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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20220117BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20220117BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20220117BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20220117BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20220117BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/262 S
H01G11/10
H01G11/78
H01M50/291
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017539959
(86)(22)【出願日】2016-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2016077220
(87)【国際公開番号】W WO2017047683
(87)【国際公開日】2017-03-23
【審査請求日】2019-03-19
(31)【優先権主張番号】P 2015186038
(32)【優先日】2015-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】殿西 雅光
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124033(JP,A)
【文献】特許第5365715(JP,B2)
【文献】特開2015-082492(JP,A)
【文献】特開2013-152923(JP,A)
【文献】特開2004-055446(JP,A)
【文献】特開2013-073918(JP,A)
【文献】特開2015-125824(JP,A)
【文献】特開2010-040420(JP,A)
【文献】特開2011-023301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01G 11/10
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、
前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサを備え、
前記端部の蓄電素子と前記スペーサとの並び方向において、前記スペーサと前記外装体とが隣り合って配置され、
前記スペーサは、前記1以上の蓄電素子を前記外装体に固定するものではなく、前記外装体と離間して配置される
蓄電装置。
【請求項2】
1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、
前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサを備え、
前記外装体は、前記スペーサと対向する面に帯状のリブを有し、
前記スペーサは、前記リブが内方に配置される凹部を有する
蓄電装置。
【請求項3】
1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、
前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサを備え、
前記スペーサは、
前記外装体に対向して延在する第二ベースプレートと、
前記第二ベースプレートに沿って延在し、かつ、前記第二ベースプレートよりも前記端部の蓄電素子側に配置される第一ベースプレートと、
前記第一ベースプレートから突出し、前記第二ベースプレートに接続される突出部と、を有する
蓄電装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記第一ベースプレートの表面に沿って延在する複数の壁部を有する
請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記複数の壁部は、複数の第一壁部と、前記複数の第一壁部間にわたって延在する複数の第二壁部とを有する
請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子の側方に配置されるエンドプレートをさらに備え、
前記スペーサは、前記エンドプレートと前記外装体との間に配置される
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、
前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサと、
前記端部の蓄電素子の側方に配置されるエンドプレートと、を備え、
互いに対向して位置する2つの前記エンドプレートが、板状部材を介して繋がれた状態で前記1以上の蓄電素子を狭持して配置され、
前記スペーサは、前記1以上の蓄電素子を前記外装体に固定するものではなく、前記エンドプレートと前記外装体との間に配置されて、前記エンドプレートに対して固定されている
蓄電装置。
【請求項8】
前記外装体は、本体部と蓋部とを有し、
前記スペーサは、前記エンドプレートと前記本体部の側壁との間に配置される
請求項6または7に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記スペーサは、前記エンドプレートと略平行な位置に配置される
請求項6~8のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
互いに対向して位置する2つの前記エンドプレートが、前記1以上の蓄電素子を狭持して配置され、
2つの前記スペーサが、前記2つのエンドプレートと前記外装体との間に配置される
請求項6~9のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記スペーサは、前記外装体の前記エンドプレートとの締結部分が内方に配置される開口を有する
請求項6~10のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子を備える蓄電装置において、複数の蓄電素子の周囲に衝撃を吸収するための空間を形成する部材を設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成により、蓄電装置に衝撃が加えられた場合であっても、蓄電装置は当該衝撃を吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-164969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の蓄電装置のように、空間によって衝撃を吸収する構成では、十分に衝撃を吸収することができない場合が生じ得る。この場合、蓄電素子が衝撃から保護されずに、変形または損傷する虞がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、衝撃から蓄電素子を保護することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明における蓄電装置によれば、衝撃から蓄電素子を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る蓄電ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る蓄電ユニットからスペーサを分解して示す分解斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係るスペーサの一部を切断して示す斜視断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る遮熱プレートのスペーサ取付部の構成を拡大して示す拡大斜視図である。
図7図7は、実施の形態に係る蓄電ユニットと外装体とが固定される様子を示す斜視図である。
図8図8は、実施の形態に係る蓄電ユニットが外装体に収容された状態での構成を示す斜視図である。
