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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】建物の止水構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/64 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
E04B1/64 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017154406
(22)【出願日】2017-08-09
(65)【公開番号】P2019031863
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】森下 俊直
【審査官】新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-324140(JP,A)
【文献】特開2016-166490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/64
E04B 1/68 - 1/684
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚物の中実に形成されて周囲が止水処理され、建物の外壁を構成する外壁材と、
基礎に取り付けられて該基礎の屋外側に突出された横板により前記外壁材の下面屋内側を前記基礎に支持する支持部材と、
前記支持部材の前記横板と前記外壁材の下面との間に介在されるロッキングスペーサと、
水切り面が前記外壁材の屋外側表面と前記ロッキングスペーサとの間の位置において前記外壁材の下面に近接されて前記基礎の屋外側に配置された水切り部材と、
を備えた建物の止水構造。
【請求項2】
隣接する前記外壁材の間の目地には、該目地から屋内側への浸水を阻止する不定形の第1の止水部材が充填され、
前記水切り部材は、前記水切り面が前記第1の止水部材よりも屋内側において、前記外壁材の下面に近接されて、水平方向において前記隣接する前記外壁材に跨って配置されている請求項1に記載の建物の止水構造。
【請求項3】
前記目地において、前記第1の止水部材よりも屋内側に第2の止水部材が装着され、
前記水切り部材は、前記水切り面が前記第2の止水部材よりも屋内側において、前記外壁材の下面に近接されている請求項2に記載の建物の止水構造。
【請求項4】
前記第2の止水部材は、定形の止水材料であり、前記第1の止水部材のバックアップ材として用いられている請求項3に記載の建物の止水構造。
【請求項5】
上下に隣接する前記外壁材の間の横目地には、前記第1の止水部材と前記第2の止水部材との間に、前記外壁材との間に隙間を形成するバックアップ部材が装着されている請求項3に記載の建物の止水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の止水構造に係り、ALCパネルなどの内部に中空部を有しない厚物の外壁材が用いられた建物の止水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の建物の止水構造では、各々が外壁面材の幅方向に長尺とされた縦板部と横板部とによりL状に形成された壁支持部材が設けられており、外壁面材の下端面が壁支持部材の横板部に当接されて、外壁面材が壁支持部材に支持されている。また、外壁面材と壁支持部材との間には、止水役物としての止水部材が配置されており、止水部材には、外壁面材の下側に水切部材が取り付けられている。
【0003】
ここで、外壁面材には、中空部が形成されており、水切り部材には、中空部の下方に設けられた下面板部に排水孔が形成されている。これにより、特許文献1の建物の止水構造では、外壁面材の中空部に浸入して、中空部を流下した水が下面板部の排水孔に導かれることで、排水孔から排水されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-094142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建物の外壁を形成する外壁材には、厚物と呼ばれる(厚さが75mm以上)の外壁材がある。厚物の外壁材は、厚さが75mm以上であり、厚物の外壁材には、厚さが100mm以上のALCパネル(外壁用ALCパネル)などがある。ALCパネルは、ALC(軽量気泡コンクリート)が外壁用として設計及び補強されており、軽量で断熱性、耐火性に優れている。また、ALCパネルには、中空部が形成されていない所謂中実とされており、ALCパネルは、内部への雨水等の浸入を防止する止水処理がなされて用いられる。
【0006】
