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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】針組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A61M5/32 510B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017143103
(22)【出願日】2017-07-24
(65)【公開番号】P2019022612
(43)【公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】特許業務法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】工藤 辰也
(72)【発明者】
【氏名】石原 尚子
(72)【発明者】
【氏名】中川 直己
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0120010(US,A1)
【文献】特開2013-135921(JP,A)
【文献】特開2016-073450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342639(US,A1)
【文献】特表2012-525893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺状態から引き抜かれた穿刺針の針先を収納する針先保護部を備えた針組立体において、
前記穿刺針の引抜操作力が前記針先保護部へ及ぼされることで該穿刺針の引き抜きと連動して該針先保護部自身が変位するようになっていると共に、該針先保護部の壁部には該針先保護部の変位に伴って該穿刺針の前記針先が入る導入孔が設けられている一方、該針先保護部の該導入孔の部分に、相互に接近方向に向かって突出する一対の内方突部が配されていると共に該穿刺針の引き抜きに際して該内方突部の突き合わせ間を該穿刺針が側方から通過して該穿刺針の針先が該針先保護部へ導き入れられるようになっていることを特徴とする針組立体。
【請求項2】
基端側で一体的に連結されて対峙する一対の腕部の各先端から突出する前記一対の内方突部が設けられた係止部材を有しており、該係止部材が、前記針先保護部とは別部材とされて該針先保護部へ組み付けられている請求項1に記載の針組立体。
【請求項3】
前記係止部材の前記針先保護部への組み付けによって、前記一対の腕部が相互に接近方向へ移動して変形されている請求項2に記載の針組立体。
【請求項4】
前記係止部材には、前記針先保護部への組み付け前の単体状態において前記一対の内方突部の先端部間に隙間が存在していると共に、該針先保護部への組み付け状態において該一対の内方突部の先端部同士が接触状態とされている請求項3に記載の針組立体。
【請求項5】
前記針先保護部において前記穿刺針の針先を保護する周壁部分には、前記係止部材を組付可能な組付孔が形成されており、該組付孔に対して、前記係止部材が嵌め入れられて組み付けられている請求項2~4の何れか1項に記載の針組立体。
【請求項6】
穿刺部に重ね合わされるベース部に対して、前記穿刺針の針ハブが、連結部により接近及び離隔可能に連結されていると共に、該ベース部に対する該針ハブの接近位置で穿刺状態とされた該穿刺針の引き抜きによる該針ハブの該ベース部からの離隔に伴って該穿刺針の前記針先が該ベース部の前方側に移動するようになっていると共に、該ベース部の前方側に位置して該穿刺針の該針先を収納する前記針先保護部が設けられており、該針先保護部の前記壁部に対して前記一対の内方突部が配されている請求項1~5の何れか1項に記載の針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に穿刺される穿刺針を備えた針組立体に係り、特に、使用後の穿刺針の針先を収納して保護する針先保護部が設けられた針組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば切除不能な悪性腫瘍等に対する化学療法として、抗癌剤等の薬液を定期的に繰り返して患者の体内に注入することが行われている。この薬液注入の度に患者に注射を行うと、患者の皮膚およびその周辺を損傷して注射が出来なくなることがあり、患者への負担も大きい。そこで、患者の皮下に皮下埋込型ポートを設け、皮下埋込型ポートのセプタムを穿刺針で貫通して薬液を患者の体内に注入し、皮下埋込型ポートからカテーテルを通じて薬液を患者の血管内に送り込むことが行われている。
【0003】
ところで、薬液注入後に皮下埋込型ポートのセプタムから抜去された使用後の穿刺針は、使用者や患者を傷つけることの無いように、また薬液や患者の血液が付着している場合もあることから使用者や患者に接触しないように、安全に取り扱われる必要がある。
【0004】
そこで、皮下埋込型ポートのセプタムから抜去された穿刺針の針先を収納して保護する針先保護部が設けられた針組立体が提案されている。かかる針先保護部が設けられた針組立体は、既に市場に提供されているが、構造が複雑なものも多く、医療現場において満足できる製品は数が少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、従来にはなかった新規な構造の針組立体を提供することで、具体的な技術ひいては商品の豊富化に資することを、目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、穿刺状態から引き抜かれた穿刺針の針先を収納する針先保護部を備えた針組立体において、前記穿刺針の引抜操作力が前記針先保護部へ及ぼされることで該穿刺針の引き抜きと連動して該針先保護部自身が変位するようになっていると共に、該針先保護部の壁部には該針先保護部の変位に伴って該穿刺針の前記針先が入る導入孔が設けられている一方、該針先保護部の該導入孔の部分に、相互に接近方向に向かって突出する一対の内方突部が配されていると共に該穿刺針の引き抜きに際して該内方突部の突き合わせ間を該穿刺針が側方から通過して該穿刺針の針先が該針先保護部へ導き入れられるようになっていることを特徴とするものである。
【0007】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、針先保護部の導入孔の部分に、相互に接近方向に向かって突出する内方突部が設けられている。これにより、穿刺針の針先が針先保護部へ導き入れられた後には、穿刺針の針先が内方突部へ引っ掛かることで、穿刺針の針先が針先保護部から再び突出することが防止され得る。特に、内方突部を、針先が入る方向に傾斜して突出するように設けることで、穿刺針の針先を、当該内方突部に沿ってスムーズに針先保護部へ導き入れることもできる。
【0008】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る針組立体において、基端側で一体的に連結されて対峙する一対の腕部の各先端から突出する前記一対の内方突部が設けられた係止部材を有しており、該係止部材が、前記針先保護部とは別部材とされて該針先保護部へ組み付けられているものである。
【0009】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、係止部材が、針先保護部とは別部材とされて組み付けられることから、針先保護部に、上記第1の態様に記載の如き穿刺針の再突出防止機構を設けることが容易に実現され得る。それに加えて、針先保護部と係止部材との両部材に、互いに異なる特性が要求される場合にも、それぞれの特性を高度に両立して実現し得る各別の材質設定が可能となり、針先保護部に収納された後の穿刺針の再突出防止効果をより安定して得ることもできる。
