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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】窓枠利用のハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20220203BHJP
   E06B 1/06 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
A47G29/00 B
A47G29/00 D
E06B1/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020043521
(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公開番号】P2021058566
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2019197943
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】595159703
【氏名又は名称】水口 久
(72)【発明者】
【氏名】水口 久
【審査官】柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-126571(JP,A)
【文献】実開昭63-025992(JP,U)
【文献】特開平11-076691(JP,A)
【文献】特開2015-058332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00
E06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓又は出窓の縦枠に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1又は複数段の水平形状を成すハンガー部と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部と鉛直フレーム部又はハンガー部の一部に設けた1又は複数箇所の、縦枠に係止する、縦枠係止手段から構成されることを特徴とし、本発明を縦枠に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部の概略中央の一部から剛に突出させて、縦枠側側面を縦枠見込み前縁部に当接させるべく平らな挟み面とした鉛直フレーム部を設け、突出する鉛直フレーム部の根本付近のハンガー部の一区間を膨らませてハンガー部の壁側直線部分に平行な通し穴を持つ小口キャップ部を設け、ハンガー部の壁側直線部分に沿った姿勢でC型レール体を、レール軸を小口キャップ部の通し穴に合わせ、小口キャップ部に隣接させてハンガー部の壁側直線部分から突出させて設け、小口キャップ部の通し穴に通してC型レール体内に小口キャップ部側に回転つまみが付いた長い雄ネジを設け、小口キャップ部との間がねじ作用で開閉する該雄ネジと対の雌ネジを持つ滑走体を該C型レール体内に該雄ネジに通してスライド自在に嵌めて設け、滑走体の縦枠側に滑走体から突出させて縦枠の散り部分に当接させるべく平らな挟み面を有する移動口金体を設け、鉛直フレーム部と移動口金体の双方の挟み面にはそれぞれゴム板等の摩擦体を設け、該双方の挟み面が万力の相対する口金となり、回転つまみを回して縦枠を挟み、同時に摩擦体の作用により曲げモーメント応力に拮抗してハンガー部が水平を保って安定して縦枠に留まる縦枠係止手段を設けることを特徴とした窓枠利用のハンガー
【請求項2】
窓又は出窓の縦枠に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1又は複数段の水平形状を成すハンガー部と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部と鉛直フレーム部又はハンガー部の一部に設けた1又は複数箇所の、縦枠に係止する、縦枠係止手段から構成されることを特徴とし、本発明を縦枠に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部の概略中央の一部から剛に突出させて鉛直フレーム部を設け、該鉛直フレーム部には、散り入隅部に直角同士が嵌まり合う格好で当接させて木ネジ等で散り入隅部をめがけて斜めに留めて本体を縦枠に係止すべく、直角出隅形状を持たせた出隅形当接部を設け、鉛直フレーム部の上下両端部付近には該出隅の頂部を通り出隅の角度をほぼ2等分して、出隅の両面から傾いて木ネジ等を通す、端部面に彫り込んだ溝であるビス溝又は通し穴を設けることを特徴とした窓枠利用のハンガー
