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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/00 20060101AFI20220117BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20220117BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20220117BHJP
   G01V 8/12 20060101ALI20220117BHJP
   G01V 8/20 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G01J1/00 B
G01J1/42 N
G01V1/00 A
G01V8/12 G
G01V8/20 P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017173150
(22)【出願日】2017-09-08
(65)【公開番号】P2019049447
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2019-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴文
(72)【発明者】
【氏名】太田 弘一
(72)【発明者】
【氏名】田中 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】西川 智晶
(72)【発明者】
【氏名】川波 絢佳
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-269829(JP,A)
【文献】特開2017-120510(JP,A)
【文献】特開2003-315442(JP,A)
【文献】実開昭51-101956(JP,U)
【文献】特開2016-096669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00- G01J 1/06
G01J 1/42- G01J 1/46
G01M 11/00
G01S 7/48- G01S 7/51
G01S 17/00- G01S 17/95
G01V 8/12- G01V 8/26
B60L 1/00- B60L 3/12
B60L 7/00- B60L 13/00
B60L 15/00- B60L 58/40
G05D 1/00- G05D 1/12
H01H 35/00
H01L 31/12- H01L 31/16
H03K 17/78
H04Q 9/00- H04Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器を検査対象とする検査システムであって、
前記検知器の検知状態を検査する検査装置を備え、
前記検査装置は、前記搬送車の走行軌跡と重ならない位置であって、且つ、前記搬送経路上に設定された検査場所に前記搬送車が在る状態で前記検知器の検知範囲内となる位置に配置され、
前記搬送車は、前記検知器である第1検知器に加えて、前記第1検知器とは異なる検知対象を検知する第2検知器を備え、
前記第1検知器は、光を投光する第1投光部と、光を受光する第1受光部と、を有し、
前記第2検知器は、光を投光する第2投光部と、光を受光する第2受光部と、を有し、
前記検査装置は、検査面を備え、
前記第1投光部と前記第2投光部とが、同一の前記検査面における異なる領域に光を投光し、
前記検査装置は、光を反射する反射部と、光を反射しない非反射部と、を有し、
前記反射部及び前記非反射部の双方は、前記検査面に形成され、
前記反射部は、前記第1検知器の前記第1投光部からの光を反射する第1反射領域と、
前記第2検知器の前記第2投光部からの光を反射する第2反射領域と、を有し、
前記検査場所において、前記第1検知器の前記第1受光部が、前記第1投光部による投光時に前記第1反射領域により反射された光を受光した場合に、前記第1検知器の前記検知状態が正常であると判定し、
前記検査場所において、前記第2検知器の前記第2受光部が、前記第2投光部による投光時に光を受光しない場合に、前記第2検知器の前記検知状態が正常であると判定する検査システム。
【請求項2】
前記第1検知器及び前記第2検知器の一方は、前方の前記搬送車を検知するための前方車センサであり、他方は、前記走行軌跡上の障害物を検知するための障害物センサである請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記第2反射領域は、前記検査面における外縁部に配置され、
前記非反射部は、前記第2反射領域よりも前記検査面の中央側に配置され、
前記第1反射領域は、前記非反射部の中に配置されている請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記第1反射領域は、前記第2検知器の前記第2投光部により投光される光の照射範囲から外れた位置に配置されており、
