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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】画像処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220117BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220117BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
G03G21/00 510
B41J29/38 501
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018042892
(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公開番号】P2019161345
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091926
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】亀井 俊智
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-000876(JP,A)
【文献】特開2007-172029(JP,A)
【文献】特開2008-271344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報および入力画像を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断する画像処理装置。
【請求項2】
ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断し、正解画像の候補と判定した場合は、正解画像の候補を表示させ、正解画像の候補が正解画像であるかの問い合わせを行う画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、問い合わせの結果、正解画像であると判断された場合は、前記画像を使用して前記判定を実施する請求項記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、問い合わせの結果、正解画像でないと判断された場合、正解画像作成の手順を実施し、正解画像の作成後に前記判定を実施する請求項記載の画像処理装置。
【請求項5】
ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、関連情報に印刷ジョブと対応するものが存在しない場合は、入力画像と正解画像の画像差分から正解画像の候補を特定する画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、入力画像と正解画像との画像差分がある場合、一致領域が一定以上存在している場合は正解画像の候補と設定する請求項記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像差分において正解画像の候補と設定された場合、正解画像を編集可能な正解画像編集モードに入り、編集された画像を正解画像として前記検査を実施する請求項記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記画像差分において正解画像の候補と設定された場合、ユーザが前記正解画像の編集をしないとしたときは、差分がある領域はヤレと判断して検査対象外とする請求項記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記画像差分において正解画像が無い場合は、正解画像作成の処理手順に入り、前記処理手順によって得た正解画像の作成後に前記検査を実施する請求項5~8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、印刷ジョブ投入時に前記検索を行う請求項1~9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記印刷ジョブを受け付ける画像入力部を有する請求項1~10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記正解画像は、記録媒体に形成された画像を印刷ジョブを出力して画像を読み取る画像読取部または別の画像読取部で読み取った読取画像において、正解であると判定されたものである請求項1~11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記検索の結果、正解画像と判定された場合であっても、正解画像を得た際の検出結果が、印刷ジョブを出力して画像を読み取る画像読取部とは別の画像読取部で読み取られた結果であった場合は、正解画像としない請求項1~12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを検索するステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させ、
前記検索では、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報および入力画像を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断するプログラム。
【請求項15】
記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断し、正解画像の候補と判定した場合は、正解画像の候補を表示させ、正解画像の候補が正解画像であるかの問い合わせを行うステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させるプログラム。
【請求項16】