一方、ALCパネルの支持には、ロッキングスペーサ(ロッキングプレートともいう)が用いられており、ALCパネルは、下面にロッキングスペーサが直接当接されて、このロッキングスペーサを介して下面が幅方向の1箇所で支持される。このため、ALCパネルなどの外壁材では、下端部から屋内側への雨水等の浸入を阻止するための止水役物を、ALCパネルの幅方向の全域に渡って設けるのが難しくなっている。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、厚物の外壁材の支持及び止水が容易な建物の止水構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、周囲が止水処理され、建物の外壁を構成する厚物の外壁材と、前記外壁材の下面屋内側を基礎に支持する支持部材と、前記支持部材と前記外壁材の下面との間に介在されるロッキングスペーサと、前記外壁材の下面の下側に配置されて、水切り面が前記外壁材の屋外側表面と前記ロッキングスペーサとの間の位置において前記外壁材の下面に近接して配置された水切り部材と、を備えている。
【0009】
本態様における厚物の外壁材は、厚さが所定以上(少なくとも75mm以上、好ましくは、100mm以上)であり、少なくとも屋内側を除く全面(屋外側の面、上端面、下端面及び両側の側面)が止水処理されて用いられる。このような厚物の外壁材としては、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete:軽量気泡コンクリート)などの内部に雨水等が通る中空部(中空層)を有していない所謂中実の外壁材を適用できる。
【0010】
第1の態様では、厚物の外壁材の下面の屋内側と支持部材との間にロッキングスペーサが介在され、支持部材がロッキングスペーサを介して外壁材の下面屋内側を基礎に支持する。ロッキングスペーサを用いて、厚物の外壁材の下面を幅方向の1箇所において支持することで、外壁材の耐震性向上が図られている。
【0011】
また、外壁材の下面の下側には、水切り部材が設けられており、水切り部材の水切り面が、外壁材の屋外側表面とロッキングスペーサとの間において外壁材の下面に近接されている。このため、外壁材の屋外側表面に沿って流れ落ちる雨水等を屋外側に排水でき、外壁材の支持及び止水を容易にできる。
【0012】
第2の態様は、第1の態様において、隣接する前記外壁材の間の目地には、該目地から屋内側への浸水を阻止する不定形の第1の止水部材が充填され、前記水切り部材は、前記水切り面が前記第1の止水部材よりも屋内側において、前記外壁材の下面に近接されて、水平方向において前記隣接する前記外壁材に跨って配置されている。
【0013】
第2の態様では、隣接する外壁材の間の目地に不定形の第1の止水部材が充填されて、第1の止水部材により外壁材の間の目地から屋内側に雨水等が浸入するのを阻止(止水)している。また、水切り部材は、水切り面が第1の止水部材の屋内側において外壁材の下面に近接されている。これにより、第1の止水部材により止水されて目地を伝って流れ落ちる雨水等を、水切り部材により屋外側に排水できる。
【0014】
第3の態様は、第2の態様において、前記目地において、前記第1の止水部材よりも屋内側に第2の止水部材が装着され、前記水切り部材は、前記水切り面が前記第2の止水部材よりも屋内側において、前記外壁材の下面に近接されている。
【0015】
第3の態様では、第1の止水部材の屋内側に第2の止水部材を設けている。これにより、外壁材の間の止水構造を二重にできて、第1の止水部材により止水が抑制できない状態となった場合でも、第2の止水部材により止水できる。
【0016】
また、水切り部材は、水切り面が第2の止水部材の屋内側において外壁材の下面に近接されている。これにより、第2の止水部材によって屋内側への浸入が阻止されて目地を伝って流れ落ちる雨水等を水切り部材より屋外側に排水できる。
【0017】
第4の態様は、第3の態様において、前記第2の止水部材は、定形の止水材料であり、前記第1の止水部材のバックアップ材として用いられている。
【0018】
第4の態様では、第2の止水部材として定形の止水材料が用いられており、第2の止水部材を不定形の第1の止水材料のバックアップ材として用いることができる。これにより、第1の止水部材として用いるシーリング材等の不定形の止水材料の目地への充填が容易になると共に、建物に生じた揺れによって目地の隙間が変化しても、第1の止水部材による止水性を維持できる。
【0019】
第5の態様は、第3の態様において、上下に隣接する前記外壁材の間の横目地には、前記第1の止水部材と前記第2の止水部材との間に、前記外壁材との間に隙間を形成するバックアップ部材が装着されている。
【0020】
第5の態様では、外壁材の間の目地のうちで上下に隣接する外壁材の間の横目地において、第1の止水部材と第2の止水部材との間に、第1の止水部材のバックアップ材としてのバックアップ部材が装着されている。また、定形のバックアップ部材は、横目地において第1の止水部材と第2の止水部材との間に隙間を形成している。
【0021】
このため、不定形の止水材料を用いた第1の止水部材の横目地への充填が容易になり、止水処理のためのコスト上昇を抑制できる。また、横目地において雨水等が第1の止水部材から屋内側に浸入しても、浸入した雨水等を横目地から縦目地に流して排水できる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように第1の態様によれば、厚物の外壁材の支持及び止水を容易にできる、という効果が得られる。
