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  • 特許-操舵制御装置及び操舵制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】操舵制御装置及び操舵制御方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20220203BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20220203BHJP
   B60W 30/165 20200101ALN20220203BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20220203BHJP
   B62D 113/00 20060101ALN20220203BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
B62D6/00
B60W40/04
B60W30/165
B62D101:00
B62D113:00
B62D137:00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017213553
(22)【出願日】2017-11-06
(65)【公開番号】P2019084903
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】桶谷 涼太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 由太
【審査官】鈴木 貴晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220348(JP,A)
【文献】特開2004-206275(JP,A)
【文献】特開2017-121912(JP,A)
【文献】特開平10-049672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
B62D 6/00- 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時間おきに車両の進行方向を撮像した撮像画像を取得し、前記撮像画像に前記車両の前方を走行する先行車両が含まれていない場合に、前記撮像画像に含まれている前記車両が走行する車線の2本の区画線を検出し、検出した2本の区画線の位置に基づいて車線幅を算出し、前記撮像画像に前記先行車両が含まれている場合、前記2本の区画線のうち、少なくともいずれかの区画線を検出するとともに、前記先行車両の車幅方向の中心位置を特定し、特定した前記先行車両の車幅方向の中心位置と、検出した区画線の位置と、算出した車線幅とに基づいて、車線中央を基準とした前記先行車両の横位置を算出し、複数の時刻のそれぞれにおいて算出した前記先行車両の横位置に基づいて、前記先行車両の車線に対する横方向の変化量を検出する変化量検出部と、
検出された前記変化量が所定量よりも小さい場合には、前記先行車両の前記車線における横位置に前記車両が追従するように前記車両の操舵を制御する追従制御を行い、検出された前記変化量が前記所定量以上の場合には、前記追従制御を停止する操舵制御部と、
を備える操舵制御装置。
【請求項2】
前記車両の進行方向を撮像した撮像画像を取得し、前記撮像画像に前記車線の区画線を示す画像が含まれている場合、当該区画線を示す画像に基づいて前記車線における前記車両の横位置を検出する横位置検出部をさらに備え、
前記操舵制御部は、前記追従制御を停止した場合において、前記横位置検出部が前記車両の横位置を検出している場合、当該横位置に基づいて前記車両の操舵を制御する、
請求項1に記載の操舵制御装置。
【請求項3】
前記操舵制御部は、前記追従制御を停止した場合において、前記横位置検出部が前記車両の横位置を検出していない場合、前記車両の操舵制御を停止する、
請求項2に記載の操舵制御装置。
【請求項4】
所定時間おきに車両の進行方向を撮像した撮像画像を取得するステップと、
取得した前記撮像画像に前記車両の前方を走行する先行車両が含まれていない場合に、前記撮像画像に含まれている前記車両が走行する車線の2本の区画線を検出し、検出した2本の区画線の位置に基づいて車線幅を算出するステップと、
取得した前記撮像画像に前記先行車両が含まれている場合、前記2本の区画線のうち、少なくともいずれかの区画線を検出するとともに、前記先行車両の車幅方向の中心位置を特定し、特定した前記先行車両の車幅方向の中心位置と、検出した区画線の位置と、算出した車線幅とに基づいて、車線中央を基準とした前記先行車両の横位置を算出するステップと、