記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを検索するステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、関連情報に印刷ジョブと対応するものが存在しない場合は、入力画像と正解画像の画像差分から正解画像の候補を特定して、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかを検査することができる画像処理装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、複合機などの画像形成装置の分野では、用紙の画像を読み取った読取画像を用いて、画像に異常がないかのヤレ検査を行うものが知られている。例えば、読取画像と正解画像とを比較して、印刷された画像が一致しない場合に画像が異常であると判定し、この画像が印刷された用紙をヤレ紙とし、出力を停止したりヤレ紙を通常とは異なる排出先へ排紙したりする処理が行われている。
正解画像の作成では、例えば、ジョブのプルーフ出力などによって出力された画像を読み取り、画像が正常であると判断された画像を正解画像として保存し、ジョブの本出力においてヤレ検査に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-146859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、従来のヤレ検査は、印刷ジョブ投入時に検査用の正解画像を作成するものである。つまり、正解画像は印刷ジョブと一意に関連づいたものとなっており、ジョブが完了すると正解画像に関連するジョブ情報は削除されてしまう。したがって、一度検査を実施したことがある印刷データをユーザが新たに印刷ジョブとして投入する場合(再販印刷と呼ぶ)は、印刷装置に正解画像が存在しないため、検査用の正解画像を新規に作成する必要がある。
【0005】
本問題を解決するために、特許文献1では、正解画像をジョブ完了後も保存し続けることにより、ユーザによる手動操作によって正解画像を選択してもらうという手段を提案している。しかし、複数の正解画像があるような場合、印刷しようとするジョブに対し、どれが正解画像かを覚えていないケースも想定されているため、ユーザにとって手間のかかるシステムとなっている。
【0006】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、印刷ジョブの出力に際し、先のジョブ印刷で用意された正解画像の使用を容易にする画像処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の画像処理装置のうち、第1の形態は、ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報および入力画像を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断する
【0013】
他の形態の画像処理装置は、 ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断し、正解画像の候補と判定した場合は、正解画像の候補を表示させ、正解画像の候補が正解画像であるかの問い合わせを行う。
【0014】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、問い合わせの結果、正解画像であると判断された場合は、前記画像を使用して前記判定を実施する。
【0015】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、問い合わせの結果、正解画像でないと判断された場合、正解画像作成の手順を実施し、正解画像の作成後に前記判定を実施する。
【0016】
他の形態の画像処理装置は、前ジョブにおける正解画像を保持する記憶部と、
記録媒体に形成された画像を画像読取部で読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が前記記憶部に保持されているかを検索可能であり、検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、
前記制御部は、生成した正解画像を前記記憶部に保存することが可能であり、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存し、
前記制御部は、関連情報に印刷ジョブと対応するものが存在しない場合は、入力画像と正解画像の画像差分から正解画像の候補を特定す
【0017】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、入力画像と正解画像との画像差分がある場合、一致領域が一定以上存在している場合は正解画像の候補と設定する。
【0018】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記画像差分において正解画像の候補と設定された場合、正解画像を編集可能な正解画像編集モードに入り、編集された画像を正解画像として前記検査を実施する。
【0019】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記画像差分において正解画像の候補と設定された場合、ユーザが前記正解画像の編集をしないとしたときは、差分がある領域はヤレと判断してヤレ検査対象外とする。
【0020】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記画像差分において正解画像が無い場合は、正解画像作成の処理手順に入り、前記処理手順によって得た正解画像の作成後に前記検査を実施する。
【0021】
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、印刷ジョブ投入時に前記検索を行う。
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記印刷ジョブを受け付ける画像入力部を有する。
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記正解画像は、記録媒体に形成された画像を印刷ジョブを出力して画像を読み取る画像読取部または別の画像読取部で読み取った読取画像において、正解であると判定されたものである。
他の形態の画像処理装置は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記検索の結果、正解画像と判定された場合であっても、正解画像を得た際の検出結果が、印刷ジョブを出力して画像を読み取る画像読取部とは別の画像読取部で読み取られた結果であった場合は、正解画像としない。