図9図9は、実施の形態に係る蓄電ユニットが外装体に収容された状態での構成を示す断面図である。
図10図10は、実施の形態の変形例1に係る蓄電ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図11図11は、実施の形態の変形例2に係るスペーサの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置であって、前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子と前記外装体との間に配置される板状のスペーサを備える。
【0010】
これによれば、端部の蓄電素子と外装体との間にスペーサが配置されるため、外装体に加えられた衝撃をスペーサが壊れることにより吸収することができる。このため、当該衝撃から蓄電素子を保護することができる。
【0011】
また、前記1以上の蓄電素子のうち端部の蓄電素子の側方に配置されるエンドプレートをさらに備え、前記スペーサは、前記エンドプレートと前記外装体との間に配置される。
【0012】
これによれば、エンドプレートと外装体との間に板状のスペーサが配置されるため、外装体に加えられた衝撃をスペーサが壊れることにより吸収することができる。このため、当該衝撃から蓄電素子を保護することができる。
【0013】
また、前記外装体は、本体部と蓋部とを有し、前記スペーサは、前記エンドプレートと前記本体部の側壁との間に配置されることにしてもよい。
【0014】
これによれば、スペーサがエンドプレートと外装体の本体部との間に配置されるため、当該本体部に加えられた衝撃から蓄電素子を保護することができる。
【0015】
また、前記スペーサは、前記エンドプレートと略平行な位置に配置されることにしてもよい。
【0016】
これによれば、スペーサがエンドプレートと略平行な位置に配置されることで、外装体に加えられた衝撃を、エンドプレートがスペーサを介して面で受けることができるため、蓄電素子を保護することができる。
【0017】
また、互いに対向して位置する2つの前記エンドプレートが、前記1以上の蓄電素子を狭持して配置され、2つの前記スペーサが、前記2つのエンドプレートと前記外装体との間に配置されることにしてもよい。
【0018】
これによれば、蓄電素子を挟んで2つのスペーサが配置されるため、蓄電素子を一層保護することができる。
【0019】
また、前記スペーサは、前記エンドプレートに対向して延在するベースプレートと、前記ベースプレートから突出する突出部とを有することにしてもよい。
【0020】
このようなベースプレートから突出する突出部では、ベースプレートよりも外装体に加えられた衝撃による負荷が大きくなりやすい。このため、外装体に加えられた衝撃を突出部が壊れることにより吸収することで、蓄電素子を保護することができる。
【0021】
また、前記ベースプレートは、前記突出部の前記エンドプレート側に配置される第一ベースプレートを有することにしてもよい。
【0022】
これによれば、第一ベースプレートが突出部のエンドプレート側に配置されているため、外装体に加えられた衝撃を、突出部が受けてから第一ベースプレートに伝えることで、当該衝撃がエンドプレート側に伝わるのを抑制し、蓄電素子を保護することができる。また、例えばスペーサがエンドプレート側で固定される場合には、エンドプレート側に第一ベースプレートを取り付けることで、容易にエンドプレート側でスペーサを固定することができる。
【0023】
また、前記ベースプレートは、前記突出部の前記外装体側に配置される第二ベースプレートを有することにしてもよい。
【0024】
これによれば、第二ベースプレートが突出部の外装体側に配置されているため、外装体に加えられた衝撃を、第二ベースプレートが受けてから突出部に伝えることで、当該衝撃がエンドプレート側に伝わるのを抑制し、蓄電素子を保護することができる。また、例えばスペーサが外装体側で固定される場合には、外装体側に第二ベースプレートを取り付けることで、容易に外装体側でスペーサを固定することができる。
【0025】
また、前記突出部は、前記ベースプレートの表面に沿って延在する複数の壁部を有することにしてもよい。
【0026】
これによれば、突出部が複数の壁部を有するため、壁部が壊れることにより外装体に加えられた衝撃を一層吸収することができる。
【0027】
また、前記複数の壁部は、複数の第一壁部と、前記複数の第一壁部間にわたって延在する複数の第二壁部とを有することにしてもよい。
【0028】
これによれば、壁部が複数の第一壁部と複数の第一壁部間に延在する複数の第二壁部とを有するため、これら複数の第一壁部と複数の第二壁部とが互いに補強される。このため、蓄電装置の振動等による壁部の予期せぬ損傷を抑制することができる。
【0029】
また、前記外装体は、前記スペーサと対向する面に帯状のリブを有し、前記スペーサは、前記リブが内方に配置される凹部を有することにしてもよい。
【0030】
これによれば、スペーサの凹部内方に外装体のリブが配置されるため、外装体内面の比較的近い位置までスペーサを配置することができる。つまり、エンドプレートと外装体との間の空間にスペーサを大きく配置することができる。よって、外装体に加えられた衝撃がスペーサによって一層吸収されるため、蓄電素子をより確実に保護できる。
【0031】
また、前記スペーサは、前記外装体の前記エンドプレートとの締結部分が内方に配置される開口を有することにしてもよい。
【0032】
これによれば、外装体の締結部分がスペーサの開口内方に配置されるため、当該締結部分をスペーサによって保護することができる。よって、締結によって負荷がかかりやすい締結部分における損傷等の発生を抑制できる。
【0033】
また、前記スペーサは、前記外装体に固定されることにしてもよい。
【0034】
これによれば、スペーサを外装体に固定しておくことで、蓄電装置を容易に組み立てることができる。
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0036】
また、以下の説明において、略平行のような「略」を伴った表現が用いられる場合がある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0037】
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0039】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0040】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。図1及び図2に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11と第二外装体12とからなる外装体10、及び、外装体10内方に収容される蓄電ユニット20と保持部材30とバスバー41、42とサーミスタ50等を備えている。
【0041】
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット20、保持部材30、バスバー41、42及びサーミスタ50の外方に配置され、この蓄電ユニット20等を所定の位置に配置し、蓄電ユニット20等を衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により構成されている。外装体10は、これにより、蓄電ユニット20等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0042】
ここで、外装体10は、外装体10の蓋部を構成する第一外装体11と、外装体10の本体部を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子13と負極外部端子14とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子13と負極外部端子14とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット20、保持部材30、バスバー41、42及びサーミスタ50等を収容する。
【0043】
また、本実施の形態では、外装体10は、後述するスペーサ300(スペーサ320)と対向する面に帯状のリブ12rを有し、具体的には、第二外装体12がリブ12rを有している。リブ12rは、例えば、Z軸方向に延在する長尺状の突出部であり、Y軸方向に所定の間隔をあけて複数配列されている。このように外装体10がリブ12rを有することにより、外装体10の耐変形性を高めることができる。