【0023】
第2の態様によれば、第1の止水部材により止水されて目地を伝って流れ落ちる雨水等を水切り部材の水切り面によって屋外側に排水できて、外壁材の屋内側に回り込むのを阻止できる、という効果が得られる。
【0024】
第3の態様によれば、第1の止水部材及び第2の止水部材により二重の止水構造にできて、雨水等が第1の止水部材を越えても第2の止水部材によって外壁材の屋内側への浸入を阻止できると共に、目地を伝って流れ落ちる雨水等を水切り部材の水切り面により屋外側に排水できる、という効果が得られる。
【0025】
第4の態様によれば、第1の止水部材の目地への充填が容易になると共に、目地の隙間が変化しても、第1の止水部材により確実に止水できる。
【0026】
第5の態様によれば、横目地において雨水等が第1の止水部材を越えて第1の止水部材の屋内側に浸入しても、浸入した雨水等を縦目地に流して、縦目地から屋外側に排水できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施の形態に係る建物の主要部の断面図である。
図2図1における主要部を拡大した断面図である。
図3】外壁部の主要部を示す上下方向に沿う断面図である。
図4】(A)は、図3の4A-4A線に沿う断面図、(B)は、図3の4B-4B線に沿う断面図である。
図5】本実施の形態に係るブラケットの主要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態の一例を説明する。
図1には、本実施の形態に係る建物10の主要部が断面図にて示されている。本実施の形態に係る建物10は、躯体が鉄骨軸組構造とされている。なお、建物10は、鉄骨軸組構造に限らず、各々が鉄骨によって枠組みされた複数の建物用ユニットを縦横に配列して鉄骨ラーメン構造の躯体が形成されたユニット式の建物(ユニット住宅)であってもよい。また、建物10は、躯体が鉄骨軸組構造及び鉄骨ラーメン構造以外の構造であってもよい。
【0029】
建物10の周囲には、外壁としての外壁部12が形成されており、建物10は、周囲が外壁部12により囲われている。図1では、建物10における外壁部12の下部が示されている。建物10には、外壁部12の下側部分にコンクリート製の基礎(土台)14が形成されており、基礎14は、長手方向が外壁部12に沿って形成されている。基礎14の上面には、支持部材を構成する矩形平板状(又は矩形ブロック状)の基礎上プレート16が取り付けられている。基礎上プレート16は、中央部に貫通孔16Aが形成されていると共に、貫通孔16Aを挟んだ両側(基礎14の幅方向の両側)に図示しないボルト孔が貫通形成されている。
【0030】
基礎14の上面には、長手方向(建物10において外壁部12に沿う方向)に所定の間隔でアンカーボルト18が立設されている。基礎上プレート16は、貫通孔16Aにアンカーボルト18が挿入されると共に、ボルト孔が屋内側及び屋内側とされて基礎14上に配置されており、基礎上プレート16は、アンカーボルト18に螺合されたナット18A(ダブルナット)よって基礎14上に締結固定されている。
【0031】
建物10の床下には、長尺平板状の床支持プレート20が配置されている。床支持プレート20は、複数の基礎上プレート16の間に架け渡され、アンカーボルト18の屋内側のボルト孔に螺合されたボルト20Aによって基礎上プレート16上面に締結固定されている。また、建物10には、床下地としてALC(床用の軽量気泡コンクリート)床22が用いられており、ALC床22が床支持プレート20上に敷設されている。ALC床22上には、ポリエチレンフォーム等を用いた床下断熱材24が敷き詰められ、床下断熱材24上には、パーティクルボード等を用いた床下地材26が敷設されている。床下断熱材24及び床下地材26は、ALC床22から屋外側(アンカーボルト18より屋外側)に突出されており、基礎14と基礎14上に突出された床下断熱材24との間には、断熱材24Aが詰められている。また、床下地材26上には、床仕上げ材28が敷き詰められ、居室36の床が形成されている。
【0032】
外壁部12側の床下地材26上には、内壁下地30の下枠(ライナ)30Aが取り付けられており、内壁下地30は、下枠30A、天井側の上枠(図示省略)及び複数の縦枠(スタッド)30Bにより形成されている。内壁下地30の屋内側には、石膏ボード等を用いた内壁下地材32が取り付けられており、内壁下地材32の屋内側に床仕上げ材28が敷かれている。また、内壁下地材32の屋内側の面には、クロスなどの壁仕上げ材(図示省略)が取り付けられ、壁仕上げ材の下端部(床仕上げ材28側)に巾木34が取り付けられて、居室36の内装(内壁)が仕上げられている。また、内壁下地30の屋外側(内壁下地材32とは反対側)には、硬質発泡ウレタンフォーム等の発泡プラスチック系断熱材料、又はグラスウール等の繊維系断熱材料などを用いた壁用断熱材38が取り付けられている。