【0022】
本発明のプログラムのうち、第1の形態は、記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを検索するステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させ、
前記検索では、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報および入力画像を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断する
他の形態のプログラムの発明は、記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを、印刷ジョブのジョブ情報をもとに、前記記憶部に保持されている上記関連情報を検索し、印刷ジョブと一致するものが存在すれば、その関連情報に紐づいた正解画像を印刷ジョブの正解画像の候補と判断し、正解画像の候補と判定した場合は、正解画像の候補を表示させ、正解画像の候補が正解画像であるかの問い合わせを行うステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させる。
他の形態のプログラムの発明は、記録媒体に形成された画像を読み取った読取画像を取得し、前記読取画像と正解画像とを比較して画像に異常があるかの検査を行う制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
生成した正解画像を記憶部に保存することを可能にし、前記保存の際に、前記正解画像とともに、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報を併せて保存するステップと、
印刷が行われる印刷ジョブに対応する正解画像が保持されているかを検索するステップと、
前記検索の結果、前記印刷ジョブに対応する正解画像が保持されている場合、その画像を前記印刷ジョブにおける正解画像として、前記検査を行い、関連情報に印刷ジョブと対応するものが存在しない場合は、入力画像と正解画像の画像差分から正解画像の候補を特定して、前記検査を行うステップと、を前記制御部に実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、保持された正解画像を検索可能とすることで、印刷ジョブを印刷する際に、対応する正解画像を保持されているものから採用することで、新たに正解画像を作成することなく、画像に異常があるかの検査が可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態における画像処理装置に相当する画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】同じく、制御ブロックである。
図3】同じく、印刷ジョブ投入時に正解画像を検索して画像の検査を行う手順を示すフローチャートである。
図4】同じく、正解画像の検索における詳細な手順を示すフローチャートである。
図5】同じく、異なる画像読取部での読み取りが可能な場合における手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
画像形成装置1は、装置本体10と、装置本体10の後段側に接続された画像読取装置20と、画像読取装置20の後段に接続された後処理装置30とを備えている。なお、この実施形態では、これら装置によって画像形成装置が構成されているものとして説明するが、装置本体10によって画像形成装置が構成されているものとしてもよく、画像形成装置と、その他の装置によって画像形成システムが構成されるものとしてもよい。また、画像形成システムにおいて、画像読取装置は画像形成装置に含まれるものとしてもよく、さらに画像読取装置が装置本体10内に設けられているものとしてもよい。
この実施形態では、画像形成装置1は、本発明の画像処理装置として機能する。
【0026】
装置本体10は、筺体の下部側に、複数の給紙段を有する本体給紙部12が配置されており、本体給紙部12には用紙が収納される。用紙は本発明の記録媒体に相当する。記録媒体に紙に限定されるものではなく、布やプラスチックなどであってもよい。
装置本体10には、搬送路13が設けられており、前記本体給紙部12から給紙される用紙が搬送路13によって下流側に搬送される。
【0027】
搬送路13の途中付近には、画像形成部15が設けられている。画像形成部15は、各色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K))用にそれぞれ感光体15Aを有しており、各感光体15Aの周囲に、図示しない、帯電器、LD、現像器を有している。さらに、画像形成部15は、中間転写ベルト15B、二次転写部15C、定着器15Dを有している。中間転写ベルト15Bは、各感光体15A上の画像が転写され、二次転写部15Cは、中間転写ベルト15B上の画像を搬送路13で搬送される用紙に転写する。定着器15Dは、二次転写部15Cの下流側の搬送路13に配置されており、画像が形成されて搬送路13によって搬送される用紙に、熱や圧力を加えて、用紙上の画像を定着する。
【0028】
画像形成部15は、感光体15A、図示しない帯電器、LD、現像器、中間転写ベルト15B、二次転写部15C、定着器15Dなどによって構成されている。なお、本実施形態ではカラー印刷機を前提としているが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、モノクロなど単色のみで印刷可能な画像形成装置であってもよい。
【0029】
搬送路13は、定着器15Dの下流側において反転搬送路13Aが分岐しており、反転搬送路13Aの下流側は、画像形成部15の上流側で搬送路13に合流している。反転搬送路13Aは、その途中で退避搬送路13Bが分岐しており、退避搬送路13Bに用紙を導入して反転搬送路13Aの下流側に用紙先後を入れ替えて搬送することができる。
【0030】
用紙の裏面に画像形成を行う場合、反転搬送路13Aから退避搬送路13Bに用紙を一旦送った後、退避搬送路13Bから下流側の反転搬送路13Aに用紙の先後を入れ替えて送り、搬送路13に環流させる。用紙は表裏が反転された状態で、搬送路13で送られ、画像形成部15によって用紙裏面側への画像形成を行うことができる。搬送路13の下流側は、画像読取装置20の搬送路23に接続される。
