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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】触知センサ及びアンドロイド
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/14 20060101AFI20220203BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20220203BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20220203BHJP
   B25J 5/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
G01L1/14 B
G01L5/00 101Z
B25J19/02
B25J5/00 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017238622
(22)【出願日】2017-12-13
(65)【公開番号】P2019105553
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-08-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽平
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-267066(JP,A)
【文献】特開2002-352370(JP,A)
【文献】特開平08-054296(JP,A)
【文献】米国特許第05450755(US,A)
【文献】特開平02-174101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/14
G01L 5/00
B25J 19/02
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から負荷が与えられる面を有する弾性変形可能なシートと、当該シート内に設けられているコイルと、前記コイルと共に前記シート内に設けられている繊維状の磁性材料と、前記コイルに交流電圧を印加して前記コイルのインダクタンスを検知する検知部と、を備え、
前記コイルの中心軸は、前記面に平行な方向に沿っており、
前記磁性材料は、前記コイルの内周側に複数本挿通されている
触知センサ。
【請求項2】
前記コイルは、前記シート内に網目状の配置で設けられている、請求項1に記載の触知センサ。
【請求項3】
骨格を構成している機械部と、当該機械部を覆う皮膚部とを有し、前記皮膚部の少なくとも一部が、請求項1又は請求項2に記載の触知センサにより構成されている、アンドロイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触知センサ及びアンドロイドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アンドロイド(人間を模した機械)の開発が進められている。アンドロイドは、骨格を構成している機械部と、この機械部を覆う表皮部とを備えている。皮膚部は、例えばシリコンゴム等の柔軟な材料により製作されている。
【0003】
アンドロイドに触知センサが設けられることがある。触知センサの例として、例えば特許文献1に開示されているように、ピエゾフィルムの両面に電極が設けられた構成が知られている。この触知センサによれば、例えば、人間がアンドロイドに触れることで、触知センサが信号を出力し、人間との接触をアンドロイドの制御装置が検知する仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-178241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の触知センサは、骨格を構成している機械部に散らばって配置されており、これら触知センサを皮膚部が覆っている。触知センサは、機械部に散らばって配置されているため、例えば、アンドロイドの皮膚部のある範囲を連続して押した場合、触知センサの設置領域では、触知センサから信号が出力されて負荷を検知できるが、触知センサの間では信号が出力されない。つまり、アンドロイドに連続的に触れているにも関わらず、アンドロイド側は間欠的に触れられていると判断してしまう。なお、このような触知センサは、アンドロイド以外にも用いられる。
【0006】
そこで、本発明は、負荷を連続的に検知することが可能となる触知センサ、及びこのような触知センサを備えているアンドロイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の触知センサは、弾性変形可能なシートと、当該シート内に設けられているコイルと、前記コイルと共に前記シート内に設けられている粉状又は繊維状の磁性材料と、前記コイルのインダクタンスを検知する検知部と、を備えている。
この触知センサによれば、シートを押したり曲げたりすると、シートと共に内部のコイルが変形し、この変形に応じてコイルのインダクタンスが変化する。検知部がコイルのインダクタンスを検知し、インダクタンスの変化によりシートの変形や負荷を検出することが可能となる。コイルがシート内に設けられていることから、シートのある範囲に対して連続して負荷が作用する場合、その負荷を連続的に検知することが可能となる。しかも、粉状又は繊維状の磁性材料により透磁率を高めてインダクタンスを大きくすることができ、検知部による検知精度を高めることが可能となる。