【請求項3】
ビス溝の形状を底近くがV形になる断面形状とし、溝の出隅形当接部側小口部分に出隅の頂部付近の板厚を特に薄くした薄板による、木ネジ等が留め付けに先立って自分の落ち着く位置に自分で削り取って突き刺さり、逆に保持され、以降の木ネジ留めをスムーズにするセルフホルダー板を設けることを特徴とした請求項2に記載の窓枠利用のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓又は出窓の縦枠に簡便に取り付けて、窓枠で囲まれた凹んだ空間の左右出隅コーナー部分に嵌合させて調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軽量でサイズが小さな調理器具は長期的収納に於いては流し台の引き出しやキッチンボード等にしっかりとしまわれるが、短期的収納に於いては手の届く空間内に有孔ボードや壁面、吊り戸棚の下面、流し台の扉面を利用したキッチンハンガーで吊るして収納されたり、流し台の隅や近くにトレーに入れて置かれてきた。
住宅建築に於いて、台所の流し台の近くには作業手元部分の採光や窓の凹んだ空間が目的で小規模な窓や出窓が設けられることが多い。
窓や出窓には建築技術上、室内側に凹んだ空間が発生する。凹んだ空間の上下左右には隣接の壁面と窓枠が直角に接する、出隅コーナー部分が存在し、その出隅コーナー部分は通常、枠厚20ミリ程度、壁面からの枠の出幅が10ミリ程度の木製窓枠が設けられる。
窓枠には固定枠とケーシング枠の2種類がある。ケーシング枠の場合は室内側に壁面より飛び出た部分はケーシングと呼ばれるが本出願ではケーシングも含めて窓枠又は縦枠と表現する。
凹んだ空間の奥行は窓の場合は6センチ~12センチ程度、出窓の場合は数十センチである。従来、凹んだ空間の下部である下枠上面や出窓の窓台部分は調理器具や食器の格好の置き場となる為、重宝されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許登録第5730154号公報
【文献】特開第2001-149697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
凹んだ空間は、窓下枠上面や出窓の窓台以外の空間は通常使われることはないが、凹んだ空間の左右の出隅コーナー部分は流し台使用者からすると楽に手が届き、流し台使用中の邪魔にならない、また、採光を妨げない、270°の広がりのある、調理器具を量的、集中的に吊り収納するのに好都合な空間である。
凹んだ空間はその左右に直角の出隅コーナー部分を持ち、出隅コーナー部分に沿って木製の窓枠を備えているものが多い。窓枠は通常、壁面より10ミリ程度突出している。
突出した微小な窓枠の壁側部分は散りと呼ばれている。また、窓枠を正面から見たときに見える面は見付け、奥行方向の面は見込みと呼ばれている。
建築の窓サッシや出窓が取り付けられた部分の室内側壁面の凹んだ空間には以上のような特性がある。
台所の窓は型ガラスが多く、カーテンやブラインドの取り付けは少ない。
本発明は流し台廻りの調理器具の混雑ぶりを解消するためになされたもので、前述の凹んだ空間の特性を生かして窓又は出窓の窓枠で囲まれた凹んだ空間の左右出隅コーナー部分の縦枠に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する窓枠利用のハンガーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
窓又は出窓の縦枠に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1又は複数段の水平形状を成すハンガー部と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部と鉛直フレーム部又はハンガー部の一部に設けた1又は複数箇所の、縦枠に係止する、縦枠係止手段から構成されることを特徴とし、本発明を縦枠に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部の概略中央の一部から剛に突出させて、縦枠側側面を縦枠見込み前縁部に当接させるべく平らな挟み面とした鉛直フレーム部を設け、突出する鉛直フレーム部の根本付近のハンガー部の一区間を膨らませてハンガー部の壁側直線部分に平行な通し穴を持つ小口キャップ部を設け、ハンガー部の壁側直線部分に沿った姿勢でC型レール体を、レール軸を小口キャップ部の通し穴に合わせ、小口キャップ部に隣接させてハンガー部の壁側直線部分から突出させて設け、小口キャップ部の通し穴に通してC型レール体内に小口キャップ部側に回転つまみが付いた長い雄ネジを設け、小口キャップ部との間がねじ作用で開閉する該雄ネジと対の雌ネジを持つ滑走体を該C型レール体内に該雄ネジに通してスライド自在に嵌めて設け、滑走体の縦枠側に滑走体から突出させて縦枠の散り部分に当接させるべく平らな挟み面を有する移動口金体を設け、鉛直フレーム部と移動口金体の双方の挟み面にはそれぞれゴム板等の摩擦体を設け、該双方の挟み面が万力の相対する口金となり、回転つまみを回して縦枠を挟み、同時に摩擦体の作用により曲げモーメント応力に拮抗してハンガー部が水平を保って安定して縦枠に留まる縦枠係止手段を設けることを特徴とした請求項1に記載の窓枠利用のハンガー。