【0010】
本発明の第3の態様は、前記第2の態様に係る針組立体において、前記係止部材の前記針先保護部への組み付けによって、前記一対の腕部が相互に接近方向へ移動して変形されているものである。
【0011】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、係止部材を針先保護部へ組み付けることによって、一対の腕部が相互に接近する方向へ移動して変形されていることから、内方突部の突き合わせ間距離をより小さくすることができるか、内方突部の先端部同士が接触状態とされる場合には、より強い当接力をもって突き合わせることができる。これにより、穿刺針の針先の、針先保護部からの再突出が効果的に防止され得る。
【0012】
本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る針組立体であって、前記係止部材には、前記針先保護部への組み付け前の単体状態において前記一対の内方突部の先端部間に隙間が存在していると共に、該針先保護部への組み付け状態において該一対の内方突部の先端部同士が接触状態とされているものである。
【0013】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、係止部材を針先保護部へ組み付けることによって、内方突部の先端部同士が突き合わされて接触状態とされることから、内方突部の先端部における腕部の基端側への変形は容易とされる一方、腕部の先端側への変形は困難とされる。それ故、穿刺針の針先の、針先保護部への導入が容易とされる一方、針先保護部からの再突出がより確実に防止され得る。特に、係止部材の、針先保護部への組付前には、内方突部の先端部間に隙間が存在していることから、腕部の変形が容易に許容されて、組付抵抗の低減も図られ得る。
【0014】
本発明の第5の態様は、前記第2~第4の何れかの態様に係る針組立体であって、前記針先保護部において前記穿刺針の針先を保護する周壁部分には、前記係止部材を組付可能な組付孔が形成されており、該組付孔に対して、前記係止部材が嵌め入れられて組み付けられているものである。
【0015】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、係止部材を針先保護部に組み付けるための組付孔が、針先保護部の周壁部分に形成されていることから、例えば針先保護部の外部から係止部材を組み付けることも可能であり、組付効率の向上が図られ得る。
【0016】
本発明の第6の態様は、前記第1~第5の何れかの態様に係る針組立体において、穿刺部に重ね合わされるベース部に対して、前記穿刺針の針ハブが、連結部により接近及び離隔可能に連結されていると共に、該ベース部に対する該針ハブの接近位置で穿刺状態とされた該穿刺針の引き抜きによる該針ハブの該ベース部からの離隔に伴って該穿刺針の前記針先が該ベース部の前方側に移動するようになっていると共に、該ベース部の前方側に位置して該穿刺針の該針先を収納する前記針先保護部が設けられており、該針先保護部の前記壁部に対して前記一対の内方突部が配されているものである。
【0017】
本態様に従う構造とされた針組立体によれば、例えばベース部に対して針ハブが接近して位置することで、穿刺針が、ベース部に設けられた穿刺用孔を通じてベース部から突出して穿刺状態とされる態様が採用される。かかる態様では、穿刺針を引き抜くことにより、穿刺針の針先がベース部の前方側に移動して針先保護部に収納されることから、収納後の穿刺針の位置と穿刺用孔の位置を相互にずらすことができて、収納後の穿刺針に対して引抜方向と反対方向の外力が及ぼされる場合にも、穿刺針が穿刺用孔を通じてベース部から再突出することが効果的に防止され得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明に従う構造とされた針組立体によれば、針先保護部に設けられた一対の内方突部により穿刺針の針先の再突出が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1実施形態としての針組立体を初期状態で示す斜視図。
図2図1に示された針組立体におけるベース部を含んで構成されるベース部材を展開した状態で示す斜視図。
図3図2に示されたベース部材を別の方向から示す斜視図。
図4図2に示されたベース部材への係止部材の組付作動を(a)~(c)の順に説明する説明図。
図5図1に示された針組立体からの穿刺針の引抜作動を(a)~(c)の順に説明する説明図。
図6図1に示された針組立体における係止部材の作動を模式的に説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1には、本発明の1実施形態としての針組立体10が示されている。この針組立体10は、ベース部としてのベースプレート12を有するベース部材14と、穿刺針16と、当該穿刺針16を固定支持する針ハブ18とを備えている。図1に示される初期状態(穿刺状態)では、ベースプレート12と針ハブ18とが相互に接近して位置しており、穿刺針16がベースプレート12を貫通して下方に突出しているとともに、当該穿刺針16を患者の皮膚に埋設された穿刺部としてのシリコンポート(セプタム)20に穿刺することで患者の血管内に薬液などを注入することができるようになっている。そして、薬液の注入後、ベースプレート12から針ハブ18を離隔させて、穿刺状態とされた穿刺針16をベースプレート12から離隔する上方向に引き抜くことで、穿刺針16の針先22が、ベースプレート12の前方に設けられた針先保護部24に収納保護されて、針組立体10が安全に廃棄等されるようになっている。
【0022】
なお、以下の説明において、前方とは、針ハブ18から穿刺針16が延びる方向である図1中の左下方向をいう一方、後方とは、針ハブ18に対してシリンジなどの外部流路が接続される方向である図1中の右上方向をいう。また、上方とは、ベースプレート12に対して針ハブ18が位置する方向である図1中の上方をいう一方、下方とは、ベースプレート12を貫通して穿刺針16が突出する方向である図1中の下方をいう。
【0023】
より詳細には、穿刺針16は、例えばステンレス鋼や硬質の合成樹脂材料から形成された中空針とされている。この穿刺針16は、後方に設けられる針ハブ18から前方に延び出した後、下方に屈曲している。なお、穿刺針16の刃先の先端面26は、シリコンポート20に穿刺される際のコアリングを回避するために、穿刺方向(上下方向)と平行に形成されている。
【0024】
また、針ハブ18は、全体として前後方向に延びる略円筒形状とされており、硬質の合成樹脂材料から形成されている。そして、針ハブ18の前方側開口部から穿刺針16の後方部分が挿入されて、必要に応じて接着などの処理が施されることにより、穿刺針16が、針ハブ18に固定支持されている。これにより、穿刺針16の内孔と針ハブ18の内孔とが相互に連通されている。なお、針ハブ18の後方には、チューブ28が接続されており、穿刺針16の内孔とチューブ28の内孔とが、針ハブ18の内孔を通じて連通されている。また、針ハブ18の下端面30は、前後方向に広がる平坦面とされている。
【0025】
さらに、針ハブ18の外周面には、側方の両側に突出する係止爪32が設けられている。本実施形態では、側方の片側において、2つの係止爪32,32が前後方向で所定距離を隔てて設けられており、両側で計4つの係止爪32が設けられている。