【0008】
また、前記コイルは、前記シート内に網目状の配置で設けられているのが好ましい。この構成により、シートが様々な態様に曲げられた場合に、その態様を検知することが可能となる。
また、コイルがシート内に網目状で配置されている場合、前記磁性材料は、粉状であり、前記シート内に分散して設けられているのが好ましい。この場合、粉状の磁性材料がシート内に散りばめられ、各コイルのインダクタンスを大きくすることができる。
【0009】
例えば、シート内に複数設けられているコイルの間隔が広い場合、コイルの間に(コイルから離れて)磁性材料が存在していても、インダクタンスの増大に与える影響が小さい。そこで、例えば、コイルの間隔が比較的広い場合には、前記磁性材料は、繊維状であって前記コイルに沿って設けられているのが好ましい。この構成によれば、コイルのインダクタンスを効果的に大きくすることができる。なお、コイルの間隔が狭い場合であっても、繊維状である磁性材料をコイルに沿って設ければよい。
【0010】
また、本発明のアンドロイドは、骨格を構成している機械部と、当該機械部を覆う皮膚部とを有し、前記皮膚部の少なくとも一部が、請求項1~4のいずれか一項に記載の触知センサにより構成されている。
この構成によれば、触知センサが備えている弾性変形可能なシートが、アンドロイドの皮膚部の少なくとも一部となる。このアンドロイドは、前記触知センサを備えていることから、例えば、皮膚部のうち前記触知センサを含む範囲を連続して押した場合に、その負荷を連続的に検知することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、触知センサは、負荷を連続的に検知することが可能となる。また、このような触知センサを備えているアンドロイドによれば、人間のような細かな触覚を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】アンドロイドの一部(腕部)を示す斜視図である。
図2】触知センサの構成を説明する構成図である。
図3】触知センサの機能を説明する図である。
図4】別の形態の触知センサの構成を説明する構成図である。
図5】触知センサに与えた荷重と、その荷重を与えた際のコイルのインダクタンスとの関係を示しているグラフである。
図6】触知センサの押し込み量と、その押し込み量を与えた際のコイルのインダクタンスとの関係を示しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、アンドロイドの一部(腕部)を示す斜視図である。アンドロイド10は、骨格を構成している機械部11と、この機械部11を覆う皮膚部12とを有している。機械部11は、複数のアーム部材13、アーム部材13を繋ぐ関節部14、及びアクチュエータ15を含む。関節部14は、アーム部材13と一体動作する軸、及び軸受等の複数の機械要素を含む。アクチュエータ15は、モータ又は流体アクチュエータ等により構成されている。アクチュエータ15が動作することにより、関節部14において複数のアーム部材13が全体として曲がった状態となったり直線状に延びた状態となったりする。機械部11は、図示する形態以外であってもよく、従来知られている構成とすることができる。
【0014】
皮膚部12は、弾性を有する膜状部材(シート)により構成されている。この膜状部材の少なくとも一部が、触知センサ20の機能を備えている。図1に示すアンドロイド10の場合、手指を有する手機構16(手のひら)における皮膚部12が、触知センサ20により構成されている。なお、腕部分の皮膚部12が触知センサ20により構成されていてもよく、または、図1に示す皮膚部12の全範囲が触知センサ20により構成されていてもよい。皮膚部12(前記膜状部材)は、ゴム製であって弾性変形が容易な材料により構成されている。皮膚部12は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、シリコンゴム等を採用することができる。
【0015】
図2は、触知センサ20の構成を説明する構成図である。図3は、触知センサ20の機能を説明する図である。触知センサ20は、弾性変形可能なシート21と、このシート21内に設けられているコイル23と、磁性材料24と、検知部25(図3参照)とを備えている。
【0016】
シート21は、高分子材料であり、本実施形態の場合、ゴム製である。シート21を、皮膚部12と同じ材料(例えば、EPDM)により構成することができる。図2において、シート21は、厚さtが薄く(例えば10ミリメートル未満)、厚さ方向に弾性変形が容易であり、また、全体として柔軟であり曲げ力が作用するとその曲げの方向に容易に弾性変形する。シート21の面(おもて面)22が、皮膚部12のおもて面(外面)の一部となる。
【0017】
シート21内に複数本のコイル23が設けられている。コイル23は、シート21の面22に平行な方向に沿ってシート21内に埋設されている。図2に示す触知センサ20の場合、コイル23は、シート21内に網目状の配置で設けられている。
【0018】
コイル23の配置は網目状以外であってもよく、図4に示すように、複数本のコイル23を、一方向に沿って平行に配置してもよい。なお、図4に示す形態の場合であっても、コイル23は、シート21の面22に平行な方向に沿ってシート21内に埋設されている。