【0031】
さらに、装置本体10の筺体上部側に、操作部14が設けられている。操作部14には、タッチパネル式のLCDで構成することができ、操作者による操作および情報の表示が可能になっている。LCDは、操作部と表示部を兼用しており、操作表示部として機能する。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。また、LCDは移動可能となっているものであってもよい。
【0032】
装置本体10は、画像形成装置全体を制御する画像制御部100を備えている。画像制御部100は、CPU、CPUで実行されるプログラム、パラメーターや作業領域が格納される記憶部などによって構成することができる。画像制御部100では画像読取装置20における画像の読取結果を受けて画像に異常があるかの検査を行うことができる。したがって、画像制御部100は、本発明の制御部に相当する。
【0033】
画像制御部100では、読取結果に基づいて画像に異常があるかの検査を行うことができる。画像の検査では、画像の不良判定によってヤレ紙とすることができる。
【0034】
画像の検査では、所定の検査項目によって行われる。検査項目には、判定の種類、判定対象(サイズや画像)、判定精度などが含まれる。検査項目は、複数のものとすることができるが、一つの検査項目によって判定を行うものであってもよい。画像の判定は、生産性(PPM)を達成できるように行われる。すなわち、用紙の搬送時間隔内で行われる。
検査後の処理においては、前記したように、画像が異常でヤレと判定される場合、印刷の停止や画像形成装置内の用紙の排紙などを行ってもよい。ただし、本発明としては画像の検査結果における処理が特定のものに限定されるものではなく、画像検査の目的によって適宜の処理を行うことができる。
【0035】
画像読取装置20は、装置本体10の搬送路13に接続された搬送路23を有しており、装置本体10から搬送される用紙を搬送ローラ22などによって搬送路23を通じて下流側に搬送する。
搬送路23の中途付近には、用紙の上面側の画像を読み取る画像読取部24と用紙の下面側を読み取る画像読取部25が設けられている。画像読取部24、25はCMOSセンサやCCDセンサ等によって構成されたラインセンサでもよく、また、ポイントで画像を読み取る測色機などであってもよい。
搬送路23は、画像読取部24、25の下流側で、反転搬送路21Aが分岐しており、反転搬送路21Aの下流側は画像読取部24、25の上流側で搬送路23に合流している。反転搬送路21Aの中途には、退避搬送路21Bが分岐しており、退避搬送路21Bに導入される用紙は先後を逆にして反転搬送路21Aの下流側に搬送される。
画像読取装置20には読取制御部200が備えられており、画像読取部24、25を制御して、画像読取部24、25の読取結果を受けて画像読取装置20内の画像メモリーに一旦格納したり、画像制御部100に送信したりすることができる。
【0036】
なお、この実施形態では、2つの画像読取部を有するものについて説明をしたが、本発明としては画像読取部の数が限定されるものではなく、その数は1つでもよく、また、3つ以上でもよい。複数の画像読取部では種別の異なるものであってもよい。
【0037】
なお、この実施形態では、画像の判定を画像制御部100で行うものとして説明しているが、画像読取装置20で画像に異常があるかの検査を行うようにしてもよい。この場合、画像読取部24、25で読み取った画像を読取制御部200で取得し、読取制御部200で画像検査を行うことができる。
画像制御部100で画像検査を行う場合、装置本体10または画像形成装置1が本発明の画像処理装置に相当し、さらに画像読取装置20を含むものを画像処理装置とするものであってもよい。読取制御部200で画像判定を行う場合、画像読取装置20が本発明の画像処理装置に相当するものとし、装置本体10を含むものであってもよい。後者の場合、読取制御部200が本発明の制御部として機能する。
【0038】
上記したように本発明の画像処理装置は、画像読取部を有していても有していなくてもよく、さらには画像形成部を有していても有していなくてもよい。また、画像処理装置と画像形成装置とによって画像形成システムを構成するものであってもよい。制御部は、画像形成装置本体、画像形成装置本体のいずれに備えるものであてもよい。
また、本発明の制御部は、装置本体や画像読取装置に備える他に、装置本体や画像読取装置外に設けられ、装置本体や画像読取装置にネットワークやケーブルなどによって接続されて画像読取結果を取得して画像判定を行うものであってもよい。当該制御部は、外部端末や画像形成装置を管理する管理装置などに備えることができる。この場合、外部端末や管理装置は本発明の画像処理装置に相当することになる。
【0039】
画像制御部100または読取制御部200では、正解画像と画像読取部で読み取った読取画像とを比較して画像に異常があるかを検査する。例えば両者が一致していれば正常と判断し、不一致であれば異常の判定を行うことができる。画像検査の基準は適宜設定することができる。
【0040】
後処理装置30は、ステープル、パンチ、中綴じなどの所定の処理を行うように構成さ
れており、複数の後処理を行うものであってもよい。後処理装置30では複数の排紙先を
備え、ヤレとされた用紙を通常の出力用紙と区分けして排紙することができる。
【0041】
次に、画像形成装置1の電気的構成を図2に基づいて説明する。
画像形成装置1は、主要な構成として、デジタルコピアと、プリント&スキャナーコントローラー160とを有している。デジタルコピアは、制御ブロック110、スキャナー部130、操作部14およびプリンター部150を有している。プリント&スキャナーコントローラー160は、端末PCなどの外部機器4との間で入出力される画像データを処理する。
【0042】
制御ブロック110は、PCIバス112を有しており、PCIバス112に、DRAM制御IC111が接続され、DRAM制御IC111には、画像制御CPU113が接続されている。PCIバス112には、DRAM制御IC111を介してHDD123が接続されている。
【0043】