【0026】
更にまた、針ハブ18の下端面30には、下方に突出する位置決め爪34(図5(b)等参照)が設けられている。本実施形態では、一対の位置決め爪34,34が、前後方向で所定距離を隔てて設けられている。
【0027】
かかる針ハブ18には、硬質の合成樹脂材料からなるカバー部材36が取り付けられている。カバー部材36は、後述する図5などにも示されるように、針ハブ18の上方を覆って前後方向に延びる略矩形板状のカバープレート38と、当該カバープレート38の幅方向両側から下方に延びて針ハブ18の両側方を覆う一対の側板部40,40とを備えている。すなわち、これら側板部40,40は、カバープレート38の幅方向で相互に対向している。また、これら側板部40,40は、カバープレート38よりも前方において、幅方向に延びる接続部42で相互に連結されている。
【0028】
そして、これらカバープレート38と側板部40,40により、下方に開口する収容溝44(図5参照)が形成されている。なお、側板部40,40の前端面46,46は、前方に向かって次第に上下方向寸法が小さくなる傾斜湾曲面とされている。さらに、側板部40,40の後端面48,48は、後方に向かって次第に上下方向寸法が小さくなる傾斜湾曲面とされている。
【0029】
また、側板部40,40は、カバープレート38から僅かに上方に突出しており、これらカバープレート38と側板部40,40により、上方に開口する載置溝50が形成されている。
【0030】
なお、かかる側板部40,40のそれぞれには、針ハブ18の係止爪32,32と対応する位置に、側板部40,40の厚さ方向に貫通する係止孔52,52が形成されている。
【0031】
また、かかるカバープレート38の前方端には、薄肉とされたヒンジ部54を介して取っ手部56が連結されている。すなわち、取っ手部56が、ヒンジ部54を中心としてカバープレート38に対して回動可能とされている。かかる取っ手部56は、全体として矩形板形状とされており、ヒンジ部54に対して連結される連結板58と、当該連結板58におけるヒンジ部54と反対側の端部に設けられた把持部60とを含んで構成されている。当該把持部60は、連結板58よりも厚さ寸法や幅寸法が大きくされており、後述する穿刺針16の引抜時に把持し易いようにされている。なお、連結板58の長さ寸法および幅寸法は、カバープレート38の長さ寸法および幅寸法と略等しくされている。
【0032】
さらに、かかる把持部60において、連結板58側の端部には、初期状態で下方となる方向に突出する係合爪62が設けられている。本実施形態では、把持部60の幅方向両側において、一対の係合爪62,62が設けられており、その突出先端が鉤状とされて、爪本体64,64(図5参照)が、ヒンジ部54側に突出している。
【0033】
なお、初期状態では、連結板58とカバープレート38とが相互に重ね合わされており、連結板58が載置溝50内に載置されている。また、把持部60がカバープレート38よりも後方側に突出しているとともに、把持部60から突出する係合爪62,62が、カバープレート38よりも下方まで延び出している。
【0034】
かかる構造とされたカバー部材36の収容溝44に対して針ハブ18が差し入れられて、針ハブ18から突出する各係止爪32が側板部40,40の各係止孔52に係止されることで、針ハブ18とカバー部材36とが相互に組み付けられている。
【0035】
また、かかる針ハブ18に対してベース部材14が組み付けられている。このベース部材14は、硬質の合成樹脂材料により形成されており、図2,3に示されるように、針ハブ18に組み付けられる以前の単体状態において展開された状態では、前後方向に延びる長手状の部材とされている一方、針組立体10の初期状態では、折り畳まれて針ハブ18に組み付けられている。
【0036】
すなわち、このベース部材14は、長さ方向一方(図2中の右上および図3中の左下)の端部に、所定の長さ寸法および幅寸法を有する略矩形板状のベースプレート12を有している。当該ベースプレート12の上端面66(図2,3中ではベースプレート12の下方の面)における長さ方向中間部分において、幅方向中央には、上方に突出する台座部68が、所定の長さ寸法と針ハブ18の幅寸法よりも小さな幅寸法をもって設けられている。そして、当該台座部68の長さ方向中間部分には、ベースプレート12を含めて上下方向で貫通する位置決め溝70が形成されている。この位置決め溝70は、針ハブ18における位置決め爪34,34の前後方向距離と対応する長さを有する略矩形状とされており、位置決め溝70の上端の内面には、前方および後方に突出する図示しない一対の位置決め突起が形成されている。
【0037】
また、ベースプレート12の上端面66における長さ方向中間部分において、幅方向両側、即ち台座部68を挟んだ両側には、上方に突出する一対の係合部72,72が設けられている。この係合部72,72は、前方に向かって次第に上下方向寸法が小さくなる略三角形状とされており、前端面74,74が、カバー部材36の側板部40,40における後端面48,48と対応する傾斜湾曲面とされている一方、後端面76,76が、上下方向に広がる平坦面とされている。そして、当該後端面76,76には、後方に開口する係合溝78,78が設けられている。
【0038】
なお、本実施形態では、ベースプレート12の前方端部における幅方向両側端部には、幅方向外方に突出する一対の翼状部80,80が設けられている。
【0039】
ここにおいて、ベースプレート12における幅方向中央部分において、台座部68よりも前方には、初期状態(穿刺状態)において穿刺針16が挿通される穿刺用孔82が、厚さ方向で貫通して形成されている。この穿刺用孔82は、略円形状または角丸の四角形状をもって形成されており、穿刺針16の外径寸法よりも十分大きな内径寸法を有している。また、当該穿刺用孔82の前端部からは、前方に向かって案内孔84が延び出しており、初期状態(即ち、ベース部材14が折り畳まれた状態)において、案内孔84が、ベースプレート12の前端に開放されている。この案内孔84は、穿刺針16の外径寸法よりも大きく、且つ穿刺用孔82の幅寸法よりも小さな幅寸法を有しており、ベースプレート12の厚さ方向で貫通して形成されている。換言すれば、初期状態では、穿刺用孔82が、案内孔84を通じて、ベースプレート12の前端に開放されている。
【0040】
一方、ベース部材14は、長さ方向他方(図2中の左下および図3中の右上)の端部に、所定の長さ寸法および幅寸法を有する略矩形状の固定部86を有している。当該固定部86は、折り畳まれて針ハブ18に組み付けられた際に、針ハブ18とカバー部材36との上下方向間に位置するようにされている。すなわち、固定部86における下端面88(図2,3中の下方の面)からは下方に向かって一対の固定片90,90が突出している。また、針ハブ18に組み付けられた状態では、固定部86において、図2中の右上(図3中の左下)が前方側となり、図2中の左下(図3中の右上)が後方側となる。
【0041】
これら固定片90,90は、ベース部材14の幅方向で相互に対向しており、幅方向の離隔距離が、針ハブ18の幅寸法と略等しいか、僅かに大きくされている。また、これら固定片90,90の長さ寸法(前後方向寸法)は、針ハブ18において側方に突出する係止爪32,32間における前後方向の離隔距離と略等しいか、僅かに小さくされている。
【0042】