【0019】
図2及び図4に示す各形態において、コイル23は、シート21の厚さ方向の中央の領域に設けられている。この構成を得るために、シート21をゴムによって金型内で成形(加硫成形)する際、この金型のキャビティにコイル23を予め設置すればよい。
【0020】
シート21の成形の際、磁性材料24も同時にシート21内に埋設される。つまり、磁性材料24は、コイル23と共にシート21内に設けられている。磁性材料24は、粉状又は繊維状である。磁性材料24の具体例を説明する。磁性材料24は、アモルファス金属繊維(例えば、センシィ(登録商標)、愛知製鋼製)により構成されている。このアモルファス金属繊維をチョップ加工する(例えば長さを50~150マイクロメートルとする)ことで粉状の磁性材料(磁性粉材料)24とし、この磁性材料24を、シート21を構成するゴムに混練する。または、チョップ加工することなく、コイル23と同じ長さのまま繊維状(線状)として用いることができる。
【0021】
図2に示すように、コイル23を網目状に配置する場合、磁性材料24は粉状であるのが好ましい。つまり、粉状である磁性材料24がシート21内に分散して設けられている。コイル23を網目状とする場合であってもコイル23の間隔が広い場合や、コイル23を図4に示すように、一方向に沿って平行に配置する場合、磁性材料24を繊維状とするのが好ましい。磁性材料24を繊維状とする場合、その磁性材料24はコイル23の長手方向に沿って設けられる。図4に示す形態では、コイル23の中心に繊維状とした磁性材料24を複数本(例えば三本)について挿通させている。
【0022】
コイル23は、エナメル線(素線)を螺旋状とし細長く構成されている。コイル23の全長は、シート21の長さに応じて変更される。コイル23の直径は1ミリメートル以下であり、素線の直径は0.1ミリメートル以下であり、コイル23は極小コイルである。各コイル23は他のコイル23と電気的に独立して設けられている。図3に示すように、各コイル23に検知部25が接続されている。検知部25は、コイル23のインダクタンスを検知するLCRメータにより構成されている。検知部25は、コイル23のインダクタンスを検知すると共に、インダクタンスの変化(時間的変化)についても検知することができる。検知部25は、検知したインダクタンス及びその変化を信号として出力する。
【0023】
コイル23におけるインダクタンスは、次の式による。
【数1】
【0024】
図2及び図4において、シート21が変形することでコイル23も変形する。コイル23の変形によりコイル23の軸方向の長さが変化する。また、コイル23の断面積も変化する。よって、シート21が変形すると、シート21内に埋設されているコイル23のインダクタンスが変化する。このインダクタンス(インダクタンスの変化)が検知部25によって測定される。
【0025】
図3において、検知部25から出力された信号は、アンドロイド10が備えている制御装置17に入力される。制御装置17は、コンピュータにより構成されている。なお、検知部25が検知したインダクタンスの変化(時間的変化)については、制御装置17が取得してもよい。制御装置17は、検知部25からの信号に基づいて、シート21(触知センサ20)に加えられた荷重(押し込み力)や、この荷重による変形態様(例えば、変位)の情報を取得する機能を備えている。例えば、触知センサ20に加えられた荷重又はこの荷重による変形態様と、その触知センサ20から出力される信号(信号強度)とが対応付けられたテーブルを、制御装置17は備えており、触知センサ20から信号を取得すると、制御装置17は、前記テーブルを参照することで、アンドロイド10の皮膚部12(触知センサ20)に加えられた荷重や、この荷重による変形態様の情報を取得することができる。
【0026】
図5は、触知センサ20に与えた荷重と、その荷重を与えた際のコイル23のインダクタンスとの関係(測定値)を示しているグラフである。図6は、触知センサ20の押し込み量と、その押し込み量を与えた際のコイル23のインダクタンスとの関係(測定値)を示しているグラフである。図5及び図6の結果は、図2に示す触知センサ20が有する一つのコイル23による実測値である。図5及び図6に示すように、触知センサ20への荷重及び押し込み量が変化すると、インダクタンスも変化する。触知センサ20のシート21を曲げた場合のみならず、面22に対して押し付ける力を与えた場合においても、コイル23の長さ等が変化し、インダクタンスが変化する。図5及び図6に示す関係は再現性がある。これらの関係による情報を基に前記テーブルを予め作製することができ、作製したテーブルを制御装置17に記憶させておけばよい。
【0027】
なお、触知センサ20が備えている検知部25は、マイコン等を含む回路により構成することができ、前記制御装置17が備えている機能を、この検知部25が備えていてもよい。
【0028】