前記第2反射領域は、前記第1検知器の前記第1投光部により投光される光の照射範囲から外れた位置に配置されている請求項に記載の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車が備える検知器を検査対象とする検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1(特開平10-325866号公報)には、無人の搬送車(1)に備えられた検知器としての障害物センサ(6)を検査するための技術が開示されている。特許文献1の技術では、三次元方向に移動する模擬障害物(110)を障害物センサ(6)に検出させることで、障害物センサ(6)の検出範囲を検査するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-325866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、検査対象となる障害物センサ(6)を備えた搬送車(1)を、搬送車(1)が物品を搬送するために走行する搬送経路とは別の場所(120)まで作業者によって移動させた上で、当該障害物センサ(6)の検査が行われる。そのため、障害物センサ(6)の検査を行うに際して、作業者による搬送車(1)の移動の手間が生じており、検査の手間の簡略化に向けて改善の余地があった。
【0005】
そこで、予め設定された搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器の検査の手間を簡略化することが可能な検査システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る検査システムは、
予め設定された搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器を検査対象とする検査システムであって、
前記検知器の検知状態を検査する検査装置を備え、
前記検査装置は、前記搬送車の走行軌跡と重ならない位置であって、且つ、前記搬送経路上に設定された検査場所に前記搬送車が在る状態で前記検知器の検知範囲内となる位置に配置され、
前記搬送車は、前記検知器である第1検知器に加えて、前記第1検知器とは異なる検知対象を検知する第2検知器を備え、
前記第1検知器は、光を投光する第1投光部と、光を受光する第1受光部と、を有し、
前記第2検知器は、光を投光する第2投光部と、光を受光する第2受光部と、を有し、
前記検査装置は、検査面を備え、
前記第1投光部と前記第2投光部とが、同一の前記検査面における異なる領域に光を投光し、
前記検査装置は、光を反射する反射部と、光を反射しない非反射部と、を有し、
前記反射部及び前記非反射部の双方は、前記検査面に形成され、
前記反射部は、前記第1検知器の前記第1投光部からの光を反射する第1反射領域と、
前記第2検知器の前記第2投光部からの光を反射する第2反射領域と、を有し、
前記検査場所において、前記第1検知器の前記第1受光部が、前記第1投光部による投光時に前記第1反射領域により反射された光を受光した場合に、前記第1検知器の前記検知状態が正常であると判定し、
前記検査場所において、前記第2検知器の前記第2受光部が、前記第2投光部による投光時に光を受光しない場合に、前記第2検知器の前記検知状態が正常であると判定する
【0007】
本構成によれば、搬送車が備える検知器を検査するための検査装置が、搬送経路上に設定された検査場所に搬送車が在る状態で当該検知器の検知範囲内となる位置に配置されているため、搬送車が搬送経路上に在る状態で検知器の検査を行うことができる。更に、このような検査装置が、搬送車の走行軌跡と重ならない位置に配置されているため、搬送経路を走行する搬送車が検査装置に接触することもない。このため、搬送車に搬送経路を走行させつつ、任意のタイミングで検知器の検査を行うことができる。従って、搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器の検査の手間を簡略化することができる。
また、本構成によれば、検知器が備えられた搬送車側において、当該検知器の検知状態が正常であるか異常であるかを判定することができる。このため、検知器の検査結果の情報と当該検査結果に係る搬送車を特定する情報との関連付けを検査システムにおいて容易に行うことができる。従って、検査システムの簡略化を図ることが容易となる。
また、本構成によれば、一つの検査場所において一つの検査装置を用いて、互いに異なる検知対象を検知する第1検知器と第2検知器との検査を行うことができる。またこの際、第1検知器については第1受光部が反射光を受光した場合に正常と判定し、第2検知器については第2受光部が反射光を受光しない場合に正常と判定する構成であるため、正しい反射領域からの反射光以外の反射光による誤判定が生じる可能性を低減することができる。
【0008】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】検査システムを備えた物品搬送設備のレイアウトの一例を示す平面図
図2】搬送車の側面図
図3】搬送車の正面図
図4】検査装置によって検知器を検査している状態を示す説明図
図5】検査装置の正面図
図6】検査システムの制御構成を示すブロック図
図7】その他の実施形態に係る検査システムの制御構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
