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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20220117BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
F02D45/00 368Z
F02D45/00
G01N27/416 331
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018030524
(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公開番号】P2019143581
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】嶺澤 正信
(72)【発明者】
【氏名】馬場 将太
(72)【発明者】
【氏名】松田 一宏
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-102699(JP,A)
【文献】特開2009-270932(JP,A)
【文献】特開2007-24538(JP,A)
【文献】特開2003-269231(JP,A)
【文献】特開2009-133238(JP,A)
【文献】特開平6-101457(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1491297(KR,B1)
【文献】特開平9-195751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 45/00
G01N 27/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素酸化物を検出するセンサ素子と、
バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、
を有する窒素酸化物センサ
の前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、
バッテリ電圧が閾値以上の場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の場合に前記ヒータを停止する制御部と、
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部と、
を備える
事を特徴とする窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置。
【請求項2】
窒素酸化物を検出するセンサ素子と、
バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、
を有する窒素酸化物センサ
の前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、
バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続していない場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の状態が所定時間に亘って継続した場合に前記ヒータを停止する制御部と、
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部と、
を備える
事を特徴とする窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置。
【請求項3】
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記所定時間を長く変更する所定時間変更部 を更に備える
請求項2に記載の窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置。
【請求項4】
窒素酸化物を検出するセンサ素子と、
バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、
を有する窒素酸化物センサ
の前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、
バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続していない場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の状態が所定時間に亘って継続した場合に前記ヒータを停止する制御部と、
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記所定時間を長く変更する所定時間変更部と、
を備える
事を特徴とする窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置。
【請求項5】
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部
を更に備える
請求項4に記載の窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窒素酸化物センサのヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒素酸化物センサは、自動車の内燃機関の排気管に設置され、排気中の窒素酸化物を検出する機能を有する。
【0003】
窒素酸化物センサは、センサ素子が所定の温度以上に加熱される事によって窒素酸化物を検出する機能を発揮する為、バッテリによって駆動され、センサ素子を加熱するヒータを備える(例えば、特許文献1乃至4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-102699号公報
【文献】特開2009-270932号公報
【文献】特開2007-024538号公報
【文献】特開2003-269231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリ電圧が閾値未満の場合は、バッテリを保護すべく(バッテリ上がりを回避すべく)、バッテリ電圧が閾値以上と成る迄はヒータを停止するが、バッテリ電圧が閾値以上と成った時に再びヒータを駆動しても、窒素酸化物センサが窒素酸化物を検出する機能を発揮する迄に時間が掛かる。
【0006】
窒素酸化物センサが窒素酸化物を検出する機能を発揮する迄は排気浄化システム(例えば、尿素選択触媒還元システム)を本来の制御によって動作させる事が出来ない為、排気中の窒素酸化物を十分に浄化する事が出来なく成る。
【0007】
以上の事情に鑑み、本開示は、従来と比較し出来る限りヒータを駆動し続ける事が出来る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、窒素酸化物を検出するセンサ素子と、バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、を有する窒素酸化物センサの前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、バッテリ電圧が閾値以上の場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の場合に前記ヒータを停止する制御部と、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部と、を備える窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置を提供する。
【0009】
本開示は、窒素酸化物を検出するセンサ素子と、バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、を有する窒素酸化物センサの前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続していない場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の状態が所定時間に亘って継続した場合に前記ヒータを停止する制御部と、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部と、を備える窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置を提供する。
【0010】
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記所定時間を長く変更する所定時間変更部を更に備える事が望ましい。
【0011】