画像制御CPU113には、プログラムメモリー(ROM)114、不揮発メモリー115、システムメモリー(RAM)116が接続されている。 プログラムメモリー(ROM)114には、画像制御CPU113で実行されるプログラムなどが格納されている。なお、プログラムは不揮発メモリー115やHDD123に格納されるものであってもよい。さらに、プログラムやパラメーターは、持ち運び可能なリムーバブルの記憶媒体に格納されていてもよい。システムメモリー(RAM)116は、プログラムが実行される際にワークエリアなどとして使用される。
【0044】
不揮発メモリー115やHDD123には、機械設定情報等の設定データ、プロセス制御パラメーター、正解画像のデータ、ジョブに紐付けられた関連情報等が格納されている。さらに、画像の異常検査を行うためのパラメーターなどが格納されている。画像の良否判定の方法は特に限定されるものではなく、パターンマッチング等の既知の方法などを使用することができ、不良と判定される際の閾値などを格納しておくことができる。不揮発メモリー115やHDD123は、正解画像や関連情報を保持する記憶部に相当する。なお、記憶部は、装置本体10外に備えるものであってもよく、リムーバブルの記憶媒体であってもよい
【0045】
画像制御CPU113は、プログラムの実行によって画像形成装置1の全体の状態を把握し、画像形成装置1の制御を行うことが可能であり、用紙の搬送、画像形成等の動作や、画像形成用の画像データの処理などの制御を行うことができる。
画像制御CPU113は、不揮発メモリー115の不揮発データを読み取り可能であり、また、所望のデータを不揮発メモリー115に書き込むことが可能である。
画像制御CPU113、画像制御CPU113で動作するプログラム、プログラムメモリー(ROM)114、システムメモリー(RAM)116、不揮発メモリー115などによって画像制御部が構成される。画像制御部で画像の良否判定を行う場合には、画像制御は、発明の制御部に相当する。画像制御部で実行されるプログラムには、本発明のプログラムが含まれている。なお、プログラムは不揮発メモリー115以外にHDD123などに格納されているものとしてもよく、また、持ち運び可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0046】
画像制御CPU113には、スキャナー部130のスキャナー制御部132がシリアル通信可能に接続されている。
スキャナー部130は、CCD131と、スキャナー制御部132とを備えている。CCD131は用紙上の画像を光学的に読み取ることができる。スキャナー制御部132は、スキャナー部130の全体を制御するものであり、CCD131による画像の読み取りなどを制御する。スキャナー制御部132は、画像制御CPU113とシリアル通信可能に接続されており、画像制御CPU113による制御を受ける。なお、スキャナー制御部132は、CPUやCPUを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
CCD131で読み取った画像データは、DRAM制御IC111を介して読み取り処理部117に送信される。
読み取り処理部117は、CCD131から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D(Analog to Digital)変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、デジタル画像データを生成し、DRAM制御IC111を介してデジタル画像データを圧縮・伸長IC125に出力する。
【0047】
また、画像制御CPU113には、ADF制御部135が制御可能に接続されており、ADF制御部135によって流し込みtype自動原稿給送装置(ADF)18が制御される。
スキャナー部130では、装置本体10の上部プラテンガラスに置かれた原稿や、流し込みtype自動原稿給送装置(ADF)18で自動搬送される原稿の画像を読み取って画像データを得る。
【0048】
操作部14は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えている。LCD141では、各種の情報の表示および操作入力を行うことが可能となっている。なお、操作入力は、操作キー等によって行うこともできる。
操作部14では、装置本体10における設定や動作指令などの動作制御条件の入力が可能となっている。さらに、操作部14では、設定内容、機械状態、原稿画像等の表示、読取画像のプレビュー表示、画像比較に際しての不一致表示、メッセージの表示、読取画像の編集、正解画像の表示、正解画像の編集、正解画像を採択するかの問い合わせの表示、正解画像として選択するかの可否の入力、などを可能にすることができる。
【0049】
操作部14では、LCD141や操作キーを通じた操作入力により、装置本体10、画像読取装置20、後処理装置30などに対する各種の設定を行うことが可能であり、画像異常の検査の実施有無、後処理の有無等の動作などを設定することができる。
操作部制御部142は、操作部14の全体を制御するものである。操作部制御部142は画像制御CPU113とシリアル通信可能に接続されており、操作部14は画像制御CPU113からの指令を受けて操作部14の制御を行う。操作部制御部142は、CPUやCPUを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
【0050】
前記DRAM制御IC111には、画像データを圧縮または伸長することができる圧縮・伸長IC125が接続されている。DRAM制御IC111は、画像制御CPU113からの指示に従って、圧縮・伸長IC125による画像データの圧縮処理及び圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリー(DRAM)120への画像データの入出力制御を行う。
【0051】
画像メモリー(DRAM)120には、プリント用画像メモリー121と、出力画像用メモリー122とを有している。プリント用画像メモリー121には、圧縮された画像データが格納される。出力画像用メモリー122には、ジョブを出力する際に、非圧縮でページに展開した画像データが一時的に格納される。出力画像用メモリー122の画像データは、書き込み処理部126に送信される。