【0044】
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0045】
また、第一外装体11の内方には、回路基板やリレーなどの電気機器が配置されているが、当該電気機器の図示は省略する。つまり、第一外装体11は、上下方向(Z軸方向)に2つの部材に分離可能に構成されており、当該2つの部材の間に、当該電気機器が配置されている。これにより、電気機器は、衝撃などから保護されるとともに、外部の金属部材などに接触することが回避される。
【0046】
なお、当該回路基板には、例えば、配線によって後述の蓄電ユニット20内の蓄電素子100に接続され、当該蓄電素子100の充電状態や放電状態、電圧値、電流値、温度などの各種情報を取得し、監視し、制御したり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路が設けられている。ここで、上記の蓄電素子100の温度とは、サーミスタ50を用いて得られる温度である。つまり、制御回路は、蓄電素子100に当接して設けられたサーミスタ50と配線(リード線)を介して接続されており、サーミスタ50から伝達される情報(抵抗値)を温度に変換することによって蓄電素子100の温度を取得する。
【0047】
蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、12個の蓄電素子100)と複数のバスバー200とを有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子13と負極外部端子14とに電気的に接続される。つまり、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の正極端子が、バスバー200を介して、正極外部端子13と電気的に接続される。また、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の負極端子が、バスバー200を介して、負極外部端子14と電気的に接続される。
【0048】
また、蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100が縦置きになった状態でX軸方向に並べられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット20は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット20の構成の詳細な説明、及び、蓄電ユニット20と外装体10とが固定される構成の詳細な説明については、後述する。
【0049】
保持部材30は、バスバー41、42や、その他リレーなどの電装部品、配線類等(図示せず)を保持し、当該バスバー41、42等と他の部材との絶縁、及び、当該バスバー41、42等の位置規制を行うことができる電装品トレーである。特に、保持部材30は、バスバー41、42を、蓄電ユニット20内のバスバー200、正極外部端子13及び負極外部端子14に対して位置決めする。
【0050】
具体的には、保持部材30は、蓄電ユニット20の上方(Z軸方向プラス側)に載置され、蓄電ユニット20に対して位置決めされる。また、保持部材30上に、バスバー41、42が載置されて位置決めされる。また、保持部材30上に、第一外装体11が配置される。これにより、バスバー41、42は、蓄電ユニット20内のバスバー200と、第一外装体11に設けられた正極外部端子13及び負極外部端子14とに対して位置決めされる。
【0051】
また、保持部材30は、サーミスタ50を保持する機能も有している。つまり、保持部材30には開口部が形成されており、当該開口部にサーミスタ50を挿入して回転させることで、サーミスタ50を蓄電素子100に対して位置決めし、かつ、蓄電素子100に対して押圧した状態で固定する。
【0052】
なお、保持部材30は、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0053】
バスバー41、42は、蓄電ユニット20内のバスバー200と、第一外装体11に設けられた正極外部端子13及び負極外部端子14とを電気的に接続する。つまり、バスバー41は、蓄電ユニット20内の一端に配置されたバスバー200と正極外部端子13とを電気的に接続する導電性の部材であり、バスバー42は、蓄電ユニット20内の他端に配置されたバスバー200と負極外部端子14とを電気的に接続する導電性の部材である。
【0054】
なお、バスバー41、42は、導電性の部材として、例えば銅で形成されているが、バスバー41、42の材質は特に限定されない。また、バスバー41、42は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0055】
サーミスタ50は、蓄電素子100に対して取り付けられる温度センサである。つまり、サーミスタ50は、蓄電素子100の蓋部に押圧された状態で取り付けられて、蓄電素子100の温度を計測する。本実施の形態では、2つの蓄電素子100に対して2つのサーミスタ50が配置されている。
【0056】
具体的には、サーミスタ50は、保持部材30が蓄電素子100に取り付けられた後に、保持部材30に取り付けられることで、蓄電素子100に対して位置決めされ、かつ、蓄電素子100に押圧されて配置される。なお、サーミスタ50が温度を計測する原理については、従来のサーミスタと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
次に、蓄電ユニット20の構成について、詳細に説明する。
【0058】
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0059】
同図に示すように、蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100と、複数のバスバー200と、複数のスペーサ300(複数のスペーサ310及び一対のスペーサ320)と、一対の挟持部材400と、複数の拘束部材500と、バスバーフレーム600と、遮熱プレート700とを備えている。
【0060】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、スペーサ310に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ310のそれぞれと交互に配置され、X軸方向に並べられている。本実施の形態では、12個の蓄電素子100が11個のスペーサ310と交互に隣接して配置されている。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、さらに、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0061】
また、同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。なお、容器110内方には、電極体(蓄電要素)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、また、電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0062】
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える容器本体と、当該容器本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。また、容器110は、電極体等を内部に収容後、蓋部と容器本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。このように、容器110は、同図のZ軸方向プラス側に蓋部、X軸方向両側の側面に長側面、Y軸方向両側の側面に短側面、Z軸方向マイナス側に底面を有する直方体形状の容器である。なお、容器110の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0063】