本開示は、窒素酸化物を検出するセンサ素子と、バッテリによって駆動され、前記センサ素子を加熱するヒータと、を有する窒素酸化物センサの前記ヒータを制御する窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置に於いて、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続していない場合に前記ヒータを駆動し、前記バッテリ電圧が前記閾値未満の状態が所定時間に亘って継続した場合に前記ヒータを停止する制御部と、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記所定時間を長く変更する所定時間変更部と、を備える窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置を提供する。
【0012】
エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し前記閾値を低く変更する閾値変更部を更に備える事が望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によって、従来と比較し出来る限りヒータを駆動し続ける事が出来る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の構成を示す構成図である。
図2】本発明の第一の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の動作を示す流れ図である。
図3】本発明の第二の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の構成を示す構成図である。
図4】本発明の第二の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の動作を示す流れ図である。
図5】本発明の第三の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の構成を示す構成図である。
図6】本発明の第三の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の動作を示す流れ図である。
図7】本発明の第四の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の構成を示す構成図である。
図8】本発明の第四の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に順って説明する。
【0016】
[第一の実施の形態]
図1に示す様に、本発明の第一の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100は、窒素酸化物を検出するセンサ素子101と、バッテリ102によって駆動され、センサ素子101を加熱するヒータ103と、を有する窒素酸化物センサ104のヒータ103を制御するものである。
【0017】
窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100は、バッテリ電圧が閾値以上の場合にヒータ103を駆動し、バッテリ電圧が閾値未満の場合にヒータ103を停止する制御部105と、バッテリ102を安定的に充電する事が出来るエンジン稼働中はバッテリ102を安定的に充電する事が出来ないエンジン始動時と比較し閾値を低く変更する閾値変更部106と、を備える。
【0018】
エンジン始動時は、エンジン始動時点に加えエンジン始動直後のバッテリ102を安定的に充電する事が出来ない期間を含むものである。
【0019】
エンジン稼働中の閾値は、例えば、11[V]に設定され、エンジン始動時の閾値は、例えば、12[V]に設定される。エンジン稼働中は、バッテリの充電が継続的に為されている状態と言える為、エンジン始動時と比較し閾値を低くしても、バッテリ上がりを十分に回避する事が出来る。
【0020】
制御部105と閾値変更部106は、コントローラ107(例えば、エンジンコントロールユニット)に実装される。
【0021】
図2に示す様に、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100は、例えば、イグニッションキーオンによって動作を開始し、窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M100を繰り返しヒータ103を制御し、イグニッションキーオフによって動作を停止する(例えば、イグニッションキーオフ後は、図2のリターンをエンドと見なしエンドに至った時に窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M100を終了する)。
【0022】
最初のステップS101に於いては、制御部105によってエンジン始動時に該当するか否かを判定し、エンジン始動時に該当しない(エンジン稼働中)と判定した場合にステップS102に進み、エンジン始動時に該当すると判定した場合にステップS103に進む。
【0023】
ステップS102に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更しステップS104に進む。具体的に言えば、閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)と比較し低い閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更する。
【0024】
ステップS104に於いては、制御部105によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満に該当するか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満に該当しないと判定した場合にステップS105に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満に該当すると判定した場合にステップS106に進む。
【0025】
ステップS105に於いては、制御部105によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS101に戻る。
【0026】
ステップS106に於いては、制御部105によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS101に戻る。
【0027】
一方、ステップS103に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更しステップS107に進む。具体的に言えば、バッテリを保護すべく、閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)と比較し高い閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更する。
【0028】
ステップS107に於いては、制御部105によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満に該当するか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満に該当しないと判定した場合にステップS108に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満に該当すると判定した場合にステップS109に進む。
【0029】
ステップS108に於いては、制御部105によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS101に戻る。
【0030】
ステップS109に於いては、制御部105によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS101に戻る。
【0031】
従って、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100に於いては、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較しバッテリ電圧の閾値を低く変更する事によってヒータ103を停止し難くしている為、従来と比較し出来る限りヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0032】
[第二の実施の形態]
図3に示す様に、本発明の第二の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置200は、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100と比較すると、制御部105に代え、制御部201を備える点に於いて相違する。