さらに、かかる固定部86の前方端(図2中の右上および図3中の左下)には、薄肉とされたヒンジ部92を介して連結部94が連結されている。すなわち、固定部86に対して、連結部94が、ヒンジ部92を中心として回動可能とされている。この連結部94は、固定部86と略等しい幅寸法と所定の長さ寸法を有しており、幅方向中央に、厚さ方向に貫通する貫通溝96が形成されている。この貫通溝96は、連結部94の長さ方向略全長に亘って形成されているとともに、ベースプレート12に設けられた台座部68の幅寸法と略等しいか、僅かに大きな幅寸法を有している。かかる貫通溝96が設けられることで、連結部94は、貫通溝96を挟んだ両側に一対の連結脚部98,98を有しており、これら連結脚部98,98が、貫通溝96を挟んで幅方向で相互に対向している。
【0043】
かかる連結脚部98,98のそれぞれには、長さ方向の2箇所に薄肉とされたヒンジ部100,100が設けられており、連結脚部98,98がヒンジ部100,100により長さ方向で3分割されている。すなわち、連結脚部98,98において、固定部86に連結されている側から順に、第1連結部102,102、第2連結部104,104、第3連結部106,106とすると、固定部86と第1連結部102,102とがヒンジ部92を介して連結されている。また、第1連結部102,102と第2連結部104,104とがヒンジ部100,100を介して連結されているとともに、第2連結部104,104と第3連結部106,106とがヒンジ部100,100を介して連結されている。これにより、固定部86と第1~第3の各連結部102,104,106とにおいて、ヒンジ部92,100を挟んだ両側部分が相対的に回動可能とされている。なお、本実施形態では、連結脚部98,98において、第2連結部104,104と第3連結部106,106の長さ寸法が、略等しくされている。
【0044】
そして、ベース部材14において、以上の如き構造とされたベースプレート12と連結部94とが、壁部としての保護底壁部108を介して相互に連結されている。保護底壁部108は、略矩形状とされており、固定部86や連結部94と略等しい幅寸法を有しているとともに、所定の長さ寸法を有している。かかる保護底壁部108は、薄肉とされたヒンジ部110を介してベースプレート12に連結されているとともに、薄肉とされたヒンジ部112,112を介して連結部94における連結脚部98,98(第3連結部106,106)に連結されている。これにより、保護底壁部108が、ベースプレート12に対してヒンジ部110を中心に回動可能とされているとともに、連結脚部98,98(第3連結部106,106)に対してヒンジ部112,112を中心に回動可能とされている。
【0045】
かかる保護底壁部108は、折り畳まれた初期状態では、図2,3に示される展開状態からベースプレート12に対してヒンジ部110を中心に折り返されるようになっている。すなわち、初期状態では、保護底壁部108における下端面114(図2,3中の下方の面)が、ベースプレート12の上端面66に重ね合わされるようになっている。また、初期状態では、保護底壁部108において、図2中の左下(図3中の右上)が後方側となり、図2中の右上(図3中の左下)が前方側となる。
【0046】
さらに、保護底壁部108の連結部94側の端部(初期の折畳み状態における後端部)には、当該保護底壁部108に対して直交する方向に突出する垂直壁部116が設けられている。この垂直壁部116は、保護底壁部108と略等しい幅寸法と、所定の突出寸法を有する略矩形板形状とされている。そして、ヒンジ部110回りに折り返された初期状態では、垂直壁部116がベースプレート12から上方に向かって立ち上がって配置されている。また、垂直壁部116の幅方向中央には、初期状態において上端から下方に向かって延びる挿通溝118が形成されている。かかる挿通溝118の幅寸法は、穿刺針16の外径寸法よりも大きくされている。
【0047】
ここにおいて、保護底壁部108の幅方向中央には、連結部94に連結される側の端部分からベースプレート12に連結される側の端部にまで延びる導入孔120(後述する図5(c)参照)が形成されている。この導入孔120は、保護底壁部108を厚さ方向で貫通しており、即ち導入孔120が、保護底壁部108の下端面114に開口している。そして、当該導入孔120の連結部94側の端部(即ち、初期状態における後端部)が保護底壁部108により閉塞されている一方、ベースプレート12側の端部(即ち、初期状態における前端部)が外部に開放されている。
【0048】
なお、保護底壁部108に設けられる導入孔120とベースプレート12に設けられる案内孔84は、ベース部材14の幅方向で相互に対応する位置に形成されており、ベース部材14単体の展開状態において、相互に連通されている。換言すれば、保護底壁部108が、ヒンジ部110においてベースプレート12に対して折り返されることにより、導入孔120と案内孔84のそれぞれが、前端部において外部に開放されている。すなわち、ベースプレート12では、穿刺用孔82よりも前方となる前端部において、保護底壁部108が、ヒンジ部110によりヒンジ連結されている。
【0049】
かかる導入孔120は、連結部94側の幅寸法が、穿刺針16の外径寸法よりも十分大きくされている一方、ベースプレート12側の幅寸法が、連結部94側の幅寸法よりも小さくされて、案内孔84の幅寸法と略等しくされている。すなわち、ベース部材14を折り畳んで穿刺針16と組み付ける際に、当該導入孔120における幅寸法の大きくされた部分に対して穿刺針16を挿通させることで、導入孔120の内面と穿刺針16の針先22との接触が効果的に回避されて、穿刺針16の針先22が潰れたりするおそれが低減され得る。特に、本実施形態では、ベース部材14を折り畳んだ際に、穿刺用孔82と導入孔120における幅寸法の大きくされた部分とが上下方向で相互に重なるようにされており、これら穿刺用孔82と導入孔120における幅寸法の大きくされた部分とに対して穿刺針16を挿通することでベース部材14と穿刺針16とが組み付けられるようになっている。これにより、ベース部材14と穿刺針16との組付時における穿刺針16の損傷が一層効果的に防止され得る。
【0050】
また、保護底壁部108の幅方向両端部には、初期状態で上方へ突出する側壁部122,122が一体的に設けられており、当該側壁部122,122の後方側(連結部94側)が垂直壁部116と一体的に連続している。そして、これら側壁部122,122が、前方から上方にかけて(図2,3に示されるベース部材14の展開図におけるベースプレート12側)、一体形成された前壁部124によって閉塞されている。すなわち、これら保護底壁部108、垂直壁部116、側壁部122,122、前壁部124を含んで、引抜時の穿刺針16の針先22を収納して保護する針先保護部24が構成されている。換言すれば、針先保護部24の周壁部分125が、保護底壁部108、垂直壁部116、側壁部122,122、前壁部124を含んで構成されており、針先保護部24を構成する壁部のうちの1つが保護底壁部108とされている。なお、側壁部122,122は、初期状態において前方に向かって上下方向寸法が次第に小さくなる略三角形状とされており、前壁部124の前端面126が、カバー部材36における側板部40,40の前端面46,46と略対応する傾斜湾曲面とされている。
【0051】