正極端子120は、正極集電体を介して、電極体の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体を介して、電極体の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器110の蓋部に取り付けられている。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。本実施の形態では、蓄電素子100は、正極端子120及び負極端子130を上方に向けた状態で配置されている。
【0064】
バスバー200は、蓄電ユニット20内の複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー200は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー200は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子の表面上に配置され、当該電極端子に接続(接合)される。
【0065】
本実施の形態では、5枚のバスバー200が配置されており、12個の蓄電素子100は、当該5枚のバスバー200によって、並列に接続された3つずつの蓄電素子100の組が、4組直列に接続された構成となっている。また、端部に配置されるバスバー200は、上述のバスバー41、42と接続され、これによって、正極外部端子13及び負極外部端子14と電気的に接続される。
【0066】
なお、バスバー200は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー200の材質は特に限定されない。また、バスバー200は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0067】
スペーサ300は、複数のスペーサ310と一対のスペーサ320とを有しており、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂により形成されている。なお、スペーサ310及び320は、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもよく、また、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのスペーサが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0068】
スペーサ310は、蓄電素子100の側方(X軸方向プラス側またはマイナス側)に配置される、当該蓄電素子100と他の部材とを絶縁する板状部材である。つまり、スペーサ310は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する。本実施の形態では、12個の蓄電素子100のそれぞれの蓄電素子100の間に、11枚のスペーサ310が配置されている。
【0069】
また、スペーサ310は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(X軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ310の正面側または背面側の両面(X軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100の側方のスペーサ310が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、スペーサ310によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。なお、スペーサ310は、サーミスタ50が蓄電素子100に当接できるように、蓄電素子100のサーミスタ50が位置する部分は覆わないように形成されている。
【0070】
スペーサ320は、挟持部材400と外装体10との間に配置され、挟持部材400と外装体10との間を絶縁する板状部材である。具体的には、スペーサ320は、挟持部材400と第二外装体12(外装体10の本体部)の側壁との間に配置される。また、スペーサ320は、挟持部材400及び第二外装体12の当該側壁と略平行な位置に配置される。ここで、第二外装体12の側壁とは、第二外装体12を構成する複数の壁のうち蓄電素子100の側方に位置する壁である。つまり、当該側壁は、有底矩形筒状の第二外装体12の筒体を形成する壁である。
【0071】
また、スペーサ320は、外装体10に外部から衝撃が加えられた場合等に、蓄電ユニット20を保護する緩衝部材としての機能も有する。つまり、一対のスペーサ320が一対の挟持部材400を両側から挟み込むようにして当該一対の挟持部材400と外装体10との間に配置されており、蓄電ユニット20内の蓄電素子100等を絶縁し、かつ、外部からの衝撃から保護する。すなわち、2つのスペーサ320は、蓄電素子100を挟持して互いに対向して位置する2つの挟持部材400と外装体10との間に配置される。
【0072】
このようなスペーサ320は、本実施の形態では、遮熱プレート700のスペーサ取付部710に取り付けられて固定されている。これにより、スペーサ320は、蓄電素子100に対して固定された状態で外装体10に収容される。なお、スペーサ320は、遮熱プレート700に取り付けられていなくてもよく、挟持部材400に取り付けられていてもかまわないし、他の部材に取り付けられることなく挟持部材400と外装体10との間に配置されていてもかまわない。スペーサ320の構成及びスペーサ320が固定される構成の詳細な説明については、後述する。
【0073】
挟持部材400及び拘束部材500は、蓄電素子100の電極体の積層方向において、蓄電素子100を外方から圧迫する部材である。つまり、挟持部材400及び拘束部材500は、複数の蓄電素子100を当該積層方向の両側から挟み込むことで、複数の蓄電素子100に含まれるそれぞれの蓄電素子100を両側から圧迫する。なお、蓄電素子100の電極体の積層方向とは、電極体の正極、負極及びセパレータが積層される方向であり、複数の蓄電素子100の並び方向(X軸方向)と同じ方向である。つまり、複数の蓄電素子100は、当該積層方向に配列されている。
【0074】
具体的には、挟持部材400は、複数の蓄電素子100のX軸方向両側に配置された平板状部材(エンドプレート)であり、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ310を、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ310の並び方向(X軸方向)の両側から挟み込んで保持する。なお、挟持部材400は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。
【0075】
拘束部材500は、両端が挟持部材400に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する長尺状かつ平板状の部材(拘束バー)である。つまり、拘束部材500は、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ310を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ310に対してこれらの並び方向(X軸方向)における拘束力を付与する。
【0076】
本実施の形態では、複数の蓄電素子100の両側方(Y軸方向両側)に2つの拘束部材500が配置されており、当該2つの拘束部材500で当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。なお、拘束部材500は、挟持部材400と同様に、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
【0077】
バスバーフレーム600は、バスバー200と他の部材との絶縁、及び、バスバー200の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム600は、バスバー200を、蓄電ユニット20内の複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
【0078】