画像メモリー(DRAM)120には、上記DRAM制御IC111の制御によって、複数のジョブに関する画像データを保存することができる。さらにはジョブの設定情報や予約されたジョブの画像データなどを保存することができる。なお、これらのデータは、HDD123に格納することもできる。
【0052】
また、画像制御CPU113には、プリンター部150のプリンター制御部152が接続されている。プリンター制御部152は、CPUや記憶部等によって構成されており、画像制御CPU113の指令を受けてプリンター部150の全体を制御し、LD154Aによる画像形成動作を制御する。LD154Aは、各色用のLDを総称するものである。また、プリンター部150は、画像形成部11や、搬送路23を含む搬送部を制御することができる。
【0053】
さらに、画像制御CPU113には、LAN制御部127が接続されており、LAN制御部127には、LANインターフェース128が接続されている。LANインターフェース128には、ネットワーク3やその他のネットワークなどを接続することができ、LANインターフェース128を介して外部の装置との間でデータの送受信を行うことができる。
【0054】
書き込み処理部126は、プリンター部150のLD154Aなどを備える画像形成部11に接続され、画像データに基づいてLD154Aの動作に用いられる書き込みデータを生成する。
プリンター部150は、画像形成部11と、本体給紙部12、搬送路13(反転搬送路13Aを含む)などにより構成される。
また、プリンター部150は、プリンター部150の全体(給紙、画像形成、排紙、後処理など)を制御するプリンター制御部152を備えており、プリンター制御部152は前記した画像制御CPU113にシリアル通信可能に接続されている。プリンター制御部152は、画像制御CPU113の制御指令に従って動作して、プリンター部150を制御し、用紙搬送、画像形成、出力の停止、排紙制御などを行うことができる。また、プリンター制御部152は、圧縮・伸長IC125に圧縮画像データの伸長を指示することが
できる。
【0055】
また、プリンター制御部152には、画像読取装置20における読取制御部200、後処理装置(FNS)30におけるFNS制御部300が接続されている。
プリンター制御部152は、画像制御CPU113の指令に基づいて読取制御部200、FNS制御部300に指示を行うことができる。
読取制御部200では、画像制御CPU113の指示によって読取画像と正解画像とを比較して画像の異常検査を行うことができる。正解画像は、画像読取装置20の記憶部に格納されているものとしてもよい。
【0056】
また、PCIバス112には、プリント&スキャナーコントローラー160のDRAM制御IC161が接続されている。
プリント&スキャナーコントローラー160では、DRAM制御IC161に画像メモリー162が接続されており、DRAM制御IC161には、コントローラー制御CPU163が接続されている。さらに、DRAM制御IC161に、LANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、ネットワーク3に接続されている。
【0057】
さらに、画像制御CPU113には、IO部118が接続されている。IO部118は、画像形成装置1内の各部と画像制御CPU113との間で情報の授受を行うインターフェースとして動作する。
例えば、画像読取装置20の画像読取部24、25の読取結果を画像制御CPU113で取得することができる。
【0058】
ネットワーク3には、外部機器4などが接続されている。
画像形成装置1では、ネットワーク3を通じて、外部機器4や他の画像形成装置との間でデータの送受信を行うことができる。なお、ネットワーク3は、LANの他にWAN、電話回線などとして使用されるものであってもよく、無線、有線を問わない。
外部機器4は、外部機器4全体を制御する外部機器制御部400を有している。外部機器制御部400は、CPUやCPUを動作させるプログラム、記憶部などによって構成することができる。また、外部機器4は、情報を表示可能な外部操作表示部410を有している。
【0059】
なお、外部機器4は、端末や画像形成装置1を管理する装置として使用することも可能である。この場合、外部機器4は、ネットワーク3を介してLANインターフェース128に接続される。なお、外部機器4で画像形成装置1を管理する場合、外部機器制御部400は、画像形成装置を管理する管理制御部として機能する。
外部機器4を端末や管理装置として使用する場合、外部操作表示部410には、メッセージの表示や、画像を読み取った読取画像を取得してプレビュー表示を行うことができ、さらに操作入力を受けて読取画像の編集などを可能とするものであってもよい。
外部機器4は、画像形成装置を管理する場合、画像形成装置を直接制御してもよく、また、画像形成装置に制御内容の指示を行い、この指示内容によって画像形成装置の制御部で制御が行われるようにしてもよい。
【0060】
外部機器4で、記録媒体の画像を読み取った読取画像と正解画像とを比較して、画像に異常があるかを判定するようにしてもよい。この形態では、外部機器4は、本発明の画像処理装置として使用することができ、外部機器制御部400は、本発明の制御部として機能することができる。この場合、外部機器制御部400で動作するプログラムは、本発明のプログラムに相当する。
上記判定に際し、外部操作表示部410は、プレビュー表示やメッセージ表示、読取画像の編集、正解画像の編集、正解画像採択の問い合わせ、正解画像採択の可否入力などの表示や操作を行うものとして用いてもよく、また、これらの表示や操作画面を外部機器4外の操作表示部で表示や操作をできるように制御してもよい。
画像の検査に伴って、ジョブ出力の停止や仕切用用紙の出力、排出制御を外部機器からの指示によって画像制御部で行うようにしてもよい。この場合、外部機器制御部400と画像制御部100とは協働して制御部としての機能を果たすようにしてもよい。
【0061】
また、外部機器4は、画像の異常検査を行わず、画像形成装置1などの画像判定結果に従って、単にプレビュー表示やメッセージ表示、読取画像の編集などを行うものとしてもよく、これらの表示や制御は、本発明の制御部の制御によって行うことができる。例えば、外部機器4で読取画像や正解画像の編集が行われた場合、画像制御部100では、編集された画像のデータを取得することができる。また、正解画像は、画像形成装置1に備えてもよく、また、外部機器やその他の装置の記憶部に格納されているものとしてもよい。