ここにおいて、前壁部124には、初期状態で上下方向となる方向に貫通する組付孔128(後述する図4参照)が形成されている。かかる組付孔128は、前壁部124の前後方向中間部分に形成されており、所定の前後方向寸法を有するとともに、側壁部122,122の対向面間距離と略等しい幅寸法を有しており、側壁部122,122の内面130,130(図4参照)と組付孔128の内面とが、相互に連続している。また、かかる組付孔128は、上方開口部の幅寸法が下方開口部に比べて大きくされており、組付孔128の上方開口部が、幅方向両側の側壁部122,122に跨って形成されている。これにより、前壁部124の前端面126には、組付孔128の形成位置において、上方に開口する嵌合溝132が形成されている。
【0052】
さらに、かかる組付孔128の下方における側壁部122,122の内面130,130には、内方に突出する係止突部134,134(図4参照)が設けられている。これら係止突部134,134は、側壁部122,122の上下方向中間部分に形成されており、略三角形状または略台形状の縦断面を有している。すなわち、これら係止突部134,134の上端面が、下方になるにつれて内面130,130からの突出寸法が大きくなる傾斜面136,136とされている一方、係止突部134,134の下端面が、上下方向に対して直交する方向に広がる平坦面138,138とされている。
【0053】
初期状態では、以上の如き構造とされたベース部材14が折り畳まれて針ハブ18に組み付けられている。
【0054】
すなわち、後述する図5(a)にも示されているように、ベース部材14における固定部86が、カバー部材36におけるカバープレート38と針ハブ18との上下方向間において収容溝44内に位置せしめられるとともに、固定部86から突出する固定片90,90が、針ハブ18に設けられた係止爪32,32の前後方向間に差し入れられている。
【0055】
また、固定部86にヒンジ部92を介して連結された第1連結部102,102が針ハブ18の前方で略上下方向に延びているとともに、第1連結部102,102に連結された第2連結部104,104がヒンジ部100,100で屈曲して後方に延びている。さらに、第2連結部104,104に連結された第3連結部106,106がヒンジ部100,100で折り返されて前方に延びている。そして、第3連結部106,106が、ベースプレート12の上端面66に重ね合わされている。
【0056】
かかる第2連結部104,104および第3連結部106,106は、台座部68を挟んだ両側において、台座部68と係合部72,72との間に収納されており、即ち、連結部94の幅方向中央に設けられた貫通溝96内に台座部68が差し入れられている。また、針ハブ18から下方に突出する位置決め爪34,34が、台座部68に設けられた位置決め溝70に差し入れられており、針ハブ18の下端面30が台座部68に重ね合わされて、針ハブ18が台座部68上に載置されている。
【0057】
さらに、第3連結部106,106に連結された保護底壁部108が、第3連結部106,106からそのまま前方に延び出しており、保護底壁部108の下端面114が、保護底壁部108の前方のヒンジ部110で折り返されたベースプレート12の上端面66に重ね合わされている。換言すれば、ベースプレート12の前端部に設けられたヒンジ部110で、保護底壁部108がベースプレート12に対して折り返されており、ベースプレート12の前方側に保護底壁部108(針先保護部24)が設けられている。ここで、保護底壁部108から上方に突出する垂直壁部116は、第1連結部102,102の前方に位置しており、垂直壁部116などを含んで構成される針先保護部24が、カバー部材36の収容溝44内に位置している。
【0058】
更にまた、保護底壁部108とベースプレート12とが上下方向で重ね合わされることで、導入孔120と、穿刺用孔82および案内孔84が上下で重ね合わされるようになっている。そして、針ハブ18から前方に延び出す穿刺針16が、垂直壁部116に設けられた挿通溝118に差し入れられるとともに、下方に屈曲して、導入孔120における幅寸法の大きくされた部分および穿刺用孔82を通じて、ベースプレート12の下方に突出している。なお、本実施形態では、穿刺針16が、導入孔120および穿刺用孔82の何れの内面にも当接しておらず、導入孔120における幅寸法の大きくされた部分および穿刺用孔82の略中央に挿通されている。
【0059】
一方、カバー部材36における側板部40,40の後端面48,48は、ベースプレート12から上方に突出する係合部72,72の前端面74,74に重ね合わされている。また、カバー部材36に設けられた取っ手部56は、連結板58がカバープレート38に重ね合わされて、カバープレート38の上方に設けられた載置溝50内に載置されている。そして、把持部60から下方に延び出す係合爪62,62の爪本体64,64が、ベースプレート12の係合部72,72に設けられた係合溝78,78に差し入れられて係止されている。
【0060】
初期状態では、このような折り畳み構造をもってベース部材14が針ハブ18に組み付けられており、連結部94および保護底壁部108を折り畳むことで、ベースプレート12と針ハブ18とが相互に接近した状態とされている。そして、かかるベースプレート12と針ハブ18との接近状態において、穿刺針16がベースプレート12から突出しており、穿刺針16を患者に対して穿刺可能な状態(穿刺状態)となっている。なお、穿刺針16の穿刺前には、例えば穿刺針16の針先22を樹脂製のチューブなどで覆うことで、針先22の損傷や誤穿刺が防止されるようになっていてもよい。
【0061】
ここにおいて、本実施形態の針先保護部24には、前壁部124の組付孔128を通じて上方から、別部材とされた、硬質の合成樹脂材料からなる係止部材140が組み付けられている。この係止部材140は、図4などにも示されているように、針先保護部24の幅方向で対向する一対の腕部142,142を備えている。これら腕部142,142は、それぞれ初期状態において上方から下方に延びており、その上端部分において、幅方向に延びる接続部144により、相互に接続されている。換言すれば、幅方向で相互に対峙する一対の腕部142,142が、接続部144から下方に突出して一体形成されており、その突出基端側において、接続部144により相互に一体的に連結されている。これにより、腕部142,142が、特にその突出先端部分において、相互の対向方向で弾性変形可能とされている。なお、これら一対の腕部142,142は、突出先端側(下方)に向かって次第に拡開する方向に傾斜している。
【0062】
そして、かかる腕部142,142の突出先端には、相互に接近する方向である対向方向内方に向かって突出する内方突部146,146が形成されている。これら内方突部146,146は、対向方向内方になるにつれて腕部142,142の突出基端側(上方)に向かう方向に傾斜している。すなわち、内方突部146,146の対向間距離が、内方突部146,146の突出基端から突出先端に向かって次第に小さくなるようにされている。本実施形態では、図4(a)に示されるように、針先保護部24に組み付けられる以前の、係止部材140の単体状態では、内方突部146,146の突出先端部間に、所定の大きさの隙間148が形成されている。
【0063】
また、かかる腕部142,142の対向方向外面には、外方に開口する係止溝150,150が形成されている。すなわち、腕部142,142の対向方向外面において、係止溝150,150の上方、要するに腕部142,142の突出基端部には、外方に突出する当接突起152,152が形成されているとともに、係止溝150,150の下方、要するに腕部142,142の突出先端部には、押圧突部154,154が形成されている。
【0064】