具体的には、バスバーフレーム600は、複数の蓄電素子100の上方(Z軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。なお、バスバーフレーム600は、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0079】
また、バスバーフレーム600には、2つのサーミスタ50が挿入される貫通孔である2つのサーミスタ用開口部が形成されている。2つのサーミスタ50は、この2つのサーミスタ用開口部にそれぞれ挿入されて、蓄電素子100の容器110の蓋部に当接する。
【0080】
遮熱プレート700は、蓄電素子100のガス排出弁の排気の流路の内方に配置される断熱性を有する板状の部材である。具体的には、遮熱プレート700は、蓄電素子100のガス排出弁の上方に位置するように、バスバーフレーム600の上方に配置される。つまり、遮熱プレート700は、異常時等に蓄電素子100のガス排出弁からガスが排出された場合に、蓄電ユニット20の上方に配置される回路基板等の電気機器を当該ガスの熱から保護する。なお、遮熱プレート700は、本実施の形態では、熱伝導性の低いステンレスなどの金属材料で形成されているが、これに限定されず、耐熱性が高く熱伝導性の低い材料であればよく、例えばガラス繊維で強化されたPPSやPBT等の樹脂、あるいはセラミック等で形成されていてもかまわない。
【0081】
また、本実施の形態では、遮熱プレート700は、長手方向両端部に2つのスペーサ320がそれぞれ取り付けられるスペーサ取付部710を有する。なお、遮熱プレート700は、スペーサ取付部710を有する構成に限らず、蓄電素子100のガス排出弁の上方に位置するように、例えば、バスバーフレーム600の上方に配置された板状部材であってもかまわない。
【0082】
次に、以上のように構成された蓄電装置1において、スペーサ320の詳細な構成について、スペーサ320が固定される構成(つまり、スペーサ320がスペーサ取付部710に取り付けられる構成)と併せて、説明する。なお、2つのスペーサ320は同様の構成を有するため、以下では一方のスペーサ320に関する事項について説明し、他方のスペーサ320に関する事項については説明を省略する。
【0083】
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20からスペーサ320を分解して示す分解斜視図である。具体的には、同図では、2つのスペーサ320のうち一方のスペーサ320(X軸方向プラス側に配置されたスペーサ320)のみ、蓄電ユニット20から分解して示している。図5は、本発明の実施の形態に係るスペーサ320の一部を切断して示す斜視断面図である。図6は、本発明の実施の形態に係る遮熱プレート700のスペーサ取付部710の構成を拡大して示す拡大斜視図である。
【0084】
これらの図に示すスペーサ320は、本実施の形態では、挟持部材400の蓄電素子100と反対側の面を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ320は、挟持部材400との並び方向から見て(X軸方向から見て)、挟持部材400と同等または挟持部材400よりもわずかに大きく形成されている。このような構成により、スペーサ320が、挟持部材400と外装体10の挟持部材400に対向する部分との間に配置されることとなる。このため、スペーサ320によって、挟持部材400と外装体10との間の絶縁性を向上させ、かつ、外部の衝撃から蓄電素子100を保護する保護性能を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、スペーサ320は、挟持部材400を外装体10に固定できるように、後述する開口320bが形成されている。
【0086】
図4及び図5に示すように、スペーサ320には、2つのネジ301が挿入される(ネジ301が貫通する)2つの貫通孔320aが設けられている。スペーサ320は、貫通孔320a、及び、スペーサ取付部710の貫通孔711a(図6参照)に挿入されるネジ301によって、遮熱プレート700のスペーサ取付部710に取り付けられる。これにより、スペーサ320は、外装体10内において、蓄電素子100に対して位置決めされる。なお、スペーサ320のスペーサ取付部710への取り付け手法は特に限定されず、係合または嵌合等であってもかまわない。
【0087】
また、スペーサ320は、外装体10の挟持部材400との締結部分が内方に配置される開口320bを有する。つまり、開口320bには、当該締結部分が挿入されて配置される。開口320bの内方における外装体10の挟持部材400のとの締結については、後述する。
【0088】
また、スペーサ320は、外装体10のリブ12rが内方に配置される凹部320cを有する。つまり、蓄電ユニット20が外装体10に収容された状態において、凹部320cの内方にはリブ12rが配置される。凹部320cの内方にリブ12rが配置される構成については、後述する。
【0089】
また、スペーサ320は、外部の衝撃からの保護性能の向上を図る観点から、当該衝撃が加えられた場合に破損または変形が生じ得る剛性を有する。つまり、スペーサ320は、当該衝撃が加えられた場合に破損または変形することにより、当該衝撃を吸収して蓄電素子100を保護する。このため、本実施の形態において、スペーサ320は挟持部材400よりも低い剛性を有する。スペーサ320及び挟持部材400の剛性については、例えば、スペーサ320及び挟持部材400の形状を、CAD(Computer Aided Design)を用いて3Dモデルとして作成したり、3Dスキャンにより実物から読み込んだりすることにより、CAE(Computer Aided Engineering)解析等を用いて評価することができる。
【0090】
具体的には、本実施の形態では、スペーサ320は、挟持部材400に対向して延在するベースプレート321と、ベースプレート321から突出する突出部322とを有する。
【0091】
ベースプレート321は、挟持部材400に対向して延在する略矩形状の板状部材であり、本実施の形態では、当該ベースプレート321の平面視において(X軸方向から見て)、蓄電素子100の全体と重なるように設けられている。なお、ベースプレート321の形状は略矩形状に限定されるものではない。
【0092】
例えば、ベースプレート321は、挟持部材400よりも薄肉に形成されており、特に挟持部材400が樹脂製のエンドプレートと金属製のエンドプレートとの積層体である場合には樹脂製のエンドプレートよりも薄肉に形成されている。このようにベースプレート321が樹脂製のエンドプレートよりも薄肉に形成されていることにより、ベースプレート321と樹脂製のエンドプレートとが同じ材質であれば、ベースプレート321の剛性が樹脂製のエンドプレートの剛性よりも小さくなる。このため、外装体10に加えられた衝撃をベースプレート321が壊れることにより吸収することができる。
【0093】
ここで、ベースプレート321には、上記の貫通孔320aが設けられている。図5に示すように、ベースプレート321の貫通孔320aの周囲部分321aは、ベースプレート321の他の部分よりも厚肉に形成されている。このように周囲部分321aが厚肉に形成されることにより、スペーサ320をネジ301によって取り付けることによるベースプレート321の予期せぬ破損等を抑制することができる。つまり、ベースプレート321の周囲部分321aと異なる部分は衝撃を吸収するために剛性を低くしつつ、スペーサ320の取り付けによるベースプレート321の破損を抑制することができる。
【0094】
突出部322は、ベースプレート321から突出する部位であり、例えば、ベースプレート321と一体に形成されている。本実施の形態では、突出部322は、ベースプレート321から挟持部材400と反対方向(つまり、蓄電装置1の外方)に向かって突出している。つまり、ベースプレート321は、突出部322の挟持部材400側に配置されている。なお、突出部322の突出方向は特に限定されず、突出部322は挟持部材400に向かって突出してもかまわない。ただし、突出部322が挟持部材400と反対方向に向かって突出することにより、ベースプレート321が挟持部材400側に位置することとなるため、スペーサ320の取り付け作業性の向上が図られる。
【0095】
