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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】固体粒子を分離する加速サイクロン
(51)【国際特許分類】
   B04C 5/04 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
B04C5/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019571414
(86)(22)【出願日】2017-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 CL2017050027
(87)【国際公開番号】W WO2018232540
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】519453515
【氏名又は名称】バイオドライングテック エスピーエー
(73)【特許権者】
【識別番号】519453526
【氏名又は名称】エンプレサス イアンサ エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】アラオス アルメンドラス、ロベルト エンリケ
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-542975(JP,A)
【文献】実開昭54-012183(JP,U)
【文献】実開昭49-052169(JP,U)
【文献】特開平02-004501(JP,A)
【文献】特表2015-520672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0010063(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0007455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04C 1/00-11/00
B01D 45/12
C02F 11/02
F26B 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業産業廃棄物、衛生産業からの最終処分汚泥、漁業、畜産業、家禽、林業及び鉱業等いくつかの製造産業からの汚泥及び副産物において、粉末及び/又は顆粒化された脱水物を提供するために固体粒子を分離する加速サイクロンであって、
下部円錐状体(1)と、直径が円錐状体(1)の最大直径よりも小さく前記下部円錐状体(1)のすぐ上にある中央円筒体(2)と、前記中央円筒体(2)の直径よりも小さい直径の第3の上部円筒体(3)とを全体構成中に含み、
円筒体(2)は固体材料粒子の速度を加速することを可能にし、サイクロン圧力チャンバであり、
前記円筒体(2)は、
a)加速空気入力(8)のための側面開口部と、
b)前記中央円筒体(2)の内側から突出し、加速空気(8)の入力のための側面開口
部に対して反対側に位置する加速サイクロンに、固体粒子と空気、または空気中の固体粒子とも呼ばれる混合物を入力するための、少なくとも1つのダクト(9)と、
c)前記中央円筒体(2)の内側に配置された回転タービン(10)と、
d)回転タービン(10)の直径に沿って対称的に配置された少なくとも2つの細長い
圧力ベーン(14)と、
e)前記中央円筒体(2)の内側に配置された内側シリンダ(20)であって、前記内
側シリンダ(20)の上部に配置されたスロットなしシリンダ(19)と、スロットなしシリンダの下に配置されたスロット付きシリンダ(15)とによって形成される、内側シリンダ(20)と、
を含むことを特徴とする加速サイクロン。
【請求項2】
前記上部円筒体(3)は構造的に2つの部分である、大径の上側の部分と小径の下部部分とに分割されており、
前記上部円筒体は固形粒子が分離されると、処理済の空気を通気し、調整することを特徴とし、
i)前記処理済の空気(4)の出力のための上部開口と、
ii)より大きな直径の部分の上側部分に位置する、加速空気(5)の出力のための側
部開口部と、
iii)大径の上部の内部に配置された一組の半径方向支持体(6)と、
iv)出口空気の調整コーン(7)であって、その位置で上方または下方に調整可能で