【0033】
一方、建物10の外壁部12には、厚物の外壁材(厚形外壁材)としてのALCパネル40が用いられている。ALCパネル40は、軽量気泡コンクリート(ALC)が外壁材として補強材により補強されると共に、表面処理されて仕上げられている(裏面を除く全面が止水処理されて仕上げられている)。ALCパネル40は、内部に中空層(中空部)が形成されていない所謂中実かつ厚物の外壁材とされている。図2には、外壁部12の下部の主要部が拡大図にて示され、図3には、外壁部12の主要部が上下方向に切断した断面図にて示されている。また、図4(A)には、図3の4A-4A線の断面図が示され、図4(B)には、図3の4B-4B線の断面図が示されており、図5には、支持部材の主要部が斜視図にて示されている。
【0034】
ALCパネル40は、所定サイズに形成されており、複数が水平方向及び上下方向に配列されており、ALCパネル40は、所謂ロッキング工法が用いられて建物10に取り付けられている。本実施の形態では、ALCパネル40として厚さが100mmの外壁用厚形が用いられており、ALCパネル40の上下方向の長さが建物10における階高に合わせた長さとされている。また、本実施の形態では、幅方向に隣接するALCパネル40の間に約10mm幅の目地を500mm間隔(目地の中心間の間隔)で形成できるようにALCパネル40の幅が490mmとされている。なお、これらのALCパネル40のサイズは一例を示すものである。
【0035】
図1に示すように、基礎上プレート16には、支持部材を構成するブラケット42が取り付けられており、ブラケット42は、各々が鋼材製とされた取付部44及び支持部46によって構成されている。なお、本実施の形態では、ALCパネル40の幅寸法(詳細には、ALCパネル40の間の目地の間隔)に合わせて、基礎上プレート16の配置間隔(アンカーボルト18の間隔)を500mmとしている。
【0036】
図5に示すように、ブラケット42の取付部44は、矩形平板状の底板48Aの両側に側板48Bが対で立設された略コ字状に形成されている。また、ブラケット42の支持部46は、例えば、所定長さのアングル材が用いられて、長尺平板状の横板50A及び横板50Aの幅方向の一端側から立設された縦板50Bにより略L字形状に形成されている。なお、支持部46の長さは、ALCパネル40の幅寸法(又は目地の間隔)の略1/2とされている。
【0037】
図1及び図5に示すように、ブラケット42は、取付部44の底板48Aと支持部46の横板50Aとが同方向に向けられ、かつ支持部46の縦板50Bにおいて横板50Aとは反対側の面に取付部44が配置されている。また、底板48Aと横板50Aとの間には、横板50Aより底板48Aが突出するように段差が設けられている。ブラケット42は、支持部46の縦板50Bの長手方向の中間位置において横板50Aとは反対側の面に取付部44の側板48Bの各々が溶接等により接合されて、取付部44と支持部46とが一体的にされている。支持部46の縦板50Bには、取付部44の一対の側板48Bの間に貫通孔50Cが形成されている。また、取付部44の底板48Aには、一対の側板48Bの間の中間位置に貫通孔48Cが形成されており、貫通孔48Cは、底板48Aにおいて取付部44とは反対側に偏寄されて穿孔されている。
【0038】
図1に示すように、ブラケット42は、支持部46が屋外側とされると共に、取付部44の底板48A及び支持部46の横板50Aが下側とされて、取付部44の底板48Aが基礎上プレート16上においてアンカーボルト18の屋外側に配置されている。また、ブラケット42は、取付部44の底板48Aに形成された貫通孔48Cに挿入されて基礎上プレート16のボルト孔に螺合されたボルト44Aによって基礎上プレート16上に締結固定されている。これにより、ブラケット42は、基礎14の上側において支持部46の横板50Aが基礎14の屋外側に突出され、かつ支持部46の長手方向が基礎14の長手方向とされて基礎14に固定されている。
【0039】
図1図2及び図5に示すように、ブラケット42には、鋼材製矩形平板状(角座状)のロッキングスペーサ(ロッキングプレート)52が配置されている。ロッキングスペーサ52は、支持部46の長手方向の中間位置(貫通孔50Cの下側)において横板50A上に載置されている。なお、ロッキングスペーサ52は、矩形平板状(角座状)に限らず円板状(丸座状)等であってもよく、ロッキングスペーサ52には、中央部に円孔等の貫通孔が穿孔されていてもよい。
【0040】
図1及び図2に示すように、ALCパネル40は、幅方向の中間位置がロッキングスペーサ52に合わせられて、下面40Aの屋内側がブラケット42の支持部46の横板50A上に載せられている。
【0041】