検査システムは、予め設定された搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器を検査対象としている。このような検知器は、例えば、搬送車が搬送経路上を安全に走行するために用いられる。検査システムは、搬送車によって物品を搬送する物品搬送設備に利用することができる。以下、検査システムが物品搬送設備に適用される場合を例に、当該検査システムの実施形態について説明する。
【0011】
1.第一実施形態
1-1.物品搬送設備の構成
図1に示すように、物品搬送設備100は、搬送経路Rに沿って走行する複数の搬送車2を備えている。本実施形態では、搬送経路Rは、天井に支持された走行レール98(図2等参照)に沿って設定されている。そして、搬送車2は、このような走行レール98を走行する天井搬送車として構成されており、物品搬送設備100において工程間で材料や中間品を搬送する。
【0012】
なお、以下の説明において、搬送経路Rに沿って走行する搬送車2に関して、その進行方向に沿って延びる方向を「前後方向X」と定義すると共に、搬送車2が進行する向きを基準として「前」及び「後」を定義するものとする。すなわち、進行方向に沿って進む先が「前」であり、その逆が「後」である。また、水平面内において搬送車2の進行方向に直交する方向を「幅方向Y」と定義し、進行方向及び幅方向Yの双方に直交する方向を「上下方向Z」と定義するものとする。なお、本明細書では、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態をも含む概念として用いるものとする。
【0013】
図1図3に示すように、物品搬送設備100は、搬送経路Rに沿って配設された走行レール98と、走行レール98(搬送経路R)に沿って走行して物品Wを搬送する搬送車2と、を備えている。走行レール98は、左右一対設けられて天井から吊り下げ支持されている。
【0014】
図1に示すように、搬送経路Rは、直線状に形成された直線区間RSと、湾曲状に形成されたカーブ区間RCとを含んで構成されている。例えば、物品搬送設備100は複数のベイ(工程)を有しており、搬送経路Rは、ベイ毎に設けられたベイ内経路と、複数のベイ内経路同士を接続するベイ間経路と、を含んで構成されている。そして、ベイ間経路及びベイ内経路のそれぞれは、複数の直線区間RSと複数のカーブ区間RCとが組み合わされて構成されている。
【0015】
物品搬送設備100は、処理装置96と、載置台95と、を備えている。処理装置96は、例えば半導体基板の加工等を行う半導体処理装置等であって良い。載置台95は、複数の処理装置96のそれぞれに隣接し、かつ、走行レール98と平面視で重複する位置に設けられている。
【0016】
物品搬送設備100は、建屋内に設置されている。建屋は、四方を区画壁93で囲まれている(図1には、一部の区画壁93のみを表示)。なお、物品搬送設備100には、設備内を複数の領域に区画するためのパーティションや、工程間における仕掛品を一時保管するための自動倉庫などが設けられていても良い。
【0017】
搬送車2は、異なる載置台95同士の間、又は、自動倉庫が設けられている場合には当該自動倉庫と載置台95との間で、物品Wを搬送する。前述したように物品搬送設備100が半導体製造設備である場合(処理装置96が半導体処理装置である場合)には、物品Wは、例えば半導体基板を収容する容器(Front Opening Unified Pod;FOUP)等であると良い。
【0018】
図2及び図3に示すように、搬送車2は、走行部21と搬送本体部22とを備えている。走行部21は、車体本体21Aと、この車体本体21Aに回転自在に支持された複数の車輪21Bとを有している。車体本体21Aは、前後一対設けられている。車輪21Bは、前後一対の車体本体21Aのそれぞれにおいて左右一対設けられており、走行レール98の上面を転動する。複数の車輪21B(本例では4つ)のうちの少なくとも1つは、駆動モータ21Cによって回転駆動される駆動輪であり、搬送車2に推進力を付与する。
【0019】
走行部21は、下部ガイドローラ21Dと上部ガイドローラ21Eとを有している。下部ガイドローラ21Dは、車体本体21Aよりも下方において、当該車体本体21Aに対して上下軸周りに回転自在に支持されている。下部ガイドローラ21Dは、走行レール98の側面に接して転動する。上部ガイドローラ21Eは、車体本体21Aよりも上方において、当該車体本体21Aに設けられた切替機構に対して上下軸周りに回転自在に支持されている。切替機構は、上部ガイドローラ21Eの位置を左右(幅方向Y)に切替自在に構成されている。上部ガイドローラ21Eは、搬送経路Rの分岐点において、切替機構の状態に応じて、案内レール97における左右いずれかの側面に接して転動する。
【0020】
前後一対の車体本体21Aのそれぞれには連結軸21Fが連結されており、これらの連結軸21Fを介して、走行部21に搬送本体部22が吊り下げ支持されている。搬送本体部22は、ケース23と保持部24とを備えている。図2に示す例では、ケース23の内側に、保持部24が収容されている。
【0021】