具体的には、突出部322は、図5に示すように、ベースプレート321の表面(同図では、X軸方向プラス側の面)に沿って延在する複数の第一壁部323と、複数の第一壁部323間にわたって延在する複数の第二壁部324とを有する。本実施の形態では、複数の第一壁部323と複数の第二壁部324とは略直交に配置されている。なお、第一壁部323と第二壁部324との配置は略直交に限定されず、さらに第三壁部(不図示)と併せてハニカム状に配置されてもかまわない。
【0096】
複数の第一壁部323は、ベースプレート321に立設する壁状の部位であり、例えば、Z軸方向に沿ってベースプレート321の全幅にわたって延在し、Y軸方向に所定の間隔をあけて配列されている。本実施の形態では、複数の第一壁部323は、蓄電ユニット20を外装体10に収容した状態において、隣り合う2つの第一壁部323の間に1つのリブ12rが位置するように、外装体10のリブ12rと同等の間隔をあけて配置されている。
【0097】
複数の第二壁部324は、第一壁部323と同様にベースプレートに立設する壁状の部位であり、例えば、Y軸方向に沿ってベースプレート321の全幅にわたって延在し、Z軸方向に所定の間隔をあけて配列されている。ここで、本実施の形態では、第二壁部324は、リブ12rが内方に配置される凹部320cを形成する低背部分を有する。つまり、当該低背部分は、第二壁部324の切り欠きを形成する。具体的には、第二壁部324は、凹部320cと異なる部分では、第一壁部323と同等の高さ(X軸方向における幅)で形成され、凹部320cの部分では第一壁部323よりも低背に形成されている。
【0098】
また、第一壁部323および第二壁部324は、例えば、ベースプレート321との接続部分においてベースプレート321よりも薄肉に形成され、突出方向に向かって漸次薄肉に形成されている。このような構成により、第一壁部323及び第二壁部324が外装体10側ほど壊れやすくなるため、外装体10に加えられた衝撃を一層吸収することができる。つまり、外部の衝撃からの保護性能の向上が図られる。
【0099】
なお、第一壁部323及び第二壁部324は、ベースプレート321と同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもかまわない。また、第一壁部323及び第二壁部324の配列は特に限定されず、例えば、ベースプレート321の中央部分は周縁部分よりも密に配列する等の疎密差を設けてもかまわない。また、第一壁部323の配列間隔と第二壁部324の配列間隔とは、同じであってもかまわないし、互いに異なる間隔であってもかまわない。
【0100】
このような第一壁部323及び第二壁部324によって、スペーサ320の内部には複数の空間S3が形成される。このようなスペーサ320内部の空間S3は、外装体10に加えられた衝撃を吸収する空間となるため、外部の衝撃からの保護性能の向上が図られる。
【0101】
次に、スペーサ取付部710の詳細な構成について、説明する。
【0102】
図6は、本発明の実施の形態に係る遮熱プレート700のスペーサ取付部710の構成を拡大して示す拡大斜視図である。
【0103】
図4及び図6に示すように、スペーサ取付部710は、スペーサ320に当接する第一当接部711と、挟持部材400に当接する第二当接部712とを有し、ネジ701によって挟持部材400に固定される。
【0104】
第一当接部711は、遮熱プレート700の短手方向両側(Y軸方向両側)に設けられ、第二当接部712から挟持部材400と反対方向に向かって突出する部位である。具体的には、一対の第一当接部711は、第二当接部712のY軸方向両側からスペーサ320に向かって突出し、かつ、スペーサ320に沿って折り曲げられた状態でスペーサ320に当接する。第一当接部711には、ネジ301が挿入される貫通孔である貫通孔711aが設けられている。
【0105】
第二当接部712は、挟持部材400に当接して配置される部位である。第二当接部712には、ネジ701が挿入される貫通孔712aが設けられている。
【0106】
このようなスペーサ取付部710の構成によって、挟持部材400と第一当接部711との間には空間S7が形成される。すなわち、挟持部材400とスペーサ320とは、離間して配置されることとなる。このような挟持部材400とスペーサ320との間に形成される空間S7は、外装体10に加えられた衝撃を吸収する空間となるため、外部の衝撃からの保護性能のさらなる向上が図られる。
【0107】
以上のような構成によって、スペーサ320はスペーサ取付部710に取り付けられる。そして、蓄電ユニット20は、スペーサ320が取り付けられた状態で外装体10に収容され、以下のように外装体10と固定される。
【0108】
図7は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20と外装体10(第二外装体12)とが固定される様子を示す斜視図である。
【0109】
同図に示すように、第二外装体12は挟持部材400に向かって凹んだ凹部である締結具21の取付部12aを有し、挟持部材400は取付部12aに対して固定される。これにより、蓄電ユニット20は第二外装体12に収容された状態で固定される。
【0110】
具体的には、取付部12aには、締結具21が挿入される貫通孔(不図示)が設けられている。つまり、取付部12aは、外装体10の挟持部材400との締結部分を構成する。
【0111】
締結具21は、挟持部材400を外装体10(本実施の形態では第二外装体12)に固定する、例えばボルトである。なお、締結具21は、ボルトに限らずネジ等であってもかまわない。
【0112】
このような締結具21による固定(締結)により、蓄電ユニット20が外装体10に対して固定される。また、同図に示すように、蓄電ユニット20は、蓄電素子100と外装体10との間に設けられる接着体22によっても外装体10に対して固定される。接着体22は、締結具21と異なる位置で蓄電ユニット20内の蓄電素子100を外装体10に対して固定する、例えば両面テープである。なお、接着体22は、両面テープに限らず、接着剤であってもかまわないし、マジックテープ(登録商標)またはベルクロ(登録商標)テープ等と称される着脱自在に接着される面ファスナー構造であってもかまわない。
【0113】
ここで、外装体10の取付部12a(締結部分)は、スペーサ320の開口320bの内方に配置される。つまり、取付部12aは、開口320bによって露出した挟持部材400対して締結具21によって固定(締結)される。
【0114】
以上のように外装体10に収容された蓄電ユニット20の構成について、以下に詳細に説明する。
【0115】
図8は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20が外装体10(第二外装体12)に収容された状態での構成を示す斜視図である。図9は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20が外装体10(第二外装体12)に収容された状態での構成を示す断面図である。具体的には、同図の(a)は、図8に示す斜視図におけるIX-IX線で切断した場合の全体断面図であり、同図の(b)は、同図の(a)の一点鎖線で囲まれる領域の拡大図である。なお、これらの図では、蓄電装置1を構成する部材のうち第二外装体12及び蓄電ユニット20以外の部材については、図示を省略している。
【0116】
これらの図に示すように、蓄電ユニット20が外装体10(第二外装体12)に収容された状態において、凹部320cの内方にはリブ12rが配置される。具体的には、図9の(b)に示すように、凹部320cは、内方にリブ12rが位置するようにリブ12rの外形よりわずかに大きい形状でリブ12rの突出方向に凹んだ形状である。つまり、蓄電ユニット20が第二外装体12に収容された状態において、スペーサ320と第二外装体12とは、わずかに離間して配置されている。
【0117】
ここで、スペーサ320と第二外装体12の内面との距離をd2、凹部320cの底部(つまり第二壁部324の低背部分)とリブ12rとの距離をd3とすると、d2<d3を満たす。つまり、第二外装体12とスペーサ320とは、リブ12rが設けられた位置より他の位置において、これらの間に形成される空隙が小さくなるように配置されている。
【0118】