複数の時刻のそれぞれにおいて算出された前記先行車両の横位置に基づいて、前記先行車両の前記車線に対する横方向の変化量を検出するステップと、
検出された前記変化量が所定量よりも小さい場合には、前記先行車両の前記車線における横位置に前記車両が追従するように前記車両の操舵を制御する追従制御を行い、検出された前記変化量が前記所定量以上の場合には、前記追従制御を停止するステップと、
を備える操舵制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操舵制御装置及び操舵制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が走行中の車線内を走行するように操舵制御を行う操舵制御装置が知られている。例えば、特許文献1には、撮像装置が撮像した車両の前方の撮像画像から車線を認識し、当該車線の中央を車両が走行するように操舵制御を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-337714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の前方を走行する先行車両がトラック等の大型車両等であったり、車両が先行車両に近づきすぎたりすると、撮像装置が撮像した撮像画像に車線が含まれなくなってしまう。この場合、操舵制御装置は、先行車両の車線内の位置に追従して車両が走行するように操舵制御を行うことがある。
【0005】
しかしながら、先行車両がふらついて走行している場合に、車両が先行車両の位置に追従して走行すると、車両の直進性が悪化し、車両が不安定になるという問題が発生する。
【0006】
そこで、本開示はこれらの点に鑑みてなされたものであり、車両を安定して走行させることができる操舵制御装置及び操舵制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様に係る操舵制御装置は、車両が走行する車線において、前記車両の前方を走行する先行車両の前記車線に対する横方向の変化量を検出する変化量検出部と、検出された前記変化量が所定量よりも小さい場合には、前記先行車両の前記車線における横位置に前記車両が追従するように前記車両の操舵を制御する追従制御を行い、検出された前記変化量が前記所定量以上の場合には、前記追従制御を停止する操舵制御部と、を備える。
【0008】
前記操舵制御装置は、前記車両の進行方向を撮像した撮像画像を取得し、前記撮像画像に前記車線の区画線を示す画像が含まれている場合、当該区画線を示す画像に基づいて前記車線における前記車両の横位置を検出する横位置検出部をさらに備え、前記操舵制御部は、前記追従制御を停止した場合において、前記横位置検出部が前記車両の横位置を検出している場合、当該横位置に基づいて前記車両の操舵を制御してもよい。
【0009】
前記操舵制御部は、前記追従制御を停止した場合において、前記横位置検出部が前記車両の横位置を検出していない場合、前記車両の操舵制御を停止してもよい。
【0010】
本開示の第2の態様に係る操舵制御方法は、車両が走行する車線において、前記車両の前方を走行する先行車両の前記車線に対する横方向の変化量を検出するステップと、検出された前記変化量が所定量よりも小さい場合には、前記先行車両の前記車線における横位置に前記車両が追従するように前記車両の操舵を制御する追従制御を行い、検出された前記変化量が前記所定量以上の場合には、前記追従制御を停止するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、車両を安定して走行させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る車両制御装置の概要を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る車両制御装置の構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る車両制御装置における操舵制御に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[車両制御装置10の概要]
図1は、本実施形態に係る車両制御装置10の概要を説明するための図である。車両制御装置10は、例えば、バスやトラック等の大型の車両Vの走行を制御するための装置である。車両制御装置10は、図1(a)に示すように、車両Vが走行する車線において、車両Vの前方を先行車両LVが走行していない場合、車線における車両Vの横方向の位置を検出する(図1の(1))。車両制御装置10は、検出した横方向の位置に基づいて、車両Vが車線の中央を示す中央線CLを走行するように操舵制御を行う(図1の(2))。