【0006】
窓又は出窓の縦枠に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1又は複数段の水平形状を成すハンガー部と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部と鉛直フレーム部又はハンガー部の一部に設けた1又は複数箇所の、縦枠に係止する、縦枠係止手段から構成されることを特徴とし、本発明を縦枠に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部の概略中央の一部から剛に突出させて鉛直フレーム部を設け、該鉛直フレーム部には、散り入隅部に直角同士が嵌まり合う格好で当接させて木ネジ等で散り入隅部をめがけて斜めに留めて本体を縦枠に係止すべく、直角出隅形状を持たせた出隅形当接部を設け、鉛直フレーム部の上下両端部付近には該出隅の頂部を通り出隅の角度をほぼ2等分して、出隅の両面から傾いて木ネジ等を通す、端部面に彫り込んだ溝であるビス溝又は通し穴を設けることを特徴とした請求項2に記載の窓枠利用のハンガー。
【0007】
ビス溝の形状を底近くがV形になる断面形状とし、溝の出隅形当接部側小口部分に出隅の頂部付近の板厚を特に薄くした薄板による、木ネジ等が留め付けに先立って自分の落ち着く位置に自分で削り取って突き刺さり、逆に保持され、以降の木ネジ留めをスムーズにするセルフホルダー板を設けることを特徴とした請求項3に記載の窓枠利用のハンガー。本発明は以上を特徴とする窓枠利用のハンガーである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の窓枠利用のハンガーによれば以下のような有益な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下の効果を有する。
(イ)万力構造のネジの締め付けと摩擦体の相乗効果により縦枠に強固に安定して留めつけることができる。
(ロ)色々な見付け巾の縦枠に対応できて便利である。
(ハ)取り付け、取り外し、位置の移動が簡単で楽である。
(ニ)建築に傷をつけない効果がある。
(ホ)流し台廻りの調理器具の混雑ぶりを解消できて便利である。
(ヘ)台所の流し台前の窓廻りの凹んだ空間の角を有効利用して、台所空間にフィットし、流し台使用者が楽に手が届き、流し台使用中の邪魔にならない位置で利用できる。
(ト)上下に距離をおいた剛体の複数支持点構造で取り付けの安定性に優れる。
(チ)取り付け位置は大きくは住宅内の窓を選択するという受け身的なコントロールとなるが、流し台と窓は建築技術上位置の相関関係があり、取り付け高さは縦枠を利用する為人為的なコントロールが可能となり、建築後付けのハンガーとしては両者のコントロールを合わせて従来の建築後付けのハンガーと比べると総合的に取り付けの自由度が高い。
(リ)台所の窓枠に取り付けてキッチンハンガーとして使用する以外に小さなクリップ付きの吊りフックを付けてオフイスのデスク廻りの収納箱側板に取り付け、メモ等を吊るす、メモクリップハンガーとして使うこともできる。
その他、吊りフックは使用しないで洗面室の窓枠に取り付けてタオル掛けや、ピンチ付きの吊りフックを付けて小物干しハンガー、リビングや寝室等の本棚、整理棚の縦仕切り板や側板に取り付けて小物整理ハンガー、木製の仮設架台を用意してそれに取り付けて小物商品のディスプレー等巾広く利用が出来る。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、以下の効果を有する。
(イ)水平方向の振れを抑えて安定した取り付けができる。
ビス溝を持つタイプは木ネジ等の胴体で鉛直フレーム部を上下に挟み、木ネジ等で鉛直フレームを挟んで散り入隅部をめがけて斜めに留め付けるので、壁と縦枠散り部分の2つの面と木ネジ等の皿部分の合計3つの面に三角状に挟まれ、上下、水平の全方向の動きが拘束され、しっかりと縦枠に固定することが出来る。
(ロ)散り入隅部で留める為、建築本体に目立つ傷をつけない効果又は傷の修復箇所が目立たない効果がある。