あり、機能は粒子の内圧および浮力を調整するように管理することであり、前記上部円筒体(3)の全高のほぼ半分のところで、半径方向支持体(6)のアセンブリの直下の最大直径を有するセクションの内部に配置される、調整コーン(7)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の加速サイクロン。
【請求項3】
前記回転タービン(10)が2つの同心平行なリング(12A、12B)と、前記回転タービン(10)の周囲に沿って分配され、中央リング(11)上に支持された幾つかの半径方向矩形羽根(13)とによって形成されたホイールを含み、
前記2つの細長い圧力ベーン(14)は、前記リング(12A、12B)の直径に沿って対称的に分配され、前記回転タービン(10)のホイールの下側リング(12B)に垂直に接合され、
前記スロットなしシリンダ(19)の部分は前記回転タービン(10)の半径方向長方形羽根(13)と整列し、前記回転タービン(10)の半径方向長方形羽根(13)の高さと同等以上の高さを有し、その外面に少なくとも1つのエジェクタ機構を備えて構成されることを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の加速サイクロトロン。
【請求項4】
前記下部円錐状体(1)が、
A)下部円錐状部分(17A)と、
B)前記下部円錐状部分(17A)の上部に位置する凹状湾曲上部(17B)と、
C)固体粒子から最終生成物を排出するための下部開口部(18)と、を含むことを特
徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の加速サイクロン。
【請求項5】
前記凹状湾曲上部(17B)が前記下部円錐状部分(17A)のより大きい直径に対してより小さい直径を有し、前記凹状湾曲上部(17B)が、前記固体粒子を前記円錐状体(1)内に押し込むのに役立つことを特徴とする、請求項4に記載の加速サイクロン。
【請求項6】
前記細長い圧力ベーン(14)は中央円筒体(2)の内壁に平行であり、前記中央円筒体(2)の高さに等しい長さであることを特徴とする請求項3に記載の加速サイクロン。
【請求項7】
前記エジェクタ機構は、前記スロットなしシリンダ(19)の部分に構成された開口部(22)と、前記シリンダ(19および15)から前記開口部(22)を越えて接線方向(16)に突出するベーンと、前記接線方向に突出するベーン(16)の側端部に配置され、前記接線方向に突出するベーン(16)と前記シリンダ(19および15)との間の結合を可能にする2つの支持体(21)とによって形成されることを特徴とする、請求項3記載の加速サイクロン。
【請求項8】
スロット付きシリンダ(15)が多数のスロットを有し、中央円筒体(2)の外径より小さいが、回転タービン(10)の直径より大きく、前記固体材料粒子を表面に接触させず、壁に付着しないようにし、前記固体材料粒子が加速サイクロンの内側に浮遊したままであり、材料粒子の表面分散を達成することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の加速サイクロン。
【請求項9】
前記細長い圧力ベーン(14)は前記スロット付きシリンダ(15)の表面に固体材料が捕捉されないことを確実にするために、スロット付きシリンダ壁(15)から最小距離で離間され、前記回転タービン(10)は空気の循環運動を生成し、前記細長い圧力ベーン(14)は表面圧力を生成して、粒子速度の低下を防止する加速サイクロンであって、前記細長い圧力ベーン(14)が固体粒子よりも高速で移動し、空気によって運ばれる固体粒子が回転タービン(10)と接触する瞬間に、前記回転タービンは加速空気入口(8)を通る空気入力のために、固体粒子の速度よりも高速で回転している、
ことを特徴とする請求項3に記載の加速サイクロン。
【請求項10】
前記中央円筒体(2)または加速サイクロン圧力チャンバに入る前記加速空気は、補助ファンによって供給されることを特徴とする請求項1に記載の加速サイクロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、食品原料として、野菜および果実粉末および穀粉の製造において、農業廃棄物において、衛生産業からのスラッジ最終処分において、ならびに漁業、家畜、家禽、林業および鉱業のようないくつかの製造産業からのスラッジおよび副産物のような、最先端の種々の分野における有機および無機固体生成物の脱水および粉砕に関する。
【0002】
本発明は固体粒子を分離し、粉末および/または顆粒中に脱水された固体生成物を提供する、スピニングトップ形状の加速サイクロンからなる。