【0014】
車両制御装置10は、図1(b)に示すように、車両Vが走行する車線において、車両Vの前方を先行車両LVが走行している場合、先行車両LVに追従して車線横方向の操舵制御を行う。しかしながら、先行車両LVが、ふらついて走行したり、車線変更したりする場合がある。このため、車両制御装置10は、先行車両LVの横方向の変化量が大きい場合、先行車両LVに追従する操舵制御を停止する。このようにすることで、車両制御装置10は、車両Vの直進性を維持し、車両Vを安定して走行させることができる。
続いて、車両制御装置10の構成について説明する。
【0015】
[車両制御装置10の構成]
図2は、本実施形態に係る車両制御装置10の構成例を示す図である。
図2に示すように、車両制御装置10は、車両Vに設けられている操舵角センサ1と、撮像装置2と、先行車両検出センサ3と、速度センサ4と、モータ5と、アクチュエータ6とに電気的に接続されている。
【0016】
操舵角センサ1は、例えば、車両Vのステアリングシャフト(不図示)に設けられており、ステアリングシャフトに接続されているステアリングホイール(不図示)の操舵角を検出する。操舵角センサ1は、検出した操舵角の絶対値と、操舵方向とを示す操舵角情報を車両制御装置10に出力する。
【0017】
撮像装置2は、所定時間(例えば、10ミリ秒)おきに、車両Vが走行する車線を含む、車両Vの進行方向前方を撮像する。撮像装置2は、撮像した画像を車両制御装置10に出力する。ここで、車両Vの前方を先行車両LVが走行している場合、撮像装置2が撮像する撮像画像に車線が含まれないことがある。
【0018】
先行車両検出センサ3は、車両Vの前方の所定範囲内を走行する先行車両LVを検出する。先行車両検出センサ3は、例えば、車両Vの前方に設けられているミリ波レーダーを含んでいる。先行車両検出センサ3は、ミリ波レーダーにミリ波を照射させ、車両Vが走行している車線において、車両Vの前方の所定範囲内を走行する先行車両LVが反射したミリ波(反射波)を受信させることにより、先行車両LVを検出する。
【0019】
また、先行車両検出センサ3は、ミリ波レーダーが照射したミリ波の周波数と受信した反射波の周波数とに基づいて、車両Vと先行車両LVとの相対速度を測定する。また、先行車両検出センサ3は、ミリ波を照射してから反射波を受信するまでの時間に基づいて、車両Vと先行車両LVとの相対距離を測定する。また、先行車両検出センサ3は、車両Vに対する先行車両LVの相対位置を測定する。
【0020】
先行車両検出センサ3は、測定した車両Vと先行車両LVとの相対速度、相対距離、相対位置を示す先行車両情報を車両制御装置10に出力する。また、先行車両検出センサ3は、先行車両LVを検出していない場合には、先行車両LVを検出していないことを示す非検出情報を車両制御装置10に出力する。
【0021】
なお、本実施形態において、先行車両検出センサ3は、ミリ波レーダーを用いて先行車両LVを検出したがこれに限らない。先行車両検出センサ3は、車両Vの周囲を撮像する撮像装置が撮像した画像に基づいて先行車両LVを検出してもよい。また、先行車両検出センサ3は、車車間通信により先行車両LVを検出したり、路車間通信により先行車両LVを検出したりしてもよい。
【0022】
速度センサ4は、車両Vの速度を検出する。速度センサ4は、車両Vの速度を示す速度情報を車両制御装置10に出力する。
【0023】
モータ5は、車両Vのステアリングシャフト(不図示)に設けられている。モータ5は、車両制御装置10から供給される電力で回転駆動することにより、ステアリングシャフトにトルクを付与して操舵操作を行う。モータ5は、車両Vが走行車線に沿って走行するための操舵補助を行う操舵補助部として機能する。
【0024】
アクチュエータ6は、駆動アクチュエータと制動アクチュエータとを含む。駆動アクチュエータは、車両制御装置10の制御に応じてエンジン(不図示)のスロットル開度を制御し、車両Vの速度を変化させる。制動アクチュエータは、車両制御装置10の制御に応じてブレーキ(不図示)を動作させ、車両Vを制動させる。
【0025】
車両制御装置10は、記憶部11と、制御部12とを備える。
記憶部11は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やハードディスクである。記憶部11は、制御部12を機能させるための各種のプログラムを記憶する。記憶部11は、制御部12を、操舵角検出部121、横位置検出部122、先行車両検出部123、操舵制御部124、及び速度制御部125として機能させる車両制御プログラムを記憶する。