(ハ)上下の支持点に大小2個ずつの通し穴を持つタイプの実施例2は吊り下げる物の重量、建築の新古や意向に応じて、径が異なる木ネジと仮止釘等の中から留め付け材を自由に選ぶことが出来て便利である。
(ニ)流し台廻りの調理器具の混雑ぶりを解消できて便利である。
(ホ)台所の流し台前の窓廻りの凹んだ空間の角を有効利用して、台所空間にフィットし、流し台使用者が楽に手が届き、流し台使用中の邪魔にならない位置で利用できる。
(ヘ)上下に距離をおいた剛体の複数支持点構造で取り付けの安定性に優れる。
(ト)取り付け位置は大きくは住宅内の窓を選択するという受け身的なコントロールとなるが、流し台と窓は建築技術上位置の相関関係があり、取り付け高さは縦枠を利用する為人為的なコントロールが可能となり、建築後付けのハンガーとしては両者のコントロールを合わせて従来の建築後付けのハンガーと比べると総合的に取り付けの自由度が高い。
(チ)台所の窓枠に取り付けてキッチンハンガーとして使用する以外に小さなクリップ付きの吊りフックを付けてオフイスのデスク廻りの収納箱側板に取り付け、メモ等を吊るす、メモクリップハンガーとして使うこともできる。
その他、吊りフックは使用しないで洗面室の窓枠に取り付けてタオル掛けや、ピンチ付きの吊りフックを付けて小物干しハンガー、リビングや寝室等の本棚、整理棚の縦仕切り板や側板に取り付けて小物整理ハンガー、木製の仮設架台を用意してそれに取り付けて小物商品のディスプレー等巾広く利用が出来る。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、以下の効果を有する。
(イ)木ネジ留めも可能な「仮止め釘を使用した窓枠利用のハンガー」を提供できる。軽量でサイズの小さな調理器具を対象にした本発明は総重量が軽く、仮止め釘でも十分である。仮止め釘の場合、散り入隅部に使った場合抜いた跡は殆ど目立たない。
(ロ)吊り下げる物の重量、建築の新古や意向に応じて、径が異なる木ネジと仮止釘等の中から留め付け材を自由に選ぶことが出来て便利である。
(ハ)木ネジ等の留め付けはV形溝のセルフホルダー板で木ネジ等が本体に軽く保持される形になり、楽に、スムーズに行うことができる。
(ニ)実施例2の本発明はその本体形状から、木ネジ等と吊りフックを除く本体が穴成形無しで単一セットの2方向抜き金型による成型が可能であり、制作コストを安くできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 本発明、実施例1の窓枠に取り付けた状態を示し、出隅コーナー部分の壁、窓縦枠、窓の水平断面表現を上方に加えた斜視図である。
図2】 凹んだ空間と本発明の関係を示す説明平断面図である。
図3】 本発明、実施例1の縦枠係止手段部分の背面側の様子を示す斜視図である。
図4】 本発明、実施例1の回転つまみ及び長い雄ネジの斜視図である。
図5】 本発明、実施例1の滑走体及び移動口金体の斜視図である。
図6】 本発明、実施例1の移動口金体を縦に短形とした場合の縦枠係止手段部分の斜視図である。
図7】 本発明、実施例1の鉛直フレーム部と移動口金体の双方の挟み面に上下一続きの長い摩擦体を設けた場合の縦枠係止手段部分の斜視図である。
図8】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した平面図である。
図9】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した底面図である。
図10】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した正面図である。
図11】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した背面図である。
図12】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した左側面図である。
図13】 本発明、実施例1の吊りフックを省略した右側面図である。
図14】 本発明、実施例1のA-A´断面図である。
図15】 本発明、実施例1のB-B´断面図である。
図16】 本発明、実施例2の、ビス溝部分の拡大図を添え、窓枠に取り付けた状態の出隅コーナー部分の壁、窓縦枠、窓の水平断面表現を上方に加えた斜視図である。
図17】 本発明、実施例2の、ビス溝部分の拡大図を添えた吊りフックを省略した平面図である。
図18】 本発明、実施例2の、ビス溝部分の拡大図を添えた吊りフックを省略したC-C´断面図であり、木ネジと仮止め釘を使用した場合のそれぞれの断面位置を示す。