ケース23は、保持部24に対して進行方向の前方側を覆う前方ケース部23Aと、保持部24に対して進行方向の後方側を覆う後方ケース部23Bと、保持部24の上方を覆うと共に前方ケース部23A及び後方ケース部23Bを連結する上方ケース部23Cと、を有する。前方ケース部23Aは、上方ケース部23Cの前方側の端部から下方に向かって延びており、後方ケース部23Bは、上方ケース部23Cの後方側の端部から下方に向かって延びている。ケース23は、下方及び左右両側方に開口しており、幅方向Y視で角張ったU字状に形成されている。
【0022】
保持部24は、物品Wを把持することにより当該物品Wを保持する。保持部24は、物品Wを保持した状態で、当該物品Wを昇降自在に構成されている。保持部24は、上昇位置でケース23の内側に収容され、その状態で搬送車2が搬送経路Rに沿って走行する。搬送車2が移載箇所(例えば載置台95の上方位置や自動倉庫の受け渡し部の上方位置)にある状態で、保持部24は、降下位置まで降下し、物品Wの積み降ろしを行う。
【0023】
前述のように、搬送車2は、検知器3を備えている。検知器3には、検知範囲IEが設定されている。検知器3は、検知範囲IE内における物体を検知可能に構成されている。本実施形態では、検知器3は、搬送車2の前方部分に設けられている。図示の例では、検知器3は、ケース23の前方ケース部23Aに設けられている。前述の検知範囲IEは、搬送車2の前方に向かって予め定められた距離(例えば、数メートル~数十メートル)の範囲に設定されている。
【0024】
例えば、検知器3は、光学式のセンサとして構成されている。本実施形態では、検知器3は、光を投光する投光部3Aと、光を受光する受光部3Bと、を有している。但し、このような構成に限らず、検知器3は、検知範囲IEにおける物体を検知可能なものであれば良く、例えば、超音波センサなどであっても良い。
【0025】
本実施形態では、搬送車2は、検知器3として、第1検知器31に加えて、第1検知器31とは異なる検知対象を検知する第2検知器32を備えている。図示の例では、第1検知器31及び第2検知器32の双方が、ケース23の前方ケース部23Aに設けられている。
【0026】
本例では、第1検知器31は、当該第1検知器31を備える搬送車2の前方の他の搬送車2を検知するための前方車センサである。そして、第1検知器31は、光を投光する第1投光部31Aと、光を受光する第1受光部31Bと、を有している。図示の例では、第1検知器31は、前方ケース部23Aの上部に1つ設けられている。また、図3に示すように、第1検知器31は、搬送車2の幅方向Yにおける中央部分の1箇所に設けられている。そして、第1検知器31は、第1投光部31Aによって光を前方に投光するように構成されている。本実施形態では、第1検知器31の照射範囲Eである第1照射範囲31Eは、幅方向Yに沿う直線状或いは帯状の範囲となっている(図5参照)。第1検知器31は、第1投光部31Aによって、前方の搬送車2における後方ケース部23Bに設けられた反射板4に向けて光を投光し、第1受光部31Bによって、反射板4からの反射光を受光する。これにより、第1検知器31は、前方の搬送車2を検知する。
【0027】
また、本例では、第2検知器32は、搬送車2の走行軌跡上の障害物を検知するための障害物センサである。そして、第2検知器32は、光を投光する第2投光部32Aと、光を受光する第2受光部32Bと、を有している。第2検知器32は、第2投光部32Aによって光を前方に投光するように構成されている。図示の例では、第2検知器32は、前方ケース部23Aにおける第1検知器31が設けられている位置よりも下方に設けられている。また、図3に示すように、第2検知器32は、搬送車2の幅方向Yにおける両側部分の2箇所に設けられた横側検知部32Sと、それよりも下方であって幅方向Yにおける中央部分の1箇所に設けられた下側検知部32Lと、を有している。本実施形態では、第2検知器32の照射範囲Eである第2照射範囲32Eは、複数(本例では3箇所)の範囲に設定されている。より詳細には、複数の第2照射範囲32Eのうち2つは、2つの横側検知部32Sから投光される光の照射範囲Eであり、上下方向Zに沿って延びる楕円状(或いは帯状)の範囲となっている(図5参照)。そして、複数の第2照射範囲32Eのうち1つは、下側検知部32Lから投光される光の照射範囲Eであり、幅方向Yに沿って延びる楕円状(或いは帯状)の範囲となっている(図5参照)。
【0028】
このように、物品搬送設備100では、搬送車2が備える第1検知器31によって、前方の他の搬送車2を検知することができる。そして、前方の他の搬送車2との車間距離が近くなり過ぎた場合に搬送車2の走行速度を緩めるなどして前方の他の搬送車2への追突を回避することが可能となっている。また、物品搬送設備100では、搬送車2が備える第2検知器32によって、搬送車2の走行軌跡上の障害物を検知することができる。そして、障害物を検知した場合に搬送車2を停止させるなどして当該搬送車2と障害物との接触を回避することが可能となっている。
【0029】
1-2.検査システムの構成
ここで、検知器3の検知状態が異常である場合には、検知対象を良好に検知することができない場合がある。例えば、前方車センサとして構成されている第1検知器31の検知状態が異常であり前方の搬送車2を検知できない場合には、そのような第1検知器31を備える搬送車2が、前方の搬送車2に追突する可能性がある。また、障害物センサとして構成されている第2検知器32の検知状態が異常であり、搬送車2の走行軌跡上に障害物が在るにもかかわらず当該障害物を検知できない場合には、そのような第2検知器32を備える搬送車2と障害物とが接触する可能性がある。