【0026】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部12は、記憶部11に記憶されている車両制御プログラムを実行することにより、操舵角検出部121、横位置検出部122、先行車両検出部123、操舵制御部124、及び速度制御部125として機能する。
【0027】
操舵角検出部121は、操舵角センサ1から出力された操舵角情報に基づいて、車両Vの操舵角を検出する。
【0028】
横位置検出部122は、撮像装置2が撮像した車両Vの進行方向の撮像画像を取得する。横位置検出部122は、撮像画像を解析し、当該撮像画像に車線を区画する区画線を示す画像が含まれている場合、当該区画線の位置に基づいて車線幅を算出する。横位置検出部122は、撮像画像における区画線を示す画像の位置に基づいて、車線における車両Vの横位置を検出する。
【0029】
先行車両検出部123は、撮像装置2が撮像した車両Vの進行方向の撮像画像を取得する。先行車両検出部123は、変化量検出部として機能し、車両Vが走行する車線において、車両Vの前方を走行する先行車両LVの車線に対する横方向の変化量を検出する。
【0030】
具体的には、まず、先行車両検出部123は、撮像画像に先行車両LVに含まれていない状態において、車両Vが走行する車線の区画線を検出し、当該区画線の位置に基づいて車線幅を算出する。ここでは、先行車両検出部123は、車線を区画する2本の区画線を検出し、2本の区画線の距離に基づいて車線幅を算出する。
【0031】
先行車両検出部123は、撮像画像に先行車両LVが含まれている場合、2本の区画線のうち、少なくともいずれかの区画線を検出するとともに、先行車両LVの横方向の中心位置を特定する。そして、先行車両検出部123は、検出した区画線と、特定した中心位置と、予め算出した車線幅とに基づいて、車線中央を基準とした先行車両LVの横位置を算出する。先行車両検出部123は、所定時間おきに、車線中央を基準とした先行車両LVの横位置を算出する。そして、先行車両検出部123は、それぞれの時間において算出した横位置に基づいて横位置の瞬時変化量を算出し、瞬時変化量を合計することにより、単位時間あたりの先行車両LVの横変化量を算出する。
【0032】
また、先行車両検出部123は、先行車両検出センサ3から、先行車両情報を取得することにより、先行車両LVと車両Vとの相対速度、相対距離、及び相対位置を検出する。
【0033】
操舵制御部124は、操舵角検出部121が検出した操舵角、横位置検出部122が検出した車両Vの横位置、及び先行車両LVの横変化量に基づいてモータ5を制御することにより、車両Vの操舵を制御する。
【0034】
操舵制御部124は、車両Vの前方を先行車両LVが走行しておらず、横位置検出部122が、車線における車両Vの横位置を検出している場合に、当該横位置と、操舵角検出部121が検出した操舵角とに基づいて、車両Vが車線の中央を走行するように操舵制御を行う。
【0035】
また、操舵制御部124は、車両Vの前方を先行車両LVが走行しており、横位置検出部122が、車線における車両Vの横位置を検出していない場合に、先行車両検出部123が検出した先行車両LVの車線に対する横方向の変化量に基づいて、先行車両LVの車線における横位置に車両Vが追従するように操舵を制御する追従制御を行う。なお、以下の説明において、先行車両LVの車線に対する横方向の変化量を、横変化量ともいう。
【0036】
具体的には、操舵制御部124は、車両Vの前方を先行車両LVが走行している場合において、先行車両検出部123により検出された横変化量が所定量よりも小さいときには追従制御を行い、横変化量が所定量以上のときには、追従制御を停止する。
【0037】
ここで、操舵制御部124は、追従制御を停止した場合において、横位置検出部122が、車線における車両Vの横位置を検出しているとき、当該横位置に基づいて、車両Vが車線の中央を走行するように操舵制御を行ってもよい。このようにすることで、車両制御装置10は、車両Vが先行車両LVに追従しなくなった場合においても、車線内を安定して走行させることができる。
【0038】