図19】 本発明、実施例2の、(a)は木ネジ使用の場合、(b)は仮止め釘使用の場合のそれぞれ留め付け材の斜視図とV形溝、セルフホルダー板を使用中の状態を示す説明平面図である。
図20】 本発明、実施例2の通し穴を持つタイプの通し穴部分の拡大図を添えた、吊りフックを省略した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について実施例に従って説明する。
実施例1
図1図2に示すように、窓又は出窓(1)の縦枠(2)に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1段の水平形状を成すハンガー部(3)と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠(2)に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部(4)と鉛直フレーム部(4)の一部に設けた1又は複数箇所の、縦枠に着脱自在に係止する、縦枠係止手段(5)から構成される。
図1図8に示すように、ハンガー部(3)は取り付けようとする縦枠(2)先端付近を中心とする中心角が270°扇形の平面を成す環状体(6)であり、凹んだ空間(28)の出隅コーナー部分(7)で直角に切り取られたような、アウトラインが直角に折れ曲がった環状体入隅部(8)を有し、環状体(6)には複数の吊りフック(20)を繋止又は掛止により環状体各部を軸に回転自在に設けている。
環状体の水平面内には環状体(6)の片方の一部から環状体(6)の対面するもう片方の一部へと架構された補強フレーム(10)を設けている。
ハンガー部(3)の環状体(6)の断面形状は直径1cm程度の円形である。縦枠(2)見付け近くを扇形の中心位置とし、凹んだ空間の出隅コーナー部分(7)に対応している為、ハンガー部(3)の環状体入隅部(8)を縦枠(2)の見付け中心位置から縦枠(2)見込み表面までの距離分ずらせて、少しいびつな、中心角270°扇形としている。
ハンガー部(3)の窓側の角部分は、窓との接触を避けるため、角部分を窓に平行な辺で詰めた形状(11)としている。
【0013】
図1図3図8に示すように、本発明を縦枠(2)に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部(3)の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部(3)の概略中央の一部から剛に突出させて、縦枠側側面を縦枠見込み前縁部に当接させるべく平らな挟み面とした鉛直フレーム部(4)を設け、突出する鉛直フレーム部(4)の根本付近のハンガー部(3)の一区間を膨らませてハンガー部(3)の壁側直線部分(31)に平行な通し穴(27)を持つ小口キャップ部(30)を設けている。環状体(6)の一区間を膨らませた形状とするのは、3方向抜き金型で本体を一体成形する際、後述のC型レール体(32)の左側面方向を型が抜ける開いた形状にし、回転つまみ(33)が付いた長い雄ネジ(34)を補強フレーム(10)で2つの空間に区切られた凹んだ空間(28)側の空間から環状体(6)の厚みの真ん中を水平に貫通させる為である。
ハンガー部(3)の壁側直線部分(31)に沿った姿勢でC型レール体(32)をレール軸を小口キャップ部(30)の通し穴(27)に合わせ、小口キャップ部(30)に隣接させてハンガー部(3)の壁側直線部分(31)から突出させて設けている。
実施例1ではC型レール体(32)と小口キャップ部(30)の外側表面は滑らかに連続したデザインで設けている。斜視図からではその堺の特定が困難と思われる為、図14の断面図中に補助的にその範囲の区分を示した。
【0014】
小口キャップ部(30)の通し穴(27)に凹んだ空間(28)側の空間から通してC型レール体(32)内に小口キャップ部(30)側に回転つまみ(33)が付いた長い雄ネジ(34)を設け、小口キャップ部(30)との間がねじ作用で開閉する該雄ネジと対の雌ネジ(9)を持つ滑走体(22)を該C型レール体内に該雄ネジに通してスライド自在に嵌めて設けている。
滑走体(22)の縦枠(2)側に滑走体(22)から突出させて縦枠(2)の散り部分(13)に当接させるべく平らな挟み面を有する移動口金体(23)を設け、鉛直フレーム部(4)と移動口金体(23)の双方の挟み面にはそれぞれゴム板等の摩擦体(21)を設け、該双方の挟み面が万力の相対する口金となり、回転つまみ(33)を回して縦枠(2)を挟み、同時に摩擦体(21)の作用により曲げモーメント応力に拮抗してハンガー部(3)が水平を保って安定して縦枠に留まる縦枠係止手段(5)を設けている。
図1図3に示すように、実施例1では、鉛直フレーム部(4)及び移動口金体(23)を矩形の水平断面形状で設けている。万力の相対する口金である鉛直フレーム部(4)の挟み面と移動口金体(23)の挟み面には、それぞれ上下の端部付近にゴム板等による摩擦体(21)を表面が僅かに飛び出す構造で設けていて、本体の上下に距離をおいて設けた2箇所の縦枠係止手段(5)を形成している。
縦枠(2)によっては、縦枠材の角に数ミリ程度の面取りが施されたものもあり、摩擦体(21)が少しこぼれて接触する場合があるが、接触面各部の完全な平行接触である為、万力機能で補正出来、係止に於ける問題は起こらない。
なお、移動口金体(23)は縦に長形にしているが、図6に示すように、縦に短形にしてもよい。
図7に示すように、上下一続きの長い摩擦体(21)を設けてもよい。その場合は面摩擦だけで支持点の曲げモーメント応力に拮抗するタイプの1箇所の縦枠係止手段(5)となる。
【0015】
長い雄ネジ(34)、雌ネジ(9)、吊りフック(20)のストッパー部分の材質は金属製でそれら以外の本体の材質はABS樹脂等の硬質プラスチックの一体成形により設けている。
【0016】
実施例2
図16に示すように、窓又は出窓(1)の縦枠(2)に簡便に取り付けて、調理器具等の吊り収納に使用する、窓枠利用のハンガーであって、鉛直方向に1段の水平形状を成すハンガー部(3)と該ハンガー部と垂直の方向を向いていて該ハンガー部の一部で剛に接続する、留めようとする縦枠(2)に沿って鉛直方向に延びる棒状体である、鉛直フレーム部(4)と鉛直フレーム部(4)の一部に本体の上下に距離をおいて設けた2箇所の、縦枠に係止する、縦枠係止手段(5)から構成される。
ハンガー部(3)は取り付けようとする縦枠(2)先端付近を中心とする中心角が270°扇形の平面を成す環状体(6)であり、凹んだ空間(28)の出隅コーナー部分(7)で直角に切り取られたようなアウトラインが直角に折れ曲がった環状体入隅部(8)を有し、環状体(6)には複数の吊りフック(20)を繋止又は掛止により環状体各部を軸に回転自在に設けている。
【0017】
実施例2のハンガー部(3)は実施例1のハンガー部(3)とほぼ同じであるが次の点で違いがある。
ハンガー部(3)の概略中央に於いて、環状体(6)と補強フレーム(10)が接する部分の鉛直フレーム部(4)側の環状体内側の角に、水平ハンチ部(35)を設けて、ハンガー部(3)と鉛直フレーム部(4)との剛接合を強くしている。また、ハンガー部(3)の概略中央に於いて、上下の鉛直フレーム部(4)と環状体(6)が接する部分の環状体内側の角に、鉛直ハンチ部(19)を設けて、ハンガー部(3)と鉛直フレーム部(4)との剛接合を強くしている。
【0018】
図16に示すように、本発明を縦枠(2)に取り付けた際の位置関係に於いて、ハンガー部(3)の水平面に対して垂直の上下方向にハンガー部(3)の概略中央の一部から剛に突出させて鉛直フレーム部(4)を設けている
該鉛直フレーム部には、散り入隅部(14)に直角同士が嵌まり合う格好で当接させて木ネジ等(15)で散り入隅部(14)をめがけて斜めに留めて本体を縦枠(2)に係止すべく、直角出隅形状を持たせた出隅形当接部(16)を設けている。
鉛直フレーム部(4)の上下両端部付近には該出隅の頂部を通り出隅の角度を2等分して、出隅の両面から45°傾いて木ネジ等を通す、端部面に彫り込んだ溝であるビス溝(17)を設けて上下2箇所の縦枠係止手段(5)部分を形成し、同時に上下の支持点位置が所定の距離、離れていることを特徴としている。実施例2では8cm程度である。
図16図17図18図19に示すように、ビス溝(17)の形状を底近くがV形になる断面形状とし、溝の出隅形当接部側小口部分に出隅の頂部付近の板厚を特に薄くした薄板による、木ネジ等が留め付けに先立って自分の落ち着く位置に自分で削り取って突き刺さり、逆に保持され、以降の木ネジ留めをスムーズにするセルフホルダー板(24)を設けている。
実施例2では底近くがV形の条件が含まれる完全なV形溝としている。
実施例2に於いては、セルフホルダー板(24)は、ポリプロピレンを材料とし、出隅形当接部の出隅の頂部部分を0.3ミリ厚程度、V形溝の上部の縁と繋がる部分を1ミリ厚程度とし、鉛直フレーム部の上下端部の平面形状を鉛直方向に押し出してV形溝の内面に繋がる薄板構造で設けている。
【0019】
任意の径の木ネジ等(15)で留め付けを開始する時にV形断面の2つの面に木ネジ等の胴体が斜めに挟まれて溝底方向に当接し、セルフホルダー板(24)上の木ネジ等の先端位置が決まり、押し付けて木ネジ等を押し回す又は打ち付けることにより出隅頂部の極めて薄い部分が削られて木ネジ等が突き刺さる形となる。
その時、木ネジ等の留め付けは既にセルフホルダー板で木ネジ等が本体に軽く保持されている為、以降の留め付けが楽にスムーズにできる。釘又は細釘の場合は図19の(b)に示すようにプラスチックワッシャー(25)を使用する。
このように、セルフホルダー板付きのV形溝は木ネジの皿部分又はプラスチックワッシャー(25)でV形溝の入り口の縁を押さえ付けて留め付けが完結するまでの一瞬のプロセスを楽にする。押さえつける木ネジの皿部分やプラスチックワッシャーの径は大きい程押さえ付ける面積を大きくするので良い。
図16図18図19に示すように、実施例2は木ネジ(29)又は仮止め釘(18)を使用しているが、請求項2に於ける木ネジ等(15)とは、木ネジ(29)、細ビス、釘、仮止め釘(18)等を指し、皿部分が小さなものはラジオペンチ等で皿部分を引っ張って引き抜くことができる引っ張り代付きのプラスチックワッシャー(25)を挟んで留める。
細釘(26)の場合は、細釘(26)プラスチックワッシャー(25)とがセットになった既製の仮止め釘(18)を利用するとよい。
【0020】
なお、実施例2は係止手段にビス方向に彫り込んだ溝である、ビス溝(17)を設けているが、図20に示すように鉛直フレーム部の上下両端部付近に出隅形当接部(16)の出隅の頂部を通り出隅の角度を2等分して、出隅の両面から45°傾いて木ネジ等を通す、上下それぞれ大小2個ずつの通し穴(27)を設けてもよい。
【0021】
取り付け用の木ネジ等(15)及び吊りフック(20)のストッパー部分の材質は金属製でそれら以外の本体の材質はポリプロピレン等の硬質プラスチックの一体成形により設けている。
【0022】
本発明は以上のような構造である。本発明を使用するときは、先ず、右側の縦枠(2)に取り付けるか左側の縦枠(2)に取り付けるかを決める。流し台前の窓又は出窓(1)の場合は流し台のレンジに近い方の縦枠(2)は避けてレンジから遠い方の側の縦枠(2)を選ぶ。
実施例1の場合は、万力の口金部分である鉛直フレーム部(4)と移動口金体(23)で縦枠(2)を挟み、縦枠の散りの長さにより、C型レール体(32)背面部を縦枠(2)の見付け表面に押し当てるか移動口金体(23)背面部を壁(12)面に押し当てるかして、ハンガー部(3)が水平になる角度をセットし、回転つまみ(33)を回して縦枠(2)に留め付ける。実施例2の場合は留め付ける部分の建築の状態を観察して本発明製品の付属の留め付け材セットの中から吊り下げる物の重量、建築の新古や意向に応じて、木ネジと仮止釘の中から留め付け材を選ぶ。普通の木ネジを選択した場合を想定して、木ネジを上側のビス溝(17)に先端部を収め、ドライバーで回して、ビス溝のセルフホルダー板(24)の一部を破壊し、木ネジの先端が数ミリ飛び出すくらいに突き刺した状態をつくる。次に、木ネジが軽く本体と一体化した状態で縦枠の取り付ける位置に壁(12)と縦枠の散り部分(13)のぶつかる隅に出隅形当接部(16)を嵌めて軽く押し付けてみて押さえながらの仮止め状態にして、位置が本当にそこで良いか吟味する。もし、不適当な位置であったら動かして取り付け位置の微調整をする。位置が確定したら、その位置で木ネジを強く押し付けながら廻して留め付ける。次に、鉛直フレーム部(4)を下から挟み込む要領で下方のビス溝(17)に木ネジを留め付ける。
本発明は重力で自ずと回転できる吊りフック(20)と円形断面の環状体(6)利用の為、上下をひっくり返して左右の出隅コーナー部分(7)の縦枠(2)に使用することができる。初期状態が吊りフック(20)の方向を互い違いにしてある製品の場合は吊りフック(20)の先が全て外を向くように約半数の吊りフック(20)の向きを調整する。右側の縦枠(2)取り付けと左側の縦枠(2)取り付けで向きが逆になる。
吊りフック(20)をずらせて間隔を均等にして取り付け完了である。
本発明は複数個を縦枠(2)に適当な間隔をあけて縦に並べて取り付けて使用すると調理器具等が沢山吊るせて、より便利である。
【符号の説明】
【0023】
1 窓又は出窓
2 縦枠
3 ハンガー部
4 鉛直フレーム部
5 縦枠係止手段
6 環状体
7 出隅コーナー部分
8 環状体入隅部
9 雌ネジ
10 補強フレーム
11 角部分を窓に平行な辺で詰めた形状
12 壁
13 散り部分
14 散り入隅部
15 木ネジ等
16 出隅形当接部
17 ビス溝
18 仮止め釘
19 鉛直ハンチ部
20 吊りフック
21 摩擦体
22 滑走体
23 移動口金体
24 セルフホルダー板
25 プラスチックワッシャー
26 細釘
27 通し穴
28 凹んだ空間
29 木ネジ
30 小口キャップ部
31 壁側直線部分
32 C型レール体
33 回転つまみ
34 長い雄ネジ
35 水平ハンチ部
図1
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