【0030】
そこで、図1に示すように、検査システム1は、検知器3の検知状態を検査する検査装置5を備えている。検査システム1は、検査装置5を用いることによって、検知器3の検知状態が正常であるか異常であるかを判定する。検知器3の検知状態が異常であると判定された場合には、当該検知器3がメンテナンスの対象として決定され、必要なメンテナンスが行われる。
【0031】
検査装置5は、搬送車2の走行軌跡と重ならない位置であって、且つ、搬送経路R上に設定された検査場所IPに搬送車2が在る状態で検知器3の検知範囲IE内となる位置に配置されている。搬送車2の走行軌跡は、搬送経路Rの全体に亘って、搬送経路R上を走行する搬送車2が通過する領域である。
【0032】
本実施形態では、検査装置5は、搬送車2が特定の検査場所IPに在る状態において、当該搬送車2の前方に延びる延長線上に配置されている。図1に示すように、本例では、検査装置5は、カーブ区間RCの手前(進行方向後側)にある直線区間RSの延長線と区画壁93との交点を含む位置に配置されている。このように、検査装置5は、搬送車2の走行軌跡と重ならない位置に設けられた区画壁93に取り付けられることにより、搬送車2の走行軌跡と重ならない位置に配置されている。
【0033】
本実施形態では、検査場所IPは、搬送車2の進行方向を「前」とした場合に、搬送経路Rにおけるカーブ区間RCの後側に設定されている。すなわち、搬送経路Rを走行する搬送車2が検査場所IPを通過した場合には、その後にカーブ区間RCを通過することとなる。以上により、検知範囲IEが搬送車2の前方に向かって設定されている構成において、搬送車2の走行軌跡と重ならない位置であって、且つ、搬送経路R上に設定された検査場所IPに搬送車2が在る状態で検知器3の検知範囲IE内となる位置に、検査装置5を配置することが可能となっている。
【0034】
図4及び図5に示すように、検査装置5は、検査面5Fを備えている。本実施形態では、検査装置5は、投光部3Aから投光された光を反射する反射部5Rと、光を反射しない非反射部5Nと、を有している。ここで、反射部5R及び非反射部5Nの双方は、検査面5Fに形成されている。
【0035】
本実施形態では、検査システム1は、検査場所IPにおいて、反射部5Rにより反射された光を受光部3Bが受光したか否かによって、検知器3の検知状態が正常であるか異常であるかを判定する。これにより、検査対象である検知器3が備えられた搬送車2側において、当該検知器3の検知状態を判定することができる。
【0036】
図5に示すように、本実施形態では、反射部5Rは、第1検知器31の第1投光部31Aからの光を反射する第1反射領域51Rと、第2検知器32の第2投光部32Aからの光を反射する第2反射領域52Rと、を有している。このように、検査装置5は、非反射部5Nと、第1反射領域51R及び第2反射領域52Rと、が形成される検査面5Fを備えている。
【0037】
図5に示すように、第1反射領域51Rと第2反射領域52Rとは、検査面5Fにおける互いに異なる位置に配置されている。本実施形態では、第2反射領域52Rは、検査面5Fにおける外縁部53に配置されている。図示の例では、外縁部53は、検査面5Fにおける、上縁部の一部分(中央部分)を除いた外縁に形成されており、幅方向Yの両縁部と下縁部とに沿って連続的に形成されている。また、搬送車2が検査場所IPに在る状態において搬送車2と検査装置5とを前後方向Xに沿って重ねて見た場合に、外縁部53は、搬送車2(搬送本体部22)と重複しない位置に配置されている。また、本例では、第2反射領域52Rは、第1検知器31の第1投光部31Aにより投光される光の照射範囲Eである第1照射範囲31Eから外れた位置に配置されている。これにより、第1投光部31Aにより投光される光が第2反射領域52Rによって反射される可能性を低減することができる。
【0038】
本実施形態では、非反射部5Nは、第2反射領域52Rよりも検査面5Fの中央側に配置されている。換言すれば、第2反射領域52Rは、幅方向Yの両側及び下側から非反射部5Nを囲むように形成されている。また、搬送車2が検査場所IPに在る状態において搬送車2と検査装置5とを前後方向Xに沿って重ねて見た場合に、非反射部5Nは、その外形と搬送本体部22の外形とが重複するように配置されている。
【0039】
本実施形態では、第1反射領域51Rは、非反射部5Nの中に配置されている。図示の例では、第1反射領域51Rは、検査面5Fの上部における幅方向Yの中央側に配置されている。また、搬送車2が検査場所IPに在る状態において搬送車2と検査装置5とを前後方向Xに沿って重ねて見た場合に、第1反射領域51Rは、第1検知器31と同じ高さとなるように配置されている。また、本例では、第1反射領域51Rは、第2検知器32の第2投光部32Aにより投光される光の照射範囲Eである第2照射範囲32Eから外れた位置に配置されている。これにより、第2投光部32Aにより投光される光が第1反射領域51Rによって反射される可能性を低減することができる。
【0040】
