレイ79の一端側には、空の保留用モジュール93が収容されている。保留用モジュール93には、保留回線用コード33dがコネクタ接続されている。保留トレイ79の中央部には、Rガイド部94が設けられている。保留トレイ79の両端部の手前側には、保留回線用コード33dが導入される導入部95(図18参照)が設けられている。
【0071】
図18に示されるように、CATV回線用コード31a,31bは、分岐トレイ11からCATV回線トレイ78に導かれ、光スプリッタ81の入力部81aと融着接続されている。このとき、CATV回線用コード31a,31b及び光スプリッタ81の入力部81aは、CATV回線トレイ78にRガイド部88に沿って収容されている。CATV回線用コード33aは、分岐トレイ11からCATV回線トレイ78に導かれ、光スプリッタ81の出力部81bと融着接続されている。このとき、CATV回線用コード33aは、CATV回線トレイ78にRガイド部88に沿って収容され、光スプリッタ81の出力部81bは、CATV回線トレイ78にRガイド部87に沿って収容されている。
【0072】
また、保留回線用コード33dは、分岐トレイ11から保留トレイ79に導かれ、保留用モジュール93にコネクタ接続されている。このとき、保留回線用コード33dは、CATV回線トレイ78にRガイド部94に沿って収容されている。
【0073】
以上のように本実施形態においても、CATV回線、監視回線及びFTTH回線は、回線種別毎に異なるトレイに分離して収容されている。これにより、回線の識別性が高くなるため、回線の切替接続作業が行いやすくなる。
【0074】
また、本実施形態では、CATV回線用コード31a,31bとCATV回線用コード33aとは、光スプリッタ81を介して接続され、監視回線用コード31cと監視回線用コード33b,33cとは、光カプラモジュール55及び光コネクタアダプタ57を介して接続されている。このような構成により、CATV回線及び監視回線を必要な数だけ効率良く配線することができる。また、保留回線用コード33dは設置当初は通常使用されないため、保留トレイ79をトレイユニット77の最下段に配置するのが好ましい。
【0075】
また、本実施形態では、CATV回線用コード31a,31bと光スプリッタ81の入力部81aとは融着接続され、CATV回線用コード33aと光スプリッタ81の出力部81bとは融着接続されている。このような構成により、クロージャ1内のCATV回線を伝送する際のロスが低下するため、信号到達距離を改善する(より長くする)ことができる。
【0076】
なお、上記の第2実施形態では、CATV回線トレイ78は、トレイユニット77の上から3段目に配置され、監視回線トレイ14,15は、トレイユニット77の上から4段目及び5段目に配置されているが、特にその形態には限られず、トレイユニット77の上から3段目及び4段目に監視回線トレイ14,15が配置され、トレイユニット77の上から5段目にCATV回線トレイ78が配置されていてもよい。
【0077】
本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、トレイユニットの段数は7段であるが、特にその形態には限られず、トレイユニットがテープ接続トレイ、分岐トレイ、CATV回線トレイ、監視回線トレイ及びFTTH回線トレイを有していれば、トレイユニットの段数としては、5段または6段でもよいし、或いは8段以上であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…クロージャ(光ファイバ接続用クロージャ)、2…光ケーブル(第1光ケーブル)、3…光ファイバテープ心線(第1光ファイバテープ心線)、4…光ケーブル(第2光ケーブル)、5…光ファイバテープ心線(第2光ファイバテープ心線)、6…支持体、7…トレイユニット、10…テープ接続トレイ(第1トレイ)、11…分岐トレイ(第2トレイ)、12…CATV回線トレイ(第3トレイ)、13…CATV回線トレイ(第3トレイ)、14…監視回線トレイ(第4トレイ)、15…監視回線トレイ(第4トレイ)、16…FTTH回線トレイ(第5トレイ)、23…内部ファイバテープ心線(第1内部ファイバテープ心線)、24…内部ファイバテープ心線(第2内部ファイバテープ心線)、25,26…導入部(第1導入部)、27,28…導入部(第2導入部)、31…ファイバコード(第1ファイバコード)、31a,31b…CATV回線用コード(第1CATV回線用コード)、31c…監視回線用コード(第1監視回線用コード)、31d…FTTH回線用コード、32…分岐部(第1分岐部)、33…ファイバコード(第2ファイバコード)、33a…CATV回線用コード(第2CATV回線用コード)、33b,33c…監視回線用コード(第2監視回線用コード)、33d…保留回線用コード、34…分岐部(第2分岐部)、39,40…導出部(第1導出部)、41…導出部(第2導出部)、43…光カプラモジュール(第1光部品モジュール)、45…光スプリッタモジュール(第1光部品モジュール)、48,49…導入部(第3導入部)、52,53…導入部(第3導入部)、55…光カプラモジュール(第2光部品モジュール)、57…光コネクタアダプタ、59…導入部(第3導入部)、62…導入部(第3導入部)、70…導入部(第3導入部)、77…トレイユニット、78…CATV回線トレイ(第3トレイ)、79…保留トレイ(第6トレイ)、81…光スプリッタ(光部品)、81a…入力部、81b…出力部、91,92…導入部(第3導入部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18