以上のように、本実施形態(図2及び図4参照)の触知センサ20は、弾性変形可能なシート21と、シート21内に設けられているコイル23と、コイル23と共にシート21内に設けられている粉状又は繊維状の磁性材料24と、コイル23のインダクタンスの変化を検知する検知部25(図3参照)とを備えている。この触知センサ20によれば、シート21を押したり曲げたりすると、シート21と共に内部のコイル23が変形し、この変形に応じてコイル23のインダクタンスが変化する。インダクタンスを検知部25が検知し、インダクタンスの変化によりシート21の変形や負荷を検出することが可能となる。コイル23がシート21の面22に平行な方向に沿ってシート21内に埋設されていることから、シート21のある範囲に対して連続して負荷が作用する場合、その負荷を連続的に検知することが可能となる。しかも、粉状又は繊維状の磁性材料24により透磁率を高めてインダクタンス(インダクタンスの変化)を大きくすることができ、検知部25による検知精度を高めることが可能となる。また、本実施形態によれば、部品数が削減され、アンドロイド10のコスト低減に繋がる。また、軽量化の点でも優れている。
【0029】
図2及び図4に示す触知センサ20では、コイル23がシート21のおもて面(面22)や裏面に設けられている(貼り付けられている)のではなく、シート21の内部に設けられている(つまり、埋設されている)。シート21のおもて面や裏面にコイル23を設ける場合、面22に対してコイル23を接着(貼り付け)するのが困難であり、また、使用の途中でコイル23が剥がれるおそれがある。しかし、本実施形態では、コイル23がシート21に埋め込まれているため、コイル23をシート21に安定して固定することができる。
【0030】
ここで、従来のアンドロイドの場合、その皮膚部は、アンドロイドの表皮(カバー)としてのみ機能しており、また、その内側の機械部に設置されている触知センサが、触知のセンシング部として機能しており、触知センサは、皮膚部とは別の構成として設けられている。これに対して、本実施形態の触知センサ20の場合、触知センサ20が備えている弾性変形可能なシート21が、図1に示すアンドロイド10の皮膚部12(の一部)を構成している。そして、皮膚部12(皮膚部12の一部を構成するシート21)に、触知のセンシング部として機能するコイル23が埋設されている。
【0031】
図2に示す形態の場合、コイル23は、シート21内に網目状の配置で埋設されている。このため、シート21が様々な態様に曲げられた場合に、その態様を検知することが可能となる。つまり、コイル23を網目状に配置することで、取得できる情報が多くなり、シート21の変形の形態がわかり易くなる。このようにコイル23がシート21内に網目状で配置されている場合、磁性材料24は、粉状であり、シート21内に分散して設けられているのが好ましい。この構成によれば、粉状の磁性材料24がシート21内に散りばめられ、各コイル23のインダクタンスを大きくすることができる。
【0032】
図4に示す形態の場合、磁性材料24は、繊維状であってコイル23に沿って設けられている。特に隣り合うコイル23,23の間隔が広い場合、これらコイル23,23の間であってコイル23それぞれから離れている領域に磁性材料24が設けられていても、インダクタンスの増大に与える影響が小さい。そこで、コイル23,23の間隔が広い場合、磁性材料24を繊維状とし、コイル23に沿って設けるのが好ましい。この構成により、コイル23のインダクタンスを効果的に大きくすることができる。
【0033】
なお、磁性材料24の配合量は、2phr以上であり10phr以下とすることができ、例えば、5phr程度である。磁性材料24の配合量が高くなれば、インダクタンスを大きくする効果が高まるが、磁性材料24が多くなりすぎるとシート21が硬くなり、アンドロイド10の皮膚部12としては、柔軟性が低下する。
【0034】
本実施形態のアンドロイド10は、皮膚部12の少なくとも一部が、前記構成を備えた触知センサ20により構成されていればよい。図1に示す実施形態では、手機構16に触知センサ20を設けた場合について説明したが、その他の部分に触知センサ20を設けてもよい。この構成により、触知センサ20が備えている弾性変形可能なシート21が、アンドロイド10の皮膚部12(の少なくとも一部)となる。つまり、皮膚部12に触知のセンサ機能を持たせることができる。そして、このアンドロイド10によれば、例えば、皮膚部12のうち触知センサ20を含む範囲を連続して押した場合に、その負荷を連続的に検知することが可能となる。図1に示す形態において、人間と握手した場合、その荷重を検知し、更に、その荷重の時間的変化を検知することにより、人間がどのような様子(例えば、好意的又は敵対的)で握手してきたかの判別も可能となる。
【0035】
以上のように、本実施形態の触知センサ20を備えているアンドロイド10は、細かな触覚を取得することが可能となる。そして、触知センサ20は全体としてシート状であるため、アンドロイド10の皮膚部12として用いやすい。
【0036】
図2及び図4等に示す触知センサ20をアンドロイド10に適用する場合について説明したが、この触知センサ20を他の用途に用いてもよい。例えば、義手等の医療機器や、自動車に搭載される各機器の触知センサとして用いることもできる。
【0037】
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
シート21の材料は他でもよく、用途に応じて変更可能であり、必要な強度を有していると共に、耐熱性及び耐油性等に優れた材料とすることができる。
【符号の説明】
【0038】
10:アンドロイド 11:機械部 12:皮膚部
20:触知センサ 21:シート 22:面
23:コイル 24:磁性材料 25:検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6