【0062】
次に、画像形成装置1の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置1において画像データを蓄積する手順について説明する。
スキャナー部130で原稿の画像を読み取り、画像データを生成する場合、スキャナー部130に原稿を載置し、CCD131により原稿の画像を光学的に読み取る。この際は、画像制御CPU113から指令を受けたスキャナー制御部132がCCD131の動作制御を行う。
【0063】
CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部117に送られ、読み取り処理部117において所定のデータ処理がなされる。データ処理された画像データは、圧縮/伸長IC125に送出され、圧縮・伸長IC125において所定の方法によって圧縮され、DRAM制御IC111を介して画像メモリー(DRAM)120やHDD123に格納される。
画像メモリー(DRAM)120やHDD123に格納された画像データは、画像制御CPU113によってジョブとして管理することができる。画像データをジョブとして管理する場合は、画像メモリー(DRAM)120およびHDD123において、印刷条件が画像データと関連付けて格納される。
なお、印刷画像データと印刷条件とは、両者が関連付けられていれば、それぞれが異なる記憶媒体に格納されるものであってもよい。印刷条件は、操作部14を介してユーザが設定したり、初期設定や動作状況に自動的に設定されたりする。
【0064】
一方、画像データを外部から取得する場合、例えば、外部機器4や他の画像形成装置などからネットワーク3を通じて画像データを取得する場合は、プリント&スキャナーコントローラー160のLANインターフェース165を介して画像データを受信する。受信した画像データは、コントローラー制御CPU163の動作によって、LANインターフェース165、DRAM制御IC161を介して画像メモリー162に格納される。その後、画像メモリー162に格納された画像データは、DRAM制御IC161、PCIバス112、DRAM制御IC111を介して出力画像用メモリー122に一旦格納される。
【0065】
なお、画像データがページ記述データである場合、コントローラー制御CPU163によって画像データのRIP処理を行うことで、画像データをラスターイメージとすることができる。
出力画像用メモリー122に格納された印刷データは、DRAM制御IC111を介して圧縮・伸長IC125に順次送られて圧縮処理され、DRAM制御IC111を介してプリント用画像メモリー121に格納される。また、HDD123に格納する場合は、印刷データはDRAM制御IC111を介してHDD123に格納される。これら印刷データは、上記と同様に画像制御CPU113による管理がなされる。画像メモリー(DRAM)120およびHDD123は、画像データを保存する記憶部となる。
上記DRAM制御IC111は、ジョブを受け付ける画像入力部として機能することができる。
【0066】
画像形成装置1で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、プリント用画像メモリー121や不揮発メモリー115、HDD123などに格納された画像データを、DRAM制御IC111を介して圧縮・伸長IC125に送出し、画像データを伸長する。伸長された画像データはDRAM制御IC111を介して書き込み処理部126へ送出され、書き込み処理部126にて、設定された印刷条件に従って繰り返しLD154Aに展開し、LD154Aによって画像データに基づいて各感光体への書き込みが行われる。感光体154Aに書き込まれた画像は、その後、現像、転写、定着等を経て、用紙上に定着される。
【0067】
なお、画像形成装置1を複写機として使用する場合は、操作部14上で設定された印刷条件(プリントモード)等の情報を画像制御CPU113に通知し、画像制御CPU113で設定情報を作成する。作成された設定情報は画像制御CPU113内のRAMに格納することができる。
画像形成装置1をプリンターとして用いる場合、印刷条件は、外部機器4内のプリンタドライバで設定することができる。ここで設定された印刷条件は、画像と同様に、外部機器4→ LAN IF165→ 画像メモリー162→ DRAM制御IC161(コントローラー)→ DRAM制御IC111(本体)→ 出力画像用メモリー122と転送され、出力画像用メモリー122に格納される。
【0068】
次に、プルーフ出力などによってジョブの出力中に画像読取装置20で画像の読み取りを行って、正解画像を作成する場合、画像読取装置20で読み取られた読取画像は制御部に送られ、ユーザなどによって正解画像であることが確認され、記憶部に一旦記憶される。印刷ジョブの本出力などでは、用紙に形成された画像が画像読取装置20で読み取られ、制御部で取得される。制御部では、この読取画像と記憶部に保持されている正解画像とを比較して画像に異常がないかを判定する。なお、正解画像の保持では、どの印刷ジョブから生成されたかを示す関連情報をジョブに関連付けて併せて保存する。
【0069】
次に、新たに印刷ジョブが投入された際の手順を図3のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御部の制御によって実行される。
プリントジョブが投入されると(ステップs1)、制御部では、ジョブに対応する正解画像が保存されているか検索する(ステップs2)。正解画像が保存されていた場合(ステップs2、正解画像あり)、その正解画像を利用して検査を実施する(ステップs3)。
正解画像が保存されていなかった場合(ステップs2、正解画像なし)、新規に正解画像を作成し(ステップs4)、正解画像作成が完了すると、ジョブと関連付けが可能な関連情報とともに記憶部に保存する(ステップs5)。その後、保存した正解画像を利用して検査を実施する(ステップs3)。
関連情報としては、例えばジョブ入力時にユーザによって入力された情報(ファイル名や用紙情報など)などを用いることができる。本情報は前記に限ったものではなく、一意にジョブとの関連付けが可能であればどのような情報でもよい。
【0070】
次に、ステップs2における正解画像検索を詳細に説明する。