なお、これら腕部142,142は、接続部144よりも上方まで延び出しており、接続部144よりも上方において天板部156により相互に連結されている。かかる天板部156は、針先保護部24の幅方向に延びており、針先保護部24の前壁部124と略対応する湾曲板形状とされている。そして、当該天板部156は、腕部142,142よりも幅方向外方まで延びており、係止部材140を針先保護部24に組み付けた際に、前壁部124の前端面126に設けられた嵌合溝132に嵌合するようになっている。
【0065】
かかる構造とされた係止部材140は、針先保護部24に組み付けられる以前の単体状態において、対向する腕部142,142の最大幅方向寸法(突出先端部の最大幅寸法)が、針先保護部24における側壁部122,122の内面130,130の対向面間距離より大きくされている。また、腕部142,142の突出基端部に位置する当接突起152,152間の最大幅寸法が、側壁部122,122の内面130,130の対向面間距離と略同じか僅かに大きくされている。
【0066】
かかる係止部材140を針先保護部24に組み付けるに際しては、図4(a)のように、組付孔128の上方に係止部材140を位置させた状態から、係止部材140を下方に押し込む。これによって、図4(b)に示されるように、係止部材140の腕部142,142が側壁部122,122の内面130,130によって案内せしめられて、腕部142,142の特に突出先端部が、係止突部134,134の傾斜面136,136に沿って対向方向内方、即ち相互に接近する方向へと移動して弾性変形せしめられる。
【0067】
そして、係止部材140を更に下方に押し込むことで、図4(c)に示されるように、腕部142,142の外面に設けられた係止溝150,150内に係止突部134,134が嵌まり込んで係止されて、腕部142,142の突出先端部が弾性的に復元変形せしめられる。これにより、係止部材140が、針先保護部24の組付孔128に嵌め入れられて組み付けられるようになっており、かかる組付状態では、腕部142,142が、針先保護部24内を下方に延びており、その突出先端が、保護底壁部108の下端面114と略同位置にある。すなわち、腕部142,142の突出先端から延びる内方突部146,146が、針先保護部24の保護底壁部108における導入孔120の部分に設けられており、具体的には、導入孔120の下方開口部から上方に向かって延びるように設けられている。
【0068】
ここにおいて、図4(c)に示される、係止部材140の針先保護部24への組付状態では、腕部142,142の突出先端部が単体状態の位置まで復元せずに、側壁部122,122における係止突部134,134よりも下方の内面130,130により、対向方向内方に押圧されている。換言すれば、腕部142,142において係止溝150,150よりも下方に設けられた押圧突部154,154が、腕部142,142の弾性的な復元力に基づいて側壁部122,122の内面130,130に押し付けられており、係止部材140における腕部142,142が、単体状態に比べて、相互に接近した状態で保持されている。これにより、腕部142,142から延びる内方突部146,146の突出先端部が相互に突き合わされた接触状態とされて、これら内方突部146,146の突出先端部間に形成されていた隙間148が消滅するようになっている。また、かかる組付状態では、腕部142,142の突出基端部に設けられた当接突起152,152が、側壁部122,122における係止突部134,134よりも上方の内面130,130に、ゼロタッチまたは僅かに押し付けられた状態で当接している。
【0069】
なお、本実施形態では、係止部材140が針先保護部24に組み付けられることで、針先保護部24の前壁部124における前端面126に設けられた嵌合溝132に係止部材140の天板部156が嵌め入れられて、針先保護部24の前端面126が、略滑らかな傾斜湾曲面となるようになっている。
【0070】
以上の如き構造とされた針組立体10は、ベースプレート12を患者の皮膚に重ね合わせて、穿刺針16を患者の皮膚に埋設されたシリコンポート20に穿刺する。換言すれば、ベース部としてのベースプレート12が、皮膚を介して穿刺部としてのシリコンポート20に重ね合わされた状態で、穿刺針16を穿刺する。これにより、穿刺針16がシリコンポート20を貫通して、穿刺針16の内孔と患者の血管とが連通されて、針ハブ18後方のチューブ28に接続された図示しないシリンジなどの内部の薬液などが、患者の血管内に注入される。
【0071】
そして、薬液などを血管内に注入した後、図5(a)に示されるように、カバー部材36における把持部60を摘んで、上方に押し上げることで、係合爪62,62の爪本体64,64と係合部72,72の係合溝78,78との係合が解除される。これにより、取っ手部56がヒンジ部54を中心としてカバープレート38に対して回動可能とされて、取っ手部56が略上下方向に延びる位置まで回動せしめられる。
【0072】
その後、図5(b)に示されるように、把持部60を摘んで取っ手部56を更に上方へ引き上げることで、針ハブ18がベースプレート12から離隔する方向に移動せしめられる。すなわち、各ヒンジ部100,110,112を挟んだ両側部分が相対的に回動して、連結部94(第1連結部102,102、第2連結部104,104、第3連結部106,106)および保護底壁部108(針先保護部24)がベースプレート12に対して上方へ略真っ直ぐ立ち上がるようにされる。要するに、連結部94および保護底壁部108を引き起こすことで、ベースプレート12と針ハブ18とが相互に離隔した状態とされるのであり、ベースプレート12と針ハブ18とが、連結部94および保護底壁部108により、接近および離隔可能に連結されている。
【0073】
なお、針ハブ18のベースプレート12から離隔する方向への移動、即ち上方への移動は、連結部94および保護底壁部108がベースプレート12に対して上方へ略真っ直ぐ延び切ることで、それ以上の移動が制限されるようになっており、連結部94および保護底壁部108がベースプレート12に対して上方へ略真っ直ぐ延び切った位置が、針ハブ18をベースプレート12から最も離隔させた位置となっている。
【0074】
また、本実施形態では、ベースプレート12の前端部と保護底壁部108の前端部とがヒンジ部110を介して相互に連結されていることから、針ハブ18の、ベースプレート12からの離隔移動に伴って保護底壁部108の後端側に連結された連結部94が引き上げられる。これにより、ベースプレート12の上端面66に重ね合わされていた保護底壁部108(針先保護部24)の下端面114が立ち上がり、保護底壁部108(針先保護部24)が、ヒンジ部110を中心として前方に回動しながら上方に引き上げられるようになっている。これに伴い、針先保護部24から上方の部分、即ち連結部94、穿刺針16、針ハブ18、カバー部材36なども、全体としてベースプレート12の前方側へ移動するようになっている。なお、本実施形態では、穿刺針16がベースプレート12よりも前方までに移動することから、穿刺針16の針先22が針先保護部24に収納された後に、穿刺針16に対して引抜方向と反対方向の外力が及ぼされる際にも、穿刺針16の針先22がベースプレート12に設けられた穿刺用孔82や案内孔84を通じて再突出することが効果的に防止され得る。
【0075】