また、図1に示すように、支持部46の縦板50Bの貫通孔50Cには、座金46Bを介して固定ボルト46Aが挿入されており、固定ボルト46AがALCパネル40に螺合されている。これにより、ALCパネル40は、幅方向の中間部の1箇所(一点)において、ロッキングスペーサ52を介してブラケット42の横板50A上に支持され、基礎14に支持されている。なお、ALCパネル40は、上端側が建物10の図示しない梁に連結されることで、建物10に固定される。また、固定ボルト46Aとしては、ALCパネル40に螺合固定されるものであればよく、オールアンカ、トルコンアンカなどに用いるボルトであってもよい。
【0042】
一方、図3に示すように、互いに隣接して配置されるALCパネル40の間には、目地54が形成される。目地54は、水平方向に隣接するALCパネル40の間で上下方向に延在された縦目地54A、及び上下方向に隣接するALCパネル40の間で横方向(水平方向)に延在された横目地54Bを含んでいる。目地54(縦目地54A及び横目地54B)は、止水処理されており、以下に目地54の止水処理を説明する。
【0043】
図3図4(A)及び図4(B)に示すように、縦目地54A及び横目地54Bには、ALCパネル40の幅方向の中間部となる位置に耐火目地材56が装着されている(詰められている)。耐火目地材56は、横目地54B側が縦目地54A側よりも屋内側(屋外側から見て奥側)に配置されると共に、横目地54Bの上側の縦目地54A側よりも横目地54Bの下側の縦目地54A側が屋内側に配置されている。また、耐火目地材56は、縦目地54Aと横目地54Bとの交差部分において互いに重なるように配置されて、縦目地54A及び横目地54Bの各々においてALCパネル40の間に詰め込まれている。これにより、互いに隣接するALCパネル40の間の隙間(縦目地54A及び横目地54B)が、耐火目地材56によって緊密に閉塞されて、外壁部12が耐火壁とされている。
【0044】
縦目地54Aには、第2の止水部材としてのシールバッカー58が配置されており、シールバッカー58は、定形の止水材料(ガスケット)が用いられ、耐火目地材56の屋外側に装着されている(詰められている)。図4(A)及び図4(B)に示すように、シールバッカー58は、長尺の基体58Aから複数対のリブ58Bが突設されており、リブ58Bは、基体58Aの長手方向に延伸されている。また、シールバッカー58は、基体58A及びリブ58Bの各々が弾性変形可能とされている。
【0045】
シールバッカー58は、基体58Aの長手方向が縦目地54Aの目地方向(溝方向)とされて、ALCパネル40の間(縦目地54A内)に装着されている。これにより、シールバッカー58は、リブ58Bが弾性変形されて縦目地54A内に配置され、リブ58Bが弾性力によってALCパネル40の表面に緊密に接して、縦目地54A内における耐火目地材56の屋外側を止水している。また、縦目地54A内においてシールバッカー58の基体58A及びリブ58Bの表面に水滴(雨水)等が付着した場合に、付着した雨水等が基体58A及びリブ58Bの表面に沿って流下可能とされている。なお、図3に示すように、縦目地54A内において2本のシールバッカー58を繋ぐ場合、下側のシールバッカー58の屋外側に上側のシールバッカー58が重ねられている。これにより、縦目地54A内においてシールバッカー58に沿って流下する水滴等がシールバッカー58の屋内側(耐火目地材56側)に回り込むのを阻止している。
【0046】
図3及び図4(B)に示すように、横目地54Bには、第2の止水部材としてのシールバッカー60が配置されており、シールバッカー60は、定形の止水材料(ガスケット)が用いられ、断面矩形の長尺状かつ弾性変形可能とされている。シールバッカー60は、長手方向が横目地54Bの目地方向(溝方向)とされて、耐火目地材56の屋外側において上下に隣接するALCパネル40の間(横目地54B)に装着されている。シールバッカー60は、弾性変形されて横目地54B内に装着されることで、弾性力によってALCパネル40の表面に緊密に接して、耐火目地材56の屋外側において止水している。
【0047】
また、横目地54Bには、バックアップ部材としての丸バッカー62が配置されており、丸バッカー62には、長尺かつ断面略円形で弾性変形可能なバックアップ材料が用いられている。丸バッカー62は、2本の縦目地54Aの間において横目地54Bに装着されている。横目地54B内では、縦目地54Aの間において、丸バッカー62の外周部分とALCパネル40との間に隙間が形成され、この隙間を伝って雨水等が縦目地54A側に流動可能とされている。
【0048】
図3図4(A)及び図4(B)に示すように、縦目地54A及び横目地54Bには、第1の止水部材としてのシーリング材64が充填されており、シーリング材64には、不定形の止水材料が用いられている。縦目地54Aにおいてシーリング材64は、シールバッカー58がバックアップ部材とされて、シールバッカー58の屋外側に充填されているまた、横目地54Bにおいて、シーリング材64は、丸バッカー62がバックアップ部材とされて、丸バッカー62の屋外側に充填されている。
【0049】