【0033】
制御部201は、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続していない場合にヒータ103を駆動し、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続した場合にヒータ103を停止する。制御部201は、コントローラ107に実装される。
【0034】
図4に示す様に、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置200は、例えば、イグニッションキーオンによって動作を開始し、窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M200を繰り返しヒータ103を制御し、イグニッションキーオフによって動作を停止する(例えば、イグニッションキーオフ後は、図4のリターンをエンドと見なしエンドに至った時に窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M200を終了する)。
【0035】
最初のステップS201に於いては、制御部201によってエンジン始動時に該当するか否かを判定し、エンジン始動時に該当しないと判定した場合にステップS202に進み、エンジン始動時に該当すると判定した場合にステップS203に進む。
【0036】
ステップS202に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更しステップS204に進む。具体的に言えば、閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)と比較し低い閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更する。
【0037】
ステップS204に於いては、制御部201によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続していないと判定した場合にステップS205に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続したと判定した場合にステップS206に進む。
【0038】
ステップS205に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS201に戻る。
【0039】
ステップS206に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS201に戻る。
【0040】
一方、ステップS203に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更しステップS207に進む。具体的に言えば、バッテリを保護すべく、閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)と比較し高い閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更する。
【0041】
ステップS207に於いては、制御部201によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態がステップS204と同一の所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続していないと判定した場合にステップS208に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD)に亘って継続したと判定した場合にステップS209に進む。
【0042】
ステップS208に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS201に戻る。
【0043】
ステップS209に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS201に戻る。
【0044】
従って、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置200に於いては、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較しバッテリ電圧の閾値を低く変更する事によってヒータ103を停止し難くしている為、従来と比較し出来る限りヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0045】
また、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置200に於いては、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続したと判定した場合にヒータ103を停止する為、単にバッテリ電圧の閾値を基準にヒータ103を停止する場合と比較しヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0046】
[第三の実施の形態]
図5に示す様に、本発明の第三の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置300は、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置200と比較すると、所定時間変更部301を更に備える点に於いて相違する。
【0047】
所定時間変更部301は、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し所定時間を長く変更する。所定時間変更部301は、コントローラ107に実装される。
【0048】
エンジン稼働中の所定時間は、例えば、30000[ms]に設定され、エンジン始動時の閾値は、例えば、100[ms]に設定される。エンジン稼働中は、バッテリの充電が継続的に為されている状態と言える為、エンジン始動時と比較し所定時間を長くしても、バッテリ上がりを十分に回避する事が出来る。
【0049】
図6に示す様に、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置300は、例えば、イグニッションキーオンによって動作を開始し、窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M300を繰り返しヒータ103を制御し、イグニッションキーオフによって動作を停止する(例えば、イグニッションキーオフ後は、図6のリターンをエンドと見なしエンドに至った時に窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M300を終了する)。
【0050】
最初のステップS301に於いては、制御部201によってエンジン始動時に該当するか否かを判定し、エンジン始動時に該当しないと判定した場合にステップS302に進み、エンジン始動時に該当すると判定した場合にステップS303に進む。
【0051】
ステップS302に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更すると共に所定時間変更部301によって所定時間をエンジン稼働中の所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に変更しステップS304に進む。具体的に言えば、閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)と比較し低い閾値(VTHRESHOLD_LOW)に変更すると共に所定時間をエンジン始動時の所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)と比較し長い所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に変更する。
【0052】
ステップS304に於いては、制御部201によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続していないと判定した場合にステップS305に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_LOW)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続したと判定した場合にステップS306に進む。
【0053】