かかる針ハブ18の、ベースプレート12から離隔する方向への移動により、図5(c)に示されるように、穿刺針16がシリコンポート20から引き抜かれて上方および前方に移動しつつ、その針先22が、ベースプレート12に設けられた案内孔84および保護底壁部108に設けられた導入孔120を通じて、針先保護部24の側方となる後方から前方に移動することで、針先保護部24内に収納されて保護されるようになっている。換言すれば、穿刺状態から引き抜かれてベースプレート12の前方側に移動する穿刺針16の針先22が、穿刺用孔82から案内孔84を経て導入孔120から針先保護部24内に導き入れられるようになっている。すなわち、穿刺針16の針先22が、保護底壁部108の下端面114に開口する導入孔120を通じて、後方から前方(要するに、初期状態の針先保護部24における下方から上方への方向)に移動して、針先保護部24内に収納されるようになっている。したがって、本実施形態では、穿刺針16の針先22の、針先保護部24に入る方向が、針先保護部24の後方から前方(初期状態の針先保護部24における下方から上方への方向)とされている。そして、針先22の保護状態では、患者から引き抜かれた穿刺針16の針先22が移動するベースプレート12の前方において、ベースプレート12から引き上げられて立ち上がった針先保護部24の保護底壁部108が、穿刺針16に対して対向位置されている。
【0076】
特に、本実施形態では、穿刺針16の針先22の保護状態では、穿刺針16の針先22が、係止部材140の内部、即ち内方突部146,146を含む腕部142,142および接続部144で囲まれた領域内に収納されるようになっており、針先保護部24内の特に係止部材140の内部の領域が、穿刺針16の針先22を収納する収納領域158とされている。
【0077】
かかる収納領域158への穿刺針16の収納作動を図6(a),(b)を示して説明する。なお、図6(a),(b)は、係止部材140と穿刺針16との相対的な位置関係を模式的に示すものであり、係止部材140が、針先保護部24に組み付けられた状態で示されている。
【0078】
すなわち、初期状態では、係止部材140の腕部142,142が上下方向に延びているが、穿刺針16の引抜きに伴い、針先保護部24がヒンジ部110を中心に次第に前方に回動せしめられる。これにより、係止部材140の腕部142,142が次第に前後方向に延びるように傾動せしめられる。この結果、図6(a)に示されているように、穿刺針16の引抜きに伴う前方(図6中の上方)への移動により、係止部材140に対して穿刺針16が後方から接近せしめられる(図6(a)中、白矢印の方向)。具体的には、係止部材140における内方突部146,146の突き合わせ部分に対して、穿刺針16が後方から接近せしめられる。
【0079】
そして、更に穿刺針16を引き抜いて前方へ移動させることで、内方突部146,146の突き合わせ部分と穿刺針16とが当接して、更に穿刺針16を前方に移動させることで、内方突部146,146が前方(腕部142,142の突出基端側)へ弾性変形せしめられて、内方突部146,146の突出先端部における突き合わせ間に穿刺針16の通過を許容するだけの隙間が形成される。これにより、図6(b)に示されるように、当該隙間を通じて、穿刺針16の針先22が、内方突部146,146より前方、即ち収納領域158内に導き入れられる。そして、穿刺針16が内方突部146,146を通過した後は、内方突部146,146の弾性的な復元変形により、内方突部146,146の突出先端部間の隙間がなくなって、内方突部146,146の突出先端部が再び相互に突き合わされて接触状態とされるようになっている。
【0080】
この結果、穿刺針16の針先22が収納領域158内に収納された後の、穿刺針16の後方への移動が阻止されており、穿刺針16の針先22が針先保護部24に収納された後の、針先22の針先保護部24からの再突出が防止されている。
【0081】
なお、本実施形態では、案内孔84と導入孔120とが相互に連通しており、案内孔84の前端と導入孔120の下端とにおいて外部に開放されていることから、穿刺針16の引抜きに伴って案内孔84および導入孔120内を穿刺針16の針先22が通過するに際して、針先22がベースプレート12や保護底壁部108に当接することがないようになっている。これにより、穿刺針16を引き抜く際の、穿刺針16とベースプレート12や保護底壁部108との当接に伴う音の発生が防止されている。それ故、穿刺針16を引き抜く際において、使用者が、穿刺針16の針先22が針先保護部24に十分収納されていない状態にも拘らず収納されたと誤認して廃棄等してしまうおそれが低減され得る。
【0082】
以上の如き構造とされた針組立体10では、針先保護部24に対して別部材とされた係止部材140を組み付けることで、穿刺針16の針先22を針先保護部24に収納した後の、針先保護部24からの穿刺針16の再突出を防止する機構が構成されており、当該機構が容易に構成され得る。また、針先保護部24と係止部材140とが別部材とされていることから、例えば係止部材140の材質を針先保護部24と異ならせて、穿刺針16の再突出防止効果をより安定して発揮させることなども可能となる。
【0083】
特に、本実施形態では、針先保護部24において、前壁部124を上下方向で貫通する組付孔128が設けられて、当該組付孔128に係止部材140を外部(上方)から嵌め込むことで係止部材140が組み付けられることから、係止部材140の針先保護部24への組付けが容易に実現され得る。なお、針先保護部24における組付孔128は、上下方向に貫通する態様に限定されず、例えば上方や下方、側方に開口して、係止部材140が、上方や下方、側方から組み付けられるようになっていてもよい。すなわち、針先保護部24に対する係止部材140の組付方向は、限定されるものではないし、非貫通の態様であってもよい。
【0084】
さらに、係止部材140の、針先保護部24に組み付けられる以前の単体状態では、内方突部146,146の突出先端部間に隙間148が設けられていることから、腕部142,142の対向方向内方への変形が容易に許容され得て、係止部材140の、針先保護部24への組付抵抗の低減が図られ得る。そして、係止部材140が針先保護部24に組み付けられた後には、腕部142,142が相互に接近する方向に変形せしめられて、内方突部146,146の突出先端部が相互に突き合わされて接触状態とされることから、内方突部146,146の突出先端方向への変形は許容される一方、内方突部146,146の突出基端方向への変形が困難とされる。これにより、穿刺針16の、針先保護部24からの再突出がより効果的に防止され得る。
【0085】
更にまた、本実施形態では、ベースプレート12に穿刺用孔82が設けられており、初期状態では、針ハブ18から延びる穿刺針16が、当該穿刺用孔82を通じてベースプレート12の下方に延びている。そして、穿刺針16の引抜きに伴い、穿刺針16の針先22が穿刺用孔82から前方に移動して針先保護部24に収納されることから、針先22の保護状態では、穿刺針16と穿刺用孔82とが相互にずれて位置している。これにより、収納状態の穿刺針16に対して引抜方向と反対方向の外力が及ぼされた場合にも、穿刺針16が穿刺用孔82を通じて再突出するおそれが低減され得る。
【0086】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
【0087】
たとえば、前記実施形態では、ベース部材14の展開状態において、ベースプレート12に設けられた案内孔84と保護底壁部108に設けられた導入孔120とが相互に連通しており、ヒンジ部110で折り曲げることで案内孔84と導入孔120とが、それぞれ針組立体10の前方に開放されるようになっていたが、かかる態様に限定されるものではない。すなわち、ベース部材14の展開状態において、案内孔84と導入孔120は相互に連通している必要はなく、要するに、例えば案内孔84は、本発明において必須なものではない。あるいは、導入孔120の前方側が保護底壁部108によって閉塞されていてもよい。