まず入力ジョブ情報と一致する関連情報が記憶部に保存されているかを検索する(ステップs2-1)。検索できた場合(ステップs2-1、Y)は、そのデータを正解画像候補としてユーザに表示する(ステップs2-2)。表示は、操作部14などに行うことができる。その際に、関連情報との一致だけで判断するのではなく、入力ジョブとの画像一致まで確認して正解画像候補と判断してもよい。一致した場合は、ユーザに正解画像かどうかの判断を促す画面を表示する(ステップs2-3)。表示は、操作部14などに行うことができ、ユーザによる操作入力を可能にする。操作入力により、ユーザが「正解画像である」と判断した場合(ステップs2-3、Y)は、正解画像ありとしてそのデータを正解画像として利用する(ステップs2-4)。
操作入力により、ユーザにて「正解画像ではない」と判断した場合(ステップs2-3、N)は、正解画像なし(ステップs2-10)として、ステップs4、5における正解画像作成シーケンスに入り、作成された正解画像にて検査を実施する(ステップs3)。本シーケンスではユーザに正解画像かどうかの判断をゆだねているが、機械内にて自動で正解画像を決定する構成としてもよい。
【0071】
入力ジョブ情報と一致する関連情報が存在しない場合は画像比較を実施し(ステップs2-5)、差分があるかを判定する(ステップs2-6)。
差分が無い場合は、正解画像と判断して(ステップs2-6、N)、ユーザに表示する(ステップs2-2)。画像差分がある場合(ステップs2-7、Y)は、どれくらいの領域で差分が発生しているかを測定し、一定閾値以内の差分であるかを判定する(ステップs2-7)。閾値は適宜設定することができ、本発明としては特定の閾値に限定されない。ジョブによって閾値が異なるものであってもよい。
【0072】
一定閾値以下の場合、正解画像候補とする(ステップs2-7、Y)。例えば、画像の全領域の90%以上が一致する場合は、正解画像候補としてもよい。閾値は特定のものに限定されるものではなく、ユーザが変更できるようにしてもよい。
ステップs2-7で正解画像候補となった場合は、ユーザに正解画像編集を促し、編集されたかを判定する(ステップs2-8)。編集があった場合(ステップs2-8、Y)は、編集後の画像を正解画像として保存し(ステップs2-9)、保存した画像を利用して検査を実施する(ステップs2-4)。編集が無かった場合(ステップs2-8、N)は、差分がある領域はヤレと判断されるため、検査の際には差分がある部分を検査対象外とし(ステップs2-11)、現在保存されているデータを正解画像として検査を実施する(ステップs2-4)。
【0073】
画像の差分が一定閾値以下でない場合(ステップs2-7、N)、正解画像なしとし(ステップs2-10)、ステップs4、5における正解画像作成シーケンスに入り、作成された正解画像にて検査を実施する(ステップs3)。
【0074】
次に、画像読取装置がオプションなどの場合で、別の画像読取装置で正解画像を取得可能な場合について説明する。例えば、取得した正解画像を持った読取装置を、別の装置本体などに接続することが可能である場合である。
前記のような場合、同じ印刷データを入力したとしても、装置本体が変わると色味などが変わってしまい、入力データと正解画像を比較する制御ではヤレと判断される可能性がある。そこで、正解画像作成時には印刷装置情報(例えばシリアル番号等)を保持しておく制御としてもよい。
具体的には、正解画像ありと判断された場合は、その正解画像が現在接続されている印刷装置で取得されたかを判断し、違う印刷装置で取得された結果である場合は正解画像なしとする。
ここでは印刷装置のみに言及しているが、画像読取装置内の撮像部と制御部とが別構成の場合は、撮像部自体の違いも判断対象としてもよい。
【0075】
上記について図5のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御部の制御によって実行される。
プリントジョブが投入されると(ステップs10)、制御部では、ジョブに対応する正解画像が保存されているか検索する(ステップs11)。正解画像検索は、図4で説明した手順により行うことができる。正解画像が保存されていた場合(ステップs11、正解画像あり)、正解画像を印字した印刷装置と現在接続されている印刷装置とが同じかを判定する(ステップs12)。同じ印刷装置の場合(ステップs13、Y)、その正解画像を利用して検査を実施する(ステップs13)。
【0076】
正解画像が保存されていなかった場合(ステップs11、正解画像なし)、新規に正解画像を作成する(ステップs14)。また、ステップs12で、正解画像を印字した印刷装置と現在接続されている印刷装置が同じでない場合(ステップs12、N)、同様に正解画像を作成する(ステップs14)。
ステップs14で正解画像作成が完了すると、ジョブと関連付けが可能な関連情報とともに記憶部に保存する(ステップs15)。さらに、印刷装置情報を保存し、正解画像との関連づけを行う(ステップs16)。その後、保存した正解画像を利用して検査を実施する(ステップs13)。
関連情報は、前記したように、ジョブ入力時にユーザによって入力された情報(ファイル名や用紙情報など)が例示されるが、印刷装置情報を関連情報として保存するものであってもよい。
【0077】
本実施形態では、印刷データが投入された際に正解画像が保存されていないかを検出する仕組みを搭載することで、既に検査している印刷データを再度印刷ジョブとして投入された際に同じジョブまたは似たジョブの正解画像を使って正解画像の新規作成の手間を省き、検査フローを簡略化・自動化できる。
【0078】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲が上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは本実施形態に対する適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成装置
3 ネットワーク
4 外部機器
10 装置本体
11 画像形成部
14 操作部
15 画像形成部
20 画像読取装置
24 画像読取部
25 画像読取部
30 後処理装置
100 画像制御部
113 画像制御CPU
200 読取制御部
400 外部機器制御部
410 外部操作表示部
図1
図2
図3
図4
図5