【背景技術】
【0003】
固体物質の乾燥、脱水および粉砕の処理、ならびに固体微粒子材料を収集する処理に関連するコストを規制する必要性に基づいて、当技術分野の様々な分野で常に研究が行われてきた。
【0004】
重力加速度の代わりに遠心加速度で動作する沈降チャンバから本質的になるサイクロンは、固体粒子を回収または沈降させる際に最も一般的に使用される装置である。サイクロンはその製造コストおよび操作コストが低いために、固体粒子を回収するために長年使用されてきた。一般に、サイクロンの物理的構造は下方円錐セクションを有する垂直シリンダを備え、この垂直シリンダは下降する渦をその方向を変化させ、その結果、旋回半径が減少することにつれて粒子収集が増加する。分離されるべき固体材料は前記垂直シリンダが有する接線方向入口を通ってガスと混合されて入り、分離された固体材料は、下部円錐セクション上に配置された開放下口を通って除去される。サイクロンは基本的に簡単な構造であり、可動部品がなく、保守作業が容易になる。サイクロンは固体を回収する際に非常に良好な性能を有する装置であるが、分離される粒子が小さすぎる、例えば、直径が約10μm未満である場合には適していない。さらに、分離される材料の粒子が粘着する傾向があり、したがって、上部垂直本体と下部円錐形セクションとの間の接合部によって形成された隅部、および前記円錐形が下方に収束し、重力の作用および円錐形部分の直径が減少することにつれて落下する粒子に対する速度効果によって影響を受ける内面を有するので、下部円錐形の内壁に固着したままである場合、その効率は低下する。
【0005】
また、ファンで発生する大量の空気や、ファンでも発生する高速の空気を利用して、効率を向上させるために、空気の利用を考慮した研削システムが開発されている。開発されたさらなる乾燥方法は噴霧乾燥からなる変形を使用し、これは、乾燥されるべき材料を液滴に還元し、次いで、液体を乾燥させるために必要な熱を提供するために、前記液滴を大量の熱風に曝すことによって作動する。この方法に関連する装置は、噴霧乾燥機と呼ばれる。
【0006】
上記を考慮すると、任意のタイプの固体材料から粒子を分離するのに適し、効率を失うことなく、分離される粒子が粘着性タイプである場合であってもその内面を清浄に保つことができる円錐状分離装置またはサイクロンを有することが必要である。
【0007】
米国特許第US6971594号明細書は、固体材料を粉砕する際の圧縮空気渦流(高速での円形または回転流)のための装置および方法を記載している。その中の粉砕装置は粉砕のための粉砕プロセスにおいて高速圧縮空気を使用し、また、例えば、ガラス、穀物、紙、プラスチック、アルミニウムおよび花こう岩を含むが、例に限定されない多様な材料を乾燥させる。研削装置は、研削される材料が導入される上部チャンバを画定する環状の上部同封物と、環状の上部同封物と直列に垂直方向に固定された下部チャンバを画定する円錐形の下部同封物とを含む。環状上部同封物は、その側壁に圧縮空気を導入するための孔を有する。空気は材料の粉砕流れ乾燥を行うための空気の円形渦流を生成するように、上部チャンバ内に比較的円周方向に導入される。空気流は環状の上部同封物内に配置されたパイプを通して排出され、乾燥された材料は下部同封物の下端を通して排出される。
【0008】
米国特許第US4251243号明細書は円錐台形の壁を有し、その下端に固形材料を放出するための円錐台形の短径壁を有する、より低い果実ストコニカルボディを構成する改良された周期性セパレータを説明する。より大きな直径を有するその上端において、前記円錐形本体は半径方向外側に向いたフランジで終わり、その上に環状蓋が適切に取り付けられてもよい。一方、上部本体は円錐形の壁面によって形成され、その上側の下側の直径の端部は円形のふたの手段によって閉じられ、その中心を通して吸込管が設けられ、そのより大きい直径の端部は下側の円錐に挿入される。
【0009】
米国特許第US5791066号明細書は下側円錐形チャンバと、円錐のすぐ上に位置する下側円筒形チャンバと、下側円筒形チャンバ上に位置する上側円筒形チャンバとからなるサイクロンチャンバを備えるサイクロン乾燥機を記載しており、両方の円筒形チャンバは、実質的に同様の外径を有する。一実施形態では、両方の円筒形チャンバが同じくらい多くてもよい。下部コーンは材料出口を有する。円錐形チャンバの断面が底部に向かって小さくなるにつれて、空気は上方に回転し始め、このようにして固体材料のみが出る。高速気流は円筒形チャンバに入り、下方の円錐形部分に対して下方に螺旋状に回転させられ、それによって下方渦を作り出す。空気出口は、円筒形チャンバ上の頂部にある。