これにより、目地54がシーリング材64によって目地埋めされており、シーリング材64は、ALCパネル40の間において二面接触されて充填されている。また、建物10の外壁部12には、シーリング材64によって目地54(縦目地54A及び横目地54B)への雨水等の浸入を阻止する止水ライン(一次止水ライン)66が形成されている。さらに、外壁部12には、シーリング材64の屋内側に充填されたシールバッカー58、60によって一次止水ライン66の屋内側に止水ライン(二次止水ライン)68が形成されている。本実施の形態では、一次止水ライン66をシーリング材64の屋内側端部とし、二次止水ライン68をシールバッカー58の屋内側端部としている。
【0050】
二次止水ライン68は、一次止水ライン66を越えて浸入した雨水等を、縦目地54Aに設けているシールバッカー58、及び横目地54Bに設けているシールバッカー60によって止水する。また、縦目地54Aのシールバッカー58及び横目地54Bの丸バッカー62は、一次止水ライン66を越えて浸入した雨水等を二次止水ライン68の手前(屋外側)で排出可能とする排水経路を形成している。
【0051】
一方、図1及び図2に示すように、ALCパネル40の下側には、水切り部及び化粧部が構成された水切り部材70が設けられている。水切り部材70は、各々がアルミニウム製とされた水切り本体72及び支持金具74を備えており、支持金具74がブラケット42の支持部46側に配置され、水切り本体72が支持金具74の屋外側に配置されている。
【0052】
ブラケット42の支持部46には、長手方向の両端側において横板50Aの下側に固定金具76が配置されている。図2に示すように、固定金具76は、各々が平板状とされた基部76A及び立下り部76Bにより略L字形状に形成されており、固定金具76は、ブラケット42の支持部46の長手方向の両端側に配置されている。固定金具76は、基部76Aがブラケット42の横板50Aの下面側とされ、基部76Aの屋外側において立下り部76Bが下方に向けられており、固定金具76は、基部76Aが横板50Aの下面に接合されて取り付けられている。
【0053】
水切り部材70の支持金具74は、押出成形により長尺に形成されたものを所定長さに切断して用いられている。支持金具74は、ブラケット42に固定された固定金具76の各々の屋外側に配置されており、支持金具74は、基礎14の長手方向に沿って所定の間隔で複数配置されている。
【0054】
支持金具74には、略平板状の基板部78Aが設けられており、支持金具74は、基板部78Aが上下方向とされて、固定金具76の立下り部76Bの屋外側に配置されている。支持金具74の基板部78Aには、係合凹部を形成する係合部78Bが上下に対で設けられており、係合部78Bが基板部78Aの上部及び下部から屋外側(固定金具76とは反対側)に突出されている。また、係合部78Bの突出先端側には、互いに接近する方向に突出された突部78Cが形成されている。さらに、支持金具74の基板部78Aには、当接部78Dが設けられており、当接部78Dは、基板部78Aから略上方に延設されると共に屋外側に折り曲げられ、折り曲げ先端側(上端側)がさらに上方に向けて折り曲げられている。
【0055】
支持金具74は、ブラケット42の横板50Aよりも屋外側において当接部78Dの先端がALCパネル40の下面40Aに当接されて位置決めされている。また、支持金具74は、当接部78DがALCパネル40の下面40Aに位置決めされた状態で、基板部78Aと固定金具76の立下り部76Bとにスクリューねじなどのねじ74Aが螺合されて固定金具76に締結固定されている。
【0056】
水切り部材70の水切り本体72は、押出成形により長尺に形成されており、水切り本体72には、略平板状の基板部80Aが形成されている。基板部80Aは、一方の面が水切り面80Bとされており、水切り面80Bは化粧面を兼ねている。基板部80Aは、長手方向が基礎14の長手方向とされると共に、幅方向が上下方向とされ、かつ水切り面80Bが屋外側に向けられている。また、水切り本体72の基板部80Aは、ブラケット42に取り付けられた複数の支持金具74の各々の屋外側において、支持金具74の基板部78Aに対向されている。
【0057】
水切り本体72の基板部80Aには、係合凸部を形成する被係合部80Cが上下に対で設けられている。被係合部80Cは、基板部80Aの水切り面80Bとは反対側の面から支持金具74の一対の係合部78Bに向けて突出されていると共に、基板部80Aの長手方向に延伸されている。被係合部80Cの突出先端側には、被係合部80Cが互いに接近する方向に折り曲げられて凹部80Dが形成されている。
【0058】
水切り本体72は、一対の被係合部80Cが、支持金具74の一対の係合部78Bの間に挿入されて、被係合部80Cの凹部80D内に係合部78Bの突部78Cが入り込むことで被係合部80Cが係合部78Bに係合されている。水切り本体72は、被係合部80Cが係合部78Bに係合されることで支持金具74に取り付けられている。水切り本体72の基板部80Aは、支持金具74に取り付けられた状態において、下端の水平位置が基礎14上端の水平位置より下側となる長さとされている。また、水切り本体72は、一対の被係合部80Cを互いに接近する方向に弾性変形させるか或いは一対の係合部78Bを互いに離間する方向に弾性変形させることで、支持金具74との係合が解除される。これにより、水切り本体72が支持金具74から取り外される(着脱可能にされている)。