本実施形態では、検査システム1は、検査場所IPにおいて、第1検知器31の第1受光部31Bが第1反射領域51Rにより反射された光を受光した場合に、第1検知器31の検知状態が正常であると判定する。換言すれば、検査システム1は、第1受光部31Bが第1反射領域51Rにより反射された光を受光した場合に、第1照射範囲31Eが正常であると判定する。つまり、本例では、図5に示すように、第1照射範囲31Eが、第1反射領域51Rと重複している場合に、「第1照射範囲31Eが正常である」と判定する。なお、第1照射範囲31Eが、第1反射領域51Rと重複していない場合には、第1照射範囲31Eが異常である、すなわち、第1検知器31の検知状態が異常であると判定する。
【0041】
また、本実施形態では、検査システム1は、検査場所IPにおいて、第2検知器32の第2受光部32Bが光を受光しない場合に、第2検知器32の検知状態が正常であると判定する。換言すれば、検査システム1は、第2受光部32Bが光を受光しない場合に、第2照射範囲32Eが正常であると判定する。つまり、本例では、図5に示すように、第2照射範囲32Eの全体が、非反射部5Nと重複している場合に、「第2照射範囲32Eが正常である」と判定する。なお、第2照射範囲32Eの少なくとも一部が、第2反射領域52Rと重複している場合には、第2照射範囲32Eが異常である、すなわち、第2検知器32の検知状態が異常であると判定する。
【0042】
1-3.検査システムの制御構成
図6に示すように、検査システム1は、システム全体を管理する統括制御装置Htと、搬送車2を制御する個別制御装置Hmと、を備えている。統括制御装置Ht及び個別制御装置Hmは、相互に通信可能に構成されている。これらの制御装置は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアと、コンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムと、の協働により、各機能が実現される。
【0043】
本実施形態では、個別制御装置Hmは、複数の搬送車2のそれぞれに備えられると共に、当該複数の搬送車2のそれぞれの制御を行う。例えば、個別制御装置Hmは、搬送車2の走行、停止、及び物品Wの移載などを制御する。
【0044】
本実施形態では、統括制御装置Htは、複数の搬送車2を含む物品搬送設備100の全体の制御を行う。そして、統括制御装置Htは、個別制御装置Hm(搬送車2)に対して搬送指令などの各種の指令を行う。本例では、統括制御装置Htは、個別制御装置Hm(搬送車2)に対して、検知器3を検査させるための検査指令を行う。統括制御装置Htからの検査指令には、搬送車2を検査場所IPまで走行させる指令と、検査場所IPにおいて検査のための動作を搬送車2に行わせる指令とが含まれている。統括制御装置Htから検査指令を受けた個別制御装置Hmは、検査場所IPまで自車(搬送車2)を走行させる。そして、本例では、個別制御装置Hmは、検査場所IPにおいて自車(搬送車2)を停止させた状態で、検知器3の検査を行う。但し、このような構成に限らず、検査システム1は、検査場所IPの前後において搬送車2が走行している状態(好ましくは低速走行の状態)で、検知器3の検査を行うようにしても良い。検査場所IPにおける検査のための動作は、具体的には、以下のように行われる。すなわち、まず、投光部3Aから検査装置5に向けて光を投光する。そして、検査装置5によって反射された反射光が受光部3Bによって受光されるか否かを判定する。そして、この判定結果に応じて検知器3が正常であるあるか否かを判定する。このようにして、検査場所IPにおいて検知器3の検査が行われる。なお、投光部3Aからの光の投光は、搬送車2の走行中常に行っていても良いし、搬送車2が検査場所IPに停止した後に投光を開始するようにしても良い。
【0045】
本実施形態では、検査システム1は、検知器3の検査結果を記憶する記憶装置Mを更に備えている。記憶装置Mは、統括制御装置Htと通信可能に構成されている。検査場所IPにおいて検知器3の検査が終了した場合は、個別制御装置Hmから統括制御装置Htに検査結果が送信される。本実施形態では、個別制御装置Hmは、検知器3の検査結果と共に、複数の搬送車2の中から自車を識別するための識別情報を統括制御装置Htに送信する。統括制御装置Htは、個別制御装置Hmから送信された検査結果及び識別情報を記憶装置Mに送信する。そして、記憶装置Mは、統括制御装置Htから送信された検査結果及び識別情報を記憶する。これにより、記憶装置Mは、検査結果を送信した個別制御装置Hmに対応する搬送車2の識別情報と共に、当該検査結果を記憶する。
【0046】
このように、本実施形態では、検知器3の検査結果を、搬送車2側(個別制御装置Hm側)において取得できるように構成されている。そして、検査結果と共に搬送車2の識別情報が送信されることにより、当該検査結果と検査が行われた検知器3に対応する搬送車2とが関連付けられた状態で、各装置間(本例では制御装置Ht,Hmや記憶装置M)での情報のやり取りを行うことが可能となっている。なお、上記のような構成に限らず、個別制御装置Hm(搬送車2)は、記憶装置Mとの間で通信可能に構成されていても良い。この場合には、個別制御装置Hm(搬送車2)は、検知器3の検査結果を、記憶装置Mに対して直接送信するようにしても良い。また、この他にも、統括制御装置Htが、個別制御装置Hmから送信された検査結果を記憶する記憶機能を有していても良い。この場合には、記憶装置Mは備えられていなくても良い。