ステップS305に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS301に戻る。
【0054】
ステップS306に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS301に戻る。
【0055】
一方、ステップS303に於いては、閾値変更部106によって閾値をエンジン始動時の閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更すると共に所定時間変更部301によって所定時間をエンジン始動時の所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に変更しステップS307に進む。具体的に言えば、バッテリを保護すべく、閾値をエンジン稼働中の閾値(VTHRESHOLD_LOW)と比較し高い閾値(VTHRESHOLD_HIGH)に変更すると共に所定時間をエンジン稼働中の所定時間(TTHRESHOLD_LONG)と比較し短い所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に変更する。
【0056】
ステップS307に於いては、制御部201によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続していないと判定した場合にステップS308に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD_HIGH)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続したと判定した場合にステップS309に進む。
【0057】
ステップS308に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS301に戻る。
【0058】
ステップS309に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS301に戻る。
【0059】
従って、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置300に於いては、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較しバッテリ電圧の閾値を低く変更すると共にエンジン稼働中はエンジン始動時と比較し所定時間を長く変更する事によってヒータ103を停止し難くしている為、従来と比較し出来る限りヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0060】
また、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置300に於いては、バッテリ電圧が閾値未満の状態が所定時間に亘って継続したと判定した場合にヒータ103を停止する為、単にバッテリ電圧の閾値を基準にヒータ103を停止する場合と比較しヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0061】
[第四の実施の形態]
図7に示す様に、本発明の第四の実施の形態に係る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置400は、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置300と比較すると、閾値変更部106を備えない点に於いて相違する。
【0062】
図8に示す様に、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置400は、例えば、イグニッションキーオンによって動作を開始し、窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M400を繰り返しヒータ103を制御し、イグニッションキーオフによって動作を停止する(例えば、イグニッションキーオフ後は、図8のリターンをエンドと見なしエンドに至った時に窒素酸化物センサ用ヒータ制御手順M400を終了する)。
【0063】
最初のステップS401に於いては、制御部201によってエンジン始動時に該当するか否かを判定し、エンジン始動時に該当しないと判定した場合にステップS402に進み、エンジン始動時に該当すると判定した場合にステップS403に進む。
【0064】
ステップS402に於いては、所定時間変更部301によって所定時間をエンジン稼働中の所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に変更しステップS404に進む。具体的に言えば、所定時間をエンジン始動時の所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)と比較し長い所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に変更する。
【0065】
ステップS404に於いては、制御部201によってバッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続していないと判定した場合にステップS405に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_LONG)に亘って継続したと判定した場合にステップS406に進む。
【0066】
ステップS405に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS401に戻る。
【0067】
ステップS406に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS401に戻る。
【0068】
一方、ステップS403に於いては、所定時間変更部301によって所定時間をエンジン始動時の所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に変更しステップS407に進む。具体的に言えば、バッテリを保護すべく、所定時間をエンジン稼働中の所定時間(TTHRESHOLD_LONG)と比較し短い所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に変更する。
【0069】
ステップS407に於いては、制御部201によってバッテリ電圧がステップS404と同一の閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続したか否かを判定し、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続していないと判定した場合にステップS408に進み、バッテリ電圧が閾値(VTHRESHOLD)未満の状態が所定時間(TTHRESHOLD_SHORT)に亘って継続したと判定した場合にステップS409に進む。
【0070】
ステップS408に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を許可しヒータ103を駆動し最初のステップS401に戻る。
【0071】
ステップS409に於いては、制御部201によってバッテリ102の電源供給を禁止しヒータ103を停止し最初のステップS401に戻る。
【0072】
従って、窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置400に於いては、エンジン稼働中はエンジン始動時と比較し所定時間を長く変更する事によってヒータ103を停止し難くしている為、従来と比較し出来る限りヒータ103を駆動し続ける事が出来る。
【0073】
以上に説明した様に、本発明によって、従来と比較し出来る限りヒータを駆動し続ける事が出来る窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置100乃至400を提供する事が出来る。
【符号の説明】
【0074】
100 窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置
101 センサ素子
102 バッテリ
103 ヒータ
104 窒素酸化物センサ
105 制御部
106 閾値変更部
107 コントローラ
200 窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置
201 制御部
300 窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置
301 所定時間変更部
400 窒素酸化物センサ用ヒータ制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8