上述したように、リブ12rにより第二外装体12の耐変形性が高められるため、第二外装体12に衝撃が加えられた場合であっても、リブ12rに損傷等が生じていなければ当該第二外装体12の変形は抑制される。ただし、さらに大きな衝撃が加えられることで第二外装体12が蓄電装置1の内方に向かって変形した場合、第二外装体12は、まず、リブ12rと異なる部分においてスペーサ320に当接することとなる。このため、第二外装体12は、比較的広い面積でスペーサ320に当接するため、当該衝撃によるスペーサ320の特定の部位への応力集中を抑制することができる。よって、外部の衝撃からの保護性能の向上が図られる。
【0119】
以上のように、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、エンドプレート(本実施の形態では挟持部材400)と外装体10との間に板状のスペーサ320が配置される。このため、外装体10に加えられた衝撃をスペーサ320が破損または変形することにより吸収することができる。例えば、挟持部材400よりもスペーサ320の剛性が低い場合、スペーサ320自身が破損または変形することで、挟持部材400の破損または変形を抑制することができる。よって、挟持部材400を介して蓄電素子100に加えられる衝撃を抑制することができる。その結果、当該衝撃から蓄電素子100を保護することができる。
【0120】
また、本実施の形態によれば、スペーサ320が挟持部材400と外装体10の本体部(本実施の形態では第二外装体12)との間に配置されるため、当該本体部に加えられた衝撃から蓄電素子100を保護することができる。このような構成は、蓋部(本実施の形態では第一外装体11)が上方向に配置される使用態様において、特に有用である。つまり、第一外装体11が上方向に配置される使用態様では、第一外装体11よりも第二外装体12に対して衝撃が加えられる場合が多くなる。このため、挟持部材400と第二外装体12との間にスペーサ320を配置することにより、衝撃から蓄電素子100を効果的に保護することができる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、スペーサ320が挟持部材400と略平行な位置に配置されることで、外装体10に加えられた衝撃を、挟持部材400がスペーサ320を介して面で受けることができるため、蓄電素子100を保護することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、蓄電素子100を挟んで2つのスペーサ320が配置されるため、蓄電素子100を一層保護することができる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、スペーサ320がベースプレート321から突出する突出部322を有するため、当該突出部322ではベースプレート321よりも外装体10に加えられた衝撃による負荷が大きくなりやすい。このため、外装体10に加えられた衝撃を突出部322が壊れることにより吸収することで、蓄電素子100を保護することができる。
【0124】
また、本実施の形態によれば、ベースプレート321が突出部322の挟持部材400側に配置されているため、外装体10に加えられた衝撃を、突出部322が受けてからベースプレート321に伝えることで、当該衝撃が挟持部材400側に伝わるのを抑制し、蓄電素子100を保護することができる。また、スペーサ320は、蓄電素子100に対して固定されるため、挟持部材400側にベースプレート321が配置されていることで、容易に蓄電素子100に対してスペーサ320を固定することができる。
【0125】
また、本実施の形態によれば、突出部322が複数の第一壁部323と複数の第一壁部323間に延在する複数の第二壁部324とを有するため、これら複数の第一壁部323と複数の第二壁部324とが互いに補強される。このため、蓄電装置1の振動等による突出部322の予期せぬ損傷を抑制することができる。
【0126】
また、本実施の形態によれば、スペーサ320の凹部320c内方に外装体10のリブ12rが配置されるため、外装体10内面の比較的近い位置までスペーサ320を配置することができる。つまり、挟持部材400と外装体10との間の空間にスペーサ320を大きく配置することができる。よって、外装体10に加えられた衝撃がスペーサ320によって一層吸収されるため、蓄電素子100をより確実に保護することができる。
【0127】
また、本実施の形態によれば、外装体10の締結部分(本実施の形態では取付部12a)がスペーサ320の開口320b内方に配置されるため、当該締結部分をスペーサ320によって保護することができる。よって、締結によって負荷がかかりやすい締結部分における損傷等の発生を抑制できる。
【0128】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、蓄電装置1は挟持部材400を備え、スペーサ320は挟持部材400と外装体10との間に配置されるとした。しかし、蓄電装置は挟持部材を備えなくてもよく、スペーサは1以上の蓄電素子100のうち端部の蓄電素子100と外装体10との間に配置されてもかまわない。以下、本変形例では、このように構成された蓄電装置について説明する。
【0129】
図10は、実施の形態の変形例1に係る蓄電ユニット20Aを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。なお、同図には、外装体10の第二外装体12も図示されている。また、同図では、隣り合う蓄電素子100の間に配置されるスペーサ、及び、蓄電ユニット20Aの遮熱プレート等について、図示を省略している。
【0130】
同図に示す蓄電ユニット20Aは、実施の形態の蓄電ユニット20に比べて、挟持部材400及び拘束部材500を備えない。このため、複数の蓄電素子100は、例えば、互いに拘束されない状態で外装体10に収容される。なお、第二外装体12の内方に、蓄電素子100を保持するための壁等が設けられていてもかまわない。
【0131】
このように構成された蓄電装置では、スペーサ320Aは、1以上の蓄電素子100(本変形例では12個の蓄電素子100)のうち端部の蓄電素子100と外装体10(本変形例では第二外装体12)との間に配置される。具体的には、本変形例では、一対のスペーサ320Aが複数の蓄電素子100を両側から挟み込むようにして両端部の蓄電素子100と外装体10との間に配置されており、蓄電ユニット20内の蓄電素子100等を絶縁し、かつ、外部からの衝撃から保護する。
【0132】
以上のように構成された本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。つまり、端部の蓄電素子100と外装体10との間にスペーサ320Aが配置されるため、外装体10に加えられた衝撃をスペーサ320Aが壊れることにより吸収することができる。このため、当該衝撃から蓄電素子100を保護することができる。
【0133】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記実施の形態では、スペーサ320は、突出部322の片側だけにベースプレート321を備えているとした。しかし、本変形例では、スペーサは、突出部の両側にベースプレートを備える。図11は、実施の形態の変形例2に係るスペーサ320Bの構成を示す断面図である。具体的には、同図は、図9の(b)に対応する図である。
【0134】
同図に示すように、スペーサ320Bは、上記実施の形態と同様にベースプレートを備えているが、当該ベースプレートは、上記実施の形態と同様のベースプレート321に加えて、ベースプレート325を備えている。以下では、ベースプレート321を第一ベースプレート321と称し、ベースプレート325を第二ベースプレート325と称する。
【0135】
つまり、第一ベースプレート321は、突出部322(第一壁部323及び第二壁部326)の挟持部材400側に配置されるベースプレートである。また、第二ベースプレート325は、突出部322(第一壁部323及び第二壁部326)の外装体10側(第二外装体12の側壁側)に配置されるベースプレートである。
【0136】
具体的には、第二ベースプレート325は、第二外装体12の側壁に対向して配置されている。このため、第二ベースプレート325に対向する第二外装体12の側壁には、リブ12rが形成されておらず、突出部322が有する第二壁部326には、上記実施の形態における第二壁部324のような凹部320cが形成されていない。なお、突出部322が有する第一壁部323は、上記実施の形態における第一壁部323と同様の構成を有している。