【0047】
検査場所IPにおいて検知器3の検査が行われた結果、検知器3が正常であると判定された場合には、個別制御装置Hm(搬送車2)は、統括制御装置Htからの搬送指令等に応じた通常の運用を再開すると好適である。一方、検知器3が異常であると判定された場合には、統括制御装置Htは、例えば、物品Wの搬送等を行わない搬送車2のための退避場所に向かって当該搬送車2を移動させると好適である。但し、このような構成に限らず、個別制御装置Hm(搬送車2)は、検知器3が異常であると判定された場合であっても、例えば、搬送中の物品の搬送が終了するまで等、限定的に通常の運用を再開しても良い。
【0048】
2.その他の実施形態
次に、検査システムのその他の実施形態について説明する。
【0049】
(1)上記の実施形態では、検査装置5が区画壁93に配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、検査装置5は、搬送車2の走行軌跡と重ならない位置に配置されていれば良い。例えば、物品搬送設備100に自動倉庫やパーティションが設けられている場合には、検査装置5は、自動倉庫の外壁部やパーティションに配置されていても良い。
【0050】
(2)上記の実施形態では、第1検知器31が前方車センサであって、第2検知器32が障害物センサである例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1検知器31及び第2検知器32の一方が、前方の搬送車2を検知するための前方車センサであり、他方が、走行軌跡上の障害物を検知するための障害物センサであれば良い。すなわち、第1検知器31が障害物センサであって、第2検知器32が前方車センサであっても良い。
【0051】
(3)上記の実施形態では、第1検知器31が、当該第1検知器31を備える搬送車2の前方を走行する他の搬送車2を検知対象としており、第2検知器32が、搬送車2の走行軌跡上の障害物を検知対象としている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1検知器31及び第2検知器32の検知対象は、設備の特性等に合わせて適宜設定されると良い。
【0052】
(4)上記の実施形態では、搬送車2が天井搬送車として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送車2は、例えば、床面上を走行する無人搬送車であっても良い。その場合には、搬送経路Rは、床面上の走行レールに沿って設定されていても良いし、走行レールによらず、例えば磁気等を用いて単に床面上に設定されたものであっても良い。
【0053】
(5)上記の実施形態では、検査装置5によって反射された反射光を受光部3Bによって受光するか否かにより、搬送車2に備えられた個別制御装置Hm側において検知器3の検査結果を取得する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、図7に示すように、搬送車2の投光部3Aから投光された光を検査装置5が受光することにより当該検査装置5が検知器3の検査結果を取得するようにしても良い。この場合には、検査装置5と統括制御装置Htとが通信可能に構成され、検査装置5から統括制御装置Htに検査結果を送信するように構成されていると良い。この場合、検査装置5は、例えば、上記実施形態における第1反射領域51Rに対応する位置に、第1検知器31の第1投光部31Aから投光される光を受光するための受光部を有し、非反射部5N(或いは、第2照射範囲32E)に対応する位置に、第2検知器32の第2投光部32Aから投光される光を受光するための受光部を有していると好適である。また、これらの受光部によって第1投光部31A又は第2投光部32Aからの光が受光されたか否か(検知器3が正常であるか否か)を判定するための判定部を有していると良い。本例では、各受光部によって光が受光された場合には、各検知器3が正常であると判定され、その検査結果が統括制御装置Htに送信される。また、このような構成に限らず、例えば、第2検知器32の第2投光部32Aから投光される光を受光するための受光部は、上記実施形態における第2反射領域52Rに対応する位置に設けられていても良い。この場合、判定部は、当該受光部によって第2投光部32Aから投光された光が受光された場合に、第2検知器32が異常であると判定する。
【0054】
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0055】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した検査システムの概要について説明する。
【0056】
予め設定された搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器を検査対象とする検査システムであって、
前記検知器の検知状態を検査する検査装置を備え、
前記検査装置は、前記搬送車の走行軌跡と重ならない位置であって、且つ、前記搬送経路上に設定された検査場所に前記搬送車が在る状態で前記検知器の検知範囲内となる位置に配置され、