【0059】
水切り本体72の基板部80Aには、傾斜部80Eが設けられている。傾斜部80Eは、基板部80Aから上方に延設されると共に基板部80Aから離れる(ALCパネル40の下面40Aに接近する)に従って支持金具74の当接部78D(ALCパネル40の下面40Aにおける当接部78Dの当接位置)に接近するように傾斜されている。また、水切り本体72は、支持金具74に取り付けられた状態において、傾斜部80Eの上端(先端)がALCパネル40に形成されている二次止水ライン68よりも屋内側とされている。これにより、水切り本体72では、水切り面80BがALCパネル40に向けて延伸されて、二次止水ライン68よりも屋内側においてALCパネル40の下面40Aに近接されている。
【0060】
水切り本体72には、横基板部82Aが設けられている。横基板部82Aは、基板部80Aの下端近傍から屋内側(支持金具74の下側)に向けて延設されていると共に、基板部80Aの長手方向に延伸されている。また、横基板部82Aの延設先端部は、支持金具74より基礎14側に突出する長さとされており、横基板部82Aの屋内側先端部には、防鼠板取付部82Bが形成されている。防鼠板取付部82Bは、横基板部82Aから上方に突出されると共に、突出先端部が横基板部82Aと略平行とされて屋内側(基礎14)側に折り曲げられており、防鼠板取付部82Bは、横基板部82A(基板部80A)の長手方向に延伸されている。
【0061】
防鼠板取付部82Bの上面には、防鼠板84の屋外側端部が配置されている。防鼠板84は、長尺略平板状に形成されており、長手方向が基礎14(水切り本体72)の長手方向とされている。また、防鼠板84の幅方向の中間部には、段差部84Aが形成されており、防鼠板84は、段差部84Aにおいて略Z字形状に折り曲げられている。
【0062】
防鼠板84は、段差部84Aの下側が横基板部82Aの屋内側先端部上面に当接されると共に、段差部84Aの上側(屋外側)が防鼠板取付部82Bの上面に載せられ、スクリューねじ等のねじ(図示省略)によって防鼠板取付部82Bに締結固定されている。また、防鼠板84は、段差部84Aから屋内側に延伸され、延伸先端が基礎14の上面近傍に配置されている。
【0063】
これにより、屋外側から見たALCパネル40と基礎14との間が、基板部80A(水切り面80B)により閉じられている(隠されている)。また、地面側から見て水切り本体72の基板部80Aと基礎14との間の隙間が、横基板部82A及び防鼠板84により閉じられて、床下への鼠等の小動物の侵入が防止されている。なお、水切り本体72の横基板部82Aには、基板部80Aと防鼠板取付部82Bとの間に複数の水抜き孔82Cが穿孔されており、水抜き孔82Cよって換気、及び結露等により水切り本体72の表面に付着した水滴等の排出が可能とされている。また、防鼠板84には、複数の通気孔(図示省略)が穿孔されており、通気孔によって換気が可能とされている。
【0064】
このように構成されている建物10では、基礎14に基礎上プレート16が取り付けられており、この基礎上プレート16には、ブラケット42が取り付けられている。ブラケット42には、支持部46が設けられて、支持部46の横板50A上にロッキングスペーサ52が配置されている。ALCパネル40は、下面40Aが支持部46の横板50A上に載置される。これにより、ALCパネル40は、下面40Aがロッキングスペーサ52によって幅方向中間位置の1箇所(略一点)で支持されて、基礎14に支持されている。
【0065】
ところで、外壁部12では、互いに隣接するALCパネル40の間の目地54に耐火目地材56が装着されている。また、目地54の縦目地54Aには、シールバッカー58が装着されると共に、シールバッカー58がバックアップ材とされてシーリング材64が充填されている。目地54の横目地54Bには、シールバッカー60が装着されると共に、丸バッカー62が装着されて、丸バッカー62がバックアップ部材とされてシーリング材64が充填されている。
【0066】
これにより、シーリング材64の充填が容易となっていると共に、シーリング材64を二面接触で目地54に充填できる。また、ALCパネル40が振動するなどして目地54の幅(ALCパネル40の間隔)が変化しても、シーリング材64によって目地54を止水できて、一次止水ライン66(シーリング材64)によって止水して、止水した雨水等を、一次止水ライン66(シーリング材64表面)を伝って流下させることができる。
【0067】
建物10の外壁部12には、シールバッカー58、60によって一次止水ライン66の屋内側に二次止水ライン68が形成されている。このため、仮にシーリング材64の止水性能が低下してシーリング材64の屋内側に雨水等が浸み込んでも、浸み込んだ雨水等をシールバッカー58、60によって止水できる。
【0068】