また、操舵制御部124は、追従制御を停止した場合において、横位置検出部122が、車線における車両Vの横位置を検出していないとき、モータ5に操舵補助を停止させて、操舵制御を停止してもよい。また、この場合において、操舵制御部124は、車両Vに設けられているスピーカやランプ等の報知手段(不図示)を制御することにより、モータ5による操舵補助が停止したことを運転者に通知してもよい。このようにすることで、車両制御装置10は、車両Vが先行車両LVに追従走行せず、区画線を用いた車線内の走行ができない場合に、車両Vの操舵を運転者主導の操舵に切り替えることができる。
【0039】
速度制御部125は、速度センサ4から出力された速度情報を取得するとともに、先行車両検出部123から出力された先行車両情報、又は先行車両LVを検出していないことを示す非検出情報を取得する。速度制御部125は、非検出情報を取得し、車両Vの前方を先行車両LVが走行していないと判定した場合に、予め運転者が設定した所定速度で車両Vが走行するように、アクチュエータ6を制御する。
【0040】
また、速度制御部125は、先行車両情報を取得し、車両Vの前方を先行車両LVが走行していると判定した場合に、車両Vが先行車両LVに追従走行するように、アクチュエータ6を制御する。具体的には、速度制御部125は、速度情報が示す車両Vの速度と、先行車両情報が示す先行車両LVの相対速度とに基づいて、先行車両LVの速度を算出する。そして、速度制御部125は、先行車両LVの速度が、予め運転者が設定した所定速度以下である場合に、車両Vが先行車両LVに追従走行するようにアクチュエータ6を制御する。
【0041】
[車両制御装置10における操舵制御に係る処理の流れ]
続いて、車両制御装置10における操舵制御に係る処理の流れについて説明する。図3は、本実施形態に係る車両制御装置10における操舵制御に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
まず、操舵制御部124は、横位置検出部122が車両Vの横位置を検出しているか否かを判定する(S10)。操舵制御部124は、横位置を検出していると判定すると、S20に処理を移し、横位置を検出していないと判定すると、S30に処理を移す。
【0043】
S20において、操舵制御部124は、横位置検出部122が検出した横位置に基づいて、車両Vが車線の中央を走行するように操舵制御を行う。
S30において、操舵制御部124は、先行車両検出部123により先行車両LVが検出されているか否かを判定する。操舵制御部124は、先行車両LVが検出されていると判定すると、S40に処理を移し、先行車両LVが検出されていないと判定すると、S60に処理を移す。
【0044】
S40において、操舵制御部124は、先行車両検出部123が検出した先行車両LVの横変化量が所定量よりも小さいか否かを判定する。操舵制御部124は、横変化量が所定量よりも小さいと判定すると、S50に処理を移す。S50において、操舵制御部124は、先行車両LVの横位置に追従するように操舵制御を行う。
【0045】
操舵制御部124は、S40において横変化量が所定量以上であると判定すると、S60に処理を移す。
【0046】
S60が実行される場合、車両Vの横位置が検出できておらず先行車両LVが検出できていない状態、又は、車両Vの横位置が検出できておらず先行車両LVの横変化量が所定量以上の状態である。このため、操舵制御部124は、S60において、モータ5に操舵補助を停止させることにより、操舵制御を停止する。
【0047】
[本実施形態に係る効果]
以上説明したように、本実施形態に係る車両制御装置10は、車両Vが走行する車線において、車両Vの前方を走行する先行車両LVの車線に対する横方向の変化量を検出する先行車両検出部123と、検出された変化量が所定量よりも小さい場合には、先行車両LVの車線における横位置に車両Vが追従するように車両Vの操舵を制御する追従制御を行い、検出された変化量が所定量以上の場合には、追従制御を停止する。このようにすることで、車両制御装置10は、先行車両LVがふらついて走行している場合に追従走行を停止し、直進性が悪化することを抑制することができる。これにより、車両制御装置10は、車両Vを安定して走行させることができる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。また、例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・操舵角センサ
2・・・撮像装置
3・・・先行車両検出センサ
4・・・速度センサ
5・・・モータ
6・・・アクチュエータ
10・・・車両制御装置
11・・・記憶部
12・・・制御部
121・・・操舵角検出部
122・・・横位置検出部
123・・・先行車両検出部
124・・・操舵制御部
125・・・速度制御部
V・・・車両
図1
図2
図3