前記搬送車は、前記検知器である第1検知器に加えて、前記第1検知器とは異なる検知対象を検知する第2検知器を備え、
前記第1検知器は、光を投光する第1投光部と、光を受光する第1受光部と、を有し、
前記第2検知器は、光を投光する第2投光部と、光を受光する第2受光部と、を有し、
前記検査装置は、検査面を備え、
前記第1投光部と前記第2投光部とが、同一の前記検査面における異なる領域に光を投光し、
前記検査装置は、光を反射する反射部と、光を反射しない非反射部と、を有し、
前記反射部及び前記非反射部の双方は、前記検査面に形成され、
前記反射部は、前記第1検知器の前記第1投光部からの光を反射する第1反射領域と、
前記第2検知器の前記第2投光部からの光を反射する第2反射領域と、を有し、
前記検査場所において、前記第1検知器の前記第1受光部が、前記第1投光部による投光時に前記第1反射領域により反射された光を受光した場合に、前記第1検知器の前記検知状態が正常であると判定し、
前記検査場所において、前記第2検知器の前記第2受光部が、前記第2投光部による投光時に光を受光しない場合に、前記第2検知器の前記検知状態が正常であると判定する
【0057】
本構成によれば、搬送車が備える検知器を検査するための検査装置が、搬送経路上に設定された検査場所に搬送車が在る状態で当該検知器の検知範囲内となる位置に配置されているため、搬送車が搬送経路上に在る状態で検知器の検査を行うことができる。更に、このような検査装置が、搬送車の走行軌跡と重ならない位置に配置されているため、搬送経路を走行する搬送車が検査装置に接触することもない。このため、搬送車に搬送経路を走行させつつ、任意のタイミングで検知器の検査を行うことができる。従って、搬送経路上を走行する搬送車が備える検知器の検査の手間を簡略化することができる。
また、本構成によれば、検知器が備えられた搬送車側において、当該検知器の検知状態が正常であるか異常であるかを判定することができる。このため、検知器の検査結果の情報と当該検査結果に係る搬送車を特定する情報との関連付けを検査システムにおいて容易に行うことができる。従って、検査システムの簡略化を図ることが容易となる。
また、本構成によれば、一つの検査場所において一つの検査装置を用いて、互いに異なる検知対象を検知する第1検知器と第2検知器との検査を行うことができる。またこの際、第1検知器については第1受光部が反射光を受光した場合に正常と判定し、第2検知器については第2受光部が反射光を受光しない場合に正常と判定する構成であるため、正しい反射領域からの反射光以外の反射光による誤判定が生じる可能性を低減することができる。
【0062】
また、前記第1検知器及び前記第2検知器の一方は、前方の前記搬送車を検知するための前方車センサであり、他方は、前記走行軌跡上の障害物を検知するための障害物センサであると好適である。
【0063】
本構成によれば、1台の搬送車が前方車センサと障害物センサとを備える場合において、これらの双方のセンサを簡易かつ適切に検査することができる。
【0064】
また、前記第2反射領域は、前記検査面における外縁部に配置され、
前記非反射部は、前記第2反射領域よりも前記検査面の中央側に配置され、
前記第1反射領域は、前記非反射部の中に配置されていると好適である。
【0065】
本構成によれば、第1投光部からの光を反射する第1反射領域と、第2投光部からの光を反射する第2反射領域とを、互いに離れた位置に配置すると共にその間に非反射部を配置することができる。そのため、例えば、第1投光部からの光が第2反射領域によって反射されたり、第2投光部からの光が第1反射領域によって反射されたりすることによる誤判定が生じる可能性を低減することができる。
【0066】
また、前記第1反射領域は、前記第2検知器の前記第2投光部により投光される光の照射範囲から外れた位置に配置されており、
前記第2反射領域は、前記第1検知器の前記第1投光部により投光される光の照射範囲から外れた位置に配置されていると好適である。
【0067】
本構成によれば、第2投光部からの光が第1反射領域によって反射されることを抑制できると共に、第1投光部からの光が第2反射領域によって反射されることを抑制することができる。これにより、第1投光部からの光が第2反射領域によって反射されたり、第2投光部からの光が第1反射領域によって反射されたりすることによる誤判定が生じる可能性を更に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示に係る技術は、搬送車が備える検知器を検査対象とする検査システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 :検査システム
2 :搬送車
3 :検知器
3A :投光部
3B :受光部
5 :検査装置
5F :検査面
5N :非反射部
5R :反射部
31 :第1検知器
31A :第1投光部
31B :第1受光部
31E :第1照射範囲
32 :第2検知器
32A :第2投光部
32B :第2受光部
32E :第2照射範囲
51R :第1反射領域
52R :第2反射領域
53 :外縁部
E :照射範囲
IE :検知範囲
IP :検査場所
R :搬送経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7