【0088】
さらに、前記実施形態では、ベースプレート12と連結部94とが、保護底壁部108を介して、ヒンジ部110,112により連結されていたが、かかる態様に限定されるものではない。すなわち、ベースプレート12と連結部94が直接連結されてもよく、かかる場合には、針先保護部24はベースプレート12に対して、ヒンジ連結ではなく一体成形等で固設されていてもよい。なお、かかる場合においても、引抜後の穿刺針16と穿刺用孔82との位置をずらして穿刺針16の再突出を防止するという観点から、穿刺針16は、穿刺用孔82に対して前方に移動して針先保護部24に収容されることが好ましいが、穿刺針16は、穿刺用孔82に対して前方に移動することなく、針先保護部24に収容されるようになっていてもよい。
【0089】
すなわち、穿刺針16の針先22は、真っ直ぐ上方にスライドされて針先保護部24に収納されるようになっていてもよく、かかる場合には、例えば保護機構の作動前の状態において、穿刺針16が、収納領域158内に挿通されて下方に突出しているか、または係止部材140を上下方向で貫通する貫通孔に挿通されて一対の内方突部146,146間を通じて下方に突出していてもよい。このような態様では、例えば穿刺針16が、収納領域158内に挿通されている場合には、保護機構の作動前の状態において、穿刺針16が内方突部146,146を対向方向外方に押し広げていても押し広げていなくてもよく、内方突部146,146を外れた位置で収納領域158内に挿通された穿刺針16が抜去に際して、内方突部146,146を押し広げるようにしてもよい。要するに、穿刺針16を抜去することで押し広げられた内方突部146,146が対向方向内方に復元変形して針先22を覆い、再突出が防止され得るように構成されていればよい。また、穿刺針16が係止部材140を貫通して上下方向に延びる場合には、内方突部146,146は、穿刺針16により対向方向外方に押し広げられており、穿刺針16を抜去することで、内方突部146,146が対向方向内方に復元変形して針先22を覆い、再突出が防止され得る構成を採用してもよい。かかる構造が採用される場合には、内方突部146,146は、厚さ方向で変形するものではないことから、厚さ方向で容易に変形可能な薄肉の板状とされる必要はなく、例えば厚肉のブロック状とされて、両腕部142,142の変形などにより内方突部146,146が針先22を覆うようになっていてもよい。
【0090】
なお、上記のように、針先保護部24がベースプレート12に固設される場合には、例えば初期状態において、穿刺針16が針先保護部24の後方でベースプレート12に設けられた穿刺用孔82を通じてベースプレート12から突出する構造を採用することで、穿刺針16の引抜きに伴い穿刺針16が前方に移動して、垂直壁部116に設けられた挿通溝118から、即ち針先保護部24に対して側方となる後方から針先保護部24に穿刺針16を導入せしめることも可能である。かかる場合には、係止部材140を、その腕部142,142が針先保護部24に対して前後方向に延びるように組み付けることで、腕部142,142に設けられた内方突部146,146間を通過して穿刺針16の針先22が針先保護部24内に導入される一方、かかる内方突部146,146により穿刺針16の針先22の、針先保護部24からの再突出が防止され得る。すなわち、かかる態様では、針先保護部24の壁部が垂直壁部116により構成されて、当該壁部(垂直壁部116)に設けられて穿刺針16の針先22を針先保護部24に導き入れる導入孔が、挿通溝118により構成される。
【0091】
また、本発明において、カバー部材36は必須なものではなく、穿刺針16の引抜きに際して、例えば針ハブ18を直接把持して引き上げるようになっていてもよい。
【0092】
さらに、前記実施形態において、ベース部材14は、ベースプレート12、保護底壁部108、連結部94、固定部86などを備えた一体成形品として形成されていたが、これらは別個に形成されて後固着されてもよい。なお、ベースプレート(ベース部)12の構造は何等限定されるものではなく、例えば単なる板形状であってもよい。また、連結部94の構造も何等限定されるものではなく、例えば前記実施形態よりも多段階に折り畳まれるようになっていてもよいし、ベース部(ベースプレート12)に対して針ハブ18を接近および離隔可能に連結する連結部94として、スライド可能な伸長部材や、回転ピンを備えたヒンジを中心として回転運動が可能なヒンジ部を有するものであってもよく、ヒモ部材等の線状の部材等湾曲可能な部材を用いることもできる。
【0093】
更にまた、前記実施形態では、係止部材140が針先保護部24に組み付けられる際に、係止部材140の腕部142,142が、針先保護部24における側壁部122,122の内面130,130に押圧されて対向方向内方に変形するようになっていたが、かかる態様に限定されるものではない。すなわち、係止部材140を針先保護部24に組み付けるに際して、係止部材140の腕部142,142は変形しなくてもよく、係止部材140の、針先保護部24に組み付けられる以前の単体状態において、内方突部146,146の突出先端部間の隙間148は形成されていなくてもよい。尤も、係止部材140の、針先保護部24への組付状態において、内方突部146,146の突出先端部同士は突き合わされて接触状態とされる必要はなく、内方突部146,146の突出先端部間に隙間148を有していてもよい。
【0094】
また、前記実施形態では、係止部材140が、合成樹脂の一体成形品とされていたが、かかる態様に限定されるものではない。たとえば、係止部材140として、部分的に異なる樹脂を採用した2色成形品や、部分的に異なる材質を採用した複合成形品なども採用され得る。すなわち、係止部材140において、腕部142,142をより弾性率の小さい材料で形成することで、対向方向内方への弾性変形をより容易としたり、内方突部146,146を金属など、より硬質の材料で形成することで、穿刺針16の針先保護部24からの再突出がより効果的に防止され得る。
【0095】
なお、前記実施形態では、一対の腕部142,142(一対の内方突部146,146)を有する係止部材140が、針先保護部24とは別体とされて当該針先保護部24に組み付けられていたが、例えば針先保護部24を構成する側壁部122,122の内面130,130のそれぞれに、相互に接近する方向且つ針先22が針先保護部24に入る方向に傾斜して突出する内方突部146,146を一体として形成してもよい。かかる場合には、針先保護部24に対して別体の係止部材140を組み付けることが不要とされる。
【0096】
また、前記実施形態では、内方突部146,146が、対向方向内方になるにつれて腕部142,142の突出基端側(上方)に向かう方向に傾斜して突出していたが、これら内方突部146,146は、腕部142,142から垂直に突出して相互に接近していてもよい。
【符号の説明】
【0097】
10:針組立体、12:ベースプレート(ベース部)、16:穿刺針、18:針ハブ、20:シリコンポート(穿刺部)、22:針先、24:針先保護部、94:連結部、120:導入孔、125:周壁部分、128:組付孔、140:係止部材、142:腕部、146:内方突部、148:隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6