【0137】
以上のように構成された本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、スペーサ320Bは、突出部322の両側にベースプレートを有しているため、外装体10に加えられた衝撃を一層吸収して、蓄電素子100を保護することができる。また、例えばスペーサ320Bが外装体10に固定される場合には、外装体10に第二ベースプレート325を取り付けることで、容易に外装体10にスペーサ320Bを固定することができる。
【0138】
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0139】
例えば、上記実施の形態及び変形例2では、スペーサ320、320Bは、蓄電素子100に対して固定されていることとした。また、上記変形例1では、スペーサ320Aは、蓄電素子100等には固定されていないこととした。しかし、これらのスペーサは、外装体10に固定されていてもよい。なお、当該固定の手法は、例えば、両面テープ、接着剤、熱溶着、ネジ止めなど様々な手法が考えられる。このように、スペーサを外装体10に固定しておくことで、外部からの衝撃等に対して、外装体10から当該スペーサがずれるのを抑制することができる。また、蓄電装置1の製造時においても、蓄電装置1を容易に組み立てることができる。
【0140】
また、上記実施の形態では、蓄電装置は一対の挟持部材400を備えるとしたが、挟持部材400の個数は特に限定されず、例えば1つであっても3以上であってもかまわない。挟持部材が1つの場合、当該挟持部材400は、蓄電素子100を挟んで対向する外装体10の内壁とともに、蓄電素子100を挟持してもかまわない。さらには、挟持部材400は、蓄電素子100を挟持しなくてもよく、蓄電素子100の側方に配置されているエンドプレートであればよい。
【0141】
また、上記実施の形態及び変形例では、蓄電装置は複数の蓄電素子100を有するとしたが、蓄電素子100の個数は特に限定されず1以上であればよい。
【0142】
また、上記実施の形態及び変形例1では、スペーサ320、320Aは、1以上の蓄電素子100のうち端部の蓄電素子100と外装体10の本体部(上記説明では第二外装体12)の側壁との間に配置されるとした。しかし、スペーサ320、320Aの配置位置はこれに限定されず、1以上の蓄電素子100が上下方向に並べられて配置される場合には、端部の蓄電素子100と外装体10の蓋部(上記説明では第一外装体11)との間、または、端部の蓄電素子100と外装体の本体部の下壁との間に配置されてもかまわない。変形例2についても同様である。
【0143】
また、スペーサ320、320Aは板状であればよく、その大きさは特に限定されないが、衝撃を吸収して蓄電素子100を保護する観点から、例えば次のように形成されていることが好ましい。具体的には、当該スペーサ320、320Aと蓄電素子100とを並び方向に見た場合に、スペーサ320、320Aは蓄電素子100のほとんどを覆うように形成されていることが好ましく、さらには、蓄電素子100内の電極体を覆うように形成されていることが好ましい。また、当該並び方向に見た場合に、スペーサ320、320Aの最大の幅及び高さは、蓄電素子100の最大の幅及び高さより大きいことが好ましい。変形例2についても同様である。
【0144】
また、スペーサ320、320Aは、概観形状が板状であればよく、詳細な形状としては凸部または凹部等が設けられていてもかまわない。変形例2についても同様である。
【0145】
また、スペーサ320、320Aは、絶縁性を有する部材に限らず、例えば外装体10と蓄電素子100等の他の部材との絶縁性を十分に確保できる場合であれば、導電性を有する部材であってもかまわない。変形例2についても同様である。
【0146】
また、上記実施の形態及び変形例1では、スペーサ320、320Aは、ベースプレート321と当該ベースプレート321から突出する突出部322とを有するとした。しかし、スペーサ320、320Aはこのような構成に限定されず、衝撃から蓄電素子100を保護できる構成であればよい。例えば、スペーサ320は、挟持部材400より剛性が低ければよい。つまり、スペーサ320、320Aは、多孔質の柔軟性を有する素材で形成されていてもかまわないし、樹脂またはゴム等の弾性を有する素材で形成されていてもかまわない。変形例2についても同様である。
【0147】
また、上記実施の形態及び変形例1では、突出部322が複数の第一壁部323と複数の第二壁部324とを有するとしたが、第一壁部323及び第二壁部324の数はこれに限定されず、例えば各々1つずつであってもかまわない。また、第二壁部324は、複数の第一壁部323間にわたって延在するとしたが、一部の第一壁部323間にわたって延在していてもかまわないし、隣り合う2つの第一壁部323間のみで延在していてもかまわない。さらには、突出部322は、ベースプレート321から突出していればよく、第一壁部323及び第二壁部324の少なくとも一方を備えていなくてもかまわない。また、突出部322の形状は壁状に限定されず、柱状であってもかまわない。変形例2についても同様である。
【0148】
また、上記実施の形態及び変形例1では、突出部322は、複数の第一壁部323と、複数の第一壁部323間にわたって延在する複数の第二壁部324とを有するとした。しかし、突出部322は、ベースプレート321の表面に沿って延在する複数の壁部を有していればよく、例えば、複数の第一壁部323及び複数の第二壁部324のいずれか一方を有し、他方を有さなくてもかまわない。このような構成によっても、突出部322が複数の壁部を有するため、当該壁部が壊れることにより外装体10に加えられた衝撃を一層吸収することができる。なお、当該複数の壁部の延在方向は特に限定されず、第一壁部323の延在方向または第二壁部324の延在方向と同様であってもかまわないし、その他の方向であってもかまわない。変形例2についても同様である。
【0149】
また、上記実施の形態及び変形例1では、外装体10がスペーサ320、320Aと対向する面にリブ12rを有するとしたが、外装体10はリブ12rを有さずに、例えば、当該面が平坦状に形成されていてもかまわない。このような構成の場合、スペーサ320、320Aは、凹部320cを有さなくてもかまわない。また、外装体10がリブ12rを有する場合であっても、スペーサ320、320Aは凹部320cを有さずに、例えば、スペーサ320、320A全体の厚みがリブ12rの厚みに対応して薄く形成されていてもかまわない。
【0150】
また、上記実施の形態及び変形例1では、スペーサ320、320Aは、外装体10の挟持部材400との締結部分が内方に配置される開口320bを有するとしたが、スペーサ320、320Aは開口320bを有さなくてもかまわない。例えば、スペーサ320、320Aは、締結部分を避けるように上下方向に小面積化されて構成されていてもかまわない。変形例2についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、1以上の蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0152】
1 蓄電装置
10 外装体
11 第一外装体
12 第二外装体
12a 取付部
12r リブ
13 正極外部端子
14 負極外部端子
20、20A 蓄電ユニット
21 締結具
22 接着体
30 保持部材
41、42、200 バスバー
50 サーミスタ
100 蓄電素子
110 容器
120 正極端子
130 負極端子
300、310、320、320A、320B スペーサ
301、701 ネジ
320a、711a、712a 貫通孔
320b 開口
320c 凹部
321 ベースプレート(第一ベースプレート)
321a 周囲部分
322 突出部
323 第一壁部
324、326 第二壁部
325 第二ベースプレート
400 挟持部材
500 拘束部材
600 バスバーフレーム
700 遮熱プレート
710 スペーサ取付部
711 第一当接部
712 第二当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11