【0010】
米国特許第4966703号明細書には、大きい直径の端部から小さい直径の端部に向かって一般にテーパが付けられた分離チャンバの手段によって、一方が大きい密度のもので他方が小さい密度のものである2つの液状成分を分離するためのサイクロン型分離器が記載されている。分離チャンバは、より大きい直径の端部に位置する、より密度の低い構成要素のためのオーバーフロー出口と、より密度の高い構成要素の流出のためのより小さい直径の端部のアンダーフロー出口とを有する。サイクロンは、流れ(最も重い)を下方に向け、それによって流体を加速するための螺旋フライトを備える。
【0011】
実用新案に相当するCN201692732は圧縮空気脱水装置を提供し、圧縮空気は、サイクロン本体内に渦を形成するために円錐シェル本体からなる脱水装置に入る。
【0012】
脱水装置はより効率的にするために、遠心力の手段によって、および流体をサイクロンの底部に駆動するバッフルの作用によって、流体を脱水し、洗浄する。したがって、脱水装置は、不純物、油汚れ、および水を非常に大きな滴で除去するプロセスを完了する。バッフルは、サイクロン本体内の空気と水を分離する。
【0013】
DE1245267は圧縮空気が上部ノズルを通して注入されるサイクロンダストセパレータを記載しており、そこには、空気/ダスト粒子を取り込み、最も密度の高いものを底部に向けるために螺旋加速器が設けられている。
【0014】
DE10317772は異なる分離の2つの直列接続されたサイクロン(1、2)を有する空気流を有する塵埃分離器を記載しており、ここでは、塵埃を含む空気入口を有する加速された空気流を生成するために、装置を有する入口から最も高い円錐形のサイクロン出力が先細りにされる。サイクロンは、流体を底部に導くことを可能にするガイドプレートを有する切頭螺旋セクタを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的の1つは、固体粒子を分離し、低水分率の固体粒子粉末の効果的な分離または回収を確実にするサイクロン装置を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は粉末状および/または顆粒状の脱水された、または低水分パーセンテージの固体生成物を形成し、分離するために固体粒子を分離する、スピニングトップ形状の加速サイクロンである。
【0017】
特に、本発明は、下部円錐体と、円錐体の直上の中央円筒体と、中央円筒体の直径よりも小さい直径の第3の上側の円筒体とを含む固体粒子粉末を分離するサイクロン装置を記載する。
【0018】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの概略図を示す。
図2図2は、本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの上側の円筒体の概略図を示す。
図3図3は、本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの中央円筒体の概略図を示す。
図4図4は本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの概略図であり、内部を見たものである。
図5図5は、本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの中央円筒体の一部である内側円筒(20)の上面および側面からの概略図を示す。
図6図6は、本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンの中央円筒体の一部である2つのエジェクタ機構の実施形態で内側円筒(20)の上面斜視図を示す。
図7図7は、固体粒子を形成し分離するために一体化されたシステムに組み込まれた、本発明のサイクロンの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は固体粒子を分離し、低水分率の固体粒子粉末の効果的な分離または回収を確実にする、スピニングトップ形状の加速サイクロンからなる。
【0021】
本発明の固体粒子を分離する加速サイクロンは微細分散された水を粒状材料から分離し、その一般的な構造において、下部円錐体(1)と、円錐体(1)の最大直径より小さい直径を有する円錐体(1)のすぐ上の中央円筒体(2)と、中央円筒体(2)の直径より小さい直径を有する第3の上側の円筒体(3)とを含む。
【0022】
上側の円筒体(3)は構造的に2つの部分に分割されており、1つは大径の上側の部分であり、もう1つは小径の下部部分である。前記上側の円筒体(3)は一旦固体粒子が分離されると、プロセス空気を通気し、調節し、それは構造的に、
プロセス空気(4)の排出のための上部開口と、
加速空気(5)の出力のための側部開口部であって、より大きな直径の部分の上側部分に位置し、補助ファンへの空気の出力を可能にする側部開口部と、
半径方向支持体(6)の集合体であって、より大きな直径の上部に内部的に配置されたものと、それを上方または下方に調整することができる位置に調整可能であって、半径方向支持体(6)の集合体のすぐ下の、上部円筒体(3)の全高のほぼ半分の位置にある、最大直径の部分の内部に配置された、出口空気の調整コーン(7)と、
を含む。
【0023】
その機能が材料粒子の速度を加速することである中央円筒体(2)は、「加速サイクロン圧力チャンバ」と呼ばれ、以下の要素からなる。
補助ファンからの空気の入口を可能にする、加速空気(8)の入力のための側面開口部。
中央円筒体(2)の内側から突出し、加速空気(8)の入力のための側面開口部に対して反対側に配置された、加速サイクロンへの固体粒子と空気の混合物の入力のための少なくとも1つのダクト(9)。2つ以上のダクト(14)を有する場合、ダクト配置は、中央本体(2)の周囲において対称でなければならない。
中心円筒体(2)の内側に位置する回転タービン(10)であって、2つの同心円状の平行リング(12A、12B)によって形成されるホイールと、回転タービン(10)の周囲に沿って分布し、中心リング(11)上に支持されるいくつかの放射状の長方形ベーン(13)によって形成されるホイールとからなる、回転タービン(10)。
回転タービン(10)の直径に沿って対称に分布した少なくとも2つの細長い圧力ベーン(14)であって、特にリング(12A、12B)の直径に沿って伸長し、回転するタービン(10)のホイールの下部リング(12B)に対して垂直に接続され、前記細長い圧力ベーン(14)は前記中央本体(2)の内壁に平行であり、前記中央本体(2)の高さに等しい長さであり、内側シリンダ(20)の内側に位置する内側シリンダ(20)は、内側シリンダ(20)の上部に位置するスロットなしシリンダ(19)と、内側シリンダ(20)の下部に位置するスロットなしシリンダ(15)とによって形成される。
下に位置する内筒(20)と溝付きシリンダ(15)の上部に位置する非スロット付きシリンダ(19)によって形成され、前記中央本体(2)内に位置する内筒(20)。スロット付きシリンダ(15)の一方の側から、ダクト(9)、または複数のダクトの場合にはダクト(9)が現れる。非スロット付きシリンダ(19)の部分は回転タービン(10)の半径方向長方形羽根(13)と整列し、回転タービン(10)の半径方向長方形羽根(13)の高さに等しいか又はそれより大きい高さを有する。内側シリンダ(20)は、その外面に少なくとも1つのエジェクタ機構を備えて構成される。2つ以上のエジェクタ機構を有する場合、エジェクタ機構の配置は、内側シリンダ(20)の周囲において対称でなければならない。エジェクタ機構は非スロット付きシリンダ(19)の部分に構成された開口部(22)と、開口部(22)を越えてシリンダ(19および15)から接線方向(16)に現れるベーンと、接線方向に現れるベーン(16)とシリンダ(19および15)の側壁との間の結合を可能にし、同時に接線方向に現れるベーン(16)が開口部(22)上に接線方向に維持されることを可能にする、接線方向に現れるベーン(16)の横方向端部に位置する2つの支持体(21)とによって形成される。接線方向(16)に現れるベーンは空気を導くためのものであり、空気を回転タービン(10)の半径方向矩形ベーン(13)に対して垂直に導くことを可能にする。スロット付きシリンダ(15)は多数のスロットを有し、中央本体(2)の外径よりも小さいが、回転タービン(10)の直径よりも大きい直径を有する。エジェクタ機構に入る空気は、粒子を押し下げ、高圧で加速空気(5)を出力するための側部開口を通る空気出口によって回転タービン(10)を回転させ、回転タービン(10)の半径方向長方形羽根(13)に垂直である。エジェクタ機構およびスロット付きシリンダ(15)の効果は、圧力を増大させ、ダクト(9)を通って回転タービンホイール(10)とスロット付きシリンダ(15)との間に形成された空間に入る粒子を加速することからなる。このため、中央円筒体(2)の内壁とスロット付きシリンダ(15)との間に形成されるチャンバは、圧縮空気がスロットを通ってエジェクタを通って出るので、加速空気用の圧力チャンバと呼ばれ、エジェクタは既に述べたように、回転タービン(10)を回転させる。
【0024】
下部円錐状(1)はその機能が固体粒子の出力を可能にすることであり、
下部円錐セクション(17A)と、
円錐形下部(17A)のより大きい直径に対してより小さい直径の円錐形下部(17A)の上部に位置する凹状湾曲上部(17B)と、および
固体粒子からの最終生成物の排出のための下部開口部(18)と、
を含む。
【0025】
粒子加速サイクロンは、供給ダクト(9)を介して、微細に分散された水を有する空気中の固体粒子の流れを受け取る。空気中の固体粒子は、回転タービン(10)及びスロット付きシリンダ(15)が配置されている圧力室に直接入る。空気中の固体粒子が回転タービン(10)と接触する瞬間に、前記回転タービン(10)は加速空気入口(8)を通って入力される空気のために、固体粒子の速度よりも速い速度で回転している。回転タービン(10)は空気の循環運動を発生させ、細長い圧力ベーン(14)は粒子よりも高速で移動するので、細長い圧力ベーン(14)は表面圧力を発生させ、粒子速度の低下を防止する。さらに、前記圧力ベーン(14)は、スロット付きシリンダ壁(15)から最小距離だけ離間され、前記スロット付きシリンダの表面上に固体材料が捕捉されないことを保証する。空気循環運動による製品の回転に加えて、回転タービン(10)はエジェクタ機構によって生成される圧力によって、製品を下方に、すなわち、下部円錐状(1)に向かって押す。他方、スロット付きシリンダ(15)はその多数のスロットを通して、固体材料粒子を表面に接触させず、壁に付着しないようにし、したがって、サイクロンの内側に浮遊したままにし、すなわち、材料粒子の表面分散を達成する。しかしながら、既に述べたように、細長い圧力羽根(14)は、固体粒子がスロット付きシリンダ(15)内に捕捉されないことを完全に保証する。懸濁した固体粒子は遠心力によって加速サイクロンの下部円錐体(1)に向かって移動し、その沈降および下部開口部(18)からの排出を達成し、円錐体から最終製品を排出する。さらに、下部円錐体(1)を上部に有する凹状湾曲上部(17B)は、固体粒子を前記円錐体(17A)に押し込むのを助け、粒子が下部円錐体(1)の入口に付着するのを防止する。加圧室に入った加速空気は上筒体(3)の加速空気吹出口(5)の側面開口部から吹き出した空気を取り込む補助ファンを介して駆動され、中央筒体(2)の加速空気入力(8)の側面開口部を介して再び加速サイクロンに入力され、前記加速空気は加圧室内に空気クッションを生成する。
【0026】
要約すると、加速サイクロンは、以下の動作を実行することができる。
・微細分散水を粒状材料から分離する。
・追加の熱源を使用せず、壁上に粒子接着剤を生成せずに、投入固形粒子の混合物によって提供される設定点温度を使用して、加速器系の手段によって粒状物質を加速する。
・粒子速度が減少するのを清浄にしかつ防止するように設計された細長い圧力ベーン(14)からなる表面圧力システムによって補完される。
・粒子が表面上で回転せず、内部に浮遊したままであることを可能にするスロット付きシリンダ(15)からなる表面分散システムによって補完される。一方、分散系は粒子速度を加速する。
・円錐はその形状が与えられると、室および低圧の不連続性を回避し、これは、粒状材料が内壁上に滞留することを防止する。湿った空気の出力および円錐の形状を調整すると、円錐の内側に生成される高圧および低圧が粒子の浮力を生成し、壁への付着が生じないオフセットが生じる。
・粒子の内圧及び浮力を調節するように管理する調節コーン(7)の手段によって、エアアウトプットを調節する。
【0027】
さらに、サイクロンは図7に示すように、固体粒子を分離するための統合システムの一部とすることができ、このシステムは、
顆粒または粉末生成物の排出のための下部出口(18)を含む加速サイクロンと、
加速サイクロンに接続された補助ファンまたは高圧ファン(23)であって、加速サイクロンから排出された乾燥微粒子を加速空気出口のための上側開口部を通して取り込み、加速空気入口を通して同じサイクロンに戻す、高圧ファン(23)と、
加速サイクロンに接線方向に接続された少なくとも1つのタービン(24)と、
上部開口を通して処理されるべき固体材料を受け取り、処理されるべき前記固体材料の投入速度を調節する材料フィーダ(25)と、
材料フィーダから固体材料を受け取り、材料フィーダをタービン(24)に接続するダクトを介してシステムのタービン(24)に供給する空気圧ロックまたはスターバルブ(26)と、プロセスに必要な空気を入力するための入口または供給ダクトを備え、タービン(24)をスターバルブアセンブリおよび材料フィーダに接続することを可能にするダクトに引っ掛けられる出口ダクトを後部中央部分に有するヒータ(27)と、
を含むことができる。
【0028】
統合システムを作動させるための手順は、タービン(24)を始動させ、次に補助ファン(23)を始動させ、次にヒータ(27)を作動させ、最後に空気圧ロックまたはスターバルブ(26)および材料フィーダ(25)を作動させることによって始まる。
【0029】
この手順はサイクロン装置と同様に、ダクト内のシステムの壁を湿気から解放した状態に保つのに必要な設定点またはプロセス温度まで空気温度を上昇させるために、室温でヒータの入口ダクトに空気を入力し、入力空気の相対湿度を低下させる(好ましくは、温度が空気相対湿度を20%以下のレベルまで低下させるのに十分な約40℃~約70℃の範囲に保たれる);システムに入る材料の流速を調節する材料フィーダを通る処理される固体材料の入力;材料の流れは次に、スターバルブに進み、材料の大気圧が負圧に変化し;次いで、空気中の固体材料が高速タービン(24)に入り、そこで、固体材料がタービン(24)を通過するように空気が吸引され、固体入力材料の破壊およびそこに含まれる水の解離を含む。前記固体材料は効率的に起こり、解離した水を有するより小さいサイズの固体材料はその後、加速サイクロンに入り、ここで、サイクロン下部出口を通って出る水および粉末固体材料粒子の分離が最終的に起こる。
【0030】
最終粉末製品を形成するために処理される材料を投入してから経過した時間は短く、好ましくはほぼ瞬間的であり、その間に処理される材料の初期水は約80%、好ましくは約90%減少する。さらに、システム内の材料循環速度が速いので、最終製品の温度は上昇しない。
【0031】
装置の循環ダクトおよび流入および流出ダクトの両方であるシステムダクトの設計は、システム内を循環している間の固体材料の接線方向および軸方向の変位が維持されるように定義されている。同様に、ヒータは接線方向の変位を達成するように設計され、高速タービンは入力材料の負圧ならびに軸方向および接線方向の変位を生成する。
【0032】
他方、設定温度の調整は粘着性ゾーンにさらされることを回避し、材料の自由流動状態を可能にするように、各材料に関連する。
【0033】
さらに、タービン(24)と加速サイクロンとの間で音響的な相乗作用が達成される。タービンは超音波効果を生成し、サイクロンは共振効果をより長い期間維持することを可能にする低周波およびより高い高調波を受信するために、サウンディングボードとして作用する。
【0034】
物質からの水の解離はタービンによって引き起こされ、加速サイクロンは閉鎖系において微細分散水との物質の封じ込めおよび分離の効果を生じる。
【0035】
タービンは負圧(真空)で生成物を受け取り、物理的効果(超音波、摩擦、遠心分離)によって水を解離させ、したがって水粒子を微分散させ、高正圧でサイクロンの分離および加速システムに送ることができるようにすることによって、熱伝達係数を改善する。
【0036】
アセンブリおよび設計は、追加の熱源を適用することなく、室温でも原材料を脱水することを可能にする。
【0037】
サイクロンの内部加速チャンバ内の補助ファンまたは高圧ファンによって生成される粒子の加速は物質と微細分散水とのより良好な分離を生成し、次に、材料がサイクロン壁に付着するのを防止することを意図している。
【0038】
補助ファンまたは高圧ファンはサイクロン出口空気を使用して、粒子加速および付着防止の効果を引き起こし、これは、システムがヒータを介して外部熱源で動作するときに、追加の熱源を有する空気を必要としないので、効率的である。
【0039】
高圧ファンは加速サイクロンから排出された乾燥微粒子を取り込み、それに戻し、したがって、これら(微細な乾燥粒子)が最も湿った投入材料と混合することを可能にし、より高い湿度を有する材料が、加速サイクロン内で付着することなく自由に移動することを容易にする。
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図7