さらに、縦目地54Aでは、シールバッカー58によって止水された雨水等がシールバッカー58の表面を伝って流れ落ちる。また、横目地54Bでは、シールバッカー60によって止水された雨水等が丸バッカー62の周囲に形成された隙間を伝って縦目地54Aへ向けて流れる。このため、シールバッカー58、60によって止水された雨水等が、縦目地54Aのシールバッカー58の表面(二次止水ライン68)を伝って縦目地54A内を流れ落ちる。
【0069】
一方、ALCパネル40の下側には、水切り部材70が配置されており、水切り部材70の水切り本体72(基板部80A及び傾斜部80E)によってALCパネル40の下端と基礎14との間の隙間が隠されている。また、基板部80Aには、水切り面80Bが設けられており、水切り面80Bが屋外側に向けられており、水切り本体72は、化粧面としての水切り面80Bによって美観が向上されている。
【0070】
水切り部材70には、基板部80Aの上端から傾斜部80Eが延設されて、水切り面80Bが延伸されている。また、傾斜部80Eの先端(上端)が目地54に形成された一次止水ライン66及び二次止水ライン68の何れよりも屋内側においてALCパネル40の下面40Aに近接されて、水切り面80Bが二次止水ライン68の何れよりも屋内側においてALCパネル40の下面40Aに近接されている。このため、ALCパネル40の表面(屋外側の表面)を流れ落ちた雨水等は、ALCパネル40の下端から直接落下するか水切り本体72の水切り面80Bを伝って流れ落ちる。これにより、ALCパネル40の表面に付着した雨水等を屋外側に排水できる。
【0071】
また、目地54のシーリング材64によって止水された雨水等は、縦目地54Aのシーリング材64(一次止水ライン66)を伝って流れ落ちる。このため、ALCパネル40の目地54(縦目地54A)を流れ落ちた雨水等は、水切り本体72の水切り面80Bに流れ落ち、ALCパネル40の目地54に付着した雨水等を屋外側に排水できる。
【0072】
さらに、縦目地54Aにおいて雨水等がシーリング材64を越えた場合、この雨水等がシールバッカー58によって止水されて、シールバッカー58(二次止水ライン68)を伝って縦目地54A内を流れ落ちる。また、横目地54Bにおいて雨水等がシーリング材64を越えた場合、この雨水等がシールバッカー60によって止水されて、丸バッカー62の周囲を伝って横目地54B内を流れると共に、シールバッカー58(二次止水ライン68)を伝って縦目地54A内を流れ落ちる。
【0073】
ここで、水切り本体72の水切り面80Bは、二次止水ライン68より屋内側においてALCパネル40の下面40Aに近接され、下側にいくに従って屋外側となるように傾斜されている。このため、二次止水ライン68に沿って目地54(縦目地54A)内を流れ落ちた雨水等は、水切り本体72の水切り面80Bを伝って流れ落ちるので、シーリング材64の止水性能が低下しても、ALCパネル40の目地54に付着した雨水等を確実に止水して屋外側に排出できる。
【0074】
このように、ALCパネル40により形成された外壁部12は、目地54に形成された一次止水ライン66により止水できると共に、一次止水ライン66で止水できないという事態が生じた場合でも、二次止水ライン68によって確実に止水できる。また、一次止水ライン66又は二次止水ライン68によって止水された雨水等は、水切り部材70の水切り本体72の水切り面80Bによって基礎14の屋外側に排水できるので、雨水等が基礎14の屋内側に回り込んでしまうのを確実に防止できる。
【0075】
また、ALCパネル40により形成される外壁部12の目地54にシーリング材64及びシールバッカー58、60を充填すると共に、水切り本体72の上方から延伸された水切り面80Bを、シールバッカー58、60により形成される二次止水ライン68よりも屋内側においてALCパネル40の下面40Aに近接させることができる。これにより、簡単な構成で、外壁部12を止水できると共に、外壁部12の止水の施工を容易にできて、止水のための施工コストを抑制できる。
【0076】
なお、以上説明した本実施の形態では、厚物の外壁材としてALCパネル40を適用した。しかしながら、本発明に適用される外壁材は、所謂厚物の外壁材において、内部に雨水等が浸入する中空部が形成されておらず、かつ周囲(少なくとも屋内側を除く全周)が止水処理され、内部への雨水等の浸入が阻止されている外壁材であればよい。
【符号の説明】
【0077】
10 建物
12 外壁部
14 基礎
16 基礎上プレート
40 ALCパネル(外壁材)
42 ブラケット(支持部材)
44 取付部
46 支持部(支持部材)
50A 横板
52 ロッキングスペーサ
54 目地
54A 縦目地
54B 横目地
56 耐火目地材
58、60 シールバッカー(第2の止水部材)
62 丸バッカー(バックアップ部材)
64 シーリング材(第1の止水部材)
66 一次止水ライン
68 二次止水ライン
70 水切り部材(水切り部)
72 水切り本体
74 支持金具
80A 基板部
80B 水